JP2022119431A - ポリブタジエン組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリブタジエン組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性及び低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができるポリブタジエン組成物及びその製造方法を提供する。【解決手段】高分子量ポリブタジエンと低分子量ポリブタジエンとを含む、ポリブタジエン組成物であって、高分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、80×104~400×104であり、低分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、20×104~70×104であり、低分子量ポリブタジエンのゲル浸透クロマトグラフ(GPC)-レーザー光散乱(LLS)-示差屈折率(RI)-粘度(VIS)分析法におけるリニアリティ指数Mark Houwink Slopeは、0.68以上である、ポリブタジエン組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができるポリブタジエン組成物及びその製造に関する。
ポリブタジエンは、タイヤをはじめ、防振ゴム、免震ゴム、ベルト、ホース、ゴムクローラ及び履物部材等の材料として広く用いられている。ポリブタジエンの機能・特性を向上させることを目的として、高分子量ポリブタジエンと低分子量ポリブタジエンを混合した種々のポリブタジエン組成物が提案されている。
特許文献1には、重量平均分子量が25万以上の高分子量ポリブタジエンと、重量平均分子量が0.5万~20万の低分子量ポリブタジエンとを含むポリブタジエン組成物が開示されている。
特許文献2には、重量平均分子量が70万~300万の高分子量ポリブタジエンと、重量平均分子量が0.4万~7万の低分子量ポリブタジエンとを含むポリブタジエン組成物が開示されている。
特許文献3には、重量平均分子量が50万~500万の高分子量ポリブタジエンゴムと、重量平均分子量が0.2万~30万の低分子量ポリブタジエンとを含むポリブタジエン組成物が開示されている。
特開2010-241971号公報 特開平11-124470号公報 特開平11-236411号公報
しかしながら、特許文献1~3には低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができるポリブタジエン組成物は開示されていない。
そこで、本発明は、低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができるポリブタジエン組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下に関する。
[1]高分子量ポリブタジエンと低分子量ポリブタジエンとを含む、ポリブタジエン組成物であって、
高分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、80×10~400×10であり、
低分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、20×10~70×10であり、
低分子量ポリブタジエンのゲル浸透クロマトグラフ(GPC)-レーザー光散乱(LLS)-示差屈折率(RI)-粘度(VIS)分析法におけるリニアリティ指数Mark Houwink Slopeは、0.68以上である、ポリブタジエン組成物。
[2]低分子量ポリブタジエンのゲル浸透クロマトグラフ(GPC)-レーザー光散乱(LLS)-示差屈折率(RI)-粘度(VIS)分析法における分岐数Bnは、1.00以下である、[1]のポリブタジエン組成物。
[3]低分子量ポリブタジエンの5重量%トルエン溶液粘度(5%T-cp)とムーニー粘度(ML1+4、100℃)の比(5%T-cp/ML1+4、100℃)は2.0以上である、[1]又は[2]のポリブタジエン組成物。
[4]ポリブタジエン組成物の3重量%トルエン溶液粘度(3%T-cp)とムーニー粘度(ML1+4、100℃)の比(3%T-cp/ML1+4、100℃)は0.6以上である、[1]~[3]のいずれかのポリブタジエン組成物。
[5]高分子量ポリブタジエンと低分子ポリブタジエンの質量比は、10/90~90/10である、[1]~[4]のいずれかのポリブタジエン組成物。
[6][1]~[5]のいずれかのポリブタジエン組成物を含む、ゴム組成物。
[7][6]のゴム組成物を用いたタイヤ。
[8]ポリブタジエン組成物の製造方法であって、
周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物と分子量調節剤とを用いて、低分子量ポリブタジエンを重合する工程と、高分子量ポリブタジエンを重合する工程と、高分子量ポリブタジエンと、低分子量ポリブタジエンとを混合する工程を含み、
低分子量ポリブタジエンを重合する工程において、分子量調節剤の濃度を高分子量ポリブタジエンを重合する工程における分子量調節剤の濃度より高く調節する工程を含む、
ポリブタジエン組成物の製造方法。
[9]低分子量ポリブタジエンを重合する工程における分子量調節剤の濃度は、6mM以上である[8]のポリブタジエン組成物の製造方法。
[10]高分子量ポリブタジエンを重合する工程は、周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物と分子量調節剤とを用いて、高分子量ポリブタジエンを重合する工程を含む、[8]又は[9]のポリブタジエン組成物の製造方法。
本発明によれば、低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができるポリブタジエン組成物及びその製造方法を提供することができる。
本発明のリニアリティ指数Mark Houwink Slope及び分岐数Bnを求める際に使用するGPC-LLS-RI-VIS分析法により得られたMark Houwinkプロットを示す。横軸は低分子量ポリブタジエンの絶対分子量の対数で、縦軸は低分子量ポリブタジエンの固有粘度の対数である。
<ポリブタジエン組成物>
ポリブタジエン組成物は、高分子量ポリブタジエンと低分子量ポリブタジエンとを含み、高分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、80×10~400×10であり、低分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、20×10~70×10であり、低分子量ポリブタジエンのゲル浸透クロマトグラフ(GPC)-レーザー光散乱(LLS)-示差屈折率(RI)-粘度(VIS)分析法におけるリニアリティ指数Mark Houwink Slopeは、0.68以上である。
ポリブタジエン組成物の3重量%トルエン溶液粘度(3%T-cp)とムーニー粘度(ML1+4、100℃)の比(3%T-cp/ML1+4、100℃)は0.6以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、1.0以上であることが特に好ましい。ポリブタジエン組成物のリニアリティを高くすることで、低燃費性に優れたゴム組成物を得ることができる。
ポリブタジエン組成物のシス-1,4構造の割合は、95%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、98%以上であることが特に好ましい。低燃費性と耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる。
ポリブタジエン組成物のムーニー粘度(ML)は、20~120であることが好ましく、30~100であることがより好ましく、30~90であることが特に好ましい。加工性を維持したまま、低燃費性及び耐摩耗性を向上させることができる。
ポリブタジエン組成物の重量平均分量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.5~5.0であることが好ましく、2.0~4.5であることが好ましく、2.2~4.0であることが特に好ましい。加工性を維持したまま、低燃費性及び耐摩耗性を向上させることができる。
高分子量ポリブタジエンと低分子ポリブタジエンの質量比(高分子量ポリブタジエンの質量/低分子量ポリブタジエンの質量)は、10/90~90/10であることが好ましく、10/90~80/20であることがより好ましく、10/90~60/40であることが更に好ましく、10/90~50/50であることが特に好ましい。加工性を維持したまま、低燃費性及び耐摩耗性を向上させることが出来る。
<高分子量ポリブタジエン>
高分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、80×10~400×10であり、100×10~400×10であることが好ましく、150×10~400×10であることが特に好ましい。耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる。
高分子量ポリブタジエンのシス-1,4構造の割合は、95%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、98%以上であることが特に好ましい。低燃費性と耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができる。
高分子量ポリブタジエンの重量平均分量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.8~3.0であることが好ましく、1.9~2.8であることがより好ましく、2.0~2.5であることが特に好ましい。加工性を維持したまま、低燃費性及び耐摩耗性を向上させることが出来る。
<低分子量ポリブタジエン>
低分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、20×10~70×10であり、低分子量ポリブタジエンのゲル浸透クロマトグラフ(GPC)-レーザー光散乱(LLS)-示差屈折率(RI)-粘度(VIS)分析法におけるリニアリティ指数Mark Houwink Slopeは、0.68以上である。
(リニアリティ指数Mark Houwink Slope及び分岐数Bn)
リニアリティ指数Mark Houwink Slope及び分岐数Bnは、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)-レーザー光散乱(LLS)-示差屈折率(RI)-粘度(VIS)分析法(GPC-LLS-RI-VIS分析法)を用いて求める。
(測定試料調製及びGPC-LLS-RI-VISによる測定方法)
低分子量ポリブタジエン0.050gをテトラヒドロフラン25mLに、室温で溶解させて、2.0mg/mL濃度の測定試料を作成し、以下の測定条件でGPC-LLS-RI-VIS分析を行い、絶対分子量に対する固有粘度を測定する。低分子量ポリブタジエンの絶対分子量の対数を横軸とし、低分子量ポリブタジエンの固有粘度の対数を縦軸としてプロットし、Mark Houwinkプロットを得ることができる(図1)。Mark Houwinkプロットより、リニアリティ指数Mark Houwink Slope及び分岐数Bnを求めることができる。
なお、装置、検出器、プログラム等は下記に限定されず、同等の性能を有する装置、検出器、プログラム等を使用することができる。
(測定条件)
装置:Viscotek GPCmax VE-2001
検出器:Viscotek 305 TDA(低角度レーザー光散乱検出、示差屈折率検出、粘度検出)
プログラム:Viscotek GPCシステム OmniSEC
カラム:Shodex製 KF-805L(2本を直列に接続)
絶対分子量校正用標準物質:ポリスチレン(PS99k、PS235k)
溶媒:テトラヒドロフラン
温度:40℃
流速:1.0mL/分
測定試料濃度:2.0mg/mL
注入量:100μL
(リニアリティ指数Mark Houwink Slope)
リニアリティ指数Mark Houwink Slopeとは、Mark Houwinkプロットから得られる傾きである。直鎖状ポリブタジエンでは、log(分子量)とlog(固有粘度)とは直線関係を示すが、分岐状ポリブタジエンでは高分子量側で傾きが変化し、傾きが緩やかになる。これは、同一分子量ポリブタジエンを比較したとき、分岐状ポリブタジエンは、直鎖状ポリブタジエンより固有粘度が低くなるためである。分岐状ポリブタジエンは、分子量増加に伴う固有粘度の増加が直鎖状ポリブタジエンと比べて緩やかであるため、分岐状ポリブタジエンのMark Houwink Slopeは、直鎖状ポリブタジエンのMark Houwink Slopeより小さくなり、Mark Houwink Slopeを用いることで、ポリブタジエン中の分岐構造を評価することが出来る。従い、リニアリティ指数Mark Houwink Slopeの値が大きいほど、ポリブタジエン内に存在する分岐の数が少ないこと(リニアリティが高いこと)を意味する。
具体的には、RI検出器でピークが検出された分子量範囲において、Mark Houwinkプロットの傾きの平均値として、リニアリティ指数Mark Houwink Slopeを算出する。例えば、図1におけるMark Houwinkプロットの傾きの平均値を算出することができる。Mark Houwinkプロットは、特に、各検出ピーク裾における、ある一定のS/N(シグナル/ノイズ)比の閾値以上の箇所を表示している。S/N比の閾値は、3.0であることが好ましく、2.0であることがより好ましく、1.5であることが特に好ましい。
低分子量ポリブタジエンのリニアリティ指数Mark Houwink Slopeは、0.68以上であり、0.69以上であることが好ましく、0.70以上であることがより好ましく、0.71以上であることが特に好ましい。リニアリティが高いポリブタジエンを得ることができる。
(分岐数Bn)
分岐数Bnとは、直線状ポリブタジエンを基準とし、1高分子鎖当たりの分岐点の数を示す。分岐数Bnが小さいほど、分岐が少なく、リニアリティが高いことを示す。前記測定方法にて得たMark Houwinkプロットを用いて、分子量100,000~1,000,000の範囲にて分岐数を求めることができる。直線状ポリブタジエンは、固有粘度[η]=-3.3040*M0.7170に従うものとして用いる。なお、直鎖状ポリブタジエンの分岐数は0である。連続接続されている粘度計(VIS)より、固有粘度[η]が算出され、下記の式(1)、式(2)及び式(3)の関係より、分岐数Bnが算出される。なお、式(1)の[η]sampleは測定サンプルの固有粘度、[η]standardは直線状ポリブタジエンの固有粘度(-3.3040*M0.7170)を示しており、式(2)の乗数Bは0.75を代入して、式(3)より、分岐数Bnを求める。
Figure 2022119431000001
Figure 2022119431000002
Figure 2022119431000003
低分子量ポリブタジエンの分岐数Bnは、1.00以下であることが好ましく、0.68以下であることがより好ましく、0.65以下であることがより好ましく、0.60以下であることが更に好ましく、0.35以下であることが特に好ましい。よりリニアリティが高い低分子量ポリブタジエンを得ることができる。低分子量ポリブタジエンのリニアリティを高くすることで、低燃費性を向上させることができる。
低分子量ポリブタジエンの5重量%トルエン溶液粘度(5%T-cp)とムーニー粘度(ML1+4、100℃)の比(5%T-cp/ML1+4、100℃)は2.0以上であることが好ましく、2.2以上であることがより好ましく、2.5以上であることが更に好ましく、2.8以上であることが特に好ましい。低分子量ポリブタジエンのリニアリティを高くすることで、低燃費性を向上させることができる。
<ポリブタジエン組成物の製造方法>
ポリブタジエン組成物の製造方法は、周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物と分子量調節剤とを用いて、低分子量ポリブタジエンを重合する工程と、高分子量ポリブタジエンを重合する工程と、低分子量ポリブタジエンと高分子量ポリブタジエンとを混合する工程を含み、低分子量ポリブタジエンを重合する工程において、分子量調節剤の濃度を高分子量ポリブタジエンを重合する工程における分子量調節剤の濃度より高く調節する工程を含む。
<低分子量ポリブタジエンを重合する工程>
低分子量ポリブタジエンを重合する工程は、周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物と分子量調節剤とを用いて、1,3-ブタジエンを重合する工程を含み、分子量調節剤の濃度を高分子量ポリブタジエンを重合する工程における分子量調節剤の濃度より高く調節する工程を含む。
1,3-ブタジエンを重合する工程においては、前記成分以外に、水、周期律表第1~3族の有機金属化合物、溶媒を更に含むことが好ましい。
(周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物)
周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物としては、特に制限されない
が、コバルト、ニッケル又はネオジムを含む金属化合物を含むことが好ましい。
(コバルト化合物)
コバルト化合物としては、コバルトの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものとしては、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩、コバルトのビスアセチルアセトネートやトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルコバルト、コバルトのピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、コバルトのエチルアルコール錯体などが挙げられる。コバルト化合物は、単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
(ニッケル化合物)
ニッケル化合物としては、ナフテン酸ニッケル、ギ酸ニッケル、オクチル酸ニッケル、
ステアリン酸ニッケル、クエン酸ニッケル、安息香酸ニッケル、トルイル酸ニッケル、
ニッケルアセチルアセトナート、アルキルベンゼンスルホン酸ニッケル、ニッケルオキシ
ボレート等が挙げられる。ニッケル化合物は、単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
(ネオジム化合物)
ネオジム化合物は、カルボン酸ネオジム、ネオジムアルコラート、ネオジムアルコキシ
ド、ホスホン酸ネオジム、ネオデカン酸ネオジム、オクタン酸ネオジム、ナフテン酸ネオ
ジム、2,2-ジエチルヘキサン酸ネオジム、2,2-ジエチルヘプタン酸ネオジム、バ
ーサチック酸ネオジム等が挙げられる。ネオジム化合物は、単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
前記金属化合物の中でも、コバルト化合物が好ましく、オクチル酸コバルトがより好ま
しい。低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができるポリブタジエン組成物を得ることができる。
(非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物)
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレート、テトラ(フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トルイル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレートなどが挙げられる。
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成するカチオンとしては、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。
カルベニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ置換フェニルカルベニウムカチオンなどの三置換カルベニウムカチオンが挙げられる。トリ置換フェニルカルベニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンが挙げられる。
アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i-プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンが挙げられる。
ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンが挙げられる。
該イオン性化合物は、上記で例示した非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合わせたものを好ましく用いることができる。中でも、イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’-ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが好ましく、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及び1,1’-ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートからなる群より選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。イオン性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
(分子量調節剤)
分子量調節剤としては、シクロオクタジエン、アレンなどの非共役ジエン類、エチレンプロピレン、ブテン-1などのα-オレフィン類を使用することができるが、シクロオクタジエンが好ましい。
低分子量ポリブタジエンを重合する工程における分子量調節剤の濃度は、6mM以上であることが好ましく、7mM以上であることがより好ましく、8mM以上であることが更に好ましく、10mM以上であることが特に好ましい。リニアリティが高い低分子量ポリブタジエンを得ることができる。
(水)
水としては、イオン交換水や純水を用いることができるが、純水を用いることがこのましい。
(周期律表第1~3族元素の有機金属化合物)
周期律表第1~3族元素の有機金属化合物として、周期律表第1~3族元素の非ハロゲン化有機金属化合物と、周期律表第1~3族元素のハロゲン化有機金属化合物とを併用することができる。こうすることで、ポリブタジエンの収率を大幅に向上させることができる。
(周期律表第1~3族元素の非ハロゲン化有機金属化合物)
周期律表第1~3族元素の非ハロゲン化有機金属化合物としては、非ハロゲン化有機リチウム化合物、非ハロゲン化有機マグネシウム化合物、非ハロゲン化有機アルミニウム化合物等が用いられる。中でも、非ハロゲン化有機アルミニウム化合物が好ましい。非ハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライドが挙げられる。周期律表第1~3族元素の非ハロゲン化有機金属化合物は、単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
(周期律表第1~3族元素のハロゲン化有機金属化合物)
周期律表第1~3族元素のハロゲン化有機金属化合物としては、ハロゲン化有機リチウム化合物、ハロゲン化有機マグネシウム化合物、ハロゲン化有機アルミニウム化合物等が用いられる。中でも、ハロゲン化有機アルミニウム化合物が好ましい。ハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;ジメチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムブロマイド等のジアルキルアルミニウムブロマイド;メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウムセスキクロライド;メチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド等のアルキルアルミニウムセスキブロマイドが挙げられる。周期律表第I~III族元素のハロゲン化有機金属化合物は、単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
(溶媒)
1,3-ブタジエンの重合時には、溶媒を用いることができる。溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、n-ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の飽和脂肪族炭化水素溶媒、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒、1-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン等のC4留分などのオレフィン系炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の石油系炭化水素溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、1,3-ブタジエンそのものを重合溶媒としてもよい。前記溶媒の中でも、ベンゼン、シクロヘキサン、シス-2-ブテンとトランス-2-ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
(各成分の混合又は添加順序)
各成分の混合又は添加順序に関しては、まず、1,3-ブタジエンと、水と、周期律表第1~3族元素の非ハロゲン化有機金属化合物と、周期律表第1~3族元素のハロゲン化有機金属化合物とを混合する(第一工程)。第一工程においては、1,3-ブタジエンの存在下に、水と、周期律表第1~3族元素の非ハロゲン化有機金属化合物と、周期律表第1~3族元素のハロゲン化有機金属化合物とを混合することが好ましい。そして、得られた混合物と、周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と、非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物とを混合する(第二工程)。第二工程においては、得られた混合物に、周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と、非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物とを添加することが好ましい。このような工程により低分子量ポリブタジエンを製造することで、低分子量ポリブタジエンの収率を大幅に向上させることができ、得られる低分子量ポリブタジエンのリニアリティが高くなる。
第一工程では、1,3-ブタジエンの存在下に水と周期律表第1~3族元素の有機金属化合物を添加することで、1,3-ブタジエンを重合するための助触媒が形成される。水と周期律表第1~3族元素の有機金属化合物は同時に添加してもよく、間隔をあけて添加してもよいが、水を添加した後に周期律表第1~3族元素の有機金属化合物を添加することがより好ましい。
第一工程において、1,3-ブタジエンの存在下に水と周期律表第1~3族元素の有機金属化合物を添加した後、熟成することが好ましい。熟成温度は、-50~80℃が好ましく、-10~50℃がより好ましい。熟成時間は、0.01~24時間が好ましく、0.05~5時間がより好ましく、0.1~3時間がさらに好ましい。
第二工程では、第一工程で得られた混合物と、周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と、非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物とを混合し、1,3-ブタジエンを重合する。第二工程においては、第一工程で得られた混合物にコバルト化合物と非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物を添加することで、1,3-ブタジエンを重合することが好ましい。周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物は同時に添加してもよく、間隔をあけて添加してもよいが、周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物を添加後に非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物を添加することがより好ましい。
(重合温度と重合時間)
重合温度は-30~100℃の範囲が好ましく、30~80℃の範囲が特に好ましい。重合時間は10分~12時間の範囲が好ましい。また、重合圧は、常圧又は10気圧(ゲージ圧)程度までの加圧下に行われる。
前記工程で得られる低分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、高分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)より小さく、20×10~70×10であることが好ましい。
<高分子量ポリブタジエンを重合する工程>
高分子量ポリブタジエンを重合する工程は、特に制限されないが、周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物と分子量調節剤とを用いて、1,3-ブタジエンを重合する工程を含むことが好ましく、水、周期律表第1~3族の有機金属化合物、溶媒を更に含むことがより好ましい。
分子量調節剤の濃度は、低分子量ポリブタジエンを重合する工程における分子量調節剤の濃度より高く調節し、6mM未満であることがより好ましく、5mM以下であることがより好ましく、2mM以下であることが更に好ましく、1mM以下であることが特に好ましい。リニアリティが高い高分子量ポリブタジエンを得ることができる。
分子量調節剤の濃度以外については、低分子量ポリブタジエンの製造方法の実施形態と同様である。
前記工程で得られる高分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、低分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)より大きく、80×10~400×10であることが好ましく、100×10~400×10であることがより好ましく、150×10~400×10であることが特に好ましい。
<低分子量ポリブタジエンと高分子量ポリブタジエンを混合する工程>
低分子量ポリブタジエンと高分子量ポリブタジエンの混合方法は特に制限されず、別々に製造した低分子量ポリブタジエンと高分子量ポリブタジエンとをシクロヘキサン等の有機溶媒中で混合することができる。
また、高分子量ポリブタジエンの製造後、分子量調節剤を追添し、分子量調節剤の濃度を調節をして低分子量ポリブタジエンの製造を行うことで、低分子量ポリブタジエンの製造と、低分子量ポリブタジエンと高分子量ポリブタジエンとの混合を同時に行うこともできる。
(高分子量ポリブタジエンと低分子量ポリブタジエンの混合割合)
高分子量ポリブタジエンと低分子量ポリブタジエンとの混合時の質量比(高分子量ポリブタジエンの質量/低分子量ポリブタジエンの質量)は、10/90~90/10であることが好ましく、10/90~80/20であることがより好ましく、10/90~60/40であることが更に好ましく、10/90~50/50であることが特に好ましい。加工性に優れたポリブタジエン組成物を得ることができる。
<ゴム組成物>
ゴム組成物は、ポリブタジエン組成物を含み、他の成分を含んでもよい。
ポリブタジエン組成物は、単独で、又は他の合成ゴム若しくは天然ゴムとブレンドされ、必要であればプロセスオイルで油展し、次いでカーボンブラックやシリカ等の補強剤、プロセスオイル、老化防止剤、加硫剤、加硫助剤、充填剤やシランカップリング剤等のその他の配合剤を加えて加硫し、タイヤ・防振ゴム・ベルト・ホース・免震ゴムなどの工業用品、紳士靴・婦人靴・スポーツシューズなどの履物部材、ゴルフボールといった各種のゴム用途に使用される。
ゴム組成物に含まれる他の合成ゴムとしては、加硫可能なゴムが好ましく、具体的にはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリイソプレン、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム等が挙げられる。また、これらゴムの誘導体、例えば錫化合物で変性されたポリブタジエンや、エポキシ変性、シラン変性、マレイン酸変性されたゴムなども用いることができる。他の合成ゴムは、単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
補強剤としては、カーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤、シンジオタクチック1.2ポリブタジエン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ハイスチレン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラミン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂等の有機補強剤が挙げられる。中でも、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、粒子径が90nm以下で、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの種類としては、例えば、FEF、FF、GPF、SAF、ISAF、SRF、HAF等が好ましく使用される。
プロセスオイルとしては、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
シランカップリング剤としては、一般式R7SiX4-nで表される有機珪素化合物が挙げられ、R7は、ビニル基、アシル基、アリル基、アリルオキシ基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基、アルキル基、フェニル基、水素、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基などから選ばれる反応基を有する炭素数1~20の有機基であり、Xは、クロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基などから選ばれる加水分解基であり、nは1~3の整数を示す。
上記ゴム組成物は、通常のバンバリーミキサーやニーダーなどの混合機によって混練することで得られる。
以下に、本発明に基づく実施例について具体的に記載する。
<ポリブタジエン組成物の評価>
(ミクロ構造分析におけるシス1,4結合含量(Cis))
ポリブタジエン及びポリブタジエン組成物のミクロ構造分析におけるシス1,4結合含量(Cis)の割合については、0.4重量%の二硫化炭素溶液を用いて赤外吸収スペクトル分析を行い、740cm-1(シス)、967cm-1(トランス)、910cm-1(ビニル)の吸収強度比から算出した。
(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn))
ポリブタジエン及びポリブタジエン組成物の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、テトラヒドロフランを溶媒とした温度40℃でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー製)により得られた分子量分布曲線から、標準ポリスチレンを標準物質として作成した検量線を用いて計算した。なお、カラムはShodex製KF-805L(商品名)を2本直列に接続し、検出器は示唆屈折計(RI)を用いた。
また、前記方法により得られた重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の割合から分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(ムーニー粘度(ML1+4,100℃))
低分子量ポリブタジエン及びポリブタジエン組成物のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS K6300に従い、ムーニー粘度計(島津製作所製SMV-200)を使用して100℃で1分予熱した後4分間測定した。
(5重量%トルエン溶液粘度(5%Tcp))
低分子量ポリブタジエンの5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。なお、標準液としては、粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用いた。
(3重量%トルエン溶液粘度(3%Tcp))
ポリブタジエン組成物の3重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー1.34gをトルエン50mlに溶解した後、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。なお、標準液としては、粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用いた。
(5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)/ムーニー粘度(ML1+4,100℃))及び(3重量%トルエン溶液粘度(Tcp)/ムーニー粘度(ML1+4,100℃))
前記測定方法で求めた3重量%トルエン溶液粘度(Tcp)又は5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)をムーニー粘度(ML1+4,100℃)で除することで求めた。
(リニアリティ指数Mark Houwink Slope)
低分子量ポリブタジエン0.050gをテトラヒドロフラン25mLに、室温で30~60分間かけて溶解させた。次に、2.0mg/mL濃度の測定試料を作成し、GPC-LLS-RI-VIS(装置名:Viscotek GPCmax VE-2001型)による測定を行った(設定S/N比閾値;LLS:0.6、RI:0.3、VIS:1.2)。なお、測定装置・測定条件については、発明を実施するための形態に記載の測定装置・測定条件で行った。
次に、前記測定方法により得られたMark Houwinkプロットの傾きより、Mark Houwink Slopeを算出した。
(分岐数Bn)
前記測定方法にて得たMark Houwinkプロットを用いて、分子量100,000~1,000,000の範囲にて、前記式(1)、式(2)及び式(3)を用いて、分岐数Bnを求めた。
<ゴム組成物の評価>
(低燃費性)
ゴム組成物の低ロス性の指標として、Anton Parr製MCR302を用い、温度50℃、周波数15Hz、歪み0.2%の条件での粘弾性測定により、tanδを測定し、比較例1を100とした指数(INDEX)を算出した。この指数が大きいほど、低燃費性が良好であることを示す。
(耐摩耗性)
ゴム組成物の耐摩耗性の指標として、JIS K6264に規定されている測定法に従ってスリップ率30%でランボーン摩耗係数を測定し、比較例1を100とした指数(INDEX)を算出した。この指数が大きいほど、耐摩耗性が良好であることを示す。
(反撥弾性)
JIS K6255に従い、ダンロップ・トリプソメーターを使用して室温で反撥弾性を測定し、比較例1を100とした指数(INDEX)を算出した。指数が大きいほど、反撥弾性が良好であることを示す。
(フィラー分散性)
複素弾性率(G*)のひずみ依存性(ペイン効果)により組成物中におけるフィラーの分散性について、アルファーテクノロジー製のゴム加工性解析装置RPA-2000を使い、55℃、1.667Hzの周波数の条件で動的ひずみ分析を行った。ペイン効果は、ひずみ45%時のG’とひずみ0.7%時のG*の比(G*25%/G*0.5%)である。比較例1を100とした指数(INDEX)を算出した。指数が大きいほど、フィラーの分散性が良好であることを示す。
<高分子量ポリブタジエンの製造方法>
(高分子量ポリブタジエン:A-1)
オートクレーブにシクロヘキサン461ml、1,3-ブタジエン398ml及びC4留分(2ブテン類)91mlを仕込み、混合溶液中のブタジエン濃度を4.9Mとした。混合溶液の含水濃度は0.18mMとした。
この混合溶液の温度を25℃とし、水44μl(2.6mM)を添加し、500rpmで30分間攪拌した。さらに、トリエチルアルミニウム(TEA)1.9mmol(2.0mM)及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)0.96mmol(1.0mM)を添加し、15分間攪拌した。シクロオクタジエン(COD)0ml(0mM) を添加し、60℃へ昇温を開始した。昇温後、オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(4.7mM)を0.42ml(2.1μM)とトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)のトルエン溶液(4mM)を0.75ml(3.2μM)とを同時に添加して、60℃で20分間重合した。
その後、得られた混合溶液に、老化防止剤のエタノール溶液1.5mlを添加して重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で1時間真空乾燥し、高分子量ポリブタジエンを得た。収量は54.5g/Lであった。
(高分子量ポリブタジエン:A-2)
オートクレーブにシクロヘキサン418ml、1,3-ブタジエン392ml及びC4留分(2ブテン類)141mlを仕込み、混合溶液中のブタジエン濃度を4.8Mとした。混合溶液の含水濃度は0.20mMとした。
シクロオクタジエン(COD)の量を0.24ml(2.1mM)、オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(4.7mM)を0.50ml(2.5μM)とトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)のトルエン溶液(4mM)を0.90ml(3.8μM)としたこと以外は、(A-1)と同様の方法で、高分子量ポリブタジエンを得た。収量は72.9g/Lであった。
(高分子量ポリブタジエン:A-3)
シクロオクタジエン(COD)の量を0.55ml(4.7mM)、オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(4.7mM)を0.62ml(3.1μM)とトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)のトルエン溶液(4mM)を1.1ml(4.7μM)としたこと以外は、(A-2)と同様の方法で、高分子量ポリブタジエンを得た。収量は77.2g/Lであった。
(高分子量ポリブタジエン:A-4)
オートクレーブに、重合溶液1.0L(1,3-ブタジエン:40.0質量%、シクロヘキサン:36.0質量%、2-ブテン類:24質量%)を投入した。さらに、水1.67mmol、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)2.26mmol、トリエチルアルミニウム(TEA)0.25mmol(全アルミニウム/水=1.51(混合モル比))、コバルトオクトエート(Cocat)3.87μmol、及びシクロオクタジエン(COD)8.80mmolを加え、60℃で20分間撹拌することで、1,4シス重合を行った。その後、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾールを含むエタノールを加えて重合を停止することで、ポリブタジエン溶液を得た。得られたポリブタジエン溶液から未反応のブタジエン及び2-ブテン類と溶媒を蒸発除去することで高分子量ポリブタジエンを得た。
<低分子量ポリブタジエンの製造方法>
(低分子量ポリブタジエン:B-1)
オートクレーブにシクロヘキサン550ml、1,3-ブタジエン392ml及びC4留分(2ブテン類)141mlを仕込み、混合溶液中のブタジエン濃度を4.8Mとした。混合溶液の含水濃度は0.20mMとした。
この混合溶液の温度を25℃とし、水47μl(2.8mM)を添加し、500rpmで30分間攪拌した。さらに、トリエチルアルミニウム(TEA)1.9mmol(2.0mM)及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)0.96mmol(1.0mM)を添加し、5分間攪拌した。シクロオクタジエン(COD)2.4ml(20.6mM)を添加し、65℃へ昇温を開始した。オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(4.7mM)を1.2ml(6μM)とトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)のトルエン溶液(4mM)を2.15ml(9μM)とを同時に添加して、65℃で20分間重合した。
その後、得られた混合溶液に、老化防止剤のエタノール溶液1.5mlを添加して重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で1時間真空乾燥し、低分子量ポリブタジエンを得た。収量は79.1g/Lであった。
(低分子量ポリブタジエン:B-2)
オートクレーブにシクロヘキサン450ml、1,3-ブタジエン450mlを仕込み、混合溶液中のブタジエン濃度を5.7Mとした。混合溶液の含水濃度は0.17mMとした。
水を53μl(3.3mM)、トリエチルアルミニウム(TEA)を2.5mmol(2.8mM)及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)を0.83mmol(0.9mM)、シクロオクタジエン(COD)を2.0ml(18.1mM)、オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(4mM)を1.35ml(6.0μM)とトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)のトルエン溶液(4mM)を2.00ml(8.9μM)としたこと以外は、(B-1)と同様の方法で、低分子量ポリブタジエンを得た。収量は128.3g/Lであった。
(低分子量ポリブタジエン:B-3)
水を50μl(3.1mM)としたこと以外は、(B-2)と同様の方法で、低分子量ポリブタジエンを得た。収量は123.8g/Lであった。
(低分子量ポリブタジエン:B-4)
水を55μl(3.4mM)、トリエチルアルミニウム(TEA)を2.3mmol(2.5mM)及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)を0.75mmol(0.8mM)、シクロオクタジエン(COD)を1.5ml(13.1mM)、重合温度を60℃としたこと以外は、(B-2)と同様の方法で、低分子量ポリブタジエンを得た。収量は104.9g/Lであった。
(低分子量ポリブタジエン:B-5)
トリエチルアルミニウム(TEA)を2.4mmol(2.6mM)及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)を0.79mmol(0.9mM)、シクロオクタジエン(COD)を1.4ml(12.7mM)、重合温度を60℃としたこと以外は、(B-2)と同様の方法で、低分子量ポリブタジエンを得た。収量は123.2g/Lであった。
(低分子量ポリブタジエン:B-6)
水を48μl(3.0mM)、トリエチルアルミニウム(TEA)を2.4mmol(2.6mM)及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)を0.79mmol(0.9mM)、シクロオクタジエン(COD)を1.4ml(12.7mM)、オクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(4mM)を1.00ml(4.5μM)とトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)のトルエン溶液(4mM)を1.50ml(6.7μM)、重合温度を60℃としたこと以外は、(B-2)と同様の方法で、低分子量ポリブタジエンを得た。収量は87.8g/Lであった。
(低分子量ポリブタジエン:B-7)
オートクレーブにシクロヘキサン460ml、1,3-ブタジエン490mlを仕込み、混合溶液中のブタジエン濃度を4.9Mとした。混合溶液の含水濃度は0.18mMとした。
水を47μl(2.8mM)、トリエチルアルミニウム(TEA)を1.9mmol(2.0mM)及び:ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)を1.0mmol(1.0mM)、シクロオクタジエン(COD)を1.6ml(13.3mM)、オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(4.7mM)を1.20ml(6.0μM)とトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)のトルエン溶液(4mM)を2.15ml(9.0μM)としたこと以外は、(B-1)と同様の方法で、低分子量ポリブタジエンを得た。収量は108.3g/Lであった。
(低分子量ポリブタジエン:B-8)
オートクレーブに重合溶液1.0L(1,3-ブタジエン:36.0質量%、シクロヘキサン:27.0質量%、2-ブテン類:37質量%)を投入した。さらに、水1.72mmol、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)2.32mmol、トリエチルアルミニウム(TEA)0.26mmol(全アルミニウム/水=1.51(混合モル比))、オクテン酸コバルト(Co(Oct))4.00μmol、及びシクロオクタジエン(COD)6.50mmolを加え、65℃で20分間撹拌することで、1,4シス重合を行った。その後、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾールを含むエタノールを加えて重合を停止することで、ポリブタジエン溶液を得た。得られたポリブタジエン溶液から未反応のブタジエン及び2-ブテン類を蒸発除去することで低分子量ポリブタジエンを得た。
<ポリブタジエン組成物の製造方法>
(実施例1~12、比較例1)
高分子量ポリブタジエン(A-1)と低分子量ポリブタジエン(B-1)とを60質量部と40質量部の割合でシクロヘキサン中に溶解し、混合した後に、シクロヘキサン溶媒を乾燥させて、実施例1のポリブタジエン組成物を得た。同様に表1に記載の組成に従って、高分子量ポリブタジエンと低分子量ポリブタジエンとを混合させて、実施例2~12及び比較例1のポリブタジエン組成物を得た。
(実施例13)
オートクレーブにシクロヘキサン301ml、1,3-ブタジエン232ml及びC4留分(2ブテン類)53mlを仕込み、混合溶液中のブタジエン濃度を4.7Mとした。混合溶液の含水濃度は0.17mMとした。
この混合溶液の温度を25℃とし、水27μl(2.7mM)を添加し、500rpmで30分間攪拌した。さらに、トリエチルアルミニウム(TEA)1.19mmol(2.0mM)及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)0.60mmol(1.0mM)を添加し、15分間攪拌した。その後、60℃へ昇温を開始し、昇温後、オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(1.1mM)を0.70ml(1.4μM)とトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)のトルエン溶液(4mM)を0.30ml(2.1μM)を同時に添加して、60℃で20分間重合した(高分子量ポリブタジエンの重合工程、高分子量ポリブタジエン:A-5)。高分子量ポリブタジエンの重合工程が終了した時点における1,3-ブタジエンの転化率は8.5%であった。
得られた混合溶液の温度を65℃とし、1,3-ブタジエン40ml、C4留分(2ブテン類)9ml、シクロオクタジエン(COD)1.3ml(16.7mM)を添加し、オクテン酸コバルト(Co(Oct))のシクロヘキサン溶液(4.7mM)を0.70ml(4.9μM)、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)のトルエン溶液(4mM)を1.00ml(6.4μM)添加して、20分間重合した(低分子量ポリブタジエンの重合工程、低分子量ポリブタジエン:B-9)。低分子量ポリブタジエンの重合工程が終了した時点における1,3-ブタジエンの転化率は35.8%であった。
その後、得られた混合溶液に、老化防止剤のエタノール溶液1.5mlを添加して重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で1時間真空乾燥してポリブタジエン組成物を得た。収量は109.1g/Lであった。
<ゴム組成物の製造方法>
実施例1~13、比較例1のポリブタジエン組成物を用いたゴム組成物を製造した。具体的には、実施例1~13、比較例1のポリブタジエン組成物30重量部と天然ゴム(ML=70)70重量部を250ccのラボプラストミルに投入して、1分間混練した。次に、カーボンブラック(ISAF、三菱化学製ダイアブラックI)50重量部、オイル(H&R製VivaTec 400)3重量部、酸化亜鉛(ZnO♯1)3重量部、ステアリン酸(新日本理化製)を2重量部、及び酸化防止剤(大内新興製ノクラック6C)2重量部を混合して、4分間混練した。混練を開始してから合計で5分間経過した後、混練物をラボプラストミルより取り出した。次に、取り出した混合物を6インチロールに巻きつけてロール混練しながら、加硫剤である粉末硫黄1.5重量部と加硫促進剤(三新化学工業製サンセラーNS)1重量部を添加し、約5分間混合することで、ゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物を温度150℃でプレス加硫し、得られた加硫後のゴム組成物(試験片)について、低燃費性、耐摩耗性、反撥弾性、フィラー分散性の評価を行った。その結果を表1、表2に示す。
Figure 2022119431000004
Figure 2022119431000005
本発明に係るポリブタジエン組成物は、低燃費性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を提供することが可能なので、タイヤをはじめ、防振ゴム、ベルト、ホース、免震ゴム、ゴムクローラ及び履物部材等に用いることができる。

Claims (10)

  1. 高分子量ポリブタジエンと低分子量ポリブタジエンとを含む、ポリブタジエン組成物であって、
    高分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、80×10~400×10であり、
    低分子量ポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)は、20×10~70×10であり、
    低分子量ポリブタジエンのゲル浸
    透クロマトグラフ(GPC)-レーザー光散乱(LLS)-示差屈折率(RI)-粘度(VIS)分析法におけるリニアリティ指数Mark Houwink Slopeは、0.68以上である、
    ポリブタジエン組成物。
  2. 低分子量ポリブタジエンのゲル浸透クロマトグラフ(GPC)-レーザー光散乱(LLS)-示差屈折率(RI)-粘度(VIS)分析法における分岐数Bnは、1.00以下である、請求項1に記載のポリブタジエン組成物。
  3. 低分子量ポリブタジエンの5重量%トルエン溶液粘度(5%T-cp)とムーニー粘度(ML1+4、100℃)の比(5%T-cp/ML1+4、100℃)は2.0以上である、請求項1又は2に記載のポリブタジエン組成物。
  4. ポリブタジエン組成物の3重量%トルエン溶液粘度(3%T-cp)とムーニー粘度(ML1+4、100℃)の比(3%T-cp/ML1+4、100℃)は0.6以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリブタジエン組成物。
  5. 高分子量ポリブタジエンと低分子ポリブタジエンの質量比は、10/90~90/10である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリブタジエン組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のポリブタジエン組成物を含む、ゴム組成物。
  7. 請求項6に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
  8. ポリブタジエン組成物の製造方法であって、
    周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物と分子量調節剤とを用いて、低分子量ポリブタジエンを重合する工程と、
    高分子量ポリブタジエンを重合する工程と、
    低分子量ポリブタジエンと、高分子量ポリブタジエンとを混合する工程を含み、
    低分子量ポリブタジエンを重合する工程において、分子量調節剤の濃度を高分子量ポリブタジエンを重合する工程における分子量調節剤の濃度より高く調節する工程を含む、
    ポリブタジエン組成物の製造方法。
  9. 低分子量ポリブタジエンを重合する工程における分子量調節剤の濃度は、6mM以上である請求項8に記載のポリブタジエン組成物の製造方法。
  10. 高分子量ポリブタジエンを重合する工程は、周期表3~12族の元素又は希土類元素を含む金属化合物と非配位アニオンとカチオンのイオン性化合物と分子量調節剤とを用いて、高分子量ポリブタジエンを重合する工程を含む、請求項8又は9に記載のポリブタジエン組成物の製造方法。
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