JP2022001647A - ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Ko Kambayashi
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Abstract

【課題】低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物及びその製造方法を提供する。【解決手段】コバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合されたポリブタジエン(A)、ポリブタジエン(A)以外のゴム(B)及びシリカ(C)を含むゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物及びその製法に関する。
また、本発明は、反発弾性及び動的粘弾性に優れたゴルフボール用ゴム組成物及びその製造に関する。
ポリブタジエンは、タイヤをはじめ、防振ゴム、免震ゴム、ベルト、ホース、ゴムクローラ及び履物部材等の材料として広く用いられている。ポリブタジエンの機能・特性を向上させることを目的として、ポリブタジエン以外のゴム成分や各種フィラー等を配合した種々のゴム組成物が提案されている。
特許文献1及び2には、特定の触媒を用いて製造されたリニアリティーの高いポリブタジエンを含むカーボン配合のゴム組成物が開示されている。
特開2016−148015号公報 国際公開第2020/116367号
しかしながら、特許文献1及び2には低燃費性及び耐摩耗性に優れたシリカ配合のゴム組成物は開示されていない。また、特許文献1及び2には、反発弾性及び動的粘弾性に優れたゴルフボール用ゴム組成物は開示されていない。
そこで、本発明は、低燃費性及び耐摩耗性に優れたシリカ配合のゴム組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、反発弾性及び動的粘弾性に優れたゴルフボール用ゴム組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下に関する。
[1]
コバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合されたポリブタジエン(A)、ポリブタジエン(A)以外のゴム(B)及びシリカ(C)を含むゴム組成物。
[2]ポリブタジエン(A)以外のゴム(B)は、天然ゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[1]のゴム組成物。
[3]ポリブタジエン(A)以外のゴム(B)に対するポリブタジエン(A)の質量比、5/95〜90/10である、[1]又は[2]のゴム組成物。
[4]ポリブタジエン(A)及びポリブタジエン(A)以外のゴム(B)からなるゴム成分100質量部に対し、シリカ(C)は1〜150質量部である、[1]〜[3]のいずれかのゴム組成物。
[5][1]〜[4]のいずれかのゴム組成物を用いたタイヤ。
[6] (工程1)1,3−ブタジエンと、周期表1、2、13族元素の有機金属化合物と、水とを混合する工程、
(工程2)工程1で得られた混合物と、コバルト化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを混合する工程、
(工程3)工程2で得られた混合物において、1,3−ブタジエンを1,4−重合してポリブタジエンを得る工程、及び
(工程4)工程3で得られたポリブタジエンと、工程3で得られたポリブタジエン以外のゴムと、シリカと、任意成分とを混合する工程
を含むゴム組成物の製造方法。
[7][6]の製造方法により製造されたゴム組成物。
[8][7]に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
[9]コバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合されたポリブタジエン(A)、共架橋剤(D)及びパーオキサイド類(E)を含むゴルフボール用ゴム組成物。
[10]共架橋剤(D)は、ジアクリル酸亜鉛、塩基性メタクリル酸亜鉛及びジメタクリル酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[9]のゴルフボール用ゴム組成物。
[11]ポリブタジエン(A)100重量部に対し、共架橋剤(D)は10〜50重量部である、[9]又は[10]のゴルフボール用ゴム組成物。
[12][9]〜[11]のいずれかのゴルフボール用ゴム組成物をゴム基材として用いたゴルフボール。
[13](工程1)1,3−ブタジエンと、周期表1、2、13族元素の有機金属化合物と、場合により水とを混合する工程、
(工程2)工程1で得られた混合物と、コバルト化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを混合する工程、
(工程3)工程2で得られた混合物において、1,3−ブタジエンを1,4−重合してポリブタジエンを得る工程、及び
(工程4)工程3で得られたポリブタジエンと、共架橋剤と、パーオキサイド類と、任意成分とを混合する工程
を含むゴルフボール用ゴム組成物の製造方法。
[14][13]記載の製造方法により製造されたゴルフボール用ゴム組成物。
[15][14]記載のゴルフボール用ゴム組成物を用いたゴルフボール。
本発明によれば、燃費性及び耐摩耗性に優れたシリカ配合のゴム組成物及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、反発弾性及び動的粘弾性に優れたゴルフボール用ゴム組成物及びその製造方法を提供することができる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物はコバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、 非配位性アニオンとカチオンのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合された
ポリブタジエン(A)、ポリブタジエン(A)以外のゴム(B)及びシリカ(C)を含む。
(ポリブタジエン(A))
ポリブタジエン(A)は、コバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合される。
(コバルト化合物)
コバルト化合物としては、コバルトの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいコバルト化合物としては、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩、コバルトのビスアセチルアセトネートやトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルコバルト、コバルトのピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、コバルトのエチルアルコール錯体などが挙げられる。コバルト化合物は、単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
(周期表第1、2,13族の有機金属化合物)
周期表第1、2,13族の有機金属化合物としては、周期表第1、2,13族の有機金属化合物の非ハロゲン化有機金属化合物、周期表第1、2,13族の有機金属化合物のハロゲン化有機金属化合物等が挙げられるが、両者を併用することが好ましい。ポリブタジエンの収率を大幅に向上させることができ、得られるポリブタジエンのリニアリティーが高くなる。
(周期表第1、2、13族元素の非ハロゲン化有機金属化合物)
周期表第1、2、13族元素の非ハロゲン化有機金属化合物としては、非ハロゲン化有機リチウム化合物、非ハロゲン化有機マグネシウム化合物、非ハロゲン化有機アルミニウム化合物等が用いられる。前記化合物の中でも、非ハロゲン化有機アルミニウム化合物が好ましい。非ハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライドが挙げられる。周期表第1、2、13族元素の非ハロゲン化有機金属化合物は、単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
(周期表第1、2、13族元素のハロゲン化有機金属化合物)
周期表第1、2、13族元素のハロゲン化有機金属化合物としては、ハロゲン化有機リチウム化合物、ハロゲン化有機マグネシウム化合物、ハロゲン化有機アルミニウム化合物等が用いられる。前記化合物の中でも、ハロゲン化有機アルミニウム化合物が好ましい。ハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムブロマイド等のジアルキルアルミニウムブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウムセスキクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド等のアルキルアルミニウムセスキブロマイドが挙げられる。周期表第1、2、13族元素のハロゲン化有機金属化合物は、単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
(非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物)
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレート、テトラ(フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トルイル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレートなどが挙げられる。
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成するカチオンとしては、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。
カルベニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ置換フェニルカルベニウムカチオンなどの三置換カルベニウムカチオンが挙げられる。トリ置換フェニルカルベニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンが挙げられる。
アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンが挙げられる。
ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンが挙げられる。
該イオン性化合物は、上記で例示した非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合わせたものを好ましく用いることができる。上記で例示した非配位性アニオン及びカチオンの中でも、イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが好ましく、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及び1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートからなる群より選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。イオン性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
(その他の成分)
触媒にはその他の成分を含んでもよく、水を含むことが好ましい。水としては、イオン交換水や純水などを用いることができる。
(ポリブタジエンの製造方法)
コバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合を行なうポリブタジエンの製造方法は、好ましくは、
(工程1)1,3−ブタジエンと、周期表1、2、13族元素の有機金属化合物と、場合により水とを混合する工程、
(工程2)工程1で得られた混合物と、コバルト化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを混合する工程及び
(工程3)工程2で得られた混合物において、1,3−ブタジエンを1,4−重合してポリブタジエンを得る工程
を含む。
工程3の1,4−重合時には、溶媒を用いることができる。溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の飽和脂肪族炭化水素溶媒、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のC4留分などのオレフィン系炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の石油系炭化水素溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒としてもよい。中でも、ベンゼン、シクロヘキサン、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
また、工程3の1,4−重合時には、分子量調節剤を用いることができる。分子量調節剤としては、シクロオクタジエン、アレンなどの非共役ジエン類、エチレン、プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィン類を使用することができる。分子量調節剤は、1種を単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
(重合温度と重合時間)
工程3の重合温度は−30〜100℃の範囲が好ましく、30〜80℃の範囲が特に好ましい。工程3の重合時間は10分〜12時間の範囲が好ましい。また、重合圧は、常圧又は10気圧程度までの加圧下に行われる。
前記重合方法により重合されるポリブタジエンは、以下の特性を有することが好ましい。
(シス1,4結合含量)
赤外吸収スペクトル分析によるミクロ構造分析におけるシス1,4結合含量は、95.0モル%以上が好ましく、97.0モル%以上がより好ましく、97.5モル%以上がさらに好ましい。シス1,4結合含量が上記範囲であると、耐摩耗性が良好である。
(Tcp/ML)
JIS K6300に従って測定したムーニー粘度(ML1+4,100℃)に対する5重量%トルエン溶液(Tcp)の比(Tcp/MLと略記する)は、2.5〜6.0が好ましく、2.6〜5.5がより好ましく、2.7〜5.3がさらに好ましい。Tcp/MLが上記範囲であると、耐摩耗性や低燃費性が良好である。
(Mw/Mn)
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量に対する重量平均分子量との比(Mw/Mnと略記)は、2.5以下が好ましく、2.4以下がより好ましく、2.3以下がさらに好ましい。Mw/Mnの値が前記範囲にあると、超高分子量成分や低分子量成分の含有量が抑制され、耐摩耗性や破壊強力、低燃費性の物性改善が良好である。
(Mz/Mw)
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量に対するz平均分子量の比(Mz/Mwと略記)は、超高分子量成分の影響を受ける値である理由から、2.5以下が好ましく、2.4以下がより好ましく、2.3以下がさらに好ましい。Mz/Mwの値が前記範囲にあると、超高分子量成分の生成が抑制され、耐摩耗性や破壊強力、低燃費性、押出特性(加工性)の物性改善が良好である。
(ポリブタジエン(A)以外のゴム(B))
ポリブタジエン(A)以外のゴム(B)(コバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合されたポリブタジエン以外のゴム)としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム等のジエン系モノマーの重合体;アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ニトリルクロロプレンゴム、ニトリルイソプレンゴム等のアクリロニトリル−ジエン共重合ゴム;乳化重合または溶液重合スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンクロロプレンゴム、スチレンイソプレンゴム等のスチレン−ジエン共重合ゴム;エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM);ニッケル触媒により得られるポリブタジエン、リチウム触媒により得られるポリブタジエン、非配位性アニオンとカチオンのイオン性化合物を用いないコバルト触媒により得られるポリブタジエン、ネオジム触媒により得られるポリブタジエン(末端変性されたポリブタジエンを含む)等のコバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒以外の触媒を用いて重合されたポリブタジエン;等が挙げられるが、天然ゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムが好ましく、溶液重合スチレンブタジエンゴム(s−SBR)、天然ゴム、またはイソプレンゴムがさらに好ましく、溶液重合スチレンブタジエンゴム(s−SBR)が特に好ましい。低燃費性、耐摩耗性及び安全性(ウェットグリップ性)に優れたゴム組成物を得ることができる。
前記ポリブタジエン以外のゴムは、単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
(シリカ(C))
シリカとしては、特に限定されないが、ニプシルVN3(東ソーシリカ製)、Ultrasil7000GR(エボニック・デグサ製)などが挙げられる。シリカは、単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
(その他の成分)
ゴム組成物には、必要に応じて、シリカ以外の充填剤、シランカップリング剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。その他の成分は、単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
シリカ以外の充填剤としては、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
カーボンブラックとしては、粒子径が90nm以下で、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックが好ましいが特に限定されない。カーボンブラックの種類としては、例えば、FEF、FF、GPF、SAF、ISAF、SRF、HAF等が好ましく使用される。
シランカップリング剤としては、一般式R SiX4−nで表される有機珪素化合物が挙げられ、Rは、ビニル基、アシル基、アリル基、アリルオキシ基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基、アルキル基、フェニル基、水素、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基などから選ばれる反応基を有する炭素数1〜20の有機基であり、Xは、クロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基などから選ばれる加水分解基であり、nは1〜3の整数を示す。上記のシランカップリング剤のRは、ビニル基及び/又はクロル基を含有するものが好ましい。
プロセスオイルとしては、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系などが挙げられる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが挙げられる。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが挙げられる。
(各成分の割合)
ポリブタジエン(A)以外のゴム(B)に対するポリブタジエン(A)の質量比(ポリブタジエン(A)/ポリブタジエン(A)以外のゴム(B))は、5/95〜90/10であることが好ましく、10/90〜60/40であることがより好ましく、20/80〜50/50であることがさらに好ましい。前記ポリブタジエン以外のゴムに対するポリブタジエンの割合が上記範囲にあると、低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる。
ポリブタジエン(A)及びポリブタジエン(A)以外のゴム(B)からなるゴム成分100質量部に対し、シリカ(C)は1〜150質量部であることが好ましく、30〜100質量部であることが好ましく、50〜80質量部であることがさらに好ましい。シリカの含有量が上記範囲にあると、低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる。
<ゴム組成物の製造方法>
ゴム組成物は、上記の各成分を、通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる。例えば、加硫剤及び加硫促進剤を含むゴム組成物の場合、第一混練(ノンプロ練り)で、ゴム成分に対し、シリカ及び任意のフィラーとともに、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を添加混合する。次いで、得られた混合物に、第二混練(プロ練り)で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合して未加硫のゴム組成物を調製することができる。
すなわち、ポリブタジエンの製造工程を含めると、ゴム組成物の製造方法は、
(工程1)1,3−ブタジエンと、周期表1、2、13族元素の有機金属化合物と、場合により水とを混合する工程、
(工程2)工程1で得られた混合物と、コバルト化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを混合する工程、
(工程3)工程2で得られた混合物において、1,3−ブタジエンを1,4−重合してポリブタジエンを得る工程、及び
(工程4)工程3で得られたポリブタジエンと、工程3で得られたポリブタジエン以外のゴムと、シリカと、任意成分とを混合する工程
を含む。
ゴム組成物が、加硫剤及び任意の加硫促進剤を含む場合は、工程4は、
(工程4a)工程3で得られたポリブタジエンと、工程3で得られたポリブタジエン以外のゴムと、シリカと、加硫剤及び加硫促進剤以外の任意成分とを一次混練する工程、及び
(工程4b)工程4aで得られた混合物に、加硫剤と、任意の加硫促進剤を添加し、二次混練する工程
を含む。
<ゴム組成物の用途>
ゴム組成物は、低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物であることから、タイヤの各部材(トレッド(1層構造)、2層構造のトレッドの表面層(キャップトレッド)、内面層(ベーストレッド)、サイドウォール、カーカス、ベルト、ビード等)をはじめ、防振ゴム、ベルト、ホース、免震ゴム、ゴムクローラ及び履物部材等に使用することができる。
<ゴルフボール用ゴム組成物>
本発明のゴルフボール用ゴム組成物は、コバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合されたポリブタジエン(A)、共架橋剤(D)及びパーオキサイド類(E)とを含む。
(ポリブタジエン(A))
ポリブタジエン(A)及びポリブタジエン(A)の製造方法の実施形態については、前記ゴム組成物におけるコバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合されたポリブタジエン及びポリブタジエンの製造方法の実施形態と同様である。
(共架橋剤(D))
共架橋剤とは、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有する化合物である。共架橋剤(D)としては、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の1価又は2価の金属塩であることが好ましく、その具体例としては、たとえばジアクリル酸亜鉛、塩基性メタクリル酸亜鉛、ジメタクリル酸亜鉛等が挙げられる。これらのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩は、そのままで基材ゴム等と混合する通常の方法以外に、あらかじめ架橋助剤である酸化亜鉛等の金属酸化物を練り混んだポリブタジエンを含む組成物中にアクリル酸、メタクリル酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を添加し練り混んでポリブタジエンを含む組成物中でα,β−エチレン性不飽和カルボン酸と金属酸化物とを反応させて、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩としたものであってもよい。共架橋剤は、単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
(パーオキサイド類(E))
パーオキサイド類は、ゴムおよび共架橋剤の架橋、グラフト、重合等の開始剤、加硫剤として作用する。このパーオキサイド類(E)の好適な具体例としては、たとえばジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。パーオキサイド類は、単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
(その他の成分)
ゴルフボール用ゴム組成物は、その他の成分を含んでもよく、その他の成分としては、前記ポリブタジエン(A)以外のゴム成分を添加することもできる。また、本発明のゴルフボール用ゴム組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤、加硫剤、加硫促進剤、充填材、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸等、通常ゴム業界で用いられる成分を混練してもよい。尚、加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば、硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウム等の金属酸化物が挙げられ、加硫促進剤としては、公知の加硫助剤、例えば、アルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類等が挙げられる。その他の成分は、単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
充填材としては、カーボンブラック、ホワイトカーボン(シリカ)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填材;シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填材が挙げられる。プロセスオイルとしては、アロマティック系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイルなどが挙げられる。また、低分子量の液状ポリブタジエンやタッキファイヤーを充填剤として用いてもよい。
ゴルフボール用ゴム組成物の共架橋剤がジアクリル酸亜鉛やジメタクリル酸亜鉛の場合には、架橋助剤としても作用する酸化亜鉛を配合してもよいし、さらに必要に応じて、ステアリン酸亜鉛等の添加材等を配合しても良い。
(ポリブタジエン(A)以外のゴム)
ゴルフボール用ゴム組成物は、コバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合されたポリブタジエン以外のゴム成分を含んでいてもよい。前記ポリブタジエン以外のゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム等のジエン系モノマーの重合体;アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ニトリルクロロプレンゴム、ニトリルイソプレンゴム等のアクリロニトリル−ジエン共重合ゴム;乳化重合または溶液重合スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンクロロプレンゴム、スチレンイソプレンゴム等のスチレン−ジエン共重合ゴム;エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM);ニッケル触媒により得られるポリブタジエン、リチウム触媒により得られるポリブタジエン、非配位性アニオンとカチオンのイオン性化合物を用いないコバルト触媒により得られるポリブタジエン(シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン含有ポリブタジエンを含む)、ネオジム触媒により得られるポリブタジエン(末端変性されたポリブタジエンを含む)等のコバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒以外の触媒を用いて重合されたポリブタジエン;等が挙げられる。前記ポリブタジエン以外のゴムは、単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
(各成分の割合)
共架橋剤(D)の配合量は、ポリブタジエン(A)100重量部に対し、10〜50重量部が好ましい。共架橋剤の配合量を10質量部以上とすることで、架橋が十分に進行し、その結果、反発性、耐久性等の向上が期待できる。また、共架橋剤の配合量を50質量部以下とすることで、コンプレッションを抑え、打球感を向上することができる。
パーオキサイド類(E)の配合量は、ポリブタジエン(A)100重量部に対して0.2〜5重量部が好ましい。ハーオキサイド類の配合量を0.2質量部以上とすることで、架橋が十分に進行し、その結果、反発性、耐久性等の向上が期待できる。また、パーオキサイド類の配合量を5質量部以下とすることで、オーバーキュアー(過架橋)を防止し、耐久性を向上することができる。
<ゴルフボール用ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴルフボール用ゴム組成物は、上記成分を、通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機等を用いて混練りすることで製造することができる。例えば、ゴルフボール用ゴム組成物が加硫剤及び加硫促進剤を含む場合は、第一混練(ノンプロ練り)で、ゴム成分に対し、共架橋剤とともに、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を添加混合する。次いで、得られた混合物に、第二混練(プロ練り)で、加硫剤(パーオキサイド類)及び加硫促進剤を添加混合して未加硫のゴム組成物を調製することができる。
すなわち、ポリブタジエンの製造工程を含めると、ゴルフボール用ゴム組成物の製造方法は、
(工程1)1,3−ブタジエンと、周期表1、2、13族元素の有機金属化合物と、場合により水とを混合する工程、
(工程2)工程1で得られた混合物と、コバルト化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを混合する工程、
(工程3)工程2で得られた混合物において、1,3−ブタジエンを1,4−重合してポリブタジエンを得る工程、及び
(工程4)工程3で得られたポリブタジエンと、共架橋剤と、パーオキサイド類と、任意成分とを混合する工程
を含む。
工程4は、好ましくは、
(工程4a)工程3で得られたポリブタジエンと、共架橋剤と、加硫剤(パーオキサイド類等)及び任意の加硫促進剤以外の任意成分とを一次混練する工程、及び
(工程4b)工程4aで得られた混合物にパーオキサイド類等(加硫剤)と、任意の加硫促進剤とを添加し、二次混練する工程
を含む。
<ゴルフボール>
ゴルフボールは、前記ゴルフボール用ゴム組成物をゴム基材として用いることを特徴とする。ゴルフボール用ゴム組成物は、リニアリティーの高い前記ポリブタジエンを含んでいる為、反発弾性及び動的粘弾性が優れており、ゴルフボールも反発弾性及び動的粘弾性に優れている。
以下に、本発明に基づく実施例について具体的に記載するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
<ポリブタジエン、ゴム組成物及びゴルフボール用ゴム組成物の評価>
(ムーニー粘度(ML1+4,100℃))
ポリブタジエンのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS K6300に従い、株式会社島津製作所製のムーニー粘度計SMV−200を使用して100℃で1分予熱したのち4分間測定した。
(5重量%トルエン溶液粘度(5%Tcp))
ポリブタジエンの5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。なお、標準液としては、粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用いた。
(5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)/ムーニー粘度(ML1+4,100℃))
前記測定方法で求めた5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)をムーニー粘度(ML1+4,100℃)で除することで求めた。
(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、z平均分子量(Mz))
ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びz平均分子量(Mz)は、テトラヒドロフランを溶媒とした温度40℃でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー製)により得られた分子量分布曲線から、標準ポリスチレンを標準物質として作成した検量線を用いて計算した。なお、カラムはShodex製KF−805Lを2本直列に接続し、検出器は示唆屈折計(RI)を用いた。
(ミクロ構造分析)
ポリブタジエンのミクロ構造の割合については、0.4重量%の二硫化炭素溶液を用いて赤外吸収スペクトル分析を行い、740cm−1(シス)、967cm−1(トランス)、910cm−1(ビニル)の吸収強度比から算出した。
(低燃費性)
ゴム組成物の低燃費性は、Anton Paar製MCR302を用い、温度50℃、周波数15Hz、歪み0.2%の条件での粘弾性測定により、tanδを測定し、比較例1を100とした指数(INDEX)として算出した。この指数が大きいほど、低燃費性が良好であることを示す。
(耐摩耗性)
ゴム組成物の耐摩耗性は、JIS K6264に規定されている測定法に従ってスリップ率30%でランボーン摩耗係数を測定し、比較例1を100とした指数(INDEX)として算出した。この指数が大きいほど、耐摩耗性が良好であることを示す。
(硬度)
ゴルフボール用ゴム組成物の硬度は、JIS K6253に規定されている測定法に従って、デュロメーター式(タイプD)で測定した。
(反発弾性)
ゴルフボール用ゴム組成物の反発弾性は、JIS K6255に従い、ダンロップ・トリプソメーターを使用して室温で反発弾性を測定した。数値が大きいほど、反撥弾性が良好であることを示す。
(動的粘弾性)
ゴルフボール用ゴム組成物の動的粘弾性は、全自動粘弾性アナライザ(上島製作所製DMA VR−7130)を用い、周波数:16Hz、静歪:1.0%、動歪:0.5%、温度:−100℃から100℃(2K/minで昇温)の条件において、0℃のtanδ(動的粘弾性)を測定し、比較例1を100とした指数として算出した。指数が大きいほどゴム組成物のtanδが大きく、反発弾性が良好であることを示す。
(ポリブタジエンの製造方法)
(合成例1)
1,3−ブタジエンを49重量%、シクロヘキサン(36重量%)、C4留分(15重量%)を含有する混合媒体(水分;3.02ミリモル/L)を20℃に保持された容量5リットルの攪拌機付きステンレス製熟成槽に供給すると共に有機アルミニウムのn−ヘキサン溶液(トリエチルアルミニウム:ジエチルアルミニウムクロライド=2:1,3.09mmol /L)を供給し、この反応槽溶液における有機アルミニウム/水モル比を1.0に調製して熟成液を得た。次に、得られた熟成液を65℃に保持された容量5リットルの攪拌機付きステンレス製シス重合槽に供給した。このシス重合槽に、コバルトオクトエート(0.004mmol/L)とトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルロフェニル)ボレート(PhCB(C,0.006mmol/L)と分子量調節剤であるシクロオクタジエン(12.5mmol/L)を供給して重合液を得た。得られた重合液を攪拌機付混合槽に供給し,これに老化防止剤エタノール溶液を加え重合を停止した後, 未反応1,3−ブタジエン及びシクロヘキサン、C4留分を乾燥除去して合成例1のポリブタジエンを得た。
(合成例2)
分子量調節剤であるシクロオクタジエンの濃度を12.5mmol/Lから11.6mmol/Lに変更した以外は合成例1と同様の方法で合成例2のポリブタジエンを得た。
Figure 2022001647
(ゴム組成物の製造方法)
(実施例1)
合成例1のポリブタジエンを用いてスチレンブタジエンゴム(SBR)(旭化成製Y031)及びシリカを含むゴム組成物を作製した。具体的には、まず、30重量部の合成例1のポリブタジエンと、70重量部のスチレンブタジエンゴム(SBR)とを、温度90℃、回転数68rpmに設定したラボプラストミル(東洋精機製作所製BR−250型)を用いて30秒間混合した。その後、規定量の半量である32.5重量部のシリカ(エボニック・デグサ製Ultrasil7000GR)と、5.2重量部のシランカップリング剤(エボニック・デグサ製si75)とを混合した。引き続き、残り32.5重量部のシリカと、25重量部のオイル(スターリーオイル製VivaTec400)と、3重量部の酸化亜鉛(正同化学製)と、1重量部のステアリン酸(新日本理化製50S)と、1重量部の酸化防止剤(大内新興製ノクラック6C)とを投入し、計6分間混練した。
次に、得られた混練物を6インチロールにより冷却・放冷した後、再度リミルを行った。さらに、混練物に、1.7重量部の第一の加硫促進剤(大内新興製ノクセラーCZ(CBS))と、2重量部の第二の加硫促進剤(大内新興製ノクセラーD(DPG))と、1.4重量部の加硫剤である粉末硫黄(細井化学工業製)とを6インチロールにより混合することで、配合物を作製した。
そして、得られた配合物を金型に入れてプレス加硫することで、ゴム組成物を作製した。なお、加硫時間は、粘弾性測定装置(アルファテクノロジーズ製RPA2000)で求めた160℃の加硫特性t90の2倍の時間とした。得られたゴム組成物の物性を表2に示す。
(実施例2)
合成例1のポリブタジエンを合成例2のポリブタジエンとした以外は実施例1と同様の方法でゴム組成物を得た。得られたゴム組成物の物性値を表2に示す。
(比較例1)
合成例1のポリブタジエンをUBEPOL(登録商標)BR150L(非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を含まない触媒で重合されたポリブタジエン)とした以外は実施例1と同様の方法でゴム組成物を得た。得られたゴム組成物の物性値を表2に示す。
(ゴルフボール用ゴム組成物の製造方法)
(実施例3)
合成例1のポリブタジエンゴムを用いて、ゴルフボール用ゴム組成物を作製した。具体的には、合成例1のポリブタジエン100重量部に対して30質量部のアクリル酸亜鉛(浅田化学製)、5質量部の酸化亜鉛(浅田化学製)、16質量部の硫酸バリウム(堺化学工業製)を投入し、6インチロール(安田精機製作所製)を用いて混練りした。その後、温度80℃、回転数68rpmに設定したラボプラストミル(東洋精機製作所製BR−250型)を用いて3分間混合した。次に再度6インチロールを用いて、1重量部のジクミルパーオキサイド(日油製)を加えて混練りして、ゴルフボール用ゴム組成物を得た。このゴルフボール用ゴム組成物を所定の金型に入れ、155℃で20分間プレス加硫してゴルフボール用ゴム組成物の加硫物を得た。この加硫物の物性値を表3に示す。
(実施例4)
合成例1のポリブタジエンを合成例2のポリブタジエンとした以外は実施例3と同様の方法でゴルフボール用ゴム組成物を得た。得られたゴルフボール用ゴム組成物の物性値を表3に示す。
(比較例2)
合成例1のポリブタジエンをUBEPOL(登録商標)BR230(非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を含まない触媒で重合されたポリブタジエン)とした以外は実施例3と同様の方法でゴルフボール用ゴム組成物を得た。得られたゴルフボール用ゴム組成物の物性値を表3に示す。
Figure 2022001647
表2から、実施例1及び2のゴム組成物は、比較例1のゴム組成物に比べて、低燃費性及び耐摩耗性に優れることがわかる。
Figure 2022001647
表3から、実施例3及び4のゴルフボール用ゴム組成物は、比較例2のゴルフボール用ゴム組成物に比べて、硬度を維持したまま、反発弾性及び動的粘弾性に優れることがわかる。
本発明に係るゴム組成物は、低燃費性及び耐摩耗性に優れているので、タイヤ、防振ゴム、ベルト、ホース、免震ゴム、ゴムクローラ及び履物部材等に用いることができる。また、本発明に係るゴルフボール用ゴム組成物は、反発弾性及び動的粘弾性に優れているので、ゴルフボールに用いることが出来る。

Claims (15)

  1. コバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合されたポリブタジエン(A)、ポリブタジエン(A)以外のゴム(B)及びシリカ(C)を含むゴム組成物。
  2. ポリブタジエン(A)以外のゴム(B)は、天然ゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. ポリブタジエン(A)以外のゴム(B)に対する前記ポリブタジエン(A)の質量比は、5/95〜90/10である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. ポリブタジエン(A)及びポリブタジエン(A)以外のゴム(B)からなるゴム成分100質量部に対し、シリカ(C)は1〜150質量部である、請求項1〜3いずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
  6. (工程1)1,3−ブタジエンと、周期表1、2、13族元素の有機金属化合物と、水とを混合する工程、
    (工程2)工程1で得られた混合物と、コバルト化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを混合する工程、
    (工程3)工程2で得られた混合物において、1,3−ブタジエンを1,4−重合してポリブタジエンを得る工程、及び
    (工程4)工程3で得られたポリブタジエンと、工程3で得られたポリブタジエン以外のゴムと、シリカと、任意成分とを混合する工程
    を含むゴム組成物の製造方法。
  7. 請求項6記載の製造方法により製造されたゴム組成物。
  8. 請求項7記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
  9. コバルト化合物と、周期表第1、2、13族の有機金属化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを含む触媒を用いて重合されたポリブタジエン(A)、共架橋剤(D)及びパーオキサイド類(E)を含むゴルフボール用ゴム組成物。
  10. 共架橋剤(D)は、ジアクリル酸亜鉛、塩基性メタクリル酸亜鉛及びジメタクリル酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項9に記載のゴルフボール用ゴム組成物。
  11. ポリブタジエン(A)100重量部に対し、共架橋剤(D)は10〜50重量部である、請求項9又は10に記載のゴルフボール用ゴム組成物。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載のゴルフボール用ゴム組成物をゴム基材として用いたゴルフボール。
  13. (工程1)1,3−ブタジエンと、周期表1、2、13族元素の有機金属化合物と、場合により水とを混合する工程、
    (工程2)工程1で得られた混合物と、コバルト化合物と、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物とを混合する工程、
    (工程3)工程2で得られた混合物において、1,3−ブタジエンを1,4−重合してポリブタジエンを得る工程、及び
    (工程4)工程3で得られたポリブタジエンと、共架橋剤と、パーオキサイド類と、任意成分とを混合する工程
    を含むゴルフボール用ゴム組成物の製造方法。
  14. 請求項13記載の製造方法により製造されたゴルフボール用ゴム組成物。
  15. 請求項14記載のゴルフボール用ゴム組成物を用いたゴルフボール。
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