JP4385795B2 - 添加剤及びそれを用いたゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な高シスー高ビニルポリブタジエンからなるゴム組成物用添加剤およびそれを用いたゴム組成物に関するものである。
ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をとる。
重合触媒によって、上記のミクロ構造が異なったポリブタジエンが製造されることが知られており、それらの特性によって種々の用途に使用されている。
特開平9−291108号公報(特許文献1)などで開示されているように、バナジウム金属化合物のメタロセン型錯体及び非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンからなる重合触媒により、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造を有し且つ分子のリニアリティ(線状性)の高いポリブタジエンが製造されることが、本出願人により見出されている。このポリブタジエンは優れた特性を有することから、耐衝撃性ポリスチレン樹脂やタイヤなどへの応用が検討されている。
特開平11−49924号公報(特許文献2)には、特定の高シス−高ビニルポリブタジエンからなる組成物のタイヤへの応用が記載され、トレッド用途に有用で、高反発弾性率とスキッド抵抗性を併せ持つことが記載されている。
また、ゴムの硬度、弾性、耐摩耗性、機械的性質、及び動的特性(発熱特性やtanδ)を改良することを目的に、特開平3−45609号公報(特許文献3)、特開平4−63847号公報(特許文献4)、特開2001−302730号公報(特許文献5)などには、高シス−1,4−ポリブタジエン(以下「高シスポリブタジエン」)のマトリックス中に1,2−ポリブタジエンを分散させた改良ポリブタジエンゴム(VCR(ビニル・シスポリブタジエンゴム)と略)が提案ている。このポリブタジエンゴムは、1,2−ポリブタジエンが高シスポリブタジエンのマトリックス中に繊維状に分散した構造を有しているため、従来のゴム、例えば高シスポリブタジエン単味のゴム等と比較して硬度及び弾性が高く耐屈曲亀裂成長性に優れているという特徴を有している。
このため、この改良ポリブタジエンを用いたタイヤ部材も各種提案されている。このようなものとして、例えばトレッドに使用した例(特公昭63−1355号(特許文献6))やサイドウォールに使用した例(特公昭55−17059号(特許文献7))等がある。最近の高度な要求特性を満たす材料の開発を目的にさらに開発がすすめられている。
また、上記のメタロセン触媒で製造された高シス−高ビニルBR(以下、HC−HVBR)は、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造を有し且つ分子のリニアリティ(線状性)の高いポリブタジエンであるが、、比較的高いコールドフローを示すため、貯蔵や輸送の際に改善を求められる場合があった。
特開平9−291108号公報 特開平11−49924号公報 特開平3−45609号公報 特開平4−63847号公報 特開2001−302730号公報 特公昭63−1355号 特公昭55−17059号
改良ポリブタジエンゴムの特性を改良、特に、分散性と補強効果の向上させ、分散性向上によるゴム組成物の諸物性向上を目的とする。
本発明は、メタロセン触媒により製造される高シス−高ビニルポリブタジエンを遷移金属触媒の存在下で変性させて得られる変性高シス−高ビニルポリブタジエンからなることを特徴とするゴム組成物用添加剤に関する。
また、本発明は、該高シス−高ビニルポリブタジエンが1,2−構造ユニット含有率4〜30モル%、シス−1,4−構造ユニット含有率65〜95モル%、及びトランス−1,4−構造ユニット含有率5モル%以下のポリブタジエンであることを特徴とする上記の添加剤に関する。
本発明は、メタロセン触媒により製造される高シス−高ビニルポリブタジエンを遷移金属触媒の存在下で変性させて得られる(a)変性高シス−高ビニルポリブタジエン1〜9重量部と(b)ビニル・シスポリブタジエン99〜91重量部、(a)+(b)100重量部に対してカーボンブラック及び/又はホワイトカーボン40〜80重量部とからなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物に関する。
また、本発明は、該遷移金属触媒が、コバルト化合物であって、該高シス−高ビニルポリブタジエンゴム1モルあたり5×10 -7 〜1×10 -4 モルであることを特徴とする前記のタイヤ用ゴム組成物に関する。
本発明により、ゴムのコールドフロー性を改善された高シス−高ビニルポリブタジエンとビニル・シスポリブタジエンとからなる改良ポリブタジエンゴムの特性を改良、特に、分散性と補強効果の向上させ、分散性向上によるゴム組成物の諸物性が向上する。
本発明の(a)高シス−高ビニルポリブタジエン(以下「HC−HVBR」)としては、ミクロ構造中のシス−1,4−構造ユニット含有率が65〜95モル%、好ましくは70〜90モル%、及び1,2−構造ユニット含有率が4〜30モル%であり、好ましくは5〜25モル%、より好ましくは7〜15モル%である。また、トランス−1,4−構造ユニット含有率が5モル%以下が好ましく、0.5〜4.0モル%が特に好ましい。
また、(a)HC−HVBRの25℃における5%スチレン溶液粘度(St−cp)とムーニー粘度(ML1+4)の関係式が下式(I)を満足する範囲にあることが好ましい。
1≦St−cp/ML1+4≦7...(I)
特に好ましくは、2≦St−cp/ML1+4≦6を満足する。
また、HC−HVBRのトルエン溶液粘度(Tcp)は、20〜500が好ましく、30〜300が特に好ましい。
本発明のHC−HVBRのム−ニ−粘度(ML1+4)は、10〜200が好ましく、25〜100が特に好ましい。
HC−HVBRの分子量は、トルエン中30℃で測定した固有粘度[η]として、0.1〜10が好ましく、0.1〜3が特に好ましい。
また、HC−HVBRの分子量は、ポリスチレン換算の分子量として下記の範囲のものが好ましい。
数平均分子量(Mn):0.2×105〜10×105、より好ましくは0.5×105〜5×105
重量平均分子量(Mw):0.5×105〜20×105、より好ましくは1×105〜10×105
また、本発明のHC−HVBRの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3.5、より好ましくは1.6〜3である。
上記の(a)HC−HVBRは、例えば、
(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて、ブタジエンを重合させて製造できる。
あるいは、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、
(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、
(C)周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物、及び、
(D)水
から得られる触媒を用いたブタジエンを重合させて製造できる。
(A)成分の遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、周期律表第4〜8族遷移金属化合物のメタロセン型錯体が挙げられる。
例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期律表第4族遷移金属のメタロセン型錯体(例えば、CpTiCl3など)、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体、クロムなどの第6族遷移金属メタロセン型錯体、コバルト、ニッケルなどの第8族遷移金属のメタロセン型錯体が挙げられる。
中でも、周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体が好適に用いられる。
上記の周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、
(1) RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金属化合物
(2) Rn MX2-n ・La、すなわち、少なくとも1個のシクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+2の周期律表第5族遷移金属化合物
(3) Rn MX3-n ・La
(4) RMX3 ・La
(5) RM(O)X2 ・La
(6) Rn MX3-n (NR' )
などの一般式で表される化合物が挙げられる(式中、nは1又は2、aは0,1又は2である)。
中でも、RM・La、Rn MX2-n ・La、R2 M・La、RMX3 ・La 、RM(O)X2 ・La などが好ましく挙げられる。
Mは、周期律表第5族遷移金属化合物が好ましい。
(A)周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、中でも、Mがバナジウムであるバナジウム化合物が好ましい。例えば、RV・La、RVX・La、R2 M・La、RMX2 ・La 、RMX3 ・La 、RM(O)X2 ・La などが好ましく挙げられる。特に、RV・La、RMX3 ・Laが好ましい。
RMX3 ・Laで示される具体的な化合物としては、以下のものが挙げられる
シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライドが挙げられる。
RM(O)X2 で表される具体的な化合物としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライドなどが挙げられる。
(B)成分として、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テトラ(フルオロフェニル)ボレ−トなどが挙げられる。
一方、カチオンとしては、トリフェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。
また、(B)成分として、アルモキサンを用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/ 又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物などが挙げられる。
トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好適に用いることができる。
また、縮合剤としては、典型的なものとして水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸着水やジオ−ルなどが挙げられる。
(A)成分及び(B)成分に、さらに(C)成分として周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物を組合せて共役ジエンの重合を行ってもよい。(C)成分の添加により重合活性が増大する効果がある。周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化合物などが挙げられる。
上記の触媒各成分の組合せとして、(A)成分としてシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(CpVCl3)などのRMX3、あるいは、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド(CpV(O)Cl2)などのRM(O)X2、(B)成分としてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、(C)成分としてトリエチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムの組合せが好ましく用いられる。
また、(B)成分としてイオン性化合物を用いる場合は、(C)成分として上記のアルモキサンを組み合わせて使用してもよい。
触媒成分の添加順序は、特に、制限はない。
また、本発明においては、触媒系として 更に、(D)成分として水を添加することが好ましい。(C)成分の有機アルミニウム化合物と(D)成分の水とのモル比(C)/(D)は、好ましくは0.66〜5であり、より好ましくは0.7〜1.5である。
また重合時に、必要に応じて水素を共存させることができる。
ここで重合すべきブタジエンモノマ−とは、全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるいは残部のモノマ−溶液と混合することができる。
重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、又は、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒として用いる塊状重合などを適用できる。トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
また、(a)成分として、低分子量HC−HVBR(a1)成分と高分子量HC−HVBR(a2)成分との混合物を用いてもよい。
本発明においての分子量を調節する方法としては、上記の触媒を用いて、水素などの連鎖移動剤の存在下に共役ジエン化合物を重合させることが挙げられる。
重合反応が所定の重合率を達成した後、遷移金属触媒を添加し、反応させることによってポリマー鎖を変性する。
遷移金属触媒における遷移金属化合物としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物、バナジウム化合物、クロム化合物、マンガン化合物、鉄化合物、ルテニウム化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、パラジウム化合物、銅化合物、銀化合物、亜鉛化合物などが挙げられる。中でも、コバルト化合物が特に好ましい。
本発明の遷移金属触媒は、遷移金属化合物、有機アルミニウム、および水からなる系であることが好ましい。
コバルト化合物としては、コバルトの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものは、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩や、コバルトのビスアセチルアセトネートやトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルコバルト、ハロゲン化コバルトのトリアリールホスフィン錯体、トリアルキルホスフィン錯体、ピリジン錯体、ピコリン錯体等の有機塩基錯体、もしくはエチルアルコール錯体などが挙げられる。
中でも、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、コバルトのビスアセチルアセトネート及びトリスアセチルアセトネートが好ましい。
に挙げた有機アルミニウムとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジブチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムアイオダイドなどのジアルキルアルミニウムハロゲン化物、メチルアルミニウムセスキクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイドなどのアルキルセスキハロゲン化アルミニウム、メチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイドなどのモノアルキルアルミニウムハロゲン化物が挙げられる。これらは単独で用いても、複数を選択して混合して用いても良い。なかでも、ジエチルアルミニウムクロライドが好ましく用いられる。
本発明の遷移金属触媒において、コバルト化合物の添加量は、所望の分岐度によって、いかなる範囲の触媒量も使用できるが、好ましくはポリブタジエン1モルあたり、遷移金属化合物1×10‐7〜1×10‐3モルであり、特に好ましくは5×10‐7〜1×10‐4モルである。
有機アルミニウムの添加量は、所望の分岐度によって、いかなる範囲の触媒量も使用できるが、好ましくはポリブタジエン1モルあたり、有機アルミニウム1×10‐5〜5×10‐2モルであり、特に好ましくは5×10‐5〜1×10‐2モルである。
分岐化反応における水の添加量は、所望の分岐度によって、いかなる範囲の量も使用できるが、好ましくは有機アルミニウム化合物1モルあたり、1.5モル以下であり、特に好ましくは1モル以下である。
所定時間重合を行った後、アルコ−ルなどの停止剤を注入して重合を停止した後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
本発明で得られる変性ポリブタジエンのトルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)の比(Tcp/ML1+4)は、好ましくは0.9〜3.5であり、より好ましくは1.2〜2.5である。
また、本発明で得られる変性ポリブタジエンのトルエン溶液粘度(Tcp)は、好ましくは30〜300であり、より好ましくは45〜200である。
また、本発明で得られる変性ポリブタジエンのコールドフロー速度(CF)が20未満が好ましく、15未満が特に好ましい。
また、本発明で得られる変性ポリブタジエンの100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)は、10〜200が好ましく、25〜100が特に好ましい。
本発明の(b)のVCRは、コバルト化合物−トリアルキルアルミニウム化合物−二硫化炭素系触媒系(たとえば、特公昭47−19892号)などの重合触媒を用いて、重合温度、重合溶媒等も公知の方法に従って適宜設定し、二段重合法で製造することができる。
二段重合法とは、1,3−ブタジエンを最初にシス−1,4−重合してシス−1,4−ポリブタジエンとし、次いで重合系に1,2重合触媒を投入して残余の1,3−ブタジエンを1,2重合させるというものである。
ゴム組成物(a)+(b)の成分割合は、HC−HVBR(a)が1〜9重量部、好ましくは1〜7重量部であり、またVCR(b)1〜91重量部、好ましくは1〜93重量部である。
本発明のゴム補強剤としては、各種のカーボンブラック以外に、ホワイトカーボン、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ハイスチレン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラミン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油樹脂等の有機補強剤があり、特に好ましくは、粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックで、例えば、FEF,FF,GPF,SAF,ISAF,SRF,HAF等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、前記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、低燃費性と耐摩耗性とを同時に満足し、両性能をバランス良く両立するのであり、且つ押出し加工時のシャープエッヂの向上が図れるため、より高度にバランスの取れたタイヤのトレッド・サイドウォールなどの用途に好適なゴム組成物として用いられる。
(参考例1)(高シス−高ビニルポリブタジエン(a)の製造)
窒素置換した攪拌機付5Lのオートクレーブに30wt%の1.3−ブタジエンを含有するトルエン溶液(1.3−ブタジエン:814g)3.5Lを仕込んで攪拌する。次いで、水素ガスを導入して0.092kgG/cm圧力だけ高くした。30℃で3分かけてトリエチルアルミニウム2.25mmolを、次いでトリチルテトラ(パーフルオロフェニル)ボレート0.039mmol、シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド0.026mmolを連続して添加し、重合温度40℃で30分間重合を行った。さらに、水を300mg/L含むトルエン4.8ml、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)1mol/Lのトルエン溶液0.1ml、オクチル酸コバルト(Co(Oct))5mmol/Lのトルエン溶液0.5mlを加えて40℃で30分間反応させた。
重合後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含有するエタノールとへプタンの当量混合液を注入して反応を停止させた後、溶媒を蒸発させ乾燥した。得られたポリマーの収率は32%であり、ミクロ構造・ムーニー粘度・5%トルエン溶液粘度及びt−cp/ML比を表に示した。
(参考例2)(b)VCRの製造
空気を窒素ガスで置換した容量1.5Lのオートクレーブに、脱水ベンゼンとC4留分の混合溶液670mLを入れ、1,3−ブタジエン214gを溶解した。これにジエチルアルミニウムクロライド2.6mmolを加え、1分後に分子量調節剤1,5−シクロオクタジエン0.9gを加え、50℃に昇温後、コバルトオクトエート0.004g加え、30分間攪拌することで、1,3−ブタジエンの重合を行って、得られた高シスポリブタジエンの生成液に2、4−ジターシャルブチル−p−クレゾールをゴムに対して1PHR加えて、反応を停止した。高シスポリブタジエンのムーニー粘度は45、5wt%トルエン溶液粘度は128であった。
空気を窒素ガスで置換した容量1.5Lのオートクレーブに脱水ベンゼン760mLを入れ、1,3−ブタジエン74gを溶解した。これにコバルトオクトエート1mmol(濃度1mmol/mlのベンゼン溶液を使用)を加え、1分後にトリエチルアルミニウム2mmol(濃度1mmol/mlのベンゼン溶液を使用)を加え、攪拌し、次いで1分後に750mmolのアセトンを添加し、更に1分後、二硫化炭素0.6mmol(濃度0.3mmol/mLのベンゼン溶液を使用)を添加し、10℃で60分間攪拌し、1,3−ブタジエンの重合を行って、得られたSPB生成液に2、4−ジターシャルブチル−p−クレゾール0.75gを加えて、反応を停止した。SPBの融点は140℃、ηsp/cは1.4であった。
ベンゼン880ml中に上記の高シスポリブタジエンを均一になるまで溶解し、その中に上記で得られたSPBD生成液を添加して、沸騰n−ヘキサン不溶分(H.I)が所定の量になるように調整した。調整後、未反応1,3−ブタジエン、C4 留分、ベンゼンを蒸発除去し、ポリブタジエンゴム(VCR)を得た。
(実施例1〜2)(比較例1〜2)
参考例1の高シスー高ビニルポリブタジエン(HC−HVBR)および参考例2のVCRとからなる組成物(a)+(b)を用い、表1に示す配合処方に従って、以下に記載の方法で配合、加硫した。各特性を表に示した。。
評価項目と実施条件
混練方法
下記手順に準じて混練する。
[一次配合]
混練装置:バンバリーミキサー(容量1.7L)
回転数:77rpm
スタート温度:90℃
混練手順:
0分;BR(a)+(b)+(c)投入
0分;フィラー投入
3分;ラムを上げて掃除(15秒)
5分;ダンプ
ダンプ物は引き続き10インチロールにて1分間巻き付け、3回丸め通し後、シート出しした。コンパウンドは2時間以上冷却後、次の手順に準じて二次配合を行った。
[二次配合]
前記一次配合終了後、下記手順に準じて二次配合を行った。
混練装置:10インチロール
ロール温度:40〜50℃
ロール間隙:2mm
混練手順:
(1) 0分;ダンプ物の巻き付け及び硫黄・加硫促進剤の投入
(2) 2分;切り返し
(3) 3分;三角取り・丸め通し後、シート出し
加硫時間
測定装置;JSRキュラストメーター2F型
測定温度;150℃
測定時間;t90×2,×3を加硫時間とした。
加硫条件
加硫装置;プレス加硫
加硫温度;150℃
[素ゴム物性評価]
ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm-1、トランス967cm-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
[η]は、トルエン溶液で30℃の温度で測定した。
ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300に準拠して測定した。
トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
HI:熱したn−へキサン不溶解分で、VCR中に含有する1,2−ポリブタジエン量の尺度
ηsp/c:1,2−ポリブタジエンの分子量の尺度
測定温度は135℃、使用溶媒はオルトジクロルベンゼン
1,2−ポリブタジエンの融点は、示差走査熱量計(DSC)の吸熱曲線のピークポイントにより決定した。
[配合物物性]
ダイスウェル
測定装置;モンサント社製加工性測定装置(MPT)
ダイ形状;円形
L/D;1 , 10(D=1.5mm)
測定温度;100℃
せん断速度;10,100sec−1
ムーニー粘度は、JIS−K−6300に規定されている測定方法に従って測定した。
[加硫物物性]
硬度、反発弾性及び引張強度は、JIS−K−6301に規定されている測定法に従って測定した。
動的粘弾性のtanδは、レオメトリックス社製RSA2を用いて、温度70℃、周波数10Hz、動歪2%の条件で測定した。
発熱特性 グッドリッチフレクソメーターを用い、ASTM D623に従い、歪み0.175インチ、荷重55ポンド、100℃25分の条件で測定した。
耐摩耗性指数:JIS K6264に準じてランボーン摩耗試験機を用いてスリップ率20%で測定し、比較例1を100として指数で評価した。指数が大きいほど耐摩耗性は良好である。
圧縮永久歪は上島製作所製の圧縮永久歪測定器を用いて、JISK6301又はASTM D395に従い、温度70℃で22時間の条件で圧縮し、永久歪を測定した。
屈曲亀裂成長性は上島製作所製の亀裂試験機を用いて、ASTM D813に従い、試験片の亀裂が15mm以上の長さに成長するまでの屈曲回数を測定した。
Figure 0004385795
Figure 0004385795
Figure 0004385795
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Claims (2)

  1. メタロセン触媒により製造される高シス−高ビニルポリブタジエンを遷移金属触媒の存在下で変性させて得られる(a)変性高シス−高ビニルポリブタジエン1〜9重量部と(b)ビニル・シスポリブタジエン99〜91重量部、(a)+(b)100重量部に対してカーボンブラック及び/又はホワイトカーボン40〜80重量部とからなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. 該遷移金属触媒が、コバルト化合物であって、該高シス−高ビニルポリブタジエンゴム1モルあたり5×10 -7 〜1×10 -4 モルであることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
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