JP2006199926A - ポリビニルアルコール系フィルム、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サイズが1m×1mのポリビニルアルコール系フィルムを平坦な定盤上に設置したときに、表面うねりの最底部から最頂部までの高さ(h)が、1cm以下であるポリビニルアルコール系フィルムである。(A)キャスティング法によりポリビニルアルコール系フィルムを製膜する工程、(B)製膜されたポリビニルアルコール系フィルムを加熱して、含水率を1〜5重量%に調整する工程、(C)加熱されたポリビニルアルコール系フィルムをスリットしたのち、フィルム中の含水率を1〜5重量%に調整した状態でロールに巻き取る工程、および(D)巻き取ったポリビニルアルコール系フィルムを梱包する工程により、ポリビニルアルコール系フィルムを製造する。
【選択図】なし
Description
(A)キャスティング法によりポリビニルアルコール系フィルムを製膜する工程、
(B)製膜されたポリビニルアルコール系フィルムを加熱して、含水率を1〜5重量%に調整する工程、
(C)加熱されたポリビニルアルコール系フィルムをスリットしたのち、フィルム中の含水率を1〜5重量%に調整した状態でロールに巻き取る工程、および
(D)巻き取ったポリビニルアルコール系フィルムを梱包する工程
からなる前記ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関するものである。
前記工程(B)の加熱終了から、前記工程(D)の梱包終了までは、48時間以内に行われることが好ましい。
(A)キャスティング法によりポリビニルアルコール系フィルムを製膜する工程、
(B)製膜されたポリビニルアルコール系フィルムを加熱して、含水率を1〜5重量%に調整する工程、
(C)加熱されたポリビニルアルコール系フィルムをスリットしたのち、フィルム中の含水率を1〜5重量%に調整した状態でロールに巻き取る工程、および
(D)巻き取ったポリビニルアルコール系フィルムを梱包する工程
により製造することができる。
〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2
装置:Waters製244型ゲル浸透クロマトグラフ
カラム:東ソー(株)製TSK−gel−GMPWXL(内径8mm、長さ30cm、2本)
溶媒:0.1M−トリス緩衝液(pH7.9)
流速:0.5ml/min
温度:23℃
試料濃度:0.040%
ろ過:東ソー(株)製0.45μmマイショリディスクW−25−5
注入量:0.2ml
検出感度(示差屈折率検出器):4倍
装置:Chromatrix製KMX−6型低角度レーザー光散乱光度計
温度:23℃
波長:633nm
第2ビリアル係数×濃度:0mol/g
屈折率濃度変化(dn/dc):0.159ml/g
フィルター:MILLIPORE製0.45μmフィルターHAWP01300
ゲイン:800mV
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
500lのタンクに18℃の水200kgを入れ、撹拌しながら、重量平均分子量125000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂40kgを加え、15分間撹拌を続けた。その後一旦水を抜いたのち、さらに水200kgを加え15分間撹拌した。得られたスラリーを脱水し、含水率43重量%のポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを得た。
直径:3200mm
幅:4000mm
回転速度:8m/分
表面温度:90℃
T型スリットダイ出口の樹脂温度:95℃
直径:320mm
幅:4000mm
本数:10本
回転速度:8m/分
表面温度:80℃
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、ついでホウ酸60g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に4倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行なった。その後、乾燥して偏光膜を得た。得られた偏光膜について、偏光度および単体透過率を高速多波長複屈折測定装置(大塚電子(株)製、RETS−2000 波長:550nm)を用いて測定したところ、偏光度は99.9%、単体透過率は43.2%であった。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
乾燥から梱包までの時間を30時間(仮巻き取りからスリットまでの保管を20時間、本巻き取りから梱包までの時間を10時間)とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムロールを得た。フィルムの含水率は、乾燥後が3重量%、本巻き取り時が4重量%、梱包時が4.5重量%であった。得られたフィルムロールの最外層フィルムのろ波最大うねりを実施例1と同様にして測定した。3箇所のろ波最大うねりの平均値は2mmであった。
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、ついでホウ酸60g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に4倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行なった。その後、乾燥して偏光膜を得た。得られた偏光膜について、偏光度および単体透過率を測定したところ、偏光度は99.7%、単体透過率は43.1%であった。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
500lのタンクに18℃の水200kgを入れ、撹拌しながら、重量平均分子量141000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂40kgを加え、15分間撹拌を続けた。その後一旦水を抜いたのち、さらに水200kgを加え15分間撹拌した。得られたスラリーを脱水し、含水率43重量%のポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを得た。
直径:3200mm
幅:4000mm
回転速度:8m/分
表面温度:90℃
T型スリットダイ出口の樹脂温度:95℃
直径:320mm
幅:4000mm
本数:10本
回転速度:8m/分
表面温度:80℃
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、ついでホウ酸60g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に4倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行なった。その後、乾燥して偏光膜を得た。得られた偏光膜について、偏光度および単体透過率を測定したところ、偏光度は99.9%、単体透過率は43.3%であった。
重量平均分子量165000のポリビニルアルコール系樹脂を用いて、濃度25重量%の水溶液を製膜する以外は実施例3と同様にしてフィルムロールを得た。得られたフィルムロールの最外層フィルムのろ波最大うねりを実施例1と同様にして測定した。3箇所のろ波最大うねりの平均値は0.5mmであった。
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、ついでホウ酸60g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に4倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行なった。その後、乾燥して偏光膜を得た。得られた偏光膜について、偏光度および単体透過率を測定したところ、偏光度は99.9%、単体透過率は43.5%であった。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
乾燥から梱包までの時間を72時間(仮巻き取りからスリットまでの保管を48時間、本巻き取りから梱包までの時間を24時間)とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムロールを得た。フィルムの含水率は、乾燥後が3重量%、本巻き取り時が6重量%、梱包時が7重量%であった。得られたロールの最外層フィルムのろ波最大うねりを実施例1と同様にして測定した。3箇所のろ波最大うねりの平均値は17mmであった。フィルムロールの外観は幅方向にしわが生じており不良であった。
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、ついでホウ酸60g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に4倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行なった。その後、乾燥して偏光膜を得た。得られた偏光膜について、偏光度および単体透過率を測定したところ、偏光度は98.7%、単体透過率は43.5%であった。
(ポリビニルアルコール系フィルムの製造)
500lのタンクに18℃の水200kgを入れ、撹拌しながら、重量平均分子量125000、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂40kgを加え、15分間撹拌を続けた。その後一旦水を抜いたのち、さらに水200kgを加え15分間撹拌した。得られたスラリーを脱水し、含水率43重量%のポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを得た。
直径:3200mm
幅:4000mm
回転速度:6m/分
表面温度:80℃
T型スリットダイ出口の樹脂温度:70℃
直径:320mm
幅:4000mm
本数:10本
回転速度:6m/分
表面温度:80℃
得られたポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、ついでホウ酸60g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成の水溶液(55℃)に浸漬するとともに、同時に4倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行なった。その後、乾燥して偏光膜を得た。得られた偏光膜について、偏光度および単体透過率を測定したところ、偏光度は98.2%、単体透過率は43.4%であった。
Claims (12)
- サイズが1m×1mのポリビニルアルコール系フィルムを平坦な定盤上に設置したときに、表面うねりの最大高さ(h)が、1cm以下であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム。
- フィルムの長さ3000m以上が巻き取られたロール状のポリビニルアルコール系フィルムであって、ロール最外層フィルムの幅方向におけるろ波最大うねりが、5mm以下であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- 重量平均分子量120000〜300000のポリビニルアルコール系樹脂を用いてなることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- フィルムの厚みが30〜70μmであることを特徴とする請求項1、2または3記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- フィルム幅が2m以上であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- (A)キャスティング法によりポリビニルアルコール系フィルムを製膜する工程、
(B)製膜されたポリビニルアルコール系フィルムを加熱して、含水率を1〜5重量%に調整する工程、
(C)加熱されたポリビニルアルコール系フィルムをスリットしたのち、フィルム中の含水率を1〜5重量%に調整した状態でロールに巻き取る工程、および
(D)巻き取ったポリビニルアルコール系フィルムを梱包する工程
からなることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。 - 工程(D)が、湿度30〜70%RHの環境下、フィルム中の含水率を1〜5重量%に維持した状態で行なわれることを特徴とする請求項6記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 工程(C)が、加熱されたポリビニルアルコール系フィルムを、一旦ロールに巻き取ったのち、該ロールより巻き出してスリットし、さらにフィルム中の含水率を1〜5重量%に調整した状態でロールに巻き取る工程であることを特徴とする請求項6または7記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 工程(B)の加熱から、工程(D)の梱包までが、48時間以内に行われることを特徴とする請求項6、7または8記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
- 偏光膜の原反フィルムとして用いることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- 請求項1、2、3、4、5または10記載のポリビニルアルコール系フィルムからなることを特徴とする偏光膜。
- 請求項11記載の偏光膜の少なくとも片面に保護膜を設けてなることを特徴とする偏光板。
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