JPH0971669A - フィルム及びフィルムロールとその製造方法及び磁気記録媒体 - Google Patents
フィルム及びフィルムロールとその製造方法及び磁気記録媒体Info
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- JPH0971669A JPH0971669A JP15558096A JP15558096A JPH0971669A JP H0971669 A JPH0971669 A JP H0971669A JP 15558096 A JP15558096 A JP 15558096A JP 15558096 A JP15558096 A JP 15558096A JP H0971669 A JPH0971669 A JP H0971669A
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- film roll
- organic polymer
- roll
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 走行性、加工性が良好であり、磁気記録媒体
として電磁変換特性に優れたフィルムを提供する。 【解決手段】 吸湿率が1wt%以上の有機高分子体か
らなるフィルムであって該フィルムの湾曲がフィルム1
mあたり10mm以下であることを特徴とするフィルム
であり、また、吸湿率が1wt%以上の有機高分子体か
らなるフィルムロールであって、該フィルムの片伸び量
が10mm以下であることを特徴とするフィルムロール
及びそれらの製造方法。
として電磁変換特性に優れたフィルムを提供する。 【解決手段】 吸湿率が1wt%以上の有機高分子体か
らなるフィルムであって該フィルムの湾曲がフィルム1
mあたり10mm以下であることを特徴とするフィルム
であり、また、吸湿率が1wt%以上の有機高分子体か
らなるフィルムロールであって、該フィルムの片伸び量
が10mm以下であることを特徴とするフィルムロール
及びそれらの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定した出力特性
を有し、高温高湿度下においても好適に使用できる磁気
記録媒体に好適なフィルムに関する。
を有し、高温高湿度下においても好適に使用できる磁気
記録媒体に好適なフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、ポリエス
テルフィルムに酸化物塗布型磁性層やメタル塗布型磁性
層を設けてなる磁気記録媒体が知られている。(例えば
特開昭61−26933、特開昭60−66319な
ど)。また芳香族ポリアミドについては磁気記録媒体へ
の応用例が特開昭62−62424に示されている。
テルフィルムに酸化物塗布型磁性層やメタル塗布型磁性
層を設けてなる磁気記録媒体が知られている。(例えば
特開昭61−26933、特開昭60−66319な
ど)。また芳香族ポリアミドについては磁気記録媒体へ
の応用例が特開昭62−62424に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、記録時間の長時
間化の要請により、またコンピュータの外部メモリとし
て使用するため、薄膜で、過酷な条件での耐久性に優れ
た磁気記録媒体の要求が強くなってきている。
間化の要請により、またコンピュータの外部メモリとし
て使用するため、薄膜で、過酷な条件での耐久性に優れ
た磁気記録媒体の要求が強くなってきている。
【0004】しかしながら、上記ポリエステルフィルム
ベースあるいは芳香族ポリアミドベースからなる磁気記
録媒体では、常温、通常湿度下では問題ないが高温、高
湿度条件下で使用すると走行性や、出力特性が悪化した
り、また、繰り返し走行においてドロップアウトが発生
するという問題が出てきている。これは基材フィルムの
耐熱性、耐湿性が不十分であったり、表面性、走行性が
十分ではないためであると考えられる。
ベースあるいは芳香族ポリアミドベースからなる磁気記
録媒体では、常温、通常湿度下では問題ないが高温、高
湿度条件下で使用すると走行性や、出力特性が悪化した
り、また、繰り返し走行においてドロップアウトが発生
するという問題が出てきている。これは基材フィルムの
耐熱性、耐湿性が不十分であったり、表面性、走行性が
十分ではないためであると考えられる。
【0005】加えて、従来用いられてきたポリエステル
フィルムは、剛性上の制約から薄物化が困難であり、高
容量で高密度な磁気記録媒体には使用し得なくなってき
た。
フィルムは、剛性上の制約から薄物化が困難であり、高
容量で高密度な磁気記録媒体には使用し得なくなってき
た。
【0006】そこで、従来用いられてきたポリエステル
フィルムベースから耐熱性に優れ、高剛性な芳香族ポリ
アミドあるいは芳香族ポリイミドベースからなる磁気記
録媒体が提案されてきた。
フィルムベースから耐熱性に優れ、高剛性な芳香族ポリ
アミドあるいは芳香族ポリイミドベースからなる磁気記
録媒体が提案されてきた。
【0007】しかし、剛性上の要求に対し芳香族ポリア
ミド或いは芳香族ポリイミドからなるフィルムは優れた
特性を有しているが、これらは一般的に吸湿性を有して
いるためフィルム形成後あるいはフィルムロールとして
放置しておくと端部に寸法変化を生じ、該フィルムをス
リットすると湾曲したフィルムを与え、磁気記録媒体と
して使用するには困難であった。
ミド或いは芳香族ポリイミドからなるフィルムは優れた
特性を有しているが、これらは一般的に吸湿性を有して
いるためフィルム形成後あるいはフィルムロールとして
放置しておくと端部に寸法変化を生じ、該フィルムをス
リットすると湾曲したフィルムを与え、磁気記録媒体と
して使用するには困難であった。
【0008】一般的に分子間に水素結合を有する有機高
分子体からなるフィルムは優れた機械特性を有する反面
水分との親和性が高く寸法変動が大きいため、制約が多
い。
分子体からなるフィルムは優れた機械特性を有する反面
水分との親和性が高く寸法変動が大きいため、制約が多
い。
【0009】そこで、本発明者らは芳香族ポリアミドあ
るいは芳香族ポリイミド等の吸湿性を有する有機高分子
においてもフィルムとしたときに吸湿に係る寸法変動を
抑制して、経時的な寸法安定性に優れ、かつ製品とした
ときにも湾曲等のないフィルム基材を得るべく鋭意検討
を行い本発明に至った。
るいは芳香族ポリイミド等の吸湿性を有する有機高分子
においてもフィルムとしたときに吸湿に係る寸法変動を
抑制して、経時的な寸法安定性に優れ、かつ製品とした
ときにも湾曲等のないフィルム基材を得るべく鋭意検討
を行い本発明に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、平衡
水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%以上の有機高分子体
からなるフィルムであって該フィルムの湾曲がフィルム
1mあたり10mm以下であることを特徴とするフィル
ムであり、また、平衡水分率H(20 ℃,75%RH)が1wt
%以上の有機高分子体からなるフィルムロールであっ
て、該フィルムの片伸び量が20mm以下であることを
特徴とするフィルムロール、平衡水分率H(20 ℃,75%R
H) が1wt%以上の有機高分子体からなるフィルムの
フィルムロールであって、フィルムロール中の全ての部
分においての水分率が当該雰囲気(x℃,y%RH) におけ
る平衡水分率H(x℃,y%RH)の40%以上であることを特
徴とするフィルムロール及びそれらの製造方法である。
水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%以上の有機高分子体
からなるフィルムであって該フィルムの湾曲がフィルム
1mあたり10mm以下であることを特徴とするフィル
ムであり、また、平衡水分率H(20 ℃,75%RH)が1wt
%以上の有機高分子体からなるフィルムロールであっ
て、該フィルムの片伸び量が20mm以下であることを
特徴とするフィルムロール、平衡水分率H(20 ℃,75%R
H) が1wt%以上の有機高分子体からなるフィルムの
フィルムロールであって、フィルムロール中の全ての部
分においての水分率が当該雰囲気(x℃,y%RH) におけ
る平衡水分率H(x℃,y%RH)の40%以上であることを特
徴とするフィルムロール及びそれらの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いる有機高分子体とし
ては平衡水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%以上であれ
ば任意である。ここで平衡水分率H(20 ℃,75%RH) はフ
ィルムを200℃で1時間乾燥後の絶乾状態の重量をW
0 とし、該フィルムを20℃、相対湿度75%中におき
恒量に至った時の重量をW1 として(W1 −W0 )/W
0 に100を乗じた値で求められる(以下、同様にW1
をx℃,y%RHの雰囲気下で求めたときの平衡水分率
をH( x℃, y%RH)と表す)。かような有機高分子体と
してはポリアミド、ポリイミド、ビニルアルコール系ポ
リマー、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリウレタン、セ
ルロース系ポリマ等が挙げられる。中でも剛性に優れる
ことからポリアミド、特に芳香族ポリアミドあるいは芳
香族ポリイミドを用いると好適である。
ては平衡水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%以上であれ
ば任意である。ここで平衡水分率H(20 ℃,75%RH) はフ
ィルムを200℃で1時間乾燥後の絶乾状態の重量をW
0 とし、該フィルムを20℃、相対湿度75%中におき
恒量に至った時の重量をW1 として(W1 −W0 )/W
0 に100を乗じた値で求められる(以下、同様にW1
をx℃,y%RHの雰囲気下で求めたときの平衡水分率
をH( x℃, y%RH)と表す)。かような有機高分子体と
してはポリアミド、ポリイミド、ビニルアルコール系ポ
リマー、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリウレタン、セ
ルロース系ポリマ等が挙げられる。中でも剛性に優れる
ことからポリアミド、特に芳香族ポリアミドあるいは芳
香族ポリイミドを用いると好適である。
【0012】ここで芳香族ポリアミドとは、次の一般式
(I)および/または一般式(II)で表される繰り返
し単位を50モル%以上含むものが好ましく、70モル
%以上からなるものがより好ましい。
(I)および/または一般式(II)で表される繰り返
し単位を50モル%以上含むものが好ましく、70モル
%以上からなるものがより好ましい。
【0013】一般式(I)
【化1】 一般式(II)
【化2】 ここで、Ar1 、Ar2 、Ar3 (ここでl、m、nは
0以上の整数)は 例えば、
0以上の整数)は 例えば、
【化3】 などが挙げられ、X、Yは−O−,−CH2 −,−CO
−,−SO2 −、−S−,−C(CH3 )2 −等から選
ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれら
の芳香環上の水素原子の一部が、R、R’、R”、で表
されるハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、炭素数1〜
3のアルキル基(特にメチル基)、炭素数1〜3のアル
コキシ基、トリアルキルシリル基などの置換基で置換さ
れているものも含み、また、重合体を構成するアミド結
合中の水素が他の置換基によって置換されているものも
含む。
−,−SO2 −、−S−,−C(CH3 )2 −等から選
ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれら
の芳香環上の水素原子の一部が、R、R’、R”、で表
されるハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、炭素数1〜
3のアルキル基(特にメチル基)、炭素数1〜3のアル
コキシ基、トリアルキルシリル基などの置換基で置換さ
れているものも含み、また、重合体を構成するアミド結
合中の水素が他の置換基によって置換されているものも
含む。
【0014】特性面からは上記の芳香環がパラ位で結合
されたものが、全芳香環の50%以上、好ましくは75
%以上を占める重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性
も良好となるため好ましい。ここで言うパラ結合とは二
価の芳香環の結合が平行あるいは同軸にあるものを言
い、一般式(III)で例示できる。
されたものが、全芳香環の50%以上、好ましくは75
%以上を占める重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性
も良好となるため好ましい。ここで言うパラ結合とは二
価の芳香環の結合が平行あるいは同軸にあるものを言
い、一般式(III)で例示できる。
【0015】一般式(III)
【化4】 また芳香環上の水素原子の一部が上述の官能基、好まし
くはハロゲン基(特に塩素)で置換された芳香環が全体
の30%以上、より好ましくは50%以上であると耐湿
性が向上し、吸湿による寸法変化、剛性低下などの特性
が改善されるために好ましい。
くはハロゲン基(特に塩素)で置換された芳香環が全体
の30%以上、より好ましくは50%以上であると耐湿
性が向上し、吸湿による寸法変化、剛性低下などの特性
が改善されるために好ましい。
【0016】本発明において芳香族ポリアミドは、一般
式(I)および/または一般式(II)で表される繰り
返し単位を50モル%以上含むものであって、50モル
%未満は他の繰り返し単位が共重合、またはブレンドさ
れていても差し支えない。
式(I)および/または一般式(II)で表される繰り
返し単位を50モル%以上含むものであって、50モル
%未満は他の繰り返し単位が共重合、またはブレンドさ
れていても差し支えない。
【0017】本発明における芳香族ポリイミドとは、重
合体の繰り返し単位の中に芳香環とイミド環を1つ以上
含むものであり、一般式(IV)および/または一般式
(V)で示される繰り返し単位を50モル%以上含むも
のが好ましく、より好ましくは70モル%以上である。
合体の繰り返し単位の中に芳香環とイミド環を1つ以上
含むものであり、一般式(IV)および/または一般式
(V)で示される繰り返し単位を50モル%以上含むも
のが好ましく、より好ましくは70モル%以上である。
【0018】一般式(IV)
【化5】 一般式(V)
【化6】 ここでAr4 、Ar6 は少なくとも1個の芳香環を含
み、イミド環を形成する2つのカルボニル基は芳香環上
の隣接する炭素原子に結合している。このAr4 は、芳
香族テトラカルボン酸あるいはこの無水物に由来する。
代表例としては次の様なものが挙げられる。
み、イミド環を形成する2つのカルボニル基は芳香環上
の隣接する炭素原子に結合している。このAr4 は、芳
香族テトラカルボン酸あるいはこの無水物に由来する。
代表例としては次の様なものが挙げられる。
【0019】
【化7】 ここでZは−O−,−CH2 −,−CO−,−SO
2 −、−S−,−C(CH3 )2 −等から選ばれるが、
これに限定されるものではない。
2 −、−S−,−C(CH3 )2 −等から選ばれるが、
これに限定されるものではない。
【0020】また、Ar6 は無水カルボン酸あるいはこ
のハライドに由来する。Ar5 、Ar7 は例えば
のハライドに由来する。Ar5 、Ar7 は例えば
【化8】 などが挙げられ、X、Yは−O−,−CH2 −,−CO
−,−SO2 −、−S−,−C(CH3 )2 −等から選
ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれら
の芳香環上の水素原子の一部が、ハロゲン基(特に塩
素)、ニトロ基、炭素数1 〜3 のアルキル基(特にメチ
ル基)、炭素数1 〜3 のアルコキシ基などの置換基で置
換されているものも含み、また、重合体を構成するアミ
ド結合中の水素が他の置換基によって置換されているも
のも含む。
−,−SO2 −、−S−,−C(CH3 )2 −等から選
ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれら
の芳香環上の水素原子の一部が、ハロゲン基(特に塩
素)、ニトロ基、炭素数1 〜3 のアルキル基(特にメチ
ル基)、炭素数1 〜3 のアルコキシ基などの置換基で置
換されているものも含み、また、重合体を構成するアミ
ド結合中の水素が他の置換基によって置換されているも
のも含む。
【0021】本発明の芳香族ポリイミドは、一般式(I
V)および/または一般式(V)で表される繰り返し単
位を50モル%以上含むものであって、50モル%未満
は他の繰り返し単位が共重合、またはブレンドされてい
ても差し支えない。
V)および/または一般式(V)で表される繰り返し単
位を50モル%以上含むものであって、50モル%未満
は他の繰り返し単位が共重合、またはブレンドされてい
ても差し支えない。
【0022】また本発明のフィルムは物性を損なわない
程度に滑剤、酸化防止剤その他の添加剤等がブレンドさ
れていてもよい。
程度に滑剤、酸化防止剤その他の添加剤等がブレンドさ
れていてもよい。
【0023】本発明は、平衡水分率H(20 ℃,75%RH) が
1wt%以上の有機高分子体からなるフィルムであって
該フィルムの湾曲がフィルム1mあたり10mm以下で
あることを特徴とするフィルムである。ここで言うフィ
ルムはフィルム全体またはフィルム原反からフィルムを
一方向に引き出し、スリットして得られたフィルムを含
み、スリットは通常平行な対辺を有するよう実施されて
いる。この時該フィルム上に磁性層や各種コーティング
層等の他の構造が形成されていても構わない。また、ス
リットの方法には特に制限はなく公知の方法が適用でき
る。また、フィルムの湾曲はフィルム1mを水平面に置
き長手方向の隣り合う頂点を結ぶ直線が辺と乖離する最
大の大きさとして求められ、10mm以下であることが
必要であり、好ましくは5mm以下、より好ましくは
0.05mm以上2mm以下である。10mm以上であ
れば磁気記録媒体としたときにヘッドとのあたりが一様
でなく録再特性に大きな影響がでる。また、高速走行時
にリールやキャプスタンとの摩擦でフィルム面にしわや
キズが入りやすく耐久性に劣るものとなる。しかし、極
僅かな湾曲は走行性に好影響を与えるようである。
1wt%以上の有機高分子体からなるフィルムであって
該フィルムの湾曲がフィルム1mあたり10mm以下で
あることを特徴とするフィルムである。ここで言うフィ
ルムはフィルム全体またはフィルム原反からフィルムを
一方向に引き出し、スリットして得られたフィルムを含
み、スリットは通常平行な対辺を有するよう実施されて
いる。この時該フィルム上に磁性層や各種コーティング
層等の他の構造が形成されていても構わない。また、ス
リットの方法には特に制限はなく公知の方法が適用でき
る。また、フィルムの湾曲はフィルム1mを水平面に置
き長手方向の隣り合う頂点を結ぶ直線が辺と乖離する最
大の大きさとして求められ、10mm以下であることが
必要であり、好ましくは5mm以下、より好ましくは
0.05mm以上2mm以下である。10mm以上であ
れば磁気記録媒体としたときにヘッドとのあたりが一様
でなく録再特性に大きな影響がでる。また、高速走行時
にリールやキャプスタンとの摩擦でフィルム面にしわや
キズが入りやすく耐久性に劣るものとなる。しかし、極
僅かな湾曲は走行性に好影響を与えるようである。
【0024】また一方、本発明は平衡水分率H(20 ℃,7
5%RH) が1wt%以上の有機高分子体からなるフィルム
ロールであって、該フィルムの片伸び量が20mm以下
であることを特徴とするフィルムロールである。片伸び
量は20mm以下であることが必要であり好ましくは1
0mm以下、より好ましくは5mm以下である。各種態
様に応じ通常フィルムは所望の幅にスリットされるが、
片伸び量が20mmを越えるとスリット時の刃の当たり
にムラあるいは歪みが発生しスリットされたフィルムの
エッジにキズが入り裂けやすくなってしまったり、スリ
ットされたフィルムが湾曲し、製品としての用をなさな
くなる。
5%RH) が1wt%以上の有機高分子体からなるフィルム
ロールであって、該フィルムの片伸び量が20mm以下
であることを特徴とするフィルムロールである。片伸び
量は20mm以下であることが必要であり好ましくは1
0mm以下、より好ましくは5mm以下である。各種態
様に応じ通常フィルムは所望の幅にスリットされるが、
片伸び量が20mmを越えるとスリット時の刃の当たり
にムラあるいは歪みが発生しスリットされたフィルムの
エッジにキズが入り裂けやすくなってしまったり、スリ
ットされたフィルムが湾曲し、製品としての用をなさな
くなる。
【0025】また、本発明のフィルムロールは20℃、
65%RHの雰囲気下に10日間放置したときの片伸び
量の変分は40%以下、好ましくは15%以下、更に好
ましくは5%以下であると良い。40%以下であれば経
時的に安定なフィルムロールとすることができ、ハンド
リング及び品質管理が簡便である。
65%RHの雰囲気下に10日間放置したときの片伸び
量の変分は40%以下、好ましくは15%以下、更に好
ましくは5%以下であると良い。40%以下であれば経
時的に安定なフィルムロールとすることができ、ハンド
リング及び品質管理が簡便である。
【0026】上記に述べた本発明の要件は単層フィルム
のみならず同種或いは異種のポリマーが積層されたフィ
ルムあるいは磁性層その他のコーティングや蒸着などの
方法で加工されたフィルムあるいはフィルムロールにつ
いても充たされるべきである。
のみならず同種或いは異種のポリマーが積層されたフィ
ルムあるいは磁性層その他のコーティングや蒸着などの
方法で加工されたフィルムあるいはフィルムロールにつ
いても充たされるべきである。
【0027】本発明のフィルムは通常溶融法、溶液法あ
るいは気相合成法等の方法で製膜されるが機械特性を向
上せしめるために好ましく熱時延伸が加えられる。この
ようなフィルムはほぼ乾燥状態にあり、湿度の影響を受
けやすい。即ち本発明の本旨は吸湿性を有している有機
高分子体からなるフィルムの吸湿に伴う寸法変化を規制
することにある。
るいは気相合成法等の方法で製膜されるが機械特性を向
上せしめるために好ましく熱時延伸が加えられる。この
ようなフィルムはほぼ乾燥状態にあり、湿度の影響を受
けやすい。即ち本発明の本旨は吸湿性を有している有機
高分子体からなるフィルムの吸湿に伴う寸法変化を規制
することにある。
【0028】本発明のフィルムを得るための方法として
は、大きく2つを例示できる。
は、大きく2つを例示できる。
【0029】まず第1の方法は常法で得られるフィルム
ロールを加工直前まで防湿性雰囲気中に保存することで
あり、ここで防湿性雰囲気とは実質的に外気から湿分が
浸入しないよう調製される雰囲気である。かような例と
しては、脱湿された雰囲気を持つきょう体内に搭載ある
いは乾燥加圧雰囲気中においたりしても良いが、防湿性
包装材を用い包装することが好ましく行われる。
ロールを加工直前まで防湿性雰囲気中に保存することで
あり、ここで防湿性雰囲気とは実質的に外気から湿分が
浸入しないよう調製される雰囲気である。かような例と
しては、脱湿された雰囲気を持つきょう体内に搭載ある
いは乾燥加圧雰囲気中においたりしても良いが、防湿性
包装材を用い包装することが好ましく行われる。
【0030】本発明に用いうる防湿性包装材には従来公
知の一または二塩化ビニル樹脂、ビニルアルコール系樹
脂、ポリアルキレン樹脂、ポリエステル樹脂あるいはこ
れら樹脂の積層体あるいはこれら基材にアルミ、クロ
ム、金等の金属や金属酸化物、窒化物を蒸着等の方法で
積層せしめたものを用いることができるが、これら防湿
性包装材としてはJIS−K7129等で測定される水
蒸気透過率として好ましくは10g/m 2 /24hr/1atm以
下、更に好ましくは3g/m 2 /24hr/1atm以下更に好まし
くは2g/m 2 /24hr/1atm以下であれば長期の保管に耐え
る湾曲のでない安定なフィルムロールとすることができ
る。
知の一または二塩化ビニル樹脂、ビニルアルコール系樹
脂、ポリアルキレン樹脂、ポリエステル樹脂あるいはこ
れら樹脂の積層体あるいはこれら基材にアルミ、クロ
ム、金等の金属や金属酸化物、窒化物を蒸着等の方法で
積層せしめたものを用いることができるが、これら防湿
性包装材としてはJIS−K7129等で測定される水
蒸気透過率として好ましくは10g/m 2 /24hr/1atm以
下、更に好ましくは3g/m 2 /24hr/1atm以下更に好まし
くは2g/m 2 /24hr/1atm以下であれば長期の保管に耐え
る湾曲のでない安定なフィルムロールとすることができ
る。
【0031】また、包装時にはシートあるいはチューブ
状の上記防湿性包装材中に、フィルムロールを入れ、更
にシリカゲル、モレキュラーシーブス、塩化カルシウ
ム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の乾燥剤を好
ましく同梱させて、開放面を熱融着、接着、テープ止
め、その他機械的な方法により密封する。
状の上記防湿性包装材中に、フィルムロールを入れ、更
にシリカゲル、モレキュラーシーブス、塩化カルシウ
ム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の乾燥剤を好
ましく同梱させて、開放面を熱融着、接着、テープ止
め、その他機械的な方法により密封する。
【0032】本方法は非常に簡便であり、好ましく用い
ることができるが、経時的影響を受けやすいため開梱後
速やかに用いることが必要である。
ることができるが、経時的影響を受けやすいため開梱後
速やかに用いることが必要である。
【0033】次に、第2の方法としてはフィルムロール
中の水分が外気とほぼ平衡状態にあるようにすることで
ある。具体的にはフィルムロール中の全ての部分におい
て水分率が当該雰囲気(x℃,y%RH) における平衡水分
率H(x℃,y%RH)の40%以上、好ましくは70%以上、
更に好ましくは80%以上であれば良い。また、フィル
ムロール中の任意の2つの部分の水分率の差は平衡水分
率H(x℃,y%RH)の40%以内、好ましくは20%以内、
更に好ましくは10%以内であればさらに優れた製品と
することができる。本発明のフィルムロールを得るとき
には特殊な雰囲気で使用しない限りフィルムの水分率は
20℃、65%RHにおける平衡水分率を目安に製造す
ることが好ましい。また、フィルム中の水分率が想定加
工雰囲気あるいは使用雰囲気における平衡水分率を超え
て作製された場合はロール中のフィルム間に水滴が生じ
フィルムの平面性を損なうことになるため避けるべきで
あり、吸湿により機械特性が下がる素材を用いるときに
は、処理中の変形を避けるため強度やヤング率が乾燥時
の50%以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは
70%以上となるよう処理雰囲気や水分率を制限するこ
とが好ましい。
中の水分が外気とほぼ平衡状態にあるようにすることで
ある。具体的にはフィルムロール中の全ての部分におい
て水分率が当該雰囲気(x℃,y%RH) における平衡水分
率H(x℃,y%RH)の40%以上、好ましくは70%以上、
更に好ましくは80%以上であれば良い。また、フィル
ムロール中の任意の2つの部分の水分率の差は平衡水分
率H(x℃,y%RH)の40%以内、好ましくは20%以内、
更に好ましくは10%以内であればさらに優れた製品と
することができる。本発明のフィルムロールを得るとき
には特殊な雰囲気で使用しない限りフィルムの水分率は
20℃、65%RHにおける平衡水分率を目安に製造す
ることが好ましい。また、フィルム中の水分率が想定加
工雰囲気あるいは使用雰囲気における平衡水分率を超え
て作製された場合はロール中のフィルム間に水滴が生じ
フィルムの平面性を損なうことになるため避けるべきで
あり、吸湿により機械特性が下がる素材を用いるときに
は、処理中の変形を避けるため強度やヤング率が乾燥時
の50%以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは
70%以上となるよう処理雰囲気や水分率を制限するこ
とが好ましい。
【0034】フィルム中に所望の水分を含有させる方法
としては(1)湿熱下で延伸を実施する、(2)乾熱下
で延伸したフィルムを含湿雰囲気下に通じて処理をす
る、(3)得られたフィルムロールを含湿雰囲気下で処
理をする方法などが挙げられ、素材により適宜選択でき
るが、(2),(3)の方法が簡便である。
としては(1)湿熱下で延伸を実施する、(2)乾熱下
で延伸したフィルムを含湿雰囲気下に通じて処理をす
る、(3)得られたフィルムロールを含湿雰囲気下で処
理をする方法などが挙げられ、素材により適宜選択でき
るが、(2),(3)の方法が簡便である。
【0035】更にこれを詳しく説明する。(2)の方法
としては一般的な乾熱延伸を経過したフィルムを更に含
湿槽に通過せしめることであり、好ましくスチームが用
いられる。処理温度及び雰囲気は任意であるが処理温度
は高い方が処理雰囲気の飽和水蒸気量を高く取れ、また
フィルムの吸湿速度も速く、装置も小型化できるため好
ましく、温度として60℃以上、好ましくは80℃以
上、水蒸気量としては該温度におけるの飽和水蒸気量の
50〜110%、好ましくは70〜95%であれば良
い。
としては一般的な乾熱延伸を経過したフィルムを更に含
湿槽に通過せしめることであり、好ましくスチームが用
いられる。処理温度及び雰囲気は任意であるが処理温度
は高い方が処理雰囲気の飽和水蒸気量を高く取れ、また
フィルムの吸湿速度も速く、装置も小型化できるため好
ましく、温度として60℃以上、好ましくは80℃以
上、水蒸気量としては該温度におけるの飽和水蒸気量の
50〜110%、好ましくは70〜95%であれば良
い。
【0036】また、(3)の方法としては通常の加湿
槽、好ましくは加温や減圧,加圧の可能なものが用いら
れる。処理温度は任意であるが、好ましくは60℃以
上、更に好ましくは80℃以上、湿度としては好ましく
は50〜100%RH、更に好ましくは60〜95%R
Hとするのが良い。処理時間は本発明を充たす範囲にお
いて任意である。また、槽内の圧力は加圧であっても減
圧であっても構わないが、一旦減圧して槽内のガスを追
い出し、次いで水蒸気を導入する方法は処理時間を短縮
できる良い方法である。
槽、好ましくは加温や減圧,加圧の可能なものが用いら
れる。処理温度は任意であるが、好ましくは60℃以
上、更に好ましくは80℃以上、湿度としては好ましく
は50〜100%RH、更に好ましくは60〜95%R
Hとするのが良い。処理時間は本発明を充たす範囲にお
いて任意である。また、槽内の圧力は加圧であっても減
圧であっても構わないが、一旦減圧して槽内のガスを追
い出し、次いで水蒸気を導入する方法は処理時間を短縮
できる良い方法である。
【0037】また、フィルムの巻硬度を調整したり、フ
ィルム巻き取り時に粒子,織布,不織布,多孔性フィル
ム等のフィルム間に空隙を与える素材を同時に巻きとる
とロール中心部まで十分水分を行き渡らせ、短時間に処
理ができるため好ましく行われるが、粒子を用いる方法
はフィルムの表面性を悪化させる可能性があるため注意
が必要である。
ィルム巻き取り時に粒子,織布,不織布,多孔性フィル
ム等のフィルム間に空隙を与える素材を同時に巻きとる
とロール中心部まで十分水分を行き渡らせ、短時間に処
理ができるため好ましく行われるが、粒子を用いる方法
はフィルムの表面性を悪化させる可能性があるため注意
が必要である。
【0038】また、フィルムロールの表面温度が処理雰
囲気の露点より低ければ水分が凝結しロールの外観を悪
化させるため、フィルムロールは加湿前露点以上に加温
させてあることが好ましい。
囲気の露点より低ければ水分が凝結しロールの外観を悪
化させるため、フィルムロールは加湿前露点以上に加温
させてあることが好ましい。
【0039】更に本発明のフィルムは、薄型化の要請に
応え薄膜として使用されることが多いので、フィルムの
加工工程あるいは使用時に生じるテンションに耐え得る
よう、20℃、相対湿度60%における少なくとも一方
向の引張りヤング率E20が、E20≧800kg/mm 2 、好
ましくはE20≧900kg/mm 2 、更に好ましくはE20≧
1000kg/mm 2 であるのがよい。本発明の実施態様と
して磁気記録媒体を例に取れば、ヤング率がこれより低
いとテープの伸びが起こり記録再生性が低下する。ま
た、基材フィルムが高いヤング率(E20≧800kg/mm
2 )を持つことにより塗布層形成、バックコート層形成
工程など磁気記録媒体形成時にかかるテンションにも耐
えることが出来、加工上も有利である。
応え薄膜として使用されることが多いので、フィルムの
加工工程あるいは使用時に生じるテンションに耐え得る
よう、20℃、相対湿度60%における少なくとも一方
向の引張りヤング率E20が、E20≧800kg/mm 2 、好
ましくはE20≧900kg/mm 2 、更に好ましくはE20≧
1000kg/mm 2 であるのがよい。本発明の実施態様と
して磁気記録媒体を例に取れば、ヤング率がこれより低
いとテープの伸びが起こり記録再生性が低下する。ま
た、基材フィルムが高いヤング率(E20≧800kg/mm
2 )を持つことにより塗布層形成、バックコート層形成
工程など磁気記録媒体形成時にかかるテンションにも耐
えることが出来、加工上も有利である。
【0040】また、磁気記録媒体としては、該基材フィ
ルムの20℃における少なくとも一方向の引張りヤング
率E20が、E20≧800kg/mm 2 であれば、長手方向に
テンシライズまたは幅方向にテンシライズされても差し
支えない。テンシライズの度合いは特に限定されない
が、伸度、引き裂き抵抗力等の特性を考慮に入れると、
長手方向の引張りヤング率EMDと幅方向の引張りヤング
率ETDが、 0.5≦EMD/ETD≦2 の範囲であるのが実用的である。
ルムの20℃における少なくとも一方向の引張りヤング
率E20が、E20≧800kg/mm 2 であれば、長手方向に
テンシライズまたは幅方向にテンシライズされても差し
支えない。テンシライズの度合いは特に限定されない
が、伸度、引き裂き抵抗力等の特性を考慮に入れると、
長手方向の引張りヤング率EMDと幅方向の引張りヤング
率ETDが、 0.5≦EMD/ETD≦2 の範囲であるのが実用的である。
【0041】更に本発明のフィルムは過酷な環境下でも
使用しうるものであり、該フィルムの20℃、相対湿度
60%における少なくとも一方向の引張りヤング率E20
と80℃、相対湿度80%における同方向の引張りヤン
グ率E80が、0.5≦E80/E20であることが好まし
く、より好ましくは0.6≦E80/E20であり、更に好
ましくは0.7≦E80/E20である。0.5>E80/E
20であると高温、高湿度下などでの使用時に熱、湿度に
よりフィルムの剛性が低下し寸法変化が起こる。これ
は、磁気記録媒体として使用したとき記録再生性の低下
につながる。また、高温でのヤング率低下が小さい
(0.5≦E80/E20)と加工時においても寸法変化が
抑えられるため有利である。
使用しうるものであり、該フィルムの20℃、相対湿度
60%における少なくとも一方向の引張りヤング率E20
と80℃、相対湿度80%における同方向の引張りヤン
グ率E80が、0.5≦E80/E20であることが好まし
く、より好ましくは0.6≦E80/E20であり、更に好
ましくは0.7≦E80/E20である。0.5>E80/E
20であると高温、高湿度下などでの使用時に熱、湿度に
よりフィルムの剛性が低下し寸法変化が起こる。これ
は、磁気記録媒体として使用したとき記録再生性の低下
につながる。また、高温でのヤング率低下が小さい
(0.5≦E80/E20)と加工時においても寸法変化が
抑えられるため有利である。
【0042】また、本発明のフィルムは、塩化メチレン
で抽出したときの抽出率が重量分率にして0.2%以下
であると、過酷な環境下長期的に使用したときの安定性
に優れる。0.2%を越えるとこれら物質がフィルム表
面に浮き出てきて粘くなり、ローラー等への巻き付きが
生じ易く、また、走行時の張力が増加することとなって
フィルムの切断が生じやすくなる。塩化メチレン抽出率
を上記範囲とするには例えば塩化メチレン浴等のポリマ
ーを溶かさない有機溶媒浴に通じる方法があるが、凝固
浴あるいは洗浄浴として濃度勾配をもたせた良溶媒と貧
溶媒との混合媒からなる複数個の浴を使用するのが効果
的である。
で抽出したときの抽出率が重量分率にして0.2%以下
であると、過酷な環境下長期的に使用したときの安定性
に優れる。0.2%を越えるとこれら物質がフィルム表
面に浮き出てきて粘くなり、ローラー等への巻き付きが
生じ易く、また、走行時の張力が増加することとなって
フィルムの切断が生じやすくなる。塩化メチレン抽出率
を上記範囲とするには例えば塩化メチレン浴等のポリマ
ーを溶かさない有機溶媒浴に通じる方法があるが、凝固
浴あるいは洗浄浴として濃度勾配をもたせた良溶媒と貧
溶媒との混合媒からなる複数個の浴を使用するのが効果
的である。
【0043】本発明は、上記基材フィルム上の片面に磁
性層を設けた磁気記録媒体において好適に用いることが
できる。以下本発明の効果をより明確にするために一実
施態様としての磁気記録媒体を例に取り説明する。
性層を設けた磁気記録媒体において好適に用いることが
できる。以下本発明の効果をより明確にするために一実
施態様としての磁気記録媒体を例に取り説明する。
【0044】磁性層を形成する方法は、強磁性粉末を各
種バインダーを用いて磁性塗料とし基材フィルム上に塗
布する湿式法、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法などの乾式法があり、特に限定されるもの
ではないが、ここでは湿式法を例にとって説明する。
種バインダーを用いて磁性塗料とし基材フィルム上に塗
布する湿式法、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法などの乾式法があり、特に限定されるもの
ではないが、ここでは湿式法を例にとって説明する。
【0045】磁性体となる磁性粉末の種類は特に限定さ
れないが、強磁性粉末、例えば、酸化鉄、酸化クロム、
Fe,Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co−N
i等が好ましく用いられる。
れないが、強磁性粉末、例えば、酸化鉄、酸化クロム、
Fe,Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co−N
i等が好ましく用いられる。
【0046】磁性粉末は各種バインダーを用いて磁性塗
料とすることができるが、熱硬化性樹脂系バインダーお
よび放射線硬化系バインダーが好ましく、その他添加剤
として分散剤、潤滑剤、帯電防止剤等を用いてもよい。
例えば、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共
重合体、ポリウレタンプレポリマおよびポリイソシアネ
ートよりなるバインダーを用いることができる。
料とすることができるが、熱硬化性樹脂系バインダーお
よび放射線硬化系バインダーが好ましく、その他添加剤
として分散剤、潤滑剤、帯電防止剤等を用いてもよい。
例えば、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共
重合体、ポリウレタンプレポリマおよびポリイソシアネ
ートよりなるバインダーを用いることができる。
【0047】また、該磁気記録媒体が適度な粗さを持つ
ためには、基材フィルム中に粒子を存在させておくこと
が好ましい。粒子の種類としては、SiO2 、Ti
O2 、Al2 O3 、CaSO4 、BaSO4 、CaCO
3 、カ−ボンブラック、ゼオライト、その他の金属微粉
末などの無機粒子や、シリコン粒子、ポリイミド粒子、
架橋共重合体粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン粒
子などの有機高分子などがあるが、耐熱性の点から無機
粒子の方がより好ましい。更に本発明のフィルムに含有
される粒子の平均一次粒径は0.005〜5μm、好ま
しくは0.01〜2μmの範囲である場合に電磁変換特
性、走行性とも良好となるので望ましい。本発明の磁気
記録媒体の基材フィルムに含有される粒子の含有量は
0.01〜5wt%、好ましくは0.05〜3wt%で
ある。粒子の含有量が上記の範囲より少ないとフィルム
の走行性が不良となり易く、逆に多くても電磁変換特性
が不良となり易い。
ためには、基材フィルム中に粒子を存在させておくこと
が好ましい。粒子の種類としては、SiO2 、Ti
O2 、Al2 O3 、CaSO4 、BaSO4 、CaCO
3 、カ−ボンブラック、ゼオライト、その他の金属微粉
末などの無機粒子や、シリコン粒子、ポリイミド粒子、
架橋共重合体粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン粒
子などの有機高分子などがあるが、耐熱性の点から無機
粒子の方がより好ましい。更に本発明のフィルムに含有
される粒子の平均一次粒径は0.005〜5μm、好ま
しくは0.01〜2μmの範囲である場合に電磁変換特
性、走行性とも良好となるので望ましい。本発明の磁気
記録媒体の基材フィルムに含有される粒子の含有量は
0.01〜5wt%、好ましくは0.05〜3wt%で
ある。粒子の含有量が上記の範囲より少ないとフィルム
の走行性が不良となり易く、逆に多くても電磁変換特性
が不良となり易い。
【0048】また、基材フィルムはもちろん単層フィル
ムでも用いられるが、積層フィルムであっても良い。
ムでも用いられるが、積層フィルムであっても良い。
【0049】磁気記録媒体における本発明のフィルムの
厚みは好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1
〜20μm、更に好ましくは2〜10μmであると、薄
膜としての磁気記録媒体として優れた走行性、電磁変換
特性が実現されるので望ましい。
厚みは好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1
〜20μm、更に好ましくは2〜10μmであると、薄
膜としての磁気記録媒体として優れた走行性、電磁変換
特性が実現されるので望ましい。
【0050】本発明のフィルムの200℃、10分間で
の熱収縮率は5%以下が好ましく、より好ましくは2%
以下であると温度変化によるテープの寸法変化が小さく
良好な電磁変換特性を保てるので望ましい。
の熱収縮率は5%以下が好ましく、より好ましくは2%
以下であると温度変化によるテープの寸法変化が小さく
良好な電磁変換特性を保てるので望ましい。
【0051】本発明のフィルムの伸度は10%以上、よ
り好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上で
あるとテープが適度な柔軟性を持つので望ましい。
り好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上で
あるとテープが適度な柔軟性を持つので望ましい。
【0052】本発明のフィルムの吸湿率は、5%以下、
より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下であ
ると湿度変化によるテープの寸法変化が小さく良好な電
磁変換特性を保てるので望ましい。
より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下であ
ると湿度変化によるテープの寸法変化が小さく良好な電
磁変換特性を保てるので望ましい。
【0053】これらの特性は、積層された場合には積層
フィルムについても満足することが好ましい。
フィルムについても満足することが好ましい。
【0054】更に本発明の効果を明確にかつ具体的に説
明するため、平衡水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%以
上であり、本発明に好適に用いうる芳香族ポリアミドと
芳香族ポリイミドを例に説明するが、本発明は必ずしも
これに限定されるものではない。
明するため、平衡水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%以
上であり、本発明に好適に用いうる芳香族ポリアミドと
芳香族ポリイミドを例に説明するが、本発明は必ずしも
これに限定されるものではない。
【0055】まず芳香族ポリアミドであるが、酸クロリ
ドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン
(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極
性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面
重合などで合成される。ポリマ溶液は、単量体として酸
クロリドとジアミンを使用すると塩化水素が副生する
が、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチ
レンオキサイド、プロピレンオキシド、アンモニア、ト
リエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノール
アミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソシ
アネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極
性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
ドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン
(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極
性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面
重合などで合成される。ポリマ溶液は、単量体として酸
クロリドとジアミンを使用すると塩化水素が副生する
が、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチ
レンオキサイド、プロピレンオキシド、アンモニア、ト
リエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノール
アミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソシ
アネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極
性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
【0056】これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液と
して使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してか
ら上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製
膜原液を調製してもよい。
して使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してか
ら上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製
膜原液を調製してもよい。
【0057】本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得る
ためにはポリマの固有粘度(ポリマ0.5gを硫酸中で
100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.
5以上であることが好ましい。
ためにはポリマの固有粘度(ポリマ0.5gを硫酸中で
100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.
5以上であることが好ましい。
【0058】製膜原液には溶解助剤として無機塩例えば
塩化カルシウム、塩化マグネシム、塩化リチウム、硝酸
リチウムなどを添加する場合もある。これらは、本発明
に重要な軽金属イオンの源泉の一つである。製膜原液中
のポリマ濃度は2〜40wt%程度が好ましい。
塩化カルシウム、塩化マグネシム、塩化リチウム、硝酸
リチウムなどを添加する場合もある。これらは、本発明
に重要な軽金属イオンの源泉の一つである。製膜原液中
のポリマ濃度は2〜40wt%程度が好ましい。
【0059】一方、芳香族ポリイミドあるいはポリアミ
ド酸の溶液は、ポリアミド酸としてN−メチルピロリド
ン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジ
メチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機
極性溶媒中で、テトラカルボン酸二水物と芳香族ジアミ
ンを反応させて調製することができる。また芳香族ポリ
イミドは前記のポリアミド酸を含有する溶液を加熱した
り、ピリジンなどのイミド化剤を添加してポリイミドの
粉末を得、これを再度溶媒に溶解して調製できる。製膜
原液中のポリマ濃度は5〜40wt%程度が好ましい。
ド酸の溶液は、ポリアミド酸としてN−メチルピロリド
ン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジ
メチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機
極性溶媒中で、テトラカルボン酸二水物と芳香族ジアミ
ンを反応させて調製することができる。また芳香族ポリ
イミドは前記のポリアミド酸を含有する溶液を加熱した
り、ピリジンなどのイミド化剤を添加してポリイミドの
粉末を得、これを再度溶媒に溶解して調製できる。製膜
原液中のポリマ濃度は5〜40wt%程度が好ましい。
【0060】また、適度な粗さを得るための粒子の添加
方法は、粒子を予め溶媒中に十分スラリ−化した後、重
合用溶媒または希釈用溶媒として使用する方法や、製膜
原液を調製した後に直接添加する方法などがある。
方法は、粒子を予め溶媒中に十分スラリ−化した後、重
合用溶媒または希釈用溶媒として使用する方法や、製膜
原液を調製した後に直接添加する方法などがある。
【0061】上記のように調製された製膜原液は、いわ
ゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製
膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいづれの
方法で製膜されても差し支えないが、ここでは乾湿式法
を例にとって説明する。
ゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製
膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいづれの
方法で製膜されても差し支えないが、ここでは乾湿式法
を例にとって説明する。
【0062】乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金か
らドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して
薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜
が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室温〜2
20℃、60分以内の範囲であり、好ましくは室温〜2
00℃の範囲である。乾燥温度が220℃を越えると表
面に粗大突起を多く生じ走行性に悪影響がある。また、
この乾燥工程で用いられるドラム、エンドレスベルトは
なるだけ平滑であることが好ましい。乾式工程を終えた
フィルムは支持体から剥離されて湿式工程に導入され、
上記の湿式法と同様に脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さ
らに延伸、乾燥、熱処理が行なわれてフィルムとなる。
らドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して
薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜
が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室温〜2
20℃、60分以内の範囲であり、好ましくは室温〜2
00℃の範囲である。乾燥温度が220℃を越えると表
面に粗大突起を多く生じ走行性に悪影響がある。また、
この乾燥工程で用いられるドラム、エンドレスベルトは
なるだけ平滑であることが好ましい。乾式工程を終えた
フィルムは支持体から剥離されて湿式工程に導入され、
上記の湿式法と同様に脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さ
らに延伸、乾燥、熱処理が行なわれてフィルムとなる。
【0063】以上のように形成されるフィルムはその製
膜工程中で延伸が行なわれるが、延伸倍率は面倍率で
0.8〜8.0(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延
伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。1以下は
リラックスを意味する。)の範囲内にあることが好まし
く、より好ましくは1.1〜5.0である。また延伸あ
るいは熱処理後のフィルムを徐冷する事が有効であり、
50℃/秒以下の速度で冷却する事が有効である。
膜工程中で延伸が行なわれるが、延伸倍率は面倍率で
0.8〜8.0(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延
伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。1以下は
リラックスを意味する。)の範囲内にあることが好まし
く、より好ましくは1.1〜5.0である。また延伸あ
るいは熱処理後のフィルムを徐冷する事が有効であり、
50℃/秒以下の速度で冷却する事が有効である。
【0064】ついで、先述の方法を用いることによっ
て、フィルム中の含水量が制御されたフィルムロールが
得られる。
て、フィルム中の含水量が制御されたフィルムロールが
得られる。
【0065】なお本発明のフィルムは、積層フィルムで
あってもよい。例えば2層の場合には、重合した芳香族
ポリアミド溶液を二分し、各々異なる粒子を添加した
後、積層する。さらに3層以上の場合も同様である。こ
れら積層の方法としては、周知の方法たとえば、口金内
での積層、複合管での積層や、一旦1層を形成しておい
てその上に他の層を形成する方法などがある。
あってもよい。例えば2層の場合には、重合した芳香族
ポリアミド溶液を二分し、各々異なる粒子を添加した
後、積層する。さらに3層以上の場合も同様である。こ
れら積層の方法としては、周知の方法たとえば、口金内
での積層、複合管での積層や、一旦1層を形成しておい
てその上に他の層を形成する方法などがある。
【0066】また、湿式法による磁気記録媒体を得る一
例を示すと、次いで、磁性塗料が公知の方法で塗布され
るが、塗布方法としてグラビアロールを使用する方法が
塗膜の均一性の点ではより好ましい。塗布後の乾燥温度
は90℃〜150℃が好ましい。またカレンダー工程は
25℃〜150℃の範囲で行うのが好ましい。
例を示すと、次いで、磁性塗料が公知の方法で塗布され
るが、塗布方法としてグラビアロールを使用する方法が
塗膜の均一性の点ではより好ましい。塗布後の乾燥温度
は90℃〜150℃が好ましい。またカレンダー工程は
25℃〜150℃の範囲で行うのが好ましい。
【0067】この後、磁性層と反対側の面に更に走行性
を向上させるために、公知の方法によりバックコート層
を設けてもよい。
を向上させるために、公知の方法によりバックコート層
を設けてもよい。
【0068】更に、この磁性層を塗布したフィルムをキ
ュアした後スリットして磁気記録媒体となる。
ュアした後スリットして磁気記録媒体となる。
【0069】こうして得られた磁気記録媒体は、小型
化、薄型化が可能なためコンパクトで大容量のデータを
記録することができ、湾曲が制御されているので録再特
性に優れ、ビデオ、オーディオ用にはもちろん、かつ高
速での走行に耐え、更に耐環境性に優れることで、特に
コンピューターのデータテープ等のデジタル記録材とし
て好適である。また、走行性に優れ及び電磁変換特性も
良好であるので屋外使用に向き、ビデオカメラ用テープ
等にも好適に用いることができる。また、長手方向の湾
曲が制御されているので走行中にたるみが起きにくく、
感熱転写記録用転写材、TAB実装基板等のフィルム基
板やフィルムコンデンサ等の用途にも好適に用いること
ができる。
化、薄型化が可能なためコンパクトで大容量のデータを
記録することができ、湾曲が制御されているので録再特
性に優れ、ビデオ、オーディオ用にはもちろん、かつ高
速での走行に耐え、更に耐環境性に優れることで、特に
コンピューターのデータテープ等のデジタル記録材とし
て好適である。また、走行性に優れ及び電磁変換特性も
良好であるので屋外使用に向き、ビデオカメラ用テープ
等にも好適に用いることができる。また、長手方向の湾
曲が制御されているので走行中にたるみが起きにくく、
感熱転写記録用転写材、TAB実装基板等のフィルム基
板やフィルムコンデンサ等の用途にも好適に用いること
ができる。
【0070】
【実施例】本発明の物性の測定方法、効果の評価方法は
次の方法による。
次の方法による。
【0071】(1)フィルムの湾曲量 フィルムロールから5mフィルムを引き出して捨て、次
に、長さ1mの試料を10試料(試料群1)採取する。
また別途、該フィルムロールの両辺縁部それぞれについ
て5mm内側に入った所から8mm幅でスリットし、得
られたフィルムから長さ1mの試料を各10試料(試料
群2及び3)採取する。次いで水平で方眼の描かれた台
上に試料1〜3についてフィルムを展開し湾曲内側の弧
が弦から乖離した最大長さを求め、これら試料群1〜3
の中での全平均の大きい試料群における上位2位〜6位
を平均して湾曲量とした。
に、長さ1mの試料を10試料(試料群1)採取する。
また別途、該フィルムロールの両辺縁部それぞれについ
て5mm内側に入った所から8mm幅でスリットし、得
られたフィルムから長さ1mの試料を各10試料(試料
群2及び3)採取する。次いで水平で方眼の描かれた台
上に試料1〜3についてフィルムを展開し湾曲内側の弧
が弦から乖離した最大長さを求め、これら試料群1〜3
の中での全平均の大きい試料群における上位2位〜6位
を平均して湾曲量とした。
【0072】上記評価は便宜上定めたものであり、本発
明の主旨からすればフィルムロールやスリットされたフ
ィルムの幅、長さは本発明を限定するものではなく、幅
が8mm以下あるいは16mm以下のものであるときは
全幅及び/または該フィルムの1/2幅の試料で評価で
きる。また、全長が5m以下である時は試料が採取でき
る最大の長さを廃棄部分とすることができ、また試長1
mあたりへの換算は近似計算を用いて容易なので試長を
1m以下として求め換算しても良い。試料数についても
やむを得ないときは10試料以下でも良く、その時には
最大乖離長をもって湾曲量とする。
明の主旨からすればフィルムロールやスリットされたフ
ィルムの幅、長さは本発明を限定するものではなく、幅
が8mm以下あるいは16mm以下のものであるときは
全幅及び/または該フィルムの1/2幅の試料で評価で
きる。また、全長が5m以下である時は試料が採取でき
る最大の長さを廃棄部分とすることができ、また試長1
mあたりへの換算は近似計算を用いて容易なので試長を
1m以下として求め換算しても良い。試料数についても
やむを得ないときは10試料以下でも良く、その時には
最大乖離長をもって湾曲量とする。
【0073】(2)片伸び量、経時変化率 フィルムロールからフィルムを5m引き出して捨て、長
手方向の長さ2mに対して、幅方向の一辺を固定しもう
一辺を0.4kg/mm2 の荷重が均一にかかるよう水
平に展張する。次いで固定端から1mの位置にフィルム
上面幅方向に接するように糸を張り、フィルム端部と糸
との距離を求め片伸び量( T0) とした。
手方向の長さ2mに対して、幅方向の一辺を固定しもう
一辺を0.4kg/mm2 の荷重が均一にかかるよう水
平に展張する。次いで固定端から1mの位置にフィルム
上面幅方向に接するように糸を張り、フィルム端部と糸
との距離を求め片伸び量( T0) とした。
【0074】また、該フィルムロールを20℃、65%
RHの雰囲気で10日間おき同様にして片伸び量(T
1)を求め下式で変化率を求めた。
RHの雰囲気で10日間おき同様にして片伸び量(T
1)を求め下式で変化率を求めた。
【0075】(T1−T0)/T0×100 (%)
【0076】(3)水分率 フィルムロールの内層( ロールの中心から5〜10%の
部分) 、外層( ロールの最外層部分) それぞれについて
幅方向に対し中央及び辺縁に相当する部分からそれぞれ
フィルム約0.5gを採取し次のように求めた。各部分
について、まず初期重量をW1とする。ついでフィルム
を200℃で恒量となるよう乾燥しその重量をW0とし
下式にて算出し、最大値及び最小値を求めた。
部分) 、外層( ロールの最外層部分) それぞれについて
幅方向に対し中央及び辺縁に相当する部分からそれぞれ
フィルム約0.5gを採取し次のように求めた。各部分
について、まず初期重量をW1とする。ついでフィルム
を200℃で恒量となるよう乾燥しその重量をW0とし
下式にて算出し、最大値及び最小値を求めた。
【0077】(W1−W0)/W0×100 (%)
【0078】また、x ℃、相対湿度y %における平衡水
分率H(x℃,y%RH)は該フィルムを当該雰囲気中におき恒
量に至った時の重量をW1 として(W1 −W0 )/W0
に100を乗じた値で求めた。
分率H(x℃,y%RH)は該フィルムを当該雰囲気中におき恒
量に至った時の重量をW1 として(W1 −W0 )/W0
に100を乗じた値で求めた。
【0079】(4)塩化メチレン抽出率 フィルム10gを計り取りソックスレー抽出器を用い2
4時間抽出した。ついで、抽出液をエバポレータで蒸発
乾固し残さ重量を求め次式により求めた。
4時間抽出した。ついで、抽出液をエバポレータで蒸発
乾固し残さ重量を求め次式により求めた。
【0080】塩化メチレン抽出率=(残さ重量(g)/
フィルム重量(g))×100
フィルム重量(g))×100
【0081】(5)スリット性 (3)で用いたフィルムロールをレザーカット法で幅8
mmにスリットし、得られたフィルムの端面を目視ある
いは顕微鏡観察し損傷の度合いを観察した。
mmにスリットし、得られたフィルムの端面を目視ある
いは顕微鏡観察し損傷の度合いを観察した。
【0082】◎:端面に傷や変形などの損傷が認められ
ない。 ○:端面に切り傷は見られないが若干の変形が認められ
る。 ×:端面に切り傷が入っているのが観察される。
ない。 ○:端面に切り傷は見られないが若干の変形が認められ
る。 ×:端面に切り傷が入っているのが観察される。
【0083】(6)電磁変換特性 フィルムロールに次の組成から成る磁性塗料を磁性層の
厚みが2μmになるよう塗布し、 磁性粉(Co- Ni粉) 80重量部 塩ビ系共重合体 20重量部 ポリウレタン 10重量部 硬化剤 5重量部 研磨剤 5重量部 溶剤(トルエン等) 200重量部 硬化後カレンダーロールで処理して、8mm幅にスリッ
トし、VTRカセットに組み込んで磁気記録媒体を得
た。ついで一定周波数、一定強度の信号を録音し、つい
で再生した時の強度変化を求めた。
厚みが2μmになるよう塗布し、 磁性粉(Co- Ni粉) 80重量部 塩ビ系共重合体 20重量部 ポリウレタン 10重量部 硬化剤 5重量部 研磨剤 5重量部 溶剤(トルエン等) 200重量部 硬化後カレンダーロールで処理して、8mm幅にスリッ
トし、VTRカセットに組み込んで磁気記録媒体を得
た。ついで一定周波数、一定強度の信号を録音し、つい
で再生した時の強度変化を求めた。
【0084】(7)走行耐久性 (6)で用いた磁気記録媒体を40℃、50%RHの環
境下、再生モードで100回繰り返し走行させた後の磁
性面のすり傷や欠落及びテープおれの有無を観察し、次
の3段階で評価した。
境下、再生モードで100回繰り返し走行させた後の磁
性面のすり傷や欠落及びテープおれの有無を観察し、次
の3段階で評価した。
【0085】◎:まったくすり傷や欠落、テープおれが
見られない。 ○:弱いすり傷やテープおれの発生が認められる。 ×:きついすり傷や磁性層の欠落、テープおれが認めら
れる。
見られない。 ○:弱いすり傷やテープおれの発生が認められる。 ×:きついすり傷や磁性層の欠落、テープおれが認めら
れる。
【0086】実施例1 N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分
として80モル%に相当する2−クロルパラフェニレン
ジアミンと、20モル%に相当する4,4’−ジアミノ
ジフェニルエ−テルとを溶解させ、これに100モル%
に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、
2時間撹拌して重合を完了した。これを水酸化リチウム
で中和して芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液に、
一次粒径16nmの乾式シリカをポリマ当たり2wt%
添加した。
として80モル%に相当する2−クロルパラフェニレン
ジアミンと、20モル%に相当する4,4’−ジアミノ
ジフェニルエ−テルとを溶解させ、これに100モル%
に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、
2時間撹拌して重合を完了した。これを水酸化リチウム
で中和して芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液に、
一次粒径16nmの乾式シリカをポリマ当たり2wt%
添加した。
【0087】このポリマ溶液をフィルタ−を通した後、
ステンレスベルト上に流延し、180℃の熱風で2分間
加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を得たフィルムを
ベルトから連続的に剥離した。次にNMP濃度勾配を持
つ水/NMP槽内へフィルムを順次導入して残存溶媒お
よび無機塩の抽出を行ない、テンターで水分の乾燥と熱
処理を行なって厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィルム
を得た。この間にフィルム長手方向と幅方向に各々1.
2倍、1.3倍延伸を行ない、280℃で1.5分間乾
燥と熱処理を行なった後、20℃/秒の速度で徐冷して
直径250mmの紙管に幅600mm、長さ6000m
巻き取りフィルムロールを得た。
ステンレスベルト上に流延し、180℃の熱風で2分間
加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を得たフィルムを
ベルトから連続的に剥離した。次にNMP濃度勾配を持
つ水/NMP槽内へフィルムを順次導入して残存溶媒お
よび無機塩の抽出を行ない、テンターで水分の乾燥と熱
処理を行なって厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィルム
を得た。この間にフィルム長手方向と幅方向に各々1.
2倍、1.3倍延伸を行ない、280℃で1.5分間乾
燥と熱処理を行なった後、20℃/秒の速度で徐冷して
直径250mmの紙管に幅600mm、長さ6000m
巻き取りフィルムロールを得た。
【0088】このフィルムの20℃、75%RHにおけ
る平衡水分量は1.5%、ヤング率E20 は長手方向1
1.3GPa、幅方向11.8GPa、E80/E20 は0.
72、塩化メチレン抽出率は、0.1wt%以下であっ
た。
る平衡水分量は1.5%、ヤング率E20 は長手方向1
1.3GPa、幅方向11.8GPa、E80/E20 は0.
72、塩化メチレン抽出率は、0.1wt%以下であっ
た。
【0089】こうして得られたフィルムロールを製造後
直ちにアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム
(水蒸気透過率:1.5g/m2 /24hr/1at
m)で梱包した。
直ちにアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム
(水蒸気透過率:1.5g/m2 /24hr/1at
m)で梱包した。
【0090】この梱包されたフィルムロールを梱包状態
で20℃、65%RHの環境下10日間おき、開梱して
片伸び量を求めると7mm、さらに開梱状態を継続し経
時変化率を求めると250%であった。
で20℃、65%RHの環境下10日間おき、開梱して
片伸び量を求めると7mm、さらに開梱状態を継続し経
時変化率を求めると250%であった。
【0091】また、開梱されたばかりのフィルムロール
の湾曲量は0.5mm、水分率は最大値0.3%、最小
値0.0%であった。
の湾曲量は0.5mm、水分率は最大値0.3%、最小
値0.0%であった。
【0092】このフィルムのスリット性、電磁変換特
性、走行耐久性は良好であった。
性、走行耐久性は良好であった。
【0093】比較例1 実施例1で得られるフィルムロールをアルミ蒸着のなさ
れていないポリエチレンテレフタレートフィルム(水蒸
気透過率:60g/m2 /24hr/1atm)で梱包
した。
れていないポリエチレンテレフタレートフィルム(水蒸
気透過率:60g/m2 /24hr/1atm)で梱包
した。
【0094】この梱包されたフィルムロールを梱包状態
で20℃、65%RHの環境下10日間おき、開梱して
片伸び量を求めると25mm、経時変化率は15%であ
った。
で20℃、65%RHの環境下10日間おき、開梱して
片伸び量を求めると25mm、経時変化率は15%であ
った。
【0095】また、開梱されたばかりのフィルムの湾曲
量は12mm、水分率は最大値1.2%、最小値0.1
%であった。
量は12mm、水分率は最大値1.2%、最小値0.1
%であった。
【0096】このフィルムのスリット性評価では端面に
ケズレが認められ、電磁変換特性に劣り、走行耐久性試
験においてフィルム面にキズが認められた。
ケズレが認められ、電磁変換特性に劣り、走行耐久性試
験においてフィルム面にキズが認められた。
【0097】実施例2 乾燥、熱処理を行ったフィルムを次いで、95℃の飽和
水蒸気槽にフィルムの水分率が1.4%となるように通
じて巻き取った他は実施例1と同様の方法でフィルムロ
ールを得た。
水蒸気槽にフィルムの水分率が1.4%となるように通
じて巻き取った他は実施例1と同様の方法でフィルムロ
ールを得た。
【0098】このフィルムロールの片伸び量を求めると
5mm、経時変化率は5%であった。
5mm、経時変化率は5%であった。
【0099】また、フィルムの湾曲量は0.4mm、水
分率は最大値1.4%、最小値1.3%であった。
分率は最大値1.4%、最小値1.3%であった。
【0100】このフィルムのスリット性、電磁変換特
性、走行耐久性は良好であった。
性、走行耐久性は良好であった。
【0101】実施例3 実施例1の方法で得たフィルムロールを恒温槽に入れ系
内を60℃に加温後減圧排気する。ついで系内に水蒸気
を導入し80℃で10日間処理を行い、常圧にもどして
フィルムロールを取り出した。
内を60℃に加温後減圧排気する。ついで系内に水蒸気
を導入し80℃で10日間処理を行い、常圧にもどして
フィルムロールを取り出した。
【0102】このフィルムロールの片伸び量を求めると
12mm、経時変化率は20%であった。
12mm、経時変化率は20%であった。
【0103】また、フィルムの湾曲量は1.3mm、水
分率は最大値1.4%、最小値1.0%であった。
分率は最大値1.4%、最小値1.0%であった。
【0104】このフィルムのスリット時に若干のダメー
ジが認められたものの、電磁変換特性、走行耐久性は良
好であった。
ジが認められたものの、電磁変換特性、走行耐久性は良
好であった。
【0105】実施例4 巻き取り時にデュポン社製ポリエチレン不織布”タイベ
ック”を併せて巻き取った他は実施例1と同様の方法を
用い、フィルムロールを得た。ついでこのフィルムロー
ルを恒温槽に入れ、60℃、80%RHの雰囲気下で最
外層のフィルムの水分率が1.4%となるよう処理を行
った。
ック”を併せて巻き取った他は実施例1と同様の方法を
用い、フィルムロールを得た。ついでこのフィルムロー
ルを恒温槽に入れ、60℃、80%RHの雰囲気下で最
外層のフィルムの水分率が1.4%となるよう処理を行
った。
【0106】このフィルムロールの片伸び量を求めると
5mm、経時変化率は5%であった。
5mm、経時変化率は5%であった。
【0107】また、フィルム湾曲はほとんどなく、水分
率は最大値1.4%、最小値1.4%であった。
率は最大値1.4%、最小値1.4%であった。
【0108】このフィルムのスリット性、電磁変換特
性、走行耐久性は良好であった。
性、走行耐久性は良好であった。
【0109】実施例5 NMPに芳香族ジアミン成分として100モル%に相当
する4,4’−ジアミノジフェニルアミンを溶解させ、
これに100モル%に相当する3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物を添加し重合してポ
リアミド酸溶液を得た。この溶液に、一時粒径16μm
の乾式シリカをポリマ当たり2wt%添加した。
する4,4’−ジアミノジフェニルアミンを溶解させ、
これに100モル%に相当する3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物を添加し重合してポ
リアミド酸溶液を得た。この溶液に、一時粒径16μm
の乾式シリカをポリマ当たり2wt%添加した。
【0110】このポリマ溶液を5μmカットのフィルタ
−を通した後、ステンレスベルト上に流延し、150℃
の熱風で自己保持性を持つまで乾燥し、ベルトから連続
的に剥離した。次に420℃のテンタ−で熱処理を行な
った後、20℃/秒の速度で徐冷した。延伸倍率はM
D、TDともに1.1倍、厚みは6μmのフィルムを実
施例4と同様不織布と共に巻き取り幅600mm長さ6
000mのフィルムロールを得た。
−を通した後、ステンレスベルト上に流延し、150℃
の熱風で自己保持性を持つまで乾燥し、ベルトから連続
的に剥離した。次に420℃のテンタ−で熱処理を行な
った後、20℃/秒の速度で徐冷した。延伸倍率はM
D、TDともに1.1倍、厚みは6μmのフィルムを実
施例4と同様不織布と共に巻き取り幅600mm長さ6
000mのフィルムロールを得た。
【0111】このフィルムの20℃、75%RHにおけ
る平衡水分率は1.8%であった。また、このフィルム
の塩化メチレン抽出率は、0.1wt%以下であった。
る平衡水分率は1.8%であった。また、このフィルム
の塩化メチレン抽出率は、0.1wt%以下であった。
【0112】ついでこのフィルムロールを恒温槽に入
れ、60℃、80%RHの雰囲気下で最外層のフィルム
の水分率が1.8%となるよう処理を行った。
れ、60℃、80%RHの雰囲気下で最外層のフィルム
の水分率が1.8%となるよう処理を行った。
【0113】このフィルムロールの片伸び量を求めると
5mm、経時変化率は5%であった。
5mm、経時変化率は5%であった。
【0114】また、フィルム湾曲はほとんどなく、水分
率は最大値1.8%、最小値1.7%であった。
率は最大値1.8%、最小値1.7%であった。
【0115】このフィルムのスリット性、電磁変換特
性、走行耐久性は良好であった。
性、走行耐久性は良好であった。
【0116】比較例2 実施例1で得たフィルムロールを20℃×65%RHの
環境下10日間放置した。
環境下10日間放置した。
【0117】このフィルムロールの片伸び量を求めると
40mm、さらに10日間放置したときの経時変化率は
8%であった。
40mm、さらに10日間放置したときの経時変化率は
8%であった。
【0118】また、フィルムの湾曲量は15mm、水分
率は最大値1.4%、最小値0.2%であった。
率は最大値1.4%、最小値0.2%であった。
【0119】このフィルムはスリット時にフィルムの切
れが発生し、また、電磁変換特性、走行耐久性ともに劣
るものであった。
れが発生し、また、電磁変換特性、走行耐久性ともに劣
るものであった。
【0120】実施例6 水/NMP浴に代えて水浴を用いた以外は実施例1と同
様に重合、製膜、梱包処理を行った。
様に重合、製膜、梱包処理を行った。
【0121】このフィルムの20℃、75%RHにおけ
る平衡水分量は1.6%であった。また、塩化メチレン
抽出率は2.2%であった。
る平衡水分量は1.6%であった。また、塩化メチレン
抽出率は2.2%であった。
【0122】また、梱包されたフィルムロールを梱包状
態で20℃、65%RHの環境下10日間おき、開梱し
て片伸び量を求めると8mm、さらに開梱状態を継続し
経時変化を求めると250%であった。
態で20℃、65%RHの環境下10日間おき、開梱し
て片伸び量を求めると8mm、さらに開梱状態を継続し
経時変化を求めると250%であった。
【0123】また、開梱されたばかりのフィルムロール
の湾曲量は0.5mm、水分量は最大値0.4%、最小
値0.0%であった。
の湾曲量は0.5mm、水分量は最大値0.4%、最小
値0.0%であった。
【0124】このフィルムのスリット性、電磁変換特性
は良好であったが、走行耐久性試験においてやや劣るも
のであった。
は良好であったが、走行耐久性試験においてやや劣るも
のであった。
【0125】
【表1】
【0126】
【発明の効果】本発明は、吸湿率が高い有機高分子体か
らなるフィルムにおいても吸湿に起因する経時変化に伴
う寸法変化ムラを規制しえたものであり、特に耐熱性、
機械特性に優れた芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリ
イミドからなる基材フィルムに好適に用いることができ
る。また、本発明により加工生産性、耐久性、歩留まり
の向上をはかることができる。また、該基材フィルムに
磁性層を設けた磁気記録媒体は走行性、出力特性の優れ
たものである。
らなるフィルムにおいても吸湿に起因する経時変化に伴
う寸法変化ムラを規制しえたものであり、特に耐熱性、
機械特性に優れた芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリ
イミドからなる基材フィルムに好適に用いることができ
る。また、本発明により加工生産性、耐久性、歩留まり
の向上をはかることができる。また、該基材フィルムに
磁性層を設けた磁気記録媒体は走行性、出力特性の優れ
たものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/704 G11B 5/704 // B29K 67:00
Claims (14)
- 【請求項1】平衡水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%以
上の有機高分子体からなるフィルムであって該フィルム
の湾曲がフィルム1mあたり10mm以下であることを
特徴とするフィルム。 - 【請求項2】平衡水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%以
上の有機高分子体からなるフィルムロールであって、該
フィルムの片伸び量が20mm以下であることを特徴と
するフィルムロール。 - 【請求項3】該フィルムロールを20℃、65%RHの
雰囲気下10日間放置後の片伸び量の変分が40%以下
である請求項2に記載のフィルムロール。 - 【請求項4】平衡水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%以
上の有機高分子体からなるフィルムのフィルムロールで
あって、フィルムロール中の全ての部分においての水分
率が当該雰囲気(x℃,y%RH) における平衡水分率H(x
℃,y%RH)の40%以上であることを特徴とするフィルム
ロール。 - 【請求項5】有機高分子体が芳香族ポリアミドあるいは
芳香族ポリイミドである請求項1に記載のフィルム。 - 【請求項6】有機高分子体が芳香族ポリアミドあるいは
芳香族ポリイミドである請求項2〜4のいずれかに記載
のフィルムロール。 - 【請求項7】 塩化メチレン抽出物が0.2重量%以下
であることを特徴とする請求項1または請求項5に記載
のフィルム。 - 【請求項8】 塩化メチレン抽出物が0.2重量%以下
であることを特徴とする請求項2〜4及び6のいずれか
に記載のフィルムロール。 - 【請求項9】請求項1、5及び7のいずれかに記載のフ
ィルムの少なくとも一面に磁性層を形成してなる磁気記
録媒体。 - 【請求項10】請求項2〜4、6及び8のいずれかに記
載のフィルムロールのフィルムの少なくとも一面に磁性
層を形成してなる磁気記録媒体。 - 【請求項11】平衡水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%
以上の有機高分子体からなるフィルムロールを加工直前
まで防湿性雰囲気に保存することを特徴とするフィルム
ロールの保存方法。 - 【請求項12】平衡水分率H(20 ℃,75%RH) が1wt%
以上の有機高分子体からなるフィルムの製造工程中及び
/またはフィルムロールを得た後、該フィルム及び/ま
たはフィルムロールを湿熱下に処理を行うことを特徴と
するフィルムロールの製造方法。 - 【請求項13】有機高分子体が芳香族ポリアミドあるい
は芳香族ポリイミドであることを特徴とする請求項11
に記載のフィルムロールの保存方法。 - 【請求項14】有機高分子体が芳香族ポリアミドあるい
は芳香族ポリイミドであることを特徴とする請求項12
に記載のフィルムロールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15558096A JPH0971669A (ja) | 1995-06-27 | 1996-06-17 | フィルム及びフィルムロールとその製造方法及び磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-161132 | 1995-06-27 | ||
JP16113295 | 1995-06-27 | ||
JP15558096A JPH0971669A (ja) | 1995-06-27 | 1996-06-17 | フィルム及びフィルムロールとその製造方法及び磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0971669A true JPH0971669A (ja) | 1997-03-18 |
Family
ID=26483536
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15558096A Pending JPH0971669A (ja) | 1995-06-27 | 1996-06-17 | フィルム及びフィルムロールとその製造方法及び磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0971669A (ja) |
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