WO2018230410A1 - ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

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Abstract

破断強度に優れたゴム組成物および当該ゴム組成物を用いたタイヤを提供すること。第1の共重合体および第2の共重合体を含み、前記第1の共重合体および前記第2の共重合体は、それぞれ、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを有し、前記第1の共重合体は、0~100℃における示差走査熱量測定(DSC)の吸熱ピークのエネルギーが25J/g以上であり、前記第2の共重合体は、0~100℃におけるDSCの吸熱ピークのエネルギーが25J/g未満である、ゴム組成物。当該ゴム組成物を用いたタイヤ。

Description

ゴム組成物およびタイヤ
 本発明は、ゴム組成物およびタイヤに関する。
 一般に、ゴム製品(タイヤ、コンベアベルト、防振ゴム、免震ゴムなど)には高い耐久性(耐破壊特性、耐摩耗性および耐亀裂成長性など)および耐候性が求められる。そして、このような要求を満たすために様々なゴム成分やゴム組成物が開発されている。
 例えば、特許文献1は、共役ジエン部分(共役ジエン化合物由来部分)のシス-1,4結合含量が70.5mol%より大きく、非共役オレフィンの含有量が10mol%以上である、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体を開示している。また、特許文献1では、この共重合体が、耐亀裂成長性および耐候性の良好なゴムを製造するのに用いられることが開示されている。
国際公開第2012/014455号
 しかしながら、本発明者が検討したところ、特許文献1に開示された共重合体を含むゴム組成物には、破断強度において改善の余地があることがわかった。
 そこで、本発明は、破断強度に優れたゴム組成物および当該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することを目的とする。
 本発明に係るゴム組成物は、
 第1の共重合体および第2の共重合体を含み、
 前記第1の共重合体および前記第2の共重合体は、それぞれ、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを有し、
 前記第1の共重合体は、0~100℃における示差走査熱量測定(DSC)の吸熱ピークのエネルギーが25J/g以上であり、
 前記第2の共重合体は、0~100℃におけるDSCの吸熱ピークのエネルギーが25J/g未満である、ゴム組成物である。これにより、破断強度に優れたゴム組成物を提供することができる。
 本発明に係るタイヤは、上記いずれかのゴム組成物を用いた、タイヤである。これにより、破断強度に優れたタイヤを提供することができる。
 本発明によれば、破断強度に優れたゴム組成物および当該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することができる。
 以下、本発明の実施形態について説明する。これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
 本発明では、2以上の実施形態を任意に組み合わせることができる。
 本発明において、DSC測定では、JIS K 7121-1987に準拠して、10℃/minの昇温速度で-150℃から150℃まで昇温する。そして、その時(1st run)の0~100℃における吸熱ピーク(エンタルピー緩和)を求める。
 本発明において、第1および第2の共重合体の共役ジエン単位、非共役オレフィン単位および芳香族ビニル単位の含有量(mol%)は、H-NMRスペクトル(100℃、d-テトラクロロエタン標準:6ppm)の各ピークの積分比より求める。
(ゴム組成物)
 本発明に係るゴム組成物は、
 第1の共重合体および第2の共重合体を含み、
 前記第1の共重合体および前記第2の共重合体は、それぞれ、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを有し、
 前記第1の共重合体は、0~100℃における示差走査熱量測定(DSC)の吸熱ピークのエネルギーが25J/g以上であり、
 前記第2の共重合体は、0~100℃におけるDSCの吸熱ピークのエネルギーが25J/g未満である、ゴム組成物である。これにより、破断強度に優れたゴム組成物を提供することができる。
 以下、本発明に係るゴム組成物の必須成分である第1の共重合体および第2の共重合体について説明する。
 <第1の共重合体および第2の共重合体>
 第1の共重合体および第2の共重合体は、それぞれ、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを有する。第1の共重合体および第2の共重合体の共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位の種類および量は、上述したDSCの吸熱ピークのエネルギー範囲を満たす限り、それぞれ、同じであってもよいし、異なっていてもよい。したがって、以下の共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位の種類および量の説明は、特段の記載がない限り、第1の共重合体および第2の共重合体にそれぞれ独立して適用される。
 共役ジエン単位は、共重合体を製造するために用いた共役ジエン化合物由来の部分を意味する。共役ジエン化合物は、適宜選択すればよい。共役ジエン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 共役ジエン化合物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエンなどが挙げられる。一実施形態では、共役ジエン化合物の炭素数は、4~8である。
 一実施形態では、共役ジエン化合物は、1,3-ブタジエンおよびイソプレンからなる群より選択される1種以上である。別の実施形態では、共役ジエン化合物は、1,3-ブタジエンのみである。
 一実施形態では、第1の共重合体および第2の共重合体の共役ジエン単位は、1,3-ブタジエン単位およびイソプレン単位からなる群より選択される1種以上である。別の実施形態では、第1の共重合体および第2の共重合体の共役ジエン単位は、1,3-ブタジエン単位のみからなる。
 共重合体中の共役ジエン単位の含有量は、特に限定されず、適宜調節すればよい。例えば、1mol%以上、5mol%以上、7mol%以上、9mol%以上、10mol%以上または12mol%以上であり、40mol%以下、20mol%以下、15mol%以下、12mol%以下、10mol%以下、9mol%以下または7mol%以下である。一実施形態では、共重合体中の共役ジエン単位の含有量は、1~40mol%である。これにより、非共役オレフィン単位の量を確保して結晶性を発現し易くなる。
 共重合体中の共役ジエン単位中のシス1,4-結合含量は、適宜調節すればよい。例えば、耐亀裂成長性の観点から、70.5%以上、80%以上または90%以上であることが好ましい。本発明において、共重合体中のブタジエン部分のシス-1,4結合含有量は、H-NMRスペクトル(1,2-ビニル結合の結合量)および13C-NMRスペクトル(シス-1,4結合とトランス-1,4結合の含有量比)の積分比より求める。シス-1,4結合含量は、共重合体全体に対する割合ではなく、共役ジエン単位中の量である。
 非共役オレフィン単位は、共重合体を製造するために用いた非共役オレフィン由来の部分を意味する。非共役オレフィンは、適宜選択すればよい。非共役オレフィンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本発明において、オレフィンは、脂肪族不飽和炭化水素であって、炭素-炭素二重結合を1個以上有する化合物を指す。したがって、後述するスチレンなどの芳香族ビニル化合物は、非共役オレフィンに含まれない。
 非共役オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテンなどが挙げられる。
 一実施形態では、非共役オレフィンの炭素数は、2~10である。
 一実施形態では、非共役オレフィンは、非環状の非共役オレフィン、すなわち、直鎖の非共役オレフィンおよび分岐の非共役オレフィンから選択される1種以上である。別の実施形態では、非共役オレフィンは、α-オレフィンである。α-オレフィンはオレフィンのα位に二重結合を有するため、共役ジエンとの共重合を効率よく行うことができる。
 一実施形態では、非共役オレフィンは、エチレン、プロピレンおよび1-ブテンからなる群より選択される1種以上である。別の実施形態では、非共役オレフィンは、エチレンのみである。
 一実施形態では、第1の共重合体および第2の共重合体の非共役オレフィン単位は、非環状の非共役オレフィン単位である。別の実施形態では、第1の共重合体および第2の共重合体の非共役オレフィン単位は、エチレン単位のみからなる。
 共重合体中の非共役オレフィン単位の含有量は、特に限定されず、適宜調節すればよい。例えば、45mol%以上、55mol%以上、65mol%以上、70mol%以上、75mol%以上、76mol%以上、80mol%以上、81mol%以上、85mol%以上または86mol%以上であり、95mol%以下、90mol%以下、86mol%以下、85mol%以下、81mol%以下、80mol%以下、76mol%以下、75mol%以下または65mol%以下である。一実施形態では、共重合体中の非共役オレフィン単位の含有量は、45~95mol%である。
 第1の共重合体と第2の共重合体のいずれかまたは両方が、非共役オレフィンの単量体単位からなるブロック部分を有する場合、破断強度などの機械的性質に優れるため好ましい。
 芳香族ビニル単位は、共重合体を製造するために用いた芳香族ビニル化合物由来の部分を意味する。芳香族ビニル化合物は、適宜選択すればよい。芳香族ビニル化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
 一実施形態では、芳香族ビニル化合物は、スチレンを含む。別の実施形態では、芳香族ビニル化合物は、スチレンのみである。
 一実施形態では、第1の共重合体および第2の共重合体の芳香族ビニル単位は、スチレン単位を含む。別の実施形態では、第1の共重合体および第2の共重合体の芳香族ビニル単位は、スチレン単位のみからなる。
 共重合体中の芳香族ビニル単位の含有量は、特に限定されず、適宜調節すればよい。例えば、3mol%以上、5mol%以上、10mol%以上、12mol%以上、13mol%以上、15mol%以上、20mol%以上または25mol%以上であり、30mol%以下、25mol%以下、20mol%以下、15mol%以下、13mol%以下、12mol%以下、10mol%以下または5mol%以下である。一実施形態では、共重合体中の芳香族ビニル単位の含有量は、3~30mol%である。これにより、非共役オレフィン単位の量を確保して結晶性を発現し易くなる。
 共重合体の分子量は特に限定されず、適宜調節すればよい。例えば、共重合体の重量平均分子量(Mw)は、10,000以上または50,000以上であり、10,000,000以下、1,000,000以下または600,000以下である。
 共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されず、適宜調節すればよい。例えば、10以下または6以下である。ここで、平均分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンを標準物質として求める。
 第1の共重合体は、0~100℃におけるDSCの吸熱ピークのエネルギーが25J/g以上である。一実施形態では、第1の共重合体の当該エネルギーは、30J/g以上、35J/g以上または38J/g以上であり、200J/g以下、40J/g以下、38J/g以下、35J/g以下または30J/g以下である。
 第2の共重合体は、0~100℃におけるDSCの吸熱ピークのエネルギーが25J/g未満である。一実施形態では、第2の共重合体の当該エネルギーは、20J/g以下、15J/g以下、13J/g以下または12J/g以下であり、0J/gより大きく、5J/g以上、10J/g以上、12J/g以上、13J/g以上、15J/g以上または20J/g以上である。
 本発明に係るゴム組成物は、第1の共重合体および第2の共重合体の共役ジエン単位の含有量が、1~40mol%であり、
 第1の共重合体および第2の共重合体の非共役オレフィン単位の含有量が、45~95mol%であり、かつ
 第1の共重合体および第2の共重合体の芳香族ビニル単位の含有量が、3~30mol%であることが好ましい。これにより、耐候性と耐熱性がより高まる。
 第1の共重合体および第2の共重合体は、それぞれ、上述したDSCの吸熱ピークのエネルギー範囲を満たすものであれば、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 第1の共重合体を得るため、すなわち、0~100℃におけるDSCの吸熱ピークのエネルギーが25J/g以上である共重合体を得るためには、例えば、非共役オレフィン単位量を増やすこと、触媒成分にもよるが、芳香族ビニル単位の含有量を減らすことなどが挙げられる。
 第2の共重合体を得るため、すなわち、0~100℃におけるDSCの吸熱ピークのエネルギーが25J/g未満である共重合体を得るためには、例えば、非共役オレフィン単位量を減らすこと、媒成分にもよるが、芳香族ビニル単位の含有量を増やすことなどが挙げられる。
 第1の共重合体と第2の共重合体の比は、適宜調節すればよい。例えば、第1の共重合体および第2の共重合体の合計質量に対する、第1の共重合体の質量の割合は、40質量%以上、50質量%以上または60質量%以上であり、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下または40質量%以下である。一実施形態では、第1の共重合体および第2の共重合体の合計質量に対する、第1の共重合体の質量の割合は、40~70質量%であり、別の実施形態では、第1の共重合体の質量の割合は、50~70質量%である。
 第1の共重合体および第2の共重合体の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、特許文献1の段落[0030]~[0104]に記載の方法または特開2011-225650号公報の明細書の段落[0028]~[0067]に記載の方法などを用いることで、第1の共重合体および第2の共重合体を製造することができる。
 第1の共重合体および第2の共重合体の製造方法としては、例えば、重合触媒組成物などの触媒の存在下、共役ジエン化合物、非共役オレフィン、および芳香族ビニル化合物を重合する重合工程、カップリング工程、洗浄工程などを含む。
<触媒組成物>
 本発明の触媒組成物は、希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物を含む希土類元素含有化合物(A)と、
 下記一般式(I):
   YR  ・・・ (I)
[式中、Yは、周期表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R及びRは、炭素数1~10の炭化水素基又は水素原子で、Rは炭素数1~10の炭化水素基であり、但し、R、R及びRはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、また、Yが周期表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期表第13族から選択される金属である場合には、a、b及びcは1である]で表わされる有機金属化合物(B)と、
 極性官能基を有する化合物(C)と、
 を含むことを特徴とする。
 本発明の触媒組成物は、極性官能基を有する化合物(C)を含有し、該触媒組成物を共役ジエン化合物の重合に使用すると、生成する共役ジエン系重合体中に、極性官能基を有する化合物(C)が取り込まれる。そのため、本発明の触媒組成物を用いることで、変性された変性共役ジエン系重合体を簡便に製造することができる。なお、いかなるメカニズムで極性官能基を有する化合物(C)が共役ジエン化合物の重合に関与しているかは必ずしも明らかではないが、極性官能基を有する化合物(C)が前記有機金属化合物(B)と反応することで、重合に関与して、極性官能基を有する化合物(C)が重合体中に取り込まれるものと考えられる。
 また、前記極性官能基を有する化合物(C)は、極性官能基を有するため、生成する共役ジエン系重合体は、極性官能基を有することとなる。該極性官能基は、充填剤と親和性を有するため、本発明の触媒組成物を用いることで得られる変性共役ジエン系重合体は、充填剤との親和性が高く、例えば、該変性共役ジエン系重合体をゴム組成物に配合することで、ゴム組成物における充填剤の分散性が向上し、低ロス性、破壊特性、耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる。
 本発明の触媒組成物に用いる希土類元素含有化合物(A)は、希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物を含む。ここで、希土類元素化合物とは、周期表中の原子番号57~71の元素から構成されるランタノイド元素又はスカンジウムもしくはイットリウムを含有する化合物である。なお、ランタノイド元素の具体例としては、ランタニウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミニウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムを挙げることができる。希土類元素含有化合物(A)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
 前記希土類元素含有化合物(A)としては、下記一般式(VI):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
[式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、Cpは、それぞれ独立して置換インデニルを示し、R~Rは、それぞれ独立して炭素数1~3のアルキル基又は水素原子を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0~3の整数を示す]で表されるメタロセン錯体、下記一般式(VII):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
[式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、Cpは、それぞれ独立して置換インデニルを示し、X’は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0~3の整数を示す]で表されるメタロセン錯体、及び下記一般式(VIII):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
[式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpR’は、置換シクロペンタジエニル、置換インデニル、又は置換フルオレニルを示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0~3の整数を示し、[B]は、非配位性アニオンを示す]で表されるハーフメタロセンカチオン錯体が好ましい。
 上記一般式(VI)、(VII)及び(VIII)における中心金属Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムである。ランタノイド元素には、原子番号57~71の15元素が含まれ、これらのいずれでもよい。中心金属Mとしては、サマリウムSm、ネオジムNd、プラセオジムPr、ガドリニウムGd、セリウムCe、ホルミウムHo、スカンジウムSc及びイットリウムYが好適に挙げられる。
 上記一般式(VI)及び(VII)で表されるメタロセン錯体において、式中のCpは、置換インデニルである。インデニル環を基本骨格とするCpは、C7-x又はC11-xで示され得る。ここで、Xは置換インデニル基上の置換基の数であり、Xは1~7又は1~11の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1~20であることが好ましく、1~10であることが更に好ましく、1~8であることがより一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基等が挙げられる。置換インデニルとして、具体的には、2-フェニルインデニル、2-メチルインデニル、1-メチル-2-フェニルインデニル、1,3-ビス(t-ブチルジメチルシリル)インデニル、1-エチル-2-フェニルインデニル、1-ベンジル-2-フェニルインデニル等が挙げられる。なお、一般式(VI)及び(VII)における二つのCpは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
 上記一般式(VI)で表されるメタロセン錯体は、シリルアミド配位子[-N(SiR)(SiR)]を含む。シリルアミド配位子に含まれるR基(一般式(VI)におけるR~R)は、それぞれ独立して炭素数1~3のアルキル基又は水素原子である。また、R~Rのうち少なくとも一つが水素原子であることが好ましい。R~Rのうち少なくとも一つを水素原子にすることで、触媒の合成が容易になり、また、ケイ素まわりのかさ高さが低くなるため、非環状の非共役オレフィン化合物が導入され易くなる。同様の観点から、R~Rのうち少なくとも一つが水素原子であり、R~Rのうち少なくとも一つが水素原子であることが更に好ましい。更に、アルキル基としては、メチル基が好ましい。
 上記一般式(VII)で表されるメタロセン錯体は、シリル配位子[-SiX’]を含む。シリル配位子[-SiX’]に含まれるX’は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオラート基、アミド基、シリル基及び炭素数1~20の炭化水素基からなる群より選択される基である。
 上記一般式(VIII)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体において、式中のCpR’は、置換シクロペンタジエニル、置換インデニル又は置換フルオレニルであり、これらの中でも、置換インデニルであることが好ましい。
 上記一般式(VIII)において、置換シクロペンタジエニル環を基本骨格とするCpR’は、C5-xで示される。ここで、Xは1~5の整数であり、好ましくは1~4の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1~20であることが好ましく、1~10であることが更に好ましく、1~8であることがより一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。置換シクロペンタジエニル環を基本骨格とするCpR’として、具体的には、以下のものが例示される。
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(式中、R’はメチル基又はエチル基を示し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。)
 上記一般式(VIII)において、上記置換インデニル環を基本骨格とするCpR’は、一般式(VI)及び(VII)のCpと同様に定義され、好ましい例も同様である。
 上記一般式(VIII)において、上記置換フルオレニル環を基本骨格とするCpR’は、C139-x又はC1317-xで示され得る。ここで、Xは1~9又は1~17の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1~20であることが好ましく、1~10であることが更に好ましく、1~8であることがより一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。
 上記一般式(VII)及び(VIII)において、X’及びXは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオラート基、アミド基、シリル基及び炭素数1~20の炭化水素基からなる群より選択される基である。
 上記一般式(VII)及び(VIII)において、X’及びXが表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子のいずれでもよいが、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
 上記一般式(VII)及び(VIII)において、X’及びXが表すアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ基、2,6-ジイソプロピルフェノキシ基、2,6-ジネオペンチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-6-イソプロピルフェノキシ基、2-tert-ブチル-6-ネオペンチルフェノキシ基、2-イソプロピル-6-ネオペンチルフェノキシ基等のアリールオキシ基が挙げられ、これらの中でも、2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ基が好ましい。
 上記一般式(VII)及び(VIII)において、X’及びXが表すチオラート基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn-ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec-ブトキシ基、チオtert-ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6-ジ-tert-ブチルチオフェノキシ基、2,6-ジイソプロピルチオフェノキシ基、2,6-ジネオペンチルチオフェノキシ基、2-tert-ブチル-6-イソプロピルチオフェノキシ基、2-tert-ブチル-6-チオネオペンチルフェノキシ基、2-イソプロピル-6-チオネオペンチルフェノキシ基、2,4,6-トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基が挙げられ、これらの中でも、2,4,6-トリイソプロピルチオフェノキシ基が好ましい。
 上記一般式(VII)及び(VIII)において、X’及びXが表すアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニルアミド基、2,6-ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6-ジネオペンチルフェニルアミド基、2-tert-ブチル-6-イソプロピルフェニルアミド基、2-tert-ブチル-6-ネオペンチルフェニルアミド基、2-イソプロピル-6-ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基が挙げられ、これらの中でも、ビストリメチルシリルアミド基が好ましい。
 上記一般式(VII)及び(VIII)において、X’及びXが表すシリル基としては、トリメチルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、ビス(トリメチルシリル)メチルシリル基、トリメチルシリル(ジメチル)シリル基、トリイソプロピルシリル(ビストリメチルシリル)シリル基等が挙げられ、これらの中でも、トリス(トリメチルシリル)シリル基が好ましい。
 上記一般式(VII)及び(VIII)において、X’及びXが表す炭素数1~20の炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基等の他;トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、イソブチル基、トリメチルシリルメチル基等が好ましい。
 上記一般式(VII)及び(VIII)において、X’及びXとしては、ビストリメチルシリルアミド基又は炭素数1~20の炭化水素基が好ましい。
 上記一般式(VIII)において、[B]で示される非配位性アニオンとしては、例えば、4価のホウ素アニオンが挙げられる。該4価のホウ素アニオンとして、具体的には、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニルペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル)フェニル]ボレート、トリデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
 上記一般式(VI)及び(VII)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(VIII)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、更に0~3個、好ましくは0~1個の中性ルイス塩基Lを含む。ここで、中性ルイス塩基Lとしては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアニリン、トリメチルホスフィン、塩化リチウム、中性のオレフィン類、中性のジオレフィン類等が挙げられる。また、上記錯体が複数の中性ルイス塩基Lを含む場合、中性ルイス塩基Lは、同一であっても異なっていてもよい。
 上記一般式(VI)及び式(VII)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(VIII)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、単量体として存在していてもよく、二量体又はそれ以上の多量体として存在していてもよい。
 また、前記希土類元素含有化合物(A)としては、下記一般式(IX):
   M-(NQ)(NQ)(NQ) ・・・ (IX)
[式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムであり、NQ、NQ及びNQはアミド基であり、同一であっても異なっていてもよく、ただし、M-N結合を有する]で表わされる化合物、及び下記一般式(X):
   M-(NQ)(NQ)(Cp) ・・・ (X)
[式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムであり、NQ及びNQはアミド基であり、同一であっても異なっていてもよく、ただし、M-N結合を有し、Cpは、置換インデニルを示す]で表わされる化合物も好ましい。
 上記一般式(IX)及び(X)における中心金属Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムである。ランタノイド元素には、原子番号57~71の15元素が含まれ、これらのいずれでもよい。中心金属Mとしては、サマリウムSm、ネオジムNd、プラセオジムPr、ガドリニウムGd、セリウムCe、ホルミウムHo、スカンジウムSc及びイットリウムYが好適に挙げられる。
 上記一般式(IX)中のNQ、NQ及びNQ、並びに、上記一般式(X)中のNQ及びNQが表すアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基などの脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニルアミド基、2,6-ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6-ジネオペンチルフェニルアミド基、2-tert-ブチル-6-イソプロピルフェニルアミド基、2-tert-ブチル-6-ネオペンチルフェニルアミド基、2-イソプロピル-6-ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6-tert-ブチルフェニルアミド基などのアリールアミド基;ビスジメチルシリルアミド基などのビスジアルキルシリルアミド基;ビストリメチルシリルアミド基などのビストリアルキルシリルアミド基等が挙げられ、ビスジメチルシリルアミド基、ビストリメチルシリルアミド基が好ましい。
 上記一般式(X)において、Cpは、置換インデニルである。インデニル環を基本骨格とするCpは、C7-x又はC11-xで示され得る。ここで、Xは置換インデニル基上の置換基の数であり、Xは1~7又は1~11の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1~20であることが好ましく、1~10であることが更に好ましく、1~8であることがより一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。置換インデニルとして、具体的には、2-フェニルインデニル、2-メチルインデニル、1-メチル-2-フェニルインデニル、1,3-ビス(tert-ブチルジメチルシリル)インデニル、1-エチル-2-フェニルインデニル、1-ベンジル-2-フェニルインデニル等が挙げられる。
 また、上記希土類元素含有化合物(A)としては、炭化水素溶媒に可溶な塩が好ましく、具体的には、上記希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β-ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩が挙げられ、これらの中でも、カルボン酸塩及びリン酸塩が好ましく、カルボン酸塩が特に好ましい。ここで、炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4~10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5~20の飽和脂環式炭化水素、1-ブテン、2-ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
 上記希土類元素のカルボン酸塩としては、下記一般式(XI):
   (R29-COO)M ・・・ (XI)
[式中、R29は炭素数1~20の炭化水素基で、Mは周期表の原子番号57~71の希土類元素である]で表される化合物が挙げられる。ここで、R29は、飽和又は不飽和でもよく、アルキル基及びアルケニル基が好ましく、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでもよい。また、カルボキシル基は、1級、2級又は3級の炭素原子に結合している。該カルボン酸塩として、具体的には、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸[シェル化学(株)製の商品名であって、カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸]等の塩が挙げられ、これらの中でも、2-エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、バーサチック酸の塩が好ましい。
 上記希土類元素のアルコキサイドとしては、下記一般式(XII):
   (R30O)M ・・・ (XII)
[式中、R30は炭素数1~20の炭化水素基で、Mは周期表の原子番号57~71の希土類元素である]で表される化合物が挙げられる。R30Oで表されるアルコキシ基としては、2-エチル-ヘキシルアルコキシ基、オレイルアルコキシ基、ステアリルアルコキシ基、フェノキシ基、ベンジルアルコキシ基等が挙げられる。これらの中でも、2-エチル-ヘキシルアルコキシ基、ベンジルアルコキシ基が好ましい。
 上記希土類元素のβ-ジケトン錯体としては、上記希土類元素のアセチルアセトン錯体、ベンゾイルアセトン錯体、プロピオニトリルアセトン錯体、バレリルアセトン錯体、エチルアセチルアセトン錯体等が挙げられる。これらの中でも、アセチルアセトン錯体、エチルアセチルアセトン錯体が好ましい。
 上記希土類元素のリン酸塩及び亜リン酸塩としては、上記希土類元素と、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)、リン酸ビス(1-メチルヘプチル)、リン酸ビス(p-ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール-p-ノニルフェニル)、リン酸(1-メチルヘプチル)(2-エチルヘキシル)、リン酸(2-エチルヘキシル)(p-ノニルフェニル)、2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシル、2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-p-ノニルフェニル、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1-メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス(p-ノニルフェニル)ホスフィン酸、(1-メチルヘプチル)(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸、(2-エチルヘキシル)(p-ノニルフェニル)ホスフィン酸等との塩が挙げられ、これらの中でも、上記希土類元素と、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)、リン酸ビス(1-メチルヘプチル)、2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシル、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸との塩が好ましい。
 本発明の触媒組成物の存在下で、共役ジエン化合物を重合する場合、前記希土類元素含有化合物(A)のモル量は、使用する共役ジエン化合物のモル量の1/1000以下であることが好ましく、1/2000以下であることが更に好ましい。モル比率をこのように規定することで、得られる変性共役ジエン系重合体中の触媒残渣量を大きく低減させることができる。これにより、該重合体をゴム組成物に配合することで、ゴム組成物の破壊特性を更に向上させることができる。なお、重合反応系において、触媒組成物に含まれる希土類元素含有化合物(A)の濃度は、0.0001~0.2mol/Lの範囲であることが好ましい。
 本発明の触媒組成物に用いる有機金属化合物(B)は、下記一般式(I):
   YR  ・・・ (I)
[式中、Yは、周期表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R及びRは、炭素数1~10の炭化水素基又は水素原子で、Rは炭素数1~10の炭化水素基であり、但し、R、R及びRはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、また、Yが周期表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期表第13族から選択される金属である場合には、a、b及びcは1である]で表わされる。
 上記一般式(I)において、R、R及びRが示す炭素数1~10の炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、イソブチル基等が好ましい。
 前記有機金属化合物(B)としては、下記一般式(XIII):
   AlR ・・・ (XIII)
[式中、R及びRは、炭素数1~10の炭化水素基又は水素原子で、Rは炭素数1~10の炭化水素基であり、但し、R、R及びRはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよい]で表される有機アルミニウム化合物が好ましい。該有機アルミニウム化合物は、上記一般式(I)において、YがAlで、a、b及びcが1である化合物に相当する。
 上記一般式(XIII)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-t-ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ-n-プロピルアルミニウム、水素化ジ-n-ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n-プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。
 前記有機金属化合物(B)は、一種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。
 また、前記有機金属化合物(B)の含有量は、上述の希土類元素含有化合物(A)に対して2倍モル以上であることが好ましく、3~1000倍モルであることが更に好ましい。
 本発明の触媒組成物は、更に、イオン性化合物(D)及びハロゲン化合物(E)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。触媒組成物が、イオン性化合物(D)及びハロゲン化合物(E)を含む場合、極性官能基を有する化合物(C)が、生成する変性共役ジエン系重合体の主鎖中に取り込まれ易くなる。なお、環境への配慮の観点から、本発明の触媒組成物は、ハロゲン化合物(E)よりも、イオン性化合物(D)を含むことが好ましい。
 前記触媒組成物に用いることができるイオン性化合物(D)は、非配位性アニオンとカチオンとからなる。該イオン性化合物(D)としては、上述の希土類元素含有化合物(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物等を挙げることができる。
 ここで、非配位性アニオンとしては、4価のホウ素アニオン、例えば、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニルペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル)フェニル]ボレート、トリデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
 一方、カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等を挙げることができる。カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボニウムカチオン等が挙げられ、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオンとして、より具体的には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオン等が挙げられる。アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン(例えば、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオン)等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオン等が挙げられる。
 従って、イオン性化合物(D)としては、上述の非配位性アニオン及びカチオンからそれぞれ選択し組み合わせた化合物が好ましく、具体的には、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ましい。
 前記イオン性化合物(D)は、一種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。
 また、前記触媒組成物におけるイオン性化合物(D)の含有量は、上述の希土類元素含有化合物(A)に対して0.1~10倍モルであることが好ましく、約1倍モルであることが更に好ましい。
 前記触媒組成物に用いることができるハロゲン化合物(E)としては、ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物等が挙げられる。該ハロゲン化合物(E)は、例えば、上述の希土類元素含有化合物(A)と反応して、カチオン性遷移金属化合物やハロゲン化遷移金属化合物や遷移金属中心が電荷不足の化合物を生成することができる。特に、空気中の安定性を考慮すると、ハロゲン化合物(E)としては、ルイス酸よりも金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物の方が好適に使用できる。また、ハロゲン化合物(E)としては、1つの化合物中にハロゲン原子を2つ以上含む化合物の方が、ハロゲン原子1つのみを有する化合物よりも、反応性がよく、その使用量を減じることが可能となるため、より好ましい。
 上記ルイス酸としては、B(C等のホウ素含有ハロゲン化合物、Al(C等のアルミニウム含有ハロゲン化合物を使用できる他、周期表第4族、第6族、第13族、第14族及び第15族に属する元素を含有するハロゲン化合物等を用いることもできる。好ましくはアルミニウムハロゲン化物又は有機金属ハロゲン化物が挙げられる。また、ハロゲン元素としては、塩素又は臭素が好ましい。
 上記ルイス酸として、具体的には、メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジブチルスズジクロライド、アルミニウムトリブロマイド、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン、四塩化スズ、四塩化チタン、六塩化タングステン等が挙げられ、これらの中でも、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムジブロマイドが特に好ましい。
 上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成する金属ハロゲン化物としては、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化カドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウム、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、ヨウ化金、臭化金等が挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が好ましく、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が特に好ましい。
 また、上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成するルイス塩基としては、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコール等が好ましい。具体的には、リン酸トリブチル、リン酸トリ-2-エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2-エチルヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1-デカノール、ラウリルアルコール等が挙げられ、これらの中でも、リン酸トリ-2-エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2-エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2-エチルヘキシルアルコール、1-デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。
 上記ルイス塩基は、上記金属ハロゲン化物1モル当り、0.01~30モル、好ましくは0.5~10モルの割合で反応させる。このルイス塩基との反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減することができる。
 上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる。
 前記ハロゲン化合物(E)は、一種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。
 前記触媒組成物におけるハロゲン化合物(E)の含有量は、希土類元素含有化合物(A)に対して0~5倍モルであることが好ましく、1~5倍モルであることが更に好ましい。
 本発明の触媒組成物は、更に、置換又は無置換インデン(F)、即ち、インデン及び置換インデン化合物の少なくとも一種を含むことが好ましい。触媒組成物が置換又は無置換インデン(F)を含むことで、触媒活性を向上させることができ、反応時間を短くすることができる。
 前記インデン及び置換インデン化合物は、インデニル基を有する。ここで、置換インデン化合物としては、例えば、2-フェニル-1H-インデン、3-ベンジル-1H-インデン、3-メチル-2-フェニル-1H-インデン、3-ベンジル-2-フェニル-1H-インデン、1-ベンジル-1H-インデン、1,3-tert-ブチルジメチルシリルインデン、1-ベンジルジメチルシリル-3-メチル)インデン等が挙げられ、これらの中でも、1,3-tert-ブチルジメチルシリルインデン、1-ベンジルジメチルシリル-3-メチル)インデンが好ましい。
 前記置換又は無置換インデン(F)の使用量は、触媒活性を向上させる観点から、上述の希土類元素含有化合物(A)1molに対して、0mol超であることが好ましく、0.5mol以上であることが更に好ましく、1mol以上であることが特に好ましく、また、触媒活性の低下を抑制する観点から、前記希土類元素含有化合物(A)1molに対して、3mol以下であることが好ましく、2.5mol以下であることが更に好ましく、2.2mol以下であることが特に好ましい。
<カップリング工程>
 カップリング工程は、前記重合工程において得られた多元共重合体の高分子鎖の少なくとも一部(例えば、末端)を変性する反応(カップリング反応)を行う工程である。前記カップリング工程において、重合反応が100%に達した際にカップリング反応を行うことが好ましい。
 前記カップリング反応に用いるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビス(マレイン酸-1-オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)等のスズ含有化合物;4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ビス(マレイン酸-1-オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)が、反応効率と低ゲル生成の点で、好ましい。カップリング反応を行うことにより、数平均分子量(Mn)の増加を行うことができる。
<洗浄工程>
 洗浄工程は、前記重合工程において得られた多元共重合体を洗浄する工程である。洗浄に用いる媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられるが、重合触媒としてルイス酸由来の触媒を使用する際は、特にこれらの溶媒に対して酸(たとえば塩酸、硫酸、硝酸)を加えて使用することができる。
 添加する酸の量は溶媒に対して15mol%以下が好ましい。これ以上では酸が共重合体中に残存してしまうことで混練及び加硫時の反応に悪影響を及ぼす可能性がある。この洗浄工程により、共重合体中の触媒残渣量を好適に低下させることができる。
 <その他のゴム成分>
 本発明に係るゴム組成物には、上記第1の共重合体および第2の共重合体以外のゴム成分が含まれていてもよい。このようなゴム成分としては、公知のゴム成分から適宜選択すればよい。ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、イソブチレンとp-メチルスチレンの共重合体の臭化物、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリロブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレン共重合体ゴム、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、などが挙げられる。これらのその他のゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
 <その他の成分>
 本発明に係るゴム組成物には、上記第1の共重合体および第2の共重合体の他、ゴム組成物に配合される公知の添加剤を適宜配合してもよい。このような添加剤としては、例えば、補強性充填剤、架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、補強剤、軟化剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、オイルなどが挙げられる。これらは、それぞれ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
 <補強性充填剤>
 補強性充填剤としては、例えば、無機充填剤およびカーボンブラックなどが挙げられる。これらは、それぞれ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。本発明において、カーボンブラックは、無機充填剤に含めないものとする。
 無機充填剤としては、例えば、シリカ、水酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
 無機充填剤を用いる場合、シランカップリング剤などを使用して、適宜無機充填剤の表面処理をしてもよい。
 カーボンブラックとしては、例えば、GPF(General Purpose Furnace)、FEF(Fast Extruding Furnace)、SRF(Semi-Reinforcing Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate SAF)グレードのものなどが挙げられる。
 一実施形態では、本発明に係るゴム組成物は、無機充填剤およびカーボンブラックからなる群より選択される1種以上を含む。
 本発明に係るゴム組成物が補強性充填剤を含む場合、その含有量は適宜調節すればよい。例えば、ゴム成分100質量部に対して、5~200質量部、10~200質量部または10~130質量部である。
 本発明に係るゴム組成物は、第1の共重合体および第2の共重合体を含むゴム成分を含み、
 ゴム成分100質量部に対して、無機充填剤およびカーボンブラックからなる群より選択される1種以上を10~200質量部含むことが好ましい。これにより、ゴム組成物としての性能を低下させることなく、補強性充填剤の効果が得られやすい。
 <架橋剤>
 架橋剤としては、特に制限はなく、適宜選択すればよい。架橋剤としては、例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、無機架橋剤、ポリアミン架橋剤、樹脂架橋剤、硫黄化合物系架橋剤、オキシム-ニトロソアミン系架橋剤硫黄などが挙げられる。
 本発明に係るゴム組成物が架橋剤を含む場合、その含有量は適宜調節すればよい。例えば、ゴム成分100質量部に対し、0.1~20質量部または0.1~10質量部である。
 本発明に係るゴム組成物は、第1の共重合体および第2の共重合体を含むゴム成分を含み、
 ゴム成分100質量部に対して、架橋剤を0.1~10質量部含むことが好ましい。これにより、加硫物の物性が損なわれることを抑制しながら、架橋剤の効果が得られやすい。
 <加硫促進剤>
 加硫促進剤としては、特に制限はなく、適宜選択すればよい。加硫促進剤としては、例えば、グアジニン系化合物、アルデヒド-アミン系化合物、アルデヒド-アンモニア系化合物、チアゾール系化合物、スルフェンアミド系化合物、チオ尿素系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバメート系化合物、ザンテート系化合物などが挙げられる。
 本発明に係るゴム組成物が加硫促進剤を含む場合、その含有量は適宜調節すればよい。例えば、ゴム成分100質量部に対し、0.1~20質量部または0.1~10質量部である。
 本発明に係るゴム組成物の調製方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、第1の共重合体および第2の共重合体を含む各成分を、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサーなどの混練り機を用いて混練りすることによって得られる。また、加硫促進剤と架橋剤以外の成分を非生成(ノンプロ)段階で混合し、その混合物に加硫促進剤と架橋剤を生成(プロ)段階で配合および混合してゴム組成物を調製してもよい。
(ゴム製品)
 本発明に係るゴム組成物を用いて得られるゴム製品としては、特に限定されないが、例えば、タイヤ、コンベアベルト、防振ゴム、免震ゴム、ゴムクローラ、ホース、モランなどが挙げられる。
 本発明に係るゴム組成物を用いてゴム製品を得る方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。ゴム組成物を架橋ないし加硫する条件としては、適宜調節すればよく、例えば、温度120~200℃、加温時間1分間~900分間とすればよい。
(タイヤ)
 本発明に係るタイヤは、上記いずれかのゴム組成物を用いた、タイヤである。これにより、破断強度に優れたタイヤを提供することができる。本発明のゴム組成物のタイヤにおける適用部位としては、特に限定されないが、例えば、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、サイド補強ゴムおよびビードフィラーなどが挙げられる。
 タイヤを製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
 実施例で用いた材料の詳細は以下のとおりである。
シリカ:東ソー・シリカ社製の商品名NipSil AQ
シランカップリング剤:ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製の商品名Si 69(登録商標)
オイル:JX日鉱日石エネルギー社製のJOMO PROCESS NC300BN
WAX:精工化学社製の商品名サンタイト(登録商標)A
老化防止剤:N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製の商品名ノクラック 6C
加硫促進剤1:1,3-ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業社製の商品名ノクセラーD
加硫促進剤2:ビス(2-ベンゾチアゾリル)ペルスルフィド、大内新興化学工業社製の商品名ノクセラーDM-P
加硫促進剤3:N-(tert-ブチル)-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、大内新興化学工業社製の商品名ノクセラーNS-P
 (製造例1)
 十分に乾燥した1000mL耐圧ステンレス反応器に、スチレン220gとトルエン480mLを加えた。これとは別に、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にモノ(ビス(1,3-tert-ブチルジメチルシリル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体1,3-[(t-Bu)MeSi]Gd[N(SiHMe]0.25mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[MeNHPhB(C]0.275mmolおよびジイソブチルアルミニウムハイドライド1.0mmolを仕込み、トルエン40mLを加えて触媒溶液とした。その触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、70℃に加温した。次いで、エチレンを圧力1.5MPaでその耐圧ステンレス反応器に投入し、さらに1,3-ブタジエン25gを含むトルエン溶液110mLを8時間かけてその耐圧ステンレス反応器に投入し、70℃で合計9時間共重合を行った。次いで、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)(NS-5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、共重合体Aを得た。
 (製造例2)
 十分に乾燥した1000mL耐圧ステンレス反応器に、スチレン200gとトルエン500mLを加えた。これとは別に、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に((1-ベンジルジメチルシリル-3-メチル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体1-Benzyldimethyl-3-MethylSi]Gd[N(SiHMe] 0.1mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[MeNHPhB(C] 0.11mmolおよびジイソブチルアルミニウムハイドライド 1.0mmolを仕込み、トルエン40mLを加えて触媒溶液とした。その触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、70℃に加温した。次いで、エチレンを圧力1.5MPaでその耐圧ステンレス反応器に投入し、さらに1,3-ブタジエン22gを含むトルエン溶液95mLを5時間かけてその耐圧ステンレス反応器に投入し、70℃で合計6時間共重合を行った。その後は、製造例1と同様にして、共重合体Bを得た。
 (製造例3)
 十分に乾燥した1000mL耐圧ステンレス反応器に、スチレン70gとトルエン630mLを加えた。これとは別に、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に((1-ベンジルジメチルシリル-3-メチル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体1-Benzyldimethyl-3-MethylSi]Gd[N(SiHMe] 0.07mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[MeNHPhB(C] 0.08mmolおよびジイソブチルアルミニウムハイドライド 0.7mmolを仕込み、トルエン40mLを加えて触媒溶液とした。その触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、70℃に加温した。次いで、エチレンを圧力1.5MPaでその耐圧ステンレス反応器に投入し、さらに1,3-ブタジエン20gを含むトルエン溶液90mLを5時間かけてその耐圧ステンレス反応器に投入し、70℃で合計6時間共重合を行った。その後は、製造例1と同様にして、共重合体Cを得た。
 (製造例4)
 十分に乾燥した1000mL耐圧ステンレス反応器に、スチレン170gとトルエン530mLを加えた。これとは別に、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に((1-ベンジルジメチルシリル-3-メチル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体1-Benzyldimethyl-3-MethylSi]Gd[N(SiHMe] 0.1mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[MeNHPhB(C] 0.11mmolおよびジイソブチルアルミニウムハイドライド 1.0mmolを仕込み、トルエン40mLを加えて触媒溶液とした。その触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、70℃に加温した。次いで、エチレンを圧力1.5MPaでその耐圧ステンレス反応器に投入し、さらに1,3-ブタジエン20gを含むトルエン溶液90mLを5時間かけてその耐圧ステンレス反応器に投入し、70℃で計6時間共重合を行った。その後は、製造例1と同様にして、共重合体Dを得た。
 (製造例5)
 十分に乾燥した1000mL耐圧ステンレス反応器に、スチレン200gとトルエン480mLを加えた。これとは別に、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にモノ(ビス(1,3-tert-ブチルジメチルシリル)インデニル)ビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)ガドリニウム錯体1,3-[(t-Bu)MeSi]Gd[N(SiHMe]0.25mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[MeNHPhB(C]0.275mmolおよびジイソブチルアルミニウムハイドライド1.0mmolを仕込み、トルエン40mLを加えて触媒溶液とした。その触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、70℃に加温した。次いで、エチレンを圧力1.5MPaでその耐圧ステンレス反応器に投入し、さらに1,3-ブタジエン22gを含むトルエン溶液110mLを8時間かけてその耐圧ステンレス反応器に投入し、70℃で合計9時間共重合を行った。次いで、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)(NS-5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、共重合体Eを得た。
 得られた共重合体A~Eについて、エチレン、スチレン、ブタジエンの含有率(mol%)を、以下の方法で測定した。
 得られた共重合体A~E中のエチレン、スチレン、ブタジエン部分の含有率(mol%)をH-NMRスペクトル(100℃、d-テトラクロロエタン標準:6ppm)の各ピークの積分比より求めた。より具体的には、共重合体中のスチレン由来の芳香族水素(5H:7.4-6.4ppm);1,4-ブタジエン結合由来のオレフィン水素(二重結合に結合した水素)(2H:5.3-5.5ppm);およびそれぞれの脂肪族水素(スチレン(3H)+ブタジエン(4H)+エチレン(4H):1.4-2.4ppm、)の積分比より求めた。その結果を表1に示す。
 得られた共重合体A~Eについて、JIS K 7121-1987に準拠して、10℃/minの昇温速度で-150℃から150℃まで昇温してDSC測定を行った。その時の0~100℃における吸熱ピーク(エンタルピー緩和)を求めた。その結果を表1に合わせて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 表1の吸熱ピークのエネルギーから、共重合体AおよびCが、第1の共重合体であり、共重合体B、DおよびEが、第2の共重合体である。
 (実施例1)
 ラボプラストミル(東洋精機社製)にて、表2のノンプロ配合に示す第1の共重合体および第2の共重合体を70℃、50rpmで3分間素練りした。その後、シリカおよびシランカップリング剤ならびに後述するオイル、ステアリン酸、WAXおよび老化防止剤を投入して、70℃にて30rpmでさらに混合した(ノンプロ配合)。得られた混合物を取り出して、冷却、秤量した後、後述するプロ配合に示す成分を投入し、プラベンダーを用いて、50℃にて30rpmで再度混合して(プロ配合)、ゴム組成物を調製した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 ノンプロ配合で配合したオイル、ステアリン酸、WAXおよび老化防止剤の量は以下のとおりである。
オイル:10質量部
ステアリン酸:2.0質量部
WAX:2.0質量部
老化防止剤:1.0質量部
 プロ配合で配合した成分と量は以下のとおりである。
亜鉛華:2.5質量部
加硫促進剤1:1.0質量部
加硫促進剤2:1.0質量部
加硫促進剤3:1.0質量部
硫黄:1.4質量部
 (実施例2~7および比較例1~8)
 ノンプロ配合における成分を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製した。
 破断強度の評価
 各ゴム組成物について、JIS K6251に準拠して、160℃、20分間加硫して得たダンベル状7号形試験片を用いて、100℃で引っ張り試験を行い、破断強度(TS)を測定した。比較例2の測定値を100として、各ゴム組成物の測定値を指数表示した。指数値が大きい程、破断強度に優れることを示す。
 表2に示すように、第1の共重合体および第2の共重合体を組み合わせた実施例では、いずれも、第1の共重合体または第2の共重合体のいずれかを用いた比較例よりも破断強度が向上していた。
 本発明によれば、破断強度に優れたゴム組成物および当該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することができる。

Claims (11)

  1.  第1の共重合体および第2の共重合体を含み、
     前記第1の共重合体および前記第2の共重合体は、それぞれ、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを有し、
     前記第1の共重合体は、0~100℃における示差走査熱量測定(DSC)の吸熱ピークのエネルギーが25J/g以上であり、
     前記第2の共重合体は、0~100℃におけるDSCの吸熱ピークのエネルギーが25J/g未満である、ゴム組成物。
  2.  前記第1の共重合体および第2の共重合体の前記非共役オレフィン単位が、非環状の非共役オレフィン単位である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3.  前記第1の共重合体および第2の共重合体の前記非共役オレフィン単位が、エチレン単位のみからなる、請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4.  前記第1の共重合体および第2の共重合体の前記共役ジエン単位が、1,3-ブタジエン単位およびイソプレン単位からなる群より選択される1種以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5.  前記第1の共重合体および第2の共重合体の前記共役ジエン単位が、1,3-ブタジエン単位のみからなる、請求項1~4のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  6.  前記第1の共重合体および第2の共重合体の前記芳香族ビニル単位が、スチレン単位を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  7.  前記第1の共重合体および第2の共重合体の前記共役ジエン単位の含有量が、1~40mol%であり、
     前記第1の共重合体および第2の共重合体の前記非共役オレフィン単位の含有量が、45~95mol%であり、かつ
     前記第1の共重合体および第2の共重合体の前記芳香族ビニル単位の含有量が、3~30mol%である、請求項1~6のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  8.  前記第1の共重合体および第2の共重合体の合計質量に対する、前記第1の共重合体の質量の割合が、50~70質量%である、請求項1~7のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  9.  前記第1の共重合体および第2の共重合体を含むゴム成分を含み、
     前記ゴム成分100質量部に対して、無機充填剤およびカーボンブラックからなる群より選択される1種以上を10~200質量部含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  10.  前記第1の共重合体および第2の共重合体を含むゴム成分を含み、
     前記ゴム成分100質量部に対して、架橋剤を0.1~10質量部含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  11.  請求項1~10のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いた、タイヤ。
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