JP2022001617A - 共役ジエン重合体組成物、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物が得ることができる共役ジエン重合体組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】共役ジエン化合物とポリアルケナマーとを混合する工程と、共役ジエン化合物を重合する工程とを含む、共役ジエン重合体組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は共役ジエン重合体組成物、及びその製造方法に関する。
共役ジエン重合体の機能・特性を向上させることを目的として、共役ジエン重合体に種々の高分子化合物を混合した共役ジエン重合体組成物やゴム組成物が提案されている。
特許文献1には、液状ブタジエンゴムとポリオクテナマーとを含むゴム組成物が開示されている。特許文献2には、天然ゴムとポリイソプレンとポリオクテナマーとを含むゴム組成物が開示されている。特許文献3にはポリオクテナマーとポリブタジエンの混合物を含む接着剤が開示されている。
特開2017−031358号公報 特開2008−189298号公報 国際公開第2016/102393号
しかし、特許文献1〜3には、引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物は開示されていない。本発明は、引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下に関する。
[1]共役ジエン化合物とポリアルケナマーとを混合する工程と、前記工程で得られた混合物中の共役ジエン化合物を重合する工程とを含む、共役ジエン重合体組成物の製造方法。
[2]ポリアルケナマーは、ポリペンテナマー、ポリヘプテナマー、ポリオクテナマー、ポリデセナマー及びポリドデセナマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[1]の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
[3]共役ジエン化合物に対するポリアルケナマーの質量比は、0.0001〜0.1である、[1]又は[2]の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
[4]共役ジエン化合物を重合する工程は、共役ジエン化合物をシス−1,4−重合する工程を含む、[1]〜[3]のいずれかの共役ジエン重合体組成物の製造方法。
[5]共役ジエン化合物を重合する工程は、共役ジエン化合物をシンジオタクチック−1,2重合する工程を含む、[1]〜[4]のいずれかの共役ジエン重合体組成物の製造方法。
[6][1]〜[5]のいずれかの共役ジエン重合体組成物の製造方法により得られる、共役ジエン重合体組成物。
[7]共役ジエン化合物のシス−1,4−重合体と、共役ジエン化合物のシンジオタクチック−1,2−重合体と、ポリアルケナマーとを含む、共役ジエン重合体組成物。
[8]ポリアルケナマーの含有量は、0.1〜25質量%である、[6]又は[7]の共役ジエン重合体組成物。
[9][6]〜[8]の共役ジエン重合体組成物を含む、ゴム組成物。
[10][9]のゴム組成物を用いたタイヤ。
本発明により、引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物及びその製造方法を提供することができる。
<共役ジエン重合体組成物の製造方法>
共役ジエン重合体組成物の製造方法は、共役ジエン化合物とポリアルケナマーとを混合する工程と、前記工程で得られた混合物中の共役ジエン化合物を重合する工程とを含む。共役ジエン化合物とポリアルケナマーとの混合し、混合物中の共役ジエン化合物を重合することで、共役ジエン重合体とポリアルケナマーとの化学的又は物理的な結合(相互作用)が強くなり、引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物を製造することができる。
(共役ジエン化合物とポリアルケナマーとを混合する工程)
共役ジエン化合物とポリアルケナマーとを混合する工程では、共役ジエン化合物とポリアルケナマーとを混合する。前記成分以外に共役ジエン化合物以外の共重合化合物や炭化水素溶媒を更に混合することもできる。
(共役ジエン化合物)
共役ジエン化合物とは共役ジエン結合を有する化合物であり、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン等が挙げられるが、1,3−ブタジエンが好ましい。引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物を得ることができる。
なお、共役ジエン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(ポリアルケナマー)
ポリアルケナマーとは、シクロオレフィンの開環重合によって得られるポリマーであり、環状ポリマー(環状ポリアルケナマー)及び直鎖状ポリマー(直鎖状ポリアルケナマー)の両方を含んでいる。
ポリアルケナマーは、特に制限されないが、ポリペンテナマー、ポリヘプテナマー、ポリオクテナマー、ポリデセナマー及びポリドデセナマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリオクテナマーがより好ましい。引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物を得ることができる。
ポリオクテナマーとしては、例えば、VESTENAMER(登録商標)8012(エボニック製)、VESTENAMER(登録商標)8020(エボニック製)を挙げることができる。
(共重合化合物)
共役ジエン化合物以外の共重合化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。なお、共役ジエン化合物以外の共重合化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(炭化水素溶媒)
炭化水素溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ及びケロシン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙げられる。
前記炭化水素溶媒の中でも、シスおよびトランス−2−ブテンを主成分とし、1−ブテン、n−ブタンなどを含む炭素数4の炭化水素混合物であるC4留分と、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素とを含む混合溶媒が好ましく、環状脂肪族炭化水素の中では、安全性が高く、製造コストを抑える観点から、シクロヘキサンが特に好ましい
(各成分の割合)
共役ジエン化合物に対するポリアルケナマーの割合(質量比)は、0.0001〜0.1が好ましく、0.001〜0.07がより好ましく、0.002〜0.05が更に好ましく、0.003〜0.02が特に好ましい。重合活性を低下させることなく、引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物を製造することができる。
(各成分の混合)
共役ジエン化合物と、ポリアルケナマーと、場合により炭化水素溶媒との混合方法は、特に制限はないが、撹拌機で混合することが好ましく、混合時間は0.1〜24時間が好ましく、混合温度は0〜80℃が好ましい。
(共役ジエン化合物を重合する工程)
共役ジエン化合物を重合する工程では、前記工程で得られた混合物中の共役ジエン化合物の重合を行い、共役ジエン重合体組成物を得る。共役ジエン化合物を重合する工程は、共役ジエン化合物をシス−1,4−重合する工程及び/又は共役ジエン化合物をシンジオタクチック−1,2−重合する工程を含むことが好ましい。
(共役ジエン化合物をシス−1,4−重合する工程)
シス−1,4−重合とは、共役ジエン化合物を配位アニオン重合により共役ジエン化合物主鎖部の1番と4番の炭素同士を付加重合させシス型幾何異性体となる重合である。共役ジエン化合物をシス−1,4−重合する工程は、特に制限されないが、コバルト化合物と、有機アルミニウム化合物と、水とを含む触媒を用いて共役ジエン化合物を重合することが好ましい。引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物を製造することができる。
(コバルト化合物)
コバルト化合物としては、例えば、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナートなどコバルトのβ−ジケトン錯体、コバルトアセト酢酸エチルエステル錯体のようなコバルトのβ−ケト酸エステル錯体、コバルトオクトエート、コバルトナフテネート、コバルトベンゾエートなどの炭素数6以上の有機カルボン酸のコバルト塩、塩化コバルトピリジン錯体、塩化コバルトエチルアルコール錯体などのハロゲン化コバルト錯体などを挙げることができるが、コバルトオクトエート(オクチル酸コバルト)が好ましい。
(有機アルミニウム化合物)
有機アルミニウムとしては、ハロゲン化有機アルミニウム化合物、非ハロゲン化有機アルミニウム化合物などを用いることができる。
ハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロライド等のアルキルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド等を挙げることができる。これらのハロゲン化有機アルミニウム化合物のうち、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライドが好ましい。
非ハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、一般式AlR(但し、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基を示す)により表わされるトリアルキルアルミニウムを用いることができる。トリアルキルアルミニウムの例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ−p−トリルアルミニウム、トリベンジルアルミニウムを挙げることができるが、トリエチルアルミニウムが好ましい。
なお、トリアルキルアルミニウム内のアルキル基は、互いに同一でも、あるいは異なっていてもよい。
また、非ハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド及びセスキエチルアルミニウムハイドライドなどの水素化有機アルミニウム化合物を用いることもできる。
これらの有機アルミニウム化合物は、1種を単独で用いても、2種類以上を併用することもでき、2種類以上を併用の場合、ハロゲン化有機アルミニウム化合物と非ハロゲン化有機アルミニウム化合物とを併用することが好ましい。
(その他の成分)
共役ジエン重合体の分子量を調節することを目的として分子量調節剤を使用することができる。分子量調節剤としては、例えばシクロオクタジエン、アレン、メチルアレン(1,2−ブタジエン)などの非共役ジエン類、又はエチレン、プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィン類を使用することができる。また、重合時のゲルの生成をさらに抑制するため、公知のゲル化防止剤を使用することができる。
(各成分の混合順序)
触媒成分の混合順序に特に制限はないが、水と有機アルミニウム化合物とをあらかじめ混合し、熟成して用いることが好ましい。熟成時間は0.1〜24時間が好ましく、熟成温度は0〜80℃が好ましい。
(各成分の割合)
有機アルミニウム化合物の量は、共役ジエン化合物1mol当たり、0.1mmol以上、特に0.5〜50mmolであることが好ましい。
有機アルミニウム化合物の量は、水1mol当たり、1.5〜3.0molが好ましく、1.6〜2.7molがより好ましく、1.7〜2.4molが特に好ましい。触媒活性が向上させ、シス−1,4構造含有率を高くし、分子量を好ましい範囲に調節することができる。また、重合時のゲルの発生を抑制することができる。
コバルト化合物の量は、共役ジエン化合物1mol当たり、1.2〜2.7μmolが好ましく1.3〜2.6μmolがより好ましく、1.3〜2.5μmolが特に好ましい。
(重合温度)
共役ジエン化合物をシス−1,4−重合する温度は、0℃〜100℃以下が好ましく、10〜100℃がより好ましく、20〜80℃が特に好ましい。重合時間は、10分〜2時間が好ましい。また、シス−1,4−重合後の反応液中の共役ジエン重合体組成物の濃度が5〜26質量%となるように、シス−1,4−重合を行うことが好ましい。重合は、重合槽(重合器)内にて溶液を攪拌混合して行うことが好ましい。
(後処理工程)
重合反応が所定の重合率に達した後、常法に従って公知の老化防止剤を添加することができる。老化防止剤としては、フェノール系の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、リン系のトリノニルフェニルフォスファイト(TNP)、並びに硫黄系の4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール及びジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)などが挙げられる。これらを単独でも2種以上組み合わせて用いてもよく、老化防止剤の添加は共役ジエン重合体組成物100質量部に対して0.001〜5質量部である。
重合反応は、重合溶液にメタノール及びエタノールなどのアルコール、又は水などの極性溶媒を大量に投入する方法、塩酸及び硫酸などの無機酸、酢酸及び安息香酸などの有機酸、又は塩化水素ガスを重合溶液に導入する方法など、それ自体公知の方法を用いて停止する。次いで、通常の方法に従い、生成したビニル・シス−ポリブタジエンを分離、洗浄、続いて乾燥する。
なお、シス−1,4−重合に引き続いて、後述するシンジオタクチック−1,2−重合を行う場合は、シンジオタクチック−1,2−重合の後に前記後処理工程を行うことが好ましい。
(共役ジエン化合物をシンジオタクチック−1,2−重合する工程)
シンジオタクチック−1,2−重合とは、共役ジエン化合物を配位アニオン重合により共役ジエン化合物主鎖部の1番と2番の炭素同士を付加重合させ不斉炭素原子の絶対配置が交互のシンジオタクチック立体規則となる重合である。共役ジエン化合物をシンジオタクチック−1,2−重合する工程は、シス−1,4−重合の前に実施してもよいし、シス−1,4−重合の後に実施してもよいが、シス−1,4−重合後に行うことが好ましい。
共役ジエン化合物をシンジオタクチック−1,2−重合する工程は、特に制限されないが、コバルト化合物、水、有機アルミニウム化合物、硫黄含有化合物を用いて、共役ジエン化合物をシンジオタクチック−1,2重合することが好ましい。より引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物を製造することができる。
(共役ジエン化合物)
共役ジエン化合物は、前記シス−1,4−重合時の残分(未反応の共役ジエン化合物)を使用することができるが、シス−1,4−重合により得られた重合反応混合物に前記共役ジエン化合物を更に混合することが好ましい。共役ジエン化合物を更に混合する場合は、シス−1,4−重合時に使用した共役ジエン化合物と同じ共役ジエン化合物を混合することがより好ましい。
共役ジエン化合物の混合割合は、重合反応混合物100重量部当たり1〜50質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。シンジオタクチック−1,2−重合により得られるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンの収量を増大させることができる。
(コバルト化合物)
コバルト化合物は、前記シス−1,4−重合時のコバルト化合物を使用することができるが、シス−1,4−重合により得られた重合反応混合物に前記コバルト化合物を更に混合することが好ましい。コバルト化合物を更に混合する場合は、シス−1,4−重合時に使用したコバルト化合物と同じコバルト化合物を混合することがより好ましい。
前記共役ジエン化合物1molに対するコバルト化合物の量は、2.5〜18.0μmolが好ましく、2.7〜17.5μmolがより好ましく、2.9〜17.0μmolがさらに好ましく、2.9〜16.0μmolが特に好ましい。シンジオタクチック−1,2−重合触媒として十分な活性が得られる。また、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン樹脂の分子量が高くなり、ゴム組成物とした際に十分な補強効果を得ることが出来る。
なお。前記共役ジエン化合物1molに対するコバルト化合物の量は、シンジオタクチック−1,2−重合の際に、更に共役ジエン化合物を混合した場合には、追加された共役ジエン化合物も含んだ共役ジエン化合物1molに対するコバルト化合物の量である。
(有機アルミニウム化合物)
有機アルミニウムとしては、非ハロゲン化有機アルミニウム化合物を用いることが好ましく、前記非ハロゲン化有機アルミニウム化合物が挙げられるが、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムがより好ましい。
なお、有機アルミニウム化合物として、前記シス−1,4−重合で用いた有機アルミニウム化合物の残部(未反応の有機アルミニウム化合物)を用いることもできる。
有機アルミニウム化合物は、共役ジエン化合物1mol当たり0.1mmol以上であることが好ましく、0.5〜50mmolがより好ましい。
(硫黄含有化合物)
硫黄含有化合物とは、硫黄を含む化合物であり、二硫化炭素、イソチオシアン酸フェニル、キサントゲン酸化合物等が挙げられるが、二硫化炭素が好ましい。
硫黄含有化合物の濃度は、20mmol/L以下であることが好ましく、0.01〜10mmol/Lであることがより好ましい。
(重合条件)
シンジオタクチック−1,2−重合を行う温度は、−5〜100℃が好ましく、−5〜80℃が特に好ましい。重合時間は、10分〜2時間の範囲が好ましい。シンジオタクチック−1,2−重合後の共役ジエン重合体組成物の濃度が9〜29質量%となるように、シンジオタクチック−1,2−重合を行うことが好ましい。重合は、重合槽(重合器)内にて重合溶液を攪拌混合して行うことが好ましい。
<共役ジエン重合体組成物>
共役ジエン重合体組成物は、共役ジエン重合体とポリアルケナマーとを含む。共役ジエン重合体組成物中の共役ジエン重合体とポリアルケナマーとは、物理的結合(例えば、共役ジエン重合体とポリアルケナマーとの物理的な絡み合いが多い)及び/又は化学的結合(例えば、グラフト体を形成)を有しているため、引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる。
(共役ジエン重合体)
共役ジエン重合体は、前記共役ジエン重合体組成物の製造方法における共役ジエン化合物を重合する工程で得られる共役ジエン重合体を含むことが好ましく、共役ジエン化合物をシス−1,4−重合して得られた共役ジエン重合体(共役ジエン化合物のシス−1,4−重合体)を含むことがより好ましく、シス−1,4−ポリブタジエンを含むことが特に好ましい。また、シス−1,4−ポリブタジエンのシス−1,4−構造の割合は、98.5%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。シス−1,4−構造の割合を高くすることで、低燃費性を向上させることができる。
また、共役ジエン重合体は、共役ジエン化合物をシンジオタクチック−1,2−重合して得られた共役ジエン重合体(共役ジエン化合物のシンジオタクチック−1,2−重合体)を含んでもよく、トランスポリイソプレン、トランスポリブタジエン、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含むことが好ましく、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含むことが特に好ましい。より引裂強度及に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物を得ることができる。
(ポリアルケナマー)
ポリアルケナマーとは、シクロオレフィンの開環重合によって得られるポリマーであり、環状ポリマー(環状ポリアルケナマー)及び直鎖状ポリマー(直鎖状ポリアルケナマー)の両方を含んでいる。ポリアルケナマーの実施形態については、前記共役ジエン重合体組成物の製造方法におけるポリアルケナマーの実施形態と同様である。
(共役ジエン重合体組成物中の各成分の割合)
ポリアルケナマーの含有量は、0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましく、1〜5質量%であることが特に好ましい。低燃費性を維持した状態で、引裂強度及び耐摩耗性を向上させることができる。
また、共役ジエン化合物のシンジオタクチック−1,2−重合体を場合、共役ジエン化合物のシンジオタクチック−1,2−重合体の割合は、1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。十分な補強効果を得ることができる。
(共役ジエン重合体組成物の物性)
ム−ニ−粘度(ML1+4)は、20〜90であることが好ましく、30〜80であることがより好ましい。共役ジエン重合体組成物の加工性を向上させることができる。 25℃で測定した5重量%トルエン溶液粘度(T−cp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)との比(T−cp/ML1+4)は、1.0〜5.0であることが好ましく、1.5〜4.5であることがより好ましい。リニアリティが高いポリブタジエンを得ることができる。
数平均分子量(Mn)は、150,000〜350,000であることが好ましく、150,000〜300,000であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)は、350,000〜700,000であることが好ましく、350,000〜650,000であることがより好ましい。z平均分子量(Mz)は、500,000〜1,500,000であることが好ましく、500,000〜1,200,000であることがより好ましい。分子量を前記範囲内とすることで、低燃費性及び加工性に優れたポリブタジエンを得ることができる。
数平均分子量(Mn)と重量平均重合度(Mw)との比(Mn/Mw)は、1.8〜3.0であることが好ましく、1.9〜2.9であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)とz平均分子量(Mz)との比(Mz/Mw)は、1.8〜3.0であることが好ましく、1.9〜2.9であることがより好ましい。分子量を前記範囲内とすることで、低燃費性及び加工性に優れたポリブタジエンを得ることができる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、前記共役ジエン重合体組成物を含む。ゴム組成物は前記共役ジエン重合体組成物以外のジエン系重合体と、ゴム補強剤とを更に含むことが好ましい。
(ジエン系重合体)
ジエン系重合体としては、加硫可能なゴムが好ましく、具体的には天然ゴム(NR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等を挙げることができる。これらのゴムは単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
(ゴム補強剤)
各種のカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤が挙げられる。これらの中でも、通常、カーボンブラック及びシリカが好ましい。これらのゴム補強剤は単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
シリカは、二酸化珪素(一般式SiOで示される)の他に、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩などのケイ酸系充填材が挙げられる。また、乾燥シリカ、沈殿法シリカ、ゲル法シリカ、コロイダルシリカなどシリカの凝集状態、及び湿式法、乾式法などの製造方法について特に制限されない。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは、耐摩耗性の優れた湿式シリカが挙げられる。
(その他の成分)
本発明に係るゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を含んでもよい。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などを用いることができる。加硫剤は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜3質量部程度を配合することが好ましい。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などを用いることができる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、珪藻土等の無機充填剤、カーボンブラック、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
(ゴム組成物の製造方法)
ゴム組成物は、前記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる。
具体的には、本発明のゴム組成物は、前記ポリブタジエン単独で、または前記ジエン系重合体を混合し、必要に応じてプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックなどの充填剤、加硫剤、加硫促進剤その他の通常の配合剤を加えて加硫し、タイヤ、ホース、ベルト、クローラ、その他の各種工業用品等の機械的特性、耐摩耗性等が要求されるゴム用途に使用することができる。
(各成分の割合)
ゴム組成物の混合割合は、好ましくは、前記共役ジエン重合体組成物90〜5質量部と、前記以外のジエン系重合体10〜95質量部とからなるゴム成分100質量部と、ゴム補強剤20〜120質量部である。
(ゴム組成物の用途)
ゴム組成物は、タイヤ、防振ゴム、ベルト、ホース、免震ゴム、履物部材等の各種のゴム用途に使用することができる。その場合、ゴム成分中に前記共役ジエン重合体組成物を10重量%以上含有することが好ましい。
<タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ>
タイヤは、前記ゴム組成物を用いてなる。タイヤ用ゴム組成物としては、前記共役ジエン重合体組成物と、前記共役ジエン重合体組成物以外のジエン系重合体とからなるゴム成分と、ゴム補強剤とを含み、前記ゴム成分100質量部に対して前記ゴム補強剤を30〜80質量部含有することが好ましい。
また、タイヤ用ゴム組成物は、前記共役ジエン重合体組成物以外のジエン系重合体を含み、前記共役ジエン重合体組成物90〜5質量部に対して、前記共役ジエン重合体組成物以外のジエン系重合体10〜95質量部を配合することが好ましい。タイヤ用ゴム組成物に配合されるジエン系重合体としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、及びポリイソプレンのうち少なくとも一種を含むことが好ましい。
<共役ジエン重合体組成物の評価>
(シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(SPB)の濃度)
共役ジエン重合体組成物2gを200mLのn−ヘキサンで4時間ソックスレー抽出した後の抽出残部を、共役ジエン重合体組成物のSPB濃度(質量%)として算出した。
(ムーニー粘度(ML1+4、100℃))
JIS−K6300−1に従いムーニー粘度計(島津製作所製)を使用して100℃で1分間予熱したのち、4分間測定してゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)を求めた。
(数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びz平均分子量(Mz))
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びz平均分子量(Mz)は、GPC法(東ソー製HLC−8220)により、標準ポリスチレン換算により算出した。溶媒はテトラヒドロフランを用い、カラムはShodex製KF−805Lを2本直列に接続し、検出器は示差屈折計(RI)を用いた。
(分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw))
分子量分布は、前記方法により求めた数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びz平均分子量(Mz)の比から算出した。
<ゴム組成物の評価>
(引裂強度)
ゴム組成物の引裂強度の指標として、ロール混合送り出し方向に対して平行方向と垂直方向に切り出した2種のトラウザ形試験片を準備し、JIS K−6252:2015に準拠して、引裂き試験を行い、試験片が切断に至るまでの最大引裂き力を測定した。比較例3の評価を100として、実施例3及び比較例4の評価を指数値で表す。また、比較例5の評価を100として、実施例4の評価を指数値で示す。この指数値が大きい程、引裂強度に優れることを示す。
耐亀裂性の評価
指数値が95〜104以下:×(比較例と同等)
指数値が105〜109:〇(優れる)
指数値が110以上:◎(非常に優れる)
(耐摩耗性)
ゴム組成物の耐摩耗性の指標として、JIS K6264に規定されている測定法に従い、荷重40N、スリップ率30%、2分間でランボーン摩耗量を測定した。比較例3の評価を100として、実施例3及び比較例4の評価を指数値で表す。また、比較例5の評価を100として、実施例4の評価を指数値で示す。この指数値が大きい程、耐摩耗性に優れることを示す。
耐摩耗性の評価
指数値が95〜104以下:×(比較例と同等)
指数値が105〜109:〇(優れる)
指数値が110以上:◎(非常に優れる)
<共役ジエン重合体組成物の製造例>
(実施例1)
オートクレーブに、シクロヘキサンを450mL、1,3−ブタジエンを450mL、市販のポリアルケナマー(エボニック製 VESTENAMER8012)を3.0g導入し、水を1.98mM、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)を14.6mM添加し70℃で30分間溶解させた。その後、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)を2.6mM、トリエチルアルミニウム(TEA)を0.3mM、二硫化炭素(CS)を250μM添加し、30℃で5分間熟成させた。その後、1,5−シクロオクタジエン(COD)を26.2mM添加し、温度を60℃に調節し、オクチル酸コバルト(Co(Oct))を4.89μM添加して、60℃でシス−1,4−重合を行った。2−メチル−4,6−ビス(n―オクチルサルファニルメチル)フェノール(20wt%エタノール溶液)を0.9mM添加して反応停止を行った後、重合物を100℃で真空乾燥し、共役ジエン重合体組成物を得た。
(実施例2)
実施例1の1,5−シクロオクタジエン(COD)を30.7mMに変更した以外は、実施例1と同様に、シス−1,4−重合を行った。続いて、トリエチルアルミニウム(TEA)を3.65mM、オクチル酸コバルト(Co(Oct))を22.7μM添加して、60℃でシンジオタクチック−1,2−重合を行った。ナフトキノンを500μM、2−メチル−4,6−ビス(n―オクチルサルファニルメチル)フェノール(20wt%エタノール溶液)を0.9mM添加して反応停止を行った後、重合物を100℃で真空乾燥し、共役ジエン重合体組成物を得た。
(比較例1)
オートクレーブに、シクロヘキサンを450mL、1,3−ブタジエンを450mL、水を1.98mM、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)を14.6mM添加し室温で30分間溶解させた。その後、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)を2.6mM、トリエチルアルミニウム(TEA)を0.3mM、二硫化炭素(CS)を250μM添加し、30℃で5分間熟成させた。その後、1,5−シクロオクタジエン(COD)を28.0mM添加し、温度を60℃に調節し、オクチル酸コバルト(Co(Oct))を4.00μM添加して、60℃でシス−1,4−重合を行った。2−メチル−4,6−ビス(n―オクチルサルファニルメチル)フェノール(20wt%エタノール溶液)を0.9mM添加して反応停止を行った後、重合物を100℃で真空乾燥し、共役ジエン重合体組成物を得た。
(比較例2)
オートクレーブに、シクロヘキサン、1,3−ブタジエン、シスおよびトランス−2−ブテンを主成分とするC4留分の重量比が27/38/35となるよう調整した混合溶液を600mL、水を1.71mM添加し室温で30分間溶解させた。その後、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)を3.00mM、二硫化炭素を250μM添加し、30℃で5分間熟成させた。その後、1,5−シクロオクタジエン(COD)を12.8mM添加し、温度を60℃に調節し、オクチル酸コバルト(Co(Oct))を10.4μM添加して、60℃でシス−1,4−重合を行った。続いて、トリエチルアルミニウム(TEA)を4.50mM、水を2.00mM、オクチル酸コバルト(Co(Oct))を25.0μM添加して、60℃でシンジオタクチック−1,2−重合を行った。ナフトキノンを500μM、2−メチル−4,6−ビス(n―オクチルサルファニルメチル)フェノール(20wt%エタノール溶液)を0.9mM添加して反応停止を行った後、重合物を100℃で真空乾燥し、共役ジエン重合体組成物を得た。
<ゴム組成物の製造例>
(実施例3)
実施例1で得られた共役ジエン重合体組成物を用いてゴム組成物を作製した。具体的には、温度90℃、回転数68rpmに設定したラボプラストミル(東洋精機製作所製 BR−250型)を用いて、実施例1の共役ジエン重合体組成物100質量部、カーボンブラック(IRB#8)60質量部と、オイル(日本サン石油製 SUNTHENE4240)15質量部と、酸化亜鉛(正同化学工業製 酸化亜鉛2種)3質量部と、ステアリン酸(新日本理化製 ステアリン酸50S)2質量部とを混合し、計6分間混練した。次に、得られた混練物に、加硫促進剤(三新化学工業製 サンセラーNS)0.9質量部と、加硫剤(細井化学工業製 粉末硫黄)1.5質量部とを6インチロールにより混合することで、配合物を作製した。
次に、得られた配合物を金型に入れてプレス加硫することで、ゴム組成物を作製した。なお、加硫時間は、粘弾性測定装置(アルファテクノロジーズ製 RPA2000)で求めた150℃の加硫特性t90の2倍の時間とした。
(比較例3)
実施例1で得られた共役ジエン重合体組成物を比較例1で得られた共役ジエン重合体組成物に変更した以外は実施例3と同様に実施し、ゴム組成物を得た。
(比較例4)
実施例1で得られた共役ジエン重合体組成物100質量部を比較例1で得られた共役ジエン重合体組成物94質量部に変更し、ポリアルケナマー(エボニック製 VESTENAMER8012)4質量部を追加した以外は実施例3と同様に実施し、ゴム組成物を得た。
(実施例4)
実施例1で得られた共役ジエン重合体組成物を実施例2で得られた共役ジエン重合体組成物に変更した以外は実施例3と同様に実施し、ゴム組成物を得た。
(比較例5)
実施例1で得られた共役ジエン重合体組成物を比較例2で得られた共役ジエン重合体組成物に変更した以外は実施例3と同様に実施し、ゴム組成物を得た。
Figure 2022001617
実施例3と比較例3及び4との比較より、1,3−ブタジエンとポリオクテナマーを混合し、シス−1,4−重合を行って得られた共役ジエン重合体組成物を含むゴム組成物は、引裂強度及び耐摩耗性に優れていることが分かる。
また、実施例4と比較例5との比較より、1,3−ブタジエンとポリオクテナマーを混合し、シス−1,4−重合及びシンジオタクチック−1,2−重合を行って得られた共役ジエン重合体組成物を含むゴム組成物は、引裂強度及び耐摩耗性に優れており、特に引裂強度の向上が著しいことが分かる。
以上の結果より、実施例1及び2の共役ジエン重合体組成物は、共役ジエン重合体とポリオクテナマーとの化学的又は物理的な結合(相互作用)により、引裂強度及び耐摩耗性が向上していることが示唆される。
引裂強度及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる共役ジエン重合体組成物は、各種ゴム組成物の材料として有用である。

Claims (10)

  1. 共役ジエン化合物とポリアルケナマーとを混合する工程と、前記工程で得られた混合物中の共役ジエン化合物を重合する工程とを含む、共役ジエン重合体組成物の製造方法。
  2. ポリアルケナマーは、ポリペンテナマー、ポリヘプテナマー、ポリオクテナマー、ポリデセナマー及びポリドデセナマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
  3. 共役ジエン化合物に対するポリアルケナマーの質量比は、0.0001〜0.1である、請求項1又は2に記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
  4. 共役ジエン化合物を重合する工程は、共役ジエン化合物をシス−1,4−重合する工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
  5. 共役ジエン化合物を重合する工程は、共役ジエン化合物をシンジオタクチック−1,2−重合する工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれか一項に記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法により得られる、共役ジエン重合体組成物。
  7. 共役ジエン化合物のシス−1,4−重合体と、共役ジエン化合物のシンジオタクチック−1,2−重合体と、ポリアルケナマーとを含む、共役ジエン重合体組成物。
  8. ポリアルケナマーの含有量は、0.1〜25質量%である、請求項6又は7に記載の共役ジエン重合体組成物。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体組成物を含む、ゴム組成物。
  10. 請求項9に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
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