JP6015758B2 - 変性シス−1,4−ポリブタジエンの製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち本発明の第1の態様は、ルイス酸および有機ハロゲン化合物の存在下、シス−1,4−ポリブタジエンと下記一般式(1)で表される1〜3置換の芳香族化合物とを反応させて得られたことを特徴とする変性シス−1,4−ポリブタジエンを提供する。
シス−1,4−ポリブタジエンは、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物を含有する重合触媒の存在下、1,3−ブタジエンを重合することにより製造することができる。
重合触媒に用いられる遷移金属化合物としては、コバルト化合物、ニッケル化合物およびチタン化合物などを挙げることができるが、コバルト化合物が好適に用いられる。また、有機アルミニウム化合物としては、ハロゲン含有アルキルアルミニウム化合物及びアルキルアルミニウム化合物などを挙げることができ、これらは単独でも併用して用いることもできる。例えば、コバルト化合物を用いた触媒系(以下、コバルト系触媒組成物という場合がある。)としては、コバルト化合物、ハロゲン含有アルキルアルミニウム化合物および水からなる触媒系またはコバルト化合物、ハロゲン含有アルキルアルミニウム化合物、水およびアルキルアルミニウム化合物からなる触媒系を好ましく用いることができる。
1,3−ブタジエンの重合は、例えば、次のように行う。まず、内部を窒素置換した耐圧容器に1,3−ブタジエンと溶媒を仕込み、次いで、水、分子量調節剤及び有機アルミニウム化合物を仕込んで攪拌する。耐圧容器を所定の温度にした後、遷移金属重合触媒を仕込み、重合を開始する。重合は、常圧または10気圧(ゲ−ジ圧)程度までの加圧下に行われる。
本発明で用いるシス−1,4−ポリブタジエンのムーニー粘度は10〜120、好ましくは15〜100、より好ましくは、20〜70である。ムーニー粘度が上記範囲より大きいと加工が困難であり、上記範囲より小さいと耐摩耗性や低ロス性が低下する傾向がある。
本発明の一実施形態に係る変性シス−1,4−ポリブタジエンは、ルイス酸および有機ハロゲン化合物の存在下、シス−1,4−ポリブタジエンと変性剤である下記一般式(1)で表される1〜3置換の芳香族化合物とを反応させることにより製造することができる。
上記一般式(1)で表される変性剤の例として、具体的には、アニソール、フェネトール、n−プロポキシベンゼン、イソプロポキシベンゼン、n−ブトキシベンゼン、イソブトキシベンゼン、sec−ブトキシベンゼン、n−ペンチルオキシベンゼン、イソペンチルオキシベンゼン、ネオペンチルオキシベンゼン、n−ヘキシルオキシベンゼン、(2−エチルブチルオキシ)ベンゼン、n−オクチルオキシベンゼン、n−デシルオキシベンゼン、ベラトロール、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシベンゼン、1,3−ジエトキシベンゼン、1,4−ジエトキシベンゼン、1,2−ジ−n−プロポキシベンゼン、1,3−ジ−n−プロポキシベンゼン、1,4−ジ−n−プロポキシベンゼン、1,2−ジ−n−ブトキシベンゼン、1,3−ジ−n−ブトキシベンゼン、2−エトキシ−メトキシベンゼン、3−エトキシ−メトキシベンゼン、4−エトキシ−メトキシベンゼン、2−プロポキシ−メトキシベンゼン、3−プロポキシ−メトキシベンゼン、4−プロポキシ−メトキシベンゼン、1,4−ジ−n−ブトキシベンゼン、1,2−メチレンジオキシベンゼン、1,2,3−トリメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼン、1,3,5−トリメトキシベンゼン、フェノール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、2−エトキシフェノール、3−エトキシフェノール、4−エトキシフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、3,4−ジメトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、カテコール、3−メトキシカテコール、レゾルシノール、2−メトキシレゾルシノール、5−エトキシレゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、アネトール、サフロール、イソサフロール、オイゲノール、メチルオイゲノール、イソオイゲノール、メチルイソオイゲノール、ピロガロール、ピロガロールトリメチルエーテル、フロログルシノール、フロログルシノールトリメチルエーテルなどが挙げられる。この中でもフェノール誘導体、カテコール誘導体、レゾルシン誘導体、ヒドロキノン誘導体、および2〜3置換の芳香族系アルケニル化合物からなる群より選択された1種以上の変性剤を用いることが好ましく、さらにフェノール誘導体、カテコール誘導体、レゾルシン誘導体が好ましく、特にアニソール、フェネトール、アネトール、ベラトロール、1,3−ジメトキシベンゼン、1,3−ジエトキシベンゼン、1,2−メチレンジオキシベンゼン、サフロール、イソサフロール、メチルイソオイゲノールが好ましい。また、これらのうち2種類以上を組み合わせて使用しても問題ない。
変性反応に用いられるルイス酸は、一般に知られているものが使用可能である。その代表例は金属または半金属のハロゲン化物であって、例えばBe、B、Al、Si、P、S、Ti、V、Fe、Zn、Ga、Ge、As、Se、Zr、Nb、Mo、Cd、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Hg、Bi、Uなどの元素、またはPO、SeO、SO、SO2、VOなどの酸素−元素結合体のハロゲン化物もしくは有機ハロゲン化物、またはこれらの錯体などが挙げられる。さらに具体的には、BF3、BF3・O(C2H5)2、(CH3)2BF、BCl3、AlCl3、AlBr3、(C2H5)AlCl2、POCl3、TiCl4、VCl4、MoCl6、SnCl4、(CH3)SnCl3、SbCl5、TeCl4、TeBr4、FeCl3、WCl6、Sc(OTf)3、Hf(OTf)3、Sb(OTf)3、Bi(OTf)3、およびGa(OTf)3などが挙げられる。中でも好ましいのはアルミニウムのハロゲン化物またはアルミニウムの有機ハロゲン化物である。
また、本実施形態においては、変性反応におけるルイス酸として、有機アルミニウム化合物を用いることができる。そのため、上記1,3−ブタジエンの重合で用いた有機アルミニウム化合物をルイス酸として引き続き使用することができる。1,3−ブタジエンの重合で用いた有機アルミニウム化合物をルイス酸として引き続き使用することで、変性反応の際に新たなルイス酸を添加する必要がないため好ましい。本実施形態においては、例えば、上記コバルト系触媒組成物に用いられるハロゲン含有アルキルアルミニウム化合物と同じものを用いることが好ましい。なお、有機アルミニウム化合物は、変性反応の際にルイス酸として別途添加することもできる。
変性反応に用いられる有機ハロゲン化合物は、ルイス酸と反応してカルボカチオンを生成するものであれば特に制限はなく、例えば、下記一般式(2)で表されるハロゲン化アルキルを用いることができる。
変性反応は、1,3−ブタジエンの重合停止後、重合に引き続いて行ってもよく、反応生成物中に残留している溶媒や未反応モノマーを除去した後に行ってもよい。また、スチームストリッピング法や真空乾燥法などで重合体を乾燥させた後、シクロヘキサンなどの溶媒に再度溶解させてから行ってもよい。重合系にハロゲン含有アルミニウム化合物などのルイス酸成分が含まれている場合は、1,3−ブタジエンの重合に引き続き変性反応を行うのが好適である。
本実施形態の変性シス−1,4−ポリブタジエンの変性度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を用いる手法により算出する。これについて、図1に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の変性シス−1,4−ポリブタジエンは、単独で、または他の合成ゴム若しくは天然ゴムとブレンドして配合し、必要ならばプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックやシリカ等の充填剤(フィラー)、シランカップリング剤、加硫剤、加硫促進剤、その他の通常の配合剤を加えて加硫することでゴム組成物とすることができる。
ゴム組成物に含まれる他の合成ゴムとしては、加硫可能なゴムが好ましく、具体的にはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリイソプレン、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を挙げることができる。これらの中でもSBRが好ましい。さらにSBRの中でも溶液重合スチレンブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)が特に好ましい。これらのゴムは単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
ゴム組成物に用いられるシランカップリング剤としては、一般式R7 nSiR8 4−nで表される有機珪素化合物で、R7は、ビニル基、アシル基、アリル基、アリルオキシ基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基、アルキル基、フェニル基、水素、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基などから選ばれる反応基を有する炭素数1〜20の有機基であり、R8は、クロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基などから選ばれる加水分解基であり、nは1〜3の整数を示す。
また、本実施形態の変性シス−1,4−ポリブタジエンは、プラスチック、例えば、耐衝撃性ポリスチレンの改質剤として使用する、すなわち、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物を製造することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例中のムーニー粘度、トルエン溶液粘度、数平均分子量、加工性、加硫物の反撥弾性、加硫物のtanδ、永久歪の測定は、以下の方法により行った。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを32.4重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液600mL(シクロヘキサン26.4重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を39.2重量%含有)を仕込み、次に水1.3mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.9mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン5.1mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.005mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。重合反応後に変性剤1,3−ジメトキシベンゼン(DMOB)を430mmol添加し、オートクレーブを昇温した。70℃に内温が到達してから、t−ブチルクロライド3.8mmolを添加して60分反応した。そこに老化防止剤を添加して80℃で3時間真空乾燥した。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの変性度は0.35であった。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを30.3重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液500mL(シクロヘキサン37.3重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を31.2重量%含有)を仕込み、次に水1.1mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.6mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン7.3mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.003mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。重合反応後に変性剤1,3−ジメトキシベンゼン(DMOB)を9.1mmol添加し、オートクレーブを内温70℃まで昇温した。次いで、t−ブチルクロライド15.8mmolを添加して15分反応した。老化防止剤を添加後、重合体をエタノールで析出させ、80℃で3時間真空乾燥した。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを30.3重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液500mL(シクロヘキサン37.3重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を31.2重量%含有)を仕込み、次に水1.1mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.6mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン4.5mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.003mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。重合反応後に変性剤1,3−ジメトキシベンゼン(DMOB)を9.0mmol添加し、80℃まで昇温した。次いで、t−ブチルクロライド3.3mmolを添加して15分反応した。老化防止剤を添加後、重合体をエタノールで析出させ、80℃で3時間真空乾燥した。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
変性剤を1,3−ジエトキシベンゼン(DEOB)とした他は、実施例3と同様に反応を行った。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを30.3重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液500mL(シクロヘキサン37.3重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を31.2重量%含有)を仕込み、次に水1.1mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.6mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン7.3mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.003mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。重合反応後に変性剤ベラトロールを9.2mmol添加し、70℃まで昇温した。次いで、t−ブチルクロライド31.3mmolを添加して15分反応した。老化防止剤を添加後、重合体をエタノールで析出させ、80℃で3時間真空乾燥した。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
変性剤を1,2−メチレンジオキシベンゼン(MDB)とした他は、実施例3と同様に反応を行った。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを30.3重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液500mL(シクロヘキサン37.3重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を31.2重量%含有)を仕込み、次に水1.1mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.6mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン4.5mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.003mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。重合反応後に変性剤アニソールを9.3mmol添加し、70℃まで昇温した。次いで、t−ブチルクロライド3.3mmolを添加して15分反応した。老化防止剤を添加後、重合体をエタノールで析出させ、80℃で3時間真空乾燥した。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
変性剤をフェネトールとした他は、実施例7と同様に反応を行った。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを30.3重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液500mL(シクロヘキサン37.3重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を31.2重量%含有)を仕込み、次に水1.1mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.6mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン4.5mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.003mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。重合反応後に変性剤アネトールを9.3mmol添加し、70℃まで昇温した。次いで、t−ブチルクロライド7.9mmolを添加して15分反応した。老化防止剤を添加後、重合体をエタノールで析出させ、80℃で3時間真空乾燥した。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
変性剤をサフロールとした他は、実施例3と同様に反応を行った。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを30.3重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液500mL(シクロヘキサン37.3重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を31.2重量%含有)を仕込み、次に水1.1mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.6mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン4.5mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.003mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。重合反応後に変性剤イソサフロールを9.0mmol添加し、70℃まで昇温した。次いで、t−ブチルクロライド3.3mmolを添加して15分反応した。老化防止剤を添加後、重合体をエタノールで析出させ、80℃で3時間真空乾燥した。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを30.6重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液600mL(シクロヘキサン36.8重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を31.1重量%含有)を仕込み、次に水1.1mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.6mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン4.5mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.003mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。重合反応後に変性剤1,2−メチレンジオキシベンゼン(MDB)を18mmol添加し、80℃まで昇温した。次いで、t−ブチルクロライド3.3mmolを添加して15分反応した。老化防止剤を添加後、重合体をエタノールで析出させ、80℃で3時間真空乾燥した。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを30.6重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液600mL(シクロヘキサン36.8重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を31.1重量%含有)を仕込み、次に水1.1mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.6mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン4.5mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.003mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。重合反応後に変性剤イソサフロールを9.0mmol添加し、80℃まで昇温した。次いで、t−ブチルクロライド3.3mmolを添加して15分反応した。老化防止剤を添加後、重合体をエタノールで析出させ、80℃で3時間真空乾燥した。得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを32.4重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液600mL(シクロヘキサン26.4重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を39.2重量%含有)を仕込み、次に水1.3mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.9mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン5.3mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.005mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。老化防止剤を添加後、重合体をエタノールで析出させ、80℃で3時間真空乾燥した。得られたシス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
内部を充分窒素置換した1.5リットル容量のステンレス製のオートクレーブに、1,3−ブタジエンを30.6重量%含有するシクロヘキサン−C4留分混合溶液600mL(シクロヘキサン36.8重量%、シス−2−ブテンを主成分とするC4留分を31.1重量%含有)を仕込み、次に水1.3mmol、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.9mmolを加えて攪拌を行ない、シクロオクタジエン5.3mmolを添加した。オートクレーブを昇温し、60℃に内温が到達してから、コバルトオクトエート0.005mmolを加えて、60℃で25分間重合反応を行なった。老化防止剤を添加後、重合体をエタノールで析出させ、80℃で3時間真空乾燥した。得られたシス−1,4−ポリブタジエンの物性を表1に示した。
実施例1で得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンを用い、表2に示す配合処方に従って250ccのラボプラストミルによりSBR及びシリカ等と混練した後、加硫剤及び加硫助剤をオープンロールで混合した。次いで、温度160℃でプレス加硫し、得られた加硫試験片の物性評価を行った。その結果を表3に示した。
比較例1で得られたシス−1,4−ポリブタジエンを用いた他は、試作品1と同様に配合加工し、物性評価を行った。その結果を表3に示した。
SBR:スチレン含量が23%、ML1+4(100℃)70
シリカ:東ソー・シリカ(株)製、商品名 ニップシールAQ
シランカップリング剤:エボニック製、商品名 Si69
オイル:サン石油(SUNOCO)製、サンセンオイル4240
酸化亜鉛:堺化学工業 Sazex 1号
ステアリン酸:花王ステアリン酸
老化防止剤:住友化学 アンチゲン6C
硫黄:細井化学工業(株)製
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製 ノクセラーCZ
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製 ノクセラーD
比較例2で得られたシス−1,4−ポリブタジエンを用い、表4に示す配合処方に従って250ccのラボプラストミルによりSBR及びシリカ等と混練した後、加硫剤及び加硫助剤をオープンロールで混合した。次いで、温度160℃でプレス加硫し、得られた加硫試験片の物性評価を行った。その結果を表5に示した。
実施例12で得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンを用いた他は、試作品3と同様に配合加工し、物性評価を行った。その結果を表3に示した。
実施例13で得られた変性シス−1,4−ポリブタジエンを用いた他は、試作品3と同様に配合加工し、物性評価を行った。その結果を表5に示した。
SBR:スチレン含量が23%、ML1+4(100℃)70
シリカ:エボニック製、商品名 Ultrasil 7000GR
シランカップリング剤:エボニック・デグサ製、商品名 Si75
オイル:代替アロマオイル
酸化亜鉛:堺化学工業 Sazex 1号
ステアリン酸:花王ステアリン酸
老化防止剤:住友化学 アンチゲン6C
硫黄:細井化学工業(株)製
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製 ノクセラーCZ
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製 ノクセラーD
Claims (7)
- 1〜3置換の芳香族化合物が、フェノール誘導体、カテコール誘導体、レゾルシン誘導体、ヒドロキノン誘導体、および2〜3置換の芳香族系アルケニル化合物からなる群より選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の変性シス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
- ルイス酸が有機アルミニウム化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の変性シス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
- 有機ハロゲン化合物が炭素数4〜12の第3級ハロゲン化アルキルであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の変性シス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
- 遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物を含有する重合触媒を用いて1,3−ブタジエンを重合してシス−1,4−ポリブタジエンを製造し、次いで、この重合系内に有機ハロゲン化合物および下記一般式(1)で表される1〜3置換の芳香族化合物を添加して、ルイス酸および前記有機ハロゲン化合物の存在下、前記シス−1,4−ポリブタジエンと下記一般式(1)で表される1〜3置換の芳香族化合物とを反応させることを特徴とする変性シス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
式(1)において、Yは水素、水酸基、アルケニル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、Z1、Z2はそれぞれ水素、水酸基、アルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。 - 遷移金属化合物がコバルト化合物、ニッケル化合物およびチタン化合物からなる群より選択された1種以上であることを特徴とする請求項5に記載の変性シス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
- 1〜3置換の芳香族化合物が、フェノール誘導体、カテコール誘導体、レゾルシン誘導体、ヒドロキノン誘導体、および2〜3置換の芳香族系アルケニル化合物からなる群より選択された1種以上であることを特徴とする請求項6に記載の変性シス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
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