JPH04298324A - 磁気記録媒体用ベースフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用ベースフィルム

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JPH04298324A
JPH04298324A JP6351991A JP6351991A JPH04298324A JP H04298324 A JPH04298324 A JP H04298324A JP 6351991 A JP6351991 A JP 6351991A JP 6351991 A JP6351991 A JP 6351991A JP H04298324 A JPH04298324 A JP H04298324A
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film
aromatic
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polymer
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Wasuke Yoneyama
和祐 米山
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用ベースフ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミドフィルムあるいは芳香
族ポリイミドフィルムは、その優れた耐熱性、機械特性
を活かして種々な用途に検討されている。特にパラ配向
系の芳香族ポリアミドは剛性、強度等の機械特性が他の
ポリマより優れているため、フィルムの薄物化に非常に
有利であり、プリンタリボン、磁気テープ、コンデンサ
ー等の用途が考えられている。例えば磁気記録媒体では
特開昭58−168655 、特開昭62−11221
8 などがある。
【0003】しかしながら、フィルムの加工工程、たと
えば磁気媒体用途における磁性層塗布・カレンダ−工程
などの工程速度の増大にともない、フイルム走行性、フ
ィルム表面の接触ロ−ルによる削れ性の悪化により、加
工工程上、製品性能上のトラブルとなるという欠点が最
近問題となってきている。さらに、磁気記録テ−プとし
た時に樹脂ガイドピンとの走行性が著しく悪く、最近問
題となってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解消せしめ、芳香族ポリアミドフィルムあるいは芳香
族ポリイミドフィルム本来の優れた耐熱性、機械特性を
維持し、耐削れ性に優れかつ樹脂ガイドピンとの走行性
が良好であり、電磁変換特性に優れたフイルムを提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリア
ミドあるいは芳香族ポリイミドからなるフィルムであっ
て、該フィルムは、少なくとも一方向について、引張速
度1000%/分でフィルムが1%伸長した際のフィル
ム強度が6kg/mm2 以上であり、カットオフ値0
.08mmで測定した少なくとも一方の表面の中心線平
均粗さ[Ra]0.08が0.001〜0.03μmの
範囲で、カットオフ値0.008mmで測定した中心線
平均粗さ[Ra]0.008 と[Ra]0.08が下
式■の関係にあることを特徴とする磁気記録媒体用ベー
スフィルムである。
【0006】 0.5≦[Ra]0.008 /[Ra]0.08≦0
.9  ・・・・■ 本発明の芳香族ポリアミドとは、次の一般式で表わされ
る繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ましく、
70モル%以上からなるものがより好ましい。一般式

0007】
【化1】
【0008】および/または
【0009】
【化2】
【0010】ここで、Ar1 、Ar2 、Ar3 は
、例えば、
【0011】
【化3】
【0012】などが挙げられ、X、Yは−O−,−CH
2 −,−CO−,−SO2 −,−S−,−C(CH
3 )2 −から選ばれる。更にこれらの芳香環上の水
素原子の一部が、ハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、
C1 〜C3 のアルキル基(特にメチル基)、C1 
〜C3 のアルコキシ基などの置換基で置換されている
ものも含み、また、重合体を構成するアミド結合中の水
素が他の置換基によって置換されているものも含む。
【0013】特性面からは上記の芳香環がパラ位で結合
されたものが、全芳香環の50%以上、好ましくは75
%以上を占める重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性
も良好となるため好ましい。また吸湿率を小さくする点
からは、芳香環上の水素原子の一部がハロゲン基(特に
塩素)で置換された芳香環が全体の30%以上である重
合体が好ましい。
【0014】本発明における芳香族ポリイミドとは、重
合体の繰り返し単位の中に芳香環とイミド環を1つ以上
含むものであり、一般式
【0015】
【化4】
【0016】あるいは
【0017】
【化5】
【0018】で示される繰り返し単位を50モル%以上
含むものが好ましく、より好ましくは70モル%以上で
ある。ここでAr4 、Ar6 は少なくとも1個の芳
香環を含み、イミド環を形成する2つのカルボニル基は
芳香環上の隣接する炭素原子に結合している。このAr
4 は、芳香族テトラカルボン酸あるいはこの無水物に
由来する。代表例としては次の様なものが挙げられる。
【0019】
【化6】
【0020】ここでZは −O−,−CH2 −,−CO−,−SO2 −,−S
−,−C(CH3 )2 −から選ばれる。
【0021】また、Ar6 は無水カルボン酸あるいは
このハライドに由来する。Ar5 、Ar7 は例えば
【0022】
【化7】
【0023】などが挙げられ、X、Yは−O−,−CH
2 −,−CO−,−SO2 −,−S−,−C(CH
3 )2 −から選ばれる。更にこれらの芳香環上の水
素原子の一部が、ハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、
C1 〜C3 のアルキル基(特にメチル基)、C1 
〜C3 のアルコキシ基などの置換基で置換されている
ものも含み、また、重合体を構成するアミド結合中の水
素が他の置換基によって置換されているものも含む。
【0024】また本発明の芳香族ポリアミド、芳香族ポ
リイミドには、フィルムの物性を損なわない程度に滑剤
、酸化防止剤その他の添加剤等やポリマがブレンドされ
ていてもよい。
【0025】本発明のフィルムは、少なくとも一方向に
ついて引張速度1000%/分でフィルムが1%伸長し
た際のフィルム強度[F−1]1000が、6kg/m
m2 以上有する必要がある。より好ましくは8kg/
mm2 以上、更に好ましくは10kg/mm2 以上
である。また引張速度10%/分でフィルムが1%伸長
した際のフィルム強度[F−1]10と[F−1]10
00の関係が下式■を満足している事が好ましい。
【0026】 0.7≦[F−1]10/[F−1]1000≦1  
  ・・・・■[F−1]10/[F−1]1000が
0.7未満では、磁気テ−プとした場合に応力変動で強
度が変わるため、走行性が不安定になるという問題があ
る。より好ましくは0.8以上である。
【0027】更に本発明フィルムのカットオフ値0.0
8mmで測定した少なくとも一方の表面の中心線平均粗
さ[Ra]0.08が0.001〜0.03μmの範囲
である必要がある。中心線平均粗さが0.001μm未
満では、フィルム表面が平滑すぎて走行性が十分ではな
く、上記範囲より大きいとフィルム表面の耐削れ性が悪
化しフィルム加工上問題となる事が多い。より好ましく
は0.003〜0.01μmである。またカットオフ値
0.008mmで測定した中心線平均粗さ[Ra]0.
008 と[Ra]0.08が下式■の関係にある必要
がある。
【0028】 0.5≦[Ra]0.008 /[Ra]0.08≦0
.9  ・・・・■ [Ra]0.008 /[Ra]0.08が0.9を越
えるとフィルム表面のうねりが小さく、磁気記録テ−プ
とした時の走行性が悪く、0.5未満ではフィルム表面
のうねりが大きく磁気記録テ−プとした時の電磁変換特
性が著しく悪化する。より好ましくは0.65〜0.8
5の範囲である。
【0029】本発明のフィルム表面が適度な粗さを持つ
ために、フィルム中に粒子を存在させておく必要がある
。粒子の種類としては、SiO2 、TiO2 、Al
2 O3 、CaSO4 、BaSO4 、CaCO3
 、カ−ボンブラック、ゼオライト、その他の金属微粉
末などの無機粒子や、シリコン粒子、ポリイミド粒子、
架橋共重合体粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン粒
子などの有機高分子などがあるが、耐熱性の点から無機
粒子の方がより好ましい。
【0030】更に本発明のフィルムに含有される粒子の
平均一次粒径は0.005〜5μm、好ましくは0.0
2〜2μmの範囲である場合に耐削れ性、走行性とも良
好となるので望ましい。
【0031】本発明のフィルムに含有される粒子の含有
量は0.01〜5wt%、好ましくは0.05〜2wt
%である。粒子の含有量が上記の範囲より少ないとフィ
ルムの走行性が不良となり、逆に多くても耐削れ性が不
良となるので好ましくない。
【0032】また本発明のフィルムはもちろん単層フィ
ルムでも用いられるが、積層フィルムであっても良い。 積層フィルムとする時は、本発明のフィルムが少なくと
も片面の最表層に積層されていると好ましく、更に好ま
しくは、本発明のフィルムが両面の最表層に積層されて
いると、耐削れ性、走行性とも良好となり望ましい。こ
こで積層された本発明のフィルムと基層部(積層された
本発明のフィルム以外のフィルム構成部分)は同じ種類
でも異なるものでも良い。この基層部を構成する少なく
とも一層にも粒子を含有していてもよく、粒子の種類、
粒子の平均一次粒径、含有量は本発明のフィルムに望ま
しく用いられるものを、使用することが望ましい。基層
部における粒子の径が積層された本発明のフィルム中の
粒子の径よりも大きいと、フィルム表面に適度のうねり
を持たせる事ができテ−プ走行性がより一層良好となる
ので望ましい。
【0033】本発明のフィルムの厚みは0.5〜50μ
m、より好ましくは1〜20μm,更に好ましくは2〜
10μmである。
【0034】本発明のフィルムは、少なくとも一方向の
引張弾性率が600kg/mm2 以上、より好ましく
は800kg/mm2 以上である。また縦方向と横方
向の引張弾性率比は0.3〜3、より好ましくは0.5
〜2の範囲にある場合に走行性、電磁変換特性が良好で
あり望ましい。
【0035】また、本発明のフィルムの少なくとも一方
向の200℃、10分での熱収縮率は5%以下が好まし
く、より好ましくは2%以下である。これら機械特性、
熱特性は、積層された場合には積層フィルムについても
満足することが好ましい。
【0036】次に本発明フィルムの製造方法を説明する
が、これに限定されるものではない。
【0037】まず芳香族ポリアミドであるが、酸クロリ
ドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン
(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極
性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面
重合などで合成される。ポリマ溶液は、単量体として酸
クロリドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが
、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カル
シウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、ト
リエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノール
アミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソシ
アネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極
性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
【0038】これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液と
して使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してか
ら上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製
膜原液を調製してもよい。
【0039】本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得る
ためにはポリマの固有粘度(ポリマ0.5gを硫酸中で
100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.
5以上であることが好ましい。
【0040】製膜原液には溶解助剤として無機塩例えば
塩化カルシウム、塩化マグネシム、塩化リチウム、硝酸
リチウムなどを添加する場合もある。製膜原液中のポリ
マ濃度は2〜40wt%程度が好ましい。
【0041】一方、芳香族ポリイミドあるいはポリアミ
ド酸の溶液は次のようにして得られる。即ち、ポリアミ
ド酸はN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセ
トアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF
)などの非プロトン性有機極性溶媒中で、テトラカルボ
ン酸二水物と芳香族ジアミンを反応させて調製すること
ができる。また芳香族ポリイミドは前記のポリアミド酸
を含有する溶液を加熱したり、ピリジンなどのイミド化
剤を添加してポリイミドの粉末を得、これを再度溶媒に
溶解して調製できる。製膜原液中のポリマ濃度は5〜4
0wt%程度が好ましい。
【0042】粒子の添加方法は、粒子を予め溶媒中に十
分スラリ−化した後、重合用溶媒または希釈用溶媒とし
て使用する方法や、製膜原液を調製した後に直接添加す
る方法などがある。
【0043】上記のように調製された製膜原液は、いわ
ゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製
膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがある。
【0044】湿式法で製膜する場合には該原液を瀘過後
、口金から直接製膜用浴中に押し出すか、又は一旦ドラ
ムやベルト等の支持体上に押し出し、支持体ごと湿式浴
中に導入する方法が採用される。この浴は一般に水系媒
体からなるものであり、水の他に有機、無機の溶媒や無
機塩等を含有していてもよい。該浴温度は通常0〜10
0℃で使用され、湿式浴を通すことでフィルム中に含有
された塩類、溶媒の抽出が行なわれる。これら湿式浴全
体を通過する時間はフィルムの厚みにもよるが10秒〜
30分である。さらに必要に応じフィルムの長手方向に
延伸が行なわれる。次いで乾燥、熱処理が行なわれるが
これらの処理は一般に200〜500℃で、合計で1秒
〜30分である。なおこの過程で必要に応じて横延伸が
行なわれる。
【0045】乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金か
らドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して
薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜
が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室温〜3
00℃、60分以内の範囲である。乾式工程を終えたフ
ィルムは支持体から剥離されて湿式工程に導入され、上
記の湿式法と同様に脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さら
に延伸、乾燥、熱処理が行なわれてフィルムとなる。
【0046】乾式法のプロセスを採用した場合には、ド
ラム、あるいはエンドレスベルト等の上で乾燥され、自
己保持性をもったフィルムを、これら支持体から剥離し
、フィルムの長手方向に延伸を行なう。さらに残存溶媒
を除去するための乾燥や、延伸、熱処理が行なわれるが
、これらの処理は200〜500℃で1秒〜30分であ
る。
【0047】以上のように形成されるフィルムはその製
膜工程中で、機械特性が本発明の範囲となるように延伸
が行なわれるが、延伸倍率は面倍率で0.8〜8.0(
面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの
面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味
する。)の範囲内にあることが好ましく、より好ましく
は1.1〜5.0である。また延伸あるいは熱処理後の
フィルムを急冷する事が有効であり、100℃/秒以上
の速度で冷却する事が有効である。
【0048】なお本発明のフィルムは、積層フィルムで
あってもよい。例えば2層の場合には、重合した芳香族
ポリアミド溶液を二分し、それぞれ異なる粒子を添加し
た後、積層する。さらに3層以上の場合も同様である。 これら積層の方法としては、周知の方法たとえば、口金
内での積層、複合管での積層や、一旦1層を形成してお
いてその上に他の層を形成する方法などがある。
【0049】
【実施例】本発明の物性の測定方法、効果の評価方法は
次の方法による。
【0050】(1)表面粗さ(中心線平均粗さ、Ra)
小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定
の平均値をもって表面粗さとした。
【0051】・触針先端半径:0.5μm・触針荷重 
   :5mg ・測定長      :1mm ・カットオフ値:0.08mmあるいは0.008mm
(2)F−1値 インストロンタイプの引っ張り試験機をもちいて、25
℃、60%RHにて測定した。試験片は10mm幅で5
0mm長さ、引っ張り速度は10%/分あるいは100
0%/分である。
【0052】(3)耐削れ性 フィルムを幅1/2インチにテ―プ状にスリットしたも
のに片刃をフィルム表面に垂直に押しあて、さらに1.
0mm押し込んだ状態で200m走行させる(走行張力
:100g、走行速度:250m/秒)。この時片刃の
先に付着したフィルム表面の削れ物の高さを顕微鏡で読
みとり、削れ量とした(単位はμm)。この削れ量が6
0μm以下の場合は○、60μmを越える場合は×とし
た。
【0053】(4)電磁変換特性 磁性層を塗布したフィルムを1/2インチ幅にスリット
し、VTRカセットに組み込みVTRテ−プとした。こ
のテ−プに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生器
により100%クロマ信号からカラ−ビデオノイズ測定
器でクロマS/Nを測定した。市販のテ−プを基準とし
て評価した。
【0054】(5)走行性 フィルムを幅1/2インチのテ−プ状にスリットしたも
のをテ−プ走行性試験機SFT−700型((株)横浜
システム研究所製)を使用し、40℃、80%RH雰囲
気で走行させ、50パス目の摩擦係数を下記の式より求
めた。
【0055】μK=0,733log(T2 /T1 
)ここでT1 は入側張力、T2 は出側張力である。 ガイド径は6mmφであり、ガイド材質はポリオキシメ
チレン(表面粗さ20〜40nm程度のもの)巻き付け
角は90°、走行速度は3.3cm/秒、繰返しストロ
−クは15cmである。この測定によって得られたμK
が0.35以下の場合は走行性○、0.35を越える場
合は走行性×と判定した。このμKはフィルムを磁気記
録媒体、コンデンサ、包装用などの加工をする時のハン
ドリング性を、左右する臨界点である。
【0056】以下に実施例に基ずいて本発明を説明する
が、これらに限定されるものではない。
【0057】実施例1 N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分
として90モル%に相当する2−クロルパラフェニレン
ジアミンと、10モル%に相当する4、4−ジアミノジ
フェニルエ−テルとを溶解させ、これに100モル%に
相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2
時間撹拌して重合を完了した。これを水酸化リチウムで
中和して、ポリマ濃度10重量%、粘度3000ポイズ
の芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液に、0.1μ
mの球状シリカをポリマ当たり0.5wt%添加した。
【0058】このポリマ溶液を10μmカットのフィル
タ−を通した後、ベルト上に流延し、180℃の熱風で
2分間加熱して溶媒を蒸発させ自己保持性を得たフィル
ムをベルトから連続的に剥離した。次に水槽内へフィル
ムを導入して残存溶媒と中和で生じた無機塩の水抽出を
行ない、テンタ−で水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ
9μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間にフ
ィルム長手方向と幅方向に各々1.2倍、1.3倍延伸
を行ない、280℃で1.5分間熱処理を行なった後、
120℃/秒の速度で急冷した。
【0059】このフィルムの[F−1]1000値は1
3kg/mm2 、[F−1]10/[F−1]100
0=0.92であった。このフィルムの[Ra]0.0
8値は0.006μm、[Ra]0.008 /[Ra
]0.08=0.85であった。次にこのフィルムの耐
削れ性、走行性、電磁変換特性を測定すると共に良好で
あった。
【0060】実施例2 実施例1と同様の方法で得られた粒子添加前のポリマ溶
液を2分割し、一方に0.2μmの球状シリカをポリマ
当たり1.0wt%添加した(ポリマ溶液I)。他方に
は0.3μmの球状シリカをポリマ当たり0.5wt%
添加した(ポリマ溶液II)。この2つのポリマを、そ
れぞれ10μmカットのフィルタを通した後、3層複合
管にて基層部にポリマIIを、両面表層積層部にポリマ
Iがくるように積層し、ベルト上に流延した。以下実施
例1と同様な方法で芳香族ポリアミドフィルムとした。
【0061】このフィルムの[F−1]1000値は1
3kg/mm2 、[F−1]10/[F−1]100
0=0.92であった。このフィルムの[Ra]0.0
8値は0.008μm、[Ra]0.008 /[Ra
]0.08=0.72であった。このフィルムの耐削れ
性、走行性、電磁変換特性を測定すると共に非常に良好
であった。
【0062】実施例3 ジメチルアセトアミド(DMAc)に芳香族ジアミン成
分として50モル%に相当するパラフェニレンジアミン
と、50モル%に相当する4、4−ジアミノジフェニル
エ−テルとを溶解させ、これに100モル%に相当する
無水ピロメリット酸を添加し重合してポリアミド酸を得
た。これを2分割して、一方に0.1μmの球状シリカ
をポリマ当たり1.0wt%添加し(ポリマ溶液III
 )、他方には0.2μmの球状シリカをポリマ当たり
0.5wt%添加した(ポリマ溶液IV)。この2つの
ポリマを実施例2と同様の方法でフィルム基層部にポリ
マ溶液IVがくるように積層し、ベルト上に流延した。 これを180℃の熱風で自己保持性を持つまで乾燥し、
さらにベルトから連続的に剥離して420℃のテンタ−
で熱処理を行なった後、120℃/秒の速度で急冷した
。延伸倍率はMD、TDともに1.1倍、厚みは9μm
、このフィルムの[F−1]1000値は8kg/mm
2 、[F−1]10/[F−1]1000=0.91
であった。このフィルムの[Ra]0.08値は0.0
07μm、[Ra]0.008 /[Ra]0.08=
0.76であった。このフィルムの耐削れ性、走行性、
電磁変換特性を測定すると共に非常に良好であった。
【0063】比較例1〜4 実施例2と同様のポリマ溶液IIと、添加するシリカ粒
子を表3のように種々変えたポリマ溶液Vを実施例2と
同様な方法で、ポリマ溶液IIが基層部にくるように積
層し、実施例1と同様な方法で芳香族ポリアミドフィル
ムとした。
【0064】比較例1、3は含有する粒子径、含有量が
本発明の範囲に満たないため、表面が平滑すぎてフィル
ムの走行性が非常に劣ったものであった。
【0065】比較例2、4は含有する粒子径、含有量が
本発明の範囲を越えているために[Ra]0.08が大
きくなり、走行性は良好であったが、耐削れ性、電磁変
換特性は非常に悪いものであった。
【0066】比較例5 実施例2と同様のポリマ溶液Iと、粒径6μmのシリカ
粒子を0.1wt%添加したポリマ溶液VIを実施例2
と同様な方法で、ポリマIがフィルム両面表層部にくる
ように積層し、実施例1同様な方法で芳香族ポリアミド
フィルムとした。このフィルムは走行性、耐削れ性は良
好であったが、フィルム表面のうねりが大きく、電磁変
換特性は非常に劣ったものであった。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【発明の効果】本発明のフィルムは、芳香族ポリアミド
あるいは芳香族ポリイミドに粒子を添加したもので、少
なくともフィルムの片方の表面が本発明の表面性の範囲
にあれば、フィルムの加工時、あるいは磁気テ−プ等と
して使用する際の走行性、耐削れ性、電磁変換特性が良
好であり、生産性および品質の向上が図れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミ
    ドからなるフィルムであって、該フィルムは、少なくと
    も一方向について、引張速度1000%/分でフィルム
    が1%伸長した際のフィルム強度が6kg/mm2 以
    上であり、カットオフ値0.08mmで測定した少なく
    とも一方の表面の中心線平均粗さ[Ra]0.08が0
    .001〜0.03μmの範囲で、カットオフ値0.0
    08mmで測定した中心線平均粗さ[Ra]0.008
     と[Ra]0.08が下式■の関係にあることを特徴
    とする磁気記録媒体用ベースフィルム。 0.5≦[Ra]0.008 /[Ra]0.08≦0
    .9  ・・・・■
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