JP2014189678A - 変性シス−1,4−ポリブタジエン、その製造方法およびゴム組成物 - Google Patents

変性シス−1,4−ポリブタジエン、その製造方法およびゴム組成物 Download PDF

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歩美 本山
Risa Akatsu
理沙 赤津
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Abstract

【課題】 ゴム材料にとって重要な特性となる加工性を大きく改良しながら低ロス性および耐摩耗性の性能も向上させる変性シス−1,4−ポリブタジエン、その製造方法およびゴム組成物に関する。
【解決手段】 遷移金属重合触媒の存在下、1,3−ブタジエンを重合してシス−1,4−ポリブタジエンを製造した直後に添加剤として有機ハロゲン化合物を添加することにより得られる(a)Z平均分子量と重量平均分子量の比(Mz/Mw)を重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)で割った値が0.93以上、かつ(b)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が100以下の変性シス−1,4−ポリブタジエン。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴム材料にとって重要な特性となる加工性を大きく改良しながら低ロス性および耐摩耗性の性能も向上させる変性シス−1,4−ポリブタジエン、その製造方法およびゴム組成物に関する。
1,3−ブタジエンの重合触媒については、従来から数多くの提案がなされており、特にシス−1,4結合含量の高いハイシス−1,4−ポリブタジエンにおいて、熱的、機械的に優れた特性を引き出す重合触媒が数多く開発されてきた。
例えば、特許文献1には、コバルト化合物、酸性金属ハライド、アルキルアルミニウム化合物及び水からなる触媒を用い、1,3−ブタジエンを重合させる高シス−1,4−ポリブタジエンの製造法が開示されている。
また、特許文献2には、ジエチルアルミニウムクロライド、水、及びコバルトオクトエ−トよりなる触媒を用い、1,3−ブタジエンを直鎖状または分岐状脂肪族炭化水素よりなる溶媒中で重合させる方法が開示されている。
ハイシス−1,4−ポリブタジエンにおいては、ポリマー鎖の分岐度が小さいもの、すなわち、リニアタイプのハイシス−1,4−ポリブタジエンは耐摩耗性、耐発熱性、反発弾性等に優れた特性を有している。しかし、分岐度の高いブランチタイプのハイシス−1,4−ポリブタジエンと比較して、ゴムにカーボンブラックなどを配合して得られる配合物を製造する際に加工性が低下するため、高い耐摩耗性を保持しつつ、加工性を改良する方法が求められていた。
ポリブタジエンの加工性を改良する方法として、特許文献3には、ポリブタジエンの重合溶液を有機アルミニウム化合物及びハロゲン化アルキル化合物で処理する方法が開示されている。また、特許文献4には、不飽和結合を有するゴムを溶媒に溶解し、ルイス酸の存在下、有機酸ハライドを反応させてゴムを変性する方法が記載されている。これらの方法はいずれも、重合工程の後に、重合物を変性する工程が必要となり、煩雑な操作を省力した方法の開発が望まれていた。
一方、ゴム組成物の発熱性を改良する方策として、近年補強材としてカーボンブラックの代わりにシリカを使用するケースが増えてきている。しかしながら、シリカの表面には極性のあるシラノール基があるため、シリカはポリブタジエンなどの炭化水素構造との親和性が悪く、これによりシリカが配合されたゴム中においてシリカ粒子が凝集し易くなり、分散性が悪くなるといった問題が生じていた。その結果、シリカ凝集体の分裂、すなわちペイン効果が起こると、シリカ凝集体の内部では強いシリカ−シリカ相互作用が観測され、シリカ−ゴム間で大きなヒステリシスロスが生じて発熱性悪化の原因となっていた。
極性シリカ表面と非極性ゴムマトリックス間の親和性や相互作用を改良する方策としては、二元機能を持ったシランカップリング剤の使用やゴムの化学変性が鋭意研究されている。ゴムの化学変性技術として、ハイシス-1,4-ポリブタジエンを化学変性したものの多くは、希土類触媒を使って1,3-ブタジエンをリビング重合した後、各種の効果的なアルコキシシランカップリング剤を使用して、分子末端を機能化する方法が報告されている。
特許文献5には、コバルト化合物でポリブタジエンゴムを重合した後、必要に応じて、更に酸ハロゲン化物、ハロゲン含有硫黄化合物、メルカプト基含有アルコキシシラン化合物などを反応させてコールドフロー性を改良する方法が記載されている。
その後、加工性と低ロス性、耐摩耗性とのバランス改良を目的として、コバルト化合物でポリブタジエンゴムを重合した後、所定量の有機ハロゲン化合物で変性する方法が開示されている(特許文献6および7)。
しかし、昨今の環境・省エネルギーの観点から、加工性と低ロス性および耐摩耗性とのバランスを保持しつつ、更に全体の性能を上げる要望がなされている。
特公昭38−1243号公報 特公昭61−54808号公報 特開昭51−63891号公報 特開昭61−225202号公報 特開平2001−114817号公報 特許第4123019号 特開2011−79954号公報
本発明は、ゴム材料にとって重要な特性となる加工性を大きく改良しながら低ロス性および耐摩耗性の性能を向上させる変性シス−1,4−ポリブタジエン、その製造方法およびゴム組成物を提供するものである。
遷移金属重合触媒の存在下、1,3−ブタジエンを重合してシス−1,4−ポリブタジエンを製造した直後に添加剤として有機ハロゲン化合物を添加することにより得られる(a)Z平均分子量と重量平均分子量の比(Mz/Mw)を重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)で割った値が0.93以上、かつ(b)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が100以下の変性シス−1,4−ポリブタジエンに関する。
該遷移金属重合触媒が(a)コバルトオクトエート、(b)R 3−nAlX(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、Xはハロゲンを示し、nは1〜2の数である。)で表されるハロゲン含有アルミニウム化合物、(c)R Al(式中Rは炭素数1〜10の炭化水素基)で表される有機アルミニウム化合物および(d)水からなる触媒であることを特徴とする前記の変性シス−1,4−ポリブタジエンに関する。
該有機ハロゲン化合物が、t-ブチルクロライドであることを特徴とする前記の変性シス−1,4−ポリブタジエンに関する。
該変性シス−1,4−ポリブタジエンを用いることを特徴とする前記のゴム組成物に関する。
1,3−ブタジエンを重合してシス−1,4−ポリブタジエンを製造した直後に添加剤として有機ハロゲン化合物を添加することにより得られる(a)Z平均
分子量と重量平均分子量の比(Mz/Mw)を重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)で割った値が0.93以上、かつ(b)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が100以下の変性シス−1,4−ポリブタジエンの製造方法に関する。
本願発明で得られる変性シス−1,4−ポリブタジエンは、(a)Z平均分子量と重量平均分子量の比(Mz/Mw)を重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)で割った値が0.93以上、かつ(b)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が100以下のポリマー構造を有することで、加工性を大きく改良しながら低ロス性および耐摩耗性を良好にすることができる。
(変性シス−1,4−ポリブタジエン)
本願発明で言う変性シス−1,4−ポリブタジエンとは、遷移金属重合触媒の存在下、1,3−ブタジエンを重合してシス−1,4−ポリブタジエンを製造直後に有機ハロゲン化合物を添加して変性することにより得られるポリブタジエンのことである。
すなわち、当該発明では、遷移金属重合触媒の存在下、1,3−ブタジエンを重合してシス−1,4−ポリブタジエンを得た直後に有機ハロゲン化合物を添加することにより、Z平均分子量と重量平均分子量の比(Mz/Mw)を重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)で割った値から規定される特徴的な分子量分布を有することで、加工性、低ロス性および耐摩耗性のバランスを改良するポリブタジエンを得ることが出来る。
(分子量分布)
本発明の変性シス−1,4−ポリブタジエンのZ平均分子量と重量平均分子量の比(Mz/Mw)を重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)で割った値は0.93以上、好ましくは0.95以上であることが必要である。
Z平均分子量と重量平均分子量の比(Mz/Mw)を重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)で割った値が上記より小さいと加工性改良の効果が低下するので好ましくない。
(ムーニー粘度)
本発明の変性シス−1,4−ポリブタジエンのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、40〜100、好ましくは45〜95、より好ましくは、50〜85である。ムーニー粘度が上記範囲より大きいと加工性が著しく悪化し、上記範囲より小さいと低ロス性や耐摩耗性が低下するので好ましくない。
数平均分子量、質量平均分子量、z平均分子量は
Figure 2014189678
Figure 2014189678
Figure 2014189678
それぞれ式1〜3で表される。MnよりMw、MwよりMzほうが高分子量側を表しており、Mz/Mwによって高分子量側への分子の広がりを表す。
すなわち、Mz/MwをMw/Mnで割った値が大きくなるほど、超高分子量領域へ分子量分布が広がることとなり、その結果、中分子量成分の組成比を高くしながら超高分子量成分を適度に含有する分子量分布を得ることができる。
(有機ハロゲン化合物を添加前のシス−1,4−ポリブタジエン)
有機ハロゲン化合物を添加前のシス−1,4−ポリブタジエンは、有機ハロゲン化合物を添加投入する前の状態を指す、いわゆる原料ポリブタジエンのことである。
当該原料ポリブタジエンは、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は70以下が好ましく、更には60以下が好ましく、また更には60〜15がより好ましい。
ムーニー粘度が上記範囲以上になると加工性が悪化し、また上記範囲以下になると低ロス性や耐摩耗性が悪化するという点で好ましくない。
また、ポリブタジエン分子の分岐度を示す指標であるT−cp/MLは1.0以上が好ましく、更に1.3以上が好ましい。
上記範囲以下であると分岐度が大きくなりすぎるため、低ロス性の観点から好ましくない。
また、Mw/Mnは2.5以上が好ましい。分子量分布が上記範囲より狭くなると所望の加工性が得られなくなるという点で好ましくない。
ミクロ構造としては、シス−1,4含量が97%以上であることが好ましい。
上記範囲以下であると、耐摩耗性が悪化するため好ましくない。
(有機ハロゲン化合物を添加前のシス−1,4−ポリブタジエンの重合触媒)
前記原料ポリブタジエンゴムの重合触媒としては、コバルト系触媒を用いるのが好ましい。
コバルト系触媒のコバルト化合物としては、コバルトの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものは、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩や、コバルトのビスアセチルアセトネ−トやトリスアセチルアセトネ−ト、アセト酢酸エチルエステルコバルト、ハロゲン化コバルトのトリアリ−ルフォスフィン錯体、トリアルキルフォスフィン錯体、ピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、もしくはエチルアルコ−ル錯体等が挙げられる。
コバルト系触媒組成物におけるハロゲン含有アルミニウム化合物としては、R2 3-nAlXn (式中、R2 は炭素数 1〜10の炭化水素基、Xはハロゲンを示し、n は 1〜2 の数である。)で表されるものを使用するのが好ましい。ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイドなどのジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジクロライド、アルキルアルミニウムジブロマイド等のアルキルアルミニウムジハライド等が挙げられる。具体的化合物としては、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノブロマイド、ジブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジシクロヘキシルアルミニウムモノクロライド、ジフェニルアルミニウムモノクロライド等が挙げられる。
また、コバルト系触媒組成物における有機アルミニウム化合物としては、R3 3Al(式中、R3は炭素数 1〜10の炭化水素基を示す。)で表さるものが好ましい。例えば、トリアルキルアルミニウム化合物、例えば、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等が挙げられる。
また、アルミノキサンを用いてもよい。アルミノキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R’)O−)nで示される鎖状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R’は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R’としてはメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基及びエチル基が好ましい。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物などが挙げられる。
中でも、コバルト化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物及び水からなる触媒系、若しくはコバルト化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物及び水からなる触媒系が好ましい。
コバルト化合物、ハロゲン含有有機アルミニウム化合物、水、及び有機アルミニウム化合物からなるコバルト系触媒組成物を用いる場合は、全て1,3−ブタジエンの1モルに対して、コバルト化合物については1×10−7〜1×10−3モルの範囲あることが好ましい。また、ハロゲン含有有機アルミニウム化合物については1×10−5〜1×10−1モルの範囲の範囲にあることが好ましい。また、水については1×10−5〜1×10−1モルの範囲にあることが好ましい。また、有機アルミニウム化合物については1×10−5〜1×10−1モルの範囲の範囲にあることが好ましい。
当該発明のポイントとして、有機ハロゲン化合物による変性の前のシス−1,4ポリブタジエンの重合条件が、最終生成する変性シス−1,4ポリブタジエンの低ロス性や耐摩耗性などの効果を創出するのに重要となる。
特に、以下に示す該重合段階で使用する「アルミニウム化合物と水の比」および「ハロゲン含有有機アルミニウム化合物と有機アルミニウム化合物の比」は、大きな要因となる。
重合段階でこれら2つの要因を同時に満たすことが必須であり、一方の条件を満たしただけでは、最終生成する変性シス−1,4ポリブタジエンの低ロス性や耐摩耗性などの効果を創出することは困難である。
(アルミニウム化合物と水の比)
該コバルト系触媒組成物に用いられるハロゲン含有有機アルミニウム化合物と有機アルミニウム化合物を足した添加量は、添加する水に対して0.95〜1.30倍、中でも0.98〜1.25倍、特に1.0〜1.15倍であることが好ましい。この範囲より大きいと希望の物性が得られず、この範囲より小さいと加工性が悪くなる。
当該ハロゲン含有有機アルミニウム化合物と有機アルミニウム化合物を足した添加量と添加する水の割合は、とりわけポリブタジエンのリニアリティーを規定する上で重要である。
(ハロゲン含有有機アルミニウム化合物と有機アルミニウム化合物の比)
該コバルト系触媒組成物に用いられるハロゲン含有有機アルミニウム化合物は、有機アルミニウムに対して1〜6倍、特に2〜4倍が好ましい。この範囲より大きいとゲルが問題となり、小さいと重合活性が低下する。
触媒成分の添加順序としては、不活性溶媒中に水を添加して均一に混合して、ハロゲン含有有機アルミニウム化合物および有機アルミニウム化合物を添加し、コバルト化合物を添加して重合を開始することが好ましい。ハロゲン含有有機アルミニウム化合物を添加した後、所定時間、熟成した後、コバルト化合物を加えることが好ましい。熟成時間は0.1〜24時間が好ましい。熟成温度は0〜80℃が好ましい。
(重合溶媒)
重合溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のC4留分などのオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒としてもよい。
中でも、ベンゼン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
(分子量調節剤)
本願発明における有機ハロゲン化合物を添加前のムーニー粘度(ML1+4,100℃)が70以下のシス−1,4−ポリブタジエン(原料ポリブタジエン)を得るには、分子量調節剤の適用が必要となってくる。
分子量調節剤としては、重合時に公知の、例えば、シクロオクタジエン、アレンなどの非共役ジエン類、またはエチレン、プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィン類を使用することができる。
特に好ましくはシクロオクタジエンであり、1,3−ブタジエン1モル当たり2〜30ミリモルが好ましく、特に好ましくは2〜18ミリモルである。この範囲以外の量を用いると、ムーニー粘度のずれの問題が生ずるため好ましくない。
重合温度は−30〜100℃の範囲が好ましく、30〜80℃の範囲が特に好ましい。重合時間は10分〜12時間の範囲が好ましく、30分〜6時間が特に好ましい。また、重合圧は、常圧又は10気圧(ゲ−ジ圧)程度までの加圧下に行われる。
(有機ハロゲン化合物)
有機ハロゲン化合物で変性していないシス−1,4ポリブタジエンは、Mz/MwとMw/Mnの比などで規定される所望の分子量分布を含有するポリマー構造を有していないため、加工性、低ロス性、耐摩耗性のバランスを改良する効果が得られない。
有機ハロゲン化合物としては、一般式 R CXを表される有機ハロゲン化合物を用いることができる。式中、 R は水素、アルキル基、アリール基、クロル置換アルキル基、アルコキシ基などであり、R は水素、アルキル基、アリール基、クロル、ブロムなどであり、R +R が酸素であってもよく、R はアルキル基、アリール基、ビニル基、クロル、ブロムなどであり、Xはクロル、ブロムなどのハロゲンである。R およびRが水素である場合は、Rはアリール基であることが好ましい。上記のアルキル基は、飽和あるいは不飽和であってもよく、また、直鎖状、分岐状または環状のものであってもよい。脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
具体的化合物としては、メチル、エチル、iso−プロピル、iso−ブチル、t−ブチル、フェニル、ベンジル、ベンゾイル、ベンジリデンなどのクロル化物またはブロム化物などが挙げられる。また、メチルクロロホルメート、ブロモホルメート、クロロジフェニルメタンまたはクロロトリフェニルメタンなどが挙げられる。中でも、t−ブチルクロライドあるいはt−ブチルブロマイドが好ましい。
上記の有機ハロゲン化合物と共に、コバルト化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物を添加してもよい。これらは上記の触媒成分として例示したコバルト化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物を用いることができる。
有機ハロゲン化合物の添加量は、ハロゲン含有有機アルミニウム化合物と有機アルミニウム化合物の添加量の合計に対して0.05〜0.4倍の添加が望ましく、ブタジエン1モルあたり、1×10−6〜1×10−3モル、特に1×10−5〜1×10−4モルが好ましい。上記範囲よりも多いと生成するポリブタジエンのゲル化が起こり易くなり、少なすぎると本検討の効果が得られない。
上記範囲よりも多いと生成するポリブタジエンのゲル化が起こり易くなり、少なすぎると本検討の効果が得られない。
有機ハロゲン化合物の反応温度については、20〜100℃、好ましくは30〜80℃である。
有機ハロゲン化合物の反応時間は、10分〜150分間攪拌混合する。好ましくは、15分〜30分攪拌混合することが望ましい。
有機ハロゲン化合物とシス−1,4−ポリブタジエンの反応は、前述のブタジエン重合後に引き続いて行っても良いし、また重合反応を停止させた後、重合生成物中に残留している溶媒や未反応モノマーをスチームストリッピング法や真空乾燥法などで除去した乾燥物をシクロヘキサンなどで再度溶解させた後に行ってもよい。
当該原料ポリブタジエンを重合した後に、有機ハロゲン化合物によって、当該ポリブタジエンの分子同士を反応させて、MLが100以下で、かつZ平均分子量と重量平均分子量の比(Mz/Mw)を重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)で割った値で特徴づけられる分子量分布を有する変性シス−1,4ポリブタジエンを製造する。
当該方法で得られた変性シス−1,4ポリブタジエンは、ゴム材料の加工性を大きく改良しつつ引張強度、低ロス性および耐摩耗性の性能を向上させるゴム組成物の原料となる。
(ゴム組成物)
本発明により得られるポリブタジエンは、単独で、または他の合成ゴム若しくは天然ゴムとブレンドして配合し、必要ならばプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックやシリカ等の充填剤、加硫剤、加硫促進剤その他の通常の配合剤を加えて加硫し、タイヤ・防振ゴム・ベルト・ホース・免震ゴムなどの工業用品や紳士靴、婦人靴、スポーツシューズなどの履物といった各種のゴム用途に使用される。その場合、ゴム成分中に少なくとも本発明のポリブタジエンを10重量%含有するように配合することが好ましい。
このように、本発明により得られたポリブタジエンを加硫し、さらにさまざまな添加物を配合して得られた配合物をゴム組成物と定義している。
(他の合成ゴム)
前記ゴム組成物に含まれる他の合成ゴムとしては、加硫可能なゴムが好ましく、具体的には天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を挙げることができる。これらの中でも天然ゴム、イソプレンゴム、SBRが好ましい。
さらにSBRの中でも溶液重合スチレンブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)が特に好ましい。これらのゴムは単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
本発明において使用する溶液重合スチレンブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)は、ゴム成分100重量部の30重量部以上90重量部未満、好ましくは50〜80重量部使用することにより、上記効果が発現される。S−SBRの配合量が少ないとウェット性能が低下するので好ましくなく、逆に多いと耐摩耗性や、低ロス性が悪化するので好ましくない。
かかるS−SBRは公知であり、例えば日本ゼオン Nipol NS110R、旭化成 アサプレン 1204などの市販品を用いることができる。
(シランカップリング剤)
他の添加剤成分であるシランカップリング剤としては、一般式RnSiX4-nで表される有機珪素化合物で、Rはビニル基、アシル基、アリル基、アリルオキシ基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基、アルキル基、フェニル基、水素、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基などから選ばれる反応基を有する炭素数1〜20の有機基であり、Xは、クロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基などから選ばれる加水分解基であり、nは1〜3の整数を示す。
上記のシランカップリング剤のR成分において、ビニル基及び/またはクロル基を含有するものが好ましい。
具体的なシランカップリング剤として、市販で利用できるものは、例えば、以下のものが含まれるが、決してこれらに限定されるものではない。ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル テトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル テトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイル テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾール テトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾール テトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレート モノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート モノスルフィド、ビニルトリクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、クロロメチルジメチルビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、ジアセトキシメチルジニルシラン、アリルオキシジメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、フェニルビニルジクロロシラン、トリアセトキシビニルシラン、3−クロロプロピルメチルジビニルシラン、ジエトキシジビニルシラン、ジメチルエチルメチルケトキムビニルシラン、ジメチルイソブトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、メチルフェニルビニルクロロシラン、メチルフェニルビニルシラン、ジメチルイソペンチルオキシビニルシラン、4−ブロモフェニルジメチルビニルシラン、3−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、4−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、ジメチルピペリヂノメチルビニルシラン、ジメチル−2−[(2−エトキシエトキシ)エトキシ]ビニルシラン、ジビニルメチルフェノキシシラン、ジメチル−P−アニシルビニルシラン、トリス(1−メチルビニロキシ)ビニルシラン、トリイソプロポキシビニルシラン、ジエトキシ−2−ピペリヂノエトキシビニルシラン、ジフェニルビニルクロロシラン、3−ジメチルビニルフェニル N,N−ジエチルカルボメイト、トリフェノキシビニルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1−(4−メチルピペリヂノメチル)−1,1,3,3−テトラメチル−3−ビニルジシロキサン、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルビニルシロキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ジメチルビニルシロキシ)ベンゼン、1,1,3,3−テトラフェニルー、3−ジビニルジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルサイクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルサイクロテトラシロキサン、テトラキス(ジメチルビニルシロキシメチル)メタン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、などがある。
添加剤のシランカップリング剤の添加量としては、フィラー量に対して0.2%〜20%が良く、5%〜15%が特に好ましい。
上記の範囲よりも少ないと、スコーチの原因となるために好ましくない。また、上記の範囲よりも多いと引張り特性、延びの悪化の原因となるため好ましくない。
また、プラスチック、例えば、耐衝撃性ポリスチレンの改質剤として使用する、すなわち、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物を製造することもできる。
上記のゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物の製造法としては、ゴム状ポリマーの存在下にスチレン系モノマーの重合を行う方法が採用され、塊状重合法や塊状懸濁重合法が経済的に有利な方法である。スチレン系モノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンのようなアルキル置換スチレン、クロルスチレンのようなハロゲン置換スチレンなど、従来ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物製造用として知られているスチレン系モノマーの1種又は2種以上の混合物が用いられる。これらのなかで好ましいのはスチレンである。
製造時に必要に応じて上記ゴム状ポリマーの他に、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン、エチレン−酢酸ビニル、アクリル系ゴムなどを上記ゴム状ポリマーに対して50重量%以内併用することができる。又、これらの方法によって製造された樹脂をブレンドしてよい。更に、これらの方法によって製造されたゴム変性ポリスチレン系樹脂組成物を含まないポリスチレン系樹脂を混合して製造してもよい。上記の塊状重合法として1例を挙げて説明すると、スチレンモノマー(99〜75重量%)にゴム状ポリマー(1〜25重量%)を溶解させ、場合によっては溶剤、分子量調節剤、重合開始剤などを添加して、10〜40%のスチレンモノマー転化率までゴム状ポリマーを分散した粒子に転化させる。このゴム粒子が生成するまではゴム相が連続相を形成している。更に重合を継続してゴム粒子として分散相になる相の転換(粒子化工程)を経て50〜99%の転化率まで重合してゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物が製造される。
ゴム状ポリマーの分散粒子(ゴム粒子)は、樹脂中に分散された粒子で、ゴム状ポリマーとポリスチレン系樹脂よりなり、ポリスチレン系樹脂はゴム状ポリマーにグラフト結合したり、或いはグラフト結合せずに吸蔵されている。この発明で言うゴム状ポリマーの分散粒子の径として0.5〜7.0μmの範囲、好ましくは0.5〜3.0μmの範囲のものが好適に製造できる。
グラフト率として、100〜350の範囲のものが好適に製造できる。バッチ式でも連続的製造方法でもよく特に限定されない。
上記のスチレン系モノマーとゴム状ポリマーとを主体とする原料溶液は完全混合型反応器において重合されるが、完全混合型反応器としては、原料溶液が反応器において均一な混合状態を維持するものであればよく、好ましいものとしてはヘリカルリボン、ダブルヘリカルリボン、アンカーなどの型の攪拌翼が挙げられる。ヘリカルリボンタイプの攪拌翼にはドラフトチューブを取り付けて、反応器内の上下循環を一層強化することが好ましい。
ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物には、製造時や製造後に適宜必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、離型剤、滑剤、着色剤、各種充填剤及び各種の可塑剤、高級脂肪酸、有機ポリシロキサン、シリコーンオイル、難燃剤、帯電防止剤や発泡剤などの公知添加剤を添加してもよい。この発明のゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物は、公知の各種成形品に用いることはできるが、難燃性、耐衝撃強度、引張強度に優れるために電気・工業用途分野で使用される射出成形に好適である。例えばカラーテレビ、ラジカセ、ワープロ、タイプライター、ファクシミリ、VTRカセット、電話器などのハウジングの家電・工業用などの広範な用途に用いることができる。
ムーニー粘度(ML 1+4 、100℃)
JIS-K6300に従い、株式会社島津製作所製のムーニー粘度計(SMV-200)を使用して、100℃で1分予熱したのち、4分間測定してゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)として表示した。
トルエン溶液粘度(Tcp):ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
z平均分子量、重量平均分子量、数平均分子量:ポリスチレンを標準物質としてテトラヒドロフランを溶媒として温度40℃で、ゲルパーミエーション(透過)クロマトグラフィー(GPC、東ソー株式会社製)を行ない、得られた分子量分布曲線から求めた検量線を用いて計算し、z平均分子量、重量平均分子量、数平均分子量を求めた。
配合物のムーニー粘度(ML 1+4 、100℃)
JIS-K6300に従い、株式会社島津製作所製のムーニー粘度計(SMV-200)を使用して、100℃で1分予熱したのち、4分間測定して配合物のムーニー粘度(ML1+4、100℃)を得て、比較例5を100として指数表示した。指数が大きいほど加工性に優れる。
加硫物の低ロス性
GABO社製EPLEXOR 100Nを用いて、温度50℃、周波数10Hz、動的歪み0.3%の条件でtanδを測定し、比較例5を100として指数表示した。指数が大きいほど低ロス性が良好である。
加硫物の反発弾性
BS903に従い、ダンロップ・トリプソメーターを使用して室温で反発弾性を測定し、比較例5を100として指数表示した。指数が大きいほど低ロス性が良好である。
加硫物の耐摩耗性
ランボーン摩耗指数は、JIS K6264に規定されている測定法に従って、スリップ率60%で測定し、比較例5を100として指数表示した。指数が大きいほど良好である。
加硫物の破壊強力:JIS K6251に準拠して測定し、引張強度(TB)と破壊伸度(EB)を測定し、(TB×EB)/2を算出して比較例5を100として指数表示した。(TB×EB)/2は破断までに費やされたエネルギーのおおよその大きさを示す。TB、EB、(TB×EB)/2は一般的に指数が大きい程、加硫物の強力が優れる
(実施例1〜3)
容量5リットルのジャケット付き反応器に、1,3−ブタジエンを48.0重量%含有するシクロヘキサン−C4留分に混合した溶液(シクロヘキサン17.6重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を34.4重量%含有)を投入し、表1に示した条件で変性シス−1,4ポリブタジエンの連続重合を行った。所定時間の重合の後、重合停止剤を加えて反応を停止させ、常法に従って脱溶剤及び乾燥を行い、変性シス−1,4ポリブタジエンを得た。得られたポリブタジエンの物性を表2に示す。
さらに、前述のポリブタジエンに配合比(重量部)が以下のようになるようにしてゴム組成物を製造し、その物性を測定した。その結果を表3に示す。
なお、表3において、物性値はすべて比較例3を基準値100とした相対値で表示した。
市販溶液重合スチレンブタジエンゴム(s−SBR)を70重量部、
本願発明で得た変性シス−1,4ポリブタジエンを30重量部、
シリカ(東ソー・シリカ(株)製、商品名ニップシールAQ)を75重量部、
シランカップリング剤(デグサ・ヒュルヌ製、商品名 Si69)6重量部、
オイル(サンセンオイル4240)を21.5重量部、
酸化亜鉛(堺化学工業 Sazex 1号)を3重量部、
ステアリン酸(花王ステアリン酸)を1重量部、
酸化防止剤(住友化学 アンチゲン6C)を1重量部、
加硫促進剤1(大内新興化学工業社製のノクセラーCZ)を1.7重量部、
加硫促進剤2(大内新興化学工業社製のノクセラーCZ)を2重量部、
硫黄(細井化学工業(株)製)を1.4重量部
を配合した。
(比較例1〜2)
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを45.7重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液1リットル(シクロヘキサン21.8重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を29.7重量%含有)とを仕込み、表1に示す条件でポリブタジエンを得た。その後、老化防止剤を添加して100℃で1時間真空乾燥した。得られたポリブタジエンの物性を表2に示す。また、ゴム組成物の物性を表3に示す。ゴム組成物の配合比は実施例1〜3と同様である。
(比較例3)
ポリブタジエンに市販の宇部興産社製BR150Lを使用した。その物性を表2に示す。また、ゴム組成物の物性を表3に示す。ゴム組成物の配合比は実施例1〜3と同様である。
Figure 2014189678
Figure 2014189678
Figure 2014189678
所望の分子量分布を有さない比較例1や比較例2は、低ロス性や耐摩耗性が良好であるが加工性が大きく悪化しているが、実施例1〜3は変性シス−1,4ポリブタジエンのムーニー粘度が非常に高いにもかかわらず、比較例3の加工性と同等程度まで改善しながら、低ロス性と耐摩耗性を効果的に改善している。

Claims (5)

  1. 遷移金属重合触媒の存在下、1,3−ブタジエンを重合してシス−1,4−ポリブタジエンを製造した直後に添加剤として有機ハロゲン化合物を添加することにより得られる(a)Z平均分子量と重量平均分子量の比(Mz/Mw)を重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)で割った値が0.93以上、かつ(b)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が100以下の変性シス−1,4−ポリブタジエン。
  2. 該遷移金属重合触媒が(a)コバルトオクトエート、(b)R 3−nAlX(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、Xはハロゲンを示し、nは1〜2の数である。)で表されるハロゲン含有アルミニウム化合物、(c)R Al(式中Rは炭素数1〜10の炭化水素基)および(d)水からなる触媒であることを特徴とする請求項1に記載の変性シス−1,4−ポリブタジエン。
  3. 該有機ハロゲン化合物が、t-ブチルクロライドであることを特徴とする請求項1乃至2に記載の変性シス−1,4−ポリブタジエン。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の変性シス−1,4−ポリブタジエンを用いることを特徴とするゴム組成物。
  5. 1,3−ブタジエンを重合してシス−1,4−ポリブタジエンを製造した直後に添加剤として有機ハロゲン化合物を添加することにより得られる(a)Z平均分子量と重量平均分子量の比(Mz/Mw)を重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)で割った値が0.93以上、かつ(b)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が100以下の変性シス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
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