JP2001302730A - ポリブタジエンゴム及びその組成物 - Google Patents

ポリブタジエンゴム及びその組成物

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JP2001302730A
JP2001302730A JP2000117560A JP2000117560A JP2001302730A JP 2001302730 A JP2001302730 A JP 2001302730A JP 2000117560 A JP2000117560 A JP 2000117560A JP 2000117560 A JP2000117560 A JP 2000117560A JP 2001302730 A JP2001302730 A JP 2001302730A
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polybutadiene
polymerization
boiling
rubber
hexane
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JP2000117560A
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Hiroyuki Nakamura
裕之 中村
Naomi Okamoto
尚美 岡本
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反発弾性など特性のバランスに優れたポリブ
タジエンゴムを提供する。 【解決手段】 還元比粘度が0.5〜4であるシンジオ
タクチック−1,2−ポリブタジエンを主成分とする沸
騰n−ヘキサン不溶分1〜30重量%と、高シス−1,
4−ポリブタジエンを主成分とする沸騰n−ヘキサン可
溶分70〜99重量%からなるポリブタジエンゴムであ
って、該沸騰n−ヘキサン不溶分の融点が130〜17
5℃であることを特徴とするポリブタジエンゴム。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリブタジエン
ゴムであって、自動車タイヤの部材に好適なものに関す
る。
【0002】
【従来技術】近年、自動車業界においては、省資源、省
エネルギーの観点から、乗用車の走行燃費を更に低減す
ることが検討されてきた。走行燃費の低減には自動車の
軽量化と走行抵抗の減少が有効であるが、そのために
は、タイヤそのものの軽量化とともに転がり抵抗の減少
が効果的である。そのため、タイヤの軽量化と転がり抵
抗の減少のための種々の方法が試みられてきた。
【0003】このため、近年、ゴムの硬度、弾性、耐摩
耗性、機械的性質、及び動的特性(発熱特性やtan
δ)を改良することが検討されてきた。このようなゴム
として、高シス−1,4−ポリブタジエン(以下「高シ
スポリブタジエン」)のマトリックス中にシンジオタク
チック−1,2−ポリブタジエン(SPBD)を分散さ
せた改良ポリブタジエンゴムが提案された(特公昭49
−17666号)。このポリブタジエンゴムは、SPB
Dが高シスポリブタジエンのマトリックス中に繊維状に
分散した構造を有しているため、従来のゴム、例えば高
シスポリブタジエン単味のゴム等と比較して硬度及び弾
性が高く耐屈曲亀裂成長性に優れているという特徴を有
している。
【0004】このため、この改良ポリブタジエンを用い
たタイヤ部材も各種提案されている。このようなものと
して、例えばトレッドに使用した例(特公昭63−13
55号)やサイドウォールに使用した例(特公昭55−
17059号)等がある。しかし、この改良ポリブタジ
エンも、最近の高度な省燃費の要求(例えばCAFE対
応)を満たす材料としては充分とは言えなかった。上記
公報などには、シンジオタクチック−1,2−ポリブタ
ジエンを主成分とする沸騰n−ヘキサン不溶分1〜15
重量%と、高シス−1,4−ポリブタジエンを主成分と
する沸騰n−ヘキサン可溶分85〜99重量%からなる
改良ポリブタジエンゴムが記載されている。しかし、S
PBDの融点が200℃前後と高いため、通常用いられ
る170℃程度の加硫温度では高シスポリブタジエンの
マトリックス中に分散しているSPBDが共加硫しにく
い問題があり、一層の改良が望まれている。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、従来の改良
ポリブタジエンゴムの長所をそのまま保持しつつ、反発
弾性など特性のバランスに優れたポリブタジエンゴムを
提供することを目的とする。
【0006】
【課題解決のための手段】本発明は、還元比粘度(13
5℃における濃度0.2g/dl・o−ジクロロベンゼ
ン)が0.5〜4であるシンジオタクチック−1,2−
ポリブタジエンを主成分とする沸騰n−ヘキサン不溶分
1〜15重量%と、高シス−1,4−ポリブタジエンを
主成分とする沸騰n−ヘキサン可溶分85〜99重量%
からなるポリブタジエンゴムであって、該沸騰n−ヘキ
サン不溶分の融点が130〜175℃であることを特徴
とするポリブタジエンゴム(VCR)に関する。また、
本発明は、上記のポリブタジエンゴム・・20重量%以
上、(b)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム(上記
のポリブタジエンゴムを除く)・・残部であるゴム組成
物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】沸騰n−ヘキサン不溶分の割合
は、1〜30重量%、好ましくは3〜15重量%であ
る。沸騰n−ヘキサン不溶分の割合が上記範囲より少な
いと、ポリブタジエンゴムの硬度、弾性率、及び破壊強
度が低下するという問題が生じる。一方、上記範囲より
多い場合はポリブタジエンゴムの配合物MLが高くなり
すぎ、加工性に難が生じる。ここで「配合物」とは、ポ
リブタジエンゴム或いはこのポリブタジエンゴムに他の
ジエン系ゴムを配合したゴム組成物にカーボンブラック
やプロセスオイル、加硫剤等を配合したものをいう。
【0008】沸騰n−ヘキサン不溶分は、o−ジクロロ
ベンゼン中で130℃で測定した粘度の値から計算した
還元粘度の値が0.5〜4の範囲にあることが必要であ
る。還元粘度が0.5よりも小さいと、沸騰n−ヘキサ
ン不溶分が沸騰n−ヘキサン可溶分中に繊維状に分散し
ないので、得られるポリブタジエンゴムの硬度や弾性、
耐屈曲性が低下するという問題が起こる。一方、還元粘
度が4を超えると、沸騰n−ヘキサン不溶分は沸騰n−
ヘキサン可溶分中で凝集塊を形成するようになり、分散
不良を起こし易くなるので、ポリブタジエンゴムの加工
性や耐久性が低下するという問題が生じる。
【0009】本発明の沸騰n−ヘキサン不溶分はシンジ
オタクチック−1,2−ポリブタジエンを主成分とする
ものである。シンジオタクチック−1,2−ポリブタジ
エンの融点は、130〜175℃、好ましくは140〜
160℃、特に好ましくは140〜150℃である。加
硫温度よりも融点が低いことが好ましい。上記範囲内で
あると、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン
が部分的に溶融して、マトリックス部分の高シス−1,
4−ポリブタジエンと共加硫して補強効果が増大する。
融点が上記の範囲よりも高いと、シンジオタクチック−
1,2−ポリブタジエンが加硫工程で溶融しにくく、高
シス−1,4−ポリブタジエンと共に加硫しにくい。ま
た、上記範囲よりも融点が低いと、シンジオタクチック
−1,2−ポリブタジエンが加硫時に溶融するため、補
強効果が現われにくい。
【0010】沸騰n−ヘキサン可溶分の割合は、99〜
70重量%、好ましくは97〜85重量%である。沸騰
n−ヘキサン可溶分は、ムーニー粘度(ML1+4 、10
0℃、以下「ML」と略す)が10〜130であること
が好ましく、特に15〜80であることが好ましい。M
Lが上記範囲の未満の場合は、得られるポリブタジエン
ゴムの耐久性が悪化するという問題が生じる。一方、M
Lが上記の範囲を超える場合は、配合物のムーニー粘度
が高くなり過ぎ、加工が困難になるという問題が起こ
る。又、配合ゴムの流動性も悪化する。
【0011】更に、沸騰n−ヘキサン可溶分は、それ自
体のトルエン溶液粘度(t−cp)が、50〜150で
あることが好ましく、80〜150であることが特に好
ましい。t−cpが上記範囲の未満の場合は、得られる
ポリブタジエンゴムを用いたタイヤの燃費性が悪化する
という問題が生じる。一方、t−cpが上記の範囲を超
える場合は、配合物のMLが上昇して加工が困難になる
という問題が起こる。
【0012】沸騰n−ヘキサン可溶分の主成分である高
シス−1,4−ポリブタジエンのシス構造は、90%以
上が好ましく、特に95%以上が好ましい。シス構造が
上記以下であると燃費性の低下などの問題がある。
【0013】以下、本発明のポリブタジエンゴムの製造
法について説明する。製造法には、例えば二段重合法が
ある。
【0014】二段重合法とは、1,3−ブタジエンを最
初にシス−1,4−重合して高シス−1,4−ポリブタ
ジエンとし、次いで重合系にシンジオタクチック−1,
2重合触媒を投入して残余の1,3−ブタジエンを1,
2重合させるというものである。1,4−重合触媒、及
びシンジオタクチック−1,2−重合触媒には、公知の
ものを使用することができる。1,4−重合触媒の例と
しては、ジアルキルアルミニウムクロライド−コバルト
系触媒やトリアルキルアルミニウム−三弗化硼素−ニッ
ケル系触媒、ジエチルアルミニウムクロライド−ニッケ
ル系触媒、トリエチルアルミニウム−四沃化チタニウム
系触媒、等のチーグラー・ナッタ型触媒、及びトリエチ
ルアルミニウム−有機酸ネオジウム−ルイス酸系触媒等
のランタン系列希土類元素系触媒等を挙げることができ
る。
【0015】シス−1,4重合の触媒で用いられるジア
ルキルアルミニウムクロライド−コバルト系触媒系のコ
バルト化合物としては、コバルトの塩や錯体が好ましく
用いられる。特に好ましいものは、塩化コバルト、臭化
コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテ
ン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコ
バルト塩や、コバルトのビスアセチルアセトネートやト
リスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステル
コバルト、ハロゲン化コバルトのトリアリールフォスフ
ィン錯体、トリアルキルフォスフィン錯体、ピリジン錯
体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、もしくはエチルア
ルコール錯体等が挙げられる。
【0016】ジアルキルアルミニウムクロライドとして
は、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルア
ルミニウムモノブロマイド、ジブチルアルミニウムモノ
クロライドが挙げられる。
【0017】コバルト化合物の使用量は、ブタジエン1
モルに対し、通常、コバルト化合物が1×10-7〜1×
10-4モル、好ましくは1×10-6〜1×10-5モルの
範囲である。
【0018】ジアルキルアルミニウムクロライドの使用
量は、ブタジエン1モルに対し、1×10-5〜1×10
-1モルの範囲の範囲にあることが好ましい。
【0019】本発明においては、重合時に公知の分子量
調節剤、例えば、シクロオクタジエン、アレンなどの非
共役ジエン類、またはエチレン、プロピレン、ブテン−
1などのα−オレフィン類を使用することができる。
【0020】重合温度は−30〜100℃の範囲が好ま
しく、30〜80℃の範囲が特に好ましい。重合時間は
10分〜12時間の範囲が好ましく、30分〜6時間が
特に好ましい。また、重合圧は、常圧又は10気圧(ゲ
ージ圧)程度までの加圧下に行われる。
【0021】シス−1,4重合後のポリマー濃度は5〜
26重量%となるようにシス−1,4重合を行うことが
好ましい。重合槽は1槽,又は2槽以上の槽を連結して
行われる。重合は重合槽(重合器)内にて溶液を攪拌混
合して行う。重合に用いる重合槽としては高粘度液攪拌
装置付きの重合槽,例えば特公昭40−2645号に記
載された装置を用いることができる。
【0022】シンジオタクチック1,2−重合触媒の例
としては、コバルト化合物−トリアルキルアルミニウム
化合物−二硫化炭素系触媒系(特公昭47−19892
号)などを挙げることができる。重合温度、重合溶媒等
も公知の方法に従って適宜設定できる。
【0023】具体的には、前記のシス−1,4重合反応
混合物にトリアルキルアルミニウム化合物と二硫化炭
素,必要なら前記のコバルト化合物を添加して1,3−
ブタジエンを1,2重合して沸点n−ヘキサン可溶分9
9〜70重量%とH.Iが1〜30重量%とからなるV
CRを製造する。
【0024】トリアルキルアルミニウム化合物としては
トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,ト
リイソブチルアルミニウム,トリn−ヘキシルアルミニ
ウム,トリフェニルアルミニウムなどを好適に挙げるこ
とができる。有機アルミニウム化合物は1,3−ブタジ
エン1モル当たり0.1ミリモル以上,特に0.5〜5
0ミリモル以上である。二硫化炭素の濃度は20ミリモ
ル/L以下,特に好ましくは0.01〜10ミリモル/
Lである。二硫化炭素の代替として公知のイソチオシア
ン酸フェニルやキサントゲン酸化合物を使用してもよ
い。
【0025】1,2重合する温度は0℃を超える温度〜
100℃,好ましくは10〜100℃、更に好ましくは
20〜100℃までの温度範囲で1,3−ブタジエンを
1,2重合する。1,2重合する際の重合系には前記の
シス重合液100重量部当たり1〜50重量部,好まし
くは1〜20重量部の1,3−ブタジエンを添加するこ
とで1,2重合時の1,2−ポリブタジエンの収量を増
大させることができる。重合時間(平均滞留時間)は1
0分〜2時間の範囲が好ましい。1,2重合後のポリマ
ー濃度は9〜29重量%となるように1,2重合を行う
ことが好ましい。重合槽は1槽,又は2槽以上の槽を連
結して行われる。重合は重合槽(重合器)内にて重合溶
液を攪拌混合して行う。1,2重合に用いる重合槽とし
ては1,2重合中に更に高粘度となり,ポリマーが付着
しやすいので高粘度液攪拌装置付きの重合槽,例えば特
公昭40−2645号公報に記載された装置を用いるこ
とができる。
【0026】融点を調整するためには、第四成分として
種々の有機化合物を重合系に添加することができる。こ
れらの有機化合物は、融点を低下させる以外にも、場合
によっては、重合活性が向上することがある。
【0027】これらの化合物の具体例として、塩化メチ
レン、二塩化メチレン、クロルベンゼンなどのハロゲン
化炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル、オクチル酸エ
チル、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクトンなどの
エステル系化合物、メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、2−エチル−ヘキサノール、エチレン
グリコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、アセトフェノン、アセチルアセトンなどのケ
トン類、アセトニトリル、アジポニトリル、ベンゾニト
リルなどのニトリル類、ε−カプロラクタム、プロピオ
ラクタム、バレロラクタム、N−メチルプロリドンなど
のアミド化合物等が挙げられる。
【0028】これらの化合物の添加量は、コバルト1グ
ラム原子当たり、必要に応じて0.1〜10000モ
ル、好ましくは1〜500モルである。これらの化合物
の添加により生成する結晶性1,2−ポリブタジエンの
融点を80〜200℃の範囲で制御できる。一般に、添
加量が増えると、生成する結晶性1,2−ポリブタジエ
ンの融点が低下する傾向を示す。
【0029】重合反応は,重合溶媒として不活性有機溶
媒を使用してもよく、不活性有機溶媒の例としては、ブ
タン、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素、ト
ルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素、
これらの炭化水素のハロゲン化物が挙げられる。重合反
応は水分および酸素を実質的に絶った状態で行われる。
本発明における重合温度は、通常0〜150℃であり、
好ましくは0〜100℃である。
【0030】本発明のポリブタジエンゴムは、このほか
ブレンド法によっても製造できる。ブレンド法とは、予
め高シス1,4−ポリブタジエンとシンジオタクチック
1,2−ポリブタジエンを別々に重合しておき、各々の
重合溶液をブレンドするというものである。このほか、
高シス1,4−ポリブタジエンの重合溶液に固体状のシ
ンジオタクチック1,2−ポリブタジエンをブレンドす
る等の方法も可能である。
【0031】本発明のポリブタジエンゴムは、高シスポ
リブタジエンゴムや低シスポリブタジエンゴムやスチレ
ン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、及
び天然ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種類の
ゴムを配合した組成物としてタイヤのベーストレッドや
サイドウォール、或いはビードフィラーに好ましく用い
得る。但しこの組成物は本発明のポリブタジエンゴムを
20重量%以上含有することが望ましい。
【0032】
【実施例】以下の実施例および比較例において、ポリブ
タジエンゴム及びその組成物について以下の各項目の測
定は、次のようにして行った。
【0033】n−ヘキサン不溶分の還元粘度:ポリブタ
ジエンゴム25gを沸騰n−ヘキサン1000ml中で還
流し、沸騰n−ヘキサン不溶分と可溶分とに分離した。
得られた沸騰n−ヘキサン不溶分0.2gをo−ジクロ
ロベンゼン100ccに溶解し、135℃の温度でウベ
ローデ粘度計にて測定した。
【0034】n−ヘキサン不溶分の融点は、示差走査熱
量計(DSC)の吸熱曲線のピークポイントにより決定
した。
【0035】n−ヘキサン可溶分のミクロ構造は、上記
の方法で得られた沸騰n−ヘキサン可溶分について、赤
外線吸収スペクトル法(モレロ法)によってシス−1,
4構造の割合を定量した。
【0036】n−ヘキサン可溶分のトルエン溶液粘度
(T−cp)は、上記の方法で得られた沸騰n−ヘキサ
ン可溶分を5重量%になるようにトルエンに溶解して、
キャノンフェンスケ粘度計を25℃で測定した。
【0037】n−ヘキサン可溶分及び配合物のムーニー
粘度は、JIS−K−6300に規定されている測定方
法に従って測定した。
【0038】加硫物の硬度、反発弾性及び引張強度は、
JIS−K−6301に規定されている測定法に従って
測定した。
【0039】加硫物の動的粘弾性のtanδは、レオメ
トリックス社製RSA2を用いて、温度70℃、周波数
10Hz、動歪2%の条件で測定した。
【0040】発熱特性 グッドリッチフレクソメーター
を用い、ASTM D623に従い、歪み0.175イ
ンチ、荷重55ポンド、100℃25分の条件で測定し
た。
【0041】
【実施例】(実施例1〜2) (高シスポリブタジエンの製造法)空気を窒素ガスで置
換した容量1.5Lのオートクレーブに、脱水ベンゼン
とC 4留分の混合溶液670mLを入れ、1,3−ブタ
ジエン214gを溶解した。これにジエチルアルミニウ
ムクロライド2.6mmolを加え、1分後に分子量調
節剤1,5−シクロオクタジエン0.9gを加え、50
℃に昇温後、コバルトオクトエート0.004g加え、
30分間攪拌することで、1,3−ブタジエンの重合を
行って、得られた高シスポリブタジエンの生成液に2、
4−ジターシャルブチル−p−クレゾールをゴムに対し
て1PHR加えて、反応を停止した。高シスポリブタジ
エンのムーニー粘度は45、5wt%トルエン溶液粘度
は128であった。
【0042】(シンジオタクチック1,2−ポリブタジ
エンの製造法)空気を窒素ガスで置換した容量1.5L
のオートクレーブに脱水ベンゼン760mLを入れ、
1,3−ブタジエン74gを溶解した。これにコバルト
オクトエート1mmol(濃度1mmol/mlのベン
ゼン溶液を使用)を加え、1分後にトリエチルアルミニ
ウム2mmol(濃度1mmol/mlのベンゼン溶液
を使用)を加え、攪拌し、次いで1分後に750mmo
lのアセトンを添加し、更に1分後、二硫化炭素0.6
mmol(濃度0.3mmol/mLのベンゼン溶液を
使用)を添加し、10℃で60分間攪拌し、1,3−ブ
タジエンの重合を行って、得られたSPBD生成液に
2、4−ジターシャルブチル−p−クレゾール0.75
gを加えて、反応を停止した。SPBDの融点は140
℃、ηsp/cは1.4であった。
【0043】ベンゼン880ml中に上記の高シスポリ
ブタジエンを均一になるまで溶解し、その中に上記で得
られたSPBD生成液を添加して、沸騰n−ヘキサン不
溶分(H.I)が所定の量になるように調整した。調整
後、未反応1,3−ブタジエン、C4 留分、ベンゼンを
蒸発除去し、ポリブタジエンゴム(VCR)を得た。
【0044】(比較例1〜2)実施例1において、アセ
トンを添加しなかった以外は、同様にして、SPBDの
融点が202℃のVCRを製造した。
【0045】(比較例3)SPBDを含有しない実施例
1の高シスポリブタジエンを用いた。実施例及び比較例
で得たれたポリブタジエンを表1に示した配合処方に従
ってバンバリーミキサーにて一次配合した。得られた配
合物に硫黄及び加硫促進剤オーブンロールで二次配合し
て170℃でプレス加硫した。
【0046】
【表1】 表2にポリブタジエンゴムの物性、及び表3に加硫物の
物性をまとめて示した。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明により、低燃費性、低発熱性など
の特性が優れた補強ポリブタジエンを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC01X AC03X AC04W AC05W AC06X AC08X BB18X GN01 4J026 HA15 HA27 HB15 HB27 HB44 HE01 4J100 AS02P CA01 CA12 CA15 DA09 DA40 JA29

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元比粘度(135℃における濃度0.
    2g/dl・o−ジクロロベンゼン)が0.5〜4であ
    るシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを主成
    分とする沸騰n−ヘキサン不溶分1〜30重量%と、高
    シス−1,4−ポリブタジエンを主成分とする沸騰n−
    ヘキサン可溶分70〜99重量%からなるポリブタジエ
    ンゴムであって、該沸騰n−ヘキサン不溶分の融点が1
    30〜175℃であることを特徴とするポリブタジエン
    ゴム。
  2. 【請求項2】 (a)請求項1に記載のポリブタジエン
    ゴム・・20重量%以上、(b)天然ゴム及び/又は請
    求項1を除くジエン系合成ゴム・・残部であるゴム組成
    物。
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Cited By (13)

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