JP2021161171A - 共役ジエン重合体用触媒、共役ジエン重合体およびその製造方法、変性共役ジエン重合体およびその製造方法、それらを含む組成物、並びにタイヤ、ゴムベルト - Google Patents

共役ジエン重合体用触媒、共役ジエン重合体およびその製造方法、変性共役ジエン重合体およびその製造方法、それらを含む組成物、並びにタイヤ、ゴムベルト Download PDF

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Abstract

【課題】シス−1,4構造含有率及びリニアリティが高く、変性共役ジエン重合体の変性度を向上させることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を提供することを目的とする。【解決手段】希土類化合物と、ハロゲン元素を含有するシラン化合物とを含む、共役ジエン重合体用触媒。【選択図】なし

Description

本発明は希土類化合物を含む共役ジエン重合体用触媒に関する。
1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンの重合触媒に関しては、従来数多くの提案がなされており、その幾つかは工業化されている。例えば、シス−1,4構造含有率の高い共役ジエン重合体の製造には、チタン、コバルト、ニッケル、ネオジム等の遷移金属化合物と有機アルミニウムを組合せた触媒がよく用いられる。
特許文献1には、嵩高い置換基を有するガドリニウム化合物を用いた共役ジエン重合体用触媒が開示されている。
また、特許文献2には、ガドリニウム化合物と非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物を含む共役ジエン重合体用触媒及び前記触媒により得られたシス−1,4構造含有率が高いポリブタジエンが開示されている。
国際公開第2006/049016号 特開2015−505577号公報
しかし、特許文献1及び2には、シス−1,4構造含有率及びリニアリティが高く、変性共役ジエン重合体の変性度を向上させることができる共役ジエン重合体用触媒は開示されていない。本発明は、シス−1,4構造含有率及びリニアリティが高く、変性共役ジエン重合体の変性度を向上させることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を提供することを目的とする。また、シス−1,4構造含有率及びリニアリティが高く、変性共役ジエン重合体の変性度を向上させることができる共役ジエン重合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下に関する。
[1]希土類化合物と、ハロゲン元素を含有するシラン化合物とを含む、共役ジエン重合体用触媒。
[2]非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物を更に含む、[1]の共役ジエン重合体用触媒。
[3]有機アルミニウム化合物を更に含む、[1]又は[2]の共役ジエン重合体用触媒。
[4]希土類化合物に対するハロゲン元素を含有するシラン化合物モル比は、0.05〜600である、[1]〜[3]の共役ジエン重合体用触媒。
[5]ハロゲン元素を含有するシラン化合物は、トリクロロメチルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン、1,2−ビス(ジメチルクロロシリル)エタン、1,3−ビス(クロロメチル)−1,1,3,3−テトラメチル、1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼン、エチルトリクロロシラン及び1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]〜[4]のの共役ジエン重合体用触媒。
[6]希土類化合物は、Tb、La,Pr、Dy、Ho、Er、Tm、Nd及びGdからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物を含む、[1]〜[5]の共役ジエン重合体用触媒。
[7]希土類化合物は下記一般式(1)で表される化合物を含む、[1]〜[6]のの共役ジエン重合体用触媒。
Figure 2021161171
(R、R、Rは、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜12の置換基を表し、Oは酸素原子を表し、MはTb、La,Pr、Dy、Ho、Er、Tm、Nd又はGd原子を表す。)
[8][1]〜[7]の共役ジエン重合体用触媒を用いて共役ジエン化合物を重合する工程を含む、共役ジエン重合体の製造方法。
[9][1]〜[7]の共役ジエン重合体用触媒を用いて共役ジエン化合物を重合する工程と、前記工程で得られた共役ジエン重合体を変性剤により変性させる工程を含む、変性共役ジエン重合体の製造方法。
[10][8]の共役ジエン重合体の製造方法により製造される、共役ジエン重合体。
[11][9]の変性共役ジエン重合体の製造方法により製造される、変性共役ジエン重合体。
[12]ガドリニウム化合物を含む共役ジエン重合体用触媒と、シクロヘキサン溶媒とを用いて製造された共役ジエン重合体であって、
1,4−シス構造の割合は98%以上である、共役ジエン重合体。
[13]Tcp/MLは、2.5〜5.0である、[12]の共役ジエン重合体。
[14][10]、[12]又は[13]の共役ジエン重合体の末端に変性剤由来の構造を有する、変性共役ジエン重合体。
[15][10]、[12]又は[13]の共役ジエン重合体及び/又は「11」又は[14]の変性共役ジエン重合体を含む、ゴム組成物。
[16][15]のゴム組成物を用いたタイヤ。
[17][15]のゴム組成物を用いたゴムベルト。
本発明により、シス−1,4構造含有率及びリニアリティが高く、変性共役ジエン重合体の変性度を向上させることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を提供することができる。また、シス−1,4構造含有率及びリニアリティが高く、変性共役ジエン重合体の変性度を向上させることができる共役ジエン重合体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の変性共役ジエン重合体の変性度を求めるための、UV/RIの値と(1/Mn)×10との関係を表すグラフである。ここで、UVは、ポリマーのGPC測定によって得られる274nmにおけるUV吸光度から得られるピーク面積値を表し、RIは、示差屈折率から得られるピーク面積値を表す。また、Mnは数平均分子量を表す。
<共役ジエン重合体用触媒>
共役ジエン重合体用触媒は、希土類化合物と、ハロゲン元素を含有するシラン化合物とを含む。共役ジエン重合体用触媒は、非アニオンとカチオンからなるイオン性化合物及び/又は有機アルミニウム化合物を更に含むことが好ましい。
(希土類化合物)
希土類化合物としては、特に制限されないが、Tb、La,Pr、Dy、Ho、Er、Tm、Nd及びGdからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物を含むことが好ましい。
ガドリニウム化合物の例として、三塩化ガドリニウム、三臭化ガドリニウム、三ヨウ化ガドリニウム、硝酸ガドリニウム、硫酸ガドリニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ガドリニウム、酢酸ガドリニウム、トリフルオロ酢酸ガドリニウム、マロン酸ガドリニウム、オクチル酸(エチルヘキサン酸)ガドリニウム、ナフテン酸ガドリニウム、バーサチック酸ガドリニウム、ネオデカン酸ガドリニウム等のガドリニウム塩や、ガドリニウムトリメトキシド、ガドリニウムトリエトキシド、ガドリニウムトリイソプロポキシド、ガドリニウムトリブトキシド、ガドリニウムトリフェノキシドなどのアルコキシド、トリスアセチルアセトナトガドリニウム、トリス(ヘキサンジオナト)ガドリニウム、トリス(ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリスアセトアセタトガドリニウム、シクロペンタジエニルガドリニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルガドリニウムクロライド、トリシクロペンタジエニルガドリニウムなどの有機ガドリニウム化合物、ガドリニウム塩ピリジン錯体、ガドリニウム塩ピコリン錯体等の有機塩基錯体、ガドリニウム塩水和物、ガドリニウム塩アルコール錯体などを挙げることができる。
また、テルビウム化合物、ランタン化合物、プラセオジム化合物、ジスプロシウム化合物、ホルミウム化合物、エルビウム化合物、ツリウム化合物又はネオジム化合物の例としては、前記ガドリニウム化合物のガドリニウムの代わりに、テルビウム、ランタン、プラセオジム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム又はネオジムを含む化合物を挙げることができる。
希土類化合物は、下記の一般式(1)で表される化合物を含むことがより好ましい。シス−1,4構造含有率及びリニアリティが高く、変性共役ジエン重合体の変性度を向上させることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を得ることが出来る
Figure 2021161171
(R、R、Rは、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜12の置換基を表し、Oは酸素原子を表し、MはTb、La,Pr、Dy、Ho、Er、Tm、Nd又はGd原子を表す。)
前記一般式(1)のR、R、Rが炭素数1〜12の置換基を示す場合の具体例としては、メチル基、エチル基、ビニル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、アリール基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トルイル基、フェネチル基などが挙げられる。さらに、それらにヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基などが任意の位置に置換されているものも含まれる。
前記一般式(1)で表されるガドリニウム化合物の例として、トリス(アセチルアセトナト)ガドリニウム、トリス(ヘキサンジオナト)ガドリニウム、トリス(ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリスアセトアセタトガドリニウムなどを挙げることができるが、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウムが好ましい。
前記一般式(1)で表されるテルビウム化合物の例として、トリス(アセチルアセトナト)テルビウム、トリス(ヘキサンジオナト)テルビウム、トリス(ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)テルビウム、トリスアセトアセタトテルビウムなどを挙げることができるが、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウムが好ましい。
前記一般式(1)で表されるランタン化合物の例として、トリス(アセチルアセトナト)ランタン、トリス(ヘキサンジオナト)ランタン、トリス(ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)ランタン、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)ランタン、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)ランタン、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)ランタン、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)ランタン、トリスアセトアセタトランタンなどを挙げることができるが、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタンが好ましい。
前記一般式(1)で表されるプラセオジム化合物の例として、トリス(アセチルアセトナト)プラセオジム、トリス(ヘキサンジオナト)プラセオジム、トリス(ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)プラセオジム、トリスアセトアセタトプラセオジムなどを挙げることができるが、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジムが好ましい。
前記一般式(1)で表されるジスプロシウム化合物の例として、トリス(アセチルアセトナト)ジスプロシウム、トリス(ヘキサンジオナト)ジスプロシウム、トリス(ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリスアセトアセタトジスプロシウムなどを挙げることができるが、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウムが好ましい。
前記一般式(1)で表されるホルミウム化合物の例として、トリス(アセチルアセトナト)ホルミウム、トリス(ヘキサンジオナト)ホルミウム、トリス(ヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)ホルミウム、トリスアセトアセタトホルミウムなどを挙げることができるが、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ホルミウムが好ましい。
前記一般式(1)で表されるエルビウム化合物の例として、トリス(アセチルアセトナト)エルビウム、トリス(ヘキサンジオナト)エルビウム、トリス(ヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)エルビウム、トリスアセトアセタトエルビウムなどを挙げることができるが、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)エルビウムが好ましい。
前記一般式(1)で表されるツリウム化合物の例として、トリス(アセチルアセトナト)ツリウム、トリス(ヘキサンジオナト)ツリウム、トリス(ヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)ツリウム、トリスアセトアセタトツリウムなどを挙げることができるが、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ツリウムが好ましい。
前記一般式(1)で表されるネオジム化合物の例として、トリス(アセチルアセトナト)ネオジム、トリス(ヘキサンジオナト)ネオジム、トリス(ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)ネオジム、トリスアセトアセタトネオジムなどを挙げることができるが、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジムが好ましい。
(ハロゲン元素を含有するシラン化合物)
ハロゲン元素を含有するシラン化合物は、特に制限されないが、塩素元素を含有するシラン化合物、フッ素元素を含有するシラン化合物、臭素元素を含有するシラン化合物が挙げられる。
塩素元素を含有するシラン化合物としては、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、塩素元素を含有する炭素数1〜22の有機シラン化合物が挙げられる。
塩素元素を含有する炭素数1〜22の有機シラン化合物としては、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、クロロメチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、クロロメチルメチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、アリールトリクロロシラン、3−ブロモプロピルトリクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、エチルメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、アリールメチルジクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、トリメチルシリルトリフルオロメタンサルフォネート、ジエチルジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、クロロメチルトリメチルシラン、クロロメチルメトキシジメチルシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロアセトキシトリメチルシラン、クロロメチルジメチルビニルシラン、アリールジメチルクロロシラン、ペンチルトリクロロシラン、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン、ブチルメチルジクロロシラン、ジメチルプロピルクロロシラン、クロロメチルジメチルエトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジクロロシラン、フェニルシラン、ジアリールジクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメチルシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、トリエトキシクロロシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、p−トリルトリクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、メチルフェニルクロロシラン、6−トリクロロシリル−2−ノルボルネン、メチルフェニルシラン、2−トリクロロシリルノルボルネン、2−トリクロロシリルノルボルネン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、ヘキシルメチルジクロロシラン、フェニルビニルジクロロシラン、β−フェニチルトリクロロシラン、ジメトキシフェニルクロロシラン、6−メチルジクロロシリル−2−ノルボルネン、オクチルトリクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、アリールフェニルジクロロシラン、クロロメチルフェニルエチルトリクロロシラン、メチルフェニルビニルクロロシラン、メチル−β−フェニチルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、4−クロロフェニルトリメトキシシラン、メチルオクチルジクロロシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、デシルトリクロロシラン、ジメチルオクチルクロロシラン、デシルメチルジクロロシランン、ジフェニルシラン、ジフェニルシランジオール、ドデシルトリクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジフェニルビニルクロロシラン、テトラデシルトリクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、メチルオクタデシルジクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、ドコシルトリクロロシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,2−ビス(ジメチルクロロシリル)エタン、1,3−ビス(クロロメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−クロロプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ジクロロテトライソプロピルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジクロロトリシロキサン、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、3−(3−クロロプロピル)ヘプタメチルトリシロキサン、1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,7−ジクロロ―1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、3−クロロプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−ヨードプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、1,3,5,7−テトラキス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンなどが挙げられる。
また、フッ素元素を含有するシラン化合物又は臭素元素を含有するシラン化合物としては、前記塩素元素を含有するシラン化合物の塩素原子の代わりに、フッ素原子又は臭素原子を含むシラン化合物が挙げられる。
ハロゲン元素を含有するシラン化合物の中でも、塩素元素を含有するシラン化合物が好ましく、トリクロロメチルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン、1,2−ビス(ジメチルクロロシリル)エタン、1,3−ビス(クロロメチル)−1,1,3,3−テトラメチル、1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼン、エチルトリクロロシラン及び1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、エチルトリクロロシラン及び1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが特に好ましい。シス−1,4構造含有率及びリニアリティが高く、変性共役ジエン重合体の変性度を向上させることができる共役ジエン重合体を製造可能な共役ジエン重合体用触媒を得ることが出来る。
(配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物)
非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物とは、非配位性アニオン及びカチオンを、それぞれ任意に選択して組み合わせた化合物である。
(配位性アニオン)
非配位性アニオンの例として、テトラ(フェニル)ボレート、テトラ(フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トルイル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、トリフェニル(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(フェニル)ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェ−トなどを挙げることができる。
(カチオン)
カチオンの例として、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、フェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。
カルボニウムカチオンの具体例として、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。また、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンの具体例として、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどを挙げることができる。
アンモニウムカチオンの具体例として、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
ホスホニウムカチオンの具体例として、トリフェニルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、テトラ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン、テトラ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのアリールホスホニウムカチオンを挙げることができる。
(非配位性アニオンとカチオンの組み合わせ)
好ましい非配位性アニオンとカチオンの組み合わせは、ホウ素含有化合物とカルボカチオンであり、イオン性化合物の具体例として、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(フルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができる。これらイオン性化合物は単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(有機アルミニウム化合物)
有機アルミニウム化合物の例として、トリアルキルアルミニウムのほか、ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウムハロゲン化合物、ジアルキルアルミニウムハイドライドなどの水素化有機アルミニウム化合物などを挙げることができる。
トリアルキルアルミニウムの具体例として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどを挙げることができる。
有機アルミニウムハロゲン化合物の具体例として、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどを、また、水素化有機アルミニウム化合物の具体例として、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキハイドライドなどを挙げることができる。
これらの有機アルミニウム化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(各成分の割合)
触媒成分の量およびこれら相互の比は、得られる重合体が目的とする物性を有するよう必要に応じて調整する。希土類触媒に対する配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物のモル比は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0が特に好ましい。希土類化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比は、1〜5000が好ましく、10〜2000が特に好ましい。
ハロゲン元素を含有するシラン化合物の量は、得られる共役ジエン重合体の物性(、1,4−シス構造含有率及びリニアリティ)と生産性(共役ジエン重合体の収量)が最適となるよう調整する。通常は、希土類化合物に対するハロゲン元素を含有するシラン化合物のモル比は、0.05〜600の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜300、特に好ましくは1〜150ある。
ハロゲン元素を含有するシラン化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比は、0.1〜800が好ましく、より好ましくは0.5〜400であり、特に好ましくは1〜200である。
各成分の割合を前記範囲とすることで、得られる共役ジエン重合体の1,4−シス構造含有率及びリニアリティを高くすることができ、変性共役ジエン重合体の変性度を向上させることができる。
なお、触媒成分の混合順序について、特に制限はない。
(炭化水素溶媒)
共役ジエン重合体用触媒は、炭化水素溶媒を含んでもよい。炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられるが、シクロヘキサンが好ましい。
(共役ジエン重合体用触媒の調整)
各触媒成分を混合する順序については特に制限はないが、希土類化合物、シラン化合物の順に添加するのが好ましい。また、触媒が有機アルミニウム化合物及び配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物を含む場合は、アルミニウム化合物、配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物、希土類化合物、シラン化合物の順に添加するのが好ましい。
また、各触媒成分はあらかじめ熟成して用いてもよい。熟成は、炭化水素溶媒中、共役ジエン化合物モノマーの存在下又は非存在下において、希土類化合物と、有機アルミニウム化合物と、配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物と、ハロゲン元素を含有するシラン化合物とを混合することが好ましい。
上述のようにして得られる触媒は、無機化合物または有機高分子化合物などに担持して用いることもできる。
<共役ジエン重合体の製造方法>
共役ジエン重合体の製造方法は、前記共役ジエン重合体用触媒を用いて、共役ジエン化合物を重合する工程を含む。
(共役ジエン化合物)
共役ジエン化合物の例として、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて共重合体を得ることもできる。好ましくは1,3−ブタジエンまたはイソプレンである。
(重合の条件等)
重合溶媒に制限はなく、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、上記のオレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素等を用いることができる。特にベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好ましい。また、モノマーそのものを重合溶媒とする塊状重合(バルク重合)を行うこともできる。
重合溶液における希土類化合物の量は、通常、0.0001〜0.1mmol/Lが好ましく、0.0005〜0.05mmol/Lが特に好ましい。
溶液重合における共役ジエン化合物の濃度は5〜70重量%が好ましく、10〜50重量%が特に好ましい。
重合温度は0〜150℃の範囲が好ましく、20〜100℃の範囲が特に好ましい。重合時間は1分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜5時間が特に好ましい。
所定時間重合を行った後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
<共役ジエン重合体>
共役ジエン重合体は、ガドリニウム化合物を含む共役ジエン重合体用触媒と、シクロヘキサン溶媒とを用いて製造され、1,4−シス構造の割合は98%以上である。
また、共役ジエン重合体は、前記共役ジエン重合体の製造方法によって得ることもできる。
ガドリニウム化合物を含む共役ジエン重合体用触媒及び前記重合体用触媒とシクロヘキサン溶媒とを用いた共役ジエン重合体の製造方法の実施形態については、前記共役ジエン重合体用触媒及び前記共役ジエン重合体の製造方法の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
共役ジエン重合体の1,4−シス構造の割合は、98.5%以上であることが好ましく、99%以上であることが特に好ましい。1,4−シス構造の割合が高くなることで、低燃費性を向上させることができる。
25℃で測定した5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)との比(Tcp/ML1+4)は、2.5〜5.0であることが好ましく、3.0〜4.0であることが特に好ましい。Tcp/ML1+4は重合体の分岐度の指標の一つであり、その値が大きいほど分岐度が低い(リニアリティが高い)ことを示す。リニアリティが高いほど低燃費性に優れる。
GPC測定によって得られた数平均分子量(Mn)は、50,000〜800,000であることが好ましく、100,000〜500,000であることが特に好ましい。また、GPC測定によって得られた重量平均重合度(Mw)は、200,000〜1,200,000であることが好ましく、300,000〜1,000,000であることが好ましい。
平均分子量(Mn)と重量平均重合度(Mw)との比(Mn/Mw)は、1〜10であることが好ましく、2〜5であることが特に好ましい。
<変性共役ジエン重合体の製造方法>
変性共役ジエン重合体の製造方法は、前記共役ジエン重合体用触媒を用いて、共役ジエン化合物を重合する工程と、前記工程で得られた共役ジエン重合体を変性剤により変性させる工程を有する。
(共役ジエン重合体を変性剤により変性させる工程)
共役ジエン重合体を変性剤により変性させる工程では、共役ジエン重合体と変性剤とを混合し、特定の温度で加熱することで、変性共役ジエン重合体を得る。
変性剤により変性させる工程では、(1)変性剤を添加したのち、重合停止剤を添加し、反応生成物中に残留している溶媒や未反応の共役ジエン化合物等をスチームストリッピング法や真空乾燥法などで除去する方法、あるいは、重合停止剤を添加したのち、変性剤を添加する方法、あるいは、(2)合成した共役ジエン重合体を洗浄、乾燥して得た重合体乾燥物を溶媒に再度溶解させたのち、変性剤と触媒を添加する方法などが挙げられる。重合停止剤の種類によっては、共役ジエン重合体が変性剤と反応する部位の活性を低下させることがあるため、重合停止前に変性剤を添加する方法が好ましい。
(変性剤)
本発明で用いられる変性剤としては、公知の変性剤いずれも用いることができ、例えば、極性官能基を有する芳香族化合物が挙げられる。その中でも、芳香族カルボニル化合物、より好ましくはアミノ基及び/またはアルコキシ基を有する芳香族カルボニル化合物、ハロゲン化ベンジル化合物、より好ましくはアルコキシ基を有するハロゲン化ベンジル化合物、及び芳香族アルデヒド化合物、より好ましくはアルコキシ基を有する芳香族アルデヒド化合物が好ましい。これらの変性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ基を有する芳香族カルボニル化合物としては、アミノベンゾフェノン化合物が好ましく、またアミノ基が炭素原子数1〜6のアルキル基と結合したアルキルアミノ基であることも好ましい。その具体的な化合物の例としては、4−ジメチルアミノアセトフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−ジブチルアミノベンゾフェノン、4−ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、等が挙げられる。これらの化合物の中で、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンや4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
本発明で用いる変性剤としては、アルコキシ基を有する有機珪素化合物も好ましい。ある実施態様においては、変性剤としてアルコキシ基を有する有機珪素化合物を用いることで、ゲル化を抑制して変性共役ジエン重合体を得ることができる。
これらの変性剤は、単独で使用しても、あるいは二種類以上組み合わせて用いてもよい
(変性剤により変性させる工程の条件)
変性剤により変性させる工程で使用する有機溶媒としては、共役ジエン重合体と反応しない溶媒も使用できる。通常は、共役ジエン重合体の製造に用いた溶媒と同じ溶媒を使用することが好ましい。その具体例としては、ベンゼン、クロルベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタンなどの炭素原子数5〜10の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、テトラリン、デカリンなどの脂環族炭化水素系溶媒などを挙げることができる。また、塩化メチレンやテトラヒドロフランなども使用することができる。
変性反応の反応溶液の温度(反応温度)は、0〜100℃の範囲にあることが好ましく、10〜90℃の範囲にあることが更に好ましい。変性剤がアルコキシ基を有する有機珪素化合物の場合は、変性反応の反応溶液の温度は、特に50〜90℃の範囲にあることが好ましいことがある。温度が低すぎると変性反応の進行が遅くなり、温度が高すぎると重合体がゲル化しやすくなる。ある実施態様においては、変性反応の反応溶液の温度(反応温度)は、50℃以下、より好ましくは40℃以下、より好ましくは0〜30℃の範囲にあることが好ましいことがある。
変性反応の時間(反応時間)には特に制限はないが、1分〜5時間の範囲にあることが好ましく、3分〜1時間の範囲にあることがさらに好ましい。変性反応時間が短すぎると反応が充分進行しないことがあり、時間が長すぎると重合体がゲル化しやすくなる。
変性反応における反応溶液中の共役ジエン重合体の量は、溶媒1リットル当り、通常は2〜500g、好ましくは5〜300g、更に好ましくは10〜200gの範囲にあることが好ましい。変性剤がアルコキシ基を有する有機珪素化合物の場合は、変性反応における反応溶液中の共役ジエン重合体の量は、溶媒1リットル当り、通常は5〜500g、好ましくは20〜300g、更に好ましくは30〜200gの範囲にあることが好ましい。
変性反応における変性剤の使用量は、共役ジエン重合体100gに対して、通常は0.01〜150ミリモル、好ましくは0.1〜100ミリモル、更に好ましくは0.2〜50ミリモルの範囲にあることが好ましい。変性剤の使用量が少な過ぎると、変性共役ジエン重合体中に導入される変性基の量が少なくなり、変性効果が少なくなることがある。変性剤の使用量が多すぎると、変性共役ジエン重合体中に未反応変性剤が残存し、その除去に手間がかかることがある。
なお、本発明の変性共役ジエン重合体の製造方法における共役ジエン化合物の重合反応は、上述した本発明の共役ジエン重合体の製造方法の重合反応と同様にして実施することができる。変性共役ジエン重合体の場合は、重合温度は−30〜150℃の範囲が好ましく、0〜80℃の範囲がより好ましい。
重合時間は1分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜5時間が特に好ましく、10分〜1時間がさらに好ましい。
(変性共役ジエン重合体の変性度)
本発明の変性共役ジエン重合体の変性度は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を用いる手法により算出することができる。
図1において、縦軸は、GPC測定によって得られたポリマーの274nmにおけるUV吸光度から得られるピーク面積値UVと、示差屈折率(RI)から得られるピーク面積値RIの比、UV/RIの値を示す。横軸は、(1/Mn)×10の値を示し、Mnは数平均分子量である。
図1において、Li−BR(未変性)は、Li系触媒によるリビングアニオン重合によって1,3−ブタジエンを重合したポリマーそのもののUV/RIの値を、異なる数平均分子量Mnのポリマーについてプロットしたもので、直線として近似することができる。また、Li−BR(変性)は、Li系触媒によるリビングアニオン重合によって重合した後、重合末端と所定の変性剤を反応させて変性したポリマーのUV/RIの値を、異なる数平均分子量Mnのポリマーについてプロットしたもので、直線として近似することができる。
リビングアニオン重合の場合は、ポリマー1分子と変性剤1分子が定量的に反応することから、ある数平均分子量(Mn1)におけるLi−BR(変性)のUV/RI値とLi−BR(未変性)のUV/RI値の差をAとする。これはその数平均分子量(Mn1)である1分子鎖に変性剤が1分子反応した場合のUV/RI値の変化量を示すため、この値を基準に変性度を算出することができる。
Li−BRと同様にして、ある数平均分子量(Mn1)である本発明の変性シス−1,4−ポリブタジエンと、変性に用いたものと同じ方法で得られた未変性のシス−1,4−ポリブタジエンについて、それぞれUV/RI値を算出してその差をBとすると、本発明の変性シス−1,4−ポリブタジエンの変性度は、以下の式(2)で表すことができる。
変性度 = B/A ・・・(2)
変性共役ジエン重合体の変性度は、特に限定されるものではないが、0.1以上が好ましい。変性度を0.1以上とすることで、変性による効果を向上させることができ、変性剤の極性官能基(アミノ基、アルコキシ基等)とフィラー(充填剤)の極性官能基との相互作用により、ゴム組成物中でのフィラーの分散性を高めることで、低燃費性を向上させることができる。
<変性共役ジエン重合体>
変性共役ジエン重合体は、前記共役ジエン重合体の末端に変性剤由来の構造を有する。また、変性共役ジエン重合体は前記変性共役ジエン重合体の製造方法により製造することができる。
変性共役ジエン重合体の1,4−シス構造の割合は、低燃費性を向上させる観点から、98%以上であることが好ましく、98.5%以上であることがより好ましく、99%以上であることが特に好ましい。
25℃で測定した5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4)との比(Tcp/ML1+4)は、2.5〜5.0であることが好ましく、3.0〜4.0であることが特に好ましい。Tcp/ML1+4は重合体の分岐度の指標の一つであり、その値が大きいほど分岐度が低い(リニアリティが高い)ことを示し、リニアリティが高いほど、低燃費性に優れる。
GPC測定によって得られた数平均分子量(Mn)は、50,000〜800,000であることが好ましく、100,000〜500,000であることが特に好ましい。また、GPC測定によって得られた重量平均重合度(Mw)は、200,000〜1,200,000であることが好ましく、300,000〜1,000,000であることが好ましい。
平均分子量(Mn)と重量平均重合度(Mw)との比(Mn/Mw)は、1〜10であることが好ましく、2〜5であることが特に好ましい。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、前記共役ジエン重合体及び/又は前記変性共役ジエン重合体を含む。ゴム組成物は、前記共役ジエン重合体及び前記変性共役ジエン重合体以外のジエン系重合体と、ゴム補強剤とを更に含むことが好ましい。
(ジエン系重合体)
ジエン系重合体としては、加硫可能なゴムが好ましく、具体的には天然ゴム(NR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリイソプレン、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を挙げることができる。これらの中でもNR及びSBRが好ましい。さらにSBRの場合、特に限定されるものではないが、中でも溶液重合スチレンブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)が特に好ましい。これらのゴムは単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
(ゴム補強剤)
各種のカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤が挙げられる。これらの中でも、通常、カーボンブラック及びシリカが好ましい。これらのゴム補強剤は単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
シリカは、二酸化珪素(一般式SiOで示される)の他に、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩などのケイ酸系充填材が挙げられる。また、乾燥シリカ、沈殿法シリカ、ゲル法シリカ、コロイダルシリカなどシリカの凝集状態、及び湿式法、乾式法などの製造方法について特に制限されない。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは、耐摩耗性の優れた湿式シリカが挙げられる。
(その他の成分)
本発明に係るゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を含んでもよい。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などを用いることができる。加硫剤は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜3質量部程度を配合することが好ましい。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などを用いることができる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、珪藻土等の無機充填剤、カーボンブラック、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
(ゴム組成物の製造方法)
ゴム組成物は、前記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる
具体的には、本発明のゴム組成物は、前記共役ジエン重合体及び/又は前記変性共役ジエン重合体単独で、またはジエン系重合体を混合し、必要に応じてプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックなどの充填剤、加硫剤、加硫促進剤その他の通常の配合剤を加えて加硫し、タイヤ、ホース、ベルト、クローラ、その他の各種工業用品等の機械的特性、耐摩耗性等が要求されるゴム用途に使用することができる。
(各成分の割合)
ゴム組成物の混合割合は、好ましくは、共役ジエン重合体もしくは変性共役ジエン重合体90〜5質量部と、前記以外のジエン系重合体10〜95質量部とからなるゴム成分100質量部と、ゴム補強剤20〜120質量部である。
(ゴム組成物の用途)
本発明によって得られるゴム組成物は、タイヤ・防振ゴム・ベルト・ホース・免震ゴムなどの工業用品や、紳士靴、婦人靴、スポーツシューズなどの履物といった各種のゴム用途に使用することができる。その場合、ゴム成分中に少なくとも本発明のポリブタジエン等の本発明の共役ジエン重合体、又は本発明の変性共役ジエン重合体を10重量%以上含有するように配合することが好ましい。また、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物は、公知の各種成形品に用いることができるが、難燃性、耐衝撃強度、引張強度に優れるために電気・工業用途分野、包装材料、住宅関連材料、OA機器用材料、工具、日用品等に好適である。例えばテレビ、パソコン、エアコンなどの筐体、複写機やプリンターなど事務機器の外装材、冷凍食品、乳酸飲料、アイスクリームなどの食品容器といった広範な用途に用いることができる。
<タイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物>
タイヤ用ゴム組成物は、前記共役ジエン重合体及び/又は前記変性共役ジエン重合体と、前記共役ジエン重合体及び前記変性共役ジエン重合体以外のジエン系重合体とからなるゴム成分又は前記ゴム成分と、ゴム補強剤とを含み、上記ゴム成分100質量部に対して上記ゴム補強剤を30〜80質量部含有することが好ましい。
また、ゴムベルト用ゴム組成物は、前記共役ジエン重合体又は前記変性共役ジエン重合体と、前記以外のジエン系重合体とからなるゴム成分と、ゴム補強剤とを含み、上記ゴム成分100質量部に対して上記ゴム補強剤を20〜70質量部含有することが好ましい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物は、共役ジエン重合体又は変性共役ジエン重合体以外のジエン系重合体を含み、共役ジエン重合体又は変性共役ジエン重合体90〜5質量部に対して、共役ジエン重合体又は変性共役ジエン重合体以外のジエン系重合体10〜95質量部を配合することが好ましい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物に配合されるジエン系重合体としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、及びポリイソプレンのうち少なくとも一種以上であることが好ましい。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。重合条件並びに重合結果、あるいは重合条件、変性条件並びに重合結果については表にまとめて記載した。物性等の測定方法は以下の通りである。
<ポリブタジエン、変性ポリブタジエンの評価>
(収量)
反応溶液1Lあたりの共役ジエン重合体又は変性共役ジエン重合体の生成量(g又はkg)である。
(触媒活性)
重合反応に使用した触媒のガドリニウム1mmol当たり、重合時間1時間当たりの重合体収量(g又はkg)である。
(ムーニー粘度(ML1+4、100℃))
JIS−K6300−1に従い株式会社島津製作所製のムーニー粘度計を使用して100℃で1分間予熱したのち、4分間測定してゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)を求めた。
(Tcp/ML)
Tcp/MLは、5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)及びムーニー粘度(ML1+4、100℃)の比であるTcp/MLより求めた。なお、5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は以下の方法により測定を行った。
(5重量%トルエン溶液粘度(Tcp))
ポリブタジエンの5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー0.50gをトルエン11mlに溶解した後、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。なお、標準液としては、粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用いた。
(ミクロ構造)
赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス734cm−1、トランス967cm−1、ビニル910cm−1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
(数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw))
ポリスチレンを標準物質としてテトラヒドロフランを溶媒として温度40℃で、GPC(株式会社島津製作所製)法により行い、得られた分子量分布曲線から求めた検量線を用いて計算し、数平均分子量並びに重量平均分子量を求めた。
(分子量分布(Mw/Mn))
ポリスチレンを標準物質として用いたGPCから求めた重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの比であるMw/Mnによって評価した。
<共役ジエン重合体の製造例>
(実施例A−1)
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒245ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)2.0mLを添加した。次に、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)2.0mLを添加した後、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム(Gd(dpm))のシクロヘキサン溶液(0.005mol/L)0.8mLおよびエチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液(1.000mol/L)3.0mLを添加した。40℃で25分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mLを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。その他の重合結果を表1に示した。
(実施例A−2)
エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液の添加量を3.5mLとした以外は、実施例A−1と同様に重合を行った。重合結果を表1に示した。
(実施例A−3)
エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液の添加量を4.0mLとした以外は、実施例A−1と同様に重合を行った。重合結果を表1に示した。
(実施例A−4)
シクロヘキサンの量を240mLとし、エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液の添加量を5.0mLとした以外は、実施例A−1と同様に重合を行った。重合結果を表1に示した。
(実施例A−5)
エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液を1、2−ビス(トリクロロシリル)エタンのシクロヘキサン溶液(1.000mol/L)0.70mLとした以外は、実施例A−1と同様に重合を行った。重合結果を表1に示した。
(実施例A−6)
エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液を1、2−ビス(トリクロロシリル)エタンのシクロヘキサン溶液(1.000mol/L)0.76mLとした以外は、実施例A−1と同様に重合を行った。重合結果を表1に示した。
(実施例A−7)
エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液を1、2−ビス(トリクロロシリル)エタンのシクロヘキサン溶液(1.000mol/L)0.80mLとした以外は、実施例A−1と同様に重合を行った。重合結果を表1に示した。
(実施例A−8)
エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液を1、2−ビス(トリクロロシリル)エタンのシクロヘキサン溶液(1.000mol/L)1.00mLとした以外は、実施例A−1と同様に重合を行った。重合結果を表1に示した。
(実施例A−9)
エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液を1、2−ビス(トリクロロシリル)エタンのシクロヘキサン溶液(1.000mol/L)1.25mLとした以外は、実施例A−1と同様に重合を行った。重合結果を表1に示した。
(比較例A−1)
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒245ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.6mLを添加した。次に、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)2.0mLを添加した後、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム(Gd(dpm))のシクロヘキサン溶液(0.005mol/L)0.8mLを添加した。40℃で25分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mLを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。その他の重合結果を表1に示した。
(比較例A−2)
トリエチルアルミニウムのシクロヘキサン溶液の添加量を2.0mLとした以外は、比較例A−1と同様に重合を行った。重合結果を表1に示した。
Figure 2021161171
表1中の略語は以下の通りである。
<希土類化合物>
Gd(dmp):トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム
<ハロゲン元素を含有するシラン化合物>
ETCS:エチルトリクロロシラン
TCSE:1、2−ビス(トリクロロシリル)エタン
実施例A―2及びA−6と、比較例A−1及びA−2との比較より、希土類化合物とハロゲン元素を含有するシラン化合物を含む共役ジエン重合体用触媒により製造された共役ジエン重合体は、シス−1,4構造含有率及びリニアリティが高いことが分かる。
<変性共役ジエン重合地の製造例>
(実施例B−1)
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒245ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)2.0mLを添加した。次に、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)2.0mLを添加した後、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム(Gd(dpm))のシクロヘキサン溶液(0.005mol/L)0.8mLおよびエチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液(1.000mol/L)3.50mLを添加した。40℃で25分間重合した後、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)のトルエン溶液(0.5mol/L)0.4mLを添加し、同温度で10分間変性反応を行った。次いで、老化防止剤を含むエタノール溶液3mLを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、変性ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。その他の重合結果を表2に示した。
(実施例B−2)
エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液の添加量を4.00mLとした以外は、実施例B−1と同様に重合を行った。重合結果を表2に示した。
(実施例B−3)
エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液の添加量を5.00mLとした以外は、実施例B−1と同様に重合を行った。重合結果を表2に示した。
(実施例B−4)
エチルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液を1、2−ビス(トリクロロシリル)エタンのシクロヘキサン溶液(1.000mol/L)0.76mLとした以外は、実施例B−1と同様に重合を行った。重合結果を表2に示した。
(比較例B−1)
オートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒245ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)2.0mLを添加した。次に、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)2.0mLを添加した後、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム(Gd(dpm))のシクロヘキサン溶液(0.005mol/L)0.8mLを添加した。40℃で25分間重合した後、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)のトルエン溶液(0.5mol/L)0.4mLを添加し、同温度で10分間変性反応を行った。次いで、老化防止剤を含むエタノール溶液3mLを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、変性ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。その他の重合結果を表2に示した。
Figure 2021161171
表2中の略語は以下の通りである。
<希土類化合物>
Gd(dmp):トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム
<ハロゲン元素を含有するシラン化合物>
ETCS:エチルトリクロロシラン
TCSE:1、2−ビス(トリクロロシリル)エタン
<変性剤>
EAB:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
実施例B―1及びB−4と、比較例B−1との比較より、希土類化合物とハロゲン元素を含有するシラン化合物を含む共役ジエン重合体用触媒により製造された変性共役ジエン重合体は、変性度が向上し、更にシス−1,4構造含有率及びリニアリティが高いことが分かる。
シス−1,4構造含有率及びリニアリティが高く、変性共役ジエン重合体の変性度を向上させることができる共役ジエン重合体は各種ゴム組成物の材料とし有用である。

Claims (17)

  1. 希土類化合物と、ハロゲン元素を含有するシラン化合物とを含む、共役ジエン重合体用触媒。
  2. 非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物を更に含む、請求項1に記載の共役ジエン重合体用触媒。
  3. 有機アルミニウム化合物を更に含む、請求項1又は2に記載の共役ジエン重合体用触媒。
  4. 希土類化合物に対するハロゲン元素を含有するシラン化合物のモル比は、0.05〜600である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体用触媒。
  5. ハロゲン元素を含有するシラン化合物は、トリクロロメチルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン、1,2−ビス(ジメチルクロロシリル)エタン、1,3−ビス(クロロメチル)−1,1,3,3−テトラメチル、1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼン、エチルトリクロロシラン及び1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体用触媒。
  6. 希土類化合物は、Tb、La,Pr、Dy、Ho、Er、Tm、Nd及びGdからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体用触媒。
  7. 希土類化合物は、下記一般式(1)で表される化合物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体用触媒。
    Figure 2021161171
    (R、R、Rは、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜12の置換基を表し、Oは酸素原子を表し、MはTb、La,Pr、Dy、Ho、Er、Tm、Nd又はGd原子を表す。)
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体用触媒を用いて共役ジエン化合物を重合する工程を含む、共役ジエン重合体の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体用触媒を用いて共役ジエン化合物を重合する工程と、前記工程で得られた共役ジエン重合体を変性剤により変性させる工程を含む、変性共役ジエン重合体の製造方法。
  10. 請求項8に記載の共役ジエン重合体の製造方法により製造される、共役ジエン重合体。
  11. 請求項9に記載の変性共役ジエン重合体の製造方法により製造される、変性共役ジエン重合体。
  12. ガドリニウム化合物を含む共役ジエン重合体用触媒と、シクロヘキサン溶媒とを用いて製造された共役ジエン重合体であって、
    1,4−シス構造の割合は98%以上である、共役ジエン重合体。
  13. Tcp/MLは、2.5〜5.0である、請求項12に記載の共役ジエン重合体。
  14. 請求項10、12又は13に記載の共役ジエン重合体の末端に変性剤由来の構造を有する、変性共役ジエン重合体。
  15. 請求項10、12又は13に記載の共役ジエン重合体及び/又は請求項11又は14に記載の変性共役ジエン重合体を含む、ゴム組成物。
  16. 請求項15に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
  17. 請求項15に記載のゴム組成物を用いたゴムベルト。
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