JPH11322850A - ポリブタジエン及びその製造方法 - Google Patents

ポリブタジエン及びその製造方法

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JPH11322850A
JPH11322850A JP5907199A JP5907199A JPH11322850A JP H11322850 A JPH11322850 A JP H11322850A JP 5907199 A JP5907199 A JP 5907199A JP 5907199 A JP5907199 A JP 5907199A JP H11322850 A JPH11322850 A JP H11322850A
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JP
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vanadium
cyclopentadienyl
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bis
dichloride
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Application number
JP5907199A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Tsujimoto
信弘 辻本
Yasumasa Iwamoto
泰昌 岩本
Sakae Yuasa
栄 湯浅
Michinori Suzuki
通典 鈴木
Masato Murakami
村上  真人
Koji Maeda
孝二 前田
Satoshi Bandai
智 萬代
Yoshihei Hosoyama
善平 細山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイシス構造に適度に1,2-構造を含みトラン
ス構造が少ないミクロ構造及び分子のリニアリティの高
いポリブタジエン及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 (1)ブタジエンモノマーユニットのう
ち、1,2-構造ユニットの含有率が 4〜30モル%、シス-
1,4- 構造ユニットの含有率が65〜95モル%、及びトラ
ンス-1,4- 構造ユニットの含有率が 5モル%以下である
こと、並びに、(2)トルエン溶液粘度(Tcp)と 100
℃におけるムーニー粘度(ML1+4 )の比(Tcp/ML
1+4)が 2〜6 であること、を特徴とするポリブタジエ
ン及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制御されたミクロ構
造及び分子のリニアリティの高いポリブタジエン、並び
に、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造
として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4
−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,
2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、
更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一
方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をと
る。
【0003】重合触媒によって、上記のミクロ構造が異
なったポリブタジエンが製造されることが知られてお
り、それらの特性によって種々の用途に使用されてい
る。特に、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みト
ランス構造が少ないミクロ構造及び分子のリニアリティ
の高いポリブタジエンは、耐摩耗性、耐発熱性、反発弾
性の優れた特性を有する。
【0004】特公昭53−44188号公報には、1,
2−構造ユニットの含有率が15〜35%、シス−1,
4−構造ユニットの含有率が20〜85%であり、5%
スチレン溶液粘度(5%SV)が50〜200cpsで
あり、1.5ML1+4≦5%SV≦3ML1+4であるポリ
ブタジエンを使用した耐衝撃性ポリスチレンが記載され
ている。
【0005】一般に、5%SV=Tcp×1.345の
関係にあり、従って、上式は1.12≦Tcp/ML
1+4 ≦2.23の関係にある。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、ハイシス構
造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミ
クロ構造及び分子のリニアリティの高いポリブタジエン
を提供するものである。
【0007】
【課題解決のための手段】本発明は、(1)ブタジエン
モノマ−ユニットのうち、1,2−構造ユニットの含有
率が4〜30モル%、シス−1,4−構造ユニットの含有
率が65〜95モル%、及びトランス−1,4−構造ユ
ニットの含有率が5モル%以下であること、並びに、
(2)トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃における
ム−ニ−粘度( ML1+4)の比(Tcp/ M
1+4)が2〜6であること、を特徴とするポリブタジ
エンに関する。
【0008】また、本発明は、(A)遷移金属化合物の
メタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチ
オンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンから
得られる触媒を用いてブタジエンの重合を行い、上記の
ポリブタジエンの製造方法に関する。
【0009】また、本発明は、(A)遷移金属化合物の
メタロセン型錯体、(B)非配位性アニオンとカチオン
とのイオン性化合物、(C)周期律表第1〜3族元素の
有機金属化合物、及び、(D)水から得られる触媒を用
いてブタジエンの重合を行い、上記のポリブタジエンの
製造方法に関する。
【発明の実施の形態】本発明のポリブタジエンは、1,
2−構造含有率が4〜30%、好ましくは5〜25%、
より好ましくは7〜15%、シス−1,4−構造含有率
が65〜95%、好ましくは70〜85%、トランス−
1,4−構造含有率が5%以下、好ましくは4.5%以
下、特に好ましくは0.5〜4.0%である。
【0010】ミクロ構造が上記の範囲外であると、ポリ
マ−の反応性(グラフト反応や架橋反応性など)が適当
でなく、添加剤などに用いたときのゴム的性質が低下
し、物性のバランスや外観などに影響を与え好ましくな
い。
【0011】また、本発明のポリブタジエンは、トルエ
ン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度
(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)が2〜6、好まし
くは3〜5である。
【0012】本発明のポリブタジエンのトルエン溶液粘
度(Tcp)は、20〜500、好ましくは30〜30
0である。
【0013】本発明のポリブタジエンのム−ニ−粘度
( ML1+4)は、10〜200、好ましくは25〜10
0である。
【0014】本発明のポリブタジエンの分子量は、トル
エン中30℃で測定した固有粘度[η]が、0.1〜1
0、好ましくは0.1〜3である。
【0015】また、本発明のポリブタジエンの分子量
は、ポリスチレン換算の分子量として下記の範囲のもの
が好ましい。数平均分子量(Mn):0.2×105
10×105、より好ましくは0.5×105〜5×10
5重量平均分子量(Mw):0.5×105〜20×10
5、より好ましくは1×105〜10×105また、本発
明のポリブタジエンの分子量分布(Mw/Mn)は、好
ましくは1.5〜3.5、より好ましくは1.6〜3で
ある。
【0016】本発明のポリブタジエンは、例えば、
(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/
又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて、ブタジ
エンを重合させて製造できる。
【0017】あるいは、(A)遷移金属化合物のメタロ
セン型錯体、(B)非配位性アニオンとカチオンとのイ
オン性化合物、(C)周期律表第1〜3族元素の有機金
属化合物、及び、(D)水から得られる触媒を用いたブ
タジエンを重合させて製造できる。
【0018】(A)成分の遷移金属化合物のメタロセン
型錯体としては、周期律表第4〜8族遷移金属化合物の
メタロセン型錯体が挙げられる。
【0019】例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期
律表第4族遷移金属のメタロセン型錯体(例えば、Cp
TiCl3など)、バナジウム、ニオブ、タンタルなど
の周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体、クロム
などの第6族遷移金属メタロセン型錯体、コバルト、ニ
ッケルなどの第8族遷移金属のメタロセン型錯体が挙げ
られる。
【0020】中でも、周期律表第5族遷移金属のメタロ
セン型錯体が好適に用いられる。
【0021】上記の周期律表第5族遷移金属化合物のメ
タロセン型錯体としては、 (1) RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル
基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金
属化合物 (2) Rn MX2-n ・La、すなわち、少なくとも1
個のシクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+
2の周期律表第5族遷移金属化合物 (3) Rn MX3-n ・La (4) RMX3 ・La (5) RM(O)X2 ・La (6) Rn MX3-n (NR' ) などの一般式で表される化合物が挙げられる(式中、n
は1又は2、aは0,1又は2である)。
【0022】中でも、RM・La、Rn MX2-n ・L
a、R2 M・La、RMX3 ・La、RM(O)X2
La などが好ましく挙げられる。
【0023】Mは、周期律表第5族遷移金属化合物が好
ましい。具体的にはバナジウム(V)、ニオブ(N
b)、またはタンタル(Ta)であり、好ましい金属は
バナジウムである。
【0024】Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロ
ペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、
フルオレニル基又は置換フルオレニル基を示す。
【0025】置換シクロペンタジエニル基、置換インデ
ニル基又は置換フルオレニル基における置換基として
は、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n
−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、t−ブチ
ル、ヘキシルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐
状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベ
ンジルなど芳香族炭化水素基、トリメチルシリルなどの
ケイ素原子を含有する炭化水素基などが挙げられる。さ
らに、シクロペンタジエニル環がXの一部と互いにジメ
チルシリル、ジメチルメチレン、メチルフェニルメチレ
ン、ジフェニルメチレン、エチレン、置換エチレンなど
の架橋基で結合されたものも含まれる。
【0026】置換シクロペンタジエニル基の具体例とし
ては、メチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチ
ルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル基、1,3−ジ(t−ブチル)シクロペン
タジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジ
エニル基、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタ
ジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、1
−エチル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタ
ジエニル基、1−ベンジル−2,3,4,5−テトラメ
チルシクロペンタジエニル基、1−フェニル−2,3,
4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−ト
リメチルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロ
ペンタジエニル基、1−トリフルオロメチル−2,3,
4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基などが挙
げられる。
【0027】置換インデニル基の具体例としては、1,
2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデ
ニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデ
ニル基などが挙げられる。置換フルオレニル基の具体例
としては、メチルフルオレニル基などが挙げられる。以
上の中でも、Rとしてシクロペンタジエニル基、メチル
シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジ
エニル基、インデニル基、1,2,3−トリメチルイン
デニル基などが好ましい。
【0028】Xは水素、ハロゲン、炭素数1から20の
炭化水素基、アルコキシ基、又はアミノ基を示す。Xは
同じであっても、異なってもよい。
【0029】ハロゲンの具体例としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0030】炭素数1から20の炭化水素基の具体例と
しては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピ
ル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、ヘキシルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基また
は分岐状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチ
ル、ベンジルなどの芳香族炭化水素基などが挙げられ
る。さらにトリメチルシリルなどのケイ素原子を含有す
る炭化水素基も含まれる。中でも、メチル、ベンジル、
トリメチルシリルメチルなどが好ましい。
【0031】アルコキシ基の具体例としては、メトキ
シ、エトキシ、フェノキシ、プロポキシ、ブトキシなど
が挙げられる。さらに、アミルオキシ、ヘキシルオキ
シ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、チオ
メトキシなどを用いてもよい。
【0032】アミノ基の具体例としては、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノなどが挙げ
られる。
【0033】以上の中でも、Xとしては、水素、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、メチル、エチル、ブチル、
メトキシ、エトキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
などが好ましい。
【0034】Lは、ルイス塩基であり、金属に配位でき
るルイス塩基性の一般的な無機、有機化合物である。そ
の内、活性水素を有しない化合物が特に好ましい。具体
例としては、エ−テル、エステル、ケトン、アミン、ホ
スフィン、シリルオキシ化合物、オレフィン、ジエン、
芳香族化合物、アルキンなどが挙げられる。
【0035】NR'はイミド基であり、R'は炭素数1か
ら25の炭化水素置換基である。R' の具体例として
は、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、s
ec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ネオ
ペンチルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐状脂
肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジ
ル、1−フェニルエチル、2−フェニル−2−プロピ
ル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェ
ニルなどの芳香族炭化水素基などが挙げられる。さらに
トリメチルシリルなどのケイ素原子を含有する炭化水素
基も含まれる。
【0036】(A)周期律表第5族遷移金属化合物のメ
タロセン型錯体としては、中でも、Mがバナジウムであ
るバナジウム化合物が好ましい。例えば、RV・La、
RVX・La、R2 M・La、RMX2 ・La 、RM
3 ・La 、RM(O)X2・La などが好ましく挙
げられる。特に、RV・La、RMX3 ・Laが好まし
い。
【0037】RM・La、すなわち、シクロアルカジエ
ニル基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷
移金属化合物としては、シクロペンタジエニル(ベンゼ
ン)バナジウム、シクロペンタジエニル(トルエン)バ
ナジウム、シクロペンタジエニル(キシレン)バナジウ
ム、シクロペンタジエニル(トリメチルベンゼン)バナ
ジウム、シクロペンタジエニル(ヘキサメチルベンゼ
ン)バナジウム、シクロペンタジエニル(ナフタレン)
バナジウム、シクロペンタジエニル(アントラセン)バ
ナジウム、シクロペンタジエニル(フェロセン)バナジ
ウム、メチルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジ
ウム、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル(ベンゼ
ン)バナジウム、1−ブチル−3−メチルシクロペタジ
エニル(ベンゼン)バナジウム、テトラメチルシクロペ
ンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、ペンタメチルシ
クロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウム、トリメチ
ルシリルシクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジウ
ム、1,2−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジ
エニル(ベンゼン)バナジウム、1,3−ビス(トリメ
チルシリル)シクロペンタジエニル(ベンゼン)バナジ
ウム、インデニル(ベンゼン)バナジウム、2−メチル
インデニル(ベンゼン)バナジウム、2−トリメチルシ
リルインデニル(ベンゼン)バナジウム、フルオレニル
(ベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(エチ
レン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペ
ンタジエニル(ブタジエン)(トリメチルホスフィン)
バナジウム、シクロペンタジエニル(1,4−ジフェニ
ルブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、
シクロペンタジエニル(1,1,4,4−テトラフェニ
ルブタジエン)(トリメチルホスフィン)バナジウム、
シクロペンタジエニル(2,3−ジメチルブタジエン)
(トリメチルホスフィン)バナジウム、シクロペンタジ
エニル(2、4−ヘキサジエン)(トリメチルホスフィ
ン)バナジウム、シクロペンタジエニルテトラカルボニ
ルバナジウム、インデニルテトラカルボニルバナジウム
などを挙げることができる。
【0038】Rn MX2-n・Laで表わされる化合物の
うち、n=1、すなわち、シクロアルカジエニル基を配
位子として一個有する場合には、他のシグマ結合性配位
子として、水素原子、塩素、臭素、沃素などのハロゲン
原子、メチル基、フェニル基、ベンジル基、ネオペンチ
ル基、トリメチルシリル基、ビストリメチルシリルメチ
ル基などの炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、イソ
プロポキシ基などの炭化水素オキシ基、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジオ
クチルアミノ基などの炭化水素アミノ基を有することが
できる。
【0039】さらに、他の配位子としては、アミン、ア
ミド、ホスフィン、エ−テル、ケトン、エステル、オレ
フィン、ジエン、芳香族炭化水素、アルキンなどの中性
のルイス塩基を有することもできる。活性水素のないル
イス塩基が好ましい。
【0040】Rn MX2-n・Laで表わされる化合物の
うち、n=2、すなわち、シクロアルカジエニル基を配
位子として二個有する場合には、各々のシクロアルカジ
エニル環が互いにジメチルシリレン(Me2Si)、ジメチル
メチレン(Me2C)、メチルフェニルメチレン(PhMe
C)、ジフェニルメチレン(Ph2C)、エチレン、置換エ
チレンなどの架橋基で結合されたものも含まれる。
【0041】本発明のRnMX2-n・Laで表わされる化
合物のうち、n=1、すなわち、シクロアルカジエニル
基を配位子として一個有する酸化数+2の周期律表第5
族遷移金属化合物の具体例としては、クロロシクロペン
タジエニル(テトラヒドロフラン)バナジウム、クロロ
シクロペンタジエニル(トリメチルホスフィン)バナジ
ウム、クロロシクロペンタジエニルビス(トリメチルホ
スフィン)バナジウム、クロロシクロペンタジエニル
(1,2−ビスジメチルホスフィノエタン)バナジウ
ム、クロロシクロペンタジエニル(1,2−ビスジフェ
ニルホスフィノエタン)バナジウム、クロロシクロペン
タジエニル(トリフェニルホスフィン)バナジウム、ク
ロロシクロペンタジエニル(テトラヒドロチオフェン)
バナジウム、ブロモシクロペンタジエニル(テトラヒド
ロフラン)バナジウム、ヨ−ドシクロペンタジエニル
(テトラヒドロフラン)バナジウム、クロロ(メチルシ
クロペンタジエニル)(テトラヒドロフラン)バナジウ
ム、クロロ(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)
(テトラヒドロフラン)バナジウム、クロロ(1−ブチ
ル−3−メチルシクロペタジエニル)(テトラヒドロフ
ラン)バナジウム、クロロ(テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)(テトラヒドロフラン)バナジウム、クロロ
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(テトラヒドロ
フラン)バナジウム、クロロ(トリメチルシリルシクロ
ペンタジエニル)(テトラヒドロフラン)バナジウム、
クロロ(1,2−ビス(トリメチルシリル)シクロペン
タジエニル)(テトラヒドロフラン)バナジウム、クロ
ロ(1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジ
エニル)(テトラヒドロフラン)バナジウム、クロロイ
ンデニル(テトラヒドロフラン)バナジウム、クロロ
(2−メチルインデニル)(テトラヒドロフラン)バナ
ジウム、クロロ(2−トリメチルシリルインデニル)
(テトラヒドロフラン)バナジウム、クロロフルオレニ
ル(テトラヒドロフラン)バナジウム、ジメチルシリル
(シクロペンタジエニル)(t− ブチルアミノ) バナ
ジウム、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジ
エニル)(t− ブチルアミノ) バナジウムなどが挙げ
られる。
【0042】本発明のRn MX2-n ・Laで表わされる
化合物のうち、n=2、すなわちシクロアルカジエニル
基を配位子として二個有する酸化数+2の周期律表第5
族遷移金属化合物の具体例としては、ビスシクロペンタ
ジエニルバナジウム、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)バナジウム、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)バナジウム、ビス(1,3−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)バナジウム、ビス(1−メチル−3−
ブチルシクロペタジエニル)バナジウム、ビス(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)バナジウム、ビス(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)バナジウム、ビス(エ
チルシクロペンタジエニル)バナジウム、ビス(n−プ
ロピルシクロペンタジエニル)バナジウム、ビス(i−
プロピルシクロペンタジエニル)バナジウム、ビス(n
−ブチルシクロペンタジエニル)バナジウム、ビス(i
−ブチルシクロペンタジエニル)バナジウム、ビス(s
ec−ブチルシクロペンタジエニル)バナジウム、ビス
(t−ブチルシクロペンタジエニル)バナジウム、ビス
(1−メトキシエチルシクロペンタジエニル)バナジウ
ム、ビス(1−ジメチルアミノエチルシクロペンタジエ
ニル)バナジウム、ビス(1−ジエチルアミノエチルシ
クロペンタジエニル)バナジウム、ビス(トリメチルシ
リルシクロペンタジエニル)バナジウム、ビス(1−ジ
メチルホスフィノエチルシクロペンタジエニル)バナジ
ウム、ビス(1,2−ビス(トリメチルシリル)シクロ
ペンタジエニル)バナジウム、ビス(1,3−ビス(ト
リメチルシリル)シクロペンタジエニル)バナジウム、
インデニルシクロペンタジエニルバナジウム、(2−メ
チルインデニル)シクロペンタジエニルバナジウム、
(2−トリメチルシリルインデニル)シクロペンタジエ
ニルバナジウム、ビスインデニルバナジウム、ビスフル
オレニルバナジウム、インデニルフルオレニルバナジウ
ム、シクロペンタジエニルフルオレニルバナジウム、ジ
メチルシリル(シクロペンタジエニル)(t−ブチルア
ミノ)バナジウム、ジメチルシリル(テトラメチルシク
ロペンタジエニル)(t−ブチルアミノ)バナジウム、
ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)バナジウ
ム、ジメチルシリルビス(インデニル)バナジウム、ジ
メチルシリルビス(フルオレニル)バナジウムなどが挙
げられる。
【0043】Rn MX3-n・Laで表される具体的な化合
物のうち、n=1の化合物としては、シクロペンタジエ
ニルバナジウムジクロライド、メチルシクロペンタジエ
ニルバナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシク
ロペンタジエニル)バナジウムジクロライド、(1−ブ
チル−3−メチルシクロペンタジエニル)バナジウムジ
クロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)バ
ナジウムジクロライド、(トリメチルシリルシクロペン
タジエニル)バナジウムジクロライド、(1,3−ビス
(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)バナジウ
ムジクロライド、インデニルバナジウムジクロライド、
(2−メチルインデニル)バナジウムジクロライド、
(2−トリメチルシリルインデニル)バナジウムジクロ
ライド、フルオレニルバナジウムジクロライドなどのジ
クロライド体、あるいはこれらの化合物の塩素原子をメ
チル基で置換したメチル体などが挙げられる。
【0044】RとXが炭化水素基、シリル基によって結
合されたものも含まれる。例えば、(t−ブチルアミ
ド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シランバ
ナジウムクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン
バナジウムクロライドなどのアミドクロライド体、ある
いはこれらの化合物の塩素原子をメチル基で置換したメ
チル体などが挙げられる。
【0045】シクロペンタジエニルバナジウムジメトキ
サイド、シクロペンタジエニルバナジウムジi−プロポ
キサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジt−ブト
キサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジフェノキ
サイド、シクロペンタジエニルバナジウムメトキシクロ
ライド、シクロペンタジエニルバナジウムi−プロポキ
シクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムt−ブ
トキシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムフ
ェノキシクロライドなどのアルコキシド体、あるいはこ
れらの化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体
などが挙げられる。
【0046】(シクロペンタジエニル)ビス(ジエチル
アミド)バナジウム、(シクロペンタジエニル)ビス
(ジi−プロピルアミド)バナジウム、(シクロペンタ
ジエニル)ビス(ジn−オクチルアミド)バナジウムな
どのビスアミド体が挙げられる。
【0047】シクロペンタジエニルバナジウムジクロラ
イド・ビストリエチルホスフィン錯体、シクロペンタジ
エニルバナジウムジクロライド・ビストリメチルホスフ
ィン錯体、(シクロペンタジエニル)ビス(ジi−プロ
ピルアミド)バナジウムトリメチルホスフィン錯体、モ
ノメチルシクロペンタジエニルバナジウムジクロライド
・ビストリエチルフォスフィン錯体などのホスフィン錯
体が挙げられる。
【0048】Rn MX3-n・Laで表される具体的な化合
物のうち、n=2の化合物としては、ジシクロペンタジ
エニルバナジウムクロライド、ビス(メチルシクロペン
タジエニル)バナジウムクロライド、ビス(1,3−ジ
メチルシクロペンタジエニル)バナジウムクロライド、
ビス(1−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)
バナジウムクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)バナジウムクロライド、ビス(トリメチル
シリルシクロペンタジエニル)バナジウムクロライド、
ビス(1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタ
ジエニル)バナジウムクロライド、ジインデニルバナジ
ウムクロライド、ビス(2−メチルインデニル)バナジ
ウムクロライド、ビス(2−トリメチルシリルインデニ
ル)バナジウムクロライド、ジフルオレニルバナジウム
クロライドなどのクロライド体、あるいはこれらの化合
物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体などが挙げ
られる。
【0049】ジシクロペンタジエニルバナジウムメトキ
サイド、ジシクロペンタジエニルバナジウムi−プロポ
キサイド、ジシクロペンタジエニルバナジウムt−ブト
キサイド、ジシクロペンタジエニルバナジウムフェノキ
サイド、ジシクロペンタジエニル(ジエチルアミド)バ
ナジウム、ジシクロペンタジエニル(ジi−プロピルア
ミド)バナジウム、ジシクロペンタジエニル(ジn−オ
クチルアミド)バナジウムが挙げられる。
【0050】Rが炭化水素基、シリル基によって結合さ
れたものも含まれる。例えば、ジメチルビス(η5−シ
クロペンタジエニル)シランバナジウムクロライド、ジ
メチルビス(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニ
ル)シランバナジウムクロライドなどのクロライド体、
あるいはこれらの化合物の塩素原子をメチル基で置換し
たメチル体などが挙げられる。
【0051】RMX3 ・Laで示される具体的な化合物
としては、以下の(i)〜(xvi)のものが挙げられ
る。
【0052】(i) シクロペンタジエニルバナジウム
トリクロライドが挙げられる。モノ置換シクロペンタジ
エニルバナジウムトリクロライド、例えば、メチルシク
ロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、エチルシ
クロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、プロピ
ルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、イ
ソプロピルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロラ
イド、t−ブチルシクロペンタジエニルバナジウムトリ
クロライド、(1,1−ジメチルプロピル)シクロペン
タジエニルバナジウムトリクロライド、(ベンジル)シ
クロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、(2−
フェニル−2−プロピル)シクロペンタジエニルバナジ
ウムトリクロライド、(3−ペンチル)シクロペンタジ
エニルバナジウムトリクロライド、(3−メチル−3−
ペンチル)シクロペンタジエニルバナジウムトリクロラ
イド、(3−フェニル−3−ペンチル)シクロペンタジ
エニルバナジウムトリクロライド、(トリメチルシリル
シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなど
が挙げられる。
【0053】(ii) 1,2−ジ置換シクロペンタジ
エニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,2−
ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロラ
イド、(1−エチル−2−メチルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−プ
ロピルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)
バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−ビス
(トリメチルシリル)メチルシクロペンタジエニル)バ
ナジウムトリクロライド、1,2−ビス(トリメチルシ
リル)シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−メチル−2−フェニルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−2−ト
リルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−メチル−2−(2,6−ジメチルフェニル)
シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、な
どが挙げられる。
【0054】(iia) 1,3−ジ置換シクロペンタ
ジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、(1,3
−ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロ
ライド、(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−プ
ロピルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)
バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−ビス
(トリメチルシリル)メチルシクロペンタジエニル)バ
ナジウムトリクロライド、1,3−ビス(トリメチルシ
リル)シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニ
ル)バナジウムトリクロライド、(1−メチル−3−ト
リルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(1−メチル−3−(2,6−ジメチルフェニル)
シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、な
どが挙げられる。
【0055】(iii) 1,2,3−トリ置換シクロ
ペンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、
(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)バナ
ジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0056】(iv) 1,2,4−トリ置換シクロペ
ンタジエニルバナジウムトリクロライド、例えば、
(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)バナ
ジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0057】(v) テトラ置換シクロペンタジエニル
バナジウムトリクロライド、例えば、(1,2,3,4
−テトラメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリ
クロライド、(1,2,3,4−テトラフェニルシクロ
ペンタジエニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げ
られる。
【0058】(vi) ペンタ置換シクロペンタジエニ
ルバナジウムトリクロライド、例えば、(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、
(1,2,3,4−テトラメチル−5−フェニルシクロ
ペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(1−メ
チル−2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジ
エニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げられる。
【0059】(vii)インデニルバナジウムトリクロ
ライドが挙げられる。(viii)置換インデニルバナ
ジウムトリクロライド、例えば、(2−メチルインデニ
ル)バナジウムトリクロライド、(2−トリメチルシリ
ルインデニル)バナジウムトリクロライドなどが挙げら
れる。
【0060】(ix) (i)〜(viii)の化合物
の塩素原子をアルコキシ基で置換したモノアルコキシ
ド、ジアルコキシド、トリアルコキシドなどが挙げられ
る。例えば、シクロペンタジエニルバナジウムトリt−
ブトキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムi−プ
ロポキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジメト
キシクロライド、トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ルバナジウムジi−プロポキシクロライド、シクロペン
タジエニルバナジウムジt−ブトキシクロライド、シク
ロペンタジエニルバナジウムジフェノキシクロライド、
シクロペンタジエニルバナジウムi−プロポキシジクロ
ライド、シクロペンタジエニルバナジウムt−ブトキシ
ジクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムフェノ
キシジクロライド、トリメチルシリルシクロペンタジエ
ニルバナジウムトリt−ブトキサイド、トリメチルシク
ロペンタジエニルバナジウムトリi−プロポキサイド、
トリメチルシリルシクロペンタジエニルバナジウムジメ
トキシクロライド、トリメチルシリルシクロペンタジエ
ニルバナジウムジi−プロポキシクロライド、トリメチ
ルシリルシクロペンタジエニルバナジウムジt−ブトキ
シクロライド、トリメチルシリルシクロペンタジエニル
バナジウムジフェノキシクロライド、トリメチルシリル
シクロペンタジエニルバナジウムi−プロポキシジクロ
ライド、トリメチルシリルシクロペンタジエニルバナジ
ウムt−ブトキシジクロライド、トリメチルシリルシク
ロペンタジエニルバナジウムフェノキシジクロライドな
どが挙げられる。
【0061】(x) (i)〜(ix)の塩素原子をメ
チル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0062】(xi) Rが炭化水素基、シリル基によ
って結合されたものが挙げられる。例えば、(t−ブチ
ルアミド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シ
ランバナジウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジ
メチル(トリメチル−η5−シクロペンタジエニル)シ
ランバナジウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジ
メチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)
シランバナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0063】(xii) (xi)の塩素原子をメチル
基で置換したメチル体が挙げられる。
【0064】(xiii)(xi)の塩素原子をアルコ
キシ基で置換したモノアルコキシ体、ジアルコキシ体が
挙げられる。
【0065】(xiv) (xiii)のモノクロル体
をメチル基で置換した化合物が挙げられる。
【0066】(xv) (i)〜(viii)の塩素原
子をアミド基で置換したアミド体が挙げられる。例え
ば、シクロペンタジエニルトリス(ジエチルアミド)バ
ナジウム、シリルシクロペンタジエニルトリス(i−プ
ロピルアミド)バナジウム、シクロペンタジエニルトリ
ス(n−オクチルアミド)バナジウム、シクロペンタジ
エニルビス(ジエチルアミド)バナジウムクロライド、
(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス(i−
プロピルアミド)バナジウムクロライド、(トリメチル
シリルシクロペンタジエニル)ビス(n−オクチルアミ
ド)バナジウムクロライド、シクロペンタジエニル(ジ
エチルアミド)バナジウムジクロライド、シクロペンタ
ジエニル(i−プロピルアミド)バナジウムジクロライ
ド、シクロペンタジエニル(n−オクチルアミド)バナ
ジウムジクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタ
ジエニル)トリス(ジエチルアミド)バナジウム、(ト
リメチルシリルシクロペンタジエニル)トリス(i−プ
ロピルアミド)バナジウム、(トリメチルシリルシクロ
ペンタジエニル)トリス(n−オクチルアミド)バナジ
ウム、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ビス
(ジエチルアミド)バナジウムクロライド、(トリメチ
ルシリルシクロペンタジエニル)ビス(i−プロピルア
ミド)バナジウムクロライド、(トリメチルシリルシク
ロペンタジエニル)ビス(n−オクチルアミド)バナジ
ウムクロライド、(トリメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)(ジエチルアミド)バナジウムジクロライド、
(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(i−プロ
ピルアミド)バナジウムジクロライド、(トリメチルシ
リルシクロペンタジエニル)(n−オクチルアミド)バ
ナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0067】(xvi) (xv)の塩素原子を、メチ
ル基で置換したメチル体が挙げられる。
【0068】RM(O)X2 で表される具体的な化合物
としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジク
ロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウ
ムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソ
バナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(1−
ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)オキソバナ
ジウムジクロライド、(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)オキソバナジウムジクロライド、(トリメチルシ
リルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロラ
イド、(1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペン
タジエニル)オキソバナジウムジクロライド、インデニ
ルオキソバナジウムジクロライド、(2−メチルインデ
ニル)オキソバナジウムジクロライド、(2−トリメチ
ルシリルインデニル)オキソバナジウムジクロライド、
フルオレニルオキソバナジウムジクロライドなどが挙げ
られる。上記の各化合物の塩素原子をメチル基で置換し
たメチル体も挙げられる。
【0069】RとXが炭化水素基、シリル基によって結
合されたものも含まれる。例えば、(t−ブチルアミ
ド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シランオ
キソバナジウムクロライド、(t−ブチルアミド)ジメ
チル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シ
ランオキソバナジウムクロライドなどのアミドクロライ
ド体、あるいはこれらの化合物の塩素原子をメチル基で
置換したメチル体などが挙げられる。
【0070】シクロペンタジエニルオキソバナジウムジ
メトキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナジウム
ジi−プロポキサイド、シクロペンタジエニルオキソバ
ナジウムジt−ブトキサイド、シクロペンタジエニルオ
キソバナジウムジフェノキサイド、シクロペンタジエニ
ルオキソバナジウムメトキシクロライド、シクロペンタ
ジエニルオキソバナジウムi−プロポキシクロライド、
シクロペンタジエニルオキソバナジウムt−ブトキシク
ロライド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムフェ
ノキシクロライドなどが挙げられる。上記の各化合物の
塩素原子をメチル基で置換したメチル体も挙げられる。
【0071】(シクロペンタジエニル)ビス(ジエチル
アミド)オキソバナジウム、(シクロペンタジエニル)
ビス(ジi−プロピルアミド)オキソバナジウム、(シ
クロペンタジエニル)ビス(ジn−オクチルアミド)オ
キソバナジウムなどが挙げられる。
【0072】Rn MX3-n (NR')で表される具体的
な化合物としては、シクロペンタジエニル(メチルイミ
ド)バナジウムジクロライド、シクロペンタジエニル
(フェニルイミド)バナジウムジクロライド、シクロペ
ンタジエニル(2,6−ジメチルフェニルイミド)バナ
ジウムジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−
ジi−プロピルフェニルイミド)バナジウムジクロライ
ド、(メチルシクロペンタジエニル)(フェニルイミ
ド)バナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシク
ロペンタジエニル)(フェニルイミド)バナジウムジク
ロライド、(1−ブチル−3−メチルシクロペンタジエ
ニル)(フェニルイミド)バナジウムジクロライド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フェニルイミ
ド)バナジウムジクロライド、インデニル(フェニルイ
ミド)バナジウムジクロライド、2−メチルインデニル
(フェニルイミド)バナジウムジクロライド、フルオレ
ニル(フェニルイミド)バナジウムジクロライドなどが
挙げられる。
【0073】RとXが炭化水素基、シリル基によって結
合されたものも含まれる。例えば、(t−ブチルアミ
ド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シラン
(フェニルイミド)バナジウムクロライド、(t−ブチ
ルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペン
タジエニル)シラン(フェニルイミド)バナジウムクロ
ライドなどのアミドクロライド体、あるいはこれらの化
合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体などが挙
げられる。
【0074】Rが炭化水素基、シリル基によって結合さ
れたものも含まれる。例えば、ジメチルビス(η5−シ
クロペンタジエニル)シラン(フェニルイミド)バナジ
ウムクロライド、ジメチルビス(η5−シクロペンタジ
エニル)シラン(トリルイミド)バナジウムクロライ
ド、ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエ
ニル)シラン(フェニルイミド)バナジウムクロライ
ド、ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエ
ニル)シラン(トリルイミド)バナジウムクロライドな
どのイミドクロライド体、あるいはこれらの化合物の塩
素原子をメチル基で置換したメチル体などが挙げられ
る。
【0075】シクロペンタジエニルバナジウム(フェニ
ルイミド)ジメトキサイド、シクロペンタジエニルバナ
ジウム(フェニルイミド)ジi−プロポキサイド、シク
ロペンタジエニルバナジウム(フェニルイミド)(i−
プロポキシ)クロライド、(シクロペンタジエニル)ビ
ス(ジエチルアミド)バナジウム(フェニルイミド)、
(シクロペンタジエニル)ビス(ジi−プロピルアミ
ド)バナジウム(フェニルイミド)などが挙げられる。
【0076】(B)成分のうち、非配位性アニオンとカ
チオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオン
としては、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テト
ラ(フルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ジフル
オロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(トリフルオロフ
ェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロフェニ
ル)ボレ−ト、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチ
ルフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロメ
チルフェニル)ボレ−ト、テトラ(トリイル)ボレ−
ト、テトラ(キシリル)ボレ−ト、トリフェニル(ペン
タフルオロフェニル)ボレ−ト、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)(フェニル)ボレ−ト、トリデカハイドラ
イド−7,8−ジカルバウンデカボレ−ト、テトラフル
オロボレ−ト、ヘキサフルオロホスフェ−トなどが挙げ
られる。
【0077】一方、カチオンとしては、カルボニウムカ
チオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオ
ン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニル
カチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンな
どを挙げることができる。
【0078】カルボニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニル
カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオ
ンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウ
ムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)
カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カル
ボニウムカチオンを挙げることができる。
【0079】アンモニウムカチオンの具体例としては、
トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニ
ウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、ト
リブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカ
チオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,
N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,
6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−
ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)
アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウム
カチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げ
ることができる。
【0080】ホスホニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェ
ニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニ
ル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリ−ルホスホニ
ウムカチオンを挙げることができる。
【0081】該イオン性化合物は、上記で例示した非配
位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選
択して組み合わせたものを好ましく用いることができる
【0082】中でも、イオン性化合物としては、トリフ
ェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレ−ト、トリフェニルカルボニウムテトラキス
(フルオロフェニル)ボレ−ト、N,N−ジメチルアニ
リニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−
ト、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが好ましい。
【0083】イオン性化合物を単独で用いてもよく、二
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0084】また、(B)成分として、アルモキサンを
用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウ
ム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られる
ものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖
状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げ
られる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、
一部ハロゲン原子及び/ 又はアルコキシ基で置換された
ものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは1
0以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロ
ピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好まし
い。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミ
ニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物な
どが挙げられる。
【0085】トリメチルアルミニウムとトリブチルアル
ミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好
適に用いることができる。
【0086】また、縮合剤としては、典型的なものとし
て水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニ
ウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸
着水やジオ−ルなどが挙げられる。
【0087】(A)成分及び(B)成分に、さらに
(C)成分として周期律表第1〜3族元素の有機金属化
合物を組合せて共役ジエンの重合を行ってもよい。
(C)成分の添加により重合活性が増大する効果があ
る。周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物として
は、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有
機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化
合物などが挙げられる。
【0088】具体的な化合物としては、メチルリチウ
ム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチ
ウム、ネオペンチルリチウム、トリメチルシリルメチル
リチウム、ビストリメチルシリルメチルリチウム、ジブ
チルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジエチル
亜鉛、ジメチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リデシルアルミニウム、トリフッ化ホウ素、トリフェニ
ルホウ素などを挙げられる。
【0089】さらに、エチルマグネシウムクロライド、
ブチルマグネシウムクロライド、ジメチルアルミニウム
クロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキ
エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジ
クロライドのような有機金属ハロゲン化合物、ジエチル
アルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウム
ハイドライドのような水素化有機金属化合物も含まれ
る。また有機金属化合物は、二種類以上併用できる。
【0090】上記の触媒各成分の組合せとして、(A)
成分としてシクロペンタジエニルバナジウムトリクロラ
イド(CpVCl3)などのRMX3、あるいは、シクロ
ペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド(CpV
(O)Cl3)などのRM(O)X2、(B)成分として
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレ−ト、(C)成分としてトリエチルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウムの組合せが好
ましく用いられる。
【0091】また、(B)成分としてイオン性化合物を
用いる場合は、(C)成分として上記のアルモキサンを
組み合わせて使用してもよい。
【0092】各触媒成分の配合割合は、各種条件及び組
合せにより異なるが、(A)成分のメタロセン型錯体と
(B)成分のアルミノキサンのモル比は、好ましくは
1:1〜1:100000、より好ましくは1:10〜
1:10000である。
【0093】(A)成分のメタロセン型錯体と(B)成
分のイオン性化合物とのモル比は、好ましくは 1:0.
1 〜 1:10、より好ましくは 1:0.2〜 1:5
である。
【0094】(A)成分のメタロセン型錯体と(C)成
分の有機金属化合物とのモル比は、好ましくは 1:0.
1 〜 1:10000、より好ましくは 1:10〜
1:5000である。
【0095】触媒成分の添加順序は、特に、制限はない
が、例えば次の順序で行うことができる。 重合すべきブタジエンモノマ−と(B)成分との接触
混合物に(A)成分を添加する。 重合すべきブタジエンモノマ−と(B)成分及び
(C)成分を任意の順序で添加した接触混合物に(A)
成分を添加する。 重合すべきブタジエンモノマ−と(C)成分の接触混
合物に(B)成分、次いで(A)成分を添加する。 重合すべきブタジエンモノマ−に、(A)成分と
(B)成分を任意の順序で接触させた混合物を添加す
る。 重合すべきブタジエンモノマ−に、(A)成分と
(B)成分と(C)成分を任意の順序で接触させた混合
物を添加する。
【0096】また、本発明においては、触媒系として
更に、(D)成分として水を添加することが好ましい。
(C)成分の有機アルミニウム化合物と(D)成分の水
とのモル比(C)/(D)は、好ましくは0.66〜5
であり、より好ましくは0.7〜1.5である。
【0097】触媒成分の添加順序は、特に、制限はない
が、例えば次の順序で行うことができる。 重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と
溶媒の混合物に(D)成分を添加し、(C)成分を添加
した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加す
る。 重合すべき共役ジエン化合物モノマ−又はモノマ−と
溶媒の混合物に(D)成分と(C)成分を添加した後、
(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
【0098】また重合時に、必要に応じて水素を共存さ
せることができる。
【0099】水素の存在量は、共役ジエン1モルに対し
て、好ましくは500ミリモル以下、あるいは、20℃
1気圧で12L以下であり、より好ましくは50ミリモ
ル以下、あるいは、20℃1気圧で1.2L以下であ
り、さらに好ましくは0.005〜20ミリモル、ある
いは、20℃1気圧で0.00001〜0.48Lであ
る。
【0100】ここで重合すべきブタジエンモノマ−と
は、全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一
部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるい
は残部のモノマ−溶液と混合することができる。
【0101】ブタジエンモノマ−以外にイソプレン、
1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3− ブタジエ
ン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタジ
エン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエン
などの共役ジエン、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ブテン−2、イソブテン、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の非環
状モノオレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、
ノルボルネン等の環状モノオレフィン、及び/又はスチ
レンやα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ジ
シクロペンタジエン、5−エチリデン−2− ノルボル
ネン、1,5−ヘキサジエン等の非共役ジオレフィン等
を少量含んでいてもよい。
【0102】重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、
又は、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒として用
いる塊状重合などを適用できる。溶液重合での溶媒とし
ては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化
水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の
脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のオレフィ
ン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフ
サ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等の
ハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0103】本発明においては、上記の触媒を所定の温
度で予備重合を行うことが好ましい。予備重合は、気相
法、スラリ−法、塊状法などで行うことができる。予備
重合において得られた固体は分離してから本重合に用い
る、あるいは、分離せずに本重合を続けて行うことがで
きる。
【0104】予備重合時間は通常、600分以下、好ま
しくは120分以下、より好ましくは30秒〜120分
である。上記の範囲外であると、本重合活性が充分でな
い問題がある。
【0105】予備重合温度は、通常50以下、好ましく
は−100〜50℃、より好ましくは、−50〜50℃
で各触媒成分の存在下に行う。上記の範囲外であると、
本重合の活性が著しく低下する上、予備重合時に重合が
進行してプロセス上も問題がある。
【0106】重合温度は−100〜200℃の範囲が好まし
く、 −50〜120℃の範囲が特に好ましい。重合時間
は2分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜6時間の範
囲が特に好ましい。
【0107】所定時間重合を行った後、アルコ−ルなど
の停止剤を注入して重合を停止した後、重合槽内部を必
要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
【0108】
【実施例】ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によ
って行った。シス740cm-1、トランス967c
-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造
を算出した。分子量分布は、ポリスチレンを標準物質と
して用いたGPCから求めた重量平均分子量Mw及び数
平均分子量Mnの比Mw/Mnによって評価した。
【0109】[η]は、トルエン溶液で30℃の温度で
測定した。ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300に準
拠して測定した。トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリ
マー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として
粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用い、キャノンフ
ェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
【0110】(実施例1〜3)内容量2Lのオートクレ
ーブの内部を窒素置換し、ブタジエン400mLを仕込
んで攪拌する。次いで、20℃、1気圧換算で200c
cの水素を積算マスフロメーターで計量して注入した。
次いで、トリエチルアルミニウム(TEA)1mol/
Lのトルエン溶液、シクロペンタジエニルバナジウムト
リクロライド(CpVCl3 )5mmol/Lのトルエ
ン溶液、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C654
)2.5mmol/Lのトルエン溶液をそれぞれ表1に
示す量だけ加え、重合温度40℃で30分間重合を行っ
た。重合後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
を含有するエタノールを注入して反応を停止させた後、
溶媒を蒸発させ乾燥した。表2〜4に重合結果を示し
た。
【0111】(実施例4〜5)内容量10Lのオートク
レーブの内部を窒素置換し、ブタジエンの30wt%ト
ルエン溶液3.5Lを仕込んで攪拌する。次いで、20
℃、1気圧換算で3000ccの水素を積算マスフロメ
ーターで計量して注入した。次いで、トリエチルアルミ
ニウム1mol/Lのトルエン溶液2.25mmol、
シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(Cp
VCl3)5mmol/Lのトルエン溶液、トリフェニ
ルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート(Ph3 CB(C654 )2.5mmol
/Lのトルエン溶液をそれぞれ表5に示す量だけ加え、
重合温度40℃で表5に示す時間、重合を行った。重合
後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含有す
るエタノールを注入して反応を停止させた後、溶媒を蒸
発させ乾燥した。表6〜8に重合結果を示した。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】
【表6】
【0118】
【表7】
【0119】
【表8】
【0120】(実施例6〜11)内容量1.5Lのオー
トクレーブの内部を窒素置換し、この中にトルエン30
0mL、シス2−ブテン400mL、1,3−ブタジエ
ン300mL(184g)の割合で調整された溶液を、
モレキュラシーブスを通して1L仕込み、攪拌した。次
いで、表9に示す水を添加し、30分間攪拌溶解した。
このFB(溶媒+ブタジエン)中に、水素ガスを積算マ
スフロメーターで20℃、1気圧換算で130mL注入
した。次いで、トリエチルアルミニウム(TEA)(1
mmol/Lのトルエン溶液)を表9に示す量添加し、
10分間攪拌後、表10に示す順序でシクロペンタジエ
ニルバナジウムトリクロライド(CpVCl3 )(5m
mol/Lのトルエン溶液)1.6mL、トリフェニル
カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート(Ph3 CB(C654 )(0.0025m
mol/mLのトルエン溶液)6.4mLを加え、重合
温度60℃で30分間重合を行った。重合後、2,6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含有するエタノール
を注入して反応を停止させた後、溶媒を蒸発させ乾燥し
た。表10〜11に重合結果を示した。
【0121】(実施例12〜14)内容量1.5Lのオ
ートクレーブの内部を窒素置換し、この中にトルエン3
00mL、シス2−ブテン400mL、1,3−ブタジ
エン300mL(184g)の割合で調整された溶液
を、モレキュラシーブスを通して1L仕込み、攪拌し
た。水素ガスを積算マスフロメーターで20℃、1気圧
換算で130mL注入した。次いで、トリエチルアルミ
ニウム(TEA)(1mmol/Lのトルエン溶液)を
表9に示す量添加し、10分間攪拌後、さらに、表9に
示す量の水を攪拌しながら添加した。30分間攪拌後、
シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(Cp
VCl3 )(5mmol/Lのトルエン溶液)1.6m
L、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C654
(0.0025mmol/mLのトルエン溶液)6.4
mLを加え、重合温度60℃で30分間重合を行った。
重合後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含
有するエタノールを注入して反応を停止させた後、溶媒
を蒸発させ乾燥した。表10〜11に重合結果を示し
た。
【0122】
【表9】
【0123】
【表10】
【0124】
【表11】
【0125】
【発明の効果】ハイシス構造に適度に1,2−構造を含
みトランス構造が少ないミクロ構造で、かつ、リニアリ
ティの高いポリブタジエン、並びに、その製造方法を提
供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 通典 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社高分子研究所内 (72)発明者 村上 真人 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社高分子研究所内 (72)発明者 前田 孝二 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社千葉石油化学工場内 (72)発明者 萬代 智 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社千葉石油化学工場内 (72)発明者 細山 善平 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社千葉石油化学工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ブタジエンモノマ−ユニットのう
    ち、1,2−構造ユニットの含有率が4〜30モル%、シ
    ス−1,4−構造ユニットの含有率が65〜95モル
    %、及びトランス−1,4− 構造ユニットの含有率が
    5モル%以下であること、並びに、(2)トルエン溶液
    粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML
    1+4)の比(Tcp/ML1+4)が 2〜6であること、
    を特徴とするポリブタジエン。
  2. 【請求項2】 (A)遷移金属化合物のメタロセン型錯
    体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン
    性化合物及び/又はアルミノキサンから得られる触媒を
    用いたブタジエン重合を行うことを特徴とする請求項1
    に記載のポリブタジエンの製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)遷移金属化合物のメタロセン型錯
    体、(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化
    合物、(C)周期律表第1〜3族元素の有機金属化合
    物、及び、(D)水 から得られる触媒を用いてブタジ
    エンの重合を行うことを特徴とする請求項1に記載のポ
    リブタジエンの製造方法。
JP5907199A 1998-03-17 1999-03-05 ポリブタジエン及びその製造方法 Pending JPH11322850A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009529087A (ja) * 2006-03-06 2009-08-13 エルジー・ケム・リミテッド オレフィン前重合を用いたプロピレンの重合方法
JP2013209467A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Ube Industries Ltd ジエン系ゴムの製造方法
JP5482935B1 (ja) * 2013-04-19 2014-05-07 宇部興産株式会社 共役ジエン重合体の製造方法、それによって得られた共役ジエン重合体、及び共役ジエン重合体の着色防止方法

Cited By (4)

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