JPH10279796A - 芳香族ポリアミド組成物およびその製造方法、それからなるフィルム、および、磁気記録媒体 - Google Patents

芳香族ポリアミド組成物およびその製造方法、それからなるフィルム、および、磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH10279796A
JPH10279796A JP9081736A JP8173697A JPH10279796A JP H10279796 A JPH10279796 A JP H10279796A JP 9081736 A JP9081736 A JP 9081736A JP 8173697 A JP8173697 A JP 8173697A JP H10279796 A JPH10279796 A JP H10279796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
aromatic polyamide
particles
polyamide composition
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9081736A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Nakawa
孝宏 名川
Hiroshi Yakushiji
浩 薬師寺
Mamoru Mizoguchi
守 溝口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP9081736A priority Critical patent/JPH10279796A/ja
Publication of JPH10279796A publication Critical patent/JPH10279796A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルムへの加工性に優れ、走行性、耐久性に
優れたフィルム用原料ポリマを提供する。 【解決手段】平均粒子径をA(μm)としたとき、粒径が
3A(μm)を越える粒子の割合が30wt%以下であるこ
とを特徴とする芳香族ポリアミド組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性が良好で、
記録特性に優れた磁気記録媒体に好適であり、また工業
材料用にも好適なフィルムとなる芳香族ポリアミド組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル記録技術の進歩、コンピ
ュータの外部メモリへの展開などにより、薄膜化、高密
度記録化の要求があり、さらにアウトドアユーズなどに
伴いより過酷な条件下での耐久性が求められている。
【0003】従来、磁気記録媒体としては、ポリエステ
ルフィルムに酸化物塗布型磁性層やメタル塗布型磁性層
を設けてなる磁気記録媒体が知られている(例えば特開
昭61−26933号公報、特開昭60−66319号
公報)。また、芳香族ポリアミドについては磁気記録媒
体への応用例が特開昭62−62424号公報などに示
されている。
【0004】しかしながら、上記ポリエステルフィルム
ベースあるいは芳香族ポリアミドベースからなる磁気記
録媒体では常温、通常の湿度での使用では問題ないが、
高温、高湿度条件下で使用すると走行性や、出力特性が
悪化したり、また繰り返し特性においてドロップアウト
が発生するという問題が出てきている。これは基材フィ
ルムの耐熱性や耐湿性、表面性、走行性が不十分あるた
めである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解決し、加工性が良好で安定した品質のフィルムが得
られ、磁気記録媒体としたとき、記録特性(特に、走行
性、電磁変換特性)に優れたフィルムが得られる芳香族
ポリアミド組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、平
均粒子径をA(μm)としたとき、粒径が3A(μm)を越
える粒子の割合が30wt%以下であることを特徴とする
芳香族ポリアミド組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の組成物を構成する芳香族
ポリアミドは、一般式 -CO-Ar1-CONH-Ar2-NH- で表わされる繰り返し単位を好ましくは50モル%以上
含み、さらに好ましくは70モル%以上含む。
【0008】ここで、Ar1、Ar2は2価の芳香族基であり
芳香環に置換基があってもよく、同一でも異なっていて
もよい。例えば、
【化1】 などが挙げられ、E、Fは −O−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−S−、−
C(CH32− などから選ばれるが、これに限定されない。さらにこれ
らの芳香環上の水素原子の一部が、ハロゲン、ニトロ
基、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコ
キシ基などの置換基で置換されているものでもよく、特
に、塩素、メチル基が好ましい。これらの置換基で置換
された芳香環が全体の30%以上であると耐湿性が向上
し、吸湿による寸法変化、剛性低下などの特性が改善さ
れるため好ましい。また、芳香環上の水素原子の30%
以上がハロゲン(特に塩素)で置換されるとフィルムの耐
湿性が向上し、吸湿による寸法変化、剛性低下などが改
善されるので好ましい。
【0009】本発明の芳香族ポリアミド組成物には、一
般式 -CO-Ar1-CONH-Ar2-NH- で表わされる繰り返し単位以外の芳香族ポリアミド単位
や、芳香族ポリイミド単位などが共重合またはブレンド
により含まれていてもよく、これらの含有量は、好まし
くは50モル%未満、さらに好ましくは30モル%未満
である。
【0010】また、本発明の芳香族ポリアミド組成物で
は、一般式 -CO-Ar1-CONH-Ar2-NH- で表わされる繰り返し単位中のアミド基の水素の一部な
いし全部が、他の置換基、例えば、メチル基などに置換
されていてもよい。
【0011】本発明の芳香族ポリアミド組成物では、フ
ィルム特性(フィルムの剛性、耐熱性)から、パラ位で
結合された芳香環が全芳香環の50%以上であることが
好ましく、さらに好ましくは50%以上98%以下、よ
り好ましくは75%以上98%以下である。
【0012】本発明の芳香族ポリアミド組成物に含有さ
れる粒子は、平均粒子径をA(μm)としたとき、粒径が
3A(μm)を越える粒子の割合が30wt%以下であり、
好ましくは25wt%以下、より好ましくは20wt%以下
である。30wt%を超えるとフィルムへ成形した際に表
面性が悪化したり、フィルムへの製膜延伸時に粒子が脱
落することにより、加工性が悪化し、磁気記録媒体とし
た際の走行性、耐久性が悪化する。
【0013】また、本発明でフィルム表面に適度な粗さ
を与えるために添加する粒子の種類としては、Si
2、TiO2、Al23、CaSO4、BaSO4、Ca
CO3、ゼオライトなどの金属酸化物、カーボンブラッ
ク、金属微粉末などの無機粒子や、シリコン粒子、ポリ
イミド粒子、架橋共重合体粒子、架橋ポリエステル粒
子、テフロン粒子などの有機粒子などがあるが、耐熱性
の点から無機粒子や架橋された有機粒子などが好まし
く、特に、乾式法で製造されたSiO2、TiO2、Al
23、酸化ジルコニウムが好ましい。さらにこれらの粒
子の平均一次粒径は、磁気記録ベースに使用した場合の
電磁変換特性、走行性を共に良好とするため、0.00
5μm以上5μm以下が好ましく、さらに好ましくは
0.01μm以上2μm以下である。また、上記粒子の
含有量としては、芳香族ポリアミドに対して0.001
wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.
01wt%以上5wt%以下である。この範囲より少ないと
フィルムにした場合走行性が不良となり、逆に多いと電
磁変換特性が不良となりやすい。さらに、無機粒子と有
機粒子の両者をそれぞれ0.001wt%以上10wt%以
下の割合で含有させると、より効果的となり好ましい。
【0014】また、本発明の芳香族ポリアミド組成物に
はフィルムの物性を損なわない程度に、酸化防止剤その
他の添加剤などがブレンドされていてもよい。
【0015】上記粒子を製膜原液に含有させる方法とし
て、予め粒子を重合溶媒に分散したスラリーを調製し重
合前に重合系内に存在させて重合する方法や、重合終了
後製膜原液中に添加する方法があり、それぞれの粒子に
応じて選択することができる。特に前者のように重合前
にモノマの溶液に添加しておくと、粒子の分散性やポリ
マとの親和性がより向上するので好ましい。
【0016】粒子を重合溶媒に分散する方法としては、
圧力式ホモジナイザー、特に、均質圧力のかかる圧力式
ホモジナイザーを用いることが好ましい。均質圧力のか
かる圧力式ホモジナイザーは、プランジャーポンプによ
り加圧されたスラリーが均質バルブにより流れを絞ら
れ、非常に微細な間隙から噴出させることにより、剪断
力、キャビテーションなどを発生させて分散処理するこ
とができる。圧力としては、100〜1500kg/cm2
好ましく、圧力が高すぎると粒子が破砕、変形する場合
もあり、使用する粒子により最適条件を選ぶことが必要
である。圧力式ホモジナイザーを用いて分散処理した粒
子スラリーは、あらかじめ重合前にモノマの溶液に添加
しておくのが好ましい。また、スラリーを作成する際に
使用する溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)、ジ
メチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミ
ド(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒が好まし
く、芳香族ポリアミドを重合する際に使用した溶媒と同
様であることがさらに好ましい。さらに、その水分率は
10〜10000ppmが好ましく、より好ましくは1
0〜5000ppm、さらに好ましくは10〜1000
ppmである。
【0017】本発明の芳香族ポリアミド組成物は例えば
次に示すような方法で製造することができるが、これに
限定されるものではない。まず芳香族ポリアミドは、ジ
酸クロリドとジアミンもしくはシリル置換体、ジカルボ
ン酸とジイソシアネート、ジカルボン酸とジアミンなど
の組み合わせの反応で得られる。通常は、N−メチルピ
ロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA
c)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロト
ン性有機極性溶媒中の溶液重合で合成される。溶解助剤
として、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチ
ウム、臭化リチウム、硝酸リチウムなどの存在下に重合
してもよい。またジ酸クロリドとジアミンもしくはシリ
ル置換体との反応により副生する塩化水素を、水酸化カ
ルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機系
中和剤、あるいはエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノー
ルアミン、ジエタノールアミンなどの有機系中和剤で中
和してもよい。
【0018】得られたポリマ溶液は、そのまま製膜原液
として使用してもよいが、ポリマを一旦再沈などで単離
し再度上記有機溶媒や硫酸などの無機溶媒に再溶解して
製膜原液を調製してもよい。製膜原液としては、さらに
溶解助剤として、無機塩たとえば塩化カルシウム、塩化
マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硝酸リチ
ウムなどを添加する場合もある。この製膜原液中の溶媒
はポリマ溶液に対して、70wt%以上97wt%以下であ
ることが好ましい。
【0019】上記方法で製造した芳香族ポリアミドの固
有粘度ηinh(ポリマ0.5gを硫酸中で100mlの
溶液として30℃で測定した値)は、0.5dl/g以上で
あることがフィルムに加工した場合に十分な強度を有し
好ましい。
【0020】このようにして製造された芳香族ポリアミ
ド組成物と溶媒からなるポリマ溶液は製膜原液として、
いわゆる溶液製膜法によりフィルムに加工される。溶液
製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがあり、いず
れの方法で製膜してもよいが、ここでは乾湿式法を例に
とって説明する。
【0021】乾湿式法で製膜する場合は、製膜原液を口
金からドラム、エンドレスベルトなどの支持体上に押し
出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を蒸散さ
せ薄膜が自己保持性を持つまで乾燥する。乾燥条件は、
好ましくは、室温以上220℃以下、60分以内であ
り、より好ましくは室温以上200℃以下である。
【0022】乾燥されたフィルムは支持体から剥離され
て、凝固浴(通常は水系)内で脱塩、脱溶媒、縦延伸な
どが行なわれ、さらにテンター内で延伸、乾燥、熱処理
が行なわれてフィルムとなる。延伸倍率は面倍率(延伸
後のフィルム面積を延伸前のフィルム面積で除した値で
定義する。1未満はリラックスを意味する)で0.8以
上8.0以下が好ましく、1.1以上5.0以下がより
好ましい。
【0023】また、本発明の芳香族ポリアミド組成物か
らなるフィルムは、積層フィルムであってもよい。たと
えば2層の場合には、重合した芳香族ポリアミド溶液を
二分し、それぞれ異なる粒子を添加した後に積層すれば
よい。3層以上の場合でも同様であり、積層方法として
は、周知の技術たとえば、口金内での積層、複合管での
積層や、一旦1層を形成してからその上に他の層を形成
する方法などがある。
【0024】次に、芳香族ポリアミド組成物からなるフ
ィルムに磁性層を形成させて磁気記録媒体とする。磁性
層を形成する方法は公知の方法で行なうことができる
が、塗布法としてグラビアロールを使用する方法が塗膜
の均一性の点で、好ましい。塗布後の乾燥温度は90℃
〜150℃が好ましく、カレンダー工程は25℃〜15
0℃の範囲で行なうのが好ましい。また、本発明の磁気
記録媒体は、磁性層を形成後、磁性層と反対側の面にさ
らに走行性を向上させるために、公知の方法によりバッ
クコート層を設けてもよい。
【0025】さらに、この磁性層を塗布したフィルムを
キュアした後スリットして、本発明の磁気記録媒体とす
ることができる。
【0026】こうして得られた磁気記録媒体は、小型
化、薄膜化が可能であり、コンパクトで大容量のデータ
を記録することができ、ビデオ、オーディオ用にはもち
ろん、湿度、温度による寸法変化が少ないので、特にコ
ンピューターのデータテープなどのデジタル記録材とし
て好適である。また、高温、高湿下での走行性および電
磁変換特性に優れるので、屋外使用向きビデオカメラ用
テープなどにも好適に用いることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中の特性の測定は以下の通り
である。
【0028】(1)粒径分布 堀場製作所製LA−700を使用して、屈折率設定1.
1、透過率90±5%の条件で測定した。
【0029】(2)走行性 テープ走行試験機SFT−700型((株)横浜システム
研究所製)を使用し、フィルムを幅1/2インチのテー
プ状にスリットしたものを40℃、80%RH雰囲気で
走行させ、50パス目の摩擦係数を下式より求めた。
【0030】μK=0.733log(T2/T1) ここでT1は入側張力、T2は出側張力である。ガイド径
は6mmφであり、ガイド材質はポリオキシメチレン
(表面粗さ20〜40nm程度のもの)、巻き付け角は
90゜、走行速度は3.3cm/秒、繰り返しストロー
クは15cmである。この測定によって得られる10パ
ス目のμKをμK10、100パス目のμKをμK10
0としたとき、μK10/μK100が0.8以上1.
2以下の場合は走行性が良好、この範囲外は不良と判定
した。なお、測定にあたっては静電気の影響を避けるた
めにフィルムを毎回除電して測定した。
【0031】(3)電磁変換特性 次の組成からなる磁性塗料を調製し、フィルムの製膜時
の金属ベルトと接しない側の表面に、グラビアロールで
磁性層の厚みが2μmとなるように塗布し、硬化した
後、カレンダー処理を行なった。
【0032】 磁性粉(メタル粉) 80重量部 塩ビ系共重合体 10重量部 ポリウレタン 10重量部 硬化剤 5重量部 研磨剤 5重量部 トルエン 100重量部 メチルエチルケトン 100重量部 この磁性層を塗布したフィルムを1/2インチ幅にスリ
ットし、VTRカセットに組み込みVTRテープとし
た。このテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形
発生器により100%クロマ信号からカラービデオノイ
ズ測定器でクロマS/Nを測定した。さらにこのテープ
を80℃、相対湿度80%で1ヶ月以上放置し、同様に
測定した。評価にあたっては市販のテープを基準とし
た。
【0033】実施例1 一次粒径16nmの乾式シリカ5重量部、水分率100
ppmのN−メチルピロリドン(NMP)95重量部を
ジェットアジターを使用して、3000rpmで30分
予備分散しスラリー化した。次に、APV GAULI
N社製M3−10TBS型圧力ホモジナイザーを630
kg/cm2に設定し、予備分散したスラリーを分散処理(通
液1回)した。平均粒径は0.11μmであり、粒径
0.33μmを超える粒子の割合は13%であった。
【0034】次に翼径1.14m、翼幅0.16mのア
ンカー型攪拌翼を有する、槽内径1.2mの冷却ジャケ
ット付き重合槽を使用して、水分率100ppmのNM
Pに芳香族ジアミン成分として85モル%に相当する2−
クロロ−p−フェニレンジアミンと、15モル%に相当す
る4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解さ
せ、これに芳香族ジアミンに対して98.4モル%に相当
する2−クロロテレフタル酸ジクロリドを添加し、線速
度4.0m/秒で攪拌しながら重合を開始した。溶液粘
度が上昇するのに従い槽内温度を35℃以下に保持でき
るよう段階的に攪拌速度を下げ、最終的に線速度2.0
m/秒にし、2時間攪拌し重合を完了した。副生した塩
化水素を炭酸リチウムで中和し、ポリマ濃度10.6wt
%、溶液粘度3560ポイズのポリマ溶液を得た。これ
に上記スラリーをシリカ分がポリマに対して2wt%にな
るよう添加し製膜原液とした。
【0035】この原液を5μmカットのフィルターを通
した後、径が30μm以上の表面欠点の頻度が0.00
6個/mm2のベルト上に流延し、180℃の熱風で2分
間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を得たフィルム
をベルトから連続的に剥離した。次にNMP濃度勾配の
つけた水槽(3槽)内へフィルムを導入して残存溶媒と中
和で生じた無機塩の水抽出を行ない、テンターで水分の
乾燥と熱処理を行なって、厚さ6μmのフィルムを得
た。この間にフィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ
1.2倍、1.3倍延伸を行ない、280℃で1.5分
間乾燥と熱処理を行なった後、20℃/秒の速度で徐冷
した。このフィルムの走行性、電磁変換特性を測定する
と共に良好であった。
【0036】実施例2 一次粒径13nmの乾式アルミナ5重量部、水分率10
0ppmのN−メチルピロリドン(NMP)95重量部
をジェットアジターを使用して、3000rpmで30
分予備分散しスラリー化した。次に、APV GAUL
IN社製M3−10TBS型圧力ホモジナイザーを78
0kg/cm2に設定し、予備分散したスラリーを分散処理
(通液2回)した。平均粒径は0.23μmであり、粒径
が0.69μmを超える粒子の割合は18%であった。
【0037】次に、実施例1と同様の冷却ジャケット付
き重合槽を使用して、水分率100ppmのNMPに芳
香族ジアミン成分として80モル%に相当する2−クロロ
−p−フェニレンジアミンと、20モル%に相当する4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、これ
に芳香族ジアミンに対して98.7モル%に相当する2−
クロロテレフタル酸ジクロリドを添加したのち、実施例
1と同様にして重合を重合を開始し完了した。副生した
塩化水素を炭酸リチウムで中和し、ポリマ濃度11.2
wt%、溶液粘度3440ポイズのポリマ溶液を得た。こ
れに上記スラリーをアルミナ分がポリマに対して2.5
wt%になるよう添加し製膜原液とした。
【0038】この原液から、実施例1と同様にして、厚
さ6μmのフィルムを得た。このフィルムの走行性、電
磁変換特性を測定すると共に良好であった。
【0039】実施例3 実施例1と同様の方法で、乾式シリカを一次粒径21n
mの乾式の二酸化チタンに変えて、粒子の分散(通液2
回、平均粒径0.21μm、0.63μmを超える割合
が22%)、重合を行ない、フィルムを作成した。この
フィルムの走行性、電磁変換特性を測定すると共に良好
であった。
【0040】実施例4 実施例2と同様の方法で、乾式アルミナを一次粒径30
nmの乾式の酸化ジルコニウムに変えて、粒子の分散
(通液3回、平均粒径0.31μm、0.93μmを超
える割合が11%)を行なった。重合前に得られると予
想されるポリマに対して粒子が2.5wt%となるよう重
合槽に添加し、以降は実施例2と同様に重合を行ない、
フィルムを作成した。このフィルムの走行性、電磁変換
特性を測定すると共に良好であった。
【0041】比較例1 一次粒径16nmの乾式シリカ5重量部、水分率200
ppmのN−メチルピロリドン(NMP)95重量部を
ジェットアジターを使用して、3500rpmで3時間
分散しスラリー化とした。平均粒径は0.14μmであ
り、粒径0.42μmを超える粒子の割合は37%であ
った。
【0042】次に、実施例1と同様にして、ポリマ濃度
10.6wt%、溶液粘度3560ポイズのポリマ溶液を
得たのち、これに上記スラリーをシリカ分がポリマに対
して2wt%になるよう添加し製膜原液とした。
【0043】この原液から、実施例1と同様にして、厚
さ6μmのフィルムを得た。このフィルムの走行性、電
磁変換特性を測定すると共に不良であった。
【0044】比較例2 一次粒径21nmの乾式の二酸化チタン5重量部、水分
率230ppmのN−メチルピロリドン(NMP)95
重量部をジェットアジターを使用して、3000rpm
で30分予備分散しスラリー化した。次に、APV G
AULIN社製M3−10TBS型圧力ホモジナイザー
を130kg/cm2に設定し、予備分散したスラリーを分散
処理(通液1回)した。平均粒径は0.28μmであり、
粒径0.84μmを超える粒子の割合は35%であっ
た。
【0045】次に、実施例1と同様にして、ポリマ濃度
10.6wt%、溶液粘度3560ポイズのポリマ溶液を
得たのち、これに上記スラリーをシリカ分がポリマに対
して2wt%になるよう添加し製膜原液とした。
【0046】この原液から、実施例1と同様にして、厚
さ6μmのフィルムを得た。このフィルムの走行性、電
磁変換特性を測定すると共に不良であった。
【0047】
【発明の効果】本発明のように、芳香族ポリアミド組成
物中の粒子の粒径分布をコントロールすることによりフ
ィルムへの加工性に優れた芳香族ポリアミド組成物とな
り、そらに、厳しい環境下での耐久性や走行性の優れた
フィルムが得られる。
【0048】また、本発明の芳香族ポリアミド組成物か
ら得られるフイルムは、小型化、薄型化が可能であり、
コンパクトに大容量のデータを記録することができ、ビ
デオ、オーディオ用にはもちろん、コンピュータのデー
タテープなどのデジタル記録材としても好適であり、ア
ウトドアユーズのビデオカメラ用テープなどにも好適で
ある。さらに、TAB実装基板などのフィルム基板や感
熱転写記録用転写材あるいはフィルムコンデンサなどの
用途にも好適に用いることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径をA(μm)としたとき、粒径が
    3A(μm)を越える粒子の割合が30wt%以下であるこ
    とを特徴とする芳香族ポリアミド組成物。
  2. 【請求項2】芳香族ポリアミドに対して0.001wt%
    以上10wt%以下の無機粒子を含有することを特徴とす
    る請求項1に記載の芳香族ポリアミド組成物。
  3. 【請求項3】芳香族ポリアミドに対して0.001wt%
    以上10wt%以下の有機粒子を含有することを特徴とす
    る請求項1または2に記載の芳香族ポリアミド組成物。
  4. 【請求項4】圧力式ホモジナイザーを用いて分散処理し
    た粒子スラリーを芳香族ポリアミド溶液に添加すること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載の芳香族ポリ
    アミド組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】圧力式ホモジナイザーを用いて分散処理し
    た粒子スラリーを、あらかじめ重合前にモノマの溶液に
    添加しておくことを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の芳香族ポリアミド組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2または3に記載の芳香族ポリ
    アミド組成物からなることを特徴とするフィルム。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のフィルムの少なくとも一
    面に磁性層を形成したことを特徴とする磁気記録媒体。
JP9081736A 1997-03-31 1997-03-31 芳香族ポリアミド組成物およびその製造方法、それからなるフィルム、および、磁気記録媒体 Pending JPH10279796A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9081736A JPH10279796A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 芳香族ポリアミド組成物およびその製造方法、それからなるフィルム、および、磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9081736A JPH10279796A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 芳香族ポリアミド組成物およびその製造方法、それからなるフィルム、および、磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10279796A true JPH10279796A (ja) 1998-10-20

Family

ID=13754725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9081736A Pending JPH10279796A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 芳香族ポリアミド組成物およびその製造方法、それからなるフィルム、および、磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10279796A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006249272A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Toray Ind Inc 芳香族ポリアミドの製造方法、組成物及びそれからなるフィルム
JP2012082392A (ja) * 2010-09-15 2012-04-26 Toray Ind Inc 全芳香族ポリアミドフィルム、その製造方法および積層体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006249272A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Toray Ind Inc 芳香族ポリアミドの製造方法、組成物及びそれからなるフィルム
JP2012082392A (ja) * 2010-09-15 2012-04-26 Toray Ind Inc 全芳香族ポリアミドフィルム、その製造方法および積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3047471B2 (ja) 芳香族ポリアミドフィルム、その製造方法及びそれを用いた磁気記録媒体
JP3111870B2 (ja) 芳香族ポリアミドフィルム及びそれを用いた磁気記録媒体
JPH10279796A (ja) 芳香族ポリアミド組成物およびその製造方法、それからなるフィルム、および、磁気記録媒体
EP0716414B1 (en) Magnetic recording medium
JP2616711B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3484844B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3082617B2 (ja) 芳香族ポリアミドフィルム
JP2964961B2 (ja) 芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体
JP2914338B2 (ja) 芳香族ポリアミドまたは芳香族ポリイミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体
JP3000925B2 (ja) 芳香族ポリアミド又は芳香族ポリイミドからなるフィルム
JPH08297829A (ja) 磁気記録媒体
JPH10114038A (ja) 芳香族ポリアミドフィルム、その製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体
JPH11152353A (ja) 芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体
JP2001353776A (ja) 芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体
JPH0855327A (ja) 磁気記録媒体
JPH10279797A (ja) 芳香族ポリアミド組成物、それからなるフィルム、および、磁気記録媒体
JPH04298324A (ja) 磁気記録媒体用ベースフィルム
JP3161279B2 (ja) フィルム及びそれを用いた磁気記録媒体
JP4337196B2 (ja) 芳香族ポリアミドフィルム及びそれを用いた磁気記録媒体
JP2002146058A (ja) 芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体
JP2000344914A (ja) 粗さ可変フィルム
JPH09302117A (ja) 芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体
JP3039684B2 (ja) 「磁気記録媒体」
JPH0855328A (ja) 磁気記録媒体
JP2001031779A (ja) 芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050426