JP2014234448A - ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、乾燥路面におけるグリップ性、湿潤路面におけるグリップ性、及び耐摩耗性を高い次元で並立させることができるゴム組成物を提供することを目的とする。【解決手段】置換アミノ基、及び、環状アミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有する共役ジエン系重合体である変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、シリカを含む充填剤と、軟化点が145℃以下である低軟化点樹脂と、を含み、変性共役ジエン系重合体の前記ゴム成分に対する割合が、10〜40重量%であり、充填剤の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、80〜110重量部であり、低軟化点樹脂の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、5.0〜40重量部であり、シリカの前記充填剤に対する割合が、60〜95重量%である、ことを特徴とする、ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、乾燥路面におけるグリップ性、湿潤路面におけるグリップ性、及び耐摩耗性を高い次元で並立させることができるゴム組成物に関する。
タイヤに用いるゴム組成物には、タイヤ寿命の長期化のための良好な耐摩耗性、自動車の低燃費化のための低発熱性、高速での旋回等のためのグリップ性能等の様々な性能が求められる。
一般に、タイヤに用いるゴム組成物は、重合体からなるゴム成分に加えて、補強性、耐摩耗性等を向上させる目的で、カーボンブラック、シリカ等の充填剤を含む。
充填剤は、ゴム組成物の補強性を高め、その耐摩耗性を向上させる性質を有するものの、一般に、ゴム組成物との親和性は十分ではない。
最近、特定の官能基により官能化した重合体を用いることによって、ゴム組成物と充填剤との親和性を高め、ゴム組成物の耐摩耗性を更に向上させる手法が知られている。
例えば、特許文献1には、発熱性及び耐摩耗性を改良するために、置換アミノ基、及び、環状アミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基、及び、カップリング剤((RZX)を用いて形成させる、少なくとも1つのスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する共役ジエン系重合体である変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、カーボンブラックからなる充填剤と、を含むゴム組成物が記載されている。
このゴム組成物によれば、重合体とカーボンブラックとの相互作用の高まりにより、良好な耐摩耗性を有すると共に、特に優れた低発熱性を有するゴム組成物を提供することができる。
国際公開第2004/087802号
しかしながら、上記従来のゴム組成物は、良好な耐摩耗性を有すると共に、特に優れた低発熱性を有するものの、全天候型タイヤに必要とされるグリップ性に向上の余地を有していた。
そこで、本発明は、乾燥路面におけるグリップ性、湿潤路面におけるグリップ性、及び耐摩耗性を高い次元で並立させることができるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
本発明のゴム組成物は、
下記一般式(I)
Figure 2014234448
[式中、Rはそれぞれ独立して、1〜12個の炭素原子を有する、アルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を示す。]
で表される置換アミノ基、及び、
下記一般式(II)
Figure 2014234448
[式中、Rは、3〜16個のメチレン基を有する、アルキレン基、置換アルキレン基、オキシ−アルキレン基又はN−アルキルアミノ−アルキレン基を示す。]
で表される環状アミノ基
からなる群から選択される少なくとも一種の官能基
を有する共役ジエン系重合体である変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、
シリカを含む充填剤と、
軟化点が145℃以下である低軟化点樹脂と、
を含み、
前記変性共役ジエン系重合体の前記ゴム成分に対する割合が、10〜40重量%であり、
前記充填剤の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、80〜110重量部であり、
前記低軟化点樹脂の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、5.0〜40重量部であり、
前記シリカの前記充填剤に対する割合が、60〜95重量%である、
ことを特徴とする。
本発明のゴム組成物によれば、乾燥路面におけるグリップ性、湿潤路面におけるグリップ性、及び耐摩耗性を高い次元で並立させることができる。
なお、「共役ジエン系重合体」とは、共役ジエン化合物の単独重合体、又は共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体を指す。
またなお、「軟化点」とは、硬化物を再び加熱して高温上昇させ、ある温度に達すると弾性率が急激に低下する温度を意味し、JIS K 2207に記載される軟化点試験方法(6.4 軟化点試験方法(環球法))を用いて測定された軟化点を指す。
また、本発明のゴム組成物では、前記変性共役ジエン系重合体は、
下記一般式(III)
Figure 2014234448
[式中、Zはスズ又はケイ素であり、Rはそれぞれ独立して、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するアリール基、及び7〜20個の炭素原子を有するアラルキル基からなる群から選択され、Xはそれぞれ独立して塩素又は臭素であり、aは0〜3であり、bは1〜4であり、且つa+b=4である]
で表されるカップリング剤を用いて形成される、少なくとも1つのスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する変性共役ジエン系重合体であることが好ましい。上記変性共役ジエン系重合体とすれば、乾燥路面におけるグリップ性、湿潤路面におけるグリップ性、及び耐摩耗性を高い次元で並立させるという本発明のゴム組成物による効果が得られやすい。
更に、本発明のゴム組成物では、前記低軟化点樹脂は、合成樹脂であることが好ましい。低軟化点樹脂を上記の樹脂とすれば、低軟化点樹脂による効果が得られやすい。
更に、本発明のゴム組成物では、前記合成樹脂は、石油樹脂であることが好ましい。低軟化点樹脂を石油樹脂とすれば、低軟化点樹脂による上記効果が更に得られやすい。
更に、本発明のゴム組成物では、前記石油樹脂は、ナフサの熱分解によって得られるC5留分とナフサの熱分解によって得られるC9留分とを共重合することによって得られる共重合系石油樹脂であることが好ましい。低軟化点樹脂を共重合系石油樹脂とすれば、低軟化点樹脂による上記効果が更に得られやすい。
更に、本発明のゴム組成物では、前記ゴム成分は、天然ゴム及び/又は合成ポリイソプレンゴムを更に含むことが好ましい。ゴム成分を上記のゴムを更に含むものとすれば、ゴム組成物の耐摩耗性の低減を抑制することができる。
更に、本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッド用であることが好ましい。本発明のゴム組成物をタイヤのトレッドに用いれば、製造したタイヤの、乾燥路面におけるグリップ性、湿潤路面におけるグリップ性、及び耐摩耗性を高い次元で並立させることができる。
本発明のゴム組成物によれば、乾燥路面におけるグリップ性、湿潤路面におけるグリップ性、及び耐摩耗性を高い次元で並立させることができる。
以下、本発明のゴム組成物の実施形態について詳細に例示説明する。
本発明のゴム組成物は、下記一般式(I)
Figure 2014234448
[式中、Rはそれぞれ独立して、1〜12個の炭素原子を有する、アルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を示す。]
で表される置換アミノ基、及び、下記一般式(II)
Figure 2014234448
[式中、Rは、3〜16個のメチレン基を有する、アルキレン基、置換アルキレン基、オキシ−アルキレン基又はN−アルキルアミノ−アルキレン基を示す。]
で表される環状アミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有する共役ジエン系重合体である変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、シリカを含む充填剤と、軟化点が145℃以下である低軟化点樹脂と、を含み、変性共役ジエン系重合体の前記ゴム成分に対する割合が、10〜40重量%であり、充填剤の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、80〜110重量部であり、低軟化点樹脂の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、5.0〜40重量部であり、シリカの前記充填剤に対する割合が、60〜95重量%である、ことを必要とする。
(ゴム成分)
(変性共役ジエン系重合体)
本発明のゴム組成物に用いられる変性共役ジエン系重合体のベースとなる共役ジエン系重合体の単量体(以下、「共役ジエン系モノマー」ともいう。)の例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、及び1,3−ヘキサジエン、並びにスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、及びビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマーが挙げられる。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン系重合体は、上記共役ジエン系モノマーの単独重合体であっても、共重合体であってもよい。単独重合体の共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエンが好ましく、また、共重合体の共役ジエン系重合体としては、共役ジエンとビニル芳香族化合物との共重合体が好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体が特に好ましい。
一般式(I)で表される官能基である置換アミノ基のRは、1〜12個の炭素原子を有する、アルキル基、シクロアルキル基、又はアラルキル基である。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、又はイソブチル基が好ましく、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましく、アラルキル基としては、3−フェニル−1−プロピル基が好ましい。各々のRは、同種ものであっても異種のものであってもよい。
一般式(II)で表される官能基である環状アミノ基のR基は、3〜16個のメチレン基を有する、アルキレン基、置換アルキレン基、オキシ−アルキレン基又はN−アルキルアミノ−アルキレン基である。ここで、置換アルキレン基は、一置換から八置換されたアルキレン基を含み、置換基の例としては、1〜12個の炭素原子を有する、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基が挙げられる。
ここで、アルキレン基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、及びドデカメチレン基が好ましく、置換アルキレン基としては、ヘキサデカメチレン基が好ましく、オキシアルキレン基としては、オキシジエチレン基が好ましく、N−アルキルアミノ−アルキレン基としては、N−アルキルアザジエチレンが好ましい。
一般式(II)の環状アミノ基の例としては、2−(2−エチルヘキシル)ピロリジン、3−(2−プロピル)ピロリジン、3,5−ビス(2−エチルヘキシル)ピペリジン、4−フェニルピペリジン、7−デシル−1−アザシクロトリデカン、3,3−ジメチル−1−アザシクロテトラデカン、4−ドデシル−1−アザシクロオクタン、4−(2−フェニルブチル)−1−アザシクロオクタン、3−エチル−5−シクロヘキシル−1−アザシクロヘプタン、4−ヘキシル−1−アザシクロヘプタン、9−イソアミル−1−アザシクロヘプタデカン、2−メチル−1−アザシクロヘプタデセ−9−エン、3−イソブチル−1−アザシクロドデカン、2−メチル−7−t−ブチル−1−アザシクロドデカン、5−ノニル−1−アザシクロドデカン、8−(4’−メチルフェニル)−5−ペンチル−3−アザビシクロ[5.4.0]ウンデカン、1−ブチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、8−エチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−プロピル−3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、3−(t−ブチル)−7−アザビシクロ[4.3.0]ノナン、又は1,5,5−トリメチル−3−アザビシクロ[4.4.0]デカンが挙げられる。
共役ジエン系重合体が有するアミノ基は、共役ジエン系重合体とカーボンブラック及び/又はシリカとの相互作用を強めるため、ゴム組成物に、良好な耐摩耗性、高補強性、及び高弾性を付与することができる。
本発明のゴム組成物に用いられる変性共役ジエン系重合体は、更に、下記一般式(III)
Figure 2014234448
[式中、Zはスズ又はケイ素であり、Rはそれぞれ独立して、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するアリール基、及び7〜20個の炭素原子を有するアラルキル基からなる群から選択され、Xはそれぞれ独立して塩素又は臭素であり、aは0〜3であり、bは1〜4であり、且つa+b=4である]
で表されるカップリング剤を用いて形成される、少なくとも1つのスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する変性共役ジエン系重合体であることが好ましい。
上記式(III)のZは、スズ(Sn)又はケイ素(Si)であり、スズであることが好ましい。
上記式(III)のRは、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するアリール基、又は7〜20個の炭素原子を有するアラルキル基である。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基、及び2−エチルヘキシルが好ましく、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましく、アリール基としては、フェニル基が好ましく、アラルキル基としては、ネオフィル基が好ましい。各々のRは、同種ものであっても異種のものであってもよい。
上記式(III)のXは、塩素又は臭素である。各々のXは、同種ものであっても異種のものであってもよい。
aは0〜3であり、bは1〜4であり、且つ、a+b=4である。
スズを用いたカップリング剤の例としては、SnCl(四塩化スズ)、(R)SnCl、(RSnCl、(RSnClが挙げられ、特に、カップリング剤としては、SnCl(四塩化スズ)が好ましい。
ケイ素を用いたカップリング剤の例としては、SiCl(四塩化スズ)、(R)SiCl、(RSiCl、(RSiClが挙げられ、特に、SiCl(四塩化スズ)が好ましい。
一般的に、スズ又はケイ素は、単にゴム組成物中に混合された場合、その重合体との親和性の低さに起因して、ゴム組成物の補強性等が低い。本発明では、共役ジエン系重合体とスズ又はケイ素とを、スズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を介して化学的に結合させることにより、ゴム組成物と充填剤との親和性を高め、ゴム組成物に良好な耐摩耗性及び高補強性を付与することができる。
(ゴム成分に更に含まれるゴム)
本発明のゴム組成物では、ゴム成分は、上記変性共役ジエン系重合体以外のゴムを更に含まれる。ここで、ゴム成分は、天然ゴム及び/又は合成ポリイソプレンゴムを更に含むことが好ましい。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ゴム成分を上記のゴムを更に含むものとすれば、ゴム組成物の破壊特性及び発熱性を良好にして、ゴム組成物の耐摩耗性の低減を抑制することができ、また、ゴム組成物に含まれるカーボンブラックの分散性を向上させることができる。
本発明のゴム組成物では、良好なバランスの性能とする観点から、ゴム成分は、天然ゴムを更に含むことが更に好ましい。
本発明のゴム組成物では、ゴム成分は、本発明のゴム組成物の効果を失わない限り、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、及びブチルゴム等の他のゴムを更に含むことができる。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(充填剤)
(シリカ)
本発明のゴム組成物に用いられるシリカの例としては、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムが挙げられる。一般的には、微紛末状の湿式シリカや乾式シリカが有用である。特に、シリカとしては、耐摩耗性の向上、及び湿潤路面でのグリップ性の向上に関して最も顕著な効果のある湿式シリカが好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられるシリカの窒素吸着比表面積は、80〜300m/gであることが好ましい。この比表面積を80m/g以上とすれば、十分な補強性を得ることができ、また、300m/g以下とすれば、作業性の低下を抑制することができる。
なお、窒素吸着比表面積(NSA)とは、JIS K 6430に記載される窒素吸着法による比表面積を指す。
(カーボンブラック)
本発明のゴム組成物に用いられるカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、70m/g以上であることが好ましい。上記範囲とすれば、ゴム組成物の耐摩耗性を良好に向上させることができる。なお、窒素吸着比表面積(NSA)とは、JIS K 6217−2に記載される窒素吸着比表面積を指す。
カーボンブラックとしては、ASTM(American Society for Testing and Materials)による分類で、HAF、ISAF、及びSAFが好ましく、ISAF及びSAFが特に好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられる樹脂は、軟化点が145℃以下であることを必要とする。
ここで、本発明のゴム組成物は、軟化点が145℃以下である低軟化点樹脂を含むため、比較的低温においてゴム組成物が軟化し、粘着性を帯びる。そのため、ゴム組成物の乾燥路面におけるグリップ性、及び湿潤路面におけるグリップ性を向上させることができる。
低軟化点樹脂の軟化点は、45〜120℃以上であることが好ましい。特に、石油系樹脂、石炭系樹脂及びキシレン系樹脂に関して、軟化点が45℃未満の場合には、グリップ性が劣化する虞があり、一方、軟化点が120℃超の場合、低温時の弾性率の温度依存性が高くなり過ぎる虞、及び加工性が悪化する虞がある。そのため、軟化点を上記範囲とすることが好ましい。
低軟化点樹脂として、様々な天然樹脂及び合成樹脂を用いることができる。
ここで、本発明のゴム組成物に用いられる低軟化点樹脂は、合成樹脂であることが好ましい。多くの合成樹脂は可塑性を有するためである。
天然樹脂の例としては、ロジン系樹脂又はテルペン系樹脂が挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ロジン系樹脂の例としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、並びにグリセリン、又はペンタエリスリトールエステル等の変性ロジンが挙げられる。
テルペン系樹脂の例としては、α−ピネン系、β−ピネン系、若しくはジペンテン系等のテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、又は水素添加テルペン樹脂が挙げられる。
天然樹脂としては、樹脂を含むゴム組成物の耐摩耗性及びグリップ性の観点から、重合ロジン、テルペンフェノール樹脂、及び水素添加テルペン樹脂が好ましい。
合成樹脂としては、石油樹脂、フェノール系樹脂、石炭系樹脂、又はキシレン系樹脂が挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、合成樹脂としては、グリップ性と加工性との両立の観点から、石油樹脂であることが好ましい。
石油樹脂は、例えば、石油精製工程中のナフサの熱分解において、エチレン、プロピレン、ブチレン等の石油化学基礎製品と共に得られる、オレフィン、ジオレフィン等の不飽和炭化水素を含む留分を、フリーデル・クラフツ反応の触媒を用いて重合することによって、得ることができる。
石油樹脂の例としては、ナフサの熱分解によって得られるC5留分を単独重合及び/又は共重合することによって得られる脂肪族系石油樹脂、ナフサの熱分解によって得られるC9留分を単独重合及び/又は共重合することによって得られる芳香族系石油樹脂、C5留分とC9留分とを共重合して得られる共重合系石油樹脂、水素添加系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂等の脂環式化合物系石油樹脂、スチレン、置換スチレン、スチレンと他のモノマーとの共重合体等のスチレン系樹脂が挙げられる。
C5留分の例としては、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン等のオレフィン系炭化水素、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,2−ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素が挙げられる。
C9留分の例としては、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、γ−メチルスチレン等のスチレン異性体やインデン、及び1−ベンゾフラン(クマロン)等のインデン類縁体が挙げられる。
フェノール系樹脂としては、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド系樹脂、及びそのロジン変性物、アルキルフェノール・アセチレン系樹脂、変性アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂が挙げられる。
石炭系樹脂としては、クマロンインデン樹脂が挙げられる。
キシレン系樹脂としては、キシレンホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。
ここで、石油樹脂としては、ゴム組成物の耐摩耗性及びグリップ性の観点から、共重合系石油樹脂であることが好ましい。
共重合系石油樹脂の例としては、ナフサの熱分解によって得られるC5留分とC9留分とを共重合して得られる共重合系石油樹脂が挙げられる。
低軟化点樹脂の分子量は、例えば、数百から数千とすることができる。
(各種配合量)
(変性共役ジエン系重合体の配合量)
本発明のゴム組成物では、上記の変性共役ジエン系重合体の前記ゴム成分に対する割合が、10〜40重量%であることを必要とする。
変性共役ジエン系重合体の前記ゴム成分に対する割合を、10重量部以上とすれば、ゴム組成物の良好な耐摩耗性を確保することができ、変性共役ジエン系重合体の前記ゴム成分に対する割合を、40重量部以下とすれば、乾燥路面におけるグリップ性、及び湿潤路面におけるグリップ性の向上が抑制されない。
ここで、本発明のゴム組成物では、同様の理由により、変性共役ジエン系重合体の前記ゴム成分に対する割合は、15〜30重量%であることが好ましい。
本発明のゴム組成物に天然ゴム及び/又は合成ポリイソプレンゴムが含まれる場合には、ゴム成分100重量部に対して、天然ゴム及び/又は合成ポリイソプレンゴムが20重量部以上含まれることが好ましく、40重量部以上含まれることが更に好ましい。
上記組成とすれば、ゴム組成物の耐摩耗性の低減を抑制するという効果を確保することができる。
(充填剤の配合量)
本発明のゴム組成物では、充填剤の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、80〜110重量部であることを必要とする。
充填剤の配合量を、ゴム成分100重量部に対して、80質量部以上とすれば、グリップ性を向上させることができ、110質量部以下とすれば、乾燥路面におけるグリップ性能、及び耐摩耗性を向上させることができる。
ここで、充填剤の配合量は、同様の理由により、85〜105重量部であることが好ましく、90〜105重量部であることが更に好ましい。
(低軟化点樹脂の配合量)
本発明のゴム組成物では、低軟化点樹脂の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、5.0〜40重量部であることを必要とする。
低軟化点樹脂の配合量を、ゴム成分100重量部に対して、5.0重量部以上とすれば、乾燥路面におけるグリップ性、及び湿潤路面におけるグリップ性を向上させることができ、40質量部以下とすれば、グリップ性の向上が抑制されない。
ここで、低軟化点樹脂の配合量は、同様の理由により、ゴム成分100重量部に対して、20〜30重量部であることが好ましく、24〜30重量部であることが更に好ましい。
(シリカの充填剤に対する割合)
本発明のゴム組成物では、シリカの充填剤に対する割合が、60〜95重量%であることが好ましい。
シリカの充填剤に対する割合を、60重量%以上とすれば、耐摩耗性を向上させることができ、95重量%以下とすれば、耐摩耗性の向上が抑制されない。
ここで、シリカの充填剤に対する割合は、同様の理由により、70〜95重量%であることが好ましく、75〜90重量%であることが更に好ましい。
(その他の添加物)
本発明のゴム組成物には、上記変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分、充填剤、低軟化点樹脂の他に、ゴム業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、軟化剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫剤、オイル、硫黄等を、本発明の目的を害しない限り、適宜配合することができる。これらの配合剤としては、市販品を用いることができる。
(ゴム組成物の製造方法)
以下に、本発明のゴム組成物の製造方法の一例を記載する。
(変性共役ジエン系重合体の合成方法)
初めに、本発明のゴム組成物に用いられる変性共役ジエン系重合体の合成方法の一例を記載する。
まず、炭化水素溶媒に、少なくとも一種の共役ジエン系モノマーを溶解させて反応溶液を調製する。
その後、この反応溶液に、下記一般式(IV)
Figure 2014234448
[ここで、AMは、下記一般式(I)
Figure 2014234448
[式中、Rはそれぞれ独立して、1〜12個の炭素原子を有する、アルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を示す。]
で表される置換アミノ基、及び、
下記一般式(II)
Figure 2014234448
[式中、Rは、3〜16個のメチレン基を有する、アルキレン基、置換アルキレン基、オキシ−アルキレン基又はN−アルキルアミノ−アルキレン基を示す。]
で表される環状アミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基であり、Qは、炭化水素、エーテル類、アミン類、3〜300の重合度を有する、芳香族ジエニル若しくは芳香族ビニルの単独重合体若しくはそれらの共重合体、若しくは極性リガンド、又はそれらの混合物からなる群から選択される可溶化成分であり、yは0又は0.5〜3である]
で表されるリチオアミン、又は上記のリチオアミンと有機アルカリ金属化合物との混合物を、重合開始剤として加えることによって、アニオン重合を開始させる。
上記一般式(IV)のQは、炭化水素、エーテル類、アミン類、3〜300の重合度を有する、芳香族ジエニル若しくは芳香族ビニルの単独重合体若しくはそれらの共重合体、若しくは極性リガンド、又はそれらの混合物からなる群から選択される可溶化成分である。
上記一般式(IV)のyは0又は0.5〜3である。
アニオン重合反応の完了後、反応溶液に、更に下記一般式(III)
Figure 2014234448
で表されるカップリング剤を加え、約1〜約1,000分間撹拌することによって、スズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を形成させることが好ましい。
上記一例の合成方法により、変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
(重合開始剤)
一般式(IV)((AM)Li(Q))で表される重合開始剤のQは、可溶化成分であり、重合開始剤は、この可溶化成分の存在下では炭化水素溶媒に可溶となる。
可溶化成分(Q)の例として、炭化水素、エーテル類、アミン類、3〜300の重合度を有する、芳香族ジエニル若しくは芳香族ビニルの単独重合体若しくはそれらの共重合体、又は極性リガンドが挙げられる。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(IV)のyは0又は0.5〜3である。
上記重合体の例としては、ポリスチレン単独重合体、及びスチレンとブタジエンやイソプレンとの共重合体が挙げられる。極性リガンドの例としては、テトラヒドロフラン(THF)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)が挙げられる。
(AM)Li(Q)で表される重合開始剤のAMは、一般式(I)で表される置換アミノ基、及び一般式(II)で表される環状アミノ基から選択される少なくとも一種の官能基を表す。
重合開始剤は、例えば、脱水の非プロトン性溶媒に、可溶化成分Qの存在下、共役ジエン系重合体に導入するアミノ基AMに対応するアミンAM−Hを溶解させて、反応溶液を調製し、次いで、この反応溶液に、同じ又は類似の溶媒に溶解させた有機リチウム化合物を加えることによって、重合開始剤を調製することができる。
ここで、有機リチウム化合物は、下記一般式(V)
Figure 2014234448
で表される。
上記一般式(V)のRは、1〜20個の炭素原子を有する、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、又はジオレフィンと芳香族ビニルモノマーとを重合させることにより得られる25以下の重合度を有する短鎖長の低分子量ポリマーである。
ここで、アルキル基の例としては、n−ブチル基、s−ブチル基、メチル基、エチル基、及びイソプロピル基が挙げられ、シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシル基、及びメンチル基が挙げられ、アルケニル基の例としては、アリル基及びビニル基が挙げられ、アリール基の例としては、フェニル基が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基が挙げられる。また、ジオレフィンと芳香族ビニルモノマーとを重合させることにより得られる25以下の重合度を有する短鎖長の低分子量ポリマーの例としては、オリゴ(スチリル)基、オリゴ(ブタジエニル)基、及びオリゴ(イソプレニル)基が挙げられる。
有機リチウム化合物としては、n−ブチルリチウムが好ましい。
重合開始剤の調製は、共役ジエン系モノマーの重合反応系中(in situ)で調製することもできる(特開平6−199921号公報参照)。
重合開始剤として任意にリチオアミンと共に用いられる有機アルカリ金属化合物は、一般式RM、ROM、RC(O)OM、RNM、及びRSOMで表される化合物、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。ここで、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、1〜12個の炭素原子を有する、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、及びフェニル基からなる群から選択される。Mは、金属成分を表し、Na、K、Rb、及びCsからなる群から選択され、特に、Na又はKであることが好ましい。
(溶媒)
炭化水素溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、及びそれらの混合物が用いられる。
(キレート剤)
重合開始剤を加えた反応溶液中に、均一な重合を援助するキレート剤を用いることもできる。キレート剤としては、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、オキソラニル環状アセタール、及び環状オリゴマー状オキソラニルアルカンが挙げられ、特に、環状オリゴマー状オキソラニルアルカンが好ましい。環状オリゴマー状オキソラニルアルカンの具体例として、例えば、2,2−ビス(テトラヒドロフリル)プロパンが挙げられる。
以下に、本発明のゴム組成物に用いられる変性共役ジエン系重合体の合成方法の別の例を記載する。
別の例の合成方法では、上記重合開始剤の代わりに変性剤を用いて、共役ジエン系重合体にアミノ基を導入する。変性剤としては、カルボジイミド類、N−メチルピロリジノン、環状アミド類、環状尿素類、イソシアネート類、シッフ塩基、及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられる。スズ又はケイ素を用いたカップリング剤は、上記一例の合成方法の場合と同様である。
(ゴム組成物の製造)
本発明のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分、充填剤、低軟化点樹脂、及び適宜選択した配合剤を配合した後、混練り、熱入れ、押出し等の当業者に周知の手法により、製造することができる。
(ゴム組成物を用いたタイヤ)
本発明のゴム組成物は、タイヤの製造に用いることができる。ゴム組成物は、タイヤのあらゆる部材に用いることができ、タイヤは、当業者に周知の手法により、製造することができる。
ここで、本発明のゴム組成物は、好適には、タイヤのトレッドに用いることができる。上記ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、乾燥路面におけるグリップ性、湿潤路面におけるグリップ性、及び耐摩耗性を高い次元で並立させることができるという、本発明のゴム組成物の効果を得ることができる。
また、このゴム組成物は、好適には、自動二輪車用タイヤに用いられる。自動二輪車用タイヤは、乗用車用タイヤと比較して、車両のコーナリング時にタイヤ赤道面の路面に対する傾きが大きくなるため、乾燥路面及び湿潤路面において相対的に高いグリップ性が求められる。また、自動二輪車用タイヤは、乗用車用タイヤと比較して、単位面積当たりの荷重負荷が大きいため、比較的高い耐摩耗性が求められる。これに対して、上記本発明のゴム組成物を用いたタイヤは、自動二輪車用タイヤに求められる性能を十分に有するため、自動二輪車用タイヤとして好適である。
更に、本発明のゴム組成物は、例えば、履き物、ベルト、床材等にも用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1、2)
(無変性共役ジエン系重合体(BR1)の合成)
シクロヘキサン283g、1,3−ブタジエン50g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0057mmol、及びヘキサメチレンイミン0.513mmolのシクロヘキサン溶液を調製した。そして、乾燥させ、窒素置換した容量900mLの耐圧ガラス容器に、これらの溶液を加えて、反応混合物を調製した後、撹拌しながらn−ブチルリチウム(n−BuLi)0.57mmolをこの混合物に加えて、重合反応を開始させた。50℃で4.5時間撹拌を続けたところ、重合転化率は約100%となった。そして、5%の2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液0.5mlを加えて、重合反応を停止させた。その後、常法に従った回収及び乾燥により、変性共役ジエン系重合体であるBR1(末端にアミノ基を有する重合体)を得た。
(スチレンブタジエンゴム(SBR)の準備)
スチレンブタジエンゴム(SBR)として、旭化成ケミカルズ(株)社製 品名:TUFDENE 3835を用いた。
低軟化点樹脂として、C5−C9石油樹脂(東燃化学(株)社製、型番:ECR−213 )を用いた。該樹脂の軟化点は、JIS K−2207 6.4 軟化点試験方法(環球法)に準拠した方法により測定したところ、105℃であった。
(性能評価)
表1に示す配合割合のゴム組成物を調製し、該ゴム組成物をタイヤのトレッドに用いて、サイズ120/70ZR17M/C、及び180/55R17M/Cのタイヤを作製した(以下、それぞれ、「タイヤ1」、「タイヤ2」ともいう)。
作製したタイヤ1を、JATMA規格に定める適用リム(リム幅3.50インチ)に装着してリム組みしたタイヤ1を作製して、上記タイヤ1を、内圧250kPaの条件下で空気入りタイヤ1とした。また、同様に、作製したタイヤ2を、JATMA規格に定める適用リム(リム幅5.50インチ)に装着してリム組みしたタイヤ2を作製して、上記タイヤ2を、内圧290kPaの条件下で空気入りタイヤ2とした。そして、大型自動二輪車(排気量1000cc)の前輪に空気入りタイヤ1を、後輪に空気入りタイヤ2を装着し、以下(1)〜(3)に示す試験を行い、空気入りタイヤ1及び2の走行性能を評価した。
(1)乾燥路面でのグリップ性試験
乾燥路のコース上において、テストライダーが、様々な走行を行い、走行中のタイヤのグリップ性についてフィーリング評価を行った。具体的には、実施例1の評価結果を10点満点で6.0として、相対評価となる指数を算出した。評価結果を表1に示す。指数が大きいほどタイヤの乾燥路面でのグリップ性が大きいことを示す。
(2)湿潤路面でのグリップ性試験
湿潤路のコース上において、テストライダーが、様々な走行を行い、走行中のタイヤのグリップ性についてフィーリング評価を行った。具体的には、実施例1の評価結果を10点満点で6.0として、相対評価となる指数を算出した。評価結果を表1に示す。指数が大きいほどタイヤの湿潤路面でのグリップ性が大きいことを示す。
(3)耐摩耗性試験
舗装路面のテストコースにおいて、テストライダーが車両を80km/時で3500km走行させた。そして、走行後の残溝の量を計測し、該残溝の量からタイヤの耐摩耗性を評価した。具体的には、実施例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。評価結果を表1に示す。指数が大きいほど耐摩耗性が高いことを示す。
Figure 2014234448
Figure 2014234448
Figure 2014234448
Figure 2014234448
*1(SBR):旭化成ケミカルズ社製、型番・品名:TUFDENE 3835、この中のポリマー成分の重量部を表中に記載(37.5重量部油展、結合スチレン量35%)
*2(カーボンブラック):旭カーボン社製、型番・品名:ASAHI#107
*3(シリカ):東ソー・シリカ社製、型番・品名:ニップシール AQ
*4(シランカップリング剤):信越化学工業社製、型番・品名:ABC−856
*5(樹脂1):東燃化学社製、型番・品名:ECR−213
*6(樹脂2):JX日鉱日石エネルギー社製、型番・品名:日石ネオポリマー 140
*7(樹脂3):BASF社製、型番・品名:KORESIN
*8(樹脂4):アイレック社製、型番・品名:ハイロジンS
*9(樹脂5):JX日鉱日石エネルギー社製、型番・品名:日石ネオポリマー 170S
*10(オイル):JX日鉱日石エネルギー社製、型番・品名:A/O MIX
これにSBR中の油展分を合わせた重量部を表中に記載
*11(酸化亜鉛):ハクスイテック社製、型番・品名:酸化亜鉛2種
*12(老化防止剤 6C):住友化学社製、型番・品名:アンチゲン 6C
*13(加硫促進剤(DPG)):住友化学社製、型番・品名:ソクシノール D
*14(加硫促進剤(CZ)):大内新興化学工業社製、型番・品名:ノクセラーCZ−G
(比較例1)
BR1の代わりにSBRを用いたこと以外は、実施例1と同様に、上記の性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
(変性共役ジエン系重合体(BR2)の合成)
シクロヘキサン283g、1,3−ブタジエン50g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0057mmol、及びヘキサメチレンイミン0.513mmolのシクロヘキサン溶液を調製した。そして、乾燥させ、窒素置換した容量900mLの耐圧ガラス容器に、これらの溶液を加えて、反応混合物を調製した後、撹拌しながらn−ブチルリチウム(n−BuLi)0.57mmolをこの混合物に加えて、重合反応を開始させた。
50℃で4.5時間撹拌を続けたところ、重合転化率は約100%となった。別に調製した四塩化錫0.100mmolのシクロヘキサン溶液を、この反応混合物に加えて、50℃で30分間攪拌した。そして、5%の2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液0.5mlを加えて、重合反応を停止させた。その後、常法に従った回収及び乾燥により、変性共役ジエン系重合体であるBR2(末端にアミノ基及びスズを有する重合体)を得た。
BR1の代わりにBR2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記の性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例4〜11、比較例2〜10)
表1に示す配合のゴム組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、上記の性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例5と比較例9とを比較することにより、本発明のゴム組成物に用いられる樹脂の軟化点が145℃以下であることが、本発明の効果を得るために必要であることが示された。
実施例3〜7と比較例1、2とを比較することにより、変性共役ジエン系重合体の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、10〜40重量部であることが、本発明の効果を得るために必要であることが示された。
実施例5、11、12と比較例5、6とを比較することにより、充填剤の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、80〜110重量部であることが、本発明の効果を得るために必要であることが示された。
実施例5、13〜16と比較例7、8、10とを比較することにより、低軟化点樹脂の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、5.0〜40重量部であることが、本発明の効果を得るために必要であることが示された。
実施例5、8、9〜12と比較例3、4、10とを比較することにより、シリカの充填剤に対する割合が、60〜95重量%であることが、本発明の効果を得るために必要であることが示された。
比較例10と比較例3とを比較することにより、低軟化点樹脂の配合量を、ゴム成分100重量部に対して、5.0〜40重量部とすることにより、グリップ性を向上させる効果が得られることが示され、比較例10と比較例7とを比較することにより、シリカの充填剤に対する割合を、60〜95重量%とすることにより、耐摩耗性を向上させる効果が得られることが示される。ここで、比較例10と実施例3とを比較することにより、低軟化点樹脂の配合量を、ゴム成分100重量部に対して、5.0〜40重量部とし、且つ、シリカの充填剤に対する割合を、60〜95重量%とすることにより得られる本発明の効果は、上記2つの効果を単に足し合わせたものを超える顕著な効果であることがわかる。
実施例1、2と実施例5とを比較することにより、アミノ基のみを有する変性共役ジエン系重合体と比較して、アミノ基とスズ又はケイ素とを共に有する変性共役ジエン系重合体の方が、本発明の効果が得られやすいことが示された。
実施例3、7と実施例4〜6とを比較することにより、変性共役ジエン系重合体の前記ゴム成分に対する割合を、ゴム成分100重量部に対して、15〜30重量部とすれば、本発明の顕著な効果が得られることが示された。
実施例5、14と実施例13、15、16とを比較することにより、低軟化点樹脂の配合量を、ゴム成分100重量部に対して、20〜30重量部とすれば、本発明の顕著な効果が得られやすいことが示された。
実施例5と実施例19とを比較することにより、低軟化点樹脂を、石油樹脂の中で共重合系石油樹脂とすれば、本発明の効果が得られやすいことが示された。
実施例5と実施例20とを比較することにより、低軟化点樹脂を、合成樹脂の中で石油樹脂とすれば、本発明の効果が得られやすいことが示された。
実施例5と実施例21とを比較することにより、低軟化点樹脂を、合成樹脂とすれば、本発明の効果が得られやすいことが示された。
実施例5と実施例18とを比較することにより、ゴム成分を、天然ゴム及び/又は合成ポリイソプレンゴムを更に含むものとすれば、本発明の効果が得られやすいことが示された。
本発明のゴム組成物によれば、乾燥路面におけるグリップ性、湿潤路面におけるグリップ性、及び耐摩耗性を高い次元で並立させることができる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 2014234448
    [式中、Rはそれぞれ独立して、1〜12個の炭素原子を有する、アルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を示す。]
    で表される置換アミノ基、及び、
    下記一般式(II)
    Figure 2014234448
    [式中、Rは、3〜16個のメチレン基を有する、アルキレン基、置換アルキレン基、オキシ−アルキレン基又はN−アルキルアミノ−アルキレン基を示す。]
    で表される環状アミノ基
    からなる群から選択される少なくとも一種の官能基
    を有する共役ジエン系重合体である変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、
    シリカを含む充填剤と、
    軟化点が145℃以下である低軟化点樹脂と、
    を含み、
    前記変性共役ジエン系重合体の前記ゴム成分に対する割合が、10〜40重量%であり、
    前記充填剤の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、80〜110重量部であり、
    前記低軟化点樹脂の配合量が、ゴム成分100重量部に対して、5.0〜40重量部であり、
    前記シリカの前記充填剤に対する割合が、60〜95重量%である、
    ことを特徴とする、ゴム組成物。
  2. 前記変性共役ジエン系重合体は、下記一般式(III)
    Figure 2014234448
    [式中、Zはスズ又はケイ素であり、Rはそれぞれ独立して、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するアリール基、及び7〜20個の炭素原子を有するアラルキル基からなる群から選択され、Xはそれぞれ独立して、塩素又は臭素であり、aは0〜3であり、bは1〜4であり、且つa+b=4である]
    で表されるカップリング剤を用いて形成される、少なくとも1つのスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する変性共役ジエン系重合体である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記低軟化点樹脂は、合成樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
  4. 前記合成樹脂は、石油樹脂であることを特徴とする、請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 前記石油樹脂は、ナフサの熱分解によって得られるC5留分とナフサの熱分解によって得られるC9留分とを共重合することによって得られる共重合系石油樹脂であることを特徴とする、請求項4に記載のゴム組成物。
  6. 前記ゴム成分は、天然ゴム及び/又は合成ポリイソプレンゴムを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
  7. タイヤのトレッド用であることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
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