JP2011079882A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥路面での良好な操縦安定性や、転がり抵抗及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供すること。
【解決手段】(A)シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体を10質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、(B)一般式(I)で表される化合物及びシリカの少なくともいずれかを含む無機充填剤と、(C)一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種と、を含むゴム組成物をトレッドに用いたタイヤである。
【選択図】なし

Description

本発明は、低燃費性、耐摩耗性及びドライ操縦安定性に優れたタイヤに関するものである。
近年の省エネルギーの社会的な要請に伴い、自動車の燃料消費節約を目的として、タイヤ用ゴムの低発熱化(すなわち、転がり抵抗の低減)を図る試みがなされている。タイヤ用ゴムの低発熱化を図るために、ゴム用補強充填剤として多用されるカーボンブラックの充填量の減量、あるいは大粒径のカーボンブラックの使用が検討されている。しかし、いずれの場合も、補強性,耐摩耗性,乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性(操縦安定性)が低下するのを免れないことが知られている。
他方、低転がり抵抗と湿潤路面での操縦安定性とを両立させる充填剤として、含水ケイ酸(湿式シリカ)が知られている(例えば、特許文献1〜8参照)。しかし、この湿式シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカの分散を良くするためには混練時間を長くする必要がある。また、ゴム中へのシリカの分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。さらに、シリカ粒子の表面が酸性であることから、加硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、ゴム組成物の加硫が十分に行われず、貯蔵弾性率が向上しないため、乾燥路面における操縦安定性が十分ではないという欠点を有していた。
シリカ配合ゴムの省燃費性を損なわずに操縦安定性を向上させる方法として、樹脂を添加する方法や(例えば、特許文献9、10参照)、重合性不飽和結合と特定の官能基をもった化合物を添加したゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献11参照)。しかし、このゴム組成物は、これらの樹脂とゴムとの相溶性が不十分であることによる加硫ゴムの表面荒れの問題、貯蔵弾性率を向上させる効果が不十分であり、乾燥路面における操縦安定性の向上が不十分であるといった問題があった。
一方、含硫黄ポリエステルの使用により、加硫ゴムの機械特性、及び良好なヒステリシス特性を与えることが可能であることが知られているが(例えば、特許文献12参照)、貯蔵弾性率についての記載は一切ない。また、ゴム用添加剤として同一分子内にゴムに対する反応基とシリカなどの無機充填剤に対する吸着基とを有する化合物を用いたゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献13参照)。しかし、このゴム組成物は、貯蔵弾性率の向上については一定の効果を示しているが、乾燥路面における良好な操作安定性と優れた転がり抵抗とを両立させるゴム用添加物の開発が望まれている。
特開平3−252431号公報 特開平6−248116号公報 特開平7−70369号公報 特開平7−188466号公報 特開平7−196850号公報 特開平8−225684号公報 特開平8−245838号公報 特開平8−337687号公報 特開2000−80205号公報 特開2000−290433号公報 特開2002−179841号公報 特開平8−333488号公報 特開2003−176378号公報
本発明の目的は、タイヤに乾燥路面での良好な操縦安定性、かつ優れた転がり抵抗を付与しうるゴム組成物をトレッドとして用いたタイヤを提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ゴム組成物を構成する重合体及び無機充填剤に有効に作用する特定の化合物を見出し、且つ重合体のミクロ構造を特定の範囲とし、これらの新たな化合物と新たな重合体とを組合せることにより本発明の課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は、
<1> (A)シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体を10質量%以上含有するゴム成分と、
(B)下記一般式(I)で表される化合物及びシリカの少なくともいずれかを含む無機充填剤と、
(C)下記一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種と、を含むゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ。
nM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
(式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、並びに、これらの金属の酸化物または水酸化物、それらの水和物及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数及び0〜10の整数である。)
Figure 2011079882
(式中、A1、A2及びA3はこれらのうち一つが式−(R1O)n−CO−CR2=CR3−R4で表される基であり(ここでR1は炭素数2〜4のアルキレン基、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の数である)、他は水素原子である。)
Figure 2011079882
(式中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基であり、m1、m2及びm3はそれぞれオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す数で、m1+m2+m3が0〜90となる数である)
Figure 2011079882
(式中、R8は、式−R9O−で示される基、式−(R10O)S−で示される基、式−CH2CH(OH)CH2O−で示される基及び式−(R11O−COR12−COO−)t11O−で示される基から選ばれる一種である。R9は炭素数2〜36のアルキレン基、アルケニレン基及び2価の芳香族炭化水素基のいずれかであり、R10は炭素数2〜4のアルキレン基、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜60の実数、R11は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基、2価の芳香族炭化水素基及び−(R13O)u13−(R13は炭素数2〜4のアルキレン基のいずれかであり、uはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の実数)、R12は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基及び2価の芳香族炭化水素基のいずれかであり、tは平均値で1〜30の実数である。)
Figure 2011079882
(式中、R14は水素、又はメチル基を示し、R15はエチレン基またはプロピレン基を示し、R16は飽和若しくは不飽和のアルキル基、アリール基または一部または2か所以上が−OH、−COOH、−(C=O)−で置換されたものであり、R16部分の末端にカルボキシル基を持ち、かつ、式中kは0〜30の整数であって、化合物の分子量は250以上である。)
<2> (A)ランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒で重合した共役ジエン系重合体をカルボニル基、エポキシ基、カルボキシル基、チオカルボニル基、チオエポキシ基、チオカルボキシル基、ニトリル基、イソシアナート基及びハロシリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基と保護されたアミノ基とを有する化合物により変性してなる変性共役ジエン系重合体を10質量%以上含むゴム成分と、
(B)下記一般式(I)で表される化合物及びシリカの少なくともいずれかを含む無機充填剤と、
(C)下記一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種と、を含むゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ。
nM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
(式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、並びに、これらの金属の酸化物または水酸化物、それらの水和物及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数及び0〜10の整数である。)
Figure 2011079882
(式中、A1、A2及びA3はこれらのうち一つが式−(R1O)n−CO−CR2=CR3−R4で表される基であり(ここでR1は炭素数2〜4のアルキレン基、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の数である)、他は水素原子である。)
Figure 2011079882
(式中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基であり、m1、m2及びm3はそれぞれオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す数で、m1+m2+m3が0〜90となる数である)
Figure 2011079882
(式中、R8は、式−R9O−で示される基、式−(R10O)S−で示される基、式−CH2CH(OH)CH2O−で示される基及び式−(R11O−COR12−COO−)t11O−で示される基から選ばれる一種である。R9は炭素数2〜36のアルキレン基、アルケニレン基及び2価の芳香族炭化水素基のいずれかであり、R10は炭素数2〜4のアルキレン基、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜60の実数、R11は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基、2価の芳香族炭化水素基及び−(R13O)u13−(R13は炭素数2〜4のアルキレン基のいずれかであり、uはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の実数)、R12は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基及び2価の芳香族炭化水素基のいずれかであり、tは平均値で1〜30の実数である。)
Figure 2011079882
(式中、R14は水素、又はメチル基を示し、R15はエチレン基またはプロピレン基を示し、R16は飽和若しくは不飽和のアルキル基、アリール基または一部または2か所以上が−OH、−COOH、−(C=O)−で置換されたものであり、R16部分の末端にカルボキシル基を持ち、かつ、式中kは0〜30の整数であって、化合物の分子量は250以上である。)
本発明によれば、タイヤに乾燥路面での良好な操縦安定性や、優れた転がり抵抗及び耐摩耗性を付与しうるゴム組成物をトレッドとして用いたタイヤを提供することができる。
以下、本発明を実施形態により説明する。
本実施形態のタイヤは、(A)シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体を10質量%以上含有するゴム成分と、(B)前記一般式(I)で表される化合物及びシリカの少なくともいずれかを含む無機充填剤と、(C)前記一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種と、を含むゴム組成物をトレッドに用いたことを特徴とする。
<(B)無機充填剤>
まず、本実施形態における(B)成分である無機充填剤について説明する。
上記無機充填剤は、シリカ及び一般式(I)で表される化合物の中から選ばれる少なくとも一種を含むものである。
nM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
(式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、並びに、これらの金属の酸化物または水酸化物、それらの水和物及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。)
上記一般式(I)で表される化合物やシリカを用いることにより、補強効果を効率的に高めることができ、タイヤとしたときの耐摩耗性及び低発熱性(低燃費性)の両立を図ることができる。
前記一般式(I)で表わされる化合物としては、具体的には、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al23)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO32]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO32]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。
また、一般式(I)で表される化合物としては、Mがアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、それらの水和物、及びアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一種のものが好ましい。
一般式(I)で表されるこれらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの化合物はシリカと混合して使用することもできる。
本実施形態では上記無機充填剤のうち、特にシリカが好ましい。なお、本実施形態におけるシリカは、狭義の二酸化珪素のみを示すものではなく、ケイ酸系充填剤を意味し、具体的には、無水ケイ酸の他に、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩を含む。
また、本実施形態における無機充填剤は、その粒径が0.01〜10μmの粉体であることが好ましい。粒径が0.01μm未満ではグリップ力の向上が望めない割に混練作業が悪化し、10μmを超えると貯蔵弾性率が極端に低下し、耐磨耗性が悪くなるため好ましくない。また、これらの効果の観点から、粒径は0.05〜5μmの範囲がさらに好ましい。
上記無機充填剤は、水銀圧入法で測定した比表面積が80〜300m2 /gの範囲にあるものが好ましく用いられる。この比表面積を80m2 /g〜300m2 /gとすることにより無機充填剤のゴムへの分散がよくなり、ゴム組成物の加工性,耐摩耗性が良好となる。補強性,加工性及び耐摩耗性のバランスなどの面から、より好ましい比表面積は100〜250m2 /gの範囲である。
なお、この比表面積(SHg)の算出法は、細孔を円筒形と仮定し、SHg(m2 /g)=2V/r〔V=全細孔容積(m3 /g)、r=平均細孔半径(m)〕で算出する。
前記無機充填剤の含有量としては、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上140質量部以下で使用するのが好ましい。添加量を上記範囲とすることにより、タイヤに用いたときの補強性及び低発熱性(低燃費性)の両立を図ることができ、さらに作業性等も改善することができる。
上記含有量は、好ましくは15質量部以上95質量部以下、より好ましくは20質量部以上90質量部以下である。
<(C)一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)で表される化合物>
本実施形態におけるゴム組成物には、(C)成分として前記一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種が配合される。
これらの一般式に示される化合物は、同一分子内にゴムに対する反応基を1個以上と無機充填剤に対する吸着基を2個以上とを有するため、主にゴム組成物の貯蔵弾性率を向上させる添加剤として有効である。
(一般式(II)で表される化合物)
本実施形態に用いられる一般式(II)で表される化合物は、下記の構造、特徴を有する。
Figure 2011079882
上記式中、A1、A2及びA3はこれらのうち一つが式−(R1O)n−CO−CR2=CR3−R4で表される基であり、他は水素原子である。ここでR1は炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基である。またR2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であって、好ましくはR2が水素原子又はメチル基、R3及びR4が水素原子である。nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の数であり、好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜15の数である。
一般式(II)で表される化合物の具体例としては、トリメリット酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)エステル、トリメリット酸モノ[2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチル]エステル、トリメリット酸モノ(ω−(メタ)アクリロイルオキシポリオキシエチレン(10))エステル等のトリメリット酸モノ(ω−(メタ)アクリロイルオキシPOA(n))エステル(ここで(メタ)アクリロイルはメタクリロイル又はアクリロイルを示し、POA(n)はオキシエチレン又はオキシプロピレンが平均して1〜30モル付加したポリオキシエチレン(以下「POE」と略記することがある)又はポリオキシプロピレン(以下「POP」と略記することがある)を示す。)が挙げられる。
(一般式(III)で表される化合物)
本実施形態に用いられる一般式(III)で表される化合物は、下記の構造、特徴を有する。
Figure 2011079882
上記式中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、m1、m2及びm3はそれぞれオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す数で、m1+m2+m3が0〜90、好ましくは3〜60、さらに好ましくは6〜45となる数である。
一般式(II)で表される化合物の具体例としては、POE(8)グリセリントリマレエート、POE(3)グリセリントリマレエート、POP(10)グリセリントリマレエート等のPOA(m)グリセリントリマレエート(ここでPOA(m)はオキシエチレン又はオキシプロピレンが平均して0〜90モル付加したポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンを示す。)等が挙げられる。
(一般式(IV)で表される化合物)
本実施形態に用いられる一般式(IV)で表される化合物は、下記の構造、特徴を有する。
Figure 2011079882
上記式中、R8は、式−R9O−で示される基、式−(R10O)S−で示される基、式−CH2CH(OH)CH2O−で示される基及び式−(R11O−COR12−COO−)t11O−で示される基から選ばれる一種である。ここでR9は炭素数2〜36のアルキレン基、アルケニレン基及び2価の芳香族炭化水素基のいずれかであり、好ましくは炭素数2〜18のアルキレン基またはフェニレン基、さらに好ましくは炭素数4〜12のアルキレン基である。またR10は炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基またはプロピレン基であり、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜60の実数であり、好ましくは2〜40、さらに好ましくは4〜30の実数である。R11は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基、2価の芳香族炭化水素基及び−(R13O)u13−(R13は炭素数2〜4のアルキレン基、uはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の実数であり、好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜15の実数である)から選ばれるいずれかであり、R12は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基及び2価の芳香族炭化水素基のいずれかであって、好ましくは炭素数2〜12のアルキレン基またはフェニレン基、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキレン基である。tは平均値で1〜30、好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜15の実数である。
一般式(IV)で表される化合物の具体例としては、グリセリンジマレエート、1,4−ブタンジオールジマレエート、1,6−ヘキサンジオールジマレエート等のアルキレンジオールのジマレエート;1,6−ヘキサンジオールジフマレート等のアルキレンジオールのジフマレート;PEG200ジマレエート,PEG600ジマレエート等のポリオキシアルキレングリコールのジマレエート(ここでPEG200、PEG600とは、それぞれ平均分子量200、600のポリエチレングリコールを示す);両末端にカルボキシル基を有するポリブチレンマレエート、両末端にカルボキシル基を有するポリ(PEG200)マレエート等の両末端カルボン酸型ポリアルキレングリコール/マレイン酸ポリエステル;両末端にカルボキシル基を有するポリブチレンアジペートマレエート、PEG600ジフマレート等のポリオキシアルキレングリコールのジフマレート;両末端にカルボキシル基を有するポリブチレンフマレート、両末端にカルボキシル基を有するポリ(PEG200)フマレート等の両末端カルボン酸型ポリアルキレングリコール/フマル酸ポリエステル;等が挙げられる。
これらの中で、性能及び経済性の面で、ポリエチレングリコールジマレエートまたはジフマレート、ポリブチレンマレエート、ポリ(PEG200)マレエートが好ましく、特にポリブチレンマレエート、ポリ(PEG200)マレエートが好ましい。
なお、前記一般式(II)、一般式(III)及び一般式(IV)で表される化合物の分子量は250以上であることが好ましく、250〜5000の範囲であることがより好ましく、250〜3000の範囲であることがさらに好ましい。この範囲であると引火点が高く、安全上望ましいばかりでなく、発煙が少なく作業環境上も好ましい。
(一般式(V)で表される化合物)
本実施形態に用いられる一般式(V)で表される化合物は、下記の構造、特徴を有する。
Figure 2011079882
上記一般式(V)において、R14は水素またはメチル基を示し、R15 はエチレン基またはプロピレン基を示す。R16 は飽和若しくは不飽和のアルキル基、アリール基またはその一部若しくは2か所以上が−OH、−COOH、−(C=O)−で置換されたものであり、R16 部分の末端にカルボキシル基を持ち、かつ、式中kは0〜30の整数である。また該アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの分子量は250以上であることが好ましい。
上記アルキル基は直鎖状,分岐状及び環状のいずれであってもよく、その例としては各種オクチル基(n−オクチル基,分岐オクチル基,シクロオクチル基など、以下同様)、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種ベヘニル基、各種オクテニル基、各種デセニル基及びオレイル基などが挙げられる。前記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、その例としてはフェニル基、各種トリル基、各種キシリル基、α−若しくはβ−ナフチル基、各種メチルナフチル基及び各種ジメチルナフチル基などが挙げられる。
前記一般式(V)で表される化合物の例としては、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−アクロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
本実施形態において、(C)成分は、(A)ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下配合することが好ましく、0.5質量部以上6質量部以下とすることがより好ましい。
配合量を0.1質量部以上10質量部以下とすることにより、得られるタイヤは良好な転がり抵抗性能を保持することができると共に、組成物が硬くなることによりドライ操縦安定性を向上させることができる。
本実施形態では、シランカップリング剤を(B)成分である無機充填剤の配合量の1質量%以上20質量%以下配合することが好ましい。シランカップリング剤は、特に無機充填剤としてシリカが含まれる場合、補強性、分散性をさらに向上させることができるため好ましい。
本実施形態で用いられるシランカップリング剤は、好ましくは下記一般式(VI)〜(VIII)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。シリカ等とゴムとの結合橋をより好適に作用し、より好適な補強相を形成するからである。
a3-aSi−X−Sb−X−SiAa3-a ・・・(VI)
(式中、AはCc2c+1O(cは1〜3の整数)または塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7〜15のアリーレン基であり、aは1〜3の整数、bは1以上の整数で分布を有することもある。但し、aが1のときは2つのBは同じであっても異なっていてもよく、aが2または3のときは2つまたは3つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
a3-aSi−X−Y ・・・(VII)
(式中、A、B、X、aは前記と同様であり、Yはメルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基及びエポキシ基のいずれかである。)
a3-aSi−X−Sb−Z ・・・(VIII)
(式中、A、B、X、a、bは前記と同様であり、Zはベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルチオカルバモイル基、メタクリロイル基及び炭素数1〜15の飽和又は不飽和の炭化水素基のいずれかである。)
具体的には、前記一般式(VI)で表されるシランカップリング剤としては、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフイド、ビス−(3−トリメトキシンリルプロピル)テトラスルフイド、ビス−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフイド、ビス−(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフイド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフイド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフイド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフイド等が挙げられる。
一般式(VII)で表されるシランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリンドキンプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
一般式(VIII)で表されるシランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフイド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフイド、3−トリエトキシシリルプロピルn−オクチルジスルフィド等が挙げられる。
上記シランカップリング剤の使用量は、(B)成分である無機充填剤の量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましい。使用量が上記範囲にあることにより、ポリマーのゲル化を引き起こすことなく、十分なカップリング効果を得ることができる。配合効果及び経済性などを考慮すると、より好ましい使用量は3質量%以上15質量%以下である。
なお、本実施形態においては、上記シランカップリング剤は一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
また本実施形態におけるゴム組成物では、このようなシランカップリング剤を用いることにより未加硫ゴムの粘度が低下するため、ゴム焦け(スコーチ)が発生するまでの時間が長くなることによって長時間の混練りが可能となり、ゴム組成物の混練り加工時の作業性を向上させることができる。また、無機充填剤のゴム成分への分散が改良され、かつシリカ等とポリマーとの反応性が改良されることによりヒステリシスロスを低減させることができる。この改善分を活用して補強性充填剤の配合量を増やすことが可能となり、その結果として耐摩耗性の良好なタイヤを得ることができる。
更に、前記シランカップリング剤とポリマーをカップリングするためにDPG(ジフェニルグアニジン)などに代表されるプロトンドナーを脱保護化剤として最終混練工程に配合することが好ましい。その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0質量部の範囲である。
<(A)ゴム成分>
(共役ジエン系重合体)
次に、本実施形態に用いられる共役ジエン系重合体について説明する。
本実施形態における共役ジエン系重合体は、シス−1,4−結合量が75%以上であり、90%以上であることがより好ましい。タイヤの低発熱性(低ヒステリシスロス特性)が向上するためである。また、同じ見地からビニル結合量が、1.2%以下であることが好ましい。
−共役ジエン系重合体の製造−
前記共役ジエン系重合体を得るための製造方法については、特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであっても良い。
そして、上記のシス−1,4−結合量及びビニル結合量(以下、両者を併せて「ミクロ構造」ということがある。)を有する共役ジエン系重合体を得るためには、有機溶媒中でランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒による共役ジエンモノマーを配位アニオン重合させる反応が好ましい。
(ランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒)
上記のランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒としては、以下に示す(x)成分、(y)成分及び(z)成分それぞれの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を組み合わせてなるものが好ましい。
〔(x)成分〕
下記の(x1)〜(x4)から選ばれる希土類化合物で、そのまま不活性有機溶媒溶液として用いても、不活性固体上に担持して用いても良い。
(x1)酸化数3の希土類化合物で、炭素数2〜30のカルボキシル基、炭素数2〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、及び炭素数5〜30の1,3−ジカルボニル含有基の内から自由に選ばれる配位子を合計三つ有するもの、又はこれとルイス塩基化合物(特に、遊離カルボン酸、遊離アルコール、1,3−ジケトン、環状エーテル、直鎖状エーテル、トリヒドロカルビルホスフィン、トリヒドロカルビルホスファイト等から選ばれる)の錯化合物である。具体的には、ネオジムトリ−2−エチルヘキサノエート、それとアセチルアセトンとの錯化合物、ネオジムトリネオデカノエート、それとアセチルアセトンとの錯化合物、ネオジムトリ−n−ブトキシドなどがある。
(x2)希土類の3ハロゲン化物とルイス塩基の錯化合物である。例えばネオジム三塩化物のTHF錯体がある。
(x3)少なくとも一つの(置換)アリル基が直接希土類原子に結合した、酸化数3の有機希土類化合物である。例えばテトラアリルネオジムとリチウムの塩がある。
(x4)少なくともひとつの(置換)シクロペンタジエニル基が直接希土類原子に結合した酸化数2又は3の有機希土類化合物、又はこの化合物と、トリアルキルアルミニウム又は非配位性アニオンと対カチオンからなるイオン性化合物との反応生成物である。例えばジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウムがある。
上記希土類化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、更に好ましくはランタン、ネオジム、サマリウムである。
上記(x)成分の中では、ネオジムのカルボン酸塩及びサマリウムの置換シクロペンタジエニル化合物が好ましい。ネオジムのカルボン酸塩としては、例えば、バーサチック酸ネオジムが挙げられる。
〔(y)成分〕
次の(y1)〜(y3)から選ばれる少なくとも1種類の有機アルミニウム化合物で、複数を同時に用いることができる。
(y1)式Ra 3A1であらわされるトリヒドロカルビルアルミニウム化合物(ただし、Raは炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なっていても良い。)
(y2)式Rb 2A1H又はRbA1H2であらわされるヒドロカルビルアルミニウム水素化物(ただし、Rbは炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なっていても良い。)
(y3)炭素数1〜30の炭化水素基をもつヒドロカルビルアルミノキサン化合物である。
上記(y)成分としては、例えばトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムジヒドリド、アルキルアルミノキサンがある。これらの化合物は混合して用いても良い。(y)成分の中では、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物との併用が好ましい。
〔(z)成分〕
次の(z1)〜(z4)から選ばれる化合物であるが、(x)成分がハロゲン原子又は非配位性アニオンを含む場合、及び(y)成分がアルミノキサンを含む場合は必ずしも必要ない。
(z1)加水分解可能なハロゲン原子を有する周期表(長周期型)2族、12〜14族に属する元素の無機もしくは有機化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物である。例えばアルキルアルミニウム二塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化珪素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等ルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等ルイス塩基との錯体などである。
(z2)少なくとも一つの三級アルキルハライド、ベンジルハライド、及びアリールハライドから選ばれる構造を有する有機ハロゲン化物である。例えば塩化ベンジル、塩化t−ブチル、臭化ベンジル、臭化t−ブチルなどである。
(z3)亜鉛のハロゲン化物又はこれとルイス塩基の錯化合物である。
(z4)非配位性アニオンと対カチオンからなるイオン性化合物である。例えばトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましく用いられる。
上記触媒の調製は、予備的に、上記の(x)、(y)、(z)成分以外に、必要に応じて、重合用モノマーと同じ共役ジエンモノマー及び/又は非共役ジエンモノマーを併用しても良い。
また、(x)成分又は(z)成分の一部もしくは全部を不活性な固体上に担持して用いても良く、この場合はいわゆる気相重合で行うことができる。
上記触媒の使用量は、適宜設定することができるが、通常(x)成分はモノマー100g当たり0.001〜0.5ミリモル程度である。また、モル比で(y)成分/(x)成分は5〜1000程度、(z)成分/(x)成分は0.5〜10程度である。
溶液重合の場合において用いられる溶媒としては、反応に不活性な有機溶媒、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶媒がある。具体的には、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。
この重合反応における温度は、好ましくは−80〜150℃、更に好ましくは−20〜120℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常はモノマーを実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。即ち、圧力は重合される個々の物質や用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
この重合においては、触媒、溶媒、モノマーなど、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物などの反応阻害物質を実質的に除去したものを用いることが望ましい。
本実施形態における共役ジエン系重合体に用いる共役ジエンモノマーとしては、例えば1,3−ブタジエン;イソプレン;2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン;2−エチル−1,3−ブタジエン;1,3−ペンタジエン;2−メチル−1,3−ペンタジエン;3−メチル−1,3−ペンタジエン;4−メチル−1,3−ペンタジエン;2−フェニル−1,3−ブタジエン;1,3−ヘキサジエン;2,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良いが、これらの中で、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
また、これらの共役ジエンモノマーに少量の他の炭化水素モノマーを少量共存せさても良いが、共役ジエンモノマーは、全モノマー中80モル%以上であることが好ましい。
上記のように、本実施形態に用いる共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエンゴムであることが好ましい。
−共役ジエン系重合体の変性−
本実施形態においては、上述のようにして得られた活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に、所定の変性剤を反応させて、重合末端に窒素原子を含む官能基を導入する。具体的には、重合末端にプロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基を導入する。シリカを含む無機充填剤との反応性を高めるためである。
ここで、プロトン性アミノ基とは、プロトン性第一アミノ基及びプロトン性第二アミノ基の双方を包含するものであり、プロトン性第一アミノ基であることが更に好ましい。また、保護されたアミノ基とは、保護された第一アミノ基及び保護された第二アミノ基の双方を包含するものであり、保護された第一アミノ基が更に好ましい。プロトン性第一アミノ基及び保護された第一アミノ基が好ましいのは、更に無機充填剤との反応性を高めるためである。
上記プロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基としては、例えば−NH2、−NHRc、−NL12及び−NRd3(ただし、Rc及びRdは、それぞれ炭化水素基を示し、L1、L2及びL3は、それぞれ水素原子又は解離し得る保護基を示す。)の中から選ばれる少なくとも一種の基を挙げることができる。
上記のRc、Rdで示される炭化水素基としては、各種のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基を挙げることができる。L1、L2、L3としては、容易に解離し得る保護基であれば良く、特に制限はなく、後述で説明するような基を挙げることができる。
また、プロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基とヒドロカルビルオキシシラン基とを導入することも好ましく、同一の重合末端に上記のプロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基とヒドロカルビルオキシシラン基とを導入することが更に好ましい。
上述のようにして得られる変性共役ジエン系重合体としては、変性ポリブタジエンゴムであることが低発熱性特化の点で好ましい。
(変性剤)
本実施形態における変性共役ジエン系重合体としては、同一の重合末端にプロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基とヒドロカルビルオキシシラン基とを有するものが好ましく、従って変性剤としては、同一分子内に保護されたアミノ基に加えて他の官能基を1つ以上有する2官能性以上の多官能性化合物を用いることが好ましい。
これらの同一分子内に保護されたアミノ基を有する2官能性以上の多官能性化合物としては、例えば、カルボニル基{特に、ケト基}、エポキシ基、カルボキシル基、チオカルボニル基{特に、チオケト基}、チオエポキシ基、チオカルボキシル基、ニトリル基、イソシアナート基及びハロシリル基{Si−X基(Xはハロゲン原子であり、塩素原子が好ましい。)}から選ばれる少なくとも1種の官能基と保護されたアミノ基(特に、ジシリルアミノ基)とを有する化合物(例えば、下記一般式(IX)で示される化合物)、あるいは保護されたアミノ基(特に、ジシリルアミノ基)を有するハロシラン化合物(例えば、下記一般式(X)、下記一般式(XI)及び下記一般式(XII)で示される化合物)を好適に挙げることができる。
以下に、同一分子内に保護されたアミノ基を有する2官能性以上の多官能性化合物の好適例としての下記一般式(IX)、下記一般式(X)、下記一般式(XI)及び下記一般式(XII)で示される化合物を説明する。
Figure 2011079882
式中、R17は単結合、又は置換もしくは非置換の2価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。R18はそれぞれ独立に水素原子、又は置換もしくは非置換の1価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である。R19はそれぞれ独立にR18であっても良いし、R19の双方が共に置換又は非置換の2価の有機基、好ましくは置換又は非置換の2価の炭化水素基を形成し、ジシリルアミノ基の2つのケイ素原子及び1つの窒素原子と共に環状構造を構成しても良い。この環状構造として、下記一般式(XII)のR32に結合する環状ジシリルアミノ基が例示される。Qは下記一般式(IX−a)又は下記一般式(IX−b)で表される官能基である。
Figure 2011079882
式中、R20は上記一般式(IX)のR18と同じである。Jは酸素原子又は硫黄原子である。
Figure 2011079882
式中、R21、R22及びR23はそれぞれ独立に上記一般式(IX)のR18と同じである。Jは酸素原子又は硫黄原子である。
Figure 2011079882
式中、Xはハロゲン原子である。R24はハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、又は置換もしくは非置換の2価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基)である。R25は置換もしくは非置換の2価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。R26は置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)又は加水分解性基である。
Figure 2011079882
式中、Xはハロゲン原子である。R27は置換もしくは非置換の2価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。R28及びR29はそれぞれ独立に置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)又は加水分解性基であっても良いし、R28及びR29が結合して1つの置換もしくは非置換の2価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基)を形成しても良い。R30及びR31はそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、又は置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)である。
28及びR29の双方が加水分解性基であっても良く、R30及びR31の少なくとも一方が置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)であっても良い。
上記一般式(XI)において、R28及びR29は結合して加水分解性の2価の有機基を形成しても良い。この場合、具体的には、加水分解性の2価の有機基としては、α,ω−ジアルキルシリルアルキレン基が例示され、それは下記一般式(XII)に規定されるハロシランを形成する。
Figure 2011079882
式中、R32及びR33はそれぞれ独立に置換もしくは非置換の2価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。R34、R35、R36及びR37はそれぞれ独立に置換もしくは非置換の1価の有機基、好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である。R38及びR39はそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、又は置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)である。Xはハロゲン原子である。
上記一般式(IX)、上記一般式(X)、上記一般式(XI)及び上記一般式(XII)で示される、同一分子内に保護されたアミノ基を有する2官能性以上の多官能性化合物において、置換もしくは非置換の1価の炭化水素基としては、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数3〜20のシクロアルケニル基、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルキニル基、置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基、置換又は非置換の炭素数7〜20のアラルキル基、置換又は非置換の炭素数7〜20のアルカリール基等が挙げられる。
上記の置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜10であることが更に好ましく、炭素数1〜8であることが特に好ましい。
前記炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基及びn−デシル基が例示される。
前記炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2−t−ブチルシクロヘキシル基及び4−t−ブチルシクロヘキシル基が例示される。
前記炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、置換フェニル基、ビフェニル基、置換ビフェニル基、ビサイクリックアリール基、置換ビサイクリックアリール基、ポリサイクリックアリール基及び置換ポリサイクリックアリール基が例示される。
上記一般式(VI)、上記一般式(VII)、上記一般式(VIII)及び上記一般式(IX)で示される、同一分子内に保護されたアミノ基を有する2官能性以上の多官能性化合物において、置換もしくは非置換の2価の炭化水素基としては、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換又は非置換の炭素数3〜20のシクロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数3〜20のシクロアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルキニレン基、置換又は非置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換又は非置換の炭素数7〜20のアラルキレン基、置換又は非置換の炭素数7〜20のアルカリーレン基等が挙げられる。
上記の1価又は2価の置換炭化水素基は、窒素原子、ホウ素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子及びリン原子から選ばれる少なくとも1原子を有していても良いが、これらの原子に制限されるものではない。
上記一般式(X)及び上記一般式(XI)における加水分解性基としては、トリヒドロカルビルシリル基のようなシリル基が挙げられ、トリメチルシリル基[即ち、(−Si(CH33)]、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基及びトリフェニルシリル基が例示される。上記一般式(XII)における加水分解性基としては、R32に隣接する窒素原子に結合するα,ω−ジアルキルシリルアルキレン基が例示される。
保護されたアミノ基に含まれるこれらの加水分解性基は、非水雰囲気では安定であるが、水にさらされる(接触する)と窒素原子から開裂し、保護されたアミノ基はプロトン性アミノ基となる。また、保護されたアミノ基をプロトン性アミノ基に変化させるためには触媒が用いられても良く、好適な触媒としては、塩酸等の強酸やフッ化テトラブチルアンモニウムが例示される。
上記一般式(X)、上記一般式(XI)及び上記一般式(XII)におけるヒドロカルビルオキシ基としては−ORが例示される。ここで、Rは置換もしくは非置換の1価の有機基(好ましくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基)である。この−ORとしては、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基等が例示される。
1価又は2価の置換炭化水素基は、窒素原子、ホウ素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子及びリン原子から選ばれる少なくとも1原子を有していても良いが、これらに制限されるものではない。
上記一般式(IX)に示される好適な化合物として、Qが前記一般式(IX−a)であって、Jが酸素原子である場合が挙げられ、このとき、R17がフェニレン基であることが好ましい。この場合の上記一般式(IX)に示される化合物の好適な具体例としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノベンゾフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノベンゾフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノベンゾフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノアセトフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノアセトフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノアセトフェノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノベンズアルデヒド、N,N−ビス(トリメチルシリル)−1−アミノアントラキノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノアントラキノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−6−アミノフラボン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−7−アミノフラボン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−1−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノ−9−フルオレノン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノクマリン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−7−アミノ−2−メチルクロモン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−7−アミノ−4−メチルクマリン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,2−ジアミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,4−ジアミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,5−ジアミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−2,6−ジアミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,3−ジアミノアセトン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−2,2’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−3,3’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−2,3−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−2,4−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−3,4−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−2,7−ジアミノ−9−フルオレノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,4−ジアミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,8−ジアミノアントラキノン及びN,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−1,4−ジアミノアントラキノンが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記一般式(IX)に示される好適な化合物として、Qが上記一般式(IX−b)でありJが酸素原子である場合が挙げられ、このとき、R17が炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましい。この場合の上記一般式(IX)に示される化合物の好適な具体例としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)グリシジルアミンが挙げられる。
上記一般式(X)、上記一般式(XI)及び上記一般式(XII)に示されるハロシラン化合物類としては、1−トリヒドロカルビルシリル−2−ハロ−2−ヒドロカルビル−1−アザ−2−シラシクロヒドロカーボン類、特に1−トリ(C1−C12)ヒドロカルビルシリル−2−ハロ−2−(C1−C12)ヒドロカルビル−1−アザ−2−シラ(C1−C12)シクロヒドロカーボンが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の好適な化合物類としては、1−トリアルキルシリル−2−ハロ−2−アルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリアルキルシリル−2−ハロ−2−アリール−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリアルキルシリル−2−ハロ−2−シクロアルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリアリールシリル−2−ハロ−2−アルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリアリールシリル−2−ハロ−2−アリール−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリアリールシリル−2−ハロ−2−シクロアルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリシクロアルキルシリル−2−ハロ−2−アルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカン、1−トリシクロアルキルシリル−2−ハロ−2−アリール−1−アザ−2−シラシクロアルカン及び1−トリシクロアルキルシリル−2−ハロ−2−シクロアルキル−1−アザ−2−シラシクロアルカンが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の好適な具体例としては、N−トリメチルシリル−2−クロロ−2−メチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリメチルシリル−2−クロロ−2−エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリメチルシリル−2−クロロ−2−フェニル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリイソプロピルシリル−2−クロロ−2−フェニル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリ−tert−ブチルシリル−2−クロロ−2−フェニル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリ−n−ブチルシリル−2−クロロ−2−フェニル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリエチルシリル−2−クロロ−2−メチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリエチルシリル−2−クロロ−2−シクロペンチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリエチルシリル−2−クロロ−2−シクロヘキシル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、1−トリフェニルシリル−2−クロロ−2−メチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリフェニルシリル−2−クロロ−2−フェニル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリフェニルシリル−2−クロロ−2−エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、1−シクロペンチルシリル−2−クロロ−2−エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン及び1−シクロペンチルシリル−2−クロロ−2−シクロヘキシル−1−アザ−2−シラシクロヘキサンが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の他の好適な化合物類としては、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](アルキル)(ジハロ)シラン、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](トリハロ)シラン、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](ジアルキル)(ハロ)シラン、(3−ジアルキルアミノ−1−プロピル)(アルキル)(ジハロ)シラン、(3−ジアルキルアミノ−1−プロピル)(トリハロ)シラン、(3−ジアルキルアミノ−1−プロピル)(ジアルキル)(ハロ)シラン、(3−ジアリールアミノ−1−プロピル)(アルキル)(ジハロ)シラン、(3−ジアリールアミノ−1−プロピル)(トリハロ)シラン、(3−ジアリールアミノ−1−プロピル)(ジアルキル)(ハロ)シラン、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](アルキル)(ジハロ)シラン、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](トリハロ)シラン、[N,N−ビス(トリアルキルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](ジアルキル)(ハロ)シラン、(4−ジアルキルアミノ−1−ブチル)(アルキル)(ジハロ)シラン、(4−ジアルキルアミノ−1−ブチル)(トリハロ)シラン、(4−ジアルキルアミノ−1−ブチル)(ジアルキル)(ハロ)シラン、(4−ジアリールアミノ−1−ブチル)(アルキル)(ジハロ)シラン、(4−ジアリールアミノ−1−ブチル)(トリハロ)シラン及び(4−ジアリールアミノ−1−ブチル)(ジアルキル)(ハロ)シランが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の他の好適な具体例としては、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](メチル)(ジクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](トリクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](ジメチル)(クロロ)シラン、[N,N−ビス(トリエチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](エチル)(ジクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリエチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](トリクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリエチルシリル)−3−アミノ−1−プロピル](ジエチル)(クロロ)シラン、(3−ジメチルアミノ−1−プロピル)(メチル)(ジクロロ)シラン、(3−ジメチルアミノ−1−プロピル)(トリクロロ)シラン、(3−ジメチルアミノ−1−プロピル)(ジメチル)(クロロ)シラン、(3−ジエチルアミノ−1−プロピル)(エチル)(ジクロロ)シラン、(3−ジエチルアミノ−1−プロピル)(トリクロロ)シラン、(3−ジエチルアミノ−1−プロピル)(ジエチル)(クロロ)シラン、(3−ジフェニルアミノ−1−プロピル)(メチル)(ジクロロ)シラン、(3−ジフェニルアミノ−1−プロピル)(トリクロロ)シラン、(3−ジフェニルアミノ−1−プロピル)(ジメチル)(クロロ)シラン、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](メチル)(ジクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](トリクロロ)シラン、[N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノ−1−ブチル](ジメチル)(クロロ)シラン、(4−ジメチルアミノ−1−ブチル)(メチル)(ジクロロ)シラン、(4−ジメチルアミノ−1−ブチル)(トリクロロ)シラン、(4−ジメチルアミノ−1−ブチル)(ジメチル)(クロロ)シラン、(4−ジフェニルアミノ−1−ブチル)(メチル)(ジクロロ)シラン、(4−ジフェニルアミノ−1−ブチル)(トリクロロ)シラン及び(4−ジフェニルアミノ−1−ブチル)(ジメチル)(クロロ)シランが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の他の好適な化合物類としては、[3−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](アルキル)(ジハロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](アルキル)(ジハロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](トリハロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](トリハロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](ジアルキル)(ハロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](ジアルキル)(ハロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](アルキル)(ジハロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](アルキル)(ジハロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](トリハロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](トリハロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラアルキル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](ジアルキル)(ハロ)シラン及び[4−(2,2,5,5−テトラアリール−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](ジアルキル)(ハロ)シランが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記ハロシラン化合物の他の好適な具体例としては、[3−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](メチル)(ジクロロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](メチル)(ジクロロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](トリクロロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](トリクロロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](ジメチル)(クロロ)シラン、[3−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−プロピル](ジメチル)(クロロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](メチル)(ジクロロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](メチル)(ジクロロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](トリクロロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](トリクロロ)シラン、[4−(2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](ジメチル)(クロロ)シラン及び[4−(2,2,5,5−テトラフェニル−1−アザ−2,5−ジシラ−1−シクロペンチル)−1−ブチル](ジメチル)(クロロ)シランが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記の変性剤は、一種単独で用いても良く、二種以上組み合わせて用いても良い。
上記の変性剤の使用量は、重合触媒や所望する変性度に応じて、種々選択されるが、ランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒を用いる場合は、モル比(変性剤:希土類元素化合物)は(0.1:1)〜(200:1)の範囲であることが好ましく、(1:1)〜(200:1)の範囲であることがより好ましく、(5:1)〜(150:1)の範囲であることが更に好ましく、(10:1)〜(100:1)の範囲であることが特に好ましい。
変性剤の使用量を上記範囲にすることによって、充填剤の分散性に優れ、加硫後の破壊特性、摩耗特性、低発熱性が改良される。
なお、上記変性剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法などが挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。
また、変性剤は、重合開始末端、重合終了末端、重合体主鎖、側鎖のいずれに結合していても良いが、重合体末端からエネルギー消失を抑制して低発熱性を改良しうる点から、重合開始末端あるいは重合終了末端に導入されていることが好ましい。
この変性反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜150℃、更に好ましくは20〜100℃の範囲で選定される。変性反応時間は、例えば10〜60分程度行なわれる。
変性反応の停止剤としては、1種以上のプロトン性化合物が挙げられ、例えば、アルコール類、カルボン酸類、無機酸類、水等が例示される。
本実施形態では、特に、上記一般式(X)、上記一般式(XI)及び上記一般式(XII)に示されるハロシラン化合物を用いた上記の変性反応後に、ヒドロカルビルオキシ基等の第二変性反応を可能とする官能基が変性共役ジエン系重合体中に残置している場合は、所望により、上記の変性反応中又は変性反応後の第二変性反応として、縮合促進剤を用いる縮合反応を行なっても良い。
このような縮合反応に用いる縮合促進剤としては、第三アミノ基を含有する化合物、又は周期律表(長周期型)の3族、4族、5族、12族、13族、14族及び15族のうちのいずれかの属する元素を一種以上含有する有機化合物を用いることができる。更に縮合促進剤として、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、アルミニウム(Al)、及びスズ(Sn)からなる群から選択される少なくも一種以上の金属を含有する、アルコキシド、アセチルアセトナート錯塩又はカルボン酸塩であることが好ましく、アルコキシド又はアセチルアセトナート錯塩が特に好ましい。
ここで用いる縮合促進剤は、上記変性反応前に添加することもできるが、変性反応の途中及び又は終了後に変性反応系に添加することが好ましい。変性反応前に添加した場合、活性末端との直接反応が起こり、活性末端に保護されたアミノ基を有する変性剤が導入されない場合がある。
縮合促進剤の添加時期としては、通常、変性反応開始5分〜5時間後、好ましくは変性反応開始15分〜1時間後である。
上記縮合促進剤としてのチタン化合物として、具体的には、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンオリゴマー、テトライソブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、ビス(オレート)ビス(2−エチルヘキサノエート)チタン、チタンジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタントリブトキシステアレート、チタントリプロポキシステアレート、チタントリプロポキシアセチルアセトネート、チタンジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリプロポキシ(エチルアセトアセテート)、チタンプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタントリブトキシアセチルアセトネート、チタンジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリブトキシエチルアセトアセテート、チタンブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラキス(アセチルアセトネート)、チタンジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタンオキサイド、ビス(ラウレート)チタンオキサイド、ビス(ナフテネート)チタンオキサイド、ビス(ステアレート)チタンオキサイド、ビス(オレエート)チタンオキサイド、ビス(リノレート)チタンオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタン、テトラキス(ラウレート)チタン、テトラキス(ナフテネート)チタン、テトラキス(ステアレート)チタン、テトラキス(オレエート)チタン、テトラキス(リノレート)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ステアレート)、チタンオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタンテトラ(ラクテート)等が挙げられる。中でも、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)が好ましい。
前記スズ化合物としては、具体的には、2−エチルヘキサン酸スズ{[CH3(CH2)3CH(C25)CO2]2Sn(二価)}等が挙げられる。
上記ビスマス化合物としては、具体的には、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテネート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマス等を挙げることができる。
前記ジルコニウム化合物としては、具体的には、テトラエトキシジルコニウム、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラsec−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルへキシル)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセテルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテネート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテネート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウム等を挙げることができる。
前記アルミニウム化合物としては、具体的には、トリエトキシアルミニウム、トリn−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリn−プトキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリtert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−エチルへキシル)アルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテネート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウム等を挙げることができる。
上述の縮合促進剤の内、チタン系縮合促進剤が好ましく、チタン金属のアルコキシド、又はチタン金属のアセチルアセトナート錯塩が特に好ましい。
この縮合促進剤の使用量としては、前記化合物のモル数が、反応系内に存在する変性剤由来の官能基総量に対するモル比として、0.1〜10の範囲となることが好ましく、0.5〜5の範囲が特に好ましい。縮合促進剤の使用量を上記範囲にすることによって縮合反応が効率よく進行する。
本実施形態における縮合反応は、上述の縮合促進剤と、水蒸気又は水との存在下で進行する。水蒸気の存在下の場合として、スチームストリッピングによる脱溶媒処理が挙げられ、スチームストリッピング中に縮合反応が進行する。また、縮合反応を水溶液中で行っても良い。
また、前記縮合促進剤を用いた縮合反応は20〜180℃の温度で行うことが好ましく、更には30〜170℃の範囲が好ましく、特に40〜150℃の範囲が好ましい。反応時間としては、0.5分〜10時間程度、好ましくは0.5分〜5時間、より好ましくは0.5〜120分程度、3〜60分の範囲が更に好ましい。
なお、縮合反応時の反応系の圧力は、0.01〜20MPaの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.05〜10MPaの範囲である。
縮合反応を水溶液中で行う場合の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器等の装置を用いて連続式で行っても良い。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行っても良い。
本実施形態における変性共役ジエン系重合体の変性剤由来のプロトン性アミノ基は、上述のように脱保護処理を行うことによって生成する。上述したスチームストリッピング等の水蒸気を用いる脱溶媒処理以外の脱保護処理の好適な具体例を以下に詳述する。
即ち、アミノ基上の保護基を加水分解することによってプロトン性アミノ基に変換する。これを脱溶媒処理することにより、プロトン性アミノ基を有する変性共役ジエン系重合体を得ることができる。なお、該縮合処理を含む段階から、脱溶媒して乾燥ポリマーまでのいずれかの段階において必要に応じて変性剤由来の保護されたアミノ基の脱保護処理を行うことができる。
本実施形態において得られる変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜150の範囲、より好ましくは20〜90の範囲である。ムーニー粘度の値を上記範囲にすることによって、混練り作業性及び加硫後の機械的特性のすぐれたゴム組成物を得ることができる。
本実施形態における変性共役ジエン系重合体は、重合体中にプロトン性アミノ基及び/又は保護されたアミノ基を有し、上記のプロトン性アミノ基や保護されたアミノ基の解離基は、カーボンブラックや無機充填剤に対して良好な相互作用を有する。当該変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物は、トレッドに用いた場合、低発熱性(転がり抵抗の低減)、操縦安定性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することができる。
本実施形態におけるゴム組成物は、ゴム成分中、シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体及び/又はランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒で重合した共役ジエン系重合体をカルボニル基、エポキシ基、カルボキシル基、チオカルボニル基、チオエポキシ基、チオカルボキシル基、ニトリル基、イソシアナート基及びSi−X基(Xはハロゲン原子である。)から少なくとも1種選ばれる官能基及び保護されたアミノ基を有する変性剤により変性してなる変性共役ジエン系重合体を少なくとも10質量%含むものであるが、40質量%以上含むことがより好ましく、特に50質量%以上含むことが更に好ましい。ゴム成分中の上記の共役ジエン系共重合体を10質量%以上にすることによって、所望の物性を有するゴム組成物を得ることが出来る。
この共役ジエン系共重合体は一種用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
また、この共役ジエン系共重合体と併用される他のゴム成分としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロロブレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びこれらの混合物などが挙げられる。また、その一部が多官能型、例えば四塩化スズ、四塩化珪素のような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているものでも良い。
(カーボンブラック)
本実施形態に係るゴム組成物においては、更にカーボンブラックを配合しても良い。配合量としては、前述のゴム成分100質量部に対して、5〜100質量部の範囲とすることが好ましく、5〜80質量部の範囲とすることがより好ましく、5〜50質量部の範囲とすることが特に好ましい。また、無機充填剤との質量比(無機充填剤:カーボンブラック)が(10:90)〜(95:5)の範囲であれば、破壊特性を確保し、優れた低ヒステリシスロス性を得ることができる。この観点から、質量比(30:70)〜(95:5)がより好ましく、質量比(50:50)〜(95:5)が特に好ましい。
カーボンブラックは、HAF級グレード、N339グレード、IISAFグレード、ISAF級グレード及びSAF級グレードの中から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましく、補強性を確保するために、SAF級グレード及びISAF級グレードを、低ヒステリシスロスを確保するために、HAF級グレード、N339グレード及びIISAFグレードを用いることが好ましい。
−ゴム組成物の調製−
本実施形態におけるゴム組成物には、本実施形態の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは1.0〜5.0質量部の範囲である。0.1質量部未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性、低発熱性が低下するおそれがあり、10.0質量部を超えるとゴム弾性が失われる原因となる。
前記加硫促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、(A)ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0質量部の範囲である。
また、前記プロセス油としては、例えばパラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部の範囲が好ましく、100質量部を超えると加硫ゴムの引張強度、低発熱性が悪化する傾向がある。
本実施形態におけるゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、キャップ/ベース構造のトレッドゴムとして、特にトレッドキャップゴムとして使用される。
本実施形態のタイヤは、前記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。即ち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階でトレッドゴムに加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、諸特性は下記の方法に従って測定した。
<変性共役ジエン系重合体の物性>
(数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定)
GPC[東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
(ムーニー粘度ML1+4(100℃)の測定)
JIS K6300−1:2001に従って測定した。
(ミクロ構造の分析法)
フーリエ変換赤外分光光度計(商品名「FT/IR−4100」,日本分光社製)を使用し、特開2005−015590号公報に記載されたフーリエ変換赤外分光法によって、シス−1,4−結合量(%)、トランス−1,4−結合量(%)及びビニル結合量(%)を測定した。
<タイヤ性能>
(転がり抵抗)
作製したゴム組成物をトレッド部材として用い、一層構造のトレッドでタイヤサイズ195/60R15の空気入りタイヤを試作した。
試作したタイヤを、3.92kNの荷重の作用下で、直径1700mmの回転ドラムを用いて80km/hの速度で回転させたときの転がり抵抗を、惰行法により測定し、比較例1を100とした指数として示した。転がり抵抗の指数が大きいほど、転がり抵抗は小さく良好であることを示す。
(乾燥路面における操縦安定性)
作製したゴム組成物をトレッド部材として用い、一層構造のトレッドでタイヤサイズ195/60R15の空気入りタイヤを試作した。
試作したタイヤを乗用車の4輪に装着し、このテスト車輌にてテストドライバーがテストコース走行を行った。テストドライバーによる各タイヤの乾燥路面における操縦安定性および乗り心地についてのフィーリング結果につき、コントロールタイヤ(比較例1)との対比にて、以下に示す評価基準に従い評点付けを行った。
+4:一般ドライバーが分かる程度に良いと感じる場合
+3:一般ドライバーのうち、熟練ドライバーが分かる程度に良いと感じる場合
+2:テストドライバーが明確に分かる程度に良いと感じる場合
+1:テストドライバーが微妙に分かる程度に良いと感じる場合
−1:テストドライバーが微妙に分かる程度に悪いと感じる場合
−2:テストドライバーが微妙に分かる程度に悪いと感じる場合
−3:一般ドライバーのうち、熟練ドライバーが分かる程度に悪いと感じる場合
−4:一般ドライバーが分かる程度に悪いと感じる場合
<各種化合物、重合体の製造>
(変性剤の製造)
製造例A 変性剤a{N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−4,4’−ジアミノベンゾフェノン}の合成
4,4’−ジアミノベンゾフェノン約5.1g、トリエチルアミン10.7g及びトルエン10mLを丸底反応フラスコ中で混合した後、氷浴中で冷却した。この混合物に、トルエン50mL中のトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル23.5gの溶液を滴下した。
得られた混合物を室温で2日間撹拌した後、トルエンと未反応の反応剤を真空下で除去した。残留物をヘキサン100mLで抽出した。そのヘキサン層を40℃で真空蒸留して、11.0g(収率92%)の黄色固体を得た。
1H NMR分光法データ(C66、25℃、テトラメチルシランを基準とする。)から生成物の構造は下記化学構造式(a)を有するN,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−4,4’−ジアミノベンゾフェノンであると確認された。この化合物は、上記一般式(IX)において、R17がフェニレン基、R18及びR19がそれぞれメチル基、Qが一般式(IX−a)で表され、Jが酸素原子であり、R20がジシリルアミノ基置換フェニレン基である。なお、以下において「Me」はメチル基を示す。
Figure 2011079882
製造例B 変性剤b{N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノベンゾフェノン}の合成
4−アミノベンゾフェノン約12.0g、トリエチルアミン13.5g及びトルエン15mLを丸底反応フラスコ中で混合した後、氷浴中で冷却した。この混合物に、トルエン50mL中のトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル29.7gの溶液を滴下した。
得られた混合物を室温で2日間撹拌した後、トルエンと未反応の反応剤を真空下で除去した。残留物をシクロヘキサン100mLで抽出した。そのシクロヘキサン層を50℃で真空蒸留して、19.3g(収率93%)の茶色がかった黄色粘性液体を得た。
1H NMR分光法データ(C66、25℃、テトラメチルシランを基準とする。)から生成物の構造は下記化学構造式(b)を有するN,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノベンゾフェノンであると確認された。この化合物は、上記一般式(IX)において、R17がフェニレン基、R18及びR19がそれぞれメチル基、Qが一般式(IX−a)で表され、Jが酸素原子であり、R20がフェニル基である。
Figure 2011079882
製造例C 変性剤c{N,N−ビス(トリメチルシリル)グリシジルアミン}の合成
エピクロロヒドリン約10.4g及び リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.0mol/Lテトラヒドロフラン(THF)溶液112mLをフラスコ中で混合した後、還流冷却器に接続した。この混合物を加熱し約1時間還流した。その後、室温で真空下での蒸発により反応混合物から溶媒を除去した。残った反応混合物を真空下で蒸留して、12.1g(収率50%)の無色液体を得た。
1H NMR分光法データ(C66、25℃、テトラメチルシランを基準とする。)から生成物の構造は下記化学構造式(c)を有するN,N−ビス(トリメチルシリル)グリシジルアミンであると確認された。この化合物は、上記一般式(IX)において、R17がメチレン基、R18及びR19がそれぞれメチル基、Qが一般式(IX−b)で表わされ、Jが酸素原子であり、R11、R12及びR13がそれぞれ水素原子である。
Figure 2011079882
重合体製造例1 変性ポリブタジエンゴム−1の製造
タービンアジテイターブレイドを装備する反応器にヘキサン1.526kg及び1,3−ブタジエン18.8質量%のヘキサン溶液2.940kgが加えられた。
次に、メチルアルミノキサン4.32mol/Lのトルエン溶液7.35mL、1,3−ブタジエン20.6質量%のヘキサン溶液1.66g、バーサチック酸ネオジム0.537mol/Lのシクロヘキサン溶液0.59mL、水素化ジイソブチルアルミニウム1.0mol/Lのヘキサン溶液6.67mL、及び塩化ジエチルアルミニウム1.0mol/Lのヘキサン溶液1.27mLを混合することにより触媒を準備した。この触媒は反応に先立ち15分熟成した。
反応ジャケットの温度を65℃に設定し、触媒を投入して60分間経過後、重合体混合物を室温に冷却した。得られた重合体セメント423gを窒素パージした瓶に移した後、その瓶に変性剤a{N,N,N’,N’−テトラキス(トリメチルシリル)−4,4’−ジアミノベンゾフェノン}0.200mol/Lのシクロヘキサン溶液8.88mLを投入し、65℃に保った水浴中で、その瓶を30分間回転した。瓶内の重合体を2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3Lで凝固した後、ドラム乾燥した。
得られた変性ポリブタジエンゴム−1(以下、「変性BR−1」という。)の諸物性を第1表に示す。
重合体製造例2 変性ポリブタジエンゴム−2の製造
重合体製造例1と同様にして得られた重合体セメント433gを窒素パージした瓶に移した後、その瓶に変性剤b{N,N−ビス(トリメチルシリル)−4−アミノベンゾフェノン}0.300mol/Lのシクロヘキサン溶液6.06mLを投入し、65℃に保った水浴中で、その瓶を30分間回転した。瓶内の重合体を2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3Lで凝固した後、ドラム乾燥した。
得られた変性ポリブタジエンゴム−2(以下、「変性BR−2」という。)の諸物性を第1表に示す。
重合体製造例3 変性ポリブタジエンゴム−3の製造
タービンアジテイターブレイドを装備する反応器にヘキサン1.512kg及び1,3−ブタジエン21.5質量%のヘキサン溶液2.954kgが加えられた。
次に、重合体製造例1と同様にして触媒を準備し、熟成した。
反応ジャケットの温度を65℃に設定し、触媒を投入して55分間経過後、重合体混合物を室温に冷却した。得られた重合体セメント435gを窒素パージした瓶に移した後、その瓶に変性剤c{N,N−ビス(トリメチルシリル)グリシジルアミン}0.463mol/Lのヘキサン溶液5.26mLを投入し、65℃に保った水浴中で、その瓶を30分間回転した。瓶内の重合体を2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3Lで凝固した後、ドラム乾燥した。
得られた変性ポリブタジエンゴム−3(以下、「変性BR−3」という。)の諸物性を第1表に示す。
重合体製造例4 未変性ポリブタジエンゴムの製造
タービンアジテイターブレイドを装備する反応器にヘキサン1.526kg及び1,3−ブタジエン18.8質量%のヘキサン溶液2.940kgが加えられた。
次に、メチルアルミノキサン4.32mol/Lのトルエン溶液7.35mL、1,3−ブタジエン20.6質量%のヘキサン溶液1.66g、バーサチック酸ネオジム0.537mol/Lのシクロヘキサン溶液0.59mL、水素化ジイソブチルアルミニウム1.0mol/Lのヘキサン溶液6.67mL、及び塩化ジエチルアルミニウム1.0mol/Lのヘキサン溶液1.27mLを混合することにより触媒を準備した。この触媒は反応に先立ち15分熟成した。
反応ジャケットの温度を65℃に設定し、触媒を投入して60分間経過後、重合体混合物を室温に冷却した。得られた重合体セメント423gを窒素パージした瓶に移した後、瓶内の重合体を2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.5gを含むイソプロパノール3Lで凝固した後、ドラム乾燥した。
得られた未変性ポリブタジエンゴム(以下、「未変性BR」という。)の諸物性を第1表に示す。
Figure 2011079882
<実施例1〜8及び比較例1〜6>
第2表に示す配合組成を有する14種のゴム組成物を調製し、それら14種類のゴム組成物を夫々乗用車用空気入りラジアルタイヤ(タイヤサイズ195/60R15)のトレッド(トレッドキャップ部)に配設して、14種類の乗用車用空気入りラジアルタイヤを常法に従って製造し、それら14種類のタイヤを用い、あるいはこれらのトレッドからゴムサンプルを切り出し、上記の方法に従い、低発熱性、転がり抵抗、ドライ操縦安定性及び耐摩耗性を評価した。評価結果を第2表に示す。
Figure 2011079882
[注]
1) 乳化重合SBR:JSR(株)製、商品名「SBR#1500」
2)〜5) 変性BR−1〜3、未変性BR: 重合体製造例1〜4の変性BR、未変性BR
6) カーボンブラック:東海カーボン(株)製、商品名「シースト300」
7) シリカ:日本シリカ工業(株)製 ニップシールAQ(SHg=140m2 /g:ニップシールVN3を顆粒にしたもの)
8) 無機化合物粉体:水酸化アルミニウム「ハイジライトH−31」昭和電工社製(平均粒径:20μm、2〜30μmの粒径成分の占める割合(68%)
9) POE(n)はオキシエチレンがnモル付加したポリオキシエチレンを示す。
10) 一般式(IV)において、R8が−(R11O−COR12−COO−)t11O−で示される基であり、R11がブチレン基、R12が−CH=CH−、t=4の化合物である。
11) 一般式(IV)において、R8が−(R11O−COR12−COO−)t11O−で示される基であり、R11が−(R13O)u13−(R13がエチレン基、u=3.5)であり、R12が−CH=CH−、t=4の化合物である。
12) シランカップリング剤:デグッサ社製、商品名「Si69」(登録商標)
13) プロセスオイル:三共油化工業(株)製、商品名「A/O ミックス」
14) ミクロクリスタリンワックス:精工化学(株)製、商品名「サンタイト S」
15) 老化防止剤:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、精工化学(株)製、商品名「オゾノン 6C」
16) 加硫促進剤:N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
本発明のタイヤは、乾燥路面での良好な操縦安定性や、転がり抵抗及び耐摩耗性に優れるので、乗用車用ラジアルタイヤ、軽乗用車用ラジアルタイヤ、軽トラック用ラジアルタイヤ、トラック・バス用ラジアルタイヤ、建設車両用タイヤ等の各種空気入りタイヤに好適に用いられる。

Claims (27)

  1. (A)シス−1,4−結合量が75%以上である共役ジエン系重合体を10質量%以上含有するゴム成分と、
    (B)下記一般式(I)で表される化合物及びシリカの少なくともいずれかを含む無機充填剤と、
    (C)下記一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種と、を含むゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ。
    nM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
    (式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、並びに、これらの金属の酸化物または水酸化物、それらの水和物及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数及び0〜10の整数である。)
    Figure 2011079882
    (式中、A1、A2及びA3はこれらのうち一つが式−(R1O)n−CO−CR2=CR3−R4で表される基であり(ここでR1は炭素数2〜4のアルキレン基、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の数である)、他は水素原子である。)
    Figure 2011079882
    (式中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基であり、m1、m2及びm3はそれぞれオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す数で、m1+m2+m3が0〜90となる数である)
    Figure 2011079882
    (式中、R8は、式−R9O−で示される基、式−(R10O)S−で示される基、式−CH2CH(OH)CH2O−で示される基及び式−(R11O−COR12−COO−)t11O−で示される基から選ばれる一種である。R9は炭素数2〜36のアルキレン基、アルケニレン基及び2価の芳香族炭化水素基のいずれかであり、R10は炭素数2〜4のアルキレン基、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜60の実数、R11は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基、2価の芳香族炭化水素基及び−(R13O)u13−(R13は炭素数2〜4のアルキレン基、uはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の実数)から選ばれるいずれかであり、R12は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基及び2価の芳香族炭化水素基のいずれかであり、tは平均値で1〜30の実数である。)
    Figure 2011079882
    (式中、R14は水素またはメチル基を示し、R15はエチレン基またはプロピレン基を示し、R16は飽和若しくは不飽和のアルキル基、アリール基またはその一部若しくは2か所以上が−OH、−COOH、−(C=O)−で置換されたものであり、R16部分の末端にカルボキシル基を持ち、かつ、式中kは0〜30の整数であって、化合物の分子量は250以上である。)
  2. (A)成分における共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合量が、90%以上である請求項1に記載のタイヤ。
  3. (A)成分における共役ジエン系重合体のビニル結合量が、1.2%以下である請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. (A)成分における共役ジエン系重合体が、ポリブタジエンゴムである請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ。
  5. (A)成分における共役ジエン系重合体が、変性ポリブタジエンゴムである請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ。
  6. 前記変性ポリブタジエンゴムが、窒素原子を含む変性ポリブタジエンゴムである請求項5に記載のタイヤ。
  7. 前記変性ポリブタジエンゴムが、プロトン性アミノ基及び保護されたアミノ基を含む変性ポリブタジエンゴムから選ばれる少なくともいずれかである請求項5または6に記載のタイヤ。
  8. 前記プロトン性アミノ基が、プロトン性第一アミノ基である請求項7に記載のタイヤ。
  9. 前記保護されたアミノ基が、保護された第一アミノ基である請求項7に記載のタイヤ。
  10. 前記ゴム組成物が、更にカーボンブラックを配合してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載のタイヤ。
  11. (A)成分100質量部に対し、(B)成分を10質量部以上140質量部以下含む請求項1〜10のいずれか1項に記載のタイヤ。
  12. (A)成分100質量部に対し、(C)成分を0.1質量部以上10質量部以下含む請求項1〜11のいずれか1項に記載のタイヤ。
  13. (B)成分である無機充填剤が、シリカである請求項1〜12のいずれか1項に記載のタイヤ。
  14. (A)成分であるゴム成分が、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴムを含む請求項1〜13のいずれか1項に記載のタイヤ。
  15. 前記ゴム組成物が、さらに(D)シランカップリング剤を、(B)成分に対して1質量%以上20質量%以下含む請求項1〜14のいずれか1項に記載のタイヤ。
  16. (A)ランタン系列希土類元素化合物を含む重合触媒で重合した共役ジエン系重合体をカルボニル基、エポキシ基、カルボキシル基、チオカルボニル基、チオエポキシ基、チオカルボキシル基、ニトリル基、イソシアナート基及びハロシリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基と保護されたアミノ基とを有する化合物により変性してなる変性共役ジエン系重合体を10質量%以上含むゴム成分と、
    (B)下記一般式(I)で表される化合物及びシリカの少なくともいずれかを含む無機充填剤と、
    (C)下記一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種と、を含むゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ。
    nM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
    (式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、並びに、これらの金属の酸化物または水酸化物、それらの水和物及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数及び0〜10の整数である。)
    Figure 2011079882
    (式中、A1、A2及びA3はこれらのうち一つが式−(R1O)n−CO−CR2=CR3−R4で表される基であり(ここでR1は炭素数2〜4のアルキレン基、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の数である)、他は水素原子である。)
    Figure 2011079882
    (式中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基であり、m1、m2及びm3はそれぞれオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す数で、m1+m2+m3が0〜90となる数である)
    Figure 2011079882
    (式中、R8は、式−R9O−で示される基、式−(R10O)S−で示される基、式−CH2CH(OH)CH2O−で示される基及び式−(R11O−COR12−COO−)t11O−で示される基から選ばれる一種である。R9は炭素数2〜36のアルキレン基、アルケニレン基及び2価の芳香族炭化水素基のいずれかであり、R10は炭素数2〜4のアルキレン基、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜60の実数、R11は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基、2価の芳香族炭化水素基及び−(R13O)u13−(R13は炭素数2〜4のアルキレン基のいずれかであり、uはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の実数)、R12は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基及び2価の芳香族炭化水素基のいずれかであり、tは平均値で1〜30の実数である。)
    Figure 2011079882
    (式中、R14は水素、又はメチル基を示し、R15はエチレン基またはプロピレン基を示し、R16は飽和若しくは不飽和のアルキル基、アリール基または一部または2か所以上が−OH、−COOH、−(C=O)−で置換されたものであり、R16部分の末端にカルボキシル基を持ち、かつ、式中kは0〜30の整数であって、化合物の分子量は250以上である。)
  17. (A)成分における変性共役ジエン系重合体が、シス−1,4−結合量が75%以上の変性ポリブタジエンゴムである請求項16に記載のタイヤ。
  18. 前記変性ポリブタジエンゴムのシス−1,4−結合量が、90%以上である請求項17に記載のタイヤ。
  19. 前記変性ポリブタジエンゴムのビニル結合量が、1.2%以下である請求項17または18に記載のタイヤ。
  20. 前記保護されたアミノ基が、保護された第一アミノ基である請求項16〜19のいずれか1項に記載のタイヤ。
  21. 前記ゴム組成物が、更にカーボンブラックを配合してなる請求項16〜20のいずれか1項に記載のタイヤ。
  22. (A)成分100質量部に対し、(B)成分を10質量部以上140質量部以下含む請求項16〜21のいずれか1項に記載のタイヤ。
  23. (A)成分100質量部に対し、(C)成分を0.1質量部以上10質量部以下含む請求項16〜22のいずれか1項に記載のタイヤ。
  24. (B)成分である無機充填剤が、シリカである請求項16〜23のいずれか1項に記載のタイヤ。
  25. 前記ゴム成分が、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴムを含む請求項16〜24のいずれか1項に記載のタイヤ。
  26. 前記ゴム組成物が、さらに(D)シランカップリング剤を、(B)成分に対して1質量%以上20質量%以下含む請求項16〜25のいずれか1項に記載のタイヤ。
  27. (D)成分であるシランカップリング剤が、下記一般式(VI)で表される化合物、下記一般式(VII)で表される化合物及び下記一般式(VIII)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種である請求項26に記載のタイヤ。
    a3-aSi−X−Sb−X−SiAa3-a ・・・(VI)
    (式中、AはCc2c+1O(cは1〜3の整数)または塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7〜15のアリーレン基であり、aは1〜3の整数、bは1以上の整数で分布を有することもある。但し、aが1のときは2つのBは同じであっても異なっていてもよく、aが2または3のときは2つまたは3つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
    a3-aSi−X−Y ・・・(VII)
    (式中、A、B、X、aは前記と同様であり、Yはメルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基及びエポキシ基のいずれかである。)
    a3-aSi−X−Sb−Z ・・・(VIII)
    (式中、A、B、X、a、bは前記と同様であり、Zはベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルチオカルバモイル基、メタクリロイル基及び炭素数1〜15の飽和又は不飽和の炭化水素基のいずれかである。)
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