JPH10219085A - 液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
液晶ポリエステル樹脂組成物Info
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Abstract
性を有する成形体(例えば、コネクター)を与える液晶
ポリエステル樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】下記に定義される流動温度が310℃〜4
00℃である液晶ポリエステル(A)と、下記に定義さ
れる流動温度が270℃〜370℃である液晶ポリエス
テル(B)とからなり、液晶ポリエステル(A)の流動
温度と液晶ポリエステル(B)の流動温度との差が10
〜60℃であり、液晶ポリエステル(A)100重量部
に対し、液晶ポリエステル(B)10〜150重量部を
配合してなる液晶ポリエステル樹脂組成物に液晶ポリエ
ステル(A)と液晶ポリエステル(B)との総量100
重量部に対し、繊維状および/または板状の無機充填材
を15〜180重量部を配合してなる液晶ポリエステル
樹脂組成物、およびその成形体。 流動温度:内径1mm、長さ10mmのノズルを持つ毛細管
レオメータを用い、100kg/cm2の荷重下におい
て、4℃/分の昇温速度で加熱溶融体をノズルから押し
出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温度。
Description
性を有し、かつ優れた耐熱性、低反り性を有する成形体
を与える樹脂組成物、およびそれを用いた成形体に関す
る。
溶融状態でも絡み合いを起こさず液晶状態を有するポリ
ドメインを形成し、成形時の剪断により分子鎖が流れ方
向に著しく配向する挙動を示し、一般に溶融液晶型(サ
ーモトロピック液晶)ポリマーと呼ばれている。液晶ポ
リエステルは、この特異な挙動のため溶融流動性がきわ
めて優れ、分子構造によっては高い荷重たわみ温度、連
続使用温度を有し、260℃以上の溶融ハンダに浸漬し
ても変形や発泡が生じない。このため液晶ポリエステル
に、ガラス繊維に代表される繊維状補強材やタルクに代
表される無機充填材などを充填した樹脂組成物は、薄肉
部あるいは複雑な形状の電気・電子部品に好適な材料と
なり、たとえばリレー部品、コイルボビン、コネクタ
ー、ボリューム部品、コンミテーターやセパレーターな
どのモーター部品、あるいはコイル、水晶振動子、IC
チップなどの素子等の封止などに使用されている。しか
しながら、近年の軽薄短小化の流れの中で、製品形状は
ますます薄肉化の要望が強く、上述のような電気・電子
部品に関しても従来の耐熱性や機械的特性を維持したま
ま、更なる流動性の向上が求められている。液晶ポリエ
ステルの流動性の更なる向上を目的として、種々の検討
が行われてきた。たとえば、特開昭57−40550号
公報には、約10モル%以上のナフタレン部分を含む反
復単位よりなる第1の異方性溶融相を生成する完全芳香
族ポリエステルと、第2の異方性溶融相を生成する完全
芳香族ポリエステルとのブレンドが機械的性質の有為な
低下を示さない異方性溶融相を示すポリマーブレンドと
なることが開示されている(ここで、異方性溶融相を生
成する完全芳香族ポリエステルとは、液晶ポリエステル
と同義語であることは、同業者において広く知られてい
る)。しかし、該公報には、こうしたポリマーブレンド
が、第1の、あるいは第2の完全芳香族ポリエステルの
流動性を改良するかどうかについて全く記載がない。特
開昭59−85733号公報には、液晶ポリエステルに
低分子量(分子量1000未満)の液晶性化合物を少量
混合することにより、液晶ポリエステルの押出成形性が
改良されることが開示されている。しかし、該公報に
は、射出成形時の流動性が改良されるかどうかについて
の記載が全くないばかりか、一般に、こうした低分子量
化合物は耐熱性が低いため、成形加工時に熱分解を起こ
し、使用に耐えない。特開平3−252457号公報に
は、液晶ポリエステルにp−ヒドロキシ安息香酸を主成
分とするオリゴマーを少量添加することにより液晶ポリ
エステルの流動性が改良されることが開示されている。
しかしながら、この組成物は、ハンダ耐熱性に代表され
る耐熱性が不安定であり、実用に耐えない。特開昭60
−245632号公報には、芳香族オキシベンゾイルポ
リエステル類にテレフタル酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、ハイドロキノン、イソフタル酸、およびビフェノー
ルからなる重合体状流動性改質剤を少量添加することに
より、流動性が改良されることが開示されている。しか
し、この重合体状流動性改質剤が液晶ポリエステルであ
るとの記載はなく、また、射出成形における流動性改良
効果についての記載も全くない。また、コネクター用途
においては、上述の流動性の向上に加えて、低反り性と
耐熱性の向上要求も強く、これらの方法では、流動性、
低反り性、および耐熱性のバランスがとれた材料を提供
することが困難であった。
点を解決して、薄肉流動性に優れ、かつ優れた耐熱性、
低反り性を有する成形体を与える液晶ポリエステル樹脂
組成物を提供することを目的とするものである。
点を解決するために鋭意検討した結果、特定の流動温度
差のある液晶ポリエステル(A)と液晶ポリエステル
(B)とを特定量配合した液晶ポリエステル樹脂組成物
に繊維状および/または板状の無機充填材を特定量配合
することにより上記目的が達成される樹脂組成物を得、
該組成物を用いることにより優れた耐熱性、低反り性を
有し、0.2mm以下の肉厚部を持つ超薄肉成形品を従来
よりも容易に得ることができることを見出し本発明に至
った。すなわち、本発明は以下に示すとおりである。 (1) 下記に定義される流動温度が310℃〜400
℃である液晶ポリエステル(A)と、下記に定義される
流動温度が270℃〜370℃である液晶ポリエステル
(B)とからなり、液晶ポリエステル(A)の流動温度
と液晶ポリエステル(B)の流動温度との差が10〜6
0℃であり、液晶ポリエステル(A)100重量部に対
し、液晶ポリエステル(B)10〜150重量部を配合
してなる液晶ポリエステル樹脂組成物に液晶ポリエステ
ル(A)と液晶ポリエステル(B)との総量100重量
部に対し、繊維状および/または板状の無機充填材を1
5〜180重量部を配合してなる樹脂組成物。 流動温度:内径1mm、長さ10mmのノズルを持つ毛細管
レオメータを用い、100kg/cm2の荷重下におい
て、4℃/分の昇温速度で加熱溶融体をノズルから押し
出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温度。 (2)液晶ポリエステル(A)および(B)が、それぞ
れ下記の構造単位(I)、(II)、(III)、およ
び(IV)からなり、それぞれII/Iのモル比率が
0.2〜1.0、(III+IV)/IIのモル比率が
0.9〜1.1、IV/IIIのモル比率が0〜1であ
って、液晶ポリエステル(A)のIV/IIIのモル比
率(α)と、液晶ポリエステル(B)のIV/IIIの
モル比率(β)との比、モル比率(α)/モル比率
(β)が0.1〜0.5であることを特徴とする請求項
1記載の樹脂組成物。
ス繊維、炭素繊維、マイカ、タルクから選ばれる少なく
とも1種以上であることを特徴とする上記(1)記載の
樹脂組成物。 (4)上記(1)、(2)または(3)に記載の樹脂組
成物を用いて成形された成形体。 (5)成形体がコネクターである上記(4)記載の樹脂組
成物。
テルは、上記に定義される流動温度が310〜400℃
である液晶ポリエステル(A)と、270〜370℃で
ある液晶ポリエステル(B)とからなり、さらに、液晶
ポリエステル(A)の流動温度と液晶ポリエステル
(B)の流動温度との差が10〜60℃、好ましくは2
0〜60℃である。流動温度の差が10℃未満である場
合、目的とする薄肉流動性の向上効果が不十分となり好
ましくない。また、流動温度の差が60℃より大きい場
合、液晶ポリエステル(B)の熱分解等により成形加工
が困難となり良好な成形品を得ることができなくなるた
め好ましくない。本発明で使用される液晶ポリエステル
(A)および(B)は、それぞれ前記の構造単位
(I),(II),(III),(IV)からなり、I
I/Iのモル比率が0.2〜1.0、(III+IV)
/IIのモル比率が0.9〜1.1、IV/IIIのモ
ル比率が0〜1であるものが好ましい。これらの液晶ポ
リエステルについては、例えば特公昭47ー47870
号公報に記載されている。また、本発明で使用される液
晶ポリエステル(A)のIV/IIIのモル比率(α)
と、液晶ポリエステル( B )のIV/IIIのモル
比率(β)との比、モル比率(α)/モル比率(β)
は、好ましくは0.1〜0.5、さらに好ましくは0.
3〜0.5である。
(A)と液晶ポリエステル(B)との配合比率は、液晶
ポリエステル(A)100重量部に対し、液晶ポリエス
テル(B)10〜150重量部、好ましくは10〜10
0重量部である。液晶ポリエステル(B)の配合比率が
10重量部未満の場合、目的とする薄肉流動性の向上効
果が不十分となるため好ましくない。また、液晶ポリエ
ステル(B)の配合比率が150重量部より大きい場
合、薄肉流動性は向上するものの、耐熱性の低下が大き
く機械物性も低下するため好ましくない。
は、平均繊維径が5〜20μmであるものが好ましく、
5〜15μmであるものがさらに好ましい。平均繊維径
が5μm未満である場合、目的とする流動性、低反り
性、耐熱性の向上効果が不十分となり好ましくない。ま
た、平均繊維径が20μmより大きい場合、流動性、低
反り性、耐熱性の向上効果は、20μm以下のものとさ
ほど変わらないが、成形品の外観、成形品中での均一分
散性などの面から好ましくない。また、平均繊維長は1
0〜300μmであることが好ましく、50〜300μ
mであることがさらに好ましい。平均繊維長が10μm
未満である場合、目的とする流動性、低反り性、耐熱性
の向上効果が不十分となり好ましくない。また、平均繊
維長が300μmより大きい場合、流動性の改良効果が
悪くなり、成形品の外観、成形品中での均一分散性が悪
くなるため好ましくない。この例としては、ガラス繊
維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維など
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
は、化学結合によって平面層状の結晶構造を持ち、各層
間は弱いファンデルワールス力で結合しているため、へ
き開が生じやすく、粉砕時に粒子が板状になる無機物で
ある。本発明で使用される板状の無機充填材の平均粒径
は、1〜20μm、好ましくは5〜20μmのものであ
る。この例としては、タルク、マイカ、グラファイトな
どが挙げられるがこれらに限定されるものではない。平
均粒径が1μm以下の場合、目的とする流動性、低反り
性、耐熱性の向上効果が不十分となり好ましくない。ま
た、平均粒径が20μmより大きい場合、流動性、低反
り性、耐熱性の向上効果は、20μm以下のものとさほ
ど変わらないが、成形品の外観、成形品中での均一分散
性などの面から好ましくない。これらのうち、ガラス繊
維、炭素繊維、タルクであることが好ましい。これら
は、単独で、または1種以上を同時に用いることができ
る。
いて、繊維状および/または板状の無機充填材の配合割
合は、液晶ポリエステル(A)と液晶ポリエステル
(B)との総量に対し、15〜180重量部であり、好
ましくは20〜150重量部である。繊維状および/ま
たは板状の無機充填材の配合割合が15重量部未満の場
合、薄肉流動性の改良効果はあるものの、低反り性と耐
熱性の向上効果が不十分となり好ましくない。また、繊
維状、および/または板状の無機充填材の配合割合が1
80重量部よりも多い場合は、薄肉流動性の改良効果が
不十分となるうえ、成形機のシリンダーや金型の磨耗が
大きくなるため好ましくない。なお、本発明で用いられ
る液晶ポリエステル樹脂組成物に対して、本発明の目的
を損なわない範囲でホウ酸アルミニウムウィスカーなど
の針状の補強材;ガラスビーズなどの無機充填材;フッ
素樹脂、金属石鹸類などの離型改良剤;染料、顔料など
の着色剤;酸化防止剤;熱安定剤;紫外線吸収剤;帯電
防止剤;界面活性剤などの通常の添加剤を1種以上添加
することができる。また、たとえば高級脂肪酸、高級脂
肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系
界面活性剤等の外部滑剤効果を有するものを1種以上添
加することも可能である。
リアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、
ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンエーテル及びその変性物、ポリスルフォン、ポリエー
テルスルフォン、ポリエーテルイミド等や、少量の熱硬
化性樹脂、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂等の、1種または2種以上を添加するこ
ともできる。
るための原料成分の配合手段は特に限定されない。液晶
ポリエステル(A)、液晶ポリエステル(B)、繊維状
および/または板状の無機充填材、さらに必要に応じて
ホウ酸アルミニウムウィスカーなどの補強材や無機充填
材、離型改良剤、熱安定剤などの各成分を各々別々に溶
融混合機に供給するか、またはこれらの原料成分を乳
鉢、ヘンシェルミキサー、ボールミル、リボンブレンダ
ーなどを利用して予備混合してから溶融混合機に供給す
ることもできる。また、液晶ポリエステル(A)と繊維
状および/または板状の無機充填材、液晶ポリエステル
(B)と繊維状および/または板状の無機充填材とを別
個に溶融混合機に供給してペレット化し、ペレット状態
で両者を混合して、所定の配合量とすることもできる。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、電気・電子部
品(スイッチ、リレー、コネクター、ソケット等)、電
気・電子部品や発光ダイオード・ICなどの素子の封
止、OA・AV機器(プリンター、複写機、ファクシミ
リ、ビデオデッキ、ビデオカメラ、フロッピーディスク
ドライブ、ハードディスクドライブ、CD−ROMドラ
イブ、光磁気ディスクドライブ等のケース、機構部
品)、その他の機構部品(スチールカメラ、電磁波を用
いた加熱調理器、自動車部品)に好適に用いられる。
れらに限定されるものではない。なお、実施例中の物性
は次の方法で測定した。 (1)引張強度 ASTM4号引張ダンベルを用いて、ASTM D63
8に準拠して測定した。 (2)曲げ弾性率 幅12.7mm、長さ127mm、厚さ6.4mmの棒状試験
片を用いて、ASTMD790に準拠して測定した。 (3)TDUL(荷重たわみ温度) 幅6.4mm、長さ127mm、厚さ12.7mmの棒状試験
片を用いて、ASTMD648に準拠し、荷重18.6
kg/cm2、昇温速度2℃/minで測定した。 (4)ハンダ耐熱性 JIS K7113(1/2)号ダンベル試験片(厚さ
1.2mm)の試験片を用い、所定の温度に加熱したハン
ダ浴に試験片を60秒間浸漬し、取り出し後の試験片に
膨れや変形がないかどうかの外観上の変化を目視で観察
した。ハンダ浴の温度を5℃づつ昇温しながら試験を行
い、外観上の変化が発生した温度ー5℃をもってハンダ
耐熱温度とした。 (5)薄肉流動性 図1に示す製品部厚さ0.2mmのキャビティーを4個有
する薄肉流動長測定金型を用い、射出成形機(日精樹脂
工業(株)製 PS10E1ASE型)で所定の測定温
度で試料を成形した(射出速度95%、射出圧力900
kg/cm2)。取り出した成形品の4個のキャビティー部の
長さを測定し、その平均値をもって薄肉流動長とした。 (6)反り量 図2に示すコネクター金型を用い(端子部肉厚0.15
mm)、射出成形機(日精樹脂工業(株)製 PS40
E5ASE型)で試料を成形した。取り出した成形品を
定盤において、ゲート側底面の位置を基準面として、反
ゲート側底面の基準面からの変位をマイクロメーターで
測定、5個の成形品の平均値をもって反り量とした。
4,4’−ジヒドロキシジフェニル:テレフタル酸:イ
ソフタル酸のモル比が60:20:15:5であり、前
述の方法で定義された流動温度が320℃であるLCP
1を、液晶ポリエステル(B)にパラヒドロキシ安息香
酸:4,4’−ジヒドロキシジフェニル:テレフタル
酸:イソフタル酸のモル比が60:20:10:10で
あり、前述の方法で定義された流動温度が280℃であ
るLCP2を用い、これらとガラス繊維(旭ファイバー
グラス(株)製、商品名CS03JAPx−1)とを表
1に示す組成でヘンシェルミキサーで混合後、二軸押し
出し機(池貝鉄工(株)製PCM−30型)を用いて、
シリンダー温度330℃で造粒し、樹脂組成物を得た。
この場合、液晶ポリエステル(A)と液晶ポリエステル
(B)との流動温度の差は、40℃である。これらの樹
脂組成物を120℃で3時間乾燥後、射出成形機(日精
樹脂工業(株)製PS40E5ASE型)を用いて、シ
リンダー温度350℃、金型温度130℃でASTM4
号引張ダンベル、棒状試験片、JIS K7113(1
/2)号試験片、およびコネクターを成形した。これら
の試験片を用い、引張強度、曲げ弾性率、TDUL、ハ
ンダ耐熱性、および反り量の測定を行った。また、前述
の方法でシリンダー温度を350℃、金型温度を130
℃として、薄肉流動長の測定を行った。結果を表1に示
す。
1)、LCP2が233重量部である樹脂組成物(比較
例2)について、同様の測定を行った。結果を表1に示
す。LCP2含む組成物(実施例1〜3)は、LCP2
を含まない組成物(比較例1)に比べ、薄肉流動性に優
れ、LCP2を含まない場合と同様の優れた耐熱性、低
反り性を有することがわかる。LCP2を含まない組成
物(比較例1)では、コネクターの薄肉部の一部にショ
ートショットが観測され、流動性が不十分であった。ま
た、LCP2を233重量部含む液晶ポリエステル樹脂
組成物(比較例2)は、機械物性の低下、耐熱性の低下
が大きかった。
は実施例1と同様な方法で実験を行った。結果を表1に
示す。ガラス繊維を加えない場合、反り量が大きく、使
用に耐えなかった。
4,4’−ジヒドロキシジフェニル:テレフタル酸:イ
ソフタル酸のモル比が60:20:18:2であり、前
述の方法で定義された流動温度が360℃であるLCP
3を、液晶ポリエステル(B)にLCP2を用いる以外
は実施例1と同様な方法で実験を行った。結果を表1に
示す。この場合、液晶ポリエステル(A)と液晶ポリエ
ステル(B)との流動温度の差は、80℃である。この
場合、350℃では組成物が金型に十分流動せず、ま
た、370℃では組成物の熱分解のため成形ができなか
った。
ク(株)製、商品名X−50)を加える以外は実施例1
と同様な方法で実験を行った。結果を表1に示す。LC
P1、LCP2、ガラス繊維、およびタルクからなる樹
脂組成物は、薄肉流動性に優れ、優れた耐熱性、低反り
性を有することがわかる。
(B)にLCP1を用い、成形温度を370℃とする以
外は、実施例1と同様な方法で実験を行った。結果を表
1に示す。この場合、液晶ポリエステル(A)と液晶ポ
リエステル(B)との流動温度の差は、40℃である。
LCP3、LCP1、およびガラス繊維からなる液晶ポ
リエステル樹脂組成物は、LCP3とガラス繊維のみか
らなる液晶ポリエステル樹脂組成物(比較例6)に比
べ、薄肉流動性に優れ、LCP1を含まない場合と同様
の優れた機械物性、耐熱性を有することがわかる。
れ、かつ優れた熱安定性、低反り性を有する成形体を得
ることができ、従来よりも容易に0.2mm以下の薄肉部
を持つ超薄肉成形品、とりわけコネクターを効率よく得
ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】下記に定義される流動温度が310℃〜4
00℃である液晶ポリエステル(A)と、下記に定義さ
れる流動温度が270℃〜370℃である液晶ポリエス
テル(B)とからなり、液晶ポリエステル(A)の流動
温度と液晶ポリエステル(B)の流動温度との差が10
〜60℃であり、液晶ポリエステル(A)100重量部
に対し、液晶ポリエステル(B)10〜150重量部を
配合してなる液晶ポリエステル樹脂組成物に液晶ポリエ
ステル(A)と液晶ポリエステル(B)との総量100
重量部に対し、繊維状および/または板状の無機充填材
を15〜180重量部を配合してなる樹脂組成物。 流動温度:内径1mm、長さ10mmのノズルを持つ毛細管
レオメータを用い、100kg/cm2の荷重下におい
て、4℃/分の昇温速度で加熱溶融体をノズルから押し
出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温度。 - 【請求項2】液晶ポリエステル(A)および(B)が、
それぞれ下記の構造単位(I)、(II)、(II
I)、および(IV)からなり、それぞれII/Iのモ
ル比率が0.2〜1.0、(III+IV)/IIのモ
ル比率が0.9〜1.1、IV/IIIのモル比率が0
〜1であって、液晶ポリエステル(A)のIV/III
のモル比率(α)と、液晶ポリエステル(B)のIV/
IIIのモル比率(β)との比、モル比率(α)/モル
比率(β)が0.1〜0.5であることを特徴とする請
求項1記載の樹脂組成物。 【化1】 - 【請求項3】繊維状および/または板状の無機充填材
が、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、タルクから選ばれ
る少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1
記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】請求項1、2または3に記載の樹脂組成物
を用いて成形された成形体。 - 【請求項5】成形体がコネクターである請求項4記載の
成形体。
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