JPS6332888B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は精紡上りの管糸を次工程のワインダー
へ搬送供給する管糸搬送システムに関する。

一般に精紡上りの管糸はワインダーのマガジン
ボツクスにいつたん貯溜され、ワインデイングユ
ニツトの要求によつて上記マガジンボツクスから
一本の管糸が切出されて上記ユニツトに供給され
る。又ワインダーには大きく分けて複数のユニツ
トが円形又はだ円形に配置されてユニツトが巡回
するタイプと複数のユニツトが直線的に固定設置
されたタイプとがあり、巡回型ワインダでは特定
位置に設けられるマガジンに多数の管糸を収容し
ておき、管糸要求のあるユニツトが巡回中上記マ
ガジン位置に来た時巡回動作が一時的に停止さ
れ、当該ユニツトに上記マガジンより一本の管糸
を供給するタイプのものである。

一方ユニツト固定型のワインダにおいては、多
数固定設置されたワインデイングユニツトの各ユ
ニツトが複数の管糸を収納しておくマガジンボツ
クスを保有しており、各ユニツトが管支要求すれ
ば直ちに上記マガジンより一本の管糸が切出され
て供給するタイプである。

上記いずれのタイプのワインダにしてもマガジ
ンボツクスに管糸を補給する作業が必要で、作業
者が行うか、自動的機械的に行うかの区別はある
にしても精紡上りの管糸をマガジン近傍まで搬送
しておくことが前提となる。

精紡機から玉揚された管糸をワインダーまで搬
送する手段として、種々の装置が提案されてい
る。搬送方法としては(イ)管糸箱に多重の管糸を収
容し、作業者またはコンベア、クレーン等の搬送
手段によつて搬送する方法、(ロ)精紡機とワインダ
に備えられる自動管糸供給装置をコンベアで接続
し、該コンベア上に管糸を横たえて移送する方
法、(ハ)上記コンベアにペツグを固着し、該ペツグ
に管糸を直立に挿着して移送する方法等様々な方
法が用いられている。

しかしながら、上記いづれの方法も、多くの労
力、設備がかかり、また管糸を箱詰めにして移送
する場合は、移送中に管糸表面が毛羽立つたり糸
層がくずれたり、あるいは糸端が絡み合い口出し
が困難になるなどの欠点がある。

また、コンベア上のペツグに挿入して移送する
降も自動管糸供給装置へ投入する時は管糸をペツ
グから抜き取る必要があり、自動化しようとすれ
ば抜き取り用のマシンハンドを備えなければなら
ないし、また管糸投入の際に上述した如く管糸の
糸層同士の接触によつて、毛羽立ち糸層のくず
れ、損傷等を招く恐れがある。

本発明は上記種々の問題点を解決するためにな
されたもので、従来の搬送システムと全く異な
り、しかも精紡機とワインダーを直結し、ワイン
デイングユニツトへの管糸供給が極めて簡単か
つ、管糸の糸層を他の部分と全く接触することな
く搬送供給できるシステムを提供するもので、前
述のユニツト巡回タイプ、ユニツト固定タイプの
いづれのワインダーにも適用できるものである。

即ち、本発明は精紡機とワインダーが搬送路例
えば、コンベアベルトによつて閉ループを形成
し、該コアベア上に載置移送される個々に独立し
たトレイに管糸を挿立し、該トレイに挿立した管
糸を直立した状態で互いの管糸は干渉することな
く上記閉ループに沿つて巡回させ、巡回の途次即
ち、各ワインデイングユニツトの定位置に到つた
時には該位置において通常の巻取を行い得るよう
にしたもので、以下ユニツト固定型のワインダー
に適用した実施例を図面に従つて詳述する。

第１図は精紡機１とワインダー２をコンベア３
を介して閉ループを形成したレイアウトの実施例
を示す。即ち、精紡機１は例えばリング精紡機が
用いられ、多数のユニツトが背中合わせにかつ並
置されており、紡出される糸はボビン４に巻取ら
れる。精紡機１に沿つて、矢印方向に回動する管
糸搬送コンベア５ａ，５ｂおよび空ボビン供給コ
ンベア６が付設される。該コンベア５ａ，５ｂ，
６を含み後述するコンベアは例えば平ベルト式の
コンベアが使用される。

なお、上記精紡機における管替え即ち、トレイ
上の空ボビンと精紡機のスピンドル上の満管糸を
入替える方法については、例えば特開昭54−
50631号明細書に記載の方法によつて行われる。
即ち、精紡機のスピンドルの下方においてスピン
ドルの配列方向に延びて設けられたコンベア５
ａ，５ｂ上において、該コンベア上を移送されて
くる空ボビンを挿着したトレイをスピンドルと同
一ピツチで位置決め停止させ、上記明細書記載の
管替装置によつて複数錘における管替が一斉に行
われる。

またコンベア７，８は精紡機１とワインダ２を
結ぶコンベアで、コンベア７は精紡上りの満管糸
を搬送し、上記コンベア７に並設されたコンベア
８はワインダ２から排出される空ボビンを精紡機
１へ搬送するコンベアである。

一方ワインダー２側においては、精紡機１から
移送されてくる満管糸を各ワインデイングユニツ
ト９へ供給するため管糸供給コンベア１０がワイ
ンダー１の一側に設けられる。

また、ワインダー１の他側にはユニツで巻取の
終了した空ボビンを排出、搬送する空ボビン搬送
コンベア１１が付設され、それぞれコンベア７，
８に接続される。

従つて、精紡機１とワインダー２が管糸供給用
コンベア５ａ，７，１０と空ボビン搬送用コンベ
ア６，８，１１とによつて閉ループを形成し、管
糸および空ボビンは該ループに沿つて搬送される
のである。

上記の如きコンベア群によつて搬送される管糸
および該ボビンは、第２図、第３図に示す搬送媒
体（以下トレイと称す）によつて搬送される。

即ち、トレイ１２はコンベア上に載置される円
盤状基体１３と該基体１３上面に形成される円盤
状台部１４と該台部上に直立するペツグ１５とが
一体的に成形または固着されたもので内部底面は
開口部１６を有し、ペツグ１５の中空内部１７と
連通し、かつ上記ペツグ１５の円錐形頂部１８の
斜面にはエア噴出用の孔１９が穿設されたもので
ある。また上記ペツグ１５の直径はボビン２０の
内径d₂にほぼ等しく、またペツグの長さは満管糸
を挿入した際、満管糸を直立に保持可能な長さと
され、勿論管糸の大きさによつて最適な長さが設
定される。

さらに上記円盤状基体１３の直径D₁は挿着さ
れる満管糸の最大外径即ち糸層、外径d₁より少く
とも大きい径とされ、トレイによる管糸搬送中に
管糸が互いに接触することがない。従つて管糸２
０は互いに独立してかつ垂直に保持されて搬送さ
れる。

なお、糸結びの際に管糸側から引出される糸端
Y₁は第３図のようにボビン２０の中心孔２１内
へ挿入垂下された状態でワインデイングユニツト
に供給され糸結び時にはワインデイングユニツト
の所定位置のノズル２２より噴出するエアがトレ
イ１３内部からペツグ１５の孔１６よりボビン中
心孔２１内へ噴出することにより垂下した糸端
Y₁が孔２０より上方へ吹上げられ待機するサク
シヨンアームに吸引把持されるようになつてい
る。

以上のようなトレイによつて搬送される管糸を
ワインデイングユニツトへ供給する装置の実施例
を次に説明する。

第４図、第５図に本発明システムに適用される
ワインデイングユニツト９が示される。即ち第４
図において各サイドフレーム２３間に支軸２４お
よび吸引パイプ２５が架設され、ワインデイング
ユニツト９が上記支軸２５上にて旋回可能に支持
され、自動ワインダー稼動中は上記ユニツト９は
吸引パイプ２５にも載置されて適宜固定される。

なお吸引パイプ２５は図示しないブロアに接続
されて常時吸引気流が作用している。

上記ワインデイングユニツトにおける管糸２６
からパツケージ２７への糸の巻取りはトレイ１２
上の管糸２６から引出される糸がバルンプレーカ
２８、ヤーンガイド２９を経てテンサー３０によ
り適当な張力が付与され、スラブキヤツチヤ３１
を経てワインデイングドラム３２により回転する
パツケージ２７に巻取られる。

このとき、糸条中のスラブをスラブキヤツチヤ
３１が検出すると、スラブキヤツチヤ３１近傍に
設置されるカツターが作動して走行糸Ｙを切断
し、巻取りが停止される一方、第１のサクシヨン
アーム３３が作動してパツケージ２７側の糸を第
２のサクシヨンアーム３４が管糸２６側の糸を通
常の糸走行路Ｙより離れた位置に設置されるノツ
タ３５に導き、該ノツタ３５で糸結びされた後、
再び巻取りが開始される。

このようなワインデイングユニツト９が第４図
紙面直角方向に多数並置されて一台の自動ワイン
ダーを構成する。

上記ワインデイングユニツト９の糸走行路Ｙ側
をユニツト前面とすると、反対側のユニツト背部
下部にはユニツトに沿つて走行する管糸供給用コ
ンベアベルト１０が設けられており、ユニツト前
面下部には同じくユニツトに沿つて空ボビン搬出
用コンベアベルト１１が設置され、上記コンベア
ベルト１０，１１間にはトレイ移送通路３６が形
成される。

即ち、管糸供給用コンベア１０および空ボビン
排出用コンベア１１間には第５図の如くトレイ１
２の通路を形成すべく第１、第２のガイド板３
７，３８がユニツト機台に固定される。即ち第１
ガイド板３７の凹状湾曲ガイド面３９と第２ガイ
ド板３８の凸状湾曲ガイド面４０によつて巾Ｓの
搬入通路４１が構成され、該通路下面はフリー回
転する円板４２とされ、該円板４２上にトレイ１
２がコンベア１０より移載されると共に円板の矢
印Ａ方向の回転によつてトレイ１２は通路４１に
沿つて移送される。

上記円板４２は第６図においてユニツト９側面
に固定されたブラケツト４３に軸支４４され該軸
４４は水平面に対して若干傾斜して固定され、従
つてベアリング４５を介して自由回転する円板４
２上のトレイ１２は軸４４の傾斜角分だけ鉛直線
に対して傾斜することになる。即ちトレイ１２上
の管糸２６の中心軸を糸の解舒方向に傾斜させて
解舒性を高めるためである。さらに上記第１、第
２のガイド板３７，３８の湾曲ガイド面３９，４
１は管糸の糸出し位置Ｐでいつたん終わり、続く
同巾Ｓの空ボビン排出用通路４６を構成するガイ
ド面４７，４８が各ガイド板３７，３８に形成さ
れている。

上記排出用通路下面はブラケツトに固定した平
板４９が円板４２上面と同一平面を形成する如く
傾斜させて固定される。なお、円板４２と平板４
９間には隙間５０が形成され管糸の糸引出し位置
とされ、下方に配置したエア噴出ノズル２２から
噴出されるエアの通路とされる。

さらに上記円板４２はその外周５１と外周から
一定距離ｌをおいた仮想円弧５２とで形成される
環状帯部分５３が円板の回転の際、コンベアベル
ト１０の側部上面に圧接する如く、配置されてお
り、コンベアベルト１０の走行力によつて円板４
２が回転し、従つてコンベアベルト１０は管糸の
搬送と共に円板４２の駆動源としての作用を有す
る。

また、コンベアベルト１０の各ユニツト位置に
はトレイを通路４１へ導く第３のガイド板５４が
固定される。

ガイド板５４はトレイ１２の基本１３の少くと
も厚さｔ分以上の距離をコンベア１０面間に有し
てコンベア側部からコンベア中央部へ突出する如
く固定され、直線ガイド面５５と該ガイド面５５
に続く湾曲ガイド面５６が対置される第２のガイ
ド板３８のガイド面５７と共に通路５８を構成す
る。また、第３のガイド板５４のガイド面５９は
通路４１内に所定量の管糸が貯留された後、さら
に搬送されてくる管糸を当該ユニツト位置を通過
させるためのガイドである。

なお、上記各通路５８，４１，４６の巾Ｓはト
レイ１２の台部１４の直径ｄより若干大きい程度
に、高さｈはトレイ１２の基体１３の厚さｔより
若干大きい程度に規制される。

６０は固定板４９に軸支された管糸の位置決め
および排出用旋回レバーで、軸６１を中心に第５
図二点鎖線位置６０ａと実線位置６０間を旋回す
る。

該レバー６０の軸６１も上記円板４２の軸４４
と同角度傾斜してレバー６０のガイド面６２，６
３，６４は円板４２と平行平面内を旋回し、トレ
イ１２の台部１４に当接する。

上記レバー６０のフツク部６５が実線位置の時
通路４１内へ突出してトレイ１２の台部１４に当
接して管糸を位置決めする。該フツク部６５のガ
イド面６２に続く湾曲ガイド面６３は巻取位置の
トレイ１２を押出し通路４６に沿つて排出するガ
イド面であり、さらに軸６１を中心とした円弧の
一部であるガイド面６４は巻取位置のトレイを排
出した際、次の新管糸を挿着したトレイ１２の移
送を阻止するためのガイド面である。

なお上記レバー６０の駆動はワインデイングユ
ニツト側の新管糸供給指令によつて作動する図示
しないロツドを介して第６図のレバー６６が作動
し連結ロツド６７を介して軸６１が回転すること
により行われる。

さらに上記レバー６０の上方を旋回自在なバル
ーンガイド６８が軸支６９される。該バルーンガ
イド６８はアーム７０先端に曲面板７１を植立固
着したもので、スプリング７２によつて第５図時
計針方向に付勢され、ユニツトの巻取動作中バル
ーンガイド６８は第５図、第６図の実線位置に位
置決めされ、管糸２６の引出し糸のバルーンが通
路４１中に待機する次の管糸に接触しないように
なつている。

上記バルーンガイド６８の位置決めはスプリン
グ付勢されたアーム７０の側面が管糸排出用レバ
ー６０端部のストツパ７３に当接することにより
なされる。

従つてレバー６０が第６図示の二点鎖線位置６
０ａまで旋回した時、バルーンガイド６８は軸６
９を中心に、レバー６０の旋回に追従して時計針
方向に旋回し、即ちアーム７０が二点鎖線位置の
ストツパ７３ａに当接する位置まで旋回し、曲面
板７１が通路４１上より退き、新管糸を挿立した
トレイ１２が糸供給位置Ｐへ移送される。

以上のような管糸供給装置において、コンベア
ベルト１０上を移送されるトレイ１２には精紡上
りの管糸２６が挿着されており、ワインデイング
ユニツトに対応して設けられた第５図示のガイド
５４に当接すると、通路５８に沿つてトレイ１２
が移送された基体底面が円盤４２上に移載され、
円盤４２の矢印Ａ方向の回転により、トレイ１２
は通路４１に沿つて移送され、該通路の屈曲部の
フツク６５に係止して停止する。

このようにしてコンベアベルト１０上を矢印７
４方向に移送される管糸を有するトレイ１２が所
定量（第５図では３個）貯留されると後続のトレ
イは通路５９を経てトレイ１２の基体１３に当接
阻止され、ベルト１０との接触面が大きく従つて
摩擦力が大きく作用して通路４１入口のトレイ１
２はガイド面５９に沿つて進みコンベアベルト１
０によつて次のワインデイングユニツトへ移送さ
れる。

従つてコンベアベルト１０を巡回走行させてお
けば全てのユニツトに所定個数の管糸が供給され
ることになる。

第４図の定位置に位置決めされた管糸２６から
糸を引出し、巻取りを開始する工程は概略次の順
序で行われる。

即ち、定位置のトレイ１２下方にはエア噴出ノ
ズル２２が配置されており、該ノズル２２から噴
出するエアが上述した如くトレイのペツグに穿設
した孔より管糸のボビン２０中心孔へ噴出し、ボ
ビン中心孔２０内に垂下している糸端Y₁を吹上
げ上方の円筒状バルーンブレーカ２８を通つて糸
端上端が吹き上げられる。

一方ワインデイングユニツト側からは第２のサ
クシヨンアーム３４が第４図二点鎖線位置３４ａ
近傍にいたり、バルーンブレーカ２８を通つて吹
上げられている糸端を上記サクシヨンアーム３４
ａが吸引保持する。管糸側糸端を吸引したサクシ
ヨンアーム３４は軸３４ｂを中心に反時計針方向
に旋回すると共に、パツケージ２７側の糸端を吸
引保持した第１のサクシヨンアーム３３が軸３３
ｂを中心に時計針方向へ旋回し、互いの糸端を交
叉させてノツタ３５へ導入し、糸結びが行われ、
その後通常の巻取りが開始される。

糸供給位置の管糸に糸がなくなれば、ユニツト
側の検出装置が作動し、空ボビンの排出指令を発
し、第６図示の排出レバー６０作動用ロツド６７
が作動し、排出レバー６０は第５図示の二点鎖線
位置６０ａへ旋回して空ボビンを有するトレイ１
２を第４図示の如く空ボビン移送用コンベアベル
ト１１上へ排出し、排出レバー６０の元位置復帰
に伴い次の新管糸を有するトレイ１２ｂが通路４
１に沿つて移動し、所定の糸供給位置Ｐへ位置決
めされる。

なお、精紡上りの管糸は通常ボビンの一端に尻
糸が巻付けてあり、管糸の口糸引出し用に別に口
出し装置が各ワインダーに設けられている。第７
図、第８図に口出し装置の概略構成と口出し工程
を示す。

即ち第７図は管糸の口出し装置７５１ユニツト
を示しており、回転円盤７６の中央に固定配置さ
れた円柱摩擦板７７によつて各口出し装置が作動
する。

即ち回転円盤７６には軸７８中心に旋回固定可
能なトレイ固定片７６が設けられ、コンベアベル
ト８０によつて移送されるトレイ１２を受入れ固
定する。

さらに回転盤７６には管糸２６を回転させるフ
リクシヨンホイール８１が旋回レバー８２に軸支
され、レバー８２は軸８３を介して該軸８３を中
心に旋回するレバー８４に従動する。

またフリクシヨンホイール８１の回転は摩擦板
７７に接触回転するフリクシヨンローラ８５によ
りチエーン、ベルト８６等を介して駆動される。

また尻糸巻付部分に接離し、バンチ解除を容易
にするためのブラシ８７が旋回レバー８８に固定
され、該レバー８８はカム８９とカムレバー９０
とにより接離する。９１は解離された糸を吸収す
るサクシヨンマウスで、長手方向にスリツトが形
成され、吸引した糸を管糸上方へガイドするもの
である。この時余分な糸引出しを防止するために
ブラシ９２がボビン２０に接触する如く設けられ
る。該ブラシ９２の接離も上記ブラシ８７の駆動
と同様にして行われる。

さらに、上方へ引出された糸を切断するための
カツタ９３が設けられ、該カツタ９３は固定刃９
４に対して可動刃９５が回動することによつて切
断する通常のカツタ装置でよく取付位置は管糸の
軸心上にあり、引出された糸がサクシヨンマウス
のスリツトに沿つて上方へガイドされた時に糸が
上記刃９４，９５の間に進入する位置であり、カ
ツタの作動はロツド９６レバー９７等を介して固
定円柱７７上のカム９８に係合するカムレバー９
９によつてタイミングをとりつつ作動する。

さらに、カツタが動作するカムに対応する位置
には、カツトした糸端をボビンの中心孔に吸引す
べくサクシヨンノズル（第８図１００）が回転円
盤の下方に設けられ、回転円盤に穿設された孔を
通つてトレイの下面中空部に挿入されるか、予め
回転円盤の各トレイ固定位置にサクシヨンノズル
を配置しておき、カツタ動作時にのみサクシヨン
力を作用させ得るようにすることも可能である。

このような口出し装置７５が第１図に示す位
置、即ちワインダー１の側部に設けられる。トレ
イ受入れ位置１０１から回転円盤７６は矢印１０
２方向に徐々に回転しつつ第８図示の動作を行
い、約１回転したトレイ排出位置１０３にきた
時、第７図のトレイ排出用レバー１０４が固定部
材又は可動部材と係合してトレイ固定片７９が旋
回してコンベアベルト１０４上へトレイが排出さ
れる。

即ち、第８図において、(イ)トレイ１２受入れ、
(ロ)フリクシヨンホイール８１による管糸回転、同
時にサクシヨンマウス９１による糸端吸引、(ハ)バ
ンチ解除用ブラシ８７が接触、(ニ)解除された糸が
サクシヨンマウス９１のスリツトに沿つて上方へ
ガイド、ブラシ９２で余分な糸の引出し防止、(ホ)
カツタ１０３による糸切断、同時にサクシヨンノ
ズル１００による糸端吸引、(ヘ)回転盤より排出、
以上の工程が連続的に行われるのである。

即ち、上記口出し装置において管糸はトレイ１
２上に挿着されたまま口出しが行われ、またトレ
イはほぼ水平面内を移送されるのみである。

さらに第１図において、トレイに挿着された状
態でワインデイングユニツト９に供給される管糸
は通常は全ての糸が巻取られ、空ボビンがコンベ
アベルト１１上へ排出され、再び精紡機へ搬送さ
れるわけであるが、ワインダー２の側部の空ボビ
ン搬送コンベア１１には必ずしも空ボビンが排出
されるわけでなく、口出しミスの管糸、糸切れ時
における糸結びミスによつて残糸を有したまま排
出された管糸等のように巻取られるべき糸を有す
る管糸が空ボビン搬送コンベア１１上へ排出され
る。このため、残糸付管糸を検出する検出装置１
０５が空ボビン搬送用コンベアベルトの途中に設
けられ、例えば光電管による検出位置が設けら
れ、ボビンに糸層が残つていることを検出装置が
感知すると感知信号によつてシヤツター１０６を
作動させて搬送中のトレイを残糸付ボビンプール
１０７に誘導する。該プールにいつたん貯留され
た管糸は糸端挿入位置１０８に移送され、手動又
は機械的に糸端を引き出しボビン中心孔に挿入し
た後、通路１０９を経て管糸供給用コンベアベル
ト１０上へ移送されて前記動作を繰り返す。

さらに上記残糸検出装置１０５で感知できない
少量の糸が残つたボビンはベルト１１０上をさら
に搬送され、極少残糸検出装置１１１により検出
され、上記同様にシヤツター１１２の作動により
極少残糸付ボビンプール１１３に誘導される。残
糸を除去した後、ベルト１１０上へ排出され精紡
機へと搬出される。

以上述べた動作および付属する動作をフローチ
ヤートに示して要約する。第９図および第１図に
おいて、 (イ) 精紡機からのトレイは口出し装置直前の待機
ライン１１４において待機する。

(ロ) 待機ライン上のトレイは口出し装置７５の口
出しユニツトからの呼び出しで１ユニツト１個
づつ挿入される。

(ハ) ユニツトからトレイが排出されるまでの間に
管糸から糸端を出しボビン中央孔へ糸端を挿入
する。

(ニ) 排出前に糸端挿入の成功、不成功を感知装置
により感知し、排出後振り分ける。

即ちミストレイは別ルート１１５に放出され
口出し装置入口にリターンされる。この場合ミ
ス回数が重なれば手直しのために別のプール１
０７へ送る。成功したトレイは次工程へ送る。

(ホ) ワインダー直前の待機ライン１１６のトレイ
は、ワインダーからの要求に従つて供給コンベ
アベルト１０上へ供給される。要求信号がな
く、待機ライン１１６上が満杯となれば口出し
装置への新たなトレイの供給を停止する。

(ヘ) ワインダーでは各ユニツトは３個ずつ取入れ
一番手前のユニツト９ａから満杯とする。

(ト) 供給コンベア１０は最終ユニツト手前のユニ
ツト９ｅが満杯になれば走行を停止させて供給
のバランスをとる。

(チ) 各ユニツトでは、巻取終了と共にトレイ交換
を行なう。新トレイが巻取位置に入ると同時に
噴出空気流によつてボビン中心孔にある糸端を
上方へ吹き上げ、吹き上げられた糸端をユニツ
ト側のサクシヨンパイプが補捉しノツターへ導
く。

(リ) ユニツトから放出されたトレイは、排出コン
ベア１１で搬出され、まず残糸検出装置１０５
で残糸ボビンを選別し、ボビンプール１０７へ
排出し、手直しの後に再び供給コンベア１０へ
送出する。

(ヌ) 極少残糸検出装置１１１で極少残糸ボビンを
排出し、残糸除去の手直しの後精紡機１へ搬送
する。

(ル) 完全に残糸のないトレイはそのまま精紡機
１へ搬送する。

このようにして精紡上りの管糸は次々とワイン
ダへ供給され、巻取りが行われ、空ボビンは再び
精紡機へ搬送されるのである。

以上のように本発明では、精紡機とワインダと
がトレイ搬送用コンベアベルトにより閉ループを
形成し、管糸は一本ずつ独立して上記トレイに挿
着し直立した状態で上記コンベア上を搬送される
ようにしたので、ワインデイングユニツトにトレ
イ受入れ通路を設けておけば管糸をトレイに挿着
したまゝで供給することができるため、従来のよ
うにいつたん管糸をマガジンへ供給した後、各ユ
ニツトのペツグに挿入するといつた工程が不要と
なり、管糸供給工程が短縮されると共に、ワイン
ダ前面にマガジン、シユートなどを設ける必要が
ないため管糸からパツケージまで糸が全部直視で
き、巻取中のトラブルの発見を早期にかつ容易に
行うことができ、また補修も容易である。

また、管糸移動中は重力を利用した落下運動な
どの不抱束な管糸運動がなく、ほぼ水平面上を搬
送されるため、管糸の転倒衝撃などがなくまた管
糸の糸層が他の部材、管糸等と接触することがな
く、糸層の汚れ、糸もつれ等の事故が防止でき
る。

さらにワインデイングユニツト数の増減に対し
てもワインダーに沿つて配設される供給コンベ
ア、排出コンベアの長さを調整するだけで、管糸
供給が可能であり、さらには、上記ワインダから
はボビンが１本ずつ独立して分離排出されるので
残糸付ボビンの選別、残糸処理等が行い易いとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明システムを実施するレイアウト
の一例を示す図、第２図は本発明システムに適用
されるトレイの実施例を示す斜視図、第３図は同
断面図、第４図は同システムに適用されるワイン
デイングユニツトの実施例を示す概略構成側面
図、第５図はユニツトのトレイ受入れ部を示す平
面図、第６図は同側面断面図、第７図は口出し装
置の一例を示す１ユニツトの概略構成斜視図、第
８図は口出し工程の説明図、第９図はトレイの流
れを示すフローチヤートである。 １……精紡機、２……ワインダ、３……トレイ
搬送路、９……ワインデイングユニツト、１２…
…トレイ、２６……管糸、５ａ，５ｂ……管糸搬
送コンベア、６……空ボビン供給コンベア、７…
…管糸搬送コンベア、８……空ボビン搬送コンベ
ア、１０……管糸供給コンベア、１１……空ボビ
ン排出コンベア、３６……トレイ移送通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 精紡機とワインダーを管糸搬送路および空ボ
   ビン搬送路によつて閉ループを構成して直結し、
   精紡機上りの管糸は個々に独立したトレイ上に挿
   立させて、上記管糸搬送路上をワインダー側へ搬
   送され、かつ、上記トレイと一体の状態でワイン
   デイングユニツトの巻返し位置へ供給され、巻返
   し後の空ボビンはトレイと一体の状態でワインデ
   イングユニツトから空ボビン搬送路上へ払出さ
   れ、さらに上記管糸搬送路の途次には、トレイと
   一体のまま管糸の糸端を準備する糸端口出し装置
   が配置されると共に、空ボビン搬送路の途次に
   は、ワインデイングユニツトから払出されたボビ
   ンが残糸付きか否かを検出する残糸検出装置およ
   び該検出装置の残糸検出信号によつて残糸付ボビ
   ンを管糸搬送路または、空ボビン搬送路へ誘導す
   る残糸付ボビンの誘導手段とを設けたことを特徴
   とする管糸搬送装置。