JP2021161170A - 共役ジエン重合体用触媒、共役ジエン重合体、変性共役ジエン重合体、それらを含む組成物、並びに共役ジエン重合体及び変性共役ジエン重合体の製造方法 - Google Patents

共役ジエン重合体用触媒、共役ジエン重合体、変性共役ジエン重合体、それらを含む組成物、並びに共役ジエン重合体及び変性共役ジエン重合体の製造方法 Download PDF

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Ryosuke Iizuka
晃司 斯波
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Abstract

【課題】引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を提供することを目的とする。【解決手段】ガドリニウム化合物と、周期律表第2族、12族及び13族から選ばれる元素の有機金属化合物とを含む共役ジエン重合体用触媒であって、有機金属化合物は、ハロゲン化有機金属化合物と、水素化有機金属化合物とを含む、共役ジエン重合体用触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、共役ジエン重合体用触媒、共役ジエン重合体及び変性共役ジエン重合体の製造方法、共役ジエン重合体、変性共役ジエン重合体、共役ジエン重合体組成物、変性共役ジエン重合体組成物等に関するものである。
1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンの重合用触媒に関しては、従来数多くの提案がなされており、その幾つかは工業化されている。
非特許文献1には、触媒としてアセチルアセトンランタンを用いて得られたポリブタジエンが開示されている。非特許文献2には、塩化ランタンを用いて得られたポリブタジエン及びポリイソプレンが開示されている。非特許文献3にはガドリニウム化合物を用いて得られたポリブタジエン及びポリイソプレンが開示されている。
また、特許文献1及び2には、ネオジム触媒により得られた高シスポリブタジエンをアルコキシシラン化合物で変性させた変性ポリブタジエンが開示されている。
特開2007−308653号公報 特開2005−8870号公報
Polymer Preprints, Japan, Vol.38, No.2, p.170 (1989) Macromolecules, Vol.15, No.2, p.230−233 (1982) Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 36, 2283-2290 (1998)
しかしながら、引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体は開示されていない。本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒及び共役ジエン重合体用触媒を用いた共役ジエン重合体の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体を提供することを目的とする。
本発明は、以下に関する。
[1]ガドリニウム化合物と、周期律表第2族、12族及び13族から選ばれる元素の有機金属化合物とを含む共役ジエン重合体用触媒であって、
有機金属化合物は、ハロゲン化有機金属化合物と、水素化有機金属化合物とを含む、共役ジエン重合体用触媒。
[2]ガドリニウム化合物は、一般式(1)で表される、[1]の共役ジエン重合体用触媒。
Gd・・・(1)
(但し、一般式(1)中、LはRCO又は(RO)P(=O)Oであり、R及びRは炭素数1〜20の炭化水素基である。)
[3]水素化有機金属化合物に対するハロゲン化有機化合物のモル比は、0.1〜3である、[1]又は[2]の共役ジエン重合体用触媒。
[4][1]〜[3]のの共役ジエン重合体用触媒を用いて、共役ジエン化合物を重合する工程を有する、共役ジエン重合体の製造方法。
[5][1]〜[3]のの共役ジエン重合体用触媒を用いて、前記共役ジエンを重合する工程と、前記工程で得られた共役ジエン重合体を変性剤により変性させる工程を有する、変性共役ジエン重合体の製造方法。
[6][4]の共役ジエン重合体の製造方法により得られる、共役ジエン重合体。
[7][5]の変性共役ジエン重合体の製造方法により得られる、変性共役ジエン重合体。
[8]シス−1,4構造の割合は、98.5%モル以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、10〜28である、共役ジエン重合体。
[9]数平均分子量(Mn)は、4.5万〜20万である、[8]の共役ジエン重合体。
[10]重量平均分子量(Mw)は、100万〜200万である、[8]又は[9]の共役ジエン重合体。
[11][8]〜[10]の共役ジエン重合体の末端に変性剤由来の構造を有する、変性共役ジエン重合体。
[12]変性剤由来の構造は、アミノ基を有するカルボニル化合物由来の構造である、[11]の変性共役ジエン重合体。
[13][6]又は[8]〜[10]の共役ジエン重合体を含む、ゴム組成物。
[14][7]、[11]又は[12]の変性共役ジエン重合体を含む、ゴム組成物。
[15][13]又は[14]のゴム組成物を用いたタイヤ。
[16][13]又は[14]のゴム組成物を用いたゴムベルト。
本発明によれば、引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒及び共役ジエン重合体用触媒を用いた共役ジエン重合体の製造方法を提供することができる。また、本発明は、引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体を提供することができる。
本発明の変性共役ジエン重合体の変性度を求めるための、UV/RIの値と(1/Mn)×10との関係を表すグラフである。ここで、UVは、ポリマーのGPC測定によって得られる274nmにおけるUV吸光度から得られるピーク面積値を表し、RIは、示差屈折率から得られるピーク面積値を表す。また、Mnは数平均分子量を表す。
<共役ジエン重合用触媒>
共役ジエン重合体用触媒は、ガドリニウム化合物と、周期律表第2族、12族及び13族から選ばれる元素の有機金属化合物とを含み、周期律表第2族、12族及び13族から選ばれる元素の有機金属化合物は、ハロゲン化有機金属化合物と、水素化有機金属化合物とを含む。
(ガドリニウム化合物)
ガドリニウム化合物は、一般式(1)で示されるガドリニウム化合物を含むことが好ましい。
Gd・・・(1)
(但し、一般式(1)中、LはRCO又は(RO)P(=O)Oであり、R及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基である。)
前記一般式(1)において、R及びRは、炭素数1〜20の炭化水素であり、炭素水1〜20の炭化水素は、飽和又は不飽和でもよく、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでもよいが、アルキル基及びアルケニル基がより好ましい。
前記一般式(1)のLがRCOの場合の化合物としては、具体的には、ガドリニウムと、ピバル酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸又はバーサチック酸(カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸)等の塩が挙げられ、これらの中でも、ガドリニウムと、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、ステアリン酸又はバーサチック酸との塩が好ましい。引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を得ることができる。
前記一般式(1)のLが(RO)P(=O)Oの場合のリン酸塩としては、ガドリニウムと、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)又はリン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)等との塩が挙げられ、これらの中でも、ガドリニウムと、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)との塩が好ましい。引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を得ることができる。
(有機金属化合物)
周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物とは、周期律表第2族、12族及び13族から選ばれる元素を含む有機金属化合物であり、特に制限されないが、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物等が挙げられる。
周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物は、ハロゲン化有機金属化合物と、水素化有機金属化合物とを含む。
(ハロゲン化有機金属化合物)
周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素のハロゲン化有機金属化合物としては、例えば、ハロゲン化有機マグネシウム、有機アルミニウムハロゲン化合物等が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は、アルキルマグネシウムクロライド、アルキルマグネシウムブロマイドなどのアルキルマグネシウムハライド;ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド;アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウムハロゲン化合物などである。
具体的な化合物としては、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、オクチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムアイオダイド、ヘキシルマグネシウムアイオダイドなどのアルキルマグネシウムハライドを挙げることができる。
さらに、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウムハロゲン化合物を挙げることができる。
周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素のハロゲン化有機化合物中でも好ましくは、13族元素のハロゲン化有機金属化合物であり、その中でも有機アルミニウムハロゲン化合物が好ましく、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等がより好ましく、ジエチルアルミニウムクロライドが特に好ましい。引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を得ることができる。
ハロゲン化有機金属化合物は、単独で用いることもできるが、2種類以上併用することも可能である。
(水素化有機金属化合物)
周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の水素化有機金属化合物としては、例えば、ジアルキルアルミニウムハイドライドなどの水素化有機アルミニウム化合物等が挙げられる。
周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の水素化有機金属化合物中でも好ましくは、13族元素の水素化有機金属化合物であり、その中でも水素化有機アルミニウム化合物が好ましく、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキハイドライドがより好ましく、ジイソブチルアルミニウムハイドライドが特に好ましい。引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を得ることができる。
水素化有機金属化合物は、単独で用いることもできるが、2種類以上併用することも可能である。
(炭化水素溶媒)
共役ジエン重合体用触媒は、炭化水素溶媒を含んでもよい。炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
(共役ジエン重合体用触媒の調整方法)
本発明においては、前記触媒成分は熟成してもよい。熟成とは前記触媒成分を混合し、一定の時間、一定の温度に保持することである。
熟成は、炭化水素溶媒中、共役ジエン化合物モノマーの存在下又は非存在下において、ガドリニウム化合物と周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物を混合することが好ましい。熟成温度は−50〜120℃、好ましくは−10〜95℃であり、熟成時間は0.005〜24時間、好ましくは0.01〜5時間、特に好ましくは0.02〜3時間である。
なお、本発明においては、各触媒成分を無機化合物、又は有機高分子化合物に担持して用いることもできる。
(各成分の割合)
ガドリニウム化合物と、周期律表第2族、12族及び13族から選ばれる元素の有機金属化合物の割合は、特に限定されるものではないが、ガドリニウム化合物に対する有機金属化合物のモル比は、0.1〜100モルが好ましく、1〜20モルが特に好ましい。
水素化有機金属化合物に対するハロゲン化有機化合物のモル比は、0.01〜20であることが好ましく、0.1〜3であることがより好ましく、0.3〜1であることが特に好ましい。引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を得ることができる。
<共役ジエン重合体の製造方法>
共役ジエン重合体の製造方法は、前記共役ジエン重合体用触媒を用いて、共役ジエン化合物を重合する工程を有する。
また、共役ジエン化合物を重合する工程において、共役ジエン重合体の分子量を調節することを目的として、分子量調節剤を用いることが好ましい。
(共役ジエン化合物)
原料となる共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタジエン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。中でも、1,3−ブタジエンを主成分(例えば50モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上)とする共役ジエン化合物が好ましい。これらの共役ジエン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記共役ジエン化合物の他に、エチレン、プロピレン、アレン、1−ブテン、2−ブテン、1,2−ブタジエン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、オクテン、シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどのオレフィン化合物等を含んでいてもよい。
(分子量調節剤)
共役ジエン重合体の分子量を調節することを目的として、分子量調節剤を用いることができる。分子量調節剤としては、有機金属化合物、水素化有機金属化合物から選ばれる化合物が挙げられる。
有機金属化合物としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマグネシウムなどのジアルキルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジヘキシル亜鉛、ジオクチル亜鉛、ジデシル亜鉛などのジアルキル亜鉛、さらにトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムなどが挙げられる。
また、水素化有機金属化合物としては、メチルボラン、エチルボラン、プロピルボラン、ブチルボラン、フェニルボランなどのアルキルボラン、ジメチルボラン、ジエチルボラン、ジプロピルボラン、ジブチルボラン、ジフェニルボランなどのジアルキルボラン、メチルアルミニウムジハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライド、プロピルアルミニウムジハイドライド、ブチルアルミニウムジハイドライド、フェニルアルミニウムジハイドライドなどのアルキルアルミニウムジハイドライド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジノルマルブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド類などが挙げられる。
その中でも有機アルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリエチルアルミニウムである。
(各成分の混合の順序)
本発明に係る共役ジエン重合体の製造方法において、ガドリニウム化合物、周期律表第2族、12族及び13族から選ばれる元素の有機金属化合物の混合順序は、特に制限はないが、例えば、次の順序で行うことができる。
(1)不活性有機溶媒中、共役ジエン化合物の存在下又は不存在下に有機金属化合物を混合し、次にガドリニウム化合物を混合する。
(2)不活性有機溶媒中、共役ジエン化合物の存在下又は不存在下にガドリニウム化合物を混合し、次に有機金属化合物と分子量調節剤とを任意の順序で混合する。
(3)不活性有機溶媒中、共役ジエン化合物の存在下又は不存在下に有機金属化合物と分子量調節剤とを任意の順序で混合した後、ガドリニウム化合物を混合する。
(4)不活性有機溶媒中、共役ジエン化合物の存在下又は不存在下に有機金属化合物を混合し、ガドリニウム化合物を混合した後、分子量調節剤を混合する。
ここで、最初に混合する共役ジエン化合物は、共役ジエン化合物の全量であっても、一部であってもよく、一部を混合した場合、残りの共役ジエン化合物は任意の順序で混合してよい。
(重合方法)
重合方法は、特に制限はなく、1,3−ブタジエンなどの共役ジエン化合物そのものを重合溶媒とする塊状重合(バルク重合)、又は溶液重合などを適用できる。溶液重合での溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素、上記のオレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素等が挙げられ、中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。これらの溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合温度は−30〜150℃の範囲が好ましく、0〜100℃の範囲が特に好ましい。
重合時間は1分〜12時間が好ましく、5分〜5時間が特に好ましい。
本発明の共役ジエン重合用触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、ガドリニウム化合物の濃度が、1〜200μmol/Lであることが好ましく、2〜100μmol/Lであることが特に好ましい。
所定時間重合を行った後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。このようにして、本発明の共役ジエン重合体は、前記製造方法により製造することができる。
<共役ジエン重合体>
共役ジエン重合体のシス−1,4構造の割合は、98.5モル%以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、10〜28である。
シス−1,4構造の割合は、99.0モル%以上であることが好ましい。シス−1,4構造の割合を99.0モル%以上とすることで、引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる。
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は10〜25であることが好ましく、10〜23であることがより好ましく、10〜20であることが特に好ましい。引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる。
数平均分子量(Mn)は、4,5万〜20万が好ましく、6万〜15万がより好ましい。また、重量平均分子量(Mw)が100万〜200万が好ましく、110万〜150万がより好ましい。引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる。
<変性共役ジエン重合体の製造方法>
変性共役ジエン重合体の製造方法は、前記共役ジエン重合体用触媒を用いて、共役ジエン化合物を重合する工程と、前記工程で得られた共役ジエン重合体を変性剤により変性させる工程を有する。
(共役ジエン重合体を変性剤により変性させる工程)
共役ジエン重合体を変性剤により変性させる工程では、共役ジエン重合体と変性剤とを混合し、特定の温度で加熱することで、変性共役ジエン重合体を得る。
変性剤により変性させる工程では、(1)変性剤を添加したのち、重合停止剤を添加し、反応生成物中に残留している溶媒や未反応の共役ジエン化合物等をスチームストリッピング法や真空乾燥法などで除去する方法、あるいは、重合停止剤を添加したのち、変性剤を添加する方法、あるいは、(2)合成した共役ジエン重合体を洗浄、乾燥して得た重合体乾燥物を溶媒に再度溶解させたのち、変性剤と触媒を添加する方法などが挙げられる。重合停止剤の種類によっては、共役ジエン重合体が変性剤と反応する部位の活性を低下させることがあるため、重合停止前に変性剤を添加する方法が好ましい。
(変性剤)
本発明で用いられる変性剤としては、公知の変性剤いずれも用いることができ、例えば、極性官能基を有する芳香族化合物が挙げられる。その中でも、芳香族カルボニル化合物、より好ましくはアミノ基及び/またはアルコキシ基を有する芳香族カルボニル化合物、ハロゲン化ベンジル化合物、より好ましくはアルコキシ基を有するハロゲン化ベンジル化合物、及び芳香族アルデヒド化合物、より好ましくはアルコキシ基を有する芳香族アルデヒド化合物が好ましい。これらの変性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ基を有する芳香族カルボニル化合物としては、アミノベンゾフェノン化合物が好ましく、またアミノ基が炭素原子数1〜6のアルキル基と結合したアルキルアミノ基であることも好ましい。その具体的な化合物の例としては、4−ジメチルアミノアセトフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−ジブチルアミノベンゾフェノン、4−ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、等が挙げられる。これらの化合物の中で、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンや4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
本発明で用いる変性剤としては、アルコキシ基を有する有機珪素化合物も好ましい。ある実施態様においては、変性剤としてアルコキシ基を有する有機珪素化合物を用いることで、ゲル化を抑制して変性共役ジエン重合体を得ることができる。
これらの変性剤は、単独で使用しても、あるいは二種類以上組み合わせて用いてもよい
(変性剤により変性させる工程の条件)
変性剤により変性させる工程で使用する有機溶媒としては、共役ジエン重合体と反応しない溶媒も使用できる。通常は、共役ジエン重合体の製造に用いた溶媒と同じ溶媒を使用することが好ましい。その具体例としては、ベンゼン、クロルベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタンなどの炭素原子数5〜10の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、テトラリン、デカリンなどの脂環族炭化水素系溶媒などを挙げることができる。また、塩化メチレンやテトラヒドロフランなども使用することができる。
変性反応の反応溶液の温度は、0〜100℃の範囲にあることが好ましく、10〜90℃の範囲にあることが更に好ましい。変性剤がアルコキシ基を有する有機珪素化合物の場合は、変性反応の反応溶液の温度は、特に50〜90℃の範囲にあることが好ましいことがある。温度が低すぎると変性反応の進行が遅くなり、温度が高すぎると重合体がゲル化しやすくなる。ある実施態様においては、変性反応の反応溶液の温度(反応温度)は、50℃以下、より好ましくは40℃以下、より好ましくは0〜30℃の範囲にあることが好ましいことがある。
変性反応の時間は、特に制限はないが、1分〜5時間の範囲にあることが好ましく、3分〜1時間の範囲にあることがさらに好ましい。変性反応時間が短すぎると反応が充分進行しないことがあり、時間が長すぎると重合体がゲル化しやすくなる。
変性反応における反応溶液中の共役ジエン重合体の量は、溶媒1リットル当り、通常は2〜500g、好ましくは5〜300g、更に好ましくは10〜200gの範囲にあることが好ましい。変性剤がアルコキシ基を有する有機珪素化合物の場合は、変性反応における反応溶液中の共役ジエン重合体の量は、溶媒1リットル当り、通常は5〜500g、好ましくは20〜300g、更に好ましくは30〜200gの範囲にあることが好ましい。
変性反応における変性剤の使用量は、共役ジエン重合体100gに対して、通常は0.01〜150ミリモル、好ましくは0.1〜100ミリモル、更に好ましくは0.2〜50ミリモルの範囲にあることが好ましい。変性剤の使用量が少な過ぎると、変性共役ジエン重合体中に導入される変性基の量が少なくなり、変性効果が少なくなることがある。変性剤の使用量が多すぎると、変性共役ジエン重合体中に未反応変性剤が残存し、その除去に手間がかかることがある。
(変性共役ジエン重合体の変性度)
本発明の変性共役ジエン重合体の変性度は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を用いる手法により算出することができる。
図1において、縦軸は、GPC測定によって得られたポリマーの274nmにおけるUV吸光度から得られるピーク面積値UVと、示差屈折率(RI)から得られるピーク面積値RIの比、UV/RIの値を示す。横軸は、(1/Mn)×10の値を示し、Mnは数平均分子量である。
図1において、Li−BR(未変性)は、Li系触媒によるリビングアニオン重合によって1,3−ブタジエンを重合したポリマーそのもののUV/RIの値を、異なる数平均分子量Mnのポリマーについてプロットしたもので、直線として近似することができる。また、Li−BR(変性)は、Li系触媒によるリビングアニオン重合によって重合した後、重合末端と所定の変性剤を反応させて変性したポリマーのUV/RIの値を、異なる数平均分子量Mnのポリマーについてプロットしたもので、直線として近似することができる。
リビングアニオン重合の場合は、ポリマー1分子と変性剤1分子が定量的に反応することから、ある数平均分子量(Mn1)におけるLi−BR(変性)のUV/RI値とLi−BR(未変性)のUV/RI値の差をAとする。これはその数平均分子量(Mn1)である1分子鎖に変性剤が1分子反応した場合のUV/RI値の変化量を示すため、この値を基準に変性度を算出することができる。
Li−BRと同様にして、ある数平均分子量(Mn1)である本発明の変性シス−1,4−ポリブタジエンと、変性に用いたものと同じ方法で得られた未変性のシス−1,4−ポリブタジエンについて、それぞれUV/RI値を算出してその差をBとすると、本発明の変性シス−1,4−ポリブタジエンの変性度は、以下の式(2)で表すことができる。
変性度 = B/A ・・・(2)
変性共役ジエン重合体の変性度は、特に限定されるものではないが、0.1以上が好ましい。変性度を0.1以上とすることで、変性による効果を向上させることができ、変性剤の極性官能基(アミノ基、アルコキシ基等)とフィラー(充填剤)の極性官能基との相互作用により、ゴム組成物中でのフィラーの分散性を高めることができる。
<変性共役ジエン重合体>
変性共役ジエン重合体は、前記変性共役ジエン重合体の製造方法により製造することができる。
変性共役ジエン重合体は、共役ジエン重合体の末端に前記変性剤由来の構造を有し、アミノ基を有するカルボニル化合物由来の構造であることが好ましい。
シス−1,4構造の割合は、98.5モル%以上であることが好ましく、99.0モル%以上であることが好ましい。引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる。
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、10〜28であることが好ましく、10〜25であることがより好ましく、10〜23であることが更に好ましく、10〜20であることが特に好ましい。引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる。
数平均分子量(Mn)は、4,5万〜20万が好ましく、6万〜15万がより好ましい。また、重量平均分子量(Mw)が100万〜200万が好ましく、110万〜150万がより好ましい。引張特性、耐摩耗性、低温特性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、前記共役ジエン重合体及び/又は前記変性共役ジエン重合体を含む。ゴム組成物は、前記共役ジエン重合体及び前記変性共役ジエン重合体以外のジエン系重合体と、ゴム補強剤とを更に含むことが好ましい。
(ジエン系重合体)
ジエン系重合体としては、加硫可能なゴムが好ましく、具体的には天然ゴム(NR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリイソプレン、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を挙げることができる。これらの中でもNR及びSBRが好ましい。さらにSBRの場合、特に限定されるものではないが、中でも溶液重合スチレンブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)が特に好ましい。これらのゴムは単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
(ゴム補強剤)
各種のカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤が挙げられる。これらの中でも、通常、カーボンブラック及びシリカが好ましい。これらのゴム補強剤は単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
シリカは、二酸化珪素(一般式SiOで示される)の他に、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩などのケイ酸系充填材が挙げられる。また、乾燥シリカ、沈殿法シリカ、ゲル法シリカ、コロイダルシリカなどシリカの凝集状態、及び湿式法、乾式法などの製造方法について特に制限されない。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは、耐摩耗性の優れた湿式シリカが挙げられる。
(その他の成分)
本発明に係るゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を含んでもよい。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などを用いることができる。加硫剤は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜3質量部程度を配合することが好ましい。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などを用いることができる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、カーボンブラック、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
(ゴム組成物の製造方法)
ゴム組成物は、上記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる
具体的には、本発明のゴム組成物は、前記共役ジエン重合体及び/又は変性共役ジエン重合体単独で、またはジエン系重合体を混合し、必要に応じてプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックなどの充填剤、加硫剤、加硫促進剤その他の通常の配合剤を加えて加硫し、タイヤ、ホース、ベルト、クローラ、その他の各種工業用品等の機械的特性、耐摩耗性等が要求されるゴム用途に使用することができる。
(各成分の割合)
本発明に係るゴム組成物の混合割合は、好ましくは、共役ジエン重合体もしくは変性共役ジエン重合体90〜5質量部と、前記以外のジエン系重合体10〜95質量部とからなるゴム成分100質量部と、ゴム補強剤20〜120質量部である。
(ゴム組成物の用途)
本発明によって得られるゴム組成物は、タイヤ・防振ゴム・ベルト・ホース・免震ゴムなどの工業用品や、紳士靴、婦人靴、スポーツシューズなどの履物といった各種のゴム用途に使用することができる。その場合、ゴム成分中に少なくとも本発明のポリブタジエン等の本発明の共役ジエン重合体、又は本発明の変性共役ジエン重合体を10重量%以上含有するように配合することが好ましい。また、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物は、公知の各種成形品に用いることができるが、難燃性、耐衝撃強度、引張強度に優れるために電気・工業用途分野、包装材料、住宅関連材料、OA機器用材料、工具、日用品等に好適である。例えばテレビ、パソコン、エアコンなどの筐体、複写機やプリンターなど事務機器の外装材、冷凍食品、乳酸飲料、アイスクリームなどの食品容器といった広範な用途に用いることができる。
<タイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物>
タイヤ用ゴム組成物の場合には、ゴム組成物は、本発明の共役ジエン重合体及び/又は本発明の変性共役ジエン重合体と、前記共役ジエン重合体及び/又は本発明の変性共役ジエン重合体以外のジエン系重合体とからなるゴム成分又は前記ゴム成分と、ゴム補強剤とを含み、上記ゴム成分100質量部に対して上記ゴム補強剤を30〜80質量部含有することが好ましい。
また、ゴムベルト用ゴム組成物の場合には、ゴム組成物は、本発明の共役ジエン重合体又は本発明の変性共役ジエン重合体と、前記以外のジエン系重合体とからなるゴム成分と、ゴム補強剤とを含み、上記ゴム成分100質量部に対して上記ゴム補強剤を20〜70質量部含有することが好ましい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物は、共役ジエン重合体又は変性共役ジエン重合体以外のジエン系重合体を含み、共役ジエン重合体又は変性共役ジエン重合体90〜5質量部に対して、共役ジエン重合体又は変性共役ジエン重合体以外のジエン系重合体10〜95質量部を配合することが好ましい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物に配合されるジエン系重合体としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、及びポリイソプレンのうち少なくとも一種以上であることが好ましい。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。
<共役ジエン重合体、変性共役ジエン重合体の評価>
(収量)
反応溶液1L当たりの重合体の重量(g又はkg)である。
(触媒活性)
重合反応に使用した触媒のガドリニウム1mmol当たり、重合時間1時間当たりの重合体収量(g又はkg)である。
(ミクロ構造)
赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス734cm−1、トランス967cm−1、ビニル910cm−1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
(数平均分子量(Mn)並びに重量平均分子量(Mw))
ポリスチレンを標準物質としてテトラヒドロフランを溶媒として温度40℃で、GPC(株式会社島津製作所製)法により行い、得られた分子量分布曲線から求めた検量線を用いて計算し、数平均分子量並びに重量平均分子量を求めた。
(分子量分布(Mw/Mn))
ポリスチレンを標準物質として用いたGPCから求めた重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの比であるMw/Mnによって評価した。
(ムーニー粘度(ML1+4、100℃))
JIS−K6300−1に従い株式会社島津製作所製のムーニー粘度計を使用して100℃で1分間予熱したのち、4分間測定してゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)を求めた。
<ゴム組成物の評価>
(引張応力(300%))
JIS−K6251に準拠して300%引張応力を測定し、各表では記載された比較例を各々100として指数表示した。指数は大きいほど良好である。
引張応力(100%):JIS−K6251に準拠して、100%引張応力を測定し、各表では記載された比較例を各々100として指数表示した。指数は大きいほど良好である。
(引張応力(50%))
JIS−K6251に準拠して50%引張応力を測定し、各表では記載された比較例を各々100として指数表示した。指数は大きいほど良好である。
(低燃費性(tanδ(3%)))
粘弾性測定装置(アルファテクノロジーズ製、RPA2000)を用い、温度50℃、周波数1Hz、動歪み3%で測定した。比較例を100として指数で示した。低燃費性(tanδ)は数値が小さいほど特性が優れているが、各表では、指数が大きいほど特性(低ロス性)が優れていることを示すように換算した。
(低温特性(−40℃貯蔵弾性率(E’))
粘弾性測定装置(上島製作所社製、VR−7130)を用いて、温度範囲−120℃〜100℃、周波数16Hz、動的歪み0.3%の条件で測定し、−40℃における貯蔵弾性率(E’)を用いた。各表では記載された比較例を各々100として指数表示した(指数は大きいほど−40℃における弾性率が低く良好)。
<共役ジエン重合体用触媒の合成例>
(合成例1:ステアリン酸ガドリニウム Gd(ste)の合成)
ステアリン酸1.02g(3.6mmol)入りの50mLフラスコに10mLのエタノールを添加し、常温で10分間撹拌した。この溶液に3.6mLの1.0M水酸化ナトリウム水溶液(3.6mmol)を添加し、常温で1時間撹拌して第1混合溶液を製造した。
200mLフラスコに塩化ガドリニウム水化物0.45g(1.20mmol)を投入し、20mLのシクロヘキサンと10mLのエタノールとを添加して溶解させ、第2混合溶液を製造した。
前記第1混合溶液を滴下漏斗に入れ、常温で前記第2混合溶液に滴下して第3混合溶液を製造した。添加の完結後、常温で16時間撹拌した。
第3混合溶液を減圧蒸留して溶媒を全て取り除き、純水とエタノールで洗浄して減圧乾燥することで白色固体としてステアリン酸ガドリニウムを1.15g(収率95%)得た。
(合成例2:ビス(2−エチルヘキシル)リン酸ガドリニウム Gd(BEHP)の合成)
ステアリン酸をビス(2−エチルヘキシル)リン酸に変更した以外は合成例1と同様に実験を行った。白色固体としてビス(2−エチルヘキシル)リン酸ガドリニウムを1.35g(収率100%)得た。
(合成例3:バーサチック酸ガドリニウム Gd(Ver)の合成)
ステアリン酸をバーサチック酸[シェル化学製バーサチック10:カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸]に変更した以外は合成例1と同様に実験を行った。白色固体としてバーサチック酸ガドリニウムを0.69g(収率85%)得た。
<共役ジエン重合体の製造例>
(実施例A−1)
フラスコを窒素置換し、2−エチルヘキシル酸ガドリニウムGd(eha)(Strem Chemicals, Inc.)のトルエン溶液(0.4mol/L)1.65mLとジエチルアルミニウムクロライドのシクロヘキサン溶液(2mol/L)2.0mLとジイソブチルアルミニウムハイドライドのシクロヘキサン溶液(2mol/L)3.3mLを反応させて熟成触媒溶液を調製した。
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒250mL及びブタジエン250mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.25mLを添加した。次に、熟成触媒溶液0.315mLを添加し、40℃で30分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mLを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。
(実施例A−2)
フラスコを窒素置換し、合成例1で得られたステアリン酸ガドリニウム(Gd(ste))のトルエン溶液(0.05mol/L)1.32mLとジエチルアルミニウムクロライドのシクロヘキサン溶液(2mol/L)0.2mLとジイソブチルアルミニウムハイドライドのシクロヘキサン溶液(2mol/L)0.33mLを反応させて熟成触媒溶液を調製した。
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒250mL及びブタジエン250mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.25mLを添加した。次に、熟成触媒溶液0.84mLを添加し、実施例A−1と同様にポリブタジエンを得た。
(実施例A−3)
ステアリン酸ガドリニウム(Gd(ste))をビス(2−エチルヘキシル)リン酸ガドリニウム(Gd(BEHP))とした以外は実施例A−2と同様に実験を行った。
(実施例A−4)
ステアリン酸ガドリニウム(Gd(ste))をバーサチック酸ガドリニウム(Gd(Ver))とした以外は実施例A−2と同様に実験を行った。
(比較例A−1)
Gd(OCOClを用いて重合されたポリブタジエンのデータ(非特許文献3)を掲載した。
Figure 2021161170
表1中の略称は以下の通りである。
<Gd化合物>
Gd(eha):2−エチルヘキシル酸ガドリニウム
Gd(ste):ステアリン酸ガドリニウム
Gd(BEHP):ビス(2−エチルヘキシル)リン酸ガドリニウム
Gd(Ver):バーサチック酸ガドリニウム
<ハロゲン化有機金属化合物>
DEAC:ジエチルアルミニウムクロライド
<水素化有機金属化合物>
DIBAH:ジイソブチルアルミニウムハイドライド
(実施例B−1)
フラスコを窒素置換し、2−エチルヘキシル酸ガドリニウム(Gd(eha))((Strem Chemicals, Inc.製、以降の実施例でも同様の触媒を使用)のトルエン溶液(0.4mol/L)0.20mLとジエチルアルミニウムクロライドのシクロヘキサン溶液(2mol/L)0.24mLとジイソブチルアルミニウムハイドライドのシクロヘキサン溶液(2mol/L)0.40mLを反応させて熟成触媒溶液を調製した。
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒250mL及びブタジエン250mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)2.5mLを添加した。次に、熟成触媒溶液0.315mLを添加し、20℃で30分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mLを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。
(実施例B−2)
実施例B−1と同様にして熟成触媒溶液を調製した。
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒500mL及びブタジエン500mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)5.0mLを添加した。次に、熟成触媒溶液0.63mLを添加し、30℃で30分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液5mLを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。
(実施例B−3)
実施例B−1と同様にして熟成触媒溶液を調製した。
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒250mL及びブタジエン250mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.25mLを添加した。次に、熟成触媒溶液0.315mLを添加し、40℃で30分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mLを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。
(実施例B−4)
実施例B−1と同様にして熟成触媒溶液を調製した。 オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒500mL及びブタジエン500mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.0mLを添加した。次に、熟成触媒溶液0.63mLを添加し、50℃で30分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液5mLを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。
(実施例B−5)
実施例B−1と同様にして熟成触媒溶液を調製した。 オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒500mL及びブタジエン500mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)0.16mLを添加した。次に、熟成触媒溶液1.26mLを添加し、60℃で10分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液5mLを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。
Figure 2021161170
表2中の略称は以下の通りである。
<Gd化合物>
Gd(eha):2−エチルヘキシル酸ガドリニウム
<ハロゲン化有機金属化合物>
DEAC:ジエチルアルミニウムクロライド
<水素化有機金属化合物>
DIBAH:ジイソブチルアルミニウムハイドライド
<変性共役ジエン重合体の製造例>
(実施例C−1)
フラスコを窒素置換し、2−エチルヘキシル酸ガドリニウム(Gd(eha))のトルエン溶液(0.4mol/L)0.20mLとジエチルアルミニウムクロライドのシクロヘキサン溶液(2mol/L)0.24mLとジイソブチルアルミニウムハイドライドのシクロヘキサン溶液(2mol/L)0.40mLを反応させて熟成触媒溶液を調製した。
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒500mL及びブタジエン500mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)5.0mLを添加した。次に、熟成触媒溶液0.63mLを添加し、20℃で30分間重合した後、変性剤の4,4‘−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)のトルエン溶液(0.5mol/L)を2.5mL加えて20℃で10分間変性反応を行った。老化防止剤を含むエタノール溶液5mLを添加し、重合反応を停止し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。
(実施例C−2)
実施例C−1と同様にして熟成触媒溶液を調製した。
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒500mL及びブタジエン500mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)5.0mLを添加した。次に、熟成触媒溶液0.63mLを添加し、30℃で30分間重合した後、変性剤の4,4‘−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)のトルエン溶液(0.5mol/L)を2.0mL加えて30℃で10分間変性反応を行った。老化防止剤を含むエタノール溶液5mLを添加し、重合反応を停止し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した
(実施例C−3)
実施例C−1と同様にして熟成触媒溶液を調製した。 オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒500mL及びブタジエン500mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)2.5mLを添加した。次に、熟成触媒溶液0.63mLを添加し、40℃で30分間重合した後、EAB2.0mlを添加して、同温度で10分間変性反応を行った。老化防止剤を含むエタノール溶液5mLを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。
(実施例C−4)
実施例C−1と同様にして熟成触媒溶液を調製した。 オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒500mL及びブタジエン500mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.0mLを添加した。次に、熟成触媒溶液0.63mLを添加し、50℃で30分間重合した後、EAB1.0mlを添加して、同温度で10分間変性反応を行った。老化防止剤を含むエタノール溶液5mLを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。
(実施例C−5)
実施例C−1と同様にして熟成触媒溶液を調製した。
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒500mL及びブタジエン500mLからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)0.16mLを添加した。次に、熟成触媒溶液1.26mLを添加し、60℃で10分間重合した後、EAB1.0mLを添加して、同温度で10分間変性反応を行った。老化防止剤を含むエタノール溶液5mLを添加し、重合反応を停止した。次いで、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。
Figure 2021161170
表3中の略称は以下の通りである。
<Gd化合物>
Gd(eha):2−エチルヘキシル酸ガドリニウム
<ハロゲン化有機金属化合物>
DEAC:ジエチルアルミニウムクロライド
<水素化有機金属化合物>
DIBAH:ジイソブチルアルミニウムハイドライド
<共役ジエン重合体を含むゴム組成物の製造例>
(実施例D−1)
実施例B−1のポリブタジエンを用い、プラストミルでポリブタジエン(50質量部)に、天然ゴム(50質量部)、カーボンブラック(三菱化学製ダイアブラック)(50質量部)、酸化亜鉛(3質量部)、ステアリン酸(2質量部)、老化防止剤(住友化学アンチゲン6C)(2質量部)、オイル(H&R製Viva Tec 400)(3質量部)を加えて混練する一次配合を実施し、次いでロールにて加硫促進剤(三新化学工業製サンセラーNS−G)(1質量部)、硫黄(1.5質量部)を添加する二次配合を実施することで、ゴム組成物を作製した。更にこのゴム組成物を目的物性に応じて成型し、150℃にてプレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
(実施例D−2)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、実施例B−2のポリブタジエンを用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
(実施例D−3)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、実施例B−3のポリブタジエンを用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
(実施例D−4)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、実施例B−4のポリブタジエンを用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
(実施例D−5)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、実施例B−5のポリブタジエンを用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
(比較例D−1)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、ポリブタジエンとしてJSR株式会社製、JSR BR01(Ni系触媒を用いて重合されたポリブタジエン)を用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
Figure 2021161170
表4中の数値は、JSR BR01(JSR製、Ni系触媒を用いて重合されたポリブタジエン)を用いた比較例D−1の各特性値を基準(100)としたときに、各項目についてそれぞれ指数表示したものである。数値が大きいほど特性が優れていることを示している。
表4に示すとおり、実施例B−1〜実施例B−5により得られるポリブタジエンを用いた実施例D−1〜実施例D−5の組成物は、JSR BR01(JSR製、Ni系触媒を用いて重合されたポリブタジエン)を用いた比較例D−1の組成物よりも、引張応力、耐摩耗性、低温特性、低燃費性(tanδ)に優れている。
<変性共役ジエン重合体を含むゴム組成物の製造例>
(実施例E−1)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、実施例C−1のポリブタジエンを用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
(実施例E−2)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、実施例C−2のポリブタジエンを用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
(実施例E−3)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、実施例C−3のポリブタジエンを用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
(実施例E−4)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、実施例C−4のポリブタジエンを用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
(実施例E−5)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、実施例C−5のポリブタジエンを用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
(比較例E−1)
実施例B−1のポリブタジエンに代えて、ポリブタジエンとしてJSR BR01(JSR製、Ni系触媒を用いて重合されたポリブタジエン)を用いた以外は実施例D−1と同様にしてゴム組成物を作製し、成型、プレス加硫した加硫後のゴム組成物の物性測定を行った。
Figure 2021161170
表5中の数値は、JSR BR01(JSR製、Ni系触媒を用いて重合されたポリブタジエン)を用いた比較例E−1の各特性値を基準(100)としたときに、各項目についてそれぞれ指数表示したものである。数値が大きいほど特性が優れていることを示している。
表5に示すとおり、実施例C−1〜実施例C−5により得られる変性ポリブタジエンを用いた実施例E−1〜実施例E−5の組成物は、JSR BR01(Ni系触媒を用いて重合されたポリブタジエン)を用いた比較例E−1の組成物よりも、引張応力、耐摩耗性、低温特性、低燃費性(tanδ)に優れている。
本発明の共役ジエン重合体を含むゴム組成物は、引張応力、耐摩耗性、低温特性、低燃費性(tanδ)に優れているので、タイヤ、ゴムベルトをはじめ各種ゴム用途の材料として有用である。

Claims (16)

  1. ガドリニウム化合物と、周期律表第2族、12族及び13族から選ばれる元素の有機金属化合物とを含む共役ジエン重合体用触媒であって、
    有機金属化合物は、ハロゲン化有機金属化合物と、水素化有機金属化合物とを含む、共役ジエン重合体用触媒。
  2. ガドリニウム化合物は、一般式(1)で表される、請求項1に記載の共役ジエン重合体用触媒。
    Gd・・・(1)
    (但し、一般式(1)中、LはRCO又は(RO)P(=O)Oであり、R及びRは炭素数1〜20の炭化水素基である。)
  3. 水素化有機金属化合物に対するハロゲン化有機化合物のモル比は、0.1〜3である、請求項1又は2に記載の共役ジエン重合体用触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体用触媒を用いて、共役ジエン化合物を重合する工程を有する、共役ジエン重合体の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体用触媒を用いて、共役ジエン化合物を重合する工程と、前記工程で得られた共役ジエン重合体を変性剤により変性させる工程を有する、変性共役ジエン重合体の製造方法。
  6. 請求項4に記載の共役ジエン重合体の製造方法により得られる、共役ジエン重合体。
  7. 請求項5に記載の変性共役ジエン重合体の製造方法により得られる、変性共役ジエン重合体。
  8. シス−1,4構造の割合は、98.5モル%以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、10〜28である、共役ジエン重合体。
  9. 数平均分子量(Mn)は、4.5万〜20万である、請求項8に記載の共役ジエン重合体。
  10. 重量平均分子量(Mw)は、100万〜200万である、請求項8又は9に記載の共役ジエン重合体。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項の共役ジエン重合体の末端に変性剤由来の構造を有する、変性共役ジエン重合体。
  12. 変性剤由来の構造は、アミノ基を有するカルボニル化合物由来の構造である、請求項11に記載の変性共役ジエン重合体。
  13. 請求項6又は8〜10のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体を含む、ゴム組成物。
  14. 請求項7、11又は12のいずれか一項に記載の変性共役ジエン重合体を含む、ゴム組成物。
  15. 請求項13又は14に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
  16. 請求項13又は14に記載のゴム組成物を用いたゴムベルト。
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