JPH021056B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は精紡機で玉揚されたパツケージをワイ
ンダーへ搬送する装置に関する。

一般に精紡上りの管糸、特にリング紡績機によ
つて生産される紡績糸はボビンに巻取られていわ
ゆる精紡管糸として玉揚され、巻返し工程即ち、
ワインダーによつて糸欠点を除去し所定量の糸
量、形状のパツケージに巻返される。この場合、
一個のパツケージを得るのに複数本の管糸が使用
され、一本の管糸の糸量は比較的少く、従つて管
糸交換が頻繁に行われるため、ワインダーの各巻
取ユニツトにはマガジンと称される複数の管糸を
貯溜しておく装置が設けられ、巻返し中の管糸の
糸層が無くなれば直ちにマガジンの中の一本の管
糸が切出されて巻取ユニツトのペグに供給される
ようになつている。

しかしながら、ロータ式オープンエンド精紡
機、あるいは空気渦流を利用した空気式精紡機等
で玉揚されるパツケージは糸量が多くラージパツ
ケージと称され、該パツケージの直径はリング精
紡上りの管糸の直径の数倍から十倍近くにもな
る。

このようなラージパツケージを巻返す場合、一
台の巻取ユニツトに該パツケージ貯溜用のマガジ
ンを設けることは極めて困難であり、即ち巻取ユ
ニツトの巾寸法とパツケージ直径がほぼ等しいよ
うなラージパツケージを複数個貯溜することは困
難で、例え可能である場合としては巻取ユニツト
の前面に上下方向に２〜３個のパツケージを貯溜
できる他は、巻取ユニツト内に貯溜することは不
可能である。従つて、パツケージの交換に際して
は作業者が巡回しつつ必要なユニツトに対して手
作業で行うことが一般には行われている。このた
め作業者のワインダーの持台数は少くなり、作業
効率も低くワインダーの稼動効率を低下させる大
きな原因となつている。

一方、巻取ユニツトにマガジンを設けることな
く、精紡ボビンを巻取ユニツトに供給する装置と
して特開昭58−59168号公報に開示されたものが
ある。

即ち、精紡ボビンをトレイに挿立したまゝ巻取
ユニツトへ供給し、ボビン中心孔内に垂下した糸
端を下方からの噴出空気流によつて吹上げ上方の
中継パイプに糸端を把持させて糸継装置へボビン
側糸を導くようにしたものである。しかしなが
ら、このようなトレイに前記ラージパツケージを
挿立して巻取ユニツトへ移送したとしても、糸端
を中心孔から上方へ吹上げたとしても、糸の重量
が大きく中継パイプの位置まで届かなかつたり、
又、給糸パツケージの直径が大きいため、糸端の
吹上げ方向が定まらず、即ち、パツケージの中心
軸線上から大きく外れてしまい、中継パイプの吸
引ミスを招くのである。

本発明は上記問題点を解決することを目的とす
るもので、独立して移送されるペグトレイにパツ
ケージを直立状態で挿立すると共に、該ペグトレ
イの中心にはパツケージから引出された糸端を係
止し、巻取ユニツトの定位置において、上記糸端
を係止したまゝ上方へ突出可能な糸ガイド部材を
設けたものである。

以下、本発明の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は本発明装置を適用したパツケージ搬送
システムの一例を示すもので、巻取ユニツト１を
多数並設した自動ワインダーＷの一側には巻取ユ
ニツトに沿つてパツケージ供給路２がコンベアベ
ルト等で形成され、他側には巻取ユニツトに沿つ
て空ボビン帰還路３がコンベアベルト等で形成さ
れ、上記パツケージ供給路２と空ボビン帰還路３
間の巻取ユニツト位置にはパツケージ通路４がロ
ーラコンベア５等で形成されている。また上記ワ
インダーＷの側方には空ボビン帰還路３に連結す
るトレイ貯溜域Ｓがコンベアベルト等により形成
され、該トレイ貯溜域は端部において上記パツケ
ージ供給路２に接続している。なお、上記トレイ
貯溜域Ｓを構成するコンベアは、空ボビン帰還路
４に続く傾斜部６と水平部７と傾斜部８とより構
成され、作業者の作業に都合のよい高さに水平部
７が位置している。

上記搬送路、貯溜路に沿つて移送されるパツケ
ージ搬送媒体であるトレイを第２図において説明
する。即ち、トレイ９は、円盤状の基盤１０と、
該基盤１０の中央に立設しボルト１１、溶接等で
基盤に固定された円柱状のペグ１２と、該ペグ１
２の中心孔１３に挿入され、上下摺動自在なヤー
ンガイド１４等より形成されている。上記円盤状
の基盤１０は挿着されるパツケージＰの最大直径
よりも少くとも大きい直径の円盤体で、ペグ１２
はパツケージＰのボビン１５がスムーズに挿入で
きる直径と、パツケージの高さと略等しい高さを
有し、ペグ１２の中心に穿設される中心孔１３は
ペグの上端から下端まで貫通しており、基盤１０
の下方から上記中心孔１３内へ圧縮流体を噴出さ
せることにより、中心孔１３内に挿入されたヤー
ンガイド１４が上方へ移動するようになつてい
る。上記ヤーンガイド１４は細長いロツド１６の
下端にピストン１７を固着し、上端には糸端係止
用のヤーングリツプ１８を有しており、ヤーング
リツプ１８は例えばブラシ、フエルト、等が適用
される。ペグ１２の中心孔１３の上下にはヤーン
ガイド１４の上端、下端用ストツパ１９，２０が
固定される。上記ヤーンガイド１４の長さは、該
ガイド１４がペグ上方に最大に突出した際、上端
のヤーングリツプ１８が、待機する巻取ユニツト
側のサクシヨンパイプ２１の吸引口に近接し、グ
リツプ１８に係止している糸端Ｙ１がサクシヨン
パイプ２１内へ吸引され、糸端とグリツプとが分
離可能な長さに設定される。従つて、上端のスト
ツパ１９を螺子込み式としておけば、該ストツパ
１９の位置を調整して、ヤーンガイド１４の突出
量を巻取ユニツトのサクシヨンパイプ２１に対応
させることができる。

なお、上記ヤーンガイド１４の上方への突出は
前述した如く、ペグ１２の中心孔１３下端開口か
ら圧縮流体を噴射させることにより行うか、ある
いはトレイ９下方に十分なスペースがあれば突上
げロツドを中心孔内へ進入させることによつても
可能である。またヤーンガイド１４の突出位置か
ら元位置への復帰は圧縮流体の供給を停止するこ
とによりヤーンガイドは自重によつて下降する。
なお、ヤーンガイドの復帰の際初期の力を付与す
る目的で、ストツパ１９，２０間にコイルスプリ
ングを巻装することも可能である。

次に上記ペグトレイ９によつて搬送されるパツ
ケージを取込み、トレイに挿立した状態でリワイ
ンドし、空ボビンを排出する巻取ユニツト１にお
けるトレイ通路の構造を第３図から第５図におい
て説明する。第３図において、パツケージ供給路
２と、空ボビン帰還路３間に配置される各ユニツ
トの通路４は主としてフリーローラ２２からなる
ローラコンベア５により形成され、ローラ上面即
ちトレイ載置面は供給路２から帰還路３側に向か
つて傾斜しており、供給路２から取込まれるパツ
ケージは自重によつてローラコンベア５上を滑動
し巻取位置Ｐ１に至り、ストツパを解除すること
により空ボビンは自重で帰還路３へ排出される。
なお上記ローラコンベア５の傾斜角（θ）は、ト
レイの滑動の容易さ、および巻取位置での解舒糸
の走行方向等の関連から決定され、略５度程度で
ある。またパツケージ供給路２も巾方向において
上記通路４と同角度の傾斜を有して設けられ、供
給路２から各ユニツトの通路４への取込みを容易
ならしめている。

なお、上記通路４のうち、パツケージＰの巻取
位置、およびパツケージＰの待機位置の各位置決
めはトレイ係合離脱可能なストツパ２３，２４に
よつて行われ、通路４上には巻取中および待機中
のパツケージ２個が常時存在する。巻取位置Ｐ１
のローラコンベア５上面よりやゝ下位に前述した
トレイ９のヤーンガイド１４を上方へ突出させる
圧空噴射ノズル２５が設けられる。

第４，５図において、上記通路４は、トレイ９
の直径(D)と略等しい巾を有し、通路両側にはガイ
ド板２６，２７が固定され、取込み口２８の一方
のガイド板２６ａは拡開状態に設けられ、トレイ
９の取込みをスムーズに行うように形成され、他
方には取込みレバー２９の旋回を妨げないように
通路側部は切除部３０とされている。

上記取込み口２８の供給路下流側に設けられる
トレイ取込みレバー２９は略Ｖ形状のレバーで一
軸３１を中心に旋回可能に設けられ、図示しない
スプリングによつて第４図の軸３１を中心に反時
計針方向に付勢され、ストツパ３２に一方のレバ
ー２９ａが当接してパツケージ取込みの待機状態
とされる。即ち、第４図実線位置２９に取込みレ
バー２９が位置している時は通路４の待機位置Ｐ
２にパツケージ無い場合でレバー２９ａが供給路
２を横断する如く供給路２上に突出し、搬送され
てくるパツケージのトレイが、上記突出したレバ
ー２９ａにより走行を阻止され、ベルトの回動力
により、レバー２９ａの傾斜面２９ｃに沿つて通
路４側へ移動し、通路４上へ移載された後は通路
の傾斜によつて自重によりローラコンベア５上を
滑り、取込みレバー２９を時計針方向に旋回させ
ながら、トレイがストツパ２４に当接する位置ま
で滑動するのである。なお、取込まれたパツケー
ジＰが通路４の待機位置Ｐ２に位置決めされてい
る間、当該パツケージを挿立支持したトレイの基
盤１０の外周面が取込みレバー２９の他方のレバ
ー２９b′に当接し続けるため、一方のレバー２９
a′は二点鎖線位置即ち、供給路２に突出すること
なく通路４内に没した位置にスプリング力に抗し
て位置決めされる。このため、供給路２上を移送
される後続のパツケージは当該ユニツトを通過し
て次のパツケージ要求ユニツトへ向かうのであ
る。

次に通路４内に設けられた、トレイを定位置に
位置決めし、また切出すストツパ２３，２４につ
いて説明する。

第４，５図において、フレーム３３に固定され
た軸３４には、カム板３５および筒体３６を一体
物とし、該筒体３６の半径方向に突設したストツ
パ２４が軸３４の回りに回転可能に支持され、カ
ム板３５およびストツパ２４は図示しないスプリ
ングによつて第５図中反時計針方向に付勢されて
いる。上記ストツパ２４は通路４の平板３７に刻
設した長溝状の切欠３８を通つて平板上に突出あ
るいは没する。上記カム板３５の段部３９に係
合・離脱するストツプレバー４０が軸支４１さ
れ、該ストツプレバー４０は巻取位置のカム板４
２のストツプレバー４３と連結ロツド４４により
連結され連動する。上記ストツパ機構Ｔ２と同様
のストツパ機構Ｔ１が巻取位置Ｐ１に設けられ
る。即ち固定軸４５にカム板４６と円筒体４７上
のストツパ２３が一体的に回転可能に支持され、
カム板４６と段部４８と係合・離脱するストツプ
レバー４３が軸支４９され、さらに該レバー４３
の他端に当接し、レバー４３を作動させる駆動レ
バー５０がフレーム３３を介して巻取ユニツト側
の指令により作動する回転軸５１に固定されてい
る。第５図示の如くストツプレバー２３，２４が
位置している時即ち、各レバー４３，４０の係合
部４３ａ，４０ａがカム板４６，３５の段部に係
合している状態はストツパ２３，２４が実線位置
にあり、取込まれるパツケージはストツパ位置で
停止し、駆動レバー５０が巻取ユニツトからの指
令で第５図の軸５１を中心に時計針方向に一定角
度旋回すると、レバー４３およびレバー４０がカ
ム板４６，３５との係合を解き、傾斜した通路上
のトレイ９ａ，９ｂが帰還路側に向かつて滑動
し、トレイが通過するまではストツパ２３，２４
は二点鎖線位置２３ａ，２４ａの状態即ちトレイ
の下位に没し、巻取の終了した空ボビンは帰還路
３上へ排出され、待機位置Ｐ２のパツケージが巻
取位置Ｐ１に至る。

なお、ストツパ２３，２４はトレイが上方を通
過するとスプリング力により直ちに反時計針方向
へ旋回し、二点鎖線２３ｂ，２４ｂ位置即ち平板
３７上の切欠５２，３８は供給路側端部にストツ
パ２３ｂ，２４ｂが押接する。この時駆動レバー
５０は既に元位置に復帰しておりストツプレバー
４３，４０の係合部はストツプレバーに設けられ
るスプリングによりカム面小径部４６ａ，３５ａ
に当接した状態となつており、従つて、該状態の
下で新たなトレイがストツパ部に至るとストツパ
２３，２４およびカム板４６，３５はトレイに押
されて時計針方向に旋回しようとするが、ストツ
パ２３，２４が実線位置に至るとレバー４３，４
０の係合部４３ａ，４０ａがカム板４６，３５の
段部に係合し、カム板は強制的に停止し、ストツ
パ２３，２４も実線位置に位置決めされ、パツケ
ージは巻取位置、待機位置に位置決めされるので
ある。

なお、巻取位置のカム板４６に形成された山部
４６ｂは、巻取位置、待機位置のいづれにもパツ
ケージが存在していない場合、供給路から取込ま
れるパツケージが待機位置Ｐ２に停止することな
く巻取位置Ｐ１まで一挙に移送されることを可能
にする。即ち、いづれの位置にもパツケージが無
い時はストツパ２３，２４はスプリング力により
二点鎖線２３ｂ，２４ｂ位置にあり、従つてこの
時カム板４６の山部４６ｂがストツプレバー４３
を押し係合部４８を段部より離脱させた位置にス
トツプレバー４３およびロツド４４により連結さ
れたレバー４０を位置決めする。従つて該状態で
供給路から取込まれたパツケージは通路の傾斜に
よつてローラコンベア５上を滑動し、ストツパ２
４ｂを二点鎖線位置２４ａへ押し倒しつつ通過
し、巻取位置のストツパ２３ｂに係合し、ストツ
パ２３ｂ、カム板４６を時計針方向に旋回させ
る。即ち、カム板４６の旋回により、山部４６ｂ
がストツプレバー４３の係合部４３ａより外れ、
ストツプレバー４３はスプリング力によりカム面
の小径部４６ａに押接しさらにカム板が回転する
ことにより段部４８に自動的に係合し、カム板４
６およびストツパ２３が実線位置に停止するので
ある。

なお、巻取位置Ｐ１の通路下位に配置された圧
空噴射ノズル２５はローラ２２，２２間に位置
し、圧空供給管５２が接続され、該供給管５２は
切換バルブ５３を介して供給源に連る。上記切換
バルブ５３のアクチユエーター５４を作動させる
レバー５５が回転軸５６に固定され、該軸５６は
巻取ユニツト側の駆動機構によりタイミングをと
つて作動するようになつている。

以上のような各装置からなるパツケージ搬送シ
ステムの動作について次に説明する。

第１図において、巻取ユニツト１ｂにおいて巻
取位置のパツケージの巻取りを完了すると、ユニ
ツト側の指令により、前記ストツパ２３，２４が
解除されて、空ボビンを挿立したトレイは自重で
ローラコンベア５上を滑り帰還路３へ排出される
と共に、待機位置のパツケージが巻取位置に至
り、圧空噴射ノズルから噴出される圧空５７によ
つて第２図の如く、パツケージＰから解舒された
糸端Ｙ１を係止したヤーンガイド１４が上方へ突
出し二点鎖線位置１４ａに至り、待機するサクシ
ヨンパイプ２１により糸端Ｙ１が吸引把持され、
ノツターへ案内され、ユニツト上の巻取パツケー
ジ（第１図示の５７）から引出される糸端と糸結
びされて巻取りが再開される。この時、ラージパ
ツケージＰの糸端Ｙ１は太さ、質量が大きく、単
に糸端をペグの中心孔１３に垂下し吹上げる形式
では、サクシヨンパイプ２１位置まで届かなかつ
たり、あるいはパツケージＰの径が大きいため、
糸端の吹上げ方向が定まらないことがあり、サク
シヨンパイプの吸引ミスを招く恐れがあるが、本
願発明装置によれば、ヤーンガイド１４に糸端を
係止させた状態でヤーンガイドを突出させるの
で、糸端はガイド先端のグリツプ１８に係止した
状態で確実にサクシヨンパイプ２１位置に届き吸
引把持されるのである。５８はバルーンガイドで
ある。

また第１図において、帰還路３上に排出された
空ボビンＢ１は矢印５９方向へ移送されて、検出
器６０位置を通過する。該検出器６０は例えば光
電式センサーが用いられ、空ボビンＢ１の通過を
検出する毎に貯溜域端部の切り出し装置６１を作
動させて１個のパツケージ６２を切出し、供給路
２上へ供給する。供給路２上を矢印６３方向へ移
送されるパツケージ６４は、空ボビンＢ１を排出
した巻取ユニツト１ｂ位置へ至ると、予め待機し
ている取込みレバー２９のレバー２９ａに当接し
て直進を阻止され、矢印６５の如く、コンベア２
の走行力とコンベア自体の傾斜によつて通路４内
へ取込まれる。この時通路４内の待機位置のスト
ツパは第５図二点鎖線位置２４ｂにあるため、パ
ツケージの取込み滑動によつて当該パツケージを
支持したトレイがストツパ２４ｂに係合し、前述
した如く、ストツパが実線位置２４に旋回して停
止しパツケージが第３図の如く待機位置Ｐ１に停
止位置決めされるのである。この時取込みレバー
２９は第４図二点鎖線位置２９b′にトレイ９ｂに
よつて位置決めされ続けるので後続のパツケージ
は既に満杯の巻取ユニツトを通過してパツケージ
を要求している巻取ユニツトへ向かつて搬送され
るのである。

また第１図において、検出器６０を通過した空
ボビンＢ２はいつたん可動ストツパ６６の位置で
停止し、空席検出器６７が該検出器の位置のコン
ベア６８上に空ボビンが存在しないこと即ち空席
を検出すれば、上記可動ストツパ６６が解除され
て、空ボビンＢ２は前に貯溜されている空ボビン
に衝突することなく貯溜域６へ搬入される。この
ようにして次々に返送されてくる空ボビンＢは貯
溜域Ｓに貯溜され、コンベア６８，６９，７０上
を移送される間に作業者によつてストツク部７１
のパツケージＰと空ボビンＢが交換される。即
ち、作業者はトレイ９のペグに挿入されている空
ボビンＢを抜き取り、パツケージストツクの場所
７１からパツケージＰを取り出して、上記ペグに
挿入すると共に、挿入したパツケージの糸端を探
出し、引出した糸端をボビンの中央のヤーングリ
ツプ１８に係止させる動作を行う。このようにし
て口出しされたパツケージＰがトレイに挿立した
状態で貯溜域Ｓ内にストツクされるのである。上
記ボビン交換は作業者に代りロボツト、マニピユ
レータ等で行うことも可能である。この場合、貯
溜域内において定位置にトレイを停止させる手段
および、パツケージストツク７１の場所を定位置
に位置決めしておくことが必要である。

なお上記システムでは、排出された空ボビンを
検出する毎に新パツケージを供給路２へ供給する
システムを示したが、供給路２を閉ループ即ち、
ワインダーの最後端の巻取ユニツトと最前端の巻
取ユニツト１間に別のバイパスを設けるようにす
れば、供給路上へランダムにパツケージを挿立し
た上記トレイを供給しておくだけで、巻取ユニツ
トの通路上の待機位置に空席が生じると巡回移送
中のパツケージが自動的に当該ユニツトへ供給さ
れるのである。

また、パツケージ供給路および帰還路を精紡機
へ直結して、精紡機、供給路、ワインダー、帰還
路とによつて閉ループを構成すれば、精紡上りの
パツケージを箱に収容して貯溜域へ搬送する必要
もなく、精紡機側で作業者が玉揚時にトレイ上に
パツケージを挿立し、糸端をヤーンガイド先端の
グリツプに係止させ、供給路上へ巻取準備の完了
したトレイを載置するだけで、ワインダーへの供
給、巻取を自動的に行うことが可能である。

以上のように本発明では、パツケージを独立に
挿立支持して移送するペグトレイのペグ中心孔内
に該孔に沿つて上下に移動自在で上端にヤーング
リツプを設けたヤーンガイドを挿入し、パツケー
ジの糸端を上記ヤーングリツプに係止した状態で
パツケージとトレイを一体的に搬送するようにし
たので、ラージパツケージを挿立したペグトレイ
を巻取ユニツトに供給し、上記ヤーンサイドを上
方へ突出すれば糸端はヤーンガイドに伴つて解舒
され、糸端先端が所定の位置に達し、パツケージ
上方で待機するサクシヨンパイプが上記糸端を確
実に吸引把持できる。

即ち、ラージパツケージを各巻取ユニツト毎に
貯溜するマガジンを必要とすることなく、供給コ
ンベア上をペグトレイに挿立したパツケージを搬
送することにより、パツケージを要求する巻取ユ
ニツトへ供給でき巻取開始時の糸結び動作の際の
糸端の誘導を自動的に行うことを可能にするもの
である。

またペグトレイによつてパツケージを独立して
搬送できるため、糸層表面が他の部材と接触する
こともなく、糸層を損傷することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置を適用したパツケージ搬送
システムの概略構成斜視図、第２図はペグトレイ
の実施例を示す断面正面図、第３図は巻取ユニツ
トにおけるトレイ通路の側面図、第４図は同平面
図、第５図はトレイのストツパ、切出し装置の一
例を示す側面図である。 ９……ペグトレイ、１２……ペグ、１３……中
心孔、１４……ヤーンガイド、１８……ヤーング
リツプ、Ｐ……パツケージ、Ｙ１……糸端。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 紡績糸を巻取つたパツケージを独立に挿立支
   持して搬送するペグトレイが、パツケージを挿入
   するペグ中心孔内に、該孔内に沿つて上下に移動
   自在で上端にヤーングリツプを設けたヤーンガイ
   ドを有しており、上記パツケージの糸端を上記ヤ
   ーングリツプに係上した状態でトレイを搬送する
   ようにしたことを特徴とするパツケージ搬送装
   置。