JP2011088998A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの転がり抵抗等の他の性能を悪化させることなく、ウェットグリップ性能、さらには優れた耐摩耗性、耐亀裂成長性を向上させることが可能なゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供すること。
【解決手段】シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体を10質量%以上45質量%以下含有し、さらに他のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、水素添加樹脂を0.5質量部以上100質量部未満配合してなるゴム組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、低燃費性、ウェット性能、耐摩耗性及び耐亀裂成長性に優れたタイヤ及び該タイヤに用いられるゴム組成物に関するものである。
昨今、湿潤路面における車両の安全性を向上させるために、タイヤのウェットグリップ性能(ウェット性能)を向上させることが求められている。この要求に対して、これまで、(1)補強性充填剤として汎用されているカーボンブラックに代えてシリカを配合したゴム組成物や、(2)ゴム成分としてブチルゴムを含むゴム組成物をタイヤのトレッド部材に使用する方法が採られてきた。
しかしながら、(1)シリカを配合したゴム組成物を用いた場合、未加硫ゴムの収縮の問題があるため、加工性が悪く、また、シリカは、カーボンブラックに比べて分散性が悪いため、トレッド部材使用すると、トレッドの耐摩耗性が低下する問題もある。また、(2)ブチルゴムを含むゴム組成物を用いた場合、相溶性が悪化して、ブリードが発生するため、トレッドの機能が低下してしまう。
また、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムは、優れた物理特性を有し、タイヤ部材のゴム成分として汎用されているが、一般にガラス転移温度が低いため、これらをゴム成分の主成分とするゴム組成物は0℃におけるtanδが低く、タイヤのトレッド部材に使用すると、タイヤのウェットグリップ性能が低下してしまうことが知られている。
一方、近年の自動車に対する低燃費化要求に伴い、前記ウェット性能に加えてタイヤ用ゴム材料として転がり抵抗が小さく(低発熱性)、更に耐摩耗性及び耐亀裂成長性が良好なゴム材料が望まれている。
これについては、タイヤ用ゴム材料として、補強材に含水ケイ酸あるいは含水ケイ酸とカーボンブラックの混合物を配合したゴム組成物を使用する方法が提案されている。(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかし、含水ケイ酸あるいは含水ケイ酸とカーボンブラックの混合物を配合したタイヤトレッドは転がり抵抗が小さく、ウェット性能は良いが、その反面、耐摩耗性や耐亀裂成長性が低いという問題がある。また、また、ゴム中への含水ケイ酸の分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。更に、含水ケイ酸粒子の表面が酸性であることから、ゴム組成物を加硫する際に、加硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、加硫が十分行われず、弾性率が上がらないという欠点も有していた。
また、含水ケイ酸あるいは含水ケイ酸とカーボンブラックの混合物を配合した加硫物の耐摩耗性や耐亀裂成長性を改良する目的で、含水ケイ酸と親和性のある官能基を導入した変性重合体を含むゴム組成物が種々提案されている。
さらに、含水ケイ酸配合においてもカーボンブラック配合においても、効果的な変性重合体として、アミノ基の導入された重合体が知られている。含水ケイ酸配合については、アミノ基が導入されたジエン系ゴム(例えば、特許文献5参照)などが提案されており、カーボンブラック配合についてはリチウムアミド開始剤を用いて重合末端にアミノ基が導入された重合体(例えば、特許文献6参照)などが提案されている。
これらの方法で得られた重合体は、含水ケイ酸配合・カーボンブラック配合のそれぞれの配合において、種々の物性の改良をある程度までは達成できるものの、上記文献では、主に重合体にアミノ基を導入する方法については詳細に述べられており、重合体そのものの構造と各性能の関係については、一般的な事項以上には言及されていなかった。
特開平6−248116号公報 特開平7−70369号公報 特開平8−245838号公報 特開平3−252431号公報 特開平9−71687号公報 特開平7−53616号公報
本発明の目的は、タイヤの転がり抵抗等の他の性能を悪化させることなく、ウェットグリップ性能、さらには優れた耐摩耗性、耐亀裂成長性を向上させることが可能なゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ミクロ構造を特定の範囲とした重合体を含むゴム成分に対して水素添加樹脂を特定量配合してなるゴム組成物をトレッド部材に用いることで、転がり抵抗等の他の性能を悪化させること無く、ウェットグリップ性能が向上すること、さらには耐摩耗性、耐亀裂成長性も向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
<1> シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体を10質量%以上45質量%以下含有し、さらに他のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、水素添加樹脂を0.5質量部以上100質量部未満配合してなるゴム組成物である。
<2> 前記共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合量が、90%以上である<1>に記載のゴム組成物である。
<3> 前記共役ジエン系重合体のビニル結合量が、1.2%以下である<1>または<2>に記載のゴム組成物である。
<4> 前記共役ジエン系重合体が、ポリブタジエンゴムである<1>〜<3>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<5> 前記共役ジエン系重合体が、変性ポリブタジエンゴムである<1>〜<4>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<6> 前記変性ポリブタジエンゴムが、窒素原子を含む変性ポリブタジエンゴムである<5>に記載のゴム組成物である。
<7> 前記変性ポリブタジエンゴムが、プロトン性アミノ基及び保護されたアミノ基を含む変性ポリブタジエンゴムから選ばれる少なくともいずれかである<5>または<6>に記載のゴム組成物である。
<8> 前記プロトン性アミノ基が、プロトン性第一アミノ基である<7>に記載のゴム組成物である。
<9> 前記保護されたアミノ基が、保護された第一アミノ基である<7>に記載のゴム組成物である。
<10> 前記ゴム成分と前記水素添加樹脂との溶解度パラメータ(SP値)の差が、1.5以下である<1>〜<9>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<11> 前記水素添加樹脂が、石油樹脂または天然樹脂を水添した樹脂である<1>〜<10>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<12> 前記水素添加樹脂が、テルペン樹脂を水添してなる水添テルペン樹脂である<1>〜<11>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<13> 前記水添テルペン樹脂の軟化点が、80℃以上180℃以下である<12>に記載のゴム組成物である。
<14> 前記他のジエン系ゴムが、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一種である<1>〜<13>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<15> 前記他のジエン系ゴム中における前記天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一種の総含有率が、50質量%以上である<14>に記載のゴム組成物である。
<16> ランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒で重合した共役ジエン系重合体をカルボニル基、エポキシ基、カルボキシル基、チオカルボニル基、チオエポキシ基、チオカルボキシル基、ニトリル基、イソシアナート基及びハロシリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基と保護されたアミノ基とを有する化合物により変性してなる変性共役ジエン系重合体を10質量%以上45質量%以下含有し、さらに他のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、水素添加樹脂を0.5質量部以上100質量部未満配合してなるゴム組成物である。
<17> 前記変性共役ジエン系重合体が、シス−1,4−結合量が75%以上の変性ポリブタジエンゴムである<16>に記載のゴム組成物である。
<18> 前記変性ポリブタジエンゴムのシス−1,4−結合量が、90%以上である<17>に記載のゴム組成物である。
<19> 前記変性ポリブタジエンゴムのビニル結合量が、1.2%以下である<17>または<18>に記載のゴム組成物である。
<20> 前記保護されたアミノ基が、保護された第一アミノ基である<16>〜<19>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<21> 前記ゴム成分と前記水素添加樹脂との溶解度パラメータ(SP値)の差が、1.5以下である<16>〜<20>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<22> 前記水素添加樹脂が、石油樹脂または天然樹脂を水添した樹脂である<16>〜<21>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<23> 前記水素添加樹脂が、テルペン樹脂を水添してなる水添テルペン樹脂である<16>〜<22>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<24> 前記水添テルペン樹脂の軟化点が、80℃以上180℃以下である<23>に記載のゴム組成物である。
<25> 前記他のジエン系ゴムが、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一種である<16>〜<24>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<26> 前記他のジエン系ゴム中における天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一種の総含有率が、50質量%以上である<25>に記載のゴム組成物である。
<27> <1>〜<26>のいずれかに記載のゴム組成物を用いてなるタイヤである。
<28> <1>〜<26>のいずれかに記載のゴム組成物をトレッド部材に用いた<27>に記載のタイヤである。
本発明によれば、タイヤの転がり抵抗等の他の性能を悪化させることなく、ウェットグリップ性能、さらには優れた耐摩耗性、耐亀裂成長性を向上させることが可能なゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供することができる。
以下、本発明を実施形態により説明する。
<ゴム組成物>
本実施形態のゴム組成物は、シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体を10質量%以上45質量%以下含有し、さらに他のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、水素添加樹脂を0.5質量部以上100質量部未満配合してなることを特徴とし、必要に応じて、その他の配合剤を含有することができる。
一般に、ゴム成分に樹脂を配合することで、動的粘弾性測定における0℃付近のtanδ(損失正接)が向上して、ウェットグリップ性能を向上させることができるが、0℃付近以外のtanδも同時に上昇してしまい、例えば、50℃付近のtanδも上昇してしまう。ここで、50℃付近のtanδは、タイヤの転がり抵抗の指標の一つとされており、一般に、50℃付近のtanδが高いゴム組成物をトレッド部材に用いることで、タイヤの転がり抵抗が上昇してしまう。
これに対して、前記樹脂に対して水添すると溶解度パラメータ(SP値)が下がるため、この水素添加樹脂は、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴム等のゴム成分とのSP値の差が、水添していない樹脂に比べて小さい。そのため、水素添加樹脂は、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴム等との相溶性が高い。その結果、ゴム組成物に水素添加樹脂を配合すると、tanδのピークがシャープとなり、0℃付近のtanδが特異的に上昇し、0℃付近以外のtanδはあまり上昇しないため、水素添加樹脂を配合したゴム組成物をタイヤのトレッド部材に用いることで、転がり抵抗等の他の性能を悪化させること無く、ウェットグリップ性能を向上させることが可能となる。
一方、シス−1,4結合量が高い共役ジエン系重合体は機械的強度に優れ、布が特定の範囲にあるブタジエン系重合体が得られ、更にこの共役ジエン系重合体を含むゴム組成物は優れた耐摩耗性、耐亀裂成長性、耐オゾン劣化性及び作業性を有する。
本発明者らが検討した結果、ゴム成分として従来のジエン系ゴム(他のジエン系ゴム)に加えて、前記シス−1,4結合量が高い共役ジエン系重合体を用いることにより、タイヤにおける前記ウェットグリップ性能の向上等に加えて、耐摩耗性、耐亀裂成長性等も向上させることができることが判明した。
(水素添加樹脂)
まず、本実施形態における水素添加樹脂について説明する。
本実施形態のゴム組成物に用いる水素添加樹脂は、樹脂を水添してなり、好ましくは、石油樹脂や天然樹脂を水添した樹脂である。ここで、樹脂の水添は、公知の方法で行うことができ、また、本実施形態においては、市販の水素添加樹脂を使用することもできる。
上記水素添加樹脂の原料となる石油樹脂は、例えば石油化学工業のナフサの熱分解により、エチレン、プロピレン等の石油化学基礎原料と共に副生するオレフィンやジオレフィン等の不飽和炭化水素を含む分解油留分を、混合物のままフリーデルクラフツ型触媒により重合して得られる。この石油樹脂としては、ナフサの熱分解によって得られるC5留分を(共)重合して得られる脂肪族系石油樹脂、ナフサの熱分解によって得られるC9留分を(共)重合して得られる芳香族系石油樹脂、前記C5留分とC9留分とを共重合して得られる共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系等の脂環式化合物系石油樹脂、スチレン、置換スチレン、スチレンと他のモノマーとの共重合体等のスチレン系樹脂等が挙げられる。
また、上記水素添加樹脂の原料となる天然樹脂としては、α−ピネン系、β−ピネン系、ジペンテン系等のテルペン樹脂;芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂が挙げられる。
上記水素添加樹脂として、具体的には、出光興産(株)製アイマーブS100(商品名、軟化点:100℃)、出光興産(株)製アイマーブS110(商品名、軟化点:110℃)、出光興産(株)製アイマーブY100(商品名、軟化点:100℃)、出光興産(株)製アイマーブY135(商品名、軟化点:135℃)、出光興産(株)製アイマーブP90(商品名、軟化点:90℃)、出光興産(株)製アイマーブP100(商品名、軟化点:100℃)、出光興産(株)製アイマーブP125(商品名、軟化点:125℃)、出光興産(株)製アイマーブP140(商品名、軟化点:140℃)、荒川化学(株)製アルコンP70(商品名、軟化点:70℃)、荒川化学(株)製アルコンP90(商品名、軟化点:90℃)、荒川化学(株)製アルコンP100(商品名、軟化点:100℃)、荒川化学(株)製アルコンP115(商品名、軟化点:115℃)、荒川化学(株)製アルコンP125(商品名、軟化点:125℃)、荒川化学(株)製アルコンP140(商品名、軟化点:140℃)、荒川化学(株)製アルコンSP10(商品名、軟化点:100℃)、荒川化学(株)製アルコンM90(商品名、軟化点:90℃)、荒川化学(株)製アルコンM100(商品名、軟化点:100℃)、荒川化学(株)製アルコンM115(商品名、軟化点:115℃)、荒川化学(株)製アルコンM135(商品名、軟化点:135℃)、荒川化学(株)製アルコンSM10(商品名、軟化点100℃)、荒川化学(株)製KR1840(商品名、軟化点:100℃)、荒川化学(株)製KR1842(商品名、軟化点:120℃)、丸善石油化学(株)製マルカレッツH505(商品名、軟化点:105℃)、丸善石油化学(株)製マルカレッツH90(商品名、軟化点:90℃)、丸善石油化学(株)製マルカレッツ700F(商品名、軟化点:95℃)、丸善石油化学(株)製マルカレッツH925(商品名、軟化点:123℃)、丸善石油化学(株)製マルカレッツH970(商品名、軟化点:175℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンP105(商品名、軟化点:105℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンP115(商品名、軟化点:115℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンP125(商品名、軟化点:125℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンP135(商品名、軟化点:135℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンP150(商品名、軟化点:152℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンM105(商品名、軟化点:105℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンM115(商品名、軟化点:115℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンK100(商品名、軟化点:100℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンK110(商品名、軟化点:110℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンK4100(商品名、軟化点:100℃)、ヤスハラケミカル(株)製クリアロンK4090(商品名、軟化点:90℃)等が挙げられる。これら水素添加樹脂は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態のゴム組成物において、上記水素添加樹脂としては、テルペン樹脂を水添してなる水添テルペン樹脂が更に好ましく、軟化点(測定法:ASTM E28−58−T)が80℃以上180℃以下の水添テルペン樹脂が特に好ましい。水添テルペン樹脂は、元々SP値の低いテルペン樹脂を水添しているため、SP値が特に低い。そのため、水添テルペン樹脂は、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴム等のゴム成分とのSP値の差が特に小さく、前記本実施形態の効果が顕著に現れる。なお、軟化点が80℃未満の水添テルペン樹脂をタイヤ用ゴム組成物に使用した場合、操縦安定性が悪化する傾向があり、一方、軟化点が180℃を超える水添テルペン樹脂を使用した場合、0℃でのtanδの上昇効果が小さく、50℃でのtanδも高くなってしまう。前記軟化点は100℃以上160℃以下であることがより好ましい。
本実施形態のゴム組成物において、後述するゴム成分と上記水素添加樹脂とのSP値の差は、1.5以下であることが好ましい。ゴム成分と上記水素添加樹脂とのSP値の差が1.5以下の場合、ゴム成分と水素添加樹脂との相溶性が特に良好であるため、転がり抵抗等の他の性能を悪化させること無く、ウェットグリップ性能を大幅に向上させることができる。上記SP値の差は1.3以下であることがより好ましい。
なお、本実施形態において、ゴム成分及び(水素添加)樹脂のSP値は、Fedors法に従って、計算することができる。
本実施形態では、前記水素添加樹脂は後述するゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上100質量部未満配合される。水素添加樹脂の配合量が、ゴム成分100質量部に対して0.5質量部未満では、0℃でのtanδを向上させる効果が小さいため、タイヤのウェットグリップ性能を十分に向上させることできず、一方、100質量部以上では、水素添加樹脂のゴム成分に対する溶解度を超えてしまうために、0℃付近でのtanδの向上が小さくなり、50℃でのtanδが高くなってしまう。また、これらの観点から、水素添加樹脂の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上45質量部以下がより好ましい。
(ゴム成分)
次に、本実施形態に用いられるゴム成分について説明する。
本実施形態におけるゴム成分は、シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体を10質量%以上45質量%以下含有し、さらに他のジエン系ゴムを含む。含有量が10質量%に満たないと、耐摩耗性や耐亀裂成長性といった効果を発揮させることができない。45質量%を超えると、他のジエン系ゴムと水添樹脂との混合によるウェットグリップ性能を十分に向上させることができない。
前記含有量は10質量%以上40質量%以下であることが好ましく、15質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。
−共役ジエン系重合体−
本実施形態における共役ジエン系重合体は、シス−1,4−結合量が75%以上であり、90%以上であることがより好ましい。タイヤの低発熱性(低ヒステリシスロス特性)が向上するためである。また、同じ見地からビニル結合量が、1.2%以下であることが好ましく、1.0%以下であることより好ましい。
共役ジエン系重合体の製造
前記共役ジエン系重合体を得るための製造方法については、特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであっても良い。
そして、上記のシス−1,4−結合量及びビニル結合量(以下、両者を併せて「ミクロ構造」ということがある。)を有する共役ジエン系重合体を得るためには、有機溶媒中でランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒による共役ジエンモノマーを配位アニオン重合させる反応が好ましい。
−ランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒−
上記のランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒としては、以下に示す(x)成分、(y)成分及び(z)成分それぞれの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を組み合わせてなるものが好ましい。
〔(x)成分〕
下記の(x1)〜(x4)から選ばれる希土類化合物で、そのまま不活性有機溶媒溶液として用いても、不活性固体上に担持して用いても良い。
(x1)酸化数3の希土類化合物で、炭素数2〜30のカルボキシル基、炭素数2〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、及び炭素数5〜30の1,3−ジカルボニル含有基の内から自由に選ばれる配位子を合計三つ有するもの、又はこれとルイス塩基化合物(特に、遊離カルボン酸、遊離アルコール、1,3−ジケトン、環状エーテル、直鎖状エーテル、トリヒドロカルビルホスフィン、トリヒドロカルビルホスファイト等から選ばれる)の錯化合物である。具体的には、ネオジムトリ−2−エチルヘキサノエート、それとアセチルアセトンとの錯化合物、ネオジムトリネオデカノエート、それとアセチルアセトンとの錯化合物、ネオジムトリ−n−ブトキシドなどがある。
(x2)希土類の3ハロゲン化物とルイス塩基の錯化合物である。例えばネオジム三塩化物のTHF錯体がある。
(x3)少なくとも一つの(置換)アリル基が直接希土類原子に結合した、酸化数3の有機希土類化合物である。例えばテトラアリルネオジムとリチウムの塩がある。
(x4)少なくともひとつの(置換)シクロペンタジエニル基が直接希土類原子に結合した酸化数2又は3の有機希土類化合物、又はこの化合物と、トリアルキルアルミニウム又は非配位性アニオンと対カチオンからなるイオン性化合物との反応生成物である。例えばジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウムがある。
上記希土類化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、更に好ましくはランタン、ネオジム、サマリウムである。
上記(x)成分の中では、ネオジムのカルボン酸塩及びサマリウムの置換シクロペンタジエニル化合物が好ましい。ネオジムのカルボン酸塩としては、例えば、バーサチック酸ネオジムが挙げられる。
〔(y)成分〕
次の(y1)〜(y3)から選ばれる少なくとも1種類の有機アルミニウム化合物で、複数を同時に用いることができる。
(y1)式Ra 3A1で表されるトリヒドロカルビルアルミニウム化合物(ただし、Raは炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なっていても良い。)
(y2)式Rb 2A1H又はRbA1H2で表されるヒドロカルビルアルミニウム水素化物(ただし、Rbは炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なっていても良い。)
(y3)炭素数1〜30の炭化水素基をもつヒドロカルビルアルミノキサン化合物である。
上記(y)成分としては、例えばトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムジヒドリド、アルキルアルミノキサンがある。これらの化合物は混合して用いても良い。(y)成分の中では、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物との併用が好ましい。
〔(z)成分〕
次の(z1)〜(z4)から選ばれる化合物であるが、(x)成分がハロゲン原子又は非配位性アニオンを含む場合、及び(y)成分がアルミノキサンを含む場合は必ずしも必要ない。
(z1)加水分解可能なハロゲン原子を有する周期表(長周期型)2族、12〜14族に属する元素の無機もしくは有機化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物である。例えばアルキルアルミニウム二塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化珪素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等ルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等ルイス塩基との錯体などである。
(z2)少なくとも一つの三級アルキルハライド、ベンジルハライド、及びアリールハライドから選ばれる構造を有する有機ハロゲン化物である。例えば塩化ベンジル、塩化t−ブチル、臭化ベンジル、臭化t−ブチルなどである。
(z3)亜鉛のハロゲン化物又はこれとルイス塩基の錯化合物である。
(z4)非配位性アニオンと対カチオンからなるイオン性化合物である。例えばトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましく用いられる。
上記触媒の調製は、予備的に、上記の(x)、(y)、(z)成分以外に、必要に応じて、重合用モノマーと同じ共役ジエンモノマー及び/又は非共役ジエンモノマーを併用しても良い。
また、(x)成分又は(z)成分の一部もしくは全部を不活性な固体上に担持して用いても良く、この場合はいわゆる気相重合で行うことができる。
上記触媒の使用量は、適宜設定することができるが、通常(x)成分はモノマー100g当たり0.001〜0.5ミリモル程度である。また、モル比で(y)成分/(x)成分は5〜1000程度、(z)成分/(x)成分は0.5〜10程度である。
溶液重合の場合において用いられる溶媒としては、反応に不活性な有機溶媒、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶媒がある。具体的には、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。
この重合反応における温度は、好ましくは−80〜150℃、更に好ましくは−20〜120℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常はモノマーを実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。即ち、圧力は重合される個々の物質や用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
この重合においては、触媒、溶媒、モノマーなど、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物などの反応阻害物質を実質的に除去したものを用いることが望ましい。
本実施形態における共役ジエン系重合体に用いる共役ジエンモノマーとしては、例えば1,3−ブタジエン;イソプレン;2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン;2−エチル−1,3−ブタジエン;1,3−ペンタジエン;2−メチル−1,3−ペンタジエン;3−メチル−1,3−ペンタジエン;4−メチル−1,3−ペンタジエン;2−フェニル−1,3−ブタジエン;1,3−ヘキサジエン;2,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良いが、これらの中で、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
また、これらの共役ジエンモノマーに少量の他の炭化水素モノマーを少量共存せさても良いが、共役ジエンモノマーは、全モノマー中80モル%以上であることが好ましい。
上記のように、本実施形態に用いる共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエンゴムであることが好ましい。
共役ジエン系重合体の変性
本実施形態において、共役ジエン系重合体の変性は、上述のようにして得られた活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に、所定の変性剤を反応させて、重合末端に窒素原子を含む官能基を導入することによって行う。具体的には、重合末端にプロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基を導入する。シリカを含む無機充填剤との反応性を高めるためである。
ここで、プロトン性アミノ基とは、プロトン性第一アミノ基及びプロトン性第二アミノ基の双方を包含するものであり、プロトン性第一アミノ基であることが更に好ましい。また、保護されたアミノ基とは、保護された第一アミノ基及び保護された第二アミノ基の双方を包含するものであり、保護された第一アミノ基が更に好ましい。プロトン性第一アミノ基及び保護された第一アミノ基が好ましいのは、更にシリカを含む無機充填剤との反応性を高めるためである。
上記プロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基としては、例えば−NH2、−NHRc、−NL12及び−NRd3(ただし、Rc及びRdは、それぞれ炭化水素基を示し、L1、L2及びL3は、それぞれ水素原子又は解離し得る保護基を示す。)の中から選ばれる少なくとも一種の基を挙げることができる。
上記のRc、Rdで示される炭化水素基としては、各種のアルキル基、アルケニル基、アリ−ル基、アラルキル基を挙げることができる。L1、L2、L3としては、容易に解離し得る保護基であれば良く、特に制限はなく、後述で説明するような基を挙げることができる。
また、プロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基とヒドロカルビルオキシシラン基とを導入することも好ましく、同一の重合末端に上記のプロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基とヒドロカルビルオキシシラン基とを導入することが更に好ましい。
上述のようにして得られる変性共役ジエン系重合体としては、変性ポリブタジエンゴムであることが、低発熱性、耐摩耗性の点で好ましい。
・変性剤
本実施形態における変性共役ジエン系重合体としては、同一の重合末端にプロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基とヒドロカルビルオキシシラン基とを有するものが好ましく、従って変性剤としては、同一分子内に保護されたアミノ基に加えて他の官能基を1つ以上有する2官能性以上の多官能性化合物を用いることが好ましい。
これらの同一分子内に保護されたアミノ基を有する2官能性以上の多官能性化合物としては、例えば、カルボニル基{特に、ケト基}、エポキシ基、カルボキシル基、チオカルボニル基{特に、チオケト基}、チオエポキシ基、チオカルボキシル基、ニトリル基、イソシアナ−ト基及びハロシリル基{Si−X基(Xはハロゲン原子であり、塩素原子が好ましい。)}から選ばれる少なくとも1種の官能基と保護されたアミノ基(特に、ジシリルアミノ基)とを有する化合物(例えば、下記一般式(VI)で示される化合物)、あるいは保護されたアミノ基(特に、ジシリルアミノ基)を有するハロシラン化合物(例えば、下記一般式(VII)、下記一般式(VIII)及び下記一般式(IX)で示される化合物)を好適に挙げることができる。
以下に、同一分子内に保護されたアミノ基を有する2官能性以上の多官能性化合物の好適例としての下記一般式(VI)、下記一般式(VII)、下記一般式(VIII)及び下記一般式(IX)で示される化合物を説明する。
Figure 2011088998
式中、R1は単結合、又は置換もしくは非置換の2価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。R2はそれぞれ独立に水素原子、又は置換もしくは非置換の1価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である。R3はそれぞれ独立にR2であっても良いし、R3の双方が共に置換又は非置換の2価の有機基、好ましくは置換又は非置換の2価の炭化水素基を形成し、ジシリルアミノ基の2つのケイ素原子及び1つの窒素原子と共に環状構造を構成しても良い。この環状構造として、下記一般式(IX)のR19に結合する環状ジシリルアミノ基が例示される。Qは下記一般式(VI−a)又は下記一般式(VI−b)で表わされる官能基である。
Figure 2011088998
式中、R4は上記一般式(VI)のR2と同じである。Jは酸素原子又は硫黄原子である。
Figure 2011088998
式中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に上記一般式(VI)のR2と同じである。Jは酸素原子又は硫黄原子である。
Figure 2011088998
式中、Xはハロゲン原子である。R11はハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、又は置換もしくは非置換の2価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基)である。R12は置換もしくは非置換の2価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。R13は置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)又は加水分解性基である。
Figure 2011088998
式中、Xはハロゲン原子である。R14は置換もしくは非置換の2価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。R15及びR16はそれぞれ独立に置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)又は加水分解性基であっても良いし、R15及びR16が結合して1つの置換もしくは非置換の2価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基)を形成しても良い。R17及びR18はそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、又は置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)である。
15及びR16の双方が加水分解性基であっても良く、R17及びR18の少なくとも一方が置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)であっても良い。
上記一般式(VIII)において、R15及びR16は結合して加水分解性の2価の有機基を形成しても良い。この場合、具体的には、加水分解性の2価の有機基としては、α,ω−ジアルキルシリルアルキレン基が例示され、それは下記一般式(IX)に規定されるハロシランを形成する。
Figure 2011088998
式中、R19及びR20はそれぞれ独立に置換もしくは非置換の2価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。R21、R22、R23及びR24はそれぞれ独立に置換もしくは非置換の1価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である。R25及びR26はそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、又は置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)である。Xはハロゲン原子である。
上記一般式(VI)、上記一般式(VII)、上記一般式(VIII)及び上記一般式(IX)で示される、同一分子内に保護されたアミノ基を有する2官能性以上の多官能性化合物において、置換もしくは非置換の1価の炭化水素基としては、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数3〜20のシクロアルケニル基、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルキニル基、置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基、置換又は非置換の炭素数7〜20のアラルキル基、置換又は非置換の炭素数7〜20のアルカリール基等が挙げられる。
上記の置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜10であることが更に好ましく、炭素数1〜8であることが特に好ましい。
前記炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基及びn−デシル基が例示される。
前記炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2−t−ブチルシクロヘキシル基及び4−t−ブチルシクロヘキシル基が例示される。
前記炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、置換フェニル基、ビフェニル基、置換ビフェニル基、ビサイクリックアリール基、置換ビサイクリックアリール基、ポリサイクリックアリール基及び置換ポリサイクリックアリール基が例示される。
上記一般式(VI)、上記一般式(VII)、上記一般式(VIII)及び上記一般式(IX)で示される、同一分子内に保護されたアミノ基を有する2官能性以上の多官能性化合物において、置換もしくは非置換の2価の炭化水素基としては、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換又は非置換の炭素数3〜20のシクロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数3〜20のシクロアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルキニレン基、置換又は非置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換又は非置換の炭素数7〜20のアラルキレン基、置換又は非置換の炭素数7〜20のアルカリーレン基等が挙げられる。
上記の1価又は2価の置換炭化水素基は、窒素原子、ホウ素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子及びリン原子から選ばれる少なくとも1原子を有していても良いが、これらの原子に制限されるものではない。
上記一般式(VII)及び上記一般式(VIII)における加水分解性基としては、トリヒドロカルビルシリル基のようなシリル基が挙げられ、トリメチルシリル基[即ち、(−Si(CH33)]、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基及びトリフェニルシリル基が例示される。上記一般式(IX)における加水分解性基としては、R19に隣接する窒素原子に結合するα,ω−ジアルキルシリルアルキレン基が例示される。
保護されたアミノ基に含まれるこれらの加水分解性基は、非水雰囲気では安定であるが、水にさらされる(接触する)と窒素原子から開裂し、保護されたアミノ基はプロトン性アミノ基となる。また、保護されたアミノ基をプロトン性アミノ基に変化させるためには触媒が用いられても良く、好適な触媒としては、塩酸等の強酸やフッ化テトラブチルアンモニウムが例示される。
上記一般式(VII)、上記一般式(VIII)及び上記一般式(IX)におけるヒドロカルビルオキシ基としては−ORが例示される。ここで、Rは置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)である。この−ORとしては、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基等が例示される。
1価又は2価の置換炭化水素基は、窒素原子、ホウ素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子及びリン原子から選ばれる少なくとも1原子を有していても良いが、これらに制限されるものではない。
上記一般式(VI)に示される好適な化合物として、Qが前記一般式(VI−a)であって、Jが酸素原子である場合が挙げられ、このとき、R1がフェニレン基であることが好ましい。この場合の上記一般式(VI)に示される化合物の好適な具体例としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノベンゾフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノベンゾフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノベンゾフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノアセトフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノアセトフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノアセトフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノベンズアルデヒド、N,N−ビス(トリメチルシリル)−1−アミノアントラキノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノアントラキノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−6−アミノフラボン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−7−アミノフラボン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−1−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノクマリン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−7−アミノ−2−メチルクロモン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−7−アミノ−4−メチルクマリン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,2−ジアミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,4−ジアミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,5−ジアミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−2,6−ジアミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,3−ジアミノアセトン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−2,2’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−3,3’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−2,3−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−2,4−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−3,4−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−2,7−ジアミノ−9−フルオレノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,4−ジアミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,8−ジアミノアントラキノン及びN,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,4−ジアミノアントラキノンが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記一般式(VI)に示される好適な化合物として、Qが上記一般式(VI−b)でありJが酸素原子である場合が挙げられ、このとき、R1が炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましい。この場合の上記一般式(VI)に示される化合物の好適な具体例としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)グリシジルアミンが挙げられる。
上記一般式(VII)、上記一般式(VIII)及び上記一般式(IX)に示されるハロシラン化合物類としては、1−トリヒドロカルビルシリル−2−ハロ−2−ヒドロカルビル−1−アザ−2−シラシクロヒドロカ−ボン類、特に1−トリ(C1−C12)ヒドロカルビルシリル−2−ハロ−2−(C1−C12)ヒドロカルビル−1−アザ−2−シラ(C1−C12)シクロヒドロカーボンが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の好適な化合物類としては、1−トリアルキルシリル−2−ハロ−2−アルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリアルキルシリル−2−ハロ−2−アリ−ル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリアルキルシリル−2−ハロ−2−シクロアルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリアリ−ルシリル−2−ハロ−2−アルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリアリ−ルシリル−2−ハロ−2−アリ−ル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリアリ−ルシリル−2−ハロ−2−シクロアルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリシクロアルキルシリル−2−ハロ−2−アルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリシクロアルキルシリル−2−ハロ−2−アリ−ル−1−アザ−2−シラシクロアルカン及び1−トリシクロアルキルシリル−2−ハロ−2−シクロアルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカンが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の好適な具体例としては、N−トリメチルシリル−2−クロロ−2−メチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリメチルシリル−2−クロロ−2−エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリメチルシリル−2−クロロ−2−フェニル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリイソプロピルシリル−2−クロロ−2−フェニル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリ−tert−ブチルシリル−2−クロロ−2−フェニル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリ−n−ブチルシリル−2−クロロ−2−フェニル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリエチルシリル−2−クロロ−2−メチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリエチルシリル−2−クロロ−2−シクロペンチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリエチルシリル−2−クロロ−2−シクロヘキシル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、1−トリフェニルシリル−2−クロロ−2−メチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリフェニルシリル−2−クロロ−2−フェニル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリフェニルシリル−2−クロロ−2−エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、1−シクロペンチルシリル−2−クロロ−2−エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン及び1−シクロペンチルシリル−2−クロロ−2−シクロヘキシル−1−アザ−2−シラシクロヘキサンが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の他の好適な化合物類としては、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](アルキル)(ジハロ)シラン、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](トリハロ)シラン、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](ジアルキル)(ハロ)シラン、(3−ジアルキルアミノ−1−プロピル)(アルキル)(ジハロ)シラン、(3−ジアルキルアミノ−1−プロピル)(トリハロ)シラン、(3−ジアルキルアミノ−1−プロピル)(ジアルキル)(ハロ)シラン、(3−ジアリ−ルアミノ−1−プロピル)(アルキル)(ジハロ)シラン、(3−ジアリールアミノ−1−プロピル)(トリハロ)シラン、(3−ジアリールアミノ−1−プロピル)(ジアルキル)(ハロ)シラン、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](アルキル)(ジハロ)シラン、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](トリハロ)シラン、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](ジアルキル)(ハロ)シラン、(4−ジアルキルアミノ−1−ブチル)(アルキル)(ジハロ)シラン、(4−ジアルキルアミノ−1−ブチル)(トリハロ)シラン、(4−ジアルキルアミノ−1−ブチル)(ジアルキル)(ハロ)シラン、(4−ジアリールアミノ−1−ブチル)(アルキル)(ジハロ)シラン、(4−ジアリールアミノ−1−ブチル)(トリハロ)シラン及び(4−ジアリールアミノ−1−ブチル)(ジアルキル)(ハロ)シランが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の他の好適な具体例としては、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](メチル)(ジクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](トリクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](ジメチル)(クロロ)シラン、[N,N−ビス(トリエチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](エチル)(ジクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリエチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](トリクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリエチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](ジエチル)(クロロ)シラン、(3−ジメチルアミノ−1−プロピル)(メチル)(ジクロロ)シラン、(3−ジメチルアミノ−1−プロピル)(トリクロロ)シラン、(3−ジメチルアミノ−1−プロピル)(ジメチル)(クロロ)シラン、(3−ジエチルアミノ−1−プロピル)(エチル)(ジクロロ)シラン、(3−ジエチルアミノ−1−プロピル)(トリクロロ)シラン、(3−ジエチルアミノ−1−プロピル)(ジエチル)(クロロ)シラン、(3−ジフェニルアミノ−1−プロピル)(メチル)(ジクロロ)シラン、(3−ジフェニルアミノ−1−プロピル)(トリクロロ)シラン、(3−ジフェニルアミノ−1−プロピル)(ジメチル)(クロロ)シラン、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](メチル)(ジクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](トリクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](ジメチル)(クロロ)シラン、(4−ジメチルアミノ−1−ブチル)(メチル)(ジクロロ)シラン、(4−ジメチルアミノ−1−ブチル)(トリクロロ)シラン、(4−ジメチルアミノ−1−ブチル)(ジメチル)(クロロ)シラン、(4−ジフェニルアミノ−1−ブチル)(メチル)(ジクロロ)シラン、(4−ジフェニルアミノ−1−ブチル)(トリクロロ)シラン及び(4−ジフェニルアミノ−1−ブチル)(ジメチル)(クロロ)シランが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の他の好適な化合物類としては、[3−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](アルキル)(ジハロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](アルキル)(ジハロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](トリハロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](トリハロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](ジアルキル)(ハロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](ジアルキル)(ハロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](アルキル)(ジハロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](アルキル)(ジハロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](トリハロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラアリ−ル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](トリハロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](ジアルキル)(ハロ)シラン及び[4−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](ジアルキル)(ハロ)シランが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の他の好適な具体例としては、[3−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](メチル)(ジクロロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](メチル)(ジクロロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](トリクロロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](トリクロロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](ジメチル)(クロロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](ジメチル)(クロロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](メチル)(ジクロロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](メチル)(ジクロロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](トリクロロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](トリクロロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](ジメチル)(クロロ)シラン及び[4−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](ジメチル)(クロロ)シランが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記の変性剤は、一種単独で用いても良く、二種以上組み合わせて用いても良い。
上記の変性剤の使用量は、重合触媒や所望する変性度に応じて、種々選択されるが、ランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒を用いる場合は、モル比(変性剤:希土類元素化合物)は(0.1:1)〜(200:1)の範囲であることが好ましく、(1:1)〜(200:1)の範囲であることがより好ましく、(5:1)〜(150:1)の範囲であることが更に好ましく、(10:1)〜(100:1)の範囲であることが特に好ましい。
変性剤の使用量を上記範囲にすることによって、充填剤の分散性に優れ、加硫後の破壊特性、摩耗特性、低発熱性が改良される。
なお、上記変性剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法などが挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。
また、変性剤は、重合開始末端、重合終了末端、重合体主鎖、側鎖のいずれに結合していても良いが、重合体末端からエネルギ−消失を抑制して低発熱性を改良しうる点から、重合開始末端あるいは重合終了末端に導入されていることが好ましい。
この変性反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜150℃、更に好ましくは20〜100℃の範囲で選定される。変性反応時間は、例えば10〜60分程度行なわれる。
変性反応の停止剤としては、1種以上のプロトン性化合物が挙げられ、例えば、アルコール類、カルボン酸類、無機酸類、水等が例示される。
本実施形態では、特に、上記一般式(VII)、上記一般式(VIII)及び上記一般式(IX)に示されるハロシラン化合物を用いた上記の変性反応後に、ヒドロカルビルオキシ基等の第二変性反応を可能とする官能基が変性共役ジエン系重合体中に残置している場合は、所望により、上記の変性反応中又は変性反応後の第二変性反応として、縮合促進剤を用いる縮合反応を行なっても良い。
このような縮合反応に用いる縮合促進剤としては、第三アミノ基を含有する化合物、又は周期律表(長周期型)の3族、4族、5族、12族、13族、14族及び15族のうちのいずれかの属する元素を一種以上含有する有機化合物を用いることができる。更に縮合促進剤として、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、アルミニウム(Al)、及びスズ(Sn)からなる群から選択される少なくも一種以上の金属を含有する、アルコキシド、アセチルアセトナ−ト錯塩又はカルボン酸塩であることが好ましく、アルコキシド又はアセチルアセトナ−ト錯塩が特に好ましい。
ここで用いる縮合促進剤は、上記変性反応前に添加することもできるが、変性反応の途中及び又は終了後に変性反応系に添加することが好ましい。変性反応前に添加した場合、活性末端との直接反応が起こり、活性末端に保護されたアミノ基を有する変性剤が導入されない場合がある。
縮合促進剤の添加時期としては、通常、変性反応開始5分〜5時間後、好ましくは変性反応開始15分〜1時間後である。
上記縮合促進剤としてのチタン化合物として、具体的には、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンオリゴマー、テトライソブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、ビス(オレート)ビス(2−エチルヘキサノエート)チタン、チタンジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンジブトキシビス(トリエタノールアミネ−ト)、チタントリブトキシステアレート、チタントリプロポキシステアレート、チタントリプロポキシアセチルアセトネート、チタンジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリプロポキシ(エチルアセトアセテート)、チタンプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタントリブトキシアセチルアセトネート、チタンジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリブトキシエチルアセトアセテート、チタンブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラキス(アセチルアセトネート)、チタンジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタンオキサイド、ビス(ラウレート)チタンオキサイド、ビス(ナフテネート)チタンオキサイド、ビス(ステアレート)チタンオキサイド、ビス(オレエート)チタンオキサイド、ビス(リノレート)チタンオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタン、テトラキス(ラウレート)チタン、テトラキス(ナフテネート)チタン、テトラキス(ステアレート)チタン、テトラキス(オレエート)チタン、テトラキス(リノレート)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ステアレート)、チタンオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタンテトラ(ラクテート)等が挙げられる。中でも、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)が好ましい。
前記スズ化合物としては、具体的には、2−エチルヘキサン酸スズ{[CH3(CH2)3CH(C25)CO2]2Sn(二価)}等が挙げられる。
上記ビスマス化合物としては、具体的には、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテネート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマス等を挙げることができる。
前記ジルコニウム化合物としては、具体的には、テトラエトキシジルコニウム、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラsec−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルへキシル)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセテルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテネート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテネート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウム等を挙げることができる。
前記アルミニウム化合物としては、具体的には、トリエトキシアルミニウム、トリn−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリn−プトキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリtert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−エチルへキシル)アルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテネート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウム等を挙げることができる。
上述の縮合促進剤の内、チタン系縮合促進剤が好ましく、チタン金属のアルコキシド、又はチタン金属のアセチルアセトナート錯塩が特に好ましい。
この縮合促進剤の使用量としては、前記化合物のモル数が、反応系内に存在する変性剤由来の官能基総量に対するモル比として、0.1〜10の範囲となることが好ましく、0.5〜5の範囲が特に好ましい。縮合促進剤の使用量を上記範囲にすることによって縮合反応が効率よく進行する。
本実施形態における縮合反応は、上述の縮合促進剤と、水蒸気又は水との存在下で進行する。水蒸気の存在下の場合として、スチームストリッピングによる脱溶媒処理が挙げられ、スチームストリッピング中に縮合反応が進行する。また、縮合反応を水溶液中で行っても良い。
また、前記縮合促進剤を用いた縮合反応は20〜180℃の温度で行うことが好ましく、更には30〜170℃の範囲が好ましく、特に40〜150℃の範囲が好ましい。反応時間としては、0.5分〜10時間程度、好ましくは0.5分〜5時間、より好ましくは0.5〜120分程度、3〜60分の範囲が更に好ましい。
なお、縮合反応時の反応系の圧力は、0.01〜20MPaの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.05〜10MPaの範囲である。
縮合反応を水溶液中で行う場合の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器等の装置を用いて連続式で行っても良い。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行っても良い。
本実施形態における変性共役ジエン系重合体の変性剤由来のプロトン性アミノ基は、上述のように脱保護処理を行うことによって生成する。上述したスチームストリッピング等の水蒸気を用いる脱溶媒処理以外の脱保護処理の好適な具体例を以下に詳述する。
即ち、アミノ基上の保護基を加水分解することによってプロトン性アミノ基に変換する。これを脱溶媒処理することにより、プロトン性アミノ基を有する変性共役ジエン系重合体を得ることができる。なお、該縮合処理を含む段階から、脱溶媒して乾燥ポリマーまでのいずれかの段階において必要に応じて変性剤由来の保護されたアミノ基の脱保護処理を行うことができる。
本実施形態において得られる変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜150の範囲、より好ましくは20〜90の範囲である。ムーニー粘度の値を上記範囲にすることによって、混練り作業性及び加硫後の機械的特性のすぐれたゴム組成物を得ることができる。
本実施形態における変性共役ジエン系重合体は、重合体中にプロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基を有し、上記のプロトン性アミノ基や保護されたアミノ基の解離基は、カーボンブラックや無機充填剤に対して良好な相互作用を有する。当該変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物は、トレッドに用いた場合、低発熱性、ウェット性能、耐摩耗性及び耐亀裂成長性に優れたタイヤを提供することができる。
本実施形態におけるゴム組成物は、ゴム成分中、シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体及び/又はランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒で重合した共役ジエン系重合体をカルボニル基、エポキシ基、カルボキシル基、チオカルボニル基、チオエポキシ基、チオカルボキシル基、ニトリル基、イソシアナート基及びSi−X基(Xはハロゲン原子である。)から少なくとも1種選ばれる官能基及び保護されたアミノ基を有する変性剤により変性してなる変性共役ジエン系重合体を少なくとも10質量%含むものであるが、40質量%以上含むことがより好ましく、特に50質量%以上含むことが更に好ましい。ゴム成分中の上記の共役ジエン系共重合体を10質量%以上にすることによって、所望の物性を有するゴム組成物を得ることが出来る。
この共役ジエン系共重合体は一種用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
また、この共役ジエン系共重合体と併用される他のゴム成分としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びこれらの混合物などが挙げられる。また、その一部が多官能型、例えば四塩化スズ、四塩化珪素のような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているものでも良い。
−他のジエン系ゴム−
本実施形態におけるゴム成分は、前記共役ジエン系重合体に加えて、他のジエン系ゴムを含む。該他のジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、及びアクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。
これらの中では、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)及びポリブタジエンゴム(BR)から選ばれる少なくとも一種が、前記水素添加樹脂とのSP値の差が比較的小さいため好ましい。また、前記他のジエン系ゴムは、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
なお、タイヤのトレッド用ゴム組成物によく用いられるスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)は、水素添加樹脂とのSP値の差が、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴム程小さくないため、ゴム成分がSBRを主成分とするゴム組成物においては、水素添加樹脂の配合効果が小さい。そのため、本実施形態のゴム組成物は、前記ゴム成分中における、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムの他のジエン系ゴム中における総含有率が50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましい。
・カーボンブラック
本実施形態に係るゴム組成物においては、更にカーボンブラックを配合しても良い。配合量としては、前述のゴム成分100質量部に対して、5〜100質量部の範囲とすることが好ましく、5〜80質量部の範囲とすることがより好ましく、5〜50質量部の範囲とすることが特に好ましい。
カーボンブラックは、HAF級グレード、N339グレード、IISAFグレード、ISAF級グレード及びSAF級グレードの中から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましく、補強性を確保するために、SAF級グレード及びISAF級グレードを、低ヒステリシスロスを確保するために、HAF級グレード、N339グレード及びIISAFグレードを用いることが好ましい。
また、本実施形態のゴム組成物には、補強性充填剤として、上記カーボンブラック以外に、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機充填材を配合することができ、これらの中でも、カーボンブラック及び/又はシリカを配合することが好ましい。これら補強性充填剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
無機充填剤との質量比(無機充填剤:カーボンブラック)が(10:90)〜(95:5)の範囲であれば、破壊特性を確保し、優れた低ヒステリシスロス性を得ることができる。この観点から、質量比(30:70)〜(95:5)がより好ましく、質量比(50:50)〜(95:5)が特に好ましい。
ゴム組成物の調製
本実施形態におけるゴム組成物には、本実施形態の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは1.0〜5.0質量部の範囲である。0.1質量部未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性、低発熱性が低下するおそれがあり、10.0質量部を超えるとゴム弾性が失われる原因となる。
前記加硫促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾ−ル系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、(A)ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0質量部の範囲である。
また、前記プロセス油としては、例えばパラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部の範囲が好ましく、100質量部を超えると加硫ゴムの引張強度、低発熱性が悪化する傾向がある。
本実施形態におけるゴム組成物は、ゴム成分に、水素添加樹脂と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫等を行うことにより製造される。
<タイヤ>
本実施形態のタイヤは、前記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。即ち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階で例えばトレッドゴム等に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。本実施形態では、ゴム組成物をトレッド部材として用いることが、前述の特性が有効に発揮される点で望ましい。
また、本実施形態のタイヤが空気入りタイヤの場合、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、諸特性は下記の方法に従って測定した。
<変性共役ジエン系重合体の物性>
(数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定)
GPC[東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
(ムーニー粘度ML1+4(100℃)の測定)
JIS K6300−1:2001に従って測定した。
(ミクロ構造の分析法)
フーリエ変換赤外分光光度計(商品名「FT/IR−4100」,日本分光社製)を使用し、特開2005−015590号公報に記載されたフーリエ変換赤外分光法によって、シス−1,4−結合量(%)、トランス−1,4−結合量(%)及びビニル結合量(%)を測定した。
<タイヤ性能>
(低発熱性)
タイヤトレッドから加硫ゴムサンプルを切り出して、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機株式会社製)を用い、周波数52Hz、初期歪10%、測定温度60℃、動歪1%でtanδを測定し、比較例1のtanδ値の逆数を100として以下の式により指数で表示した。この指数の値が大きい程、低発熱性が良好(転がり抵抗が低い)である。
低発熱性指数={(比較例1のtanδ値)/(供試タイヤのtanδ値)}×100
(ウェット性能)
粘弾性スペクトロメーター(東洋精機株式会社製)を用い、周波数52Hz、初期歪10%、測定温度0℃、動歪1%でtanδを測定し、比較例1のtanδ値を100として以下の式により指数で表示した。この指数の値が大きい程、ウェット性能が良好である。
ウェット性能指数={(供試タイヤのtanδ値)/(比較例1のtanδ値)}×100
(耐摩耗性)
タイヤトレッドから加硫ゴムサンプルを切り出して、JIS K6264に従い、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、比較例1の摩耗量の逆数を100として以下の式により指数で表示した。この指数の値が大きい程、耐摩耗性が良好である。
耐摩耗性指数={(比較例1の摩耗量)/(供試タイヤの摩耗量)}×100
(耐亀裂成長性)
JIS3号試験片中心部に0.5mmの亀裂を入れ、室温で50〜100%の歪みで繰り返し疲労を与え、試験片が切断するまでの回数を測定した。比較例1の回数を100として以下の式により指数で表示した。この指数の値が大きい程、耐亀裂成長性が良好である。
耐亀裂成長性指数={(供試タイヤの回数)/(比較例1の回数)}×100
<変性剤、重合体の製造>
(変性剤の製造)
製造例A 変性剤a{N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−4,4’−ジアミノベンゾフェノン}の合成
4,4’−ジアミノベンゾフェノン約5.1g、トリエチルアミン10.7g及びトルエン10mLを丸底反応フラスコ中で混合した後、氷浴中で冷却した。この混合物に、トルエン50mL中のトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル23.5gの溶液を滴下した。
得られた混合物を室温で2日間撹拌した後、トルエンと未反応の反応剤を真空下で除去した。残留物をヘキサン100mLで抽出した。そのヘキサン層を40℃で真空蒸留して、11.0g(収率92%)の黄色固体を得た。
1H NMR分光法データ(C66、25℃、テトラメチルシランを基準とする。)から生成物の構造は下記化学構造式(a)を有するN,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−4,4’−ジアミノベンゾフェノンであると確認された。この化合物は、上記一般式(VI)において、R1がフェニレン基、R2及びR3がそれぞれメチル基、Qが一般式(VI−a)で表され、Jが酸素原子であり、R4がジシリルアミノ基置換フェニレン基である。なお、以下において「Me」はメチル基を示す。
Figure 2011088998
製造例B 変性剤b{N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノベンゾフェノン}の合成
4−アミノベンゾフェノン約12.0g、トリエチルアミン13.5g及びトルエン15mLを丸底反応フラスコ中で混合した後、氷浴中で冷却した。この混合物に、トルエン50mL中のトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル29.7gの溶液を滴下した。
得られた混合物を室温で2日間撹拌した後、トルエンと未反応の反応剤を真空下で除去した。残留物をシクロヘキサン100mLで抽出した。そのシクロヘキサン層を50℃で真空蒸留して、19.3g(収率93%)の茶色がかった黄色粘性液体を得た。
1H NMR分光法データ(C66、25℃、テトラメチルシランを基準とする。)から生成物の構造は下記化学構造式(b)を有するN,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノベンゾフェノンであると確認された。この化合物は、上記一般式(VI)において、R1がフェニレン基、R2及びR3がそれぞれメチル基、Qが一般式(VI−a)で表され、Jが酸素原子であり、R4がフェニル基である。
Figure 2011088998
製造例C 変性剤c{N,N−ビス(トリメチルシリル)グリシジルアミン}の合成
エピクロロヒドリン約10.4g及び リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.0mol/Lテトラヒドロフラン(THF)溶液112mLをフラスコ中で混合した後、還流冷却器に接続した。この混合物を加熱し約1時間還流した。その後、室温で真空下での蒸発により反応混合物から溶媒を除去した。残った反応混合物を真空下で蒸留して、12.1g(収率50%)の無色液体を得た。
1H NMR分光法データ(C66、25℃、テトラメチルシランを基準とする。)から生成物の構造は下記化学構造式(c)を有するN,N−ビス(トリメチルシリル)グリシジルアミンであると確認された。この化合物は、上記一般式(VI)において、R1がメチレン基、R2及びR3がそれぞれメチル基、Qが一般式(VI−b)で表わされ、Jが酸素原子であり、R5、R6及びR7がそれぞれ水素原子である。
Figure 2011088998
重合体製造例1 変性ポリブタジエンゴム−1の製造
タービンアジテイターブレイドを装備する反応器にヘキサン1.526kg及び1,3−ブタジエン18.8質量%のヘキサン溶液2.940kgが加えられた。
次に、メチルアルミノキサン4.32mol/Lのトルエン溶液7.35mL、1,3−ブタジエン20.6質量%のヘキサン溶液1.66g、バーサチック酸ネオジム0.537mol/Lのシクロヘキサン溶液0.59mL、水素化ジイソブチルアルミニウム1.0mol/Lのヘキサン溶液6.67mL、及び塩化ジエチルアルミニウム1.0mol/Lのヘキサン溶液1.27mLを混合することにより触媒を準備した。この触媒は反応に先立ち15分熟成した。
反応ジャケットの温度を65℃に設定し、触媒を投入して60分間経過後、重合体混合物を室温に冷却した。得られた重合体セメント423gを窒素パージした瓶に移した後、その瓶に変性剤a{N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−4,4’−ジアミノベンゾフェノン}0.200mol/Lのシクロヘキサン溶液8.88mLを投入し、65℃に保った水浴中で、その瓶を30分間回転した。瓶内の重合体を2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3Lで凝固した後、ドラム乾燥した。
得られた変性ポリブタジエンゴム−1(以下、「変性BR−1」という。)の諸物性を第1表に示す。
重合体製造例2 変性ポリブタジエンゴム−2の製造
重合体製造例1と同様にして得られた重合体セメント433gを窒素パージした瓶に移した後、その瓶に変性剤b{N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノベンゾフェノン}0.300mol/Lのシクロヘキサン溶液6.06mLを投入し、65℃に保った水浴中で、その瓶を30分間回転した。瓶内の重合体を2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3Lで凝固した後、ドラム乾燥した。
得られた変性ポリブタジエンゴム−2(以下、「変性BR−2」という。)の諸物性を第1表に示す。
重合体製造例3 変性ポリブタジエンゴム−3の製造
タービンアジテイターブレイドを装備する反応器にヘキサン1.512kg及び1,3−ブタジエン21.5質量%のヘキサン溶液2.954kgが加えられた。
次に、重合体製造例1と同様にして触媒を準備し、熟成した。
反応ジャケットの温度を65℃に設定し、触媒を投入して55分間経過後、重合体混合物を室温に冷却した。得られた重合体セメント435gを窒素パージした瓶に移した後、その瓶に変性剤c{N,N−ビス(トリメチルシリル)グリシジルアミン}0.463mol/Lのヘキサン溶液5.26mLを投入し、65℃に保った水浴中で、その瓶を30分間回転した。瓶内の重合体を2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3Lで凝固した後、ドラム乾燥した。
得られた変性ポリブタジエンゴム−3(以下、「変性BR−3」という。)の諸物性を第1表に示す。
重合体製造例4 変性ポリブタジエンゴム−4の製造
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジェン50gを注入し、ジテトラヒドロフリルプロパン/n−ブチルリチウムのモル比が0.03になるようにジテトラヒドロフリルプロパンを注入した。更にn−ブチルリチウムを0.36mmol加えた後、50℃で5時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系に、3−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(メチル)ジエトキシシランを速やかに加え、更に50℃で30分間変性反応を行った。3−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(メチル)ジエトキシシラン/n−ブチルリチウム(モル比)は、0.9であった。その後、重合反応系に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、更にスチームストリッピングにより脱溶媒し乾燥して変性ポリブタジエンゴム−4を得た。
得られた変性ポリブタジエンゴム−4(以下、「変性BR−4」という。)の諸物性を第1表に示す。
Figure 2011088998
<実施例1〜6及び比較例1〜7>
第2表に示す配合組成を有する13種のゴム組成物を調製し、それら13種類のゴム組成物を各々乗用車用空気入りラジアルタイヤ(タイヤサイズ195/60R15)のトレッド(トレッドキャップ部)に配設して、13種類の乗用車用空気入りラジアルタイヤを常法に従って製造し、それら13種類のタイヤを用い、あるいはこれらのトレッドからゴムサンプルを切り出し、上記の方法に従い、低発熱性、ウェット性能、耐摩耗性及び耐亀裂成長性を評価した。評価結果を第2表に示す。
Figure 2011088998
[注]
1) SBR1712:乳化重合油展スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、JSR(株)製、商品名「SBR1712」
2)〜5) 変性BR−1〜4: 重合体製造例1〜4の変性BR
6) プロセスオイル:三共油化工業(株)製、商品名「A/O ミックス」
7) 水添テルペン樹脂、ヤスハラケミカル(株)製、商品名「クリアロンP105」(軟化点:105℃)
8) 水添テルペン樹脂、ヤスハラケミカル(株)製、商品名「クリアロンP150」(軟化点:152℃)
9) 水添C9樹脂、荒川化学(株)製、商品名「アルコンM100」(軟化点:100℃)
10) C9樹脂、新日本石油化学(株)製、商品名「日石ネオポリマーL90」(軟化点:90℃)
11) カーボンブラック:ISAF、旭カ−ボン(株)製、商品名「旭#80」
12) シリカ:日本シリカ工業(株)製 ニップシールAQ(SHg=140m2 /g:ニップシールVN3を顆粒にしたもの)
13) デグサ社製、商品名「Si75」(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドの混合物)
14) ミクロクリスタリンワックス:精工化学(株)製、商品名「サンタイト S」
15) 老化防止剤:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、精工化学(株)製、商品名「オゾノン 6C」
16) 加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラー D」
17) 加硫促進剤CZ: N−シクロヘキシル−2−ベンゾジアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラー CZ」
18) 加硫促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラー DM」
本発明のゴム組成物は、低発熱性、ウェット性能、耐摩耗性及び耐亀裂成長性に優れるので、乗用車用ラジアルタイヤ、軽乗用車用ラジアルタイヤ、軽トラック用ラジアルタイヤ、トラック・バス用ラジアルタイヤ、建設車両用タイヤ等の各種空気入りタイヤに好適に用いられる。

Claims (28)

  1. シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体を10質量%以上45質量%以下含有し、さらに他のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、水素添加樹脂を0.5質量部以上100質量部未満配合してなるゴム組成物。
  2. 前記共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合量が、90%以上である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記共役ジエン系重合体のビニル結合量が、1.2%以下である請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記共役ジエン系重合体が、ポリブタジエンゴムである請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記共役ジエン系重合体が、変性ポリブタジエンゴムである請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記変性ポリブタジエンゴムが、窒素原子を含む変性ポリブタジエンゴムである請求項5に記載のゴム組成物。
  7. 前記変性ポリブタジエンゴムが、プロトン性アミノ基及び保護されたアミノ基を含む変性ポリブタジエンゴムから選ばれる少なくともいずれかである請求項5または6に記載のゴム組成物。
  8. 前記プロトン性アミノ基が、プロトン性第一アミノ基である請求項7に記載のゴム組成物。
  9. 前記保護されたアミノ基が、保護された第一アミノ基である請求項7に記載のゴム組成物。
  10. 前記ゴム成分と前記水素添加樹脂との溶解度パラメータ(SP値)の差が、1.5以下である請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. 前記水素添加樹脂が、石油樹脂または天然樹脂を水添した樹脂である請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物。
  12. 前記水素添加樹脂が、テルペン樹脂を水添してなる水添テルペン樹脂である請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物。
  13. 前記水添テルペン樹脂の軟化点が、80℃以上180℃以下である請求項12に記載のゴム組成物。
  14. 前記他のジエン系ゴムが、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜13のいずれかに記載のゴム組成物。
  15. 前記他のジエン系ゴム中における前記天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一種の総含有率が、50質量%以上である請求項14に記載のゴム組成物。
  16. ランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒で重合した共役ジエン系重合体をカルボニル基、エポキシ基、カルボキシル基、チオカルボニル基、チオエポキシ基、チオカルボキシル基、ニトリル基、イソシアナート基及びハロシリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基と保護されたアミノ基とを有する化合物により変性してなる変性共役ジエン系重合体を10質量%以上45質量%以下含有し、さらに他のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、水素添加樹脂を0.5質量部以上100質量部未満配合してなるゴム組成物。
  17. 前記変性共役ジエン系重合体が、シス−1,4−結合量が75%以上の変性ポリブタジエンゴムである請求項16に記載のゴム組成物。
  18. 前記変性ポリブタジエンゴムのシス−1,4−結合量が、90%以上である請求項17に記載のゴム組成物。
  19. 前記変性ポリブタジエンゴムのビニル結合量が、1.2%以下である請求項17または18に記載のゴム組成物。
  20. 前記保護されたアミノ基が、保護された第一アミノ基である請求項16〜19のいずれかに記載のゴム組成物。
  21. 前記ゴム成分と前記水素添加樹脂との溶解度パラメータ(SP値)の差が、1.5以下である請求項16〜20のいずれかに記載のゴム組成物。
  22. 前記水素添加樹脂が、石油樹脂または天然樹脂を水添した樹脂である請求項16〜21のいずれかに記載のゴム組成物。
  23. 前記水素添加樹脂が、テルペン樹脂を水添してなる水添テルペン樹脂である請求項16〜22のいずれかに記載のゴム組成物。
  24. 前記水添テルペン樹脂の軟化点が、80℃以上180℃以下である請求項23に記載のゴム組成物。
  25. 前記他のジエン系ゴムが、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一種である請求項16〜24のいずれかに記載のゴム組成物。
  26. 前記他のジエン系ゴム中における天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一種の総含有率が、50質量%以上である請求項25に記載のゴム組成物。
  27. 請求項1〜26のいずれかに記載のゴム組成物を用いてなるタイヤ。
  28. 請求項1〜26のいずれかに記載のゴム組成物をトレッド部材に用いた請求項27に記載のタイヤ。
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