JPH0130461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ワインデイングユニツトに関し、ワ
インデイング中、新管糸の糸を中継パイプに受け
渡す際に、新管糸の糸端を正確に中継パイプに送
り込むことができ、かつ、バルーンガイドを行な
うようにすることを目的として、管糸捲取位置の
管糸と同一仮想軸線上に中心を有し、下方が開い
たテーパーを有する筒状体を、旋回動自在に軸支
され、先端に管糸糸端吸引開口を有する中継パイ
プの糸端吸引時の旋回軌跡端と、管糸頂部との間
に設けたことを特徴とするものである。

管糸を、個々に独立したトレイに挿着した状態
で搬送して来てトレイに挿着したまゝ捲取り位置
に停止させ、管糸からパツケージに捲き取るワイ
ンデイング方法にあつては新管糸の糸端は、搬送
中管糸の中央孔へ挿入垂下されており、糸結びの
とき管糸中央孔の下方から圧縮エアを噴出して糸
端を吹き上げ、この糸端を上方で待機している中
継パイプにより吸引し糸端をノツタに案内し糸結
びが行なわれる。

上記操作において、管糸中央孔から吹き出され
る糸端を正確に中継パイプの吸引口に導びくこと
が確実な糸結びにつながるもので、このために、
管糸上位にあつて中継パイプの吸引口に糸端を橋
渡しする筒状体を設けたのが本考案ワインデイン
グユニツトである。

本考案の実施の一例を図面と共に次に説明す
る。

第１図に本考案ワインデイングユニツト１の側
面を示す。ワインデイングユニツト１は、サイド
フレーム２の支軸３に旋回可能に支持され、自動
ワインダー稼動中は上記ユニツト１は吸引パイプ
４にも載置されて適宜固定されている。ワインデ
イングユニツト１は下部に管糸供給装置５を設け
ている。管糸供給装置５は、機台前面に向け傾斜
を有し、機台背面に設けた管糸供給用コンベアベ
ルト６から新管糸７を受け、捲取り位置において
糸をパツケージに捲き取られ、捲取り完了後の空
管糸８を空木管排出用コンベアベルト９に排出す
る。上記の管糸の移動中、管糸はトレー１０に挿
し立てられている。トレー１０は円盤状の台座１
１の中央にペグ１２を植設し、ペグ１２には上部
に圧空噴出口３を有する圧空導管１４を設けてあ
る。管糸供給装置５の適所に捲取り位置を構成
し、該位置において管糸の糸はパツケージ１５に
捲き取られる。管糸捲取位置にある管糸１６に対
する管糸供給装置５の下位には図示しない圧力源
に連らなる圧空導管１７を設け、その先端のノズ
ル１８をトレー１０の圧空導管１４に対位させ
る。新管糸７は第２図に示すようにその糸端先端
１９を木管２０の内部に垂れ下がるようにしてい
る。

捲取り位置にある糸管１６の頂部上には、該糸
管１６と同一仮想軸心上に筒状体２１を支持部材
２２によつてワインデイングユニツト１に支持さ
れている。筒状体２１は下方が開いたテーパーを
有し、第３図に示すごとく裁頭円錘状或は裁頭角
錘状をなし、側部には糸通しがし易いようにスリ
ツト２２を設けても良い。また、下方から上方に
向けて図示しない圧力源の圧空を噴出するノズル
２３を設けても良い。

２４は中継パイプで、中空軸２５を中心に旋回
自在に支持されている。その先端は、管糸糸端吸
引開口２６とし、中空軸２５は図示しない吸引装
置に連結され、中継パイプ２４が旋回して管糸糸
端吸引開口２６が捲取り位置にある管糸１６の頂
部に接近したときに吸引作用を行なう。中継パイ
プ２４の先端の吸引開口２６にはカバー２７が設
けられ、管状体２１附近に設けたオープナーカム
２８とカバー２７の突起２９とが当接したときに
カバー２７は開らき吸引作用を行なうようになつ
ている。

３０はノツタ、３１はパツケージ側中継パイ
プ、３２はスラブキヤツチヤーである。

次に本考案装置の作用を説明する。

管糸供給用コンベアベルト６で搬送されてまた
トレー１０に挿し立てられた新管糸７は、管糸供
給装置５によつて捲取り位置にセツトされる。捲
取り位置にある管糸１６の下位においてはノズル
１８から圧力空気が噴出され、噴出された圧力空
気はトレー１０の圧空導管１４を経て空気噴出口
１３から木管２０内に吹き出す。この気流によつ
て木管２０内に垂れ下がつている糸端先端１９は
吹き上げられる。このとき中継パイプ２４は、中
空軸２５を中心に旋回し、その先端のカバー２７
の突起２９をオープナーカム２８に当接し、開口
２６のカバー２７を開らく。これにより中継パイ
プ２４は管状体２１の上位にあつて吸引作用をす
るために管状体２１内に下方から吹き上げられて
いる糸端先端１９を中継管２４内に吸引すること
になる。

即ち、中継パイプ２４は常に吸引作用を行なつ
ており、管状体２１の頂部に当接することにより
カバー２７を開らくことによつて外気の吸引を開
始するが、このとき中継パイプ先端の、管糸糸端
吸引開口２６と管状体２１とは極めて接近してお
り管状体２１はその下方のテーパー状開口から効
率良く吸引作用する。その吸引作用によつて木管
２０から吹き上げられた糸端先端１９を確実に、
管状体２１は中継パイプ２４に送り込むのであ
る。なお、何等かの原因によつて管状体２１に糸
が通らなかつた場合、手動によつて糸端先端１９
をスリツト２２を通して管状体２１に通しても良
く、更に補助的にノズル２３から圧力空気を噴出
して糸端先端１９を管状体２１内に導びくことを
すれば、背の低い管紙を供給したときも糸端を中
継パイプに吹き上げることができる。中継パイプ
２４に吸引された糸端先端１９は中継パイプ２４
の旋回動によつてノツタ３０に導かれ、また一方
パツケージ１３の糸端は中継パイプ３１によつて
ノツタ３０に導かれ両糸端はノツタ３０において
結糸される。そしてパツケージの捲取りが再開さ
れると管状体２１内を通過する糸３２は管状体２
１によつてバルーンが規制され、管状体２１はバ
ルーンガイドとしての作用をも行なう。

以上のように本考案によると、新たにワインデ
イングユニツトの巻返し位置へ供給される管糸は
トレイと一体で移送されるので、巻返し位置に到
ると直ちにノズルからの噴出空気流により木管内
の糸端は上方へ吹上げられ、上記木管と同一軸線
上にある管状体に案内されて、該管状体上方で待
機する中継パイプへ受渡すことが極めて迅速かつ
正確に行え、管糸供給時の糸継ぎ用糸端処理が簡
単に行なえる。即ち、トレイと一体の管糸は、上
記ノズルと管状体の間を移送され、巻返し位置に
到ると同時にノズルからの圧空噴射が可能であ
り、管状体とノズルの位置は固定であるためエア
噴射のみで吹上げられた糸端が定位置の管状体へ
案内されるのである。また管糸供給、排出の際に
上記管状体を退避させる必要もない。

さらに、上記管状体は巻返し位置の管糸と同一
仮想中心線上に位置固定されているので、管糸か
らの糸巻返し動作中は、バルーンブレーカとして
作用し、いわゆる管糸の糸層表面から離反する糸
のバルーニングが管状体内面に接触しバルーンが
規制され、糸の離反を良好にして輪抜け現象を防
止し得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はワインデイングユニツトの概略側面
図、第２図は糸捲取り位置部分の拡大断面図、第
３図Ａ，Ｂ，Ｃは管状体の斜視図である。 １……ワインデイングユニツト、１６……糸捲
取り位置の管糸、２１……管状体、２４……中継
パイプ、２６……吸引開口、５……管糸供給装
置、１０……トレー、１２……ペグ、１８……ノ
ズル、２０……木管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 糸端を木管内にその頂部から垂下した状態の管
   糸を、ペグ上端部に圧空噴出口を有するトレイの
   上記ペグに挿立し、上記管糸とトレイとを一体の
   まゝワインデイングユニツトの巻返し位置へ移送
   供給するワインダーであり、上記ワインデイング
   ユニツトの巻返し位置下部には上記トレイの内部
   へ圧空を供給する圧空噴射ノズルを配置すると共
   に、上記巻返し位置の管糸の上部には、上記管糸
   と同一仮想軸線上に中心を有し、下方が開いたテ
   ーパーを有する筒状体を固定設置し、トレイと一
   体の管糸が上記ノズルと筒状体の間を移送供給さ
   れ、巻返し位置の管糸の木管内の糸端が上記ペグ
   から噴出する空気流によつて木管の外部上方へ吹
   上げられ、上記筒状体を介して筒状体上部で待機
   する糸継用中継パイプへ案内されるようにしたこ
   とを特徴とするワインデイングユニツト。