JP2000239412A - 芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体

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JP2000239412A
JP2000239412A JP3770199A JP3770199A JP2000239412A JP 2000239412 A JP2000239412 A JP 2000239412A JP 3770199 A JP3770199 A JP 3770199A JP 3770199 A JP3770199 A JP 3770199A JP 2000239412 A JP2000239412 A JP 2000239412A
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film
particles
aromatic polyamide
inorganic particles
recording medium
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JP3770199A
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Wasuke Yoneyama
和祐 米山
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、走行性、電磁変換特性に優れた、磁
気記録媒体に好適な芳香族ポリアミドフィルムを提供す
る。 【解決手段】 芳香族ポリアミドからなるフィルムであ
って、該フィルム表面で観測されるフィルムに含有され
た無機粒子のうち、凝集度nの粒子の粒子数をAnとす
るとき、下式を充たすことを特徴とする芳香族ポリアミ
ドフィルム、およびそれを用いた磁気記録媒体。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリアミド
フィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミドフィルムは、その優れ
た耐熱性、機械特性を活かして種々の用途への使用が検
討されている。特にパラ配向系の芳香族ポリアミドは、
剛性、強度等の機械特性が他のポリマより優れているた
め、フィルムの薄物化に非常に有利であり、プリンタリ
ボン、磁気テープ、コンデンサー等への用途が考えられ
ている。たとえば磁気記録媒体では、特開昭58−16
8655号公報、特開昭62−112218号公報等に
記載されたものが知られている。また、粒子の凝集度に
関するものとしては、特開平4−149245号公報が
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】芳香族ポリアミドベー
スからなる磁気記録媒体の小型化、高密度化の要請か
ら、表面の平滑化が求められているが、その際に易滑化
等のために含有されている粒子の凝集粒子による粗大突
起に起因するドロップアウトの発生が問題となってい
る。
【0004】そこで本発明の課題は、とくに、基材フィ
ルムに含有される粒子の凝集度の割合を規定することに
より、出力特性の優れた磁気記録媒体を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、芳香族ポリ
アミドからなるフィルムであって、該フィルム表面で観
測されるフィルムに含有された無機粒子のうち、凝集度
nの粒子の粒子数をAnとするとき、下式を充たすこと
を特徴とするものからなる。
【0006】
【数2】
【0007】上記芳香族ポリアミドフィルムにおいて
は、含有された無機粒子の平均2次粒径が10〜500
nmの範囲、含有量が0.01〜3wt%の範囲にある
ことが好ましい。
【0008】また、芳香族ポリアミドフィルムの少なく
とも一方の面の無機粒子による表面突起数が1万〜50
0万個/mm2 の範囲にあることが好ましい。
【0009】本発明に係る磁気記録媒体は、上記のよう
な芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に磁性層
を設けたものからなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、芳香族ポリアミ
ドとは、次の一般式(I)および/または一般式(I
I)で表わされる繰り返し単位を50モル%以上含むも
のであり、70モル%以上含むものがより好ましい。一
般式(I)を次の化1に、一般式(II)を次の化2に
示す。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】ここで、Ar1 、Ar2 、Ar3 として
は、例えば、次の化3に示すものが挙げられる。
【化3】
【0014】化3において、ここでX、Yは、−O−,
−CH2 −,−CO−,−SO2 −,−S−,−C(C
3 2 −等から選ばれるが、これらに限定されるもの
ではない。更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、
ハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、C1 〜C3 のアル
キル基(特にメチル基)、C1 〜C3 のアルコキシ基な
どの置換基で置換されているものも含み、また、重合体
を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置
換されているものも含む。
【0015】特性面からは上記の芳香環がパラ位で結合
されたものが、全芳香環の50%以上、好ましくは75
%以上を占める重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性
も良好となるため好ましい。また、吸湿率を小さくする
点からは、芳香環上の水素原子の一部がハロゲン基(特
に塩素)で置換された芳香環が全体の30%以上である
重合体が好ましい。
【0016】本発明の芳香族ポリアミドは、一般式
(I)および/または一般式(II)で表される繰り返
し単位を50モル%以上含むものであるが、残りの50
モル%未満は他の繰り返し単位が共重合(たとえば、芳
香族ポリイミドなど)、またはブレンドされていても差
し支えなく、またフィルムの物性を損なわない程度に導
電性粒子、滑剤、酸化防止剤その他の添加剤等がブレン
ドされていてもよい。
【0017】磁気記録媒体の基材フィルムとして好適な
本発明に係る芳香族ポリアミドフィルムにおいては、フ
ィルムに含有された無機粒子のうち、凝集度nの粒子の
粒子数をAnとしたとき、下記数3で規定される範囲に
ある必要がある。
【0018】
【数3】
【0019】上記数3においては、例えば、n=1の
時、凝集度2以上の粒子数の合計は、凝集度1の粒子数
の1/20以上、凝集度1の粒子数未満である必要があ
る。この範囲未満であると、テープ化した時の走行性が
不良となり、逆にこの範囲以上になると出力特性が悪化
する。
【0020】本発明に係る芳香族ポリアミドフィルム中
に含有された無機粒子の平均2次粒径は、10〜500
nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは20
〜400nm、更に好ましくは30〜300nmの範囲
である。このような範囲にある場合に電磁変換特性、走
行性ともに良好となる。
【0021】本発明に係る芳香族ポリアミドフィルムフ
ィルム中に含有された無機粒子の含有量は、0.01〜
3wt%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは
0.02〜2.5wt%、更に好ましくは0.03〜2
wt%の範囲である。このような場合に電磁変換特性、
走行性ともに良好となる。
【0022】また、本発明においては、フィルムの少な
くとも一方の面の無機粒子による表面突起数は、1万〜
500万個/mm2 の範囲にあることが好ましく、より
好ましくは2万〜300万個/mm2 、更に好ましくは
3万〜100万個/mm2の範囲である。このような範囲に
ある場合に電磁変換特性、走行性ともに良好となる。
【0023】本発明に係る磁気記録媒体が適度な粗さを
持つためには、基材フィルム中に粒子を存在させておく
ことが好ましい。粒子の種類としては、SiO2 、Ti
2、Al2 3 、CaSO4 、BaSO4 、CaCO
3 、カーボンブラック、ゼオライト、その他の金属微粉
末などの無機粒子や、シリコン粒子、ポリイミド粒子、
架橋共重合体粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン粒
子などの有機高分子粒子などがあるが、耐熱性の点から
無機粒子の方がより好ましい。
【0024】本発明では、上記のような基材フィルムの
片面に磁性層を設けた磁気記録媒体を提供する。磁性層
を形成する方法は、強磁性粉末を各種バインダーを用い
て磁性塗料とし基材フィルム上に塗布する湿式法、蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの
乾式法があり、特に限定されるものではないが、ここで
は湿式法を例にとって説明する。
【0025】磁性体となる磁性粉末の種類は特に限定さ
れないが、強磁性粉末、例えば、酸化鉄、酸化クロム、
Fe,Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co−N
i、Co−Cr等が好ましく用いられる。また、磁性体
の粒子径(長軸)は0.3μm以下が好ましく、より好
ましくは0.2μm以下である。
【0026】磁性粉末は各種バインダーを用いて磁性塗
料とすることができるが、熱硬化性樹脂系バインダーお
よび放射線硬化系バインダーが好ましく、その他添加剤
として分散剤、潤滑剤、帯電防止剤等を用いてもよい。
例えば、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共
重合体、ポリウレタンプレポリマおよびポリイソシアネ
ートよりなるバインダーを用いることができる。
【0027】磁性層と基材フィルムとの接着性を向上さ
せるために、フィルム表面には中間層を設けてもよい。
【0028】バックコート層は、非磁性粉末、結合剤樹
脂、潤滑剤等を有機溶剤で分散させて塗料を調製し、フ
ィルムに塗布乾燥して形成させる。バックコート層に使
用される非磁性粉末としては、CaCO3 、カーボンブ
ラック、TiO2 、α−Fe 2 CO3 等がある。結合剤
樹脂および有機溶剤としては前記磁性層で使用したもの
と同じものが使用できる。バックコート層は厚さ1μm
以下であると好ましい。1μmよりも厚いとテープ全体
の強度が不足してくる。
【0029】本発明の磁気記録媒体における基材フィル
ムの厚みは、好ましくは0.5〜30μm、より好まし
くは1〜20μm、更に好ましくは2〜10μmの範囲
である。このような厚みとすることにより、薄膜の磁気
記録媒体として、本発明の効果である優れた走行性、電
磁変換特性が実現されやすくなるので望ましい。
【0030】本発明の磁気記録媒体における基材フィル
ムの少なくとも一方向の引張りヤング率は、800kg
/mm2 以上有ることが好ましく、より好ましくは90
0kg/mm2 以上、更に好ましくは1000kg/m
2 以上である。このような引張りヤング率とすること
により、塗布層形成、バックコート層形成工程など磁気
記録媒体形成時にかかるテンションにも耐えることがで
きるようになり、加工上も有利であるので望ましい。
【0031】また、本発明の磁気記録媒体においては、
基材フィルムの少なくとも一方向の引張りヤング率が8
00kg/mm2 以上であれば、該基材フィルムが長手
方向にテンシライズまたは幅方向にテンシライズされて
も差し支えない。テンシライズの度合いは特に限定され
ないが、伸度、引き裂き抵抗等の特性を考慮に入れる
と、長手方向の引張りヤング率EMDと幅方向の引張りヤ
ング率ETDが、 0.5≦EMD/ETD≦2 の範囲にあるのが実用的である。
【0032】本発明の磁気記録媒体における基材フィル
ムの少なくとも一方向の伸度は、10%以下、より好ま
しくは20%以上、更に好ましくは30%以上であるの
が望ましい。これにより、テープが適度な柔軟性を持つ
ことができる。
【0033】本発明の磁気記録媒体における基材フィル
ムの吸湿率は、5%以下、より好ましくは3%以下、更
に好ましくは2%以下であるのが望ましい。これによ
り、湿度変化によるテープの寸法変化が小さく良好な電
磁変換特性を保てるようになる。
【0034】次に本発明に係るフィルムおよび磁気記録
媒体の製造方法について説明するが、これに限定される
ものではない。まず芳香族ポリアミドであるが、酸クロ
リドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリド
ン(以下、NMPと略称することもある。)、ジメチル
アセトアミド(以下、DMAcと略称することもあ
る。)、ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略称す
ることもある。)などの非プロトン性有機極性溶媒中
で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面重合など
で合成される。ポリマ溶液は、単量体として酸クロリド
とジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを
中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、
炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチル
アミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンな
どの有機の中和剤が使用される。また、イソシアネート
とカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒
中、触媒の存在下で行なわれる。
【0035】これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液と
して使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してか
ら上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製
膜原液を調製してもよい。
【0036】本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得る
ためには、ポリマの固有粘度(ポリマ0.5gを硫酸中
で100mlの溶液として30℃で測定した値)は、
0.5以上であることが好ましい。
【0037】製膜原液には溶解助剤として無機塩、例え
ば塩化カルシウム、塩化マグネシム、塩化リチウム、硝
酸リチウムなどを添加する場合もある。製膜原液中のポ
リマ濃度は2〜40wt%程度が好ましい。
【0038】 粒子の添加方法は、粒子を予め溶媒中
に十分スラリー化した後、重合用溶媒または希釈用溶媒
として使用する方法や、製膜原液を調製した後に直接添
加する方法などがある。また凝集粒子の凝集度は溶媒中
での粒子の分散時間、分散回数をコントロールすること
により制御する。
【0039】上記のように調製された製膜原液は、いわ
ゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製
膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがあり、いずれ
の方法で製膜されても差し支えないが、ここでは乾湿式
法を例にとって説明する。
【0040】乾湿式法で製膜する場合は、該原液を口金
からドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出し
て薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄
膜が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室温〜
200℃、60分以内の範囲であり、好ましくは室温〜
180℃の範囲である。乾燥温度が200℃を越える
と、急激な加熱によるボイドの発生、表面の荒れ等が起
こり、工業材料、磁気材料として実用的なフィルムが得
られにくい。
【0041】上記乾式工程を終えたフィルムは、支持体
から剥離されて湿式工程に導入され、ここでフィルム中
に含有されているイオン性無機化合物が除去される。こ
の浴は一般に水系媒体からなるものであり、水の他に有
機溶媒や無機塩等を含有していてもよい。しかし一般に
は水分量が30%以上、好ましくは50%以上含有され
ているものであり、浴温度は通常0〜100℃で使用さ
れる。この湿式工程では剥離されたフィルムはかかる浴
中に緊張下で浸漬され、フィルム中の無機化合物は0.
1%未満、好ましくは0.05%以下まで抽出される。
溶解助剤としての無機塩量は多くても中和で生成した中
和塩、あるいは中和塩と同量とする。このようにすれ
ば、無機塩量が少量であるため抽出速度が速く、また浴
中の無機塩や有機溶媒の回収も容易になる。
【0042】湿式工程を出たフィルムは、更に延伸・乾
燥工程、熱処理工程を経てフィルムとなる。そのときの
温度は200〜450℃が好ましく、時間は10秒以上
20分以下が好ましい。
【0043】以上のように形成されるフィルムは、その
製膜工程中で、機械特性が本発明の範囲となるように延
伸が行なわれるが、延伸倍率は面倍率で0.8〜4.0
(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルム
の面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意
味する。)の範囲内にあることが好ましく、より好まし
くは1.1〜3.0の範囲である。また、延伸あるいは
熱処理後のフィルムを徐冷することが有効であり、10
0℃/秒以下の速度で冷却することが有効である。
【0044】なお、本発明に係るフィルムは、積層フィ
ルムであってもよい。例えば2層の場合には、A層に相
当する製膜原液と、B層に相当する製膜原液の2種類を
公知の方法、例えば特開昭56ー162617号公報に
記載されているように合流管で積層したり、口金内で積
層して形成することができる。さらに3層以上の場合も
同様である。合流管や口金内で積層する場合は、原液の
粘度が100〜10000ポイズになるように調節する
ことが好ましい。この範囲より小さいと原液が口金から
出る前に液同士が混合し易くなり好ましくない。逆にこ
の範囲より大きいとメルトフラクチャーが発生し表面が
荒れやすくなり好ましくない。また、各層の粘度は同じ
になることが好ましいが、多少の粘度差があってもよ
く、粘度差は50%以内を目標とするとよい。
【0045】さらに乾式法、乾湿式法を採用する場合、
乾燥工程中で各液が混合することがある。支持体上へキ
ャストされた原液は、加熱されると一旦粘度が低下し、
その後溶媒の蒸発に伴って粘度が上昇するが、粘度が1
0ポイズより下がると各液が混合しやすくなるので、1
0ポイズ好ましくは50ポイズよりも粘度が下がらない
よう乾燥条件を十分調節する必要がある。例えば、乾燥
温度を240℃を越えない温度で乾燥させる、あるいは
乾燥温度を少なくとも2段階に分けて上げていく方法が
採用できる。
【0046】次にこのフィルムに磁性層を塗布する。磁
性層を塗布する方法は公知の方法で行うことができる
が、グラビアロールを使用する方法が塗膜の均一性の点
ではより好ましい。塗布後の乾燥温度は90℃〜150
℃が好ましい。またカレンダー工程は25℃〜150℃
の範囲で行うのが好ましい。
【0047】この後、磁性層と反対側の面に更に走行性
を向上させるために、公知の方法によりバックコート層
を設けてもよい。
【0048】更に、この磁性層を塗布したフィルムをキ
ュアした後スリットして本発明の磁気記録媒体となる。
例えばDDS−1、2、3、4、QIC、データ8mm
などのデータ用の磁気記録媒体が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0049】
【実施例】本発明の測定方法、効果の評価方法は次の方
法による。 (1)粒子の凝集度、個数 走査型電子顕微鏡(SEM)で、フィルム表面を倍率5
000倍で写真撮影し、0.005mm2 について粒子
の個数を観察(凝集しているものは凝集体で1個として
カウント)する。この中でn個の粒子が凝集しているも
のは、凝集度nとしてカウントし1mm2 当たりに換算
する。(例:4個の粒子が凝集しているものは凝集度
4)
【0050】(2)平均粒子径 走査型電子顕微鏡(SEM)で、フィルム表面を倍率3
0000倍で写真観察する。この中で粒子50個(凝集
しているものは凝集体で1個)について観察し、数平均
径dを平均粒径とする。但し、粒子が凝集している場合
には凝集体について処理する。 d=Σdi/N ここで、diは粒子の円相当径(=(最大径+最短径)
/2)、Nは粒子数。
【0051】(3)表面突起数 走査型電子顕微鏡(SEM)で、フィルム表面を倍率5
000倍で写真観察し、0.005mm2 について突起
数をカウントし1mm2 当たりに換算する(凝集粒子は
凝集体を形成する粒子全体で1個とカウント)。
【0052】(4)電磁変換特性 磁性層を塗布したフィルムを1/2インチ幅にスリット
し、VTRカセットに組み込みVTRテープとした。こ
のテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波発生器に
より100%クロマ信号からカラービデオノイズ測定器
でクロマS/Nを測定した。市販のテープを基準として
評価した。
【0053】(5)走行性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機SFT−700型((株)横浜
システム研究所製)を使用し、40℃、80%RH雰囲
気で走行させ、50パス目の摩擦係数μKを下記の式よ
り求めた。 μK=0.733log(T2/T1) ここでT1は入側張力、T2は出側張力である。ガイド径
は6mmφであり、ガイド材質はポリオキシメチレン
(表面粗さ20〜40nm程度のもの)、巻き付け角は
90°、走行速度は3.3cm/秒、繰返しストローク
は15cmである。この測定によって得られたμKが
0.35以下の場合は走行性○、0.35を越える場合
は走行性×と判定した。このμKはフィルムを磁気記録
媒体、コンデンサ、包装用などの加工をするときのハン
ドリング性を、左右する臨界点である。
【0054】以下に実施例に基づいて本発明を説明す
る。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 まずN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で一次粒
径100nmのコロイダルシリカ粒子を超音波分散器で
10時間、1時間静置後更に3時間、凝集粒子の割合が
表1のようになるように分散させたスラリーを用意す
る。
【0055】重合槽にNMPと上記シリカスラリーを仕
込み、この中に芳香族ジアミン成分として85モル%に
相当する2−クロルパラフェニレンジアミンと、15モ
ル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
とを溶解させ、これに99モル%に相当する2−クロル
テレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌して重合を
完了した。これを水酸化リチウムで発生塩化水素の97
モル%を中和し、ついでジエタノールアミン5モル%、
トリエタノールアミン10モル%添加してポリマ溶液を
得た。なお粒子の含有量は芳香族ポリアミドに対して
0.2wt%である。更にポリマ濃度11wt% 、3
0℃での溶液粘度を3000ポイズに調整して製膜原液
とした。
【0056】これらの製膜原液を3μmカットのフィル
ターを通した後、口金より金属ベルト上に流延した。こ
の流延されたフィルムを160℃の熱風で2分間加熱し
て溶媒を蒸発させ、自己保持性を得たフィルムをベルト
から連続的に剥離した。次に50℃のNMPの濃度勾配
をつけた水槽内へフィルムを導入して残存溶媒と中和で
生じた無機塩の水抽出を行なった。なおこの浴中で長手
方向(MD方向)に1.2倍延伸した。
【0057】つぎにテンターに導入し280℃で1分
間、水分の乾燥と熱処理を行なった。この間にフィルム
を幅方向(TD方向)に1.3倍延伸し、20℃/秒の
速度で徐冷し、フィルムを得た。
【0058】このフィルム中の粒子の平均粒径は130
nm、無機粒子による表面突起数は36.4万個/mm
2 であった。次にこのフィルムを用いた磁気テープの電
磁変換特性、走行性を測定すると共に良好であった。
【0059】実施例2 NMP中で一次粒径80nmのコロイダルシリカ粒子を
超音波分散器で10時間、1時間静置後更に5時間、凝
集粒子の割合が表1のようになるように分散させたスラ
リーを用意する。このスラリーを用いる以外は実施例1
と同様のポリマ溶液を調整した。粒子の添加量は0.0
4wt%である。
【0060】このポリマ原液を用いて実施例1と同様の
方法で製膜を行いフィルムを作成した。このフィルム中
の粒子の平均粒径は100nm、無機粒子による表面突
起数は5.2万個/mm2 であった。次にこのフィルム
を用いた磁気テープの電磁変換特性、走行性を測定する
と共に良好であった。
【0061】実施例3 NMP中で一次粒径16nmの乾式シリカ粒子を超音波
分散器で10時間、凝集粒子の割合が表1のようになる
ように分散させたスラリーを用意する。このスラリーを
用いる以外は実施例1と同様のポリマ溶液を調整した。
粒子の添加量は2.0wt%である。
【0062】このポリマ原液を用いて実施例1と同様の
方法で製膜を行いフィルムを作成した。このフィルム中
の粒子の平均粒径は200nm、無機粒子による表面突
起数は130万個/mm2 であった。次にこのフィルム
を用いた磁気テープの電磁変換特性、走行性を測定する
と共に良好であった。
【0063】実施例4 一次粒径20nmのアルミナ粒子を用いる以外は、実施
例1と同様の方法でポリマ溶液を調整した。粒子の添加
量は0.01wt%である。このポリマ原液を用いて実
施例1と同様の方法で製膜を行いフィルムを作成した。
このフィルム中の粒子の平均粒径は25nm、無機粒子
による表面突起数は51.3万個/mm 2 であった。次
にこのフィルムを用いた磁気テープの電磁変換特性、走
行性を測定すると共に良好であった。
【0064】比較例1 NMP中で一次粒径100nmのコロイダルシリカ粒子
を超音波分散器で5時間、凝集粒子の割合が表1のよう
になるように分散させたスラリーを用いる以外は実施例
1と同様のポリマ溶液を調整し、製膜を行った。粒子の
添加量は0.2wt%である。このフィルム中の粒子の
平均粒径は210nm、無機粒子による表面突起数は2
5.7万個/mm2 であった。次にこのフィルムを用い
た磁気テープの走行性を測定すると良好であったが、電
磁変換特性を測定すると悪いものであった。
【0065】比較例2 NMP中で一次粒径100nmのコロイダルシリカ粒子
を超音波分散器で20時間、1時間静置後10時間、凝
集粒子の割合が表1のようになるように分散させたスラ
リーを用いる以外は実施例1と同様のポリマ溶液を調整
し、製膜を行った。粒子の添加量は0.2wt%であ
る。
【0066】このフィルム中の粒子の平均粒径は110
nm、無機粒子による表面突起数は44.4万個/mm
2 であった。次にこのフィルムを用いた磁気テープの電
磁変換特性を測定すると良好であったが、走行性を測定
すると悪いものであった。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、機械特性に優
れた芳香族ポリアミドからなる基材フィルムを使用し、
フィルム中の凝集粒子の割合を規定することにより、厳
しい環境下(特に高温下)での耐久性や、走行性、出力
特性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。また、
これらの優れた特性により、磁気記録媒体製造時の走行
性、耐熱性が向上し、加工生産性の向上も可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA26 AA43 AA56 AA60 AB03 AB17 AB21 AB24 AB26 AD06 AE11 AF27Y AG12 AG13 AG19 AH14 BB02 BB07 BC01 BC08 BC14 4F210 AA16 AA17 AA30 AC04 AE01 AG01 AG05 AH38 QA02 QA03 QC06 QG01 QG18 5D006 CB03 CB06 CB07 FA02 FA04 FA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミドからなるフィルムであ
    って、該フィルム表面で観測されるフィルムに含有され
    た無機粒子のうち、凝集度nの粒子の粒子数をAnとす
    るとき、下式を充たすことを特徴とする芳香族ポリアミ
    ドフィルム。 【数1】
  2. 【請求項2】 含有された無機粒子の平均2次粒径が1
    0〜500nmの範囲、含有量が0.01〜3wt%の
    範囲にあることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリ
    アミドフィルム。
  3. 【請求項3】 少なくとも一方の面の無機粒子による表
    面突起数が1万〜500万個/mm2 の範囲にあること
    を特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポリアミ
    ドフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族
    ポリアミドフィルムの少なくとも片面に磁性層を設けた
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
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