JPH0249260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は管糸搬送媒体に関する。

〔従来の技術〕

精紡上りの管糸をワインダーへ供給するための
管糸搬送手段は種々のものがある。

例えば、精紡上りの多数の管糸を箱内にランダ
ムに収容し、ワインダー側まで搬送し、管糸を１
本ずつ口出し装置へ供給し、口出しされた管糸
は、各ワインデイングユニツトに備えられる管糸
貯溜用マガジンへ台車あるいはコンベアベルト等
により移送され、マガジン内へ収容される。マガ
ジン中央のサクシヨンパイプ開口には口出し糸端
が吸引保持され、管糸はワインデイングユニツト
下部のペグへ落下装着され、上記サクシヨンパイ
プと管糸との間に連なる糸をワインデイングユニ
ツトの中継パイプが把持して糸継装置へガイドす
ることが行われている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記装置では、管糸は直接的に箱内に収容され
たり、コンベア上に載置されてワインダー、ある
いはマガジンまで搬送されるため糸層が傷付き易
いとか、マガジン内で互いの管糸の糸端が絡まり
合い、またマガジンからユニツトの巻取位置への
供給も管糸の自由落下によつて行つており、口出
しされた糸端が落下の際に他の部材に引掛かつた
り、絡み付いたりすることがあり、上記中継パイ
プへの糸受渡しミスが生じることがある。

本考案は、ワインデイングユニツトの各巻返し
位置まで管糸を搬送供給し、木管内に準備されて
いる糸端を保持したまゝワインダーへ安全に供給
してユニツト側の中継パイプに確実に受渡すこと
ができる搬送媒体を提供するものである。

〔問題を解決するための手段〕

本考案は、口出し糸端を木管の上端から木管内
部に挿入垂下した管糸と一体となつて該管糸を巻
返す自動ワインダーの各ワインデイングユニツト
の巻返し位置まで移送される管糸搬送媒体であ
り、上記搬送媒体はコンベア上に載置される円板
状台座と、該台座上の中央に突出して形成され管
糸を挿立支持するペグとから構成され、上記搬送
媒体にはペグ上端部に開口を有する空気導管がペ
グと台座を貫通して形成されているものである。

〔実施例〕

本考案の実施の一例を図面と共に次に説明す
る。

第１図に本考案ワインデイングユニツト１の側
面を示す。ワインデイングユニツト１は、サイド
フレーム２の支軸３に旋回可能に支持され、自動
ワインダー稼働中は上記ユニツト１は吸引パイプ
４にも載置されて適宜固定されている。ワインデ
イングユニツト１は下部に管糸供給装置５を設け
ている。管糸供給装置５は、機台前面に向け傾斜
を有し、機台背面に設けた管糸供給用コンベアベ
ルト６から新管糸７を受け、捲取り位置において
糸をパツケージに捲き取られ、捲取り完了後の空
管糸８を空木管排出用コンベアベルト９に排出す
る。上記の管糸の稼動中、管糸は個々に独立・分
離した搬送媒体、即ちトレー１０に挿し立てられ
ている。トレー１０は円盤状の台座１１の中央に
突出したペグ１２が形成され、ペグ１２には上部
に空気通過口１３と連なる圧空導管１４が台座下
面にまでのびて設けてある。管糸供給装置５の適
所に捲取り位置を構成し、該位置において管糸の
糸はパツケージ１５に捲き取られる。管糸捲取位
置にある管糸１６に対する管糸供給装置５の下位
には図示しない圧力源に連なる圧空導管１７を設
け、その先端のノズル１８をトレー１０の圧空導
管１４に対位させる。新管糸７は第２図に示すよ
うにその糸端先端１９を木管２０の内部に垂れ下
がるようにしている。

捲取り位置にある糸管１６の頂部上には、該糸
管１６と同一仮想軸心上に筒状態２１を支持部材
２２によつてワインデイングユニツト１に支持さ
れている。筒状体２１は下方が開いたテーパーを
有し、第３図に示すごとく裁頭円錘状或は裁頭角
錘状をなし、側部には糸通しがし易いようにスリ
ツト２２を設けても良い。また、下方から上方に
向けて図示しない圧力源の圧空を噴出するノズル
２３を設けても良い。

２４は中継パイプで、中空軸２５を中心に旋回
自在に支持されている。その先端は、管糸糸端吸
引開口２６とし、中空軸２５は図示しない吸引装
置に連結され、中継パイプ２４が旋回して管糸糸
端吸引開口２６が捲取り位置にある管糸１６の頂
部に接近したときに吸引作用を行う。中継パイプ
２４の先端の吸引開口２６にはカバー２７が設け
られ、管状体２１附近に設けたオープナーカム２
８とカバー２７の突起２９とが当接したときにカ
バー２７は開き吸引作用を行うようになつてい
る。

３０はノツタ、３１はパツケージ側中継パイ
プ、３２はスラブキヤツチヤーである。

次に本考案装置の作用を説明する。

管糸供給用コンベアベルト６で搬送されてまた
トレー１０に挿し立てられた新管糸７は、管糸供
給装置５によつて捲取り位置にセツトされる。捲
取り位置にある管糸１６の下位においてはノズル
１８から圧力空気が噴出され、噴出された圧力空
気はトレー１０の圧空導管１４を経て空気通過口
１３から木管２０内に吹き出す。この気流によつ
て木管２０内に垂れ下がつている糸端先端１９は
吹き上げられている。このとき中継パイプ２３
は、中空軸２５を中心に旋回し、その先端のカバ
ー２７の突起２９をオープナーカム２８に当接
し、開口２６のカバー２７を開く。これにより中
継パイプ２４の管状体２１の上位にあつて吸引作
用をするために管状体２１内に下方から吹き上げ
られている糸端先端１９を中継管２４内に吸引す
ることになる。

即ち、中継パイプ２４は常に吸引作用を行つて
おり、管状体２１の頂部に当接することにより、
カバー２７を開くことによつて外気の吸引を開始
するが、このとき中継パイプ先端の、管糸糸端吸
引開口２６と管状体２１とは極めて接近しており
管状体２１はその下方のテーパー状開口から効率
良く吸引作用をする。その吸引作用によつて木管
２０から吹き上げられた糸端先端１９を確実に、
管状体２１は中継パイプ２４に送り込むのであ
る。

なお、何等かの原因によつて管状体２１に糸が
通らなかつた場合、手動によつて糸端先端１９を
スリツト２２を通して管状体２１に通しても良
く、更に補助的にノズル２３から圧力空気を噴出
して糸端先端１９を管状体２１内に導くことをす
れば、背の低い管紙を供給したときも糸端を中継
パイプに吹き上げることができる。中継パイプ２
４に吸引された糸端先端１９は中継パイプ２４の
旋回動によつてノツタ３０に導かれ、また一方パ
ツケージ１３の糸端は中継パイプ３１によつてノ
ツタ３０に導かれ両糸端はノツタ３０において結
糸される。そしてパツケージの捲取りが再開され
ると管状体２１内を通過する糸３２は管状体２１
によつてバルーンが規制され、管状体２１はバル
ーンガイドとしての作用をも行う。

〔効果〕

以上のように本考案では、口出し準備された糸
端を管糸の木管内に保持したまゝ個々に独立した
搬送媒体に挿立支持されたまゝワインダーの巻返
し位置へ供給でき、搬送媒体の下方から圧縮空気
を、台座、ペグを貫通する空気導管内へ噴出する
だけで木管内の糸端を中継パイプへ確実に受渡す
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はワインデイングユニツトの概略側面
図、第２図は糸捲取り位置部分の拡大断面図、第
３図Ａ，Ｂ，Ｃは管状体の斜視図である。 １……ワインデイングユニツト、１０……管糸
搬送媒体、１１……台座、１２……ペグ、１３…
…空気通過口、１４……空気導管、７，１６……
管糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 口出し糸端を木管の上端から木管内部に挿入垂
   下した管糸と一体となつて、該管糸を巻返す自動
   ワインダーの各ワインデイングユニツトの巻返し
   位置まで移送される管糸搬送媒体であり、該搬送
   媒体はコンベア上に載置される円板状台座と、該
   台座上の中央に突出して形成され管糸を挿立支持
   するペグとから構成され、上記搬送媒体には、ペ
   グ上端部に開口を有する空気導管が上記ペグと台
   座を貫通して形成されていることを特徴とする管
   糸搬送媒体。