JP2014098162A5 - - Google Patents

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ゴム組成物及びタイヤ
本発明は、変性共役ジエン(共)重合体を含むゴム成分とカーボンブラックとを含むゴム組成物及びそのゴム組成物を用いたタイヤに関する。
近年、省エネルギー、省資源の社会的要請に伴い、自動車の燃料消費を節約するために、タイヤの耐久性の要求から、低ロス性・耐破壊性のゴム材料が多く望まれるようになってきた。
タイヤの転がり抵抗性能向上のために、低発熱性ゴム組成物を用いる手法が一般的になっており、その性能を発現するための技術として、充填材と相互作用を有する官能基を導入した変性重合体の利用は、極めて有効な手段である。
タイヤの転がり抵抗性能を向上させるために、補強用充填材を低減させる手法では、耐久性の悪化は免れないが、使用するポリマーに変性基を導入することによって、低ロス性と耐久性の両立を実現できることが分かっている。そして、ポリマーに導入される変性官能基の種類によっては、補強用充填材との相互作用が異なり、得られる性能も影響を受けることが知られている。
従来、発熱性の低いゴム組成物を得るために、シリカやカーボンブラックを充填材とするゴム組成物用の変性ゴムの技術開発が多くなされてきた。その中でも特に、有機リチウムを用いたアニオン重合で得られる共役ジエン(共)重合体の重合活性部位を充填材と相互作用する官能基を含有するアルコキシシラン誘導体で変性する方法が有効なものとして提案されている(例えば、特許文献1又は2参照)。
しかしながら、上述の製造方法で得られた変性重合体を用いたゴム組成物において、補強性充填材を配合すると低発熱性は確保できるものの、未加硫ゴム組成物の混練時、熱入れロール時又は押出工程中に変性共役ジエン(共)重合体中に存在するアルコキシシランから揮発性有機化合物(VOC)、即ち揮発性アルコールが発生し、未加硫ゴム組成物の押出成形物中に気泡を発生し、加工性(未加硫ゴム組成物の作業性)が低下してしまう問題があった。また、揮発性有機化合物(VOC)は作業環境上にも好ましくない。
本発明者らの研究によると、第一アミノ基が導入された変性ポリマーは、カーボンブラックとの相互作用が極めて高く、低ロス性に優れるゴム組成物を与えることが分かった。この第一アミノ基のポリマーへの導入に関しては、例えば特許文献3に、第一アミノ基及びアルコキシシリル基を有する共役ジエン重合体を含むゴム成分と、N2SAが30〜100m2/gのカーボンブラックを含有するゴム組成物が開示されている。
しかしながら、この技術においても、ポリマー中にアルコキシシリル基が残留するため、該ポリマー配合時において、アルコール分として大気中に放出されることが懸念され、上記の問題が生じる。
一方タイヤ、特にランフラットタイヤにおいては、従来サイドウォール部の剛性向上のために、ゴム組成物単独又はゴム組成物と繊維等の複合体によるサイド補強層が配設されている(例えば、特許文献4参照)。
タイヤは、パンク等によりタイヤの内部圧力(以下、内圧という)が低下した場合での走行、いわゆるランフラット走行状態になると、タイヤのサイドウォール部やビードフィラーの変形が大きくなり、発熱が進み、場合によっては200℃以上に達する。このような状態では、サイド補強層を具えたタイヤであっても、サイド補強層やビードフィラーが破壊限界を超え、タイヤ故障に至る。
このような故障に至るまでの時間を長くする手段として、サイド補強層やビードフィラーに用いるゴム組成物に硫黄を高配合し、ゴム組成物を高弾性化することにより、タイヤのサイドウォール部やビードフィラーの変形量を抑える手法があるが、タイヤの通常走行時の転がり抵抗が高くなり低燃費性が低下する問題がある。
これに対し、特許文献5では、各種変性共役ジエン−芳香族ビニル共重合体及び耐熱向上剤等を含有するゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用いることが提案されている。
さらに、特許文献6では、特定の共役ジエン系重合体とフェノール系樹脂を含有するゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用いることが提案されている。
これらは、いずれもサイド補強層及びビードフィラーに用いたゴム組成物の弾性率を高くすると共に、高温時の弾性率低下を抑えることを目的としたものであり、ランフラット耐久性の大幅な改良が得られるものの、通常走行時の転がり抵抗性が著しく悪化してしまう。
従って、ランフラット走行時の耐久性と通常走行時の転がり抵抗性とを同時に向上させ得る、サイド補強層やビードフィラーに好適な、低発熱性に優れたゴム組成物が求められている。
特公平6−57767号公報 WO03/029299号パンフレット 特開2006−307095号公報 特開平11−310019号公報 WO02/02356号パンフレット 特開2004−74960号公報
本発明は、このような状況下で、低発熱性に優れ、且つ揮発性有機化合物(VOC)が発生しない変性共役ジエン(共)重合体を用いたゴム組成物及びそのゴム組成物を用いたタイヤ、特にランフラット走行時の耐久性と通常走行時の転がり抵抗性とを同時に向上させ得るタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、変性共役ジエン(共)重合体の反応工程において特定の加水分解工程、好ましくは、さらに縮合反応工程を設けることにより揮発性有機化合物(VOC)が発生しない変性共役ジエン(共)重合体を製造し得ることを見出すと共に、前記の変性共役ジエン(共)重合体を含むゴム組成物をタイヤ部材に用いることにより、所望の性能を有するタイヤが得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
1. 共役ジエン(共)重合体の分子末端に、シラノール基と、該シラノール基の近傍にある官能基であって、該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基とを有する変性共役ジエン(共)重合体であって、
下記一般式(3)又は下記一般式(4)により表わされ、
Figure 2014098162
[式中、R1は単結合又は炭素数1〜20の二価の炭化水素基;R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の一価の炭化水素基;A3はシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基であり、mは1〜10の整数である]
Figure 2014098162
[式中、R4は単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基;R5及びR6はそれぞれ独立に単結合、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基;A4は単結合、炭素数1〜20の炭化水素基又はシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基;B及びDはそれぞれ独立にシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基を少なくとも一つ含む基であり;p及びqはそれぞれ独立に0〜5の整数であり、(p+q)が1以上であり、nは1〜10の整数である]
一般式(3)又は一般式(4)において、前記シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基A3及びA4が、それぞれ独立に(チオ)エーテル結合、(チオ)ウレタン結合、イミノ結合及びアミド結合の中から選ばれる少なくとも一種の結合を有する二価の官能基、並びにニトリル基、ピリジル基、N−アルキルピロリドニル基、N−アルキルイミダゾリル基、N−アルキルピラゾリル基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、イソシアヌル酸トリエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸金属塩の残基、炭素数1〜20のカルボン酸無水物残基、炭素数1〜20のカルボン酸ハロゲン化物残基及び炭酸ジヒドロカルビルエステル残基の中から選ばれる官能基由来の二価の官能基からなる群から選ばれる少なくとも一種の二価の官能基であり、
一般式(4)において、前記シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基を少なくとも一つ含む基B及びDが、それぞれ独立に第一アミノ基、第二アミノ基、保護された第一もしくは第二アミノ基、第三アミノ基、環状アミノ基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、アジリジニル基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基及びアミド基、(チオ)エポキシ基、グリシドキシ基、(チオ)イソシアネート基、ニトリル基、ピリジル基、N−アルキルピロリドニル基、N−アルキルイミダゾリル基、N−アルキルピラゾリル基、イミノ基、アミド基、ケチミン基、イミン残基、イソシアヌル酸トリエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸金属塩の残基、炭素数1〜20のカルボン酸無水物残基、炭素数1〜20のカルボン酸ハロゲン化物残基、炭酸ジヒドロカルビルエステル残基及び一般式−E−F−Gで表わされる官能基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基[式中、Eはイミノ基、2価のイミン残基、2価のピリジン残基又は2価のアミド残基、Fは炭素数1〜20のアルキレン基、フェニレン基又は炭素数8〜20のアラルキレン基、Gは第一アミノ基、第二アミノ基、保護された第一もしくは第二アミノ基、第三アミノ基、環状アミノ基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、アジリジニル基、ケチミン基、ニトリル基、アミド基、ピリジン基又は(チオ)イソシアネート基である]である変性共役ジエン(共)重合体を含むゴム成分(A)と、そのゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜100m2/gであるカーボンブラック(B)10〜100質量部を含むことを特徴とするゴム組成物。
2.前記共役ジエン(共)重合体が、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体又はスチレン−イソプレン−ブタジエン三元共重合体である上記1に記載のゴム組成物。
3.さらに、縮合促進剤を含む上記1又は2に記載のゴム組成物。
4.縮合促進剤が、変性共役ジエン(共)重合体の合成時及び/又はゴム組成物の調製時に加えられる上記3に記載のゴム組成物。
5.前記縮合促進剤が、金属元素を含むものである上記3又は4に記載のゴム組成物。
6.前記金属元素を含む縮合促進剤が、周期律表の2族〜15族に属する金属の少なくとも一種を含有する化合物である上記5に記載のゴム組成物。
7.前記金属元素を含む縮合促進剤が、Ti、Sn、Bi、Zr及びAlの中から選ばれる少なくとも一種を含み、かつ前記金属のアルコキシド、カルボン酸塩又はアセチルアセトナート錯塩である上記6に記載のゴム組成物。
8.前記縮合促進剤の配合量が、ゴム成分100質量部に対し0.1〜10質量部である上記3〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
9.前記ゴム成分が、変性共役ジエン(共)重合体10〜100質量%とジエン系ゴム90〜0質量%とからなる請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
10.上記1〜9のいずれかに記載のゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
11.ビードコア、カーカス層、トレッドゴム層、インナーライナー、サイド補強層及びビードフィラーを具えるタイヤであって、該サイド補強層及び/又は該ビードフィラーに、上記1〜9のいずれかに記載のゴム組成物を用いてなるタイヤ。
12.変性共役ジエン(共)重合体が、共役ジエン系重合体の末端と第一アミノ基又は加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を有するアルコキシシラン化合物との変性反応により該末端に第一アミノ基又は加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体が導入され、さらに該変性反応の途中及び又は終了後に該変性反応系に縮合促進剤が加えられることにより得られる変性共役ジエン系重合体である上記11に記載のタイヤ。
13.共役ジエン系重合体が、アルカリ金属化合物を開始剤とし、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをアニオン重合させて得られたものである上記11又は12に記載のタイヤ。
14.共役ジエン系重合体のガラス転移温度が−30℃以下である上記11〜13のいずれかに記載のタイヤ。
15.加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を有するアルコキシシラン化合物が、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン又はN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシランである上記12〜14のいずれかに記載のタイヤ。
16.縮合促進剤が、チタン、ジルコニウム、ビスマス、アルミニウム及びスズからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属を含有する、アルコキシド、カルボン酸塩、トリアルキルシロキサン又はアセチルアセトナート錯塩である上記11〜15のいずれかに記載のタイヤ。
17.変性共役ジエン系重合体のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した変性前のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw)/(Mn)が1.02〜2.0である上記11〜16いずれかに記載のタイヤ。
18.変性共役ジエン系重合体のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した変性前のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw)/(Mn)が1.02〜1.5である上記17に記載のタイヤ。
19.変性共役ジエン系重合体の変性前の数平均分子量(Mn)が100,000〜500,000である上記11〜18のいずれかに記載のタイヤ。
20.変性共役ジエン系重合体の変性前の数平均分子量(Mn)が120,000〜300,000である上記19に記載のタイヤ。
21.ゴム組成物が、ゴム成分中変性共役ジエン系重合体を52質量%以上含んでなる上記11〜20のいずれかに記載のタイヤ。
22.ゴム組成物が、ゴム成分中変性共役ジエン系重合体を55質量%以上含んでなる上記21に記載のタイヤ。
23.ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して硫黄を1〜10質量部配合してなる上記11〜22のいずれかに記載のタイヤ。
を提供するものである。
本発明によれば、低発熱性に優れ、かつ揮発性有機化合物(VOC)が発生しない変性共役ジエン(共)重合体を用いたゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いたタイヤ、特にランフラット走行時の耐久性と通常走行時の転がり抵抗性とを同時に向上させ得るタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤの一実施態様の断面を示す模式図である。
本発明のゴム組成物は、変性共役ジエン(共)重合体を含むゴム成分とカーボンブラックを含むことを特徴とする。
まず、本発明に係る変性共役ジエン(共)重合体の製造方法について説明する。
[変性共役ジエン(共)重合体の製造方法]
本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法は、活性部位を有する共役ジエン(共)重合体の該活性部位に、加水分解によりシラノール基を生成する特性基と、該特性基の近傍に(i)該活性部位に付加もしくは置換反応を行う事によって有機シラン化合物と該共役ジエン(共)重合体とを結合させ、且つ該反応後に該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基又は(ii)該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基とを有する有機シラン化合物を反応させる変性反応工程と、変性反応工程終了後に施される加水分解工程と、好ましくは、さらに縮合促進剤の存在下に縮合反応させる縮合反応工程とを含むことを特徴とする。このような工程を経ることにより、本発明の変性共役ジエン(共)重合体の分子鎖末端にシラノール基が付与されることとなる。
本発明においては、前記の加水分解によりシラノール基を生成する特性基は、アルコキシシラン基であって、加水分解により、その10%以上がシラノール基を生成するものであることが、本発明の効果の点から好ましい。
なお、本発明において、共役ジエン(共)重合体とは、共役ジエン重合体と共役ジエン共重合体とを包含するものである。
加水分解によりシラノール基を生成する特性基は、補強性充填材、特にシリカと反応する場合、反応によりシラノール基になる必要があるが、最初からシラノール基であれば、シリカとの反応性はより高くなり、ゴム組成物中のシリカの分散性が向上し、且つゴム組成物の低発熱性が向上するという大きな効果を奏する。さらに、加水分解によりシラノール基を生成する特性基がアルコキシ基である場合は揮発性有機化合物(VOC、特にアルコール)を発生するが、シラノール基は発生しないので、作業環境上好ましい。
なお、本発明において、「ある有機シラン化合物の中で、ある官能基がシラノール基を生成する特性基の近傍に存在する」とは、該有機シラン化合物の中で、該官能基が該特性基から好ましくは炭素数で1から20の範囲(珪素原子を介しても良い)内に、より好ましくは炭素数で1から15の範囲(珪素原子を介しても良い)内に、さらに好ましくは炭素数で1から12の範囲(珪素原子を介しても良い)内に、特に好ましくは炭素数で1から10の範囲(珪素原子を介しても良い)内に、さらに特に好ましくは炭素数で1から5の範囲(珪素原子を介しても良い)内に、存在することをいう。
「シラノール基と、該シラノール基の近傍にある官能基」の場合の「近傍」も上記と同義である。
前記加水分解によりシラノール基を生成する特性基と、該特性基の近傍に(i)前記活性部位に付加もしくは置換反応を行う事によって有機シラン化合物と前記共役ジエン(共)重合体とを結合させ、且つ該反応後に該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基又は(ii)該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基とを有する有機シラン化合物が、下記一般式(1)又は下記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物であることが好ましい。
Figure 2014098162
ここで、R1は単結合又は炭素数1〜20の二価の炭化水素基;R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の一価の炭化水素基;−OL1は加水分解によりSiと共にシラノール基を生成する加水分解性官能基;A1は前記活性部位に付加もしくは置換反応を行う事によって前記有機シラン化合物と前記共役ジエン(共)重合体とを結合させ、且つ該反応後に該シラノール基と前記補強性充填材との反応を促進する官能基であり、mは1〜10の整数である。なお、「R1は単結合」とは、例えば、上記一般式(1)において、A1とSiが直接単結合にて結合することをいう。以下、R4、R5、R6及びA4の場合も同様である。
Figure 2014098162
ここで、R4は単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基;R5及びR6はそれぞれ独立に単結合、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基;−OL2は加水分解によりSiと共にシラノール基を生成する加水分解性官能基;A2は前記活性部位と反応する官能基又は前記活性部位に付加もしくは置換反応を行う事によって前記有機シラン化合物と前記共役ジエン(共)重合体とを結合させる官能基;B及びDはそれぞれ独立に前記シラノール基と前記補強性充填材との反応を促進する官能基を少なくとも一つ含む基であり;p及びqはそれぞれ独立に0〜5の整数であり、(p+q)が1以上であり、nは1〜10の整数である。
ここで、加水分解によりSiと共にシラノール基を生成する加水分解性官能基としては、例えば、炭素数1〜20のアルコキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、−OM(1/x)等が好適に挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基がさらに好ましく、炭素数1〜12のアルコキシ基が特に好ましい。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、具体的には、メトシキ基、エトシキ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等を挙げることができる。
上記の式−OM(1/x)において、Mは、水素を除く第1族元素(即ち、アルカリ金属);第2〜12族元素;ホウ素を除く第13族元素;炭素及びケイ素を除く第14族元素;窒素、リン及びヒ素を除く第15族元素及び希土類元素から選ばれる金属原子であり、xはその金属原子の価数である。第2族元素は、Be、Mg及びアルカリ土類金属である。これらの金属原子の内、アルカリ金属、Mg、アルカリ土類金属、Sn、Al、Ti、Feがより好ましく、Li、Na、K、Mg、Ca、Ba、Sn、Al、Ti、Feが特に好ましい。
前記一般式(1)において、前記活性部位に付加もしくは置換反応を行う事によって前記有機シラン化合物と前記共役ジエン(共)重合体とを結合させ、且つ該反応後に前記シラノール基と前記補強性充填材との反応を促進する官能基A1としては、例えば、(チオ)エポキシ基(グリシドキシ基を含む)、(チオ)イソシアネート基、ニトリル基(シアノ基)、ピリジル基、N−アルキルピロリドニル基、N−アルキルイミダゾリル基、N−アルキルピラゾリル基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、イミン残基、アミド基、ケチミン基、イソシアヌル酸トリエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸金属塩の残基、炭素数1〜20のカルボン酸無水物残基、炭素数1〜20のカルボン酸ハロゲン化物残基又は炭酸ジヒドロカルビルエステル残基が挙げられる。炭素数1〜20のカルボン酸ハロゲン化物残基のハロゲンとしては、塩素、臭素又はフッ素が好ましい。炭素数1〜20のカルボン酸無水物残基としては、無水マレイン酸残基、無水フタル酸残基、無水酢酸残基等が好ましい。これらは、共役ジエン(共)重合体の活性部位に結合する基であると共に、シリカとの反応を促進させる基でもある。
前記一般式(2)において、前記活性部位と反応する官能基又は前記活性部位に付加もしくは置換反応を行う事によって該有機シラン化合物と前記共役ジエン(共)重合体とを結合させる官能基A2としては、下記式(2−a)
−RdSiX3 ・・・・・(2−a)
[式中、Rdは単結合、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキレン基又は−ORe(Reは炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキレンである。)を示し、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、複数のXは同一でも異なっていてもよい。]で表される官能基、あるいは(チオ)エポキシ基、(チオ)イソシアネート基、ニトリル基、イミダゾリル基、ケチミン基、(チオ)ケトン基又は保護された第1もしくは第2アミノ基などを挙げることができる。
また、本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法における共役ジエン(共)重合体の活性部位と反応する官能基A2とは、活性部位と化学的に反応し得る官能基A2をいい、例えば、炭素数1〜20のアルコキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ハロゲン基等が好適に挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基がさらに好ましく、炭素数1〜12のアルコキシ基が特に好ましい。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、具体的には、メトシキ基、エトシキ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等を挙げることができる。ハロゲンとしては、塩素、臭素又はフッ素が好ましい。
また、前記一般式(2)において、シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基を少なくとも一つ含む基B及びDとしては、それぞれ独立に、例えば、第一アミノ基、第二アミノ基、保護された第一もしくは第二アミノ基、第三アミノ基、環状アミノ基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、アジリジニル基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)エポキシ基(グリシドキシ基を含む)、(チオ)イソシアネート基、ニトリル基(シアノ基)、ピリジル基、N−アルキルピロリドニル基、N−アルキルイミダゾリル基、N−アルキルピラゾリル基、イミノ基、アミド基、ケチミン基、イミン残基、イソシアヌル酸トリエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸金属塩の残基、炭素数1〜20のカルボン酸無水物残基、炭素数1〜20のカルボン酸ハロゲン化物残基、炭酸ジヒドロカルビルエステル残基又は一般式−E−F−Gで表わされる官能基が挙げられる。
ここで、Eはイミノ基、2価のイミン残基、2価のピリジン残基又は2価のアミド残基、Fは炭素数1〜20のアルキレン基、フェニレン基又は炭素数8〜20のアラルキレン基、Gは第一アミノ基、第二アミノ基、保護された第一もしくは第二アミノ基、第三アミノ基、環状アミノ基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、アジリジニル基、ケチミン基、ニトリル基(シアノ基)、アミド基、ピリジン基又は(チオ)イソシアネート基である。
一般式−E−F−Gで表わされる官能基の具体例としては、例えば、−NH−C24−NH2、−NH−C24−N(CH32、及びこれらの−C24−を−C612−又はフェニレン基に置き換えた官能基等が挙げられる。
前記一般式(2)において、ケイ素原子にハロゲン原子又はアルコキシ基が結合したケイ素含有基、及び式(2−a)で示される−RdSiX3基は、共役ジエン(共)重合体の活性部位に結合する基であり、一方、(チオ)エポキシ基、(チオ)イソシアネート基、ニトリル基、イミダゾリル基、ケチミン基、(チオ)ケトン基又は保護された第1もしくは第2アミノ基は、シリカとの反応を促進させる基である。
シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基がシラノール基の近傍に存在すると、補強性充填材、特にシリカ表面のヒドロキシ基、シラノール基及びシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基中の不対電子を有する原子(酸素原子、硫黄原子又は窒素原子)の三者により安定構造をとることが考えられ、シラノール基のシリカへの反応性が向上する。これにより、本発明の変性共役ジエン(共)重合体を用いた、本発明のゴム組成物の低発熱性が向上することとなる。
上記一般式(1)及び上記一般式(2)において、R1、R4、pが1である場合のR5又はqが1である場合のR6である炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,3−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,3−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基等が挙げられる。これらの中で、プロパン−1,3−ジイル基が特に好ましい。
ここで、pが0である場合のR5及びqが0である場合のR6は、R2及びR3と同様に水素原子又は炭素数1〜20の一価の炭化水素基となる。即ち、R5の価数は(p+1)であり、R6の価数は(q+1)である。
また、上記一般式(1)及び上記一般式(2)において、R2、R3、pが0である場合のR5又はqが0である場合のR6である炭素数1〜20の一価の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ステアリル基等が挙げられる。これらの中で、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
上記一般式(1)により表わされる有機シラン化合物の具体例としては、(チオ)エポキシ基含有シラン化合物として、(2−グリシドキシエチル)ジメチルメトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)ジエチルメトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)ジメチルエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)ジエチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジエチルメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジエチルエトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル(ジメチル)メトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル(ジエチル)メトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル(ジメチル)エトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル(ジエチル)エトキシシラン及びこれらの化合物におけるエポキシ基をチオエポキシ基に置き換えたものを挙げることができる。これらの中で、特に(3−グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジエチルメトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル(ジメチル)メトキシシラン及び2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル(ジエチル)メトキシシランが好適である。
また、上記一般式(1)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、イミン残基含有シラン化合物として、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジエチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ジエチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジエチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジエチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(ジエチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(ジエチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン等を挙げることができる。これらの中で特に、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジエチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジエチルエトキシシリル)−1−プロパンアミンが好適である。
上記一般式(1)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、イミノ(アミジン)基含有化合物として、1−〔3−(ジメチルエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(ジエチルエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(ジメチルメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(ジエチルメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−〔10−(ジメチルエトキシシリル)デシル〕−4−オキサゾリン、3−〔10−(ジエチルエトキシシリル)デシル〕−4−オキサゾリン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジメチルエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエチルエトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(ジメチルメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(ジエチルメトキシ)シラン、1−〔3−(ジメチルエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(ジエチルエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(ジメチルメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール及び1−〔3−(ジエチルメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール等を挙げることができるが、これらの中で、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジメチルエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエチルエトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(ジメチルメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(ジエチルメトキシ)シラン、1−〔3−(ジメチルエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(ジエチルエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(ジメチルメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール及び1−〔3−(ジエチルメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾールを好ましく挙げることができる。
そして、上記一般式(1)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、カルボン酸エステル基含有化合物として、(3−メタクリロイロキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−メタクリロイロキシプロピル)ジエチルエトキシシラン、(3−メタクリロイロキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3−メタクリロイロキシプロピル)ジエチルメトキシシラン、(3−メタクリロイロキシプロピル)ジメチルイソプロポキシシラン、(3−メタクリロイロキシプロピル)ジエチルイソプロポキシシラン等が挙げられ、これらの内、好ましいのは(3−メタクリロイロキシプロピル)ジメチルメトキシシラン及び(3−メタクリロイロキシプロピル)ジエチルメトキシシランである。
さらに、上記一般式(1)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、イソシアネート基含有化合物として、(3−イソシアナトプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)ジエチルメトキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)ジエチルエトキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)ジメチルイソプロポキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)ジエチルイソプロポキシシラン等が挙げられ、これらの内、好ましいのは(3−イソシアナトプロピル)ジメチルエトキシシラン及び(3−イソシアナトプロピル)ジエチルエトキシシランである。
また、上記一般式(1)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、カルボン酸無水物含有化合物として、3−(ジメチルエトキシ)シリルプロピルサクシニック無水物、3−(ジエチルエトキシ)シリルプロピルサクシニック無水物、3−(ジメチルメトキシ)シリルプロピルサクシニック無水物、3−(ジエチルメトキシ)シリルプロピルサクシニック無水物等が挙げられ、これらの内、好ましいのは3−(ジメチルエトキシ)シリルプロピルサクシニック無水物及び3−(ジエチルエトキシ)シリルプロピルサクシニック無水物である。
上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物としては、保護基が−SiRabcで表わされるトリアルキルシリル基(ここで、Ra、Rb及びRcはそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。)を2つ有する、保護された第一アミノ基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物が挙げられる。この保護された第一アミノ基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物の具体例としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等を好ましく挙げることができる。これらの中で、特に好ましくは、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン又はN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランである。
上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物の別の例として、保護基が−SiRabcで表わされるトリアルキルシリル基(Ra、Rb及びRcは上記と同じである。)を1つ有する、保護された第二アミノ基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物が挙げられる。この保護された第二アミノ基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物の具体例としては、N,N−メチル(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−エチル(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−メチル(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−エチル(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−メチル(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N,N−エチル(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N,N−メチル(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、N,N−エチル(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等を好ましく挙げることができる。
また、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びこれらのメチルジエトキシシリル化合物に対応するメチルジメトキシシリル化合物、エチルジエトキシシリル化合物、エチルジメトキシシリル化合物等のイミン残基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物を好ましく挙げることができるが、これらの中で特に、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミンが好適である。
さらに、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、例えば、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−ジエチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジエチルアミノプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、2−ジメチルアミノエチル(ジエトキシ)メチルシラン、2−ジメチルアミノエチル(ジメトキシ)メチルシラン等の非環状第三アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物を好ましく挙げることができるが、これらの中で特に、3−ジメチルアミノプロピル(ジメトキシ)メチルシラン及び3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシランが好適である。
また、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、例えば、3−メチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−メチルアミノプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−エチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−エチルアミノプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、2−メチルアミノエチル(ジエトキシ)メチルシラン、2−メチルアミノエチル(ジメトキシ)メチルシラン等の非環状第二アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物を好ましく挙げることができるが、これらの中で特に、3−メチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン及び3−メチルアミノプロピル(ジメトキシ)メチルシランが好適である。
また、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、例えば、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(メチルジエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(メチルジメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(メチルジメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(メチルジエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(メチルジエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(メチルジメトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(メチルジエトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(メチルジメトキシ)シラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)プロピル(メチルジエトキシ)シラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル(メチルジエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(エチルジエトキシ)シラン、3−〔10−(メチルジエトキシシリル)デシル〕−4−オキサゾリン等の環状第三アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物を好ましく挙げることができるが、これらの中で、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(メチルジエトキシ)シラン及び(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(メチルジメトキシ)シランをより好ましく挙げることができる。特に、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(メチルジエトキシ)シランが好適である。
そして、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、例えば、N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール等のアミジン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が挙げられ、その中でも、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールが好ましい。
また、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、例えば、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)エチルジメトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)エチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)エチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)エチルジエトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチルジメトキシ)シラン、2−(3,4−エキシシクロヘキシル)エチル(メチルジエトキシ)シラン2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル(エチルジメトキシ)シラン、2−(3,4−エキシシクロヘキシル)エチル(エチルジエトキシ)シラン等のエポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物を好ましく挙げることができるが、これらの中で、特に(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン及び(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシランが好適である。
そして、上記のエポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物のエポキシ基をエピチオ基に置き換えたエピチオ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物をも好ましく挙げることができる。
また、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、例えば、(3−イソシアナトプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)エチルジメトキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)エチルジエトキシシラン、(3−イソシアナトプロピル)メチルジイソプロポキシシラン、3−(イソシアナトプロピル)エチルジイソプロポキシシラン等のイソシアネート基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が挙げられ、その中でも(3−イソシアナトプロピル)メチルジエトキシシランが好ましい。
また、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、例えば、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジイソプロポキシシラン等のカルボン酸ヒドロカルビルエステル残基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が挙げられ、その中でも、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシランが好ましい。
また、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物の別の具体例としては、例えば、3−(メチルジエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、3−(メチルジメトキシシリル)プロピルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物残基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が挙げられ、その中でも、3−(メチルジエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物が好ましい。
さらに、2−(メチルジメトキシシリルエチル)ピリジン、2−(メチルジエトキシシリルエチル)ピリジン、2−シアノエチルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。
上述の上記一般式(2)により表わされる各種有機シラン化合物の中で、アミノ基又はイミン残基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物が低発熱性向上の観点から好ましく、それらの中でも、上述の保護された第一アミノ基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物が特に好ましい。第一アミノ基を変性共役ジエン(共)重合体の分子鎖末端に導入することにより、変性共役ジエン(共)重合体を配合するゴム組成物の低発熱性を大幅に向上するからである。
本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法は、所望により、前記有機シラン化合物を反応させる変性反応工程の前に、前記共役ジエン(共)重合体の前記活性部位に、ヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる予備変性反応工程をさらに含んでも良い。
ここで、予備変性反応工程で用いられるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、複数のヒドロカルビルオキシシリル基を有することが好ましい。前記共役ジエン(共)重合体の前記活性部位との反応により一つのヒドロカルビルオキシシリル基が消費されても、残ったヒドロカルビルオキシシリル基により、本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法に必要な変性反応工程を実施することができるからである。
本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法における共役ジエン(共)重合体に用いられる共役ジエン単量体としては、例えば1.3−ブタジエン、イソプレン、1.3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1、3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いても良いが、これらの中で、1、3−ブタジエンが特に好ましい。
また、共役ジエン(共)重合体に用いられる芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても良いが、これらの中で、スチレンが特に好ましい。
本発明に係る変性共役ジエン(共)重合体の製造方法における共役ジエン(共)重合体は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体又はスチレン−イソプレン−ブタジエン三元共重合体であることが好ましく、これらの中で、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体が特に好ましい。
本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法を詳述する。本発明製造方法の変性反応工程における、共役ジエン(共)重合体の活性部位と上記一般式(1)又は上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物とを反応させるためには、使用する共役ジエン(共)重合体は、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性又は擬似リビング性を有するものが好ましい。このようなリビング性を有する重合反応としては、アニオン重合又は配位アニオン重合が好ましく、上述の予備変性反応工程を必要としない点でアニオン重合が特に好ましい。
本発明製造方法の変性反応工程における、共役ジエン(共)重合体の活性部位とは、共役ジエン(共)重合体の活性末端(分子鎖末端の活性部位)、主鎖中の活性部位、側鎖中の活性部位のいずれでも良いが、アニオン重合又は配位アニオン重合により、共役ジエン(共)重合体の活性部位を得る場合は、活性末端であることが好ましい。
上述のアニオン重合の開始剤として用いられる有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性末端である共役ジエン(共)重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性末端である共役ジエン(共)重合体が得られる。
前記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロベンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられるが、これらの中で、特にn−ブチルリチウムが好適である。
一方、リチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。これらの中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状リチウムアミドが好ましく、特にリチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが好適である。
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、二級アミンとリチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することができるが、重合系中(in−situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくは単量体100g当たり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
前記有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン(共)重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶剤中において、共役ジエン単量体又は共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の活性末端を有する共役ジエン(共)重合体が得られる。
また、有機リチウム化合物を重合開始剤として用いた場合には、前述のランタン系列希土類元素化合物を含む触媒を用いた場合に比べ、活性末端を有する共役ジエン重合体のみならず、活性末端を有する共役ジエン−芳香族ビニル共重合体も効率よく得ることができる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いても良い。
また、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。尚、共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル単量体の含量は55質量%以下の範囲が好ましい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは共役ジエン(共)重合体のミクロ構造の制御、例えばスチレン−ブタジエン共重合体におけるブタジエン部分の1,2結合、イソプレン重合体における3,4結合の増加等、あるいは共役ジエン一芳香族ビニル共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばスチレン−ブタジエン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化等の作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタン等のエーテル類及び三級アミン類等を挙げることができる。また、カリウムt−アミレート、カリウムt−ブトキシド等のカリウム塩類、ナトリウムt−アミレート等のナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても良い。また、その使用量は、リチウム化合物1モル当たり、好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で選択される。
この重合反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
次に、配位アニオン重合の重合触媒系について説明をする。配位アニオン重合の重合触媒系としては、有機溶媒中でランタン系列希土類元素化合物を含む触媒が用いられる。
ランタン系列希土類元素化合物を含む触媒としては、
(A)成分:周期律表の原子番号57〜71の希土類元素含有化合物、又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物、
(B)成分:下記一般式(5):
AlR789 ・・・(5)
(ここで、R7及びR8は同一又は異なり、炭素数1〜10のヒドロカルビル基又は水素原子で、R9は炭素数1〜10のヒドロカルビル基であり、但し、R9は上記R7又はR8と同一又は異なっていても良い)で表される有機アルミニウム化合物、並びに
(C)成分:ルイス酸、金属ハロゲン化物と、ルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物の少なくとも一種からなる触媒系により共役ジエン単量体を重合するのが好ましい。
また、本発明において、ランタン系列希土類元素化合物を含む触媒系には、上記(A)〜(C)成分の他に、さらに(D)成分として、有機アルミニウムオキシ化合物、所謂アルミノキサンを添加するのが好ましい。ここで、前記触媒系は、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び共役ジエン単量体の存在下で予備調製されてなるのが、さらに好ましい。
本発明において、ランタン系列希土類元素化合物を含む触媒系の(A)成分は、周期律表の原子番号57〜71の希土類元素を含有する化合物、又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物である。ここで、原子番号57〜71の希土類元素の中でも、ネオジム、プラセオジム、セリウム、ランタン、ガドリニウム、サマリウム等、又はこれらの混合物が好ましく、ネオジムが特に好ましい。
前記希土類元素含有化合物としては、炭化水素溶媒に可溶な塩が好ましく、具体的には、前記希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩が挙げられ、これらの中でも、カルボン酸塩及びリン酸塩が好ましく、カルボン酸塩が特に好ましい。
ここで、炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
上記希土類元素のカルボン酸塩としては、下記一般式(6):
(R10−CO231 ・・・(6)
(式中、R10は炭素数1〜20のヒドロカルビル基で、M1は周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である)で表される化合物が挙げられる。ここで、R10は、飽和又は不飽和でもよく、アルキル基及びアルケニル基が好ましく、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良い。また、カルボキシル基は、1級、2級又は3級の炭素原子に結合している。該カルボン酸塩として、具体的には、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸[シェル化学(株)製の商品名であって、カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸]等の塩が挙げられ、これらの中でも、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、バーサチック酸の塩が好ましい。
上記希土類元素のアルコキサイドとしては、下記一般式(7):
(R11O)32 ・・・(7)
(式中、R11は炭素数1〜20のヒドロカルビル基で、M2は周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である)で表される化合物が挙げられる。R11Oで表されるアルコキシ基としては、2−エチル−ヘキシルオキシ基、オレイルオキシ基、ステアリルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、2−エチル−ヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基が好ましい。
上記希土類元素のβ−ジケトン錯体としては、上記希土類元素のアセチルアセトン錯体、ベンゾイルアセトン錯体、プロピオニトリルアセトン錯体、バレリルアセトン錯体、エチルアセチルアセトン錯体等が挙げられる。これらの中でも、アセチルアセトン錯体、エチルアセチルアセトン錯体が好ましい。
上記希土類元素のリン酸塩及び亜リン酸塩としては、上記希土類元素と、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸等との塩が挙げられ、これらの中でも、上記希土類元素と、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸との塩が好ましい。
上記希土類元素含有化合物の中でも、ネオジムのリン酸塩、及びネオジムのカルボン酸塩がさらに好ましく、特にネオジムの2−エチルヘキサン酸塩、ネオジムのネオデカン酸塩、ネオジムのバーサチック酸塩等のネオジムの分岐カルボン酸塩が最も好ましい。
また、(A)成分は、上記希土類元素含有化合物とルイス塩基との反応物でも良い。該反応物は、ルイス塩基によって、希土類元素含有化合物の溶剤への溶解性が向上しており、また、長期間安定に貯蔵することができる。上記希土類元素含有化合物を溶剤に容易に可溶化させるため、また、長期間安定に貯蔵するために用いられるルイス塩基は、希土類元素1モル当り0〜30モル、好ましくは1〜10モルの割合で、両者の混合物として、又は予め両者を反応させた生成物として用いられる。ここで、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコールが挙げられる。
以上に述べた(A)成分としての希土類元素含有化合物又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物は、一種単独で使用することも、二種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、末端活性重合体の重合に用いる触媒系の(B)成分である上記一般式(5)で表される有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。以上に述べた(B)成分としての有機アルミニウム化合物は、一種単独で使用することも、二種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、末端活性重合体の重合に用いる触媒系の(C)成分は、ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物からなる群から選択される少なくとも一種のハロゲン化合物である。
上記ルイス酸は、ルイス酸性を有し、炭化水素に可溶である。具体的には、二臭化メチルアルミニウム、二塩化メチルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二臭化ブチルアルミニウム、二塩化ブチルアルミニウム、臭化ジメチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジブチルアルミニウム、塩化ジブチルアルミニウム、セスキ臭化メチルアルミニウム、セスキ塩化メチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化ジブチルスズ、三臭化アルミニウム、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン、四塩化スズ、四塩化ケイ素等が例示できる。これらの中でも、塩化ジエチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、及び二臭化エチルアルミニウムが好ましい。
また、トリエチルアルミニウムと臭素の反応生成物のようなアルキルアルミニウムとハロゲンの反応生成物を用いることもできる。
上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成する金属ハロゲン化物としては、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化カドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウム、塩化銅、ヨウ化銅、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、ヨウ化金、臭化金等が挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が好ましく、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が特に好ましい。
また、上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成するルイス塩基としては、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコール等が好ましい。具体的には、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2−エチル−ヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等が挙げられ、これらの中でも、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2−エチルヘキシルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。
上記ルイス塩基は、上記金属ハロゲン化物1モル当り、通常0.01〜30モル、好ましくは0.5〜10モルの割合で反応させる。このルイス塩基との反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減することができる。
上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる。
また、(D)成分であるアルミノキサンとしては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、クロロアルミノキサン等が挙げられる。(D)成分としてアルミノキサンを加えることで、分子量分布がシャープになり、触媒としての活性も向上する。
本発明で使用する触媒系の各成分の量又は組成比は、その目的又は必要性に応じて適宜選択される。このうち、(A)成分は、1,3−ブタジエン 100gに対し、0.00001〜1.0ミリモル用いるのが好ましく、0.0001〜0.5ミリモル用いるのがさらに好ましい。(A)成分の使用量を上記範囲内にすることによって優れた重合活性が得られ、脱灰工程の必要性がなくなる。
また、(A)成分と(B)成分の割合は、モル比で、(A)成分:(B)成分が通常1:1〜1:700、好ましくは1:3〜1:500である。
さらに、(A)成分と(C)成分中のハロゲンの割合は、モル比で、通常1:0.1〜1:30、好ましくは1:0.2〜1:15、さらに好ましくは1:2.0〜1:5.0である。
また、(D)成分中のアルミニウムと(A)成分との割合は、モル比で、通常1:1〜700:1、好ましくは3:1〜500:1である。これらの触媒量又は構成成分比の範囲内にすることで、高活性な触媒として作用し、また、触媒残渣を除去する工程の必要性がなくなるため好ましい。
また、上記の(A)〜(C)成分以外に、重合体の分子量を調節する目的で、水素ガスを共存させて重合反応を行っても良い。
触媒成分として、上記の(A)成分、(B)成分、(C)成分及び必要により用いられる(D)成分以外に、必要に応じて、1,3−ブタジエン等の共役ジエン単量体を少量、具体的には、(A)成分の化合物1モル当り0〜1000モルの割合で用いても良い。触媒成分としての1,3−ブタジエン等の共役ジエン単量体は必須ではないが、これを併用すると、触媒活性が一段と向上する利点がある。
上記触媒の製造は、例えば、溶媒に(A)成分〜(C)成分を溶解させ、さらに必要に応じて、1,3−ブタジエン等の共役ジエン単量体を反応させる。
その際、各成分の添加順序は、特に限定されず、さらに(D)成分としてアルミノキサンを添加しても良い。重合活性の向上、重合開始誘導期間の短縮の観点からは、これら各成分を、予め混合して、反応させ、熟成させることが好ましい。
ここで、熟成温度は、0〜100℃程度であり、20〜80℃が好ましい。0℃未満では、充分に熟成が行われにくく、100℃を超えると、触媒活性の低下や、分子量分布の広がりが起こる場合がある。
また、熟成時間は、特に制限なく、重合反応槽に添加する前にライン中で接触させることでも熟成でき、通常は、0.5分以上あれば充分であり、数日間は安定である。
上記末端活性を有する共役ジエン(共)重合体の製造においては、前記ランタン系列希土類元素含有化合物を含む触媒系を用いて有機溶媒中で、共役ジエン単量体単独又は、共役ジエン単量体と他の共役ジエン単量体の溶液重合を行なうことによって得られる。ここで、重合溶媒としては、不活性の有機溶媒を用いる。不活性の有機溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
これらの中でも、炭素数5〜6の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素が特に好ましい。これらの溶媒は、一種単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用しても良い。
この配位アニオン重合に用いられる溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
本発明において、配位アニオン重合反応における温度は、好ましくは−80〜150℃、より好ましくは−20〜120℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
配位アニオン重合反応により得られた活性末端を有する共役ジエン(共)重合体の該活性末端を変性する場合は、上述の予備変性反応工程において予めヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させた後、加水分解によりシラノール基を生成する特性基と、該特性基の近傍に(i)該活性部位に付加もしくは置換反応を行う事によって有機シラン化合物と該共役ジエン(共)重合体とを結合し且つ該反応後に該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基又は(ii)該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基とを有する有機シラン化合物を反応させることが変性反応を円滑に進める見地から好ましい。
上述のアニオン重合及び配位アニオン重合においては、重合開始剤、溶媒、単量体等、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を除去したものを用いることが望ましい。
上記重合反応は、回分式及び連続式のいずれで行っても良い。
このようにして活性末端を有する共役ジエン(共)重合体が得られる。
本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法の変性反応工程においては、以上のようにして得られた活性末端を有する共役ジエン(共)重合体に、上述の上記一般式(1)又は上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物を、該共役ジエン(共)重合体の活性末端に対して、好ましくは化学量論的量又はそれより過剰に加え、該重合体に結合している活性末端と反応させる。
本発明の変性反応工程及び予備変性反応工程は、通常、重合反応と同じ温度、圧力条件で実施される。
次に、本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法の加水分解工程を説明する。加水分解工程においては、変性反応工程終了後、水の存在下、酸性、中性又はアルカリ性の条件で加水分解反応が行われる。これにより、変性共役ジエン(共)重合体に結合した加水分解性官能基が効率よく加水分解され、シラノール基が変性共役ジエン(共)重合体の末端又は側鎖に生成する。
この加水分解反応に用いる水の量は、開始剤のLiなどのモル量より過剰なモル量、例えば2〜4倍のモル量であることが好ましい。加水分解時間は、通常10分〜数時間程度である。
なお、アルカリ性条件で加水分解反応を行う場合には、塩基性化合物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属、好ましくは水酸化ナトリウムを加えることが望ましく、酸性条件で加水分解反応を行う場合には、酸性化合物として、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、ギ酸などのカルボン酸、四塩化ケイ素などを加えることが望ましい。
本発明においては、前記変性反応工程と加水分解工程との間、又は加水分解工程後に、さらに縮合促進剤の存在下に縮合反応させる縮合反応工程を設けることができる。
縮合反応で用いる縮合促進剤は、変性反応後、および縮合反応開始前に添加することが好ましい。変性反応前に添加した場合、活性末端との直接反応が起こり、活性末端にヒドロカルビロキシ基が導入されない場合がある。また、縮合反応開始後に添加した場合、縮合促進剤が均一に分散せずその触媒性能が低下する場合がある。
縮合促進剤の添加時期としては、変性反応工程と加水分解工程との間に縮合反応工程を設ける場合には、通常変性反応開始5分〜5時間後、好ましくは変性反応開始15分〜1時間後である。加水分解工程後に縮合反応工程を設ける場合には、通常加水分解反応開始
5分〜5時間後、好ましくは10分〜2時間後である。
縮合促進剤としては、金属元素を含むものが好ましく、周期律表の2族〜15族に属する金属の少なくとも一種を含有する化合物であることがより好ましい。
前記金属元素を含む縮合促進剤としては、Ti、Sn、Bi、Zr及びAlの中から選ばれる少なくとも一種を含み、かつ前記金属のアルコキシド、カルボン酸塩又はアセチルアセトナート錯塩であるものが好適である。
Tiを金属成分として含む縮合促進剤としては、チタン(Ti)のアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩が好ましく用いられる。
具体的には、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンオリゴマー、テトライソブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、ビス(オレエート)ビス(2−エチルヘキサノエート)チタン、チタンジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタントリブトキシステアレート、チタントリプロポキシステアレート、チタントリプロポキシアセチルアセトネート、チタンジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリプロポキシ(エチルアセトアセテート)、チタンプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタントリブトキシアセチルアセトネート、チタンジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリブトキシエチルアセトアセテート、チタンブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラキス(アセチルアセトネート)、チタンジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタンオキサイド、ビス(ラウレート)チタンオキサイド、ビス(ナフテネート)チタンオキサイド、ビス(ステアレート)チタンオキサイド、ビス(オレエート)チタンオキサイド、ビス(リノレート)チタンオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタン、テトラキス(ラウレート)チタン、テトラキス(ナフテネート)チタン、テトラキス(ステアレート)チタン、テトラキス(オレエート)チタン、テトラキス(リノレート)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ステアレート)、チタンオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタンテトラ(ラクテート)などが挙げられる。
なかでも、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)が好ましい。
Snを金属成分として含む縮合促進剤としては、Sn(OCOR312で表される酸化数2のスズ化合物(式中、R31は炭素数2〜19のアルキル基である)、R32 xSnA5 y1 4-y-xで表される酸化数4のスズ化合物(式中、R32は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、xは1〜3の整数、yは1又は2、A5は炭素数2〜30のカルボキシル基、炭素数5〜20のβ−ジカルボニル基、炭素数3〜20のヒドロカルビルオキシ基、及び炭素数1〜20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基で三置換されたシロキシ基から選ばれる基、B1はヒドロキシル基又はハロゲンである)が好ましい。
より具体的には、前記スズのカルボン酸塩としては、二価のスズのジカルボン酸塩や、四価のジヒドロカルビルスズのジカルボン酸塩(ビス(ヒドロカルビルジカルボン酸)塩を含む)、ビス(β−ジケトネート)、アルコキシハライド、モノカルボン酸塩ヒドロキシド、アルコキシ(トリヒドロカルビルシロキシド)、アルコキシ(ジヒドロカルビルアルコキシシロキシド)、ビス(トリヒドロカルビルシロキシド)、ビス(ジヒドロカルビルアルコキシシロキシド)、等を好適に用いることができる。スズに結合したヒドロカルビル基としては炭素数が4以上のものが望ましく、炭素数4から炭素数8のものが特に好ましい。
また、Zr、Bi、又はAlを金属成分として含む縮合促進剤(例えば、これら金属のアルコキシド、カルボン酸、又はアセチルアセトナート錯塩)としては、下記(a)〜(e)が挙げられる。
(a)ビスマスのカルボン酸塩
(b)ジルコニウムのアルコキシド
(c)ジルコニウムのカルボン酸塩
(d)アルミニウムのアルコキシド
(e)アルミニウムのカルボン酸塩
具体的には、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテネート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマス、
テトラエトキシジルコニウム、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラsec−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルヘキソキシ)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテネート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテネート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウム、
トリエトキシアルミニウム、トリn−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリn−ブトキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリtert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−エチルヘキソキシ)アルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテネート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウム等が挙げられる。
これらの中で、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、トリイソプロポキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)が好ましい。
縮合促進剤の配合量(使用量)としては、後述のゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対し0.1〜10質量部になるような量であることが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。縮合促進剤の使用量を上記範囲にすることによって縮合反応が効率よく進行する。
縮合反応は、水溶液中で行うことが好ましく、縮合反応時の温度は85〜180℃が好ましく、さらに好ましくは100〜170℃、特に好ましくは110〜150℃である。縮合反応時の温度を上記範囲にすることによって、縮合反応を効率よく進行完結することができ、得られる変性共役ジエン系重合体の経時変化によるポリマーの老化反応などによる品質の低下などを抑えることができる。
なお、縮合反応時間は、好ましくは5分〜10時間、より好ましくは15分〜5時間程度である。縮合反応時間を上記範囲にすることによって縮合反応を円滑に完結することができる。
縮合反応時の反応系の圧力は、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.05〜10MPaである。
縮合反応の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器などの装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行ってもよい。
上述の加水分解工程又は加水分解工程と縮合反応工程とを終了後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液等を重合反応系に加えて、重合反応を停止する。
その後、水蒸気を吹き込んで溶剤の分圧を下げるスチームストリッピング等の脱溶媒処理や真空乾燥処理を経て本発明の変性共役ジエン(共)重合体が得られる。
ここで、前記変性反応工程において、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物として保護された第一アミノ基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を用いる場合は、上述した加水分解工程やスチームストリッピング等の水蒸気を用いる脱溶媒処理工程において保護された窒素原子の保護基を脱離させ第一アミノ基を生成する脱保護処理が同時になされるが、それ以外に、変性反応工程終了後から、脱溶媒して乾燥ポリマーとなるまでのいずれかの段階において必要に応じて種々の方法で第一アミノ基上の保護基を加水分解することによって遊離した第一アミノ基に変換し、ヒドロカルビルオキシシラン化合物由来の保護された第一アミノ基の脱保護処理を行うことができる。
次に、本発明に係る変性共役ジエン(共)重合体(以下、変性共役ジエン(共)重合体Iと称する。)について説明する。
[変性共役ジエン(共)重合体I]
本発明の変性共役ジエン(共)重合体Iは、シラノール基と、該シラノール基の近傍にある官能基であって、該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基とを分子鎖末端に有する。
また、本発明の変性共役ジエン(共)重合体Iは、より具体的には、下記一般式(3)又は下記一般式(4)により表わされる変性共役ジエン(共)重合体である。
Figure 2014098162
ここで、R1は単結合又は炭素数1〜20の二価の炭化水素基;R2及びR3はそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜20の一価の炭化水素基;A3はシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基であり、mは1〜10の整数である。
Figure 2014098162
ここで、R4は単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基;R5及びR6はそれぞれ独立に単結合、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基;A4は単結合、炭素数1〜20の炭化水素基又はシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基;B及びDはそれぞれ独立にシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基を少なくとも一つ含む基;p及びqはそれぞれ独立に0〜5の整数であり、(p+q)が1以上である。nは1〜10の整数であり、好ましくは1〜6の整数である。
なお、(Polymer)− は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。
上記一般式(3)及び上記一般式(4)において、R1、R4、pが1である場合のR5又はqが1である場合のR6である炭素数1〜20の二価の炭化水素基の具体例としては、上記一般式(1)及び上記一般式(2)におけるR1、R4、pが1である場合のR5又はqが1である場合のR6と同じ具体例が挙げられる。
また、上記一般式(3)及び上記一般式(4)において、R2、R3、pが0である場合のR5又はqが0である場合のR6である炭素数1〜20の一価の炭化水素基の具体例としては、上記一般式(1)及び上記一般式(2)におけるR2、R3、pが0である場合のR5又はqが0である場合のR6である炭素数1〜20の一価の炭化水素基と同じ具体例が挙げられる。
上記一般式(3)及び上記一般式(4)において、シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基A3及びA4としては、それぞれ独立に、(チオ)エーテル結合、(チオ)ウレタン結合、イミノ結合及びアミド結合の中から選ばれる少なくとも一種の結合を有する二価の官能基、並びにニトリル基(シアノ基)、ピリジル基、N−アルキルピロリドニル基、N−アルキルイミダゾリル基、N−アルキルピラゾリル基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、イソシアヌル酸トリエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸金属塩の残基、炭素数1〜20のカルボン酸無水物残基、炭素数1〜20のカルボン酸ハロゲン化物残基及び炭酸ジヒドロカルビルエステル残基の中から選ばれる官能基由来の二価の官能基からなる群から選ばれる少なくとも一種の二価の官能基である。
ここで、(チオ)エーテル結合、(チオ)ウレタン結合、イミノ結合及びアミド結合の中から選ばれる少なくとも一種の結合を有する二価の官能基は、(チオ)エーテル結合、(チオ)ウレタン結合、イミノ結合又はアミド結合であっても良いし、(チオ)エーテル結合、(チオ)ウレタン結合、イミノ結合及び/又はアミド結合を有する炭素数1〜20の二価の炭化水素基であっても良い。この炭素数1〜20の二価の炭化水素基としては、上記一般式(1)及び上記一般式(2)におけるR1、R4、pが1である場合のR5又はqが1である場合のR6と同じ具体例が挙げられる。
上記一般式(3)及び一般式(4)におけるA3及びA4は、それぞれ一般式(1)のA1及び一般式(2)のA2が、変性共役ジエン(共)重合体の活性部位に結合した官能基を示し、加水分解反応工程で形成したシラノール基と補強性充填材との反応を促進させる作用を有している。
上記一般式(4)において、シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基を少なくとも一つ含む基B及びDとしては、それぞれ独立に第一アミノ基、第二アミノ基、保護された第一もしくは第二アミノ基、第三アミノ基、環状アミノ基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、アジリジニル基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基及びアミド基、(チオ)エポキシ基、グリシドキシ基、(チオ)イソシアネート基、ニトリル基(シアノ基)、ピリジル基、N−アルキルピロリドニル基、N−アルキルイミダゾリル基、N−アルキルピラゾリル基、イミノ基、アミド基、ケチミン基、イミン残基、イソシアヌル酸トリエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸金属塩の残基、炭素数1〜20のカルボン酸無水物残基、炭素数1〜20のカルボン酸ハロゲン化物残基、炭酸ジヒドロカルビルエステル残基及び一般式−E−F−Gで表わされる官能基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基が挙げられる。
ここで、Eはイミノ基、2価のイミン残基、2価のピリジン残基又は2価のアミド残基、Fは炭素数1〜20のアルキレン基、フェニレン基又は炭素数8〜20のアラルキレン基、Gは第一アミノ基、第二アミノ基、保護された第一もしくは第二アミノ基、第三アミノ基、環状アミノ基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、アジリジニル基、ケチミン基、ニトリル基(シアノ基)、アミド基、ピリジン基又は(チオ)イソシアネート基である。
一般式−E−F−Gで表わされる官能基の具体例は上述の通りである。
なお、保護された第一又は第二アミノ基の脱離可能な官能基は、脱保護されることなく本発明の変性共役ジエン(共)重合体に残留していても良い。
上記一般式(3)又は上記一般式(4)に示すように、本発明の変性共役ジエン(共)重合体は、分子鎖中に存在するシラノール基は一つのみであることが好ましい。分子鎖中にシラノール基が二つ以上存在するとシラノール基同士が縮合を起こし、変性共役ジエン(共)重合体の粘度が高くなり混練り作業が困難となる場合があるからである。
また、本発明の変性共役ジエン(共)重合体は、シラノール基と、シラノール基の近傍にシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基との双方を有するので、シラノール基のみを有し、シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基を有しない変性共役ジエン(共)重合体や、シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基のみを有し、シラノール基を有しない変性共役ジエン(共)重合体と比較して、シリカ配合ゴム組成物とカーボンブラック配合ゴム組成物のいずれにおいても、低発熱性が向上する。
本発明の変性共役ジエン(共)重合体は、共役ジエン部のビニル結合含有量を限定するものではないが、70%以下であることが好ましい。70%以下であればタイヤトレッドに用いた場合破壊特性や摩耗特性が向上するので好ましい。
また、スチレン含有量が0〜50質量%であることが好ましい。50質量%以下であれば、低発熱性とウエットスキッド性能のバランスが良くなるからである。
なお、ビニル結合含有量は、赤外法(モレロ法)により、スチレン含有量は1H-NMRでスペクトルの積分比を算出することにより求めた。
次に、本発明のゴム組成物IIについて説明する。
[ゴム組成物II]
本発明のゴム組成物IIには、(A)前述した本発明の変性共役ジエン(共)重合体Iを含むゴム成分と、そのゴム成分100質量部に対して、(B)窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜100m2/gであるカーボンブラック10〜100質量部を含むことを特徴とする。
本発明のゴム組成物IIにおいては、前記(A)変性共役ジエン(共)重合体Iは、下記一般式(11)で表される構造を有する変性共役ジエン系重合体(a−1)及び/又は下記一般式(12)で表される構造を有する変性共役ジエン系重合体(a−2)であることが好ましい。
(変性共役ジエン系重合体(a−1))
本発明のゴム組成物において、(A)成分のゴム成分に用いられる変性共役ジエン系重合体(a−1)は、分子鎖末端が、下記一般式(11)
Figure 2014098162
[式中、R21は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R22は、炭素数1〜12のアルキレン基を示す。]
で表される構造を有している。
上記R21で表される炭素数1〜20のヒドロカルビル基は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基等を挙げることができるが、これらの中で、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種イコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等を挙げることができる。これらの中で、原料の入手容易さ等の観点から、メチル基及びエチル基が好適である。
一方、R22は、炭素数1〜12のアルキレン基であり、このアルキレン基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,3−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,3−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基等が挙げられる。これらの中で、原料の入手容易さ及び性能等の観点から、エチレン基及びプロパン−1,3−ジイル基が好適である。
なお、−(polymer)は共役ジエン系重合体のポリマー鎖である。
(変性共役ジエン系重合体(a−1)の製造)
前述した、分子鎖末端が前記一般式(11)で表される構造を有する変性共役ジエン系重合体(a−1)は、本発明によれば、効率よく製造することができる。
本発明における変性共役ジエン系重合体(a−1)の製造方法は、活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に、1個のヒドロカルビルオキシ基と1個の反応性基とが直接にケイ素原子に結合し、かつ1個の保護された第一アミノ基がアルキレン基を介して該ケイ素原子に結合してなる2官能性ケイ素原子を含む化合物を反応させて変性したのち、加水分解反応及び脱保護反応を行うことにより、上記一般式(11)で表される末端構造を有する変性共役ジエン系重合体(a−1)を得ることができる。
<活性末端を有する共役ジエン系重合体>
本発明の方法において用いられる活性末端を有する共役ジエン系重合体は、ジエン系モノマーを単独で、又は他のモノマーと共重合して得られるものであり、その製造方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
また、共役ジエン系重合体の分子中に存在する活性部位の金属はアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる1種であることが好ましく、アルカリ金属が好ましく、特にリチウム金属が好ましい。
上記溶液重合法においては、例えば有機アルカリ金属化合物、特にリチウム化合物を重合開始剤とし、共役ジエン化合物単独又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物をアニオン重合させることにより、目的の重合体を製造することができる。
更には、ハロゲン含有モノマーを混在させ、ポリマー中のハロゲン原子を有機金属化合物によって活性化することも有効である。例えば、イソブチレン単位、パラメチルスチレン単位及びパラブロモメチルスチレン単位を含む共重合体の臭素部分をリチオ化して活性部位とすることも有効である。
上記共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1.3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1、3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが特に好ましい。
また、これらの共役ジエン化合物との共重合に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、スチレンが特に好ましい。
更に、単量体として共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、それぞれ1,3−ブタジエン及びスチレンの使用が、単量体の入手の容易さ等の実用性面、及びアニオン重合特性がリビング性等の点で優れること等から、特に好適である。
また、溶液重合法を用いた場合には、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。尚、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は0〜55質量%の範囲が好ましい。
重合開始剤のリチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。
前記ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物については、前述した本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法において、示したとおりである。
前記リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の共役ジエン系重合体が得られる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは共役ジエン系重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン部分の1,2結合、イソプレン重合体における3,4結合の増加等、あるいは共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化等の作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、オキソラニルプロパンオリゴマー類[特に2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパンを含む物等]、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタン等のエーテル類及び三級アミン類等を挙げることができる。また、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシド等のカリウム塩類、ナトリウム−t−アミレート等のナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、リチウム化合物1モル当たり、好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で選択される。
この重合反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
この重合においては、重合開始剤、溶媒、単量体等、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を除去したものを用いることが望ましい。
尚、エラストマーとして重合体を得る場合は、得られる重合体又は共重合体の、示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)が−95℃〜−15℃であることが好ましい。ガラス転移温度を上記範囲にすることによって、粘度が高くなるのを抑え、取り扱いが容易な重合体を得ることができる。
<2官能性ケイ素原子を含む化合物>
本発明においては、上記のようにして得られた共役ジエン系重合体の活性末端に、1個のヒドロカルビルオキシ基と、1個の反応性基とが直接にケイ素原子に結合し、かつ1個の保護された第一アミノ基がアルキレン基を介して該ケイ素原子に結合してなる2官能性ケイ素原子を含む化合物(以下、「変性剤」と称することがある。)を反応させて変性反応を行う。
当該変性剤としては、例えば一般式(13)、一般式(14)及び一般式(15)で表されるケイ素化合物を挙げることができる。
Figure 2014098162
[式中、R26〜R36は、それぞれ独立に炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R37は炭素数1〜12のアルキレン基、A21及びA22は、それぞれ独立に反応性基であって、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基を示し、R21及びR22は前記と同じである。]
上記炭素数1〜20のヒドロカルビル基については、前記一般式(11)におけるR21、一般式(12)におけるR23で説明したとおりである。また、R37で示される炭素数1〜12のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,3−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,3−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
当該変性剤における上記反応性基A21、A22がヒドロカルビルオキシ基である場合、当該変性剤としては、例えばN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−エトキシメチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン及び3−(2,2,5,5−テトラメチル(1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン)−1−イル)プロピルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。
また、上記反応性基A21、A22がハロゲン原子である場合、当該変性剤としては、例えばN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルメトキシクロロシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルエトキシクロロシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルメトキシクロロシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルエトキシクロロシラン等が挙げられる。
当該変性剤の好ましいものとしては、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−エトキシメチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、3−(2,2,5,5−テトラメチル(1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン−1−イル)プロピルメチルジエトキシシランである。
これらの変性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。またこの変性剤は部分縮合物であってもよい。
ここで、部分縮合物とは、変性剤のSi−ORの一部(全部ではない)が縮合によりSi−O−Si結合したものをいう。
上記の変性反応においては、使用する共役ジエン系重合体は、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性を有するものが好ましい。
当該変性剤による変性反応において、該変性剤の使用量は、好ましくは0.5〜200mmol/kg・共役ジエン系重合体である。同含有量は、更に好ましくは1〜100mmol/kg・共役ジエン系重合体であり、特に好ましくは2〜50mmol/kg・共役ジエン系重合体である。ここで、共役ジエン系重合体とは、製造時又は製造後、添加される老化防止剤等の添加剤を含まないポリマーのみの質量を意味する。変性剤の使用量を上記範囲にすることによって、カーボンブラックの分散性に優れ、加硫後の機械特性、耐摩耗性、低発熱性が改良される。
なお、上記変性剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法等が挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。
本発明においては、このようにして共役ジエン系重合体の活性末端に変性反応を施したのち、加水分解反応及び脱保護反応を行い、Si原子に結合しているヒドロカルビルオキシ基又はハロゲン原子等の加水分解性官能基を水酸基に変換すると共に、保護されている第一アミノ基の脱保護を行って、遊離した第一アミンに変換する。
上記加水分解反応は、塩基性化合物と水とを加えて行うことが好ましい。塩基性化合物と水とを同時に加えても良いが、先に塩基性化合物又は塩基性化合物水溶液を重合反応系に加え、pHが9〜13、好ましくは10〜11になったことを確認してから、開始剤のLiモル量より過剰なモル量の水、例えば、2〜4倍のモル量の水を加え、加水分解が終了するまで、例えば、10分〜数時間重合反応系を撹拌するのが良い。
前記塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属がコスト面から好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
このようにして、加水分解反応及び脱保護反応を終了後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液等を重合反応系に加えて、重合反応を停止する。
その後、水蒸気を吹き込んで溶剤の分圧を下げるスチームストリッピング等の脱溶媒処理や真空乾燥処理を施すことにより、分子鎖末端が、前記一般式(11)で表される構造を有する変性共役ジエン系重合体(a−1)が得られる。
(変性共役ジエン系重合体(a−2))
本発明のゴム組成物IIにおいて、(A)成分のゴム成分に用いられる変性共役ジエン系重合体(a−2)は分子鎖末端が、下記一般式(12)
Figure 2014098162
[式中、R23は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、R24は炭素数1〜12のアルキレン基、R25は炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数2〜20のヒドロカルビルカルボキシル基、−OH基又は炭素数5〜20の1,3−ジカルボニル含有基を示し、複数のR25はたがいに同一でも異なっていてもよい(但し、一方のR25が−OH基の場合は、他方のR25は−OH基以外であることが好ましい)。MはTi、Sn、Al、Si又はBiを示し、kは{(Mの価数)−2}であり、nは0又は1である。]
で表される構造を有している。
上記R23で表される炭素数1〜20のヒドロカルビル基及びR25のうちの炭素数1〜20のヒドロカルビル基は、前記一般式(11)のR21で説明したとおりである。また、R24で表される炭素数1〜12のアルキレン基は、前記一般式(11)のR22で説明したとおりである。
なお、−(polymer)は共役ジエン系重合体のポリマー鎖である。
(変性共役ジエン系重合体(a−2)の製造)
前述した、分子鎖末端が前記一般式(12)で表される構造を有する変性共役ジエン系重合体(a−2)は、本発明によれば、効率よく製造することができる。
本発明における変性共役ジエン系重合体(a−2)の製造方法は、(a)活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に、1個のヒドロカルビルオキシ基と1個の反応性基とが直接にケイ素原子に結合し、かつ1個の保護された第一アミノ基がアルキレン基を介して該ケイ素原子に結合してなる2官能性ケイ素原子を含む化合物を反応させて、変性を行う工程、(b)チタン系、スズ(錫)系、アルミニウム系、ケイ素系、ジルコニウム系及びビスマス系の中から選ばれる少なくとも一種の縮合促進剤の存在下、前記の2官能性ケイ素原子を含む化合物が関与する縮合反応を行う工程、及び(c)加水分解反応と脱保護反応とを行う工程を施し、前記一般式(12)で表される変性共役ジエン系重合体(a−2)を得ることができる。
この変性共役ジエン系重合体(a−2)の製造方法においては、(a)工程の変性反応工程までは、前述の変性共役ジエン系重合体(a−1)の製造方法における変性反応と同様であるが、当該製造方法においては、(a)工程の変性反応工程後、(b)工程として、縮合促進剤の存在下、(a)工程で使用した2官能性ケイ素原子を含む化合物が関与する縮合反応を行う工程を施す。
<縮合促進剤>
この(b)工程においては、縮合促進剤として、チタン系、スズ系、アルミニウム系、ケイ素系、ジルコニウム系及びビスマス系の中から選ばれる少なくとも一種の金属化合物が好ましい。より具体的には、チタン系として、四価のチタンのアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩、又はこれらの混合塩等が好適に挙げられ、スズ系として、二価のスズのジカルボン酸{特に、ビス(ヒドロカルビルカルボン酸)塩}や、四価のスズのジヒドロカルビルスズのジカルボン酸塩{ビス(ヒドロカルビルカルボン酸)}塩を含む)、ビス(β−ジケトネート)、アルコキシハライド、モノカルボン酸塩ヒドロキシド等を好適に挙げられる。スズに結合したヒドロカルビル基としては炭素数が4以上のものが望ましく、炭素数4から炭素数8のものが特に好ましい。
また、アルミニウム系として、三価のアルミニウムのアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩又はこれらの混合塩等が好適に挙げられる。
以上より、縮合促進剤として、チタン、スズ及びアルミニウムから選ばれる金属のアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩、又はこれらの混合塩の中から選ばれる少なくとも一種が好適である。
上述の縮合促進剤の内、チタン系が特に好適であり、チタン(Ti)のアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩が好ましく用いられる。
チタン系縮合促進剤、スズ系縮合促進剤、アルミニウム系縮合促進剤、ビスマス系縮合促進剤及びジルコニウム系縮合促進剤の具体例としては、前述した本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法において例示したものを挙げることができる。
本発明における縮合反応には、前記縮合促進剤と水とを組み合わせて用いる。水としては、単体やアルコール等の溶液、炭化水素溶媒中の分散ミセル等の形態が好適に用いられるほか、必要ならば固体表面の吸着水や水和物の水和水等の、反応系中で水を放出し得る化合物が潜在的に含んだ水分も有効に用いることができる。従って吸着水を持つ固体や、水和物等、容易に水を放出することができる化合物を前記縮合促進剤と併用することも好ましい態様として挙げられる。
前記縮合促進剤と水は、反応系に別々に投入しても、使用直前に混合して混合物として投入してもよいが、混合物の長期保存は金属化合物の分解を招くので好ましくない。
尚、水の反応系中への投入は、アルコール等の水と相溶性のある有機溶媒の溶液としてもよいし、種々の化学工学的手法を用いて水を直接炭化水素溶液中に注入・分散させても良い。また、水は縮合反応終了後に、スチームストリッピング等により加えても良い。
前記縮合促進剤の使用量としては、該縮合促進剤のモル数が、反応系内に存在するヒドロカルビルオキシ基総量に対するモル比として、0.1〜10となることが好ましく、0.5〜5が特に好ましい。縮合促進剤の使用量を上記範囲にすることによって縮合反応が効率よく進行する。
また、水のモル数は、反応系内に存在するヒドロカルビオキシシリル基の総量に対するモル比として、共に0.1以上が好ましい。上限は目的や反応条件によっても異なるが、縮合処理以前の段階で重合体活性部位に結合されたヒドロカルビオキシシリル基の量に対して0.5から3モル当量の有効な水が存在することが好ましい。
また、該縮合促進剤を用いた縮合反応は20℃以上の温度で行うことが好ましく、更には30〜120℃の範囲が好ましい。反応時間としては、0.5分〜10時間、好ましくは0.5分〜5時間、より好ましくは0.5〜120分程度、3〜60分の範囲が更に好ましい。
なお、縮合反応時の反応系の圧力は、通常、0.01〜20MPa、好ましくは0.05〜10MPaである。
本発明においては、縮合反応の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器等の装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行っても良い。
このようにして縮合反応を行ったのち、(c)工程として、加水分解反応と脱保護反応を行う。この加水分解反応と脱保護反応は、前述した変性共役ジエン系重合体(a−1)の製造における説明と同様にして実施することができる。
(c)工程の加水分解反応と脱保護反応を終了後前述の変性共役ジエン系重合体(a−1)の場合と同様に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液等を重合反応系に加えて、重合反応を停止する。その後、スチームストリッピング等の脱溶媒処理や、熱ロール乾燥、真空乾燥等の乾燥処理を施すことにより分子鎖末端が、前記一般式(12)で表される構造を有する変性共役ジエン系重合体(a−2)が得られる。
((A)ゴム成分)
本発明のゴム組成物IIにおける(A)ゴム成分は、前述のようにして得られた、分子鎖末端が、前記一般式(11)で表される変性共役ジエン系重合体(a−1)を一種用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよく、また、前記一般式(12)で表される変性共役ジエン系重合体(a−2)を一種用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。あるいは、変性共役ジエン系重合体(a−1)一種以上と変性共役ジエン系重合体(a−2)一種以上とを組み合わせて用いてもよい。
当該(A)ゴム成分中の変性共役ジエン系重合体(a−1)及び/又は(a−2)の含有量は、10質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。変性共役ジエン系重合体の含有量が10質量%以上であれば、本発明の効果が良好に発揮される。
なお、本発明のゴム組成物IIに用いる変性共役ジエン系重合体(a−1)及び/又は(a−2)と併用される他のゴム成分としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロロブレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びこれらの混合物等が挙げられる。また、その一部が多官能型、例えば四塩化スズ、四塩化珪素のような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているものでもよい。
本発明のゴム組成物IIに用いる変性共役ジエン系重合体(a−1)及び(a−2)は、重量平均分子量(Mw)が50×103〜1,000×103であることが好ましく、100×103〜600×103であることが更に好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn)が5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量を前記範囲内にすることによって加硫物の弾性率の低下、ヒステリシスロスの上昇を抑えて優れた耐破壊特性を得るとともに、変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物の優れた混練作業性が得られる。また、変性共役ジエン系重合体の分子量分布を前記範囲内にすることで変性共役ジエン系重合体をゴム組成物に配合しても、ゴム組成物の作業性を低下させることがなく、混練りが容易で、ゴム組成物の物性を十分に向上させることができる。
ここで、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布は、GPC[東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
また、本発明のゴム組成物IIに用いる変性共役ジエン系重合体(a−1)及び(a−2)は、共役ジエン部のビニル結合含有量が、ゴム組成物の耐久性向上の観点から、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
なお、ビニル結合含有量は、赤外法(モレロ法)により求めた。
社団法人日本ゴム協会は、揮発性有機化合物(VOC)の発生を現行の65%に低減させることを目標としている。従って、本発明のゴム組成物IIは、下記の方法で測定した揮発性有機化合物(VOC)の発生量が現行の65%以下であることが好ましく、50%以下であることが更に好ましく、35%以下であることが特に好ましい。このVOCの発生量が現行の65%を超えると押出し工程においてゴム材料に気泡が発生するおそれがあり、また環境に対する負荷が大きくなり、好ましくない。
<VOC測定方法>
15質量%n−ブタノール及び85質量%トルエンからなる溶媒中の0.2モル/Lトルエンスルホン酸/0.24モル/L水からなるシロキサン加水分解試薬で試料を処理し、未加硫ゴム組成物中に残留する[EtOSi]からのエタノールの化学量論的量をヘッドスペース/ガスクロマトグラフィーにより測定する。
(カーボンブラック)
本発明のゴム組成物IIにおいては、前記(A)ゴム成分100質量部に対して、(B)窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜100m2/gであるカーボンブラックを、10〜100質量部の割合で用いる。
本発明のゴム組成物IIに用いられる変性共役ジエン系重合体(a−1)及び(a−2)は、分子鎖末端に遊離の第一アミノ基を有しており、この第一アミノ基は、特にN2SAが100m2/g以下のカーボンブラックに対して、極めて高い相互作用を示し、低発熱性能(低燃費性能)に優れるゴム組成物を与えるが、N2SAが100m2/gを超えるカーボンブラックに対しては、効果が充分に発揮されない。またN2SAが20m2/g未満では補強性が不足し、充分な耐久性が得られない。該N2SAは、好ましくは20〜95m2/gであり、より好ましくは25〜90m2/gである。なお、このN2SAは、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定される値である。
このようなカーボンブラックとしては、例えばHAF、FEF、GPF、SRF、N339、IISAF−HS(N285)等が挙げられる。
(A)ゴム成分100質量部に対し、当該カーボンブラックの含有量が10質量部未満では充分な補強効果が得られず、100質量部を超えると混練りや押出しが困難となる。好ましいカーボンブラックの含有量は20〜80質量部であり、より好ましくは30〜70質量部である。
(その他配合成分)
本発明のゴム組成物IIは、硫黄架橋性であることが好ましく、加硫剤として硫黄が好適に用いられる。その使用量としては、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分(硫黄及び硫黄供与剤の硫黄分の合計量)を0.1〜10質量部配合することが好ましい。この範囲であれば、加硫ゴム組成物の必要な弾性率及び強度を確保すると共に低燃費性を得ることができるからである。この観点から、硫黄分を0.5〜5質量部配合することが更に好ましい。
本発明のゴム組成物IIには、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば硫黄以外の加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、可塑剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を含有させることができる。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0質量部である。
また、本発明のゴム組成物IIで使用できる軟化剤として用いるプロセス油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、100質量部以下であれば加硫ゴムの引張強度、低発熱性(低燃費性)が悪化するのを抑制することができる。
更に、本発明のゴム組成物IIで使用できる老化防止剤としては、例えば3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6C[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、AW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等を挙げることができる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜6.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5.0質量部である。
[ゴム組成物IIの調製、タイヤIIの作製]
本発明のゴム組成物IIは、前記配合処方により、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、例えばタイヤ、特に、空気入りタイヤのサイドウォール、サイド補強層やビードフィラー等として用いられる。
本発明のタイヤIIは、本発明のゴム組成物IIをサイドウォール、サイド補強層やビードフィラー等に用いて通常の空気入りタイヤ又はランフラットタイヤ等の製造方法によって製造される。すなわち、前記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして得られた本発明のタイヤIIは、通常走行時の転がり抵抗性を軽減し低燃費性を向上させたものとなる。また、ランフラットタイヤのサイド補強層やビードフィラーに用いれば、通常走行時の低燃費性に加えて、ランフラット耐久性をも向上させたものとなる。
次に、本発明のタイヤIIIについて説明する。
[タイヤIII]
先ず、本発明のタイヤIIIを以下、図面に基づいて説明する。図1は、本発明のタイヤの一実施態様の断面を示す模式図である。
図1において、本発明のタイヤIIIの好適な実施態様は、一対のビードコア1、1'間にわたってトロイド状に連なり、両端部が該ビードコア1をタイヤ内側から外側へ巻き上げられる少なくとも1枚のラジアルカーカスプライからなるカーカス層2と、該カーカス層2のサイド領域のタイヤ軸方向外側に配置されて外側部を形成するサイドゴム層3と、該カーカス層2のクラウン領域のタイヤ径方向外側に配置されて接地部を形成するトレッドゴム層4と、該トレッドゴム層4と該カーカス層2のクラウン領域の間に配置されて補強ベルトを形成するベルト層5と、該カーカス層2のタイヤ内方全面に配置されて気密膜を形成するインナーライナー6と、一方の該ビードコア1から他方の該ビードコア1'へ延びる該カーカス層2本体部分と該ビードコア1に巻き上げられる巻上部分との間に配置されるビードフィラー7と、該カーカス層のサイド領域の該ビードフィラー7側部からショルダー区域10にかけて、該カーカス層2と該インナーライナー6との間に、タイヤ回転軸に沿った断面形状が略三日月形である、少なくとも1枚のサイド補強層8とを具えるタイヤであって、サイド補強層8及び/又はビードフィラー7に、前述した本発明の変性共役ジエン(共)重合体Iを10質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が20〜90m2/gであるカーボンブラックを10〜100質量部配合してなるゴム組成物IIIを用いることを特徴とする。
前記ゴム組成物IIIに用いられる変性共役ジエン(共)重合体Iとしては、共役ジエン系重合体の末端と第一アミノ基又は加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を有するアルコキシシラン化合物との変性反応により該末端に第一アミノ基又は加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体が導入され、さらに該変性反応の途中及び又は終了後に該変性反応系に縮合促進剤が加えられることにより得られた変性共役ジエン系重合体IIIが好ましい。第一アミノ基は、変性反応により該末端に加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体が加水分解前の状態(即ち、保護された状態)で導入され、変性反応終了後のスチームストリッピング等の水蒸気を用いる脱溶媒処理又は水処理等により、あるいは意図的に加水分解され、第一アミノ基として生成する。但し、加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体が加水分解されないで変性共役ジエン系重合体中に存在していても、この変性共役ジエン系重合体の混練り時に第一アミノ基を保護していた保護基が外れ、第一アミノ基が生成するので、第一アミノ基を生成し得る前駆体は混練り前の段階で加水分解されなくても良い。
第一アミノ基を有しないアルコキシシラン化合物により変性された変性共役ジエン系重合体は、シリカとの相互作用は高いが、カーボンブラックとの相互作用が低いためカーボンブラックの補強性が低い。一方、第一アミノ基を有するアルコキシシラン化合物により変性された変性共役ジエン系重合体は、第一アミノ基とカーボンブラックとの相互作用が高いのでカーボンブラックの補強性が高い。
また、アルコキシシラン化合物により変性された変性共役ジエン系重合体は、一般に重合体同士が反応して多量化し、未加硫ゴム組成物の粘度を高めて加工性を悪化させる。これに対し、本発明に係る第一アミノ基を有するアルコキシシラン化合物により変性された変性共役ジエン系重合体であって、変性反応の途中及び/又は終了後に反応系に縮合促進剤を加え、水蒸気又は水の存在下で縮合反応を進行させた変性共役ジエン系重合体IIIは、過度の多量化を防止するため、未加硫ゴム組成物の粘度を高めて加工性を悪化させることはない。
本発明に係る前記ゴム組成物IIIにおいては、ゴム成分100質量部中に、前記変性共役ジエン系重合体IIIを10質量%以上含むことが好ましい。ゴム成分100質量部中の変性共役ジエン系重合体IIIの含有量が10質量%以上であれば、ゴム組成物の低発熱性が発揮され、ランフラット走行時の耐久性及び通常走行時の転がり抵抗性が向上することとなる。ゴム組成物の低発熱性をさらに高めるためには、変性共役ジエン系重合体IIIの含有量がゴム成分100質量部中に52質量%以上であることがさらに好ましく、55質量%以上であることが特に好ましい。
本発明に係る共役ジエン系重合体IIIは、共役ジエン化合物単独又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合して得られるものであり、その製造方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよいが、分子量分布を狭くするためには回分式が望ましい。
また、共役ジエン系重合体のガラス転移温度が−30℃以下であることが好ましい。
前記共役ジエン化合物としては、例えば1.3−ブタジエン;イソプレン:1.3−ペンタジエン:2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン:2−フェニル−1,3−ブタジエン:1、3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、1、3−ブタジエンが特に好ましい。
また、共役ジエン化合物との共重合に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン:α−メチルスチレン:1−ビニルナフタレン;3−ビニルトルエン;エチルビニルベンゼン:ジビニルベンゼン:4−シクロへキシルスチレン;2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、スチレンが特に好ましい。
次に重合反応系について説明をする。重合反応未停止の状態のリビング性共役ジエン系重合体の末端(以下、「活性末端」ということがある)と変性剤との反応によって第一アミノ基又は加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を導入するためには、使用する重合体は、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性又は擬似リビング性を有するものが好ましい。このようなリビング性を有する重合反応としては、アルカリ金属化合物を開始剤とし、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをアニオン重合させる反応か、あるいはランタン系列希土類元素化合物を含む触媒による共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを配位アニオン重合させる反応が挙げられる。
上述のアニオン重合の開始剤として用いられるアルカリ金属化合物としては、リチウム化合物が好ましい。リチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。
前記ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物については、前述した本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法において、示したとおりである。
好ましい実施態様としては、特開平06−206920号に開示されているような可溶化成分(SOL)の存在下、あるいは特開平06−199922号に開示されているように可溶化成分の不存在下でリチウムアミド化合物を予め生成させた後に、重合開始剤として用いることもできるし、特開平06−199921号に開示されているように、予備調整なしに重合系中で(in situで)リチウムアミド化合物を生成させて重合開始剤として用いることもできる。
また、この重合開始剤の使用量は、好ましくは単量体100g当たり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
前記リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の活性末端を有する共役ジエン系重合体が得られる。
また、リチウム化合物を重合開始剤として用いた場合には、前述のランタン系列希土類元素化合物を含む触媒を用いた場合に比べ、活性末端を有する共役ジエン系重合体のみならず、活性末端を有する共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体も効率よく得ることができる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
また、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。尚、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は55質量%以下の範囲が好ましい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは共役ジエン系重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン部分の1,2結合、イソプレン重合体における3,4結合の増加等、あるいは共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばブタジエンースチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化等の作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、オキソラニルプロパンオリゴマー類[特に2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパンを含む物等]、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタン等のエーテル類及び三級アミン類等を挙げることができる。また、カリウムt−アミレート、カリウムt−ブトキシド等のカリウム塩類、ナトリウムt−アミレート等のナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、リチウム化合物1モル当たり、好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で選択される。
この重合反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
本発明においては、このようにして得られた活性末端を有する重合体に、後述する変性剤を、該重合体の活性末端に対して、好ましくは化学量論的量又はそれより過剰に加え、該重合体に結合している活性末端と反応させる。
活性末端に効率よく第一アミノ基を導入する変性剤として、加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を有するアルコキシシラン化合物が用いられる。
例えばN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン及びN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等を挙げることができ、好ましくは、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン又は1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンである
これらの変性剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。またこの変性剤は部分縮合物であってもよい。
ここで、部分縮合物とは、変性剤のSiORの一部(全部ではない)が縮合によりSiOSi結合したものをいう。
前記変性剤による変性反応において、該変性剤の使用量は、好ましくは0.5〜200mmol/kg・共役ジエン系重合体である。同使用量は、さらに好ましくは1〜100mmol/kg・共役ジエン系重合体であり、特に好ましくは2〜50mmol/kg・共役ジエン系重合体である。ここで、共役ジエン系重合体とは、製造時又は製造後、添加される老化防止剤等の添加剤を含まないポリマーのみの質量を意味する。変性剤の使用量を前記範囲にすることによって、充填材の分散性に優れ、加硫後の耐破壊特性、低発熱性が改良される。
なお、前記変性剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法等が挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。
また、変性剤は、重合開始末端や重合終了末端以外に重合体主鎖や側鎖のいずれに結合させることもできるが、重合体末端からエネルギー消失を抑制して低発熱性を改良しうる点から、重合開始末端あるいは重合終了末端に導入されていることが好ましい。
本発明では、前記した変性剤として用いる加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を有するアルコキシシラン化合物が関与する縮合反応を促進するために、特定の縮合促進剤を用いることが好ましい。
このような縮合促進剤としては、第三アミノ基を含有する化合物、又は周期律表(長周期型)の3族、4族、5族、12族、13族、14族及び15族のうちのいずれかの属する元素を一種以上含有する有機化合物を用いることができる。さらに縮合促進剤として、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、アルミニウム(Al)、及びスズ(Sn)からなる群から選択される少なくとも一種以上の金属を含有する、アルコキシド、カルボン酸塩、トリアルキルシロキサン又はアセチルアセトナート錯塩であることが好ましい。
ここで用いる縮合促進剤は、前記変性反応前に添加することもできるが、変性反応の途中及び又は終了後に変性反応系に添加することが好ましい。変性反応前に添加した場合、活性末端との直接反応が起こり、活性末端に加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を有するヒドロカルビロキシ基が導入されない場合がある。
縮合促進剤の添加時期としては、通常、変性反応開始5分〜5時間後、好ましくは変性反応開始15分〜1時間後である。
チタンを含む縮合促進剤、スズを含む縮合促進剤、アルミニウムを含む縮合促進剤、ビスマスを含む縮合促進剤及びジルコニウムを含む縮合促進剤の具体例としては、前述した本発明の変性共役ジエン(共)重合体の製造方法において例示したものを挙げることができる。
これらの縮合促進剤の内、チタン化合物が好ましく、チタン金属のアルコキシド、チタン金属のカルボン酸塩、又はチタン金属のアセチルアセトナート錯塩が特に好ましい。
この縮合促進剤の使用量としては、前記化合物のモル数が、反応系内に存在するヒドロカルビロキシ基総量に対するモル比として、0.1〜10となることが好ましく、0.5〜5が特に好ましい。縮合促進剤の使用量を前記範囲にすることによって縮合反応が効率よく進行する。
本発明における縮合反応は、上述の縮合促進剤と、水蒸気又は水の存在下で進行する。水蒸気の存在下の場合として、スチームストリッピングによる脱溶媒処理が挙げられ、スチームストリッピング中に縮合反応が進行する。
また、縮合反応を有機溶媒中に水が液滴として分散している系又は水溶液中で行ってもよく、縮合反応温度は20〜180℃が好ましく、より好ましくは30〜170℃、さらに好ましくは50〜170℃、特に好ましくは80〜150℃である。
縮合反応時の温度を前記範囲にすることによって、縮合反応を効率よく進行完結することができ、得られる変性共役ジエン系重合体の経時変化によるポリマーの老化反応等による品質の低下等を抑えることができる。
なお、縮合反応時間は、通常、5分〜10時間、好ましくは15分〜5時間程度である。縮合反応時間を前記範囲にすることによって縮合反応を円滑に完結することができる。
なお、縮合反応時の反応系の圧力は、通常、0.01〜20MPa、好ましくは0.05〜10MPaである。
縮合反応を水溶液中で行う場合の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器等の装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行っても良い。
本発明における変性共役ジエン系重合体IIIの変性剤由来の第一アミノ基は、上述のように加水分解処理を行うことによって生成する。即ち、加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を加水分解することによって、第一アミノ基上の保護基を遊離した第一アミノ基に変換する。上述したスチームストリッピング等の水蒸気を用いる脱溶媒処理以外に、前記縮合処理を含む段階から、脱溶媒して乾燥ポリマーまでのいずれかの段階において必要に応じて変性剤由来の加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体の加水分解処理(即ち、保護された第一アミノ基の脱保護処理)を行うことができる。但し、上述の理由により、変性共役ジエン系重合体の第一アミノ基を生成し得る前駆体を加水分解処理しなくても良い。
上述の縮合反応を行わないアルコキシシラン変性ブタジエン系重合体は比較的大量にVOCを発生することとなる。これに対し、本願発明に係る、縮合反応により得られたアルコキシシラン変性ブタジエン系重合体は、揮発性有機化合物(VOC)の発生を低減させることができるので、押出工程でポーラスが発生しにくい等、工程作業性が良好であるのと同時に、環境への負荷が小さい。
なお、一般的な老化防止剤(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、BHT等のフェノール系老化防止剤等)は、変性後のどの段階でも投入可能である。
上述のようにして得られた変性共役ジエン系重合体IIIのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、好ましくは10〜150、より好ましくは15〜100である。ムーニー粘度が10未満の場合は耐破壊特性を始めとするゴム物性が十分に得られず、150を超える場合は作業性が悪く配合剤とともに混練りすることが困難である。
また、前記変性共役ジエン系重合体を配合した本発明に係る未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4,130℃)は、好ましくは10〜150、より好ましくは15〜100である。
本発明に係るゴム組成物IIIに用いられる変性共役ジエン系重合体IIIのゲル浸透クロマトグラフィーで測定した変性前のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw)/(Mn)が1.02〜2.0であるであることが好ましく、1.02〜1.5であることが更に好ましい。
変性共役ジエン系重合体IIIの変性前の分子量分布(Mw/Mn)を前記範囲内にすることで該変性ポリブタジエンゴムをゴム組成物に配合しても、ゴム組成物の作業性を低下させることがなく、混練りが容易で、ゴム組成物の物性を十分に向上させることができる。ここで、変性前とは、未変性共役ジエン系重合体の活性末端と、重合停止剤又は変性剤とを反応させる前に常法に従い単離した場合をいう。また、常法とは、例えば、測定に必要な量の未変性共役ジエン系重合体を重合反応液から引き抜けば良い。
また、本発明に係るゴム組成物IIIに用いられる変性共役ジエン系重合体IIIは、変性前の数平均分子量(Mn)が100,000〜500,000であることが好ましく、120,000〜300,000であることがさらに好ましい。変性共役ジエン系重合体IIIの変性前の数平均分子量を前記範囲内にすることによって加硫物の弾性率の低下、ヒステリシスロスの上昇を抑えて優れた耐破壊特性を得るとともに、該変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物の優れた混練作業性が得られる。
本発明に係るゴム組成物IIIに用いられる変性共役ジエン系重合体IIIは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、この変性共役ジエン系重合体IIIと併用されるゴム成分としては、天然ゴム及び他のジエン系合成ゴムが挙げられ、他のジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、スチレン−イソプレン共重合体(SIR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明に係るゴム組成物IIIにおいては、補強用充填材として、窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜90m2/gであるカーボンブラックが用いられる。このカーボンブラックとしては、例えばGPF、FEF、SRF、HAF等が挙げられる。カーボンブラック窒素吸着比表面積は、好ましくは25〜90m2/gであり、特に好ましくは35〜90m2/gである。これらのカーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部、好ましくは30〜90質量部である。このようなカーボンブラックの量を用いることにより、諸物性の改良効果は大きくなるが、特に、耐破壊特性及び低発熱性(低燃費性)に優れるHAF及びFEFが好ましい。
通常、カーボンブラックの窒素吸着比表面積が小さくなるに従ってその組成物は低発熱性(低燃費性)になるが、本発明に係る活性末端に第一アミノ基を導入し、さらに変性反応の途中及び又は終了後に変性反応系に縮合促進剤を加えてなる変性共役ジエン系重合体と組み合わせて用いることによって、未変性の共役ジエン系重合体を使用した場合に比べ、前記カーボンブラックの効果を差し引いても窒素吸着比表面積が小さくなるに従って本発明に係るゴム組成物は低発熱性(低燃費性)及び耐破壊特性に優れるという特徴を有している。
本発明に係るゴム組成物IIIは、硫黄架橋性であり、加硫剤として硫黄が用いられる。その使用量としては、ゴム成分100質量部に対し、硫黄を1〜10質量部配合することが好ましい。1質量部未満であると架橋数が足らず、耐破壊特性が悪化し、10質量部を超えると耐熱性が悪化するからである。この観点から、硫黄を2〜8質量部配合することが特に好ましい。
本発明に係るゴム組成物IIIには、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば硫黄以外の加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を含有させることができる。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2-メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜6.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜4.0質量部である。
また、本発明に係るゴム組成物IIIで使用できる軟化剤として用いるプロセス油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0〜50質量部が好ましく、50質量部以下であれば加硫ゴムの引張強度、低発熱性(低燃費性)が悪化するのを抑制することができる。
さらに、本発明に係るゴム組成物IIIで使用できる老化防止剤としては、例えば3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6C[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、AW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等を挙げることができる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.3〜4.0質量部である。
本発明に係るゴム組成物IIIは、前記配合処方により、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、図1におけるタイヤのサイド補強層8及び/又はビードフィラー7として用いられる。
本発明のタイヤIIIは、本発明に係るゴム組成物IIIをサイド補強層8及び/又はビードフィラー7に用いて通常のランフラットタイヤの製造方法によって製造される。すなわち、前記のように各種薬品を含有させた本発明に係るゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤIIIが得られる。
このようにして得られた本発明のタイヤIIIは、ランフラット走行時の耐久性と通常走行時の転がり抵抗性との双方に優れている。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、下記の各例で得られた変性共役ジエン(共)重合体からのアルコール揮発量、変性共役ジエン(共)重合体のシラノール生成率及び加硫ゴム組成物の動的損失正接(tanδ)は、下記の方法に従って測定した。
(1)アルコール揮発量
15質量%n−ブタノール及び85質量%トルエンからなる溶媒中の(0.2モル/リットル トルエンスルホン酸)/(0.24モル/リットル 水)からなるシロキサン加水分解試薬で試料を処理し、供試変性共役ジエン(共)重合体中に残留する[EtOSi]からのエタノールの化学量論的量をヘッドスペース/ガスクロマトグラフィーにより測定した。
(2)変性共役ジエン(共)重合体のシラノール生成率
アルコキシシラン基の加水分解量については、エトキシシリル基の例で説明する。1H−NMRにおいて、変性された重合体のSiOCH2CH3に特徴づけられる3.6−3.7ppm付近の多重バンドと、ベース部分の数平均分子量から計算を行い、重合体のアルコキシシラン量M(%)を算出した。GPCの注入サンプル量対比のベース同等成分のピーク面積から、GPCでの未カップリング成分の比率RGPC%を計算した。カップリングなどの後反応成分を減ずるために、前記M(%)とRGPC%との差を求め、これをシラノール生成数を100として計算した。シラノール生成率に用いる数平均分子量は、Mark-Houwink式で校正したGPCから求めた数平均分子量を適用した。
(3)動的損失正接(tanδ)
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定した。表1においては比較例1のtanδを100として下記式にて指数表示した。指数値が小さい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
動的損失正接(tanδ)指数={(供試加硫ゴム組成物のtanδ)/(比較例1の加硫ゴム組成物のtanδ)}×100
また、以下に示す例で得られた未変性共役ジエン(共)重合体及び変性共役ジエン(共)重合体の結合ビニル含量、結合スチレン含量並びに重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、下記の方法で測定した。
(4)結合ビニル含量(ジエン部分全体に対する%)
270MHz1H−NMRによって求めた。
(5)結合スチレン含量(ポリマー中の質量%)
270MHz1H−NMRによって求めた。
(6)Mn、Mw及びMw/Mn
GPC[東ソー製、HLC−8220]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
合成例1(変性反応工程で用いる有機シラン化合物aの合成)
乾燥し、窒素置換された300ミリリットルの耐圧ガラス容器に、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンの1モル/リットル シクロヘキサン溶液を調製し、これの2倍モル量となるように、メチルリチウム(MeLi)の2モル/リットル ジエチルエーテル溶液を滴下し、よく撹拌することにより、有機シラン化合物a{N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン}の変性剤溶液(a)を調製した。
なお、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンは、チッソ(株)製、商標「サイラエース S340」を用いた。
合成例2(変性反応工程で用いる有機シラン化合物bの合成)
乾燥し、窒素置換された300ミリリットルの耐圧ガラス容器に、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシランの1モル/リットル シクロヘキサン溶液を調製し、これと等モルとなるように、メチルリチウム(MeLi)の1モル/リットル ジエチルエーテル溶液を滴下し、よく撹拌することにより、有機シラン化合物b{3−ジメチルアミノプロピル(ジメトキシ)メチルシラン}の変性剤溶液(b)を調製した。
合成例3(変性反応工程で用いる有機シラン化合物cの合成)
乾燥し、窒素置換された300ミリリットルの耐圧ガラス容器に、N−(3−トリエトキシシリルプロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾールの1モル/リットル シクロヘキサン溶液を調製し、これと等モルとなるように、メチルリチウム(MeLi)の1モル/リットル ジエチルエーテル溶液を滴下し、よく撹拌することにより、有機シラン化合物cの変性剤溶液(c){N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール}を調製した。
合成例4(変性反応工程で用いる有機シラン化合物dの合成)
乾燥し、窒素置換された300ミリリットルの耐圧ガラス容器に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの1モル/リットル シクロヘキサン溶液を調製し、これの2倍モル量となるように、メチルリチウム(MeLi)の2モル/リットル ジエチルエーテル溶液を滴下し、よく撹拌することにより、有機シラン化合物d{(3−グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン}の変性剤溶液(d)を調製した。
合成例5(変性工程で用いる有機シラン化合物eの合成)
窒素雰囲気下、攪拌機を備えたガラスフラスコ中のジクロロメタン溶媒400ml中にアミノシラン部位として36gの3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン(Gelest社製)を加えた後、さらに保護部位として塩化トリメチルシラン(Aldrich社製)48ml、トリエチルアミン53mlを溶液中に加え、17時間室温下で攪拌し、その後反応溶液をエバポレーターにかけることにより溶媒を取り除き、反応混合物を得、さらに得られた反応混合物を5mm/Hg条件下で減圧蒸留することにより、130〜135℃留分として有機シラン化合物e{N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン}を40g得た。
合成例6(変性反応工程で用いる有機シラン化合物fの合成)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのかわりに、2−シアノエチルトリエトキシシランを原料に使用した以外は合成例4と同様にして、シラン化合物f{2−シアノエチルジメチルエトキシシラン}の変性剤溶液(f)を調製した。
製造実施例1:変性共役ジエン共重合体Aの製造
<活性末端を有する共役ジエン共重合体の製造>
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン60g及びスチレン15gとなるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.70mmolを加え、さらにn−ブチルリチウム(BuLi)0.70mmolを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合反応を行なった。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。
<変性反応工程>
次に、重合反応系に合成例1で得た有機シラン化合物aのリチウム(Li)対比等モルとなる量を加えて、さらに50℃で30分間変性反応を行った。
<加水分解工程及びその後の工程>
その後、重合反応系に、希塩酸1.5mlを少しずつ加え、次に、水をリチウム(Li)対比3倍のモル量加え、30分間撹拌した。次に、重合反応系に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液を加えて重合反応を停止させた。その後、水蒸気を吹き込んで溶剤の分圧を下げて(スチームストリッピング)脱溶媒した後、真空乾燥して変性共役ジエン共重合体Aを得た。得られた変性共役ジエン共重合体Aのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
なお、重量平均分子量(Mw)は、GPC[東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
製造実施例2:変性共役ジエン共重合体Bの製造
製造実施例1で用いた有機シラン化合物aの代わりに合成例2の有機シラン化合物bを用いた以外は製造実施例1と同様にして変性共役ジエン共重合体Bを得た。得られた変性共役ジエン共重合体Bのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
製造実施例3:変性共役ジエン共重合体Cの製造
製造実施例1で用いた有機シラン化合物aの代わりに合成例3の有機シラン化合物cを用いた以外は製造実施例1と同様にして変性共役ジエン共重合体Cを得た。得られた変性共役ジエン共重合体Cのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
製造実施例4:変性共役ジエン共重合体Dの製造
製造実施例1で用いた有機シラン化合物aの代わりに合成例5の有機シラン化合物eを用いた以外は製造実施例1と同様にして変性共役ジエン共重合体Dを得た。得られた変性共役ジエン共重合体Dのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
製造実施例5:変性共役ジエン重合体Eの製造
<触媒の調製>
乾燥・窒素置換された、ゴム詮付容積100ミリリットルのガラスびんに、以下の順番に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(15.2重量%)7.11g、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(0.56M)0.59ミリリットル、メチルアルミノキサンMAO(東ソーアクゾ製PMAO)のトルエン溶液(アルミニウム濃度として3.23M)10.32ミリリットル、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製)のヘキサン溶液(0.90M)7.77ミリリットルを投入し、室温で2分間熟成した後、塩素化ジエチルアルミニウム(関東化学製)のヘキサン溶液(0.95M)1.45ミリリットルを加え室温で、時折攪拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液中のネオジムの濃度は、0.011M(モル/リットル)であった。
<活性末端を有する共役ジエン重合体の製造>
約900ミリリットル容積のゴム栓付きガラスびんを乾燥・窒素置換し、乾燥精製されたブタジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロヘキサンを各々投入し、ブタジエン12.5wt%のシクロヘキサン溶液が400g投入された状態とした。次に、前記調製した触媒溶液2.28ミリリットル(ネオジム換算0.025mmol)を投入し、50℃温水浴中で1.0時間重合を行った。
<変性反応工程>
次に、重合反応系に合成例4で得た有機シラン化合物dをネオジム対比モル当量となる量を投入し、50℃で60分間処理した。
<加水分解工程及びその後の工程>
その後、重合反応系に、1モル/リットルの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を少しずつ加え、pH10.5になった段階で、水をネオジム対比3倍のモル量加え、30分間撹拌した(加水分解工程)。次に、重合系に、老化防止剤2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール5%溶液2ミリリットルを加えて反応の停止を行い、さらに微量のNS−5を含むイソプロパノール中で再沈殿を行ない、ドラム乾燥することにより変性共役ジエン重合体Eを得た。得られた変性共役ジエン重合体Eのビニル結合含有量及び重合平均分子量を表2に示す。
製造比較例1:無変性共役ジエン共重合体Fの製造
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン60g及びスチレン15gとなるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.70mmolを加え、さらにn−ブチルリチウム(BuLi)0.70mmolを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合反応を行なった。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液を加えて重合反応を停止させた。その後、真空乾燥して無変性共役ジエン共重合体Fを得た。得られた無変性共役ジエン共重合体Fのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
製造比較例2:変性共役ジエン共重合体Gの製造
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン60g及びスチレン15gとなるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.70mmolを加え、さらにn−ブチルリチウム(BuLi)0.70mmolを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合反応を行なった。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系にジメチルジクロロシランのリチウム(Li)対比等モルとなる量を加えて、さらに50℃で30分間変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液を加えて重合反応を停止させた後、水蒸気を吹き込んで溶剤の分圧を下げて(スチームストリッピング)脱溶媒した後、真空乾燥して変性共役ジエン共重合体Gを得た。得られた変性共役ジエン共重合体Gのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
製造比較例3:変性共役ジエン共重合体Hの製造
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン60g及びスチレン15gとなるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.70mmolを加え、さらにn−ブチルリチウム(BuLi)0.70mmolを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合反応を行なった。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系に合成例1で得た有機シラン化合物aのリチウム(Li)対比等モルとなる量を加えて、さらに50℃で30分間変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液を加えて重合反応を停止させた。その後、真空乾燥して変性共役ジエン共重合体Hを得た。得られた変性共役ジエン共重合体Hのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
製造比較例4:変性共役ジエン共重合体Iの製造
製造比較例3で用いた有機シラン化合物aの代わりに合成例2の有機シラン化合物bを用いた以外は製造比較例3と同様にして変性共役ジエン共重合体Iを得た。得られた変性共役ジエン共重合体Iのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
製造比較例5:変性共役ジエン共重合体Jの製造
製造比較例3で用いた有機シラン化合物aの代わりに合成例3の有機シラン化合物cを用いた以外は製造比較例3と同様にして変性共役ジエン共重合体Jを得た。得られた変性共役ジエン共重合体Jのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
製造比較例6:変性共役ジエン共重合体Kの製造
製造比較例3で用いた有機シラン化合物aの代わりに合成例5の有機シラン化合物eを用いた以外は製造比較例3と同様にして変性共役ジエン共重合体Kを得た。得られた変性共役ジエン共重合体Kのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
製造比較例7:変性共役ジエン共重合体Lの製造
製造比較例3で用いた有機シラン化合物aの代わりにテトラエトキシシランを用いた以外は製造比較例3と同様にして変性共役ジエン共重合体Lを得た。得られた変性共役ジエン共重合体Lのスチレン含有量及びブタジエン部分のビニル結合含有量並びに重合平均分子量を表1に示す。
製造比較例8:変性共役ジエン重合体Mの製造
製造実施例5の変性共役ジエン共重合体Eの製造と同様に、活性末端を有する共役ジエン重合体を製造し、変性反応工程を実施した。続いて、加水分解工程を実施することなく、その代わりに、ソルビタントリオレイン酸エステル(糖エステル:関東化学製)を単体で1.2ml加えて、さらに50℃で1時間変性反応を行った後、重合系に老化防止剤2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール5%溶液2ミリリットルを加えて反応の停止を行い、さらに微量のNS−5を含むイソプロパノール中で再沈殿を行ない、ドラム乾燥することにより変性共役ジエン重合体Mを得た。得られた変性共役ジエン重合体Mのビニル結合含有量及び重合平均分子量を表2に示す。
実施例1〜5及び比較例1〜8
製造実施例1〜4及び製造比較例2〜7で得られた変性共役ジエン共重合体A〜D及びG〜L並びに製造比較例1で得られた未変性共役ジエン共重合体Fを用いアルコール揮発量及びシラノール生成率を測定すると共に、表3及び表4に示す配合処方に従い、実施例1〜4及び比較例1〜7の22種類のゴム組成物を調製した。これら22種類の未加硫ゴム組成物を165℃、15分間加硫した後、動的損失正接(tanδ)を測定した。結果を表1に示す。
さらに、製造実施例5及び製造比較例8で得られた変性共役ジエン重合体E及びMを用いアルコール揮発量を測定すると共に、表3及び表4に示す配合処方に従い、実施例5及び比較例8の2種類のゴム組成物を調製した。これら2種類の未加硫ゴム組成物を165℃、15分間加硫した後、動的損失正接(tanδ)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2014098162
Figure 2014098162
Figure 2014098162
[注]
1)変性共役ジエン(共)重合体:製造実施例1〜4及び製造比較例2〜7で得られた変性共役ジエン共重合体A〜D及びF〜K、製造比較例1で得られた無変性共役ジエン共重合体F並びに製造実施例5及び製造比較例8で得られた変性共役ジエン共重合体E及びM2)ポリイソプレンゴム:ジェイエスアール社製 商品名「IR2200」
3)アロマティックオイル:富士興産(株)製 商標「アロマックス#3」
4)シリカ:東ソー・シリカ(株)製 商標「ニプシルAQ」
5)シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、デグサ社製 商標「Si69」
6)老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、精工化学(株)製 商標「オゾノン6C」
7)加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業(株)製 商標「ノクセラーD」
8)加硫促進剤DM:ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製 商標「ノクセラーDM」
9)加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製 商標「ノクセラーCZ」
Figure 2014098162
[注]
1)〜3)及び6)〜9)は表3と同じ。
4)カーボンブラック:ISAF{N2SA(m2/g)=115(m2/g)}、旭カーボン(株)製 商標「旭#80」
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4の変性共役ジエン共重合体はアルコール揮発量が検出されなかった。一方、比較例3〜7の変性共役ジエン共重合体はアルコール揮発量が多量に検出された。
また、本発明の変性共役ジエン共重合体はシラノール基と、シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基との双方を含むので、実施例1〜4のゴム組成物は、比較例1、2及び7のゴム組成物対比、シリカ配合処方及びカーボンブラック配合処方のいずれにおいても、tanδ指数が低く(即ち、tanδが小さく)低発熱性が向上した。そして、実施例1のゴム組成物は比較例3のゴム組成物と比較して、実施例2のゴム組成物は比較例4のゴム組成物と比較して、実施例3のゴム組成物は比較例5のゴム組成物と比較して、実施例4のゴム組成物は比較例6のゴム組成物と比較して、シリカ配合処方において、tanδ指数が低く(即ち、tanδが小さく)低発熱性が向上した。
次に、これら22種類のゴム組成物を空気入りタイヤのキャップトレッド(トレッドの踏面側)に配設して、それぞれタイヤサイズ215/45ZR17の乗用車用空気入りタイヤを常法に従って製造し、それら22種類の空気入りタイヤについて転がり抵抗をSAE J2452に準拠して測定したところ、実施例1〜4の空気入りタイヤは、比較例1、2、4〜7の空気入りタイヤ対比、シリカ配合処方において、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れるものであった。また、カーボンブラック配合処方においても、転がり抵抗が同等以下であり、低燃費性に優れるものであった。さらに、実施例1の空気入りタイヤは、比較例3の空気入りタイヤ対比、シリカ配合処方において、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れるものであった。
また、表2から明らかなように、本発明の実施例5の変性共役ジエン重合体はアルコール揮発量が検出されなかった。一方、比較例8の変性共役ジエン重合体はアルコール揮発量が多量に検出された。
また、本発明の変性共役ジエン重合体はシラノール基と、シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基との双方を含むので、実施例5のゴム組成物は、比較例8のゴム組成物対比、シリカ配合処方及びカーボンブラック配合処方のいずれにおいても、tanδ指数が低く(即ち、tanδが小さく)低発熱性が向上した。
次に、これら2種類のゴム組成物を空気入りタイヤのキャップトレッド(トレッドの踏面側)に配設して、それぞれ乗用車用のタイヤサイズ215/45ZR17の冬用空気入りタイヤを常法に従って製造し、それら2種類の空気入りタイヤについて転がり抵抗をSAE J2452に準拠して測定したところ、実施例5の空気入りタイヤは、比較例8の空気入りタイヤ対比、シリカ配合処方及びカーボンブラック配合処方のいずれにおいても、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れるものであった。
参考例6
<活性末端を活性部位とする共役ジエン共重合体の製造>
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン60g及びスチレン15gとなるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.70mmolを加え、更にn−ブチルリチウム(BuLi)0.70mmolを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。
<変性反応工程>
次に、重合反応系に合成例2で得た有機シラン化合物としてシラン化合物bを、リチウム(Li)対比等モルとなる量を加えて、50℃で30分間変性反応を行った。
<加水分解工程>
その後、重合反応系に、希塩酸1.5mlを少しずつ加え、次に、水をリチウム(Li)対比3倍のモル量加え、30分間撹拌した。(加水分解工程)。
加水分解反応後、重合反応系に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液を加えた。その後、水蒸気を吹き込んで溶剤の分圧を下げて(スチームストリッピング)脱溶媒した後、真空乾燥して変性共役ジエン系重合体を得た。
変性共役ジエン系重合体のアルコール揮発量及びシラノール生成率を測定すると共に、下記表5に示す配合でシリカと縮合促進剤のSn(EHA)2を配合してゴム組成物を作製した。これを165℃、15分間加硫した後、動的損失正接(tanδ)を測定した。
さらに、縮合促進剤を添加していない変性共役ジエン系重合体との結果を比較して縮合促進剤によるtanδの変化幅を求めた。これらの結果を下記表6に示す。
参考例7
ゴム組成物の調製時に縮合促進剤として、Ti(EHDO)4を使用した以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表6に示す。
参考例8
ゴム組成物の調製時に縮合促進剤として、Ti(EHO)4を使用した以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表6に示す。
参考例9
ゴム組成物の調製時に縮合促進剤として、ZrO(EHA)2を使用した以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表6に示す。
参考例10
有機シラン化合物としてシラン化合物aを使用し、ゴム組成物の調製時に縮合促進剤としてTi(EHO)4を使用した以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体および各種ゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表6に示す。
参考例11
有機シラン化合物としてシラン化合物eを使用し、ゴム組成物の調製時に縮合促進剤としてTi(EHO)4を使用した以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表6に示す。
参考例12
有機シラン化合物としてシラン化合物cを使用し、ゴム組成物の調製時に縮合促進剤としてTi(EHO)4を使用した以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表6に示す。
参考例13
有機シラン化合物としてシラン化合物fを使用し、ゴム組成物の調製時に縮合促進剤としてTi(EHO)4を使用した以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表6に示す。
比較例9
変性剤として四塩化スズを使用し、加水分解工程および縮合工程を設けず、かつゴム組成物の調製時に縮合促進剤を加えなかった以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例10
有機シラン化合物としてシラン化合物aを使用し、加水分解工程および縮合工程を設けず、かつゴム組成物の調製時に縮合促進剤を加えなかった以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例11
有機シラン化合物としてシラン化合物bを使用し、加水分解工程および縮合工程を設けず、かつゴム組成物の調製時に縮合促進剤を加えなかった以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例12
有機シラン化合物としてシラン化合物cを使用し、加水分解工程および縮合工程を設けず、かつゴム組成物の調製時に縮合促進剤を加えなかった以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例13
加水分解工程および縮合工程を設けず、かつゴム組成物の調製時に縮合促進剤を加えなかった以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例14
有機シラン化合物としてシラン化合物fを使用し、加水分解工程および縮合工程を設けず、かつゴム組成物の調製時に縮合促進剤を加えなかった以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例15
変性剤としてSTOを使用し、加水分解工程および縮合工程を設けず、かつゴム組成物の調製時に縮合促進剤を加えなかった以外は、実施例6と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例16
加水分解工程および縮合工程を設けなかった以外は、実施例18と同様にして、変性共役ジエン系重合体およびゴム組成物を作製した。また、実施例6と同様の評価を行った。結果を下記表7に示す。
Figure 2014098162
[注]
1)変性共役ジエン系又は無変性共役ジエン系重合体:変性反応工程を経た重合体又は無変性の重合体
2)ポリイソプレンゴム:ジェイエスアール社製 商品名「IR2200」
3)アロマオイル:富士興産(株)製 商標「アロマックス#3」
4)シリカ:東ソー・シリカ(株)製 商標「ニプシルAQ」
5)シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、デグサ社製 商標「Si69」
6)老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、精工化学(株)製 商標「オゾノン6C」
7)加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業(株)製 商標「ノクセラーD」
8)加硫促進剤DM:ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製 商標「ノクセラーDM」
9)加硫促進剤NS:N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
Figure 2014098162
[注]
1)変性剤e:合成例5で得たシラン化合物e、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン
2)変性剤a:合成例1で得たシラン化合物a、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン
3)変性剤b:合成例2で得たシラン化合物b、3−ジメチルアミノプロピル(ジメトキシ)メチルシラン
4)変性剤c:合成例3で得たシラン化合物c、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール
5)変性剤f:合成例6で得たシラン化合物f、2−シアノエチルジメチルエトキシシラン
6)変性剤d:合成例4で得たシラン化合物d、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン
7)Sn(EHA)2:ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ(Gelest社製)
8)Ti(EHDO)4:テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン
9)Ti(EHO)4:テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン
10)ZrO(EHA)2:ビス(2−エチルヘキサノエート)酸化ジルコニウム
なお、表6における縮合促進剤の含有量は、ゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対する値である。
また、tanδは、前記比較例1のゴム組成物のtanδを100とした場合の指数値である。
表6から分かるように、実施例6〜18は、いずれもアルコール揮発量が0であり、また縮合促進剤を含むことで、縮合促進剤を含まないゴム組成物に比べて、tanδの指数値が大幅に低くなっている。
Figure 2014098162
[注]
1)変性剤a〜fは、表6の脚注と同じである。
2)i:四塩化スズ(関東化学社製)
3)j:ソルビタントリオレイン酸エステル(関東化学社製「STO」)
なお、表7における縮合促進剤の含有量は、ゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対する値である。
表7から分かるように、比較例9〜16のゴム組成物は、表6で示される実施例6〜13のゴム組成物に比べて、tanδが大きい。また、変性剤としてソルビタントリオレイン酸エステルを用いた比較例15の変性共役ジエン系重合体は、アルコールの揮発量が多い。
以下に示す各例で得られた加硫ゴム組成物の3%動的損失正接(tanδ)及び未加硫ゴム組成物からの揮発性有機化合物(VOC)量は、下記の方法に従って測定した。
(1)3%動的損失正接(tanδ)
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、歪み3%、周波数15Hzでtanδを測定した。比較例19、21又は22のtanδを100として下記式により指数表示した。指数値が小さい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
3%tanδ指数={(供試加硫ゴム組成物の3%tanδ)/(比較例19、21又は22の加硫ゴム組成物の3%tanδ)}×100
(2)未加硫ゴム組成物からのVOC発生量
15質量%n−ブタノール及び85質量%トルエンからなる溶媒中の(0.2モル/リットル トルエンスルホン酸)/(0.24モル/リットル 水)からなるシロキサン加水分解試薬で試料を処理し、未加硫ゴム組成物中に残留する[EtOSi]からのエタノールの化学量論的量をヘッドスペース/ガスクロマトグラフィーにより測定した。
製造例1 変性BR−aの製造
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0285mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合体溶液を温度60℃に保ち、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを2.85mmol添加し、15分間反応させた後、重合体溶液を温度60℃に保ったままテトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン2.85mmol加え更に15分間撹拌し反応させた。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り、重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性BR−aを得た。
製造例2 変性BR−bの製造
製造例1において、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン2.85mmolの代わりに、2−エチルヘキサン酸スズ2.85mmolを用いた以外は、製造例1と同様にして、変性BR−bを得た。
製造例3 変性BR−cの製造
製造例1において、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン2.85mmolの代わりに、トリス(ステアレート)アルミニウム2.85mmolを用いた以外は、製造例1と同様にして、変性BR−cを得た。
製造例4 変性BR−dの製造
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0285mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合体溶液を温度60℃に保ち、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを2.85mmol添加し、30分間反応させた後、重合反応系に、1モル/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を少しずつ加え、pH10.5になった段階で、水をリチウム(Li)対比3倍のモル量加え、30分間撹拌した。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り、重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性BR−dを得た。
製造例5 変性BR−eの製造
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0285mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合体溶液を温度60℃に保ち、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを2.85mmol添加し、30分間反応させた。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り、重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性BR−eを得た。
製造例6 変性BR−fの製造
製造例5において、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン2.85mmolの代わりに、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン2.85mmolを用いた以外は、製造例5と同様にして、変性BR−fを得た。
製造例7 未変性BR−gの製造
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0285mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。この重合体溶液を2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3g含むメタノール溶液に抜き取り、重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して未変性BR−gを得た。
実施例14〜18及び比較例17〜22
表8の第1練りステージの配合組成に従って、各成分を混練りしたのち、これに、第2練りステージに示す種類と量の各成分を配合して、実施例14〜18及び比較例17〜22の11種類のゴム組成物を調製した。これら11種類の未加硫ゴム組成物のVOC発生量を測定した。
更に、これら11種類の未加硫ゴム組成物を165℃、15分間加硫した後、3%動的損失正接(tanδ)を測定した。結果を表9〜11に示す。
Figure 2014098162
[注]
1)BR:製造例1〜6で得られた変性BR−a〜f及び製造例7で得られた未変性BR−gである。
2)天然ゴム:RSS#3
3)カーボンブラック:
(イ)表9記載のN2SAが42m2/gであるものは、カーボンブラックFEF、東海カーボン株式会社製、商標「シーストSO」。
(ロ)表10記載のN2SAが118m2/gであるものは、カーボンブラックISAF、東海カーボン株式会社製、商標「シースト6」。
(ハ)表11記載のN2SAが97m2/gであるものは、カーボンブラックIISAF−HS(N285)、三菱化学株式会社製、商標「ダイアブラックII」。
4)老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、商標「ノクラック6C」
5)老化防止剤RD:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物、大内新興化学工業社製、商標「ノクラック224」
6)加硫促進剤CBS:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業社製、商標「ノクセラーCZ」
7)加硫促進剤MBTS:ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業社製、商標「ノクセラーDM」
Figure 2014098162
[注]
1)e:N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン
2)k:2,2'−ジエチルアミノベンゾフェノン
3)チタン系:テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン
4)スズ系:2−エチルヘキサン酸スズ
5)アルミニウム系:トリス(ステアレート)アルミニウム
6)VOC:揮発性有機化合物
Figure 2014098162
[注]
1)、3)及び6)は、いずれも表9の注と同じ。
Figure 2014098162
[注]
1)、3)及び6)は、いずれも表9の注と同じ。
表9から分かるように、変性BR−a〜dは、変性剤としてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを用いており、これらを用いた実施例14〜17の未加硫ゴム組成物は、変性剤としてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを用いているが、縮合促進剤を加えず、加水分解処理もしていない変性BR−eを用いた比較例17の未加硫ゴム組成物と比較して、VOC発生量が少ない。
また、表9から分かるように、本発明に係る製造方法により得られる変性共役ジエン系重合体を用いた実施例14〜17のゴム組成物は、比較例17〜19のゴム組成物と比較して、3%tanδ指数が低く、低発熱性に優れる。
そして、表9〜11を比較すれば、同一の変性BR−aを同じ量用いても、カーボンブラックのN2SAが100m2/gを超える表10の比較例20のゴム組成物は、未変性BR−gを用いたゴム組成物対比で、3%tanδの値の低下が少なく、カーボンブラックのN2SAが100m2/gを超えると変性BRの効果が充分に発揮されないことが理解される。
以下に示す各例における未変性又は変性共役ジエン系重合体、カーボンブラック及び未加硫ゴム組成物の物性並びにタイヤのランフラット耐久性及び転がり抵抗は、下記の方法に従って測定した。
《未変性又は変性共役ジエン系重合体の物性》
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定>
GPC[東ソー製、HLC−8220]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
<揮発性有機化合物(VOC)の揮発量>
15質量%n−ブタノール及び85質量%トルエンからなる溶媒中の(0.2モル/リットル トルエンスルホン酸)/(0.24モル/リットル 水)からなるシロキサン加水分解試薬で試料を処理し、供試変性共役ジエン系重合体中に残留する[EtOSi]からのエタノールの化学量論的量をヘッドスペース/ガスクロマトグラフィーにより測定した。
<第一アミノ基含有量(mmol/kg)の測定>
先ず、重合体をトルエンに溶解した後、大量のメタノール中で沈殿させることにより重合体に結合していないアミノ基含有化合物をゴムから分離した後、乾燥した。本処理を施した重合体を試料として、JIS K7237に記載された「全アミン価試験方法」により全アミノ基含有量を定量した。続けて、前記処理を施した重合体を試料として「アセチルアセトンブロックド法」により第二アミノ基及び第三アミノ基の含有量を定量した。試料を溶解させる溶媒には、o−ニトロトルエンを使用、アセチルアセトンを添加し、過塩素酢酸溶液で電位差滴定を行った。全アミノ基含有量から第二アミノ基及び第三アミノ基の含有量を引いて第1アミノ基含有量(mmol)を求め、分析に使用したポリマー質量を割ることで重合体に結合した第一アミノ基含有量(mmol/kg)を求めた。
《カーボンブラックの物性》
<窒素吸着比表面積>
JIS K 6217−2:2001に準拠して測定した。
《未加硫ゴム組成物の物性》
<ムーニー粘度>
JIS K 6300−1:2001に準拠して、ML1+4の条件で130℃にて測定した。
《タイヤの評価》
<ランフラット耐久性>
各供試タイヤ(タイヤサイズ215/45ZR17)を常圧でリム組みし、内圧230kPaを封入してから38℃の室内中に24時間放置後、バルブのコアを抜き、内圧を大気圧として、荷重4.17kN(425kg)、速度89km/h、室内温度38℃の条件でドラム走行テストを行なった。各供試タイヤの故障発生までの走行距離を測定し、比較例25又は29の走行距離を100として、以下の式により、指数表示した。指数が大きい程、ランフラット耐久性が良好である。
ランフラット耐久性(指数)=(供試タイヤの走行距離/比較例23又は27のタイヤの走行距離)×100
<転がり抵抗>
SAE J2452に準拠して、空気入りラジアルタイヤの転がり抵抗を測定し、比較例23又は27のタイヤの転がり抵抗を100として、以下の式により指数表示した。指数値が小さい程、転がり抵抗 が小さく良好であることを示す。
転がり抵抗(指数)=(供試タイヤの転がり抵抗/比較例23又は27のタイヤの転がり抵抗)×100
製造例8:重合体A−1の製造
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン(0.0285mmol)シクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、攪拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行なった。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。この重合体溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液を加えて重合を停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、重合体A−1を得た。得られた重合体A−1の重合停止前に取り出した重合体の分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。その結果を表12及び13に示す。
製造例9:変性重合体B−1の製造
変性前の重合体の製造は前記重合体A−1と同様の方法にて行なった。引き続き重合触媒を失活させることなく、重合溶液を温度50℃に保ち、加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を有するN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン1129mgを加えて、変性反応を15分間行った。縮合促進剤は加えなかった。最後に反応後の重合体溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒及び前記第一アミノ基を生成し得る前駆体の加水分解を行い、110℃に調温された熟ロールによりゴムを乾燥し、変性重合体B−1を得た。得られた変性重合体B−1の変性前の分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)及び変性重合体B−1の第一アミノ基含量を測定した。その結果を表12及び13に示す。
製造例10:変性重合体C−1の製造
変性前の重合体の製造は前記重合体A−1と同様の方法にて行なった。引き続き重合触媒を失活させることなく、重合溶液を温度50℃に保ち、加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を有するN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン1129mgを加えて、変性反応を15分間行った。この後、縮合促進剤であるテトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン8.11gを加え、さらに15分間攪拌した。最後に反応後の重合体溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒及び前記第一アミノ基を生成し得る前駆体の加水分解を行い、110℃に調温された熟ロールによりゴムを乾燥し、変性重合体C−1を得た。得られた変性重合体C−1の変性前の分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)及び変性重合体C−1の第一アミノ基含量を測定した。その結果を表12及び13に示す。
製造例11:変性重合体D−1の製造
乾燥し、窒素置換された温度調整ジャッケットつき8リットルの耐圧反応装置に、シクロヘキサン3kg、ブタジエン単量体500g、0.2mmolのジテトラヒドロフリルプロパンを注入し、4mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、40℃の開始温度で1時間重合を行った。重合は、昇温条件下で行い最終温度が75℃を超えないようにジャッケット温度を調整した。重合系は重合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一に透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。この重合系に、末端変性剤としてSnCl4(1mol/Lシクロヘキサン溶液)を0.8ミリリットル加えた後、30分間変性反応を行った。この後重合系に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液0.5ミリリットルを加えて反応を停止させ、常法に従い重合体を乾燥して変性重合体D−1を得た。得られた変性重合体D−1の変性前の分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。その結果を表12及び13に示す。
製造例12:変性重合体E−1の製造
製造例10で得られた変性重合体C−1と製造例11で得られた変性重合体D−1とを(変性重合体C−1/変性重合体D−1)=7/3となる質量比にて溶液混合により変性重合体E−1を製造した。得られた変性重合体E−1について第一アミノ基含量を測定した。その結果を表12に示す。
製造例13:N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランの合成
窒素雰囲気下、攪拌機を備えたガラスフラスコ中のジクロロメタン溶媒400ml中にアミノシラン部位として36gの3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン(Gelest社製)を加えた後、さらに保護部位として塩化トリメチルシラン(Aldrich社製)48ml、トリエチルアミン53mlを溶液中に加え、17時間室温下で攪拌し、その後反応溶液をエバポレーターにかけることにより溶媒を取り除き、反応混合物を得、さらに得られた反応混合物を5mm/Hg条件下で減圧蒸留することにより、130〜135℃留分としてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを40g得た。このN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを製造例9及び10(変性重合体B−1及びC−1の製造)に用いた。
実施例19〜21及び比較例23〜24
製造例8で得られた未変性ポリブタジエンゴムA−1及び、製造例9〜12で得られた変性ポリブタジエンゴムB−1〜E−1を用い、表12に示す配合処方に従い、5種類のゴム組成物を調製した。これら5種類の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。結果を表12に示す。
次に、これら5種類のゴム組成物を図1に示すサイド補強層8に配設して、それぞれタイヤサイズ215/45ZR17の乗用車用空気入りランフラットタイヤを常法に従って製造し、それら5種類のタイヤについてランフラット耐久性及び転がり抵抗を評価した。結果を表12に示す。
Figure 2014098162
[注]
*1.重合体(ポリブタジエン):製造例8で得られたポリブタジエンゴムA及び製造例9〜12で得られた変性ポリブタジエンゴムB−1〜E−1を用いた。
*2.カーボンブラック:HAF{N2SA(m2/g)=77(m2/g)}、旭カーボン(株)製 商標「旭#70」
*3.軟化剤:アロマティックオイル、富士興産(株)製 商標「アロマックス#3」
*4.老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、精工化学(株)製 商標「オゾノン6C」
*5.加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製 商標「ノクセラーCZ」
実施例22〜27及び比較例25〜33
製造例8で得られた未変性ポリブタジエンゴムA−1及び、製造例9〜12で得られた変性ポリブタジエンゴムB−1〜E−1を用い、表13に示す配合処方に従い、15種類のゴム組成物を調製した。これら15種類の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。結果を表13に示す。
次に、これら15種類のゴム組成物を図1に示すサイド補強層8及びビードフィラー7に配設して、それぞれタイヤサイズ215/45ZR17の乗用車用空気入りランフラットタイヤを常法に従って製造し、それら15種類のタイヤについてランフラット耐久性及び転がり抵抗を評価した。結果を表13に示す。
Figure 2014098162
[注]
*1.重合体(ポリブタジエン):製造例8で得られたポリブタジエンゴムA−1及び製造例9〜12で得られた変性ポリブタジエンゴムB−1〜E−1を用いた。
*2.カーボンブラック:FEF(N2SA(m2/g)=40(m2/g)旭カーボン(株)製 商標「旭#60」
*3.カーボンブラック:HAF{N2SA(m2/g)=77(m2/g)}旭カーボン(株)製 商標「旭#70」
*4.カーボンブラック:ISAF{N2SA(m2/g)=115(m2/g)}旭カーボン(株)製 商標「旭#80」
*5.軟化剤:アロマティックオイル、富士興産(株)製 商標「アロマックス#3」
*6.老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、精工化学(株)製 商標「オゾノン6C」
*7.加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製 商標「ノクセラーCZ」
表12及び13から明らかなように、本発明である実施例19〜27のタイヤは、使用する共役ジエン系重合体の活性末端に第一アミノ基を導入し、さらに変性反応後加水分解するか、あるいは変性反応の途中及び又は終了後に変性反応系に縮合促進剤を加え、さらに加水分解することにより、且つ窒素吸着比表面積の小さなカーボンブラックと組み合わせることによって、比較例23〜33のタイヤ対比、ランフラット耐久性及び転がり抵抗が飛躍的に向上した。
さらに、表12の製造例10で得られた変性重合体C−1(実施例20参照)は、製造例9で得られた変性重合体B−1(実施例19参照)と比較してVOCの揮発量が少ないので、工程作業性が良好であるのと同時に、環境への負荷が小さいことが明らかである。
また、実施例19と20、実施例22と23及び実施例25と26をそれぞれ比べて分かるように、変性重合体C−1は、変性反応後、縮合促進剤を加え、さらに加水分解(スチームストリッピング)しているが、変性重合体B−1は、変性反応後、縮合促進剤を加えず、加水分解(スチームストリッピング)しているため、タイヤ評価で、いずれも後者の方が優れている。
本発明の製造方法で得られた変性共役ジエン(共)重合体は乗用車用、軽自動車用、軽トラック用、トラック・バス用及びオフザロード用空気入りタイヤのキャップトレッド等のトレッド、サイドウォール、スティフナー(ビードフィラー)等の各種部材として好適に用いられる。また、ベルトコンベア、ホース等の各種工業用ゴム製品の各種部材として好適に用いられる。
また、本発明のゴム組成物は、その調製における混練り時等において、揮発性有機化合物(VOC)の発生量が少ない上、低発熱性(低燃費性)に優れ、例えばサイドウォール、サイド補強層やビードフィラー等のタイヤ部材として好適に用いられる。
さらに、特定の変性共役ジエン系重合体と特定のカーボンブラックを用いた本発明のタイヤは、乗用車用、軽自動車用、軽トラック用及びトラック・バス用空気入りタイヤとして、特に空気入りランフラットタイヤとして好適に用いられる。

Claims (23)

  1. 共役ジエン(共)重合体の分子末端に、シラノール基と、該シラノール基の近傍にある官能基であって、該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基とを有する変性共役ジエン(共)重合体であって、
    下記一般式(3)又は下記一般式(4)により表わされ、
    Figure 2014098162
    [式中、R1は単結合又は炭素数1〜20の二価の炭化水素基;R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の一価の炭化水素基;A3はシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基であり、mは1〜10の整数である]
    Figure 2014098162
    [式中、R4は単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基;R5及びR6はそれぞれ独立に単結合、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基;A4は単結合、炭素数1〜20の炭化水素基又はシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基;B及びDはそれぞれ独立にシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基を少なくとも一つ含む基であり;p及びqはそれぞれ独立に0〜5の整数であり、(p+q)が1以上であり、nは1〜10の整数である]
    一般式(3)又は一般式(4)において、前記シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基A3及びA4が、それぞれ独立に(チオ)エーテル結合、(チオ)ウレタン結合、イミノ結合及びアミド結合の中から選ばれる少なくとも一種の結合を有する二価の官能基、並びにニトリル基、ピリジル基、N−アルキルピロリドニル基、N−アルキルイミダゾリル基、N−アルキルピラゾリル基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、イソシアヌル酸トリエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸金属塩の残基、炭素数1〜20のカルボン酸無水物残基、炭素数1〜20のカルボン酸ハロゲン化物残基及び炭酸ジヒドロカルビルエステル残基の中から選ばれる官能基由来の二価の官能基からなる群から選ばれる少なくとも一種の二価の官能基であり、
    一般式(4)において、前記シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基を少なくとも一つ含む基B及びDが、それぞれ独立に第一アミノ基、第二アミノ基、保護された第一もしくは第二アミノ基、第三アミノ基、環状アミノ基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、アジリジニル基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基及びアミド基、(チオ)エポキシ基、グリシドキシ基、(チオ)イソシアネート基、ニトリル基、ピリジル基、N−アルキルピロリドニル基、N−アルキルイミダゾリル基、N−アルキルピラゾリル基、イミノ基、アミド基、ケチミン基、イミン残基、イソシアヌル酸トリエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル残基、炭素数1〜20の(チオ)カルボン酸金属塩の残基、炭素数1〜20のカルボン酸無水物残基、炭素数1〜20のカルボン酸ハロゲン化物残基、炭酸ジヒドロカルビルエステル残基及び一般式−E−F−Gで表わされる官能基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基[式中、Eはイミノ基、2価のイミン残基、2価のピリジン残基又は2価のアミド残基、Fは炭素数1〜20のアルキレン基、フェニレン基又は炭素数8〜20のアラルキレン基、Gは第一アミノ基、第二アミノ基、保護された第一もしくは第二アミノ基、第三アミノ基、環状アミノ基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、アジリジニル基、ケチミン基、ニトリル基、アミド基、ピリジン基又は(チオ)イソシアネート基である]である変性共役ジエン(共)重合体を含むゴム成分(A)と、そのゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜100m2/gであるカーボンブラック(B)10〜100質量部を含むことを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記共役ジエン(共)重合体が、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体又はスチレン−イソプレン−ブタジエン三元共重合体である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. さらに、縮合促進剤を含む請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 縮合促進剤が、変性共役ジエン(共)重合体の合成時及び/又はゴム組成物の調製時に加えられる請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 前記縮合促進剤が、金属元素を含むものである請求項3又は4に記載のゴム組成物。
  6. 前記金属元素を含む縮合促進剤が、周期律表の2族〜15族に属する金属の少なくとも一種を含有する化合物である請求項5に記載のゴム組成物。
  7. 前記金属元素を含む縮合促進剤が、Ti、Sn、Bi、Zr及びAlの中から選ばれる少なくとも一種を含み、かつ前記金属のアルコキシド、カルボン酸塩又はアセチルアセトナート錯塩である請求項6に記載のゴム組成物。
  8. 前記縮合促進剤の配合量が、ゴム成分100質量部に対し0.1〜10質量部である請求項3〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 前記ゴム成分が、変性共役ジエン(共)重合体10〜100質量%とジエン系ゴム90〜0質量%とからなる請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
  11. ビードコア、カーカス層、トレッドゴム層、インナーライナー、サイド補強層及びビードフィラーを具えるタイヤであって、該サイド補強層及び/又は該ビードフィラーに、請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物を用いてなるタイヤ。
  12. 変性共役ジエン(共)重合体が、共役ジエン系重合体の末端と第一アミノ基又は加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を有するアルコキシシラン化合物との変性反応により該末端に第一アミノ基又は加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体が導入され、さらに該変性反応の途中及び又は終了後に該変性反応系に縮合促進剤が加えられることにより得られる変性共役ジエン系重合体である請求項11に記載のタイヤ。
  13. 共役ジエン系重合体が、アルカリ金属化合物を開始剤とし、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをアニオン重合させて得られたものである請求項11又は12に記載のタイヤ。
  14. 共役ジエン系重合体のガラス転移温度が−30℃以下である請求項11〜13のいずれかに記載のタイヤ。
  15. 加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体を有するアルコキシシラン化合物が、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン又はN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシランである請求項12〜14のいずれかに記載のタイヤ。
  16. 縮合促進剤が、チタン、ジルコニウム、ビスマス、アルミニウム及びスズからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属を含有する、アルコキシド、カルボン酸塩、トリアルキルシロキサン又はアセチルアセトナート錯塩である請求項11〜15のいずれかに記載のタイヤ。
  17. 変性共役ジエン系重合体のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した変性前のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw)/(Mn)が1.02〜2.0である請求項11〜16いずれかに記載のタイヤ。
  18. 変性共役ジエン系重合体のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した変性前のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw)/(Mn)が1.02〜1.5である請求項17に記載のタイヤ。
  19. 変性共役ジエン系重合体の変性前の数平均分子量(Mn)が100,000〜500,000である請求項11〜18のいずれかに記載のタイヤ。
  20. 変性共役ジエン系重合体の変性前の数平均分子量(Mn)が120,000〜300,000である請求項19に記載のタイヤ。
  21. ゴム組成物が、ゴム成分中変性共役ジエン系重合体を52質量%以上含んでなる請求項11〜20のいずれかに記載のタイヤ。
  22. ゴム組成物が、ゴム成分中変性共役ジエン系重合体を55質量%以上含んでなる請求項21に記載のタイヤ。
  23. ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して硫黄を1〜10質量部配合してなる請求項11〜22のいずれかに記載のタイヤ。
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