JP3871225B6 - 積層芳香族ポリアミドイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、芳香族ポリアミドフイルムおよびそれを用いた磁気記録媒体に関するものである。
背景技術
芳香族ポリアミドフィルムは、その優れた耐熱性、機械特性を活かして種々の用途に検討されている。特にパラ配向系の芳香族ポリアミドは剛性、強度等の機械特性が他のポリマより優れているため、フィルムの薄物化に非常に有利であり、プリンターリボン、磁気テープ、コンデンサー等の用途が考えられている。磁気記録媒体に関しては、例えば特開昭58−168655、特開昭62−112218などに教示がある。
磁気記録媒体分野においては、真空蒸着、スパタリング、イオンプレーテイングなどの方法によりCo、Ni、Crなどを基材フイルム上に形成させた金属薄膜型の磁気記録媒体が記録密度の向上に有望視されている。金属薄膜型の磁気記録媒体は面内の記録密度の向上と同時に磁性層が薄くできるため記録媒体全体の厚みを薄くでき、長尺化が可能なことも記録容量の増大に非常に有効である。
金属薄膜型の磁気記録媒体は磁性層形成時に熱がかかるため、耐熱性フイルムを使用することは熱的損傷を減らす上では有効であるが、磁性層を形成する際にフイルムが大きくカールし、カールの除去が難しい。この対策として、例えば特開昭56−16938ではカール戻しに必要なフイルムの高温での熱収縮率の範囲を提案しているが、再現性よく平滑な磁気テープを得るには充分ではないことがわかった。
本発明はかかる問題点を解決し、芳香族ポリアミドの優れた高剛性、耐熱性を活かし、平坦な磁気記録媒体を再現性良く得ることができる芳香族ポリアミドフイルムおよびこれを用いた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明は、湿式工程を出たフィルムを延伸温度250〜400℃で、面倍率0.8〜5.0で延伸した後、さらにTD方向に前記延伸温度よりも低い温度で1.02〜1.05倍で再延伸することにより、80kg/cm2荷重下、220℃での熱収縮率がTD方向で0.2〜8%であり、磁性層を設ける面と反対側の面の十点平均粗さRzが10〜200nmであるフィルムを得ることを特徴とする積層芳香族ポリアミドフィルムの製造方法である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の芳香族ポリアミドとしては、次の一般式(I)および/または一般式(II)で表わされる繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ましく、70モル%以上からなるものがより好ましい。
一般式(I)
Figure 0003871225
一般式(II)
Figure 0003871225
ここで、Ar1、Ar2、Ar3は例えば、
Figure 0003871225
などが挙げられ、X、Yは
−O−,−CH2−,−CO−,−SO2−,−S−,−C(CH32
等から選ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、ハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基(特にメチル基)、C1〜C3のアルコキシ基などの置換基で置換されているものも含み、また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されているものも含む。
特性面からは上記の芳香環がパラ位で結合されたものが、全芳香環の50%以上、好ましくは70%以上を占める重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性も良好となるため好ましい。また吸湿率を小さくする点からは、芳香環上の水素原子の一部がハロゲン基(特に塩素)で置換された芳香環が全体の30%以上である重合体が好ましい。
芳香族ポリアミドのより好ましい構造としては
Figure 0003871225
(ここでm、nは0〜4)を50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上からなるものである。
本発明の芳香族ポリアミドは、一般式(I)および/または一般式(II)で表される繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ましく、50モル%未満は他の繰り返し単位が共重合(たとえば芳香族ポリイミドなど)、またはブレンドされていても差し支えなく、またフィルムの物性を損なわない程度に導電性粒子、滑剤、酸化防止剤その他の添加剤等がブレンドされていてもよい。
本発明のフイルムの厚さは1.5μm以上10μm以下の範囲が好ましい。より好ましくは2μm以上7μm以下である。1.5μmより薄いとテープとしたときの強度が不足し、10μmより厚いとテープが厚くなり小型化、長時間化が難しくなる傾向がある。
本発明のフイルムは80kg/cm2荷重下、220℃での熱収縮率がTD方向で0.2〜8%であり、好ましくは0.2〜5%である。0.2%より小さいとカールを戻すことができない。一方、8%より大きいと逆方向にカールしたり、一旦はカールが戻っても使用時に徐々に変形して再びカールが発生したりする問題が生じる。
本発明のフイルムは磁性層を設ける面(A面と称する)と反対側の面(B面と称する)の十点平均粗さRzが10〜200nmであることが必要であり、好ましくは20〜100nmである。カールを戻す際には加熱ロールに接触させてフイルムを収縮させる方法がとられることが多いが、磁性層を傷つけないためにB面を加熱ロールに接触させる。この際にB面のRzが10nmより小さいとフイルムとロールの摩擦が大きくなり、カールが戻らなかったり、戻りが不均一になり再現性よく平均な磁気記録媒体ができない。一方200nmより大きいと、加熱されたフイルムが変形して磁性面があれる。またロール上でフイルムが滑りすぎ、ロールとの接触の安定性に欠ける。これらのカール戻しのためにはフイルムのB面の摩擦計数は0.1〜2が好ましい。
本発明のフイルムはB面の粗さや摩擦係数を維持するために、フイルム中に粒子を存在させておくことが好ましい。粒子の種類としては、SiO2、TiO2、Al23、CaSO4、BaSO4CaCo3、カーボンブラック、ゼオライト、その他の金属微粉末などの無機粒子や、シリコン粒子、ポリイミド粒子、架橋共重合体粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン粒子などの有機高分子などがあるが、耐熱性の点から無機粒子の方がより好ましい。平均粒子径は0.01〜2.0μm、より好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。また含有量は0.01〜10wt%が好ましく、0.1〜5wt%がより好ましい。
A面とB面との表面性は同じでも異なっていてもよいが、特に金属薄膜型の場合にはB面側をA面側より粗らすことが好ましい。摩擦係数を下げることで磁気記録媒体を生産する際の走行性安定性や、カール戻し時の再現性を向上させることができるからである。表面性を変えるには公知の方法で行うことができ、例えば表面に粒子とバインダーを塗布する方法、口金や積層管で積層する方法などがある。
フイルムの磁性面側の表面あらさは平均粗さRaで0.1〜30nmより好ましくは0.2〜10nmである。
また本発明のフイルムの長手方向のヤング率が1000kg/mm2以上あることが好ましい。またフイルムは長手方向にテンシライズまたは幅方向にテンシライズされてもよい。テンシライズの度合いは特に限定されないが、伸度、引き裂き抵抗力等の特性を考慮に入れると、長手方向の引張りヤング等EMDと幅方向の引張りヤング等ETDが、
0.5≦EMD/ETD≦2
の範囲であるのが実用的である。
本発明のフイルムの伸度は10%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上であるテープが適度な柔軟性を持つので望ましい。
本発明のフイルムの吸湿率は、4%以下が好ましく、より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下である。吸湿率が小さいほど湿度変化によるテープの寸法変化が小さく良好な電磁変換特性を保てるので望ましい。
さらに本発明のフイルムは、金属薄膜型の磁気記録媒体に用いると充分な効果が発揮できるが、酸化鉄やメタル粉をバインダーとともに塗布する磁気記録媒体として使用することもでき、金属薄膜型と同様にカールの調節に有効である。
本発明の磁気記録媒体は上記のフイルムに磁性層を設けたものである。記録媒体の全厚は厚すぎると小型化することができなくなる場合があるので10μm以下が好ましく、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。
磁性層の厚さは2μm以下、より好ましくは1μm以下である。短波長記録には薄い方が良いが薄すぎると出力の低下を招くので下限は一般には0.1μm以上である。磁性層としてはNi、Cr、Fe、Co等の金属やこれらの合金が用いられるが、限定されるものではない。
磁気記録媒体としては、一般にはバックコート層を設けることが好ましい。金属薄膜型の場合、カール戻しを行ってからバックコート層を設けると良い。バックコート層の厚さは1μm以下であることが好ましい。
さらに磁性層の上には、耐久性向上のために保護層を設けることができる。例えばカーボン層や湿潤剤層などであり、1種あるいは数種組み合わせて設けることができる。
次に本発明の製造方法について説明するが、これに限定されるものではない。まず芳香族ポリアミドであるが、酸クロリドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面重合などで合成される。ポリマ溶液は、単量体として酸クロリドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、などの有機の中和剤が使用される。また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液として使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してから上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製膜原液を調製してもよい。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得るためにはポリマの固有粘度(ポリマ0.5gを硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.5以上であることが好ましい。
製膜原液には溶解助剤として無機塩、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシム、塩化リチウム、硝酸リチウムなどを添加する場合もある。製膜原液中のポリマ濃度は2〜40wt%程度が好ましい。
粒子の添加方法は、粒子を予め溶媒中に十分スラリー化した後、重合用溶媒または希釈用溶媒として使用する方法や、製膜原液を調製した後に直接添加する方法などがある。
上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいずれの方法で製膜されても差し支えないが、ここでは乾湿式法を例にとって説明する。
乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金からニッケル、ステンレス、銅、チタン、ハステロイ、タンタル等の材質からなるドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室温〜250℃、60分以内の範囲であり、好ましくは室温〜200℃の範囲である。乾燥温度が250℃を越えると急激な加熱によるボイドの発生、表面の荒れ等が起こり実用的なフィルムが得られない。
上記乾式工程を終えたフィルムは支持体から剥離されて湿式工程に導入され、ここでフィルム中に含有されている溶剤や不純物が除去される。この浴は一般に水系媒体からなるものであり、水の他に有機溶媒や無機塩等を含有していてもよい。しかし一般に水を30%以上好ましくは50%以上含有するのが好ましく、浴温度は通常0〜100℃で使用される。さらにフイルム中の不純物を減少させるために浴温を50℃以上に上げたり、有機溶剤の浴を設けてこの中を通すことが有効である。
湿式工程を出たフィルムは更に乾燥、延伸が行われる。乾燥、延伸は250〜400℃で、延伸倍率は面倍率で0.8〜5.0(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前にフィルムの面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味する。)の範囲で行われる。より好ましい延伸倍率は1.1〜3.0である。さらにTD方向の熱収縮率を本発明の範囲に維持するには延伸温度よりも低い温度でフィルムをTD方向に再度延伸し、200℃/秒以上の速度で急冷することにより得るのが好ましい。
A面とB面で表面性を変えるには公知の方法で行うことができる。例えば表面に粒子とバインダーを塗布する方法、口金や積層管で異なる粒子を含有したポリマ溶液を積層する方法などがある。
次にこのフィルムに磁性層を設ける。金属薄膜を設けるには、A面側に事前にグロー放電処理やコロナ処理表面処理を行うことがフイルムと磁性層の密着性を向上させるのに有効である。
次いで真空蒸着やスパタリング等の方法で磁性層を設ける。この際A面を内側にしてカールが発生することが多いが、磁気記録媒体として使用するにはカールを除去する必要がある。このためにはB面側を加熱ロールに接触させてフイルムを加熱収縮させ、カールを除去する方法が、生産性、安定性の点で好ましい。またB面側をロールに接触させるのが、磁性層を傷つけることもない。カールは完全に除去され平坦であることが望ましいが、磁性面と磁気ヘッドとの接触が良好に維持されれば多少の残留は問題ない。またカールの方向はカール量が小さければ内面、あるいは外面のどちら側でも支障はない。
さらにカール除去後、磁性層と反対側の面に公知の方法によりバックコート層を設けることが好ましい。これらの処理が終わった後、スリットして本発明の磁気記録媒体となる。
(測定方法、評価法)
本発明の物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法による。
(1)十点平均粗さRz
小坂研究所製の薄膜段差測定器(ET−10)で、触針先端半径0.5μm、触針荷重5mg、カットオフ値0.008mm、測定長0.5mmの条件で5回測定しその平均で表す。
(2)熱収縮率
幅10mm×長さ250mmとなるようにTD方向に長いサンプルを切り出し200mmの間隔に標線を描く。TD方向のフイルムの断面当たり80kg/cm2になるように荷重をかけて220℃で10分間オーブンで加熱後、フイルムを取り出し標線の間隔を測定する。加熱前後の寸法より収縮率を求める。
(3)摩擦係数
直径8mm、長さ30mmのクロムメッキを施した金属ピン(表面粗さは0.4S)に、10mm幅に切り出したフイルムのB面側を当て、フイルムを走行させ、その張力より求める。
(4)カール戻し
磁性層は設けられており、バックコート層はない状態で実施する。
220℃に加熱された表面粗度0.2Sの加熱ロールに、MD方向に50kg/cm2の張力でフイルムのB面側を0.3秒以上接触させる。
(5)磁気テープのカール評価
カール戻しを行った試料からMD方向にスリットし3.8mm幅のテープを作る。これから長さ2cmのサンプルを切り出し、25℃、55%RHの雰囲気中で2時間放置した後、水平面に置く。
A.カールの方向
磁性層を内側にしてカールしたものを+、磁性層を外側にしてカールしたものを−とする。
B.カール量
水平面から最も高いテープの位置を計測して求める。
カール量が1mm以下のものを○、1〜2mmのものを△、2mmを超えるものを×とする。
C.再現性
カール戻しを5回実施し、2回以上カール量が2mmを超えるものを×とした。
【実施例】
以下に実施例にもとずいて本発明を説明するが、これらに限定されるものではない。
実施例1
重合槽に水分率45ppmのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を仕込み、この中に芳香族ジアミン成分として85モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジアミンと、15モル%に相当する4、4’−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させた。これに98.5モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌して重合を完了した。さらに水酸化リチウムで発生塩化水素の97モル%を中和し、ついでジエタノールアミンを6モル%添加してポリマ溶液を得た。
これを2分割し、一方にはNMR中で一次粒径0.02μmに乾式シリカ粒子を平均粒径0.3μmに分散させたスラリーを、粒子量がポリマに対して1.5wt%となるように添加した。そしてポリマ濃度11wt%、30℃での溶液粘度を4000ポイズに調整して製膜原液とした(これをB液とする)。
もう一方のポリマ溶液には一次粒径0.05μmの単分散粒子を0.1wt%添加してポリマ濃度11wt%、30℃での溶液粘度を4100ポイズに調整して製膜原液とした(これをA液とする)。
A液、B液ともそれぞれ3μmカットのフィルタ−を通した後、最終のフイルム厚みでA液側で2.5μm、B液側が2μmになるように口金内で複合し、口金より金属ベルト上に流延した。ここでB液がベルト面側になるように流延した。この流延されたフィルムを140℃の熱風で3分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に水槽内へフィルムを導入して残存溶媒と中和で生じた無機塩等の抽出を行なった。なお浴中で縦方向(MD方向)に1.2倍延伸した。
つぎにテンタ−に導入し300℃で水分の乾燥と熱処理を行なった。この間にフィルムの幅方向に1.4倍延伸を行なった。さらに200℃でTD方向に1.03倍の延伸を行い、50℃の冷却室に0.5秒で移動させて急冷した。得られたフィルムは厚み4.5μmでフイルム特性は表1に示した。また吸湿率は1.5%、表面粗さはA面がRaで1nm、B面に値は表1に示した。またこのフイルムはヤング率はMD方向が1300kg/mm2、TD方向が1400kg/mm2であった。
次にこのフイルムのA面側をグロー放電処理してクリーニングした後真空蒸着法によりCo/Ni(組成比:80/20%)を0.2μmの厚みに蒸着した。得られたフイルムは蒸着面側に大きくカールしていた。そこで220℃の加熱ロールにこのフイルムを接触させてカール戻しを行った。結果を表1に示すが得られた磁気テープのカールは小さく良好であった。
実施例2
実施例1と同じポリマ溶液を2種用い、実施例1と同じ方法で製膜を行った。B液には実施例1と同じ粒子を0.5wt%添加して製膜し4.5μmのフイルムを得、さらに蒸着層を形成してカール戻しを行ったが良好であった。結果を表1に示した。
実施例3
実施例1と同じA液、B液を用い製膜した。ここでTD方向の延伸を300℃で1.4延伸した後、さらに200℃でTD方向に1.02倍の延伸を行い、40℃の冷却室に0.5秒で移動させて急冷した。これに蒸着層を形成し、カール戻しを行ったが良好であった。結果を表1に示した。
実施例4
実施例1と同じ方法でフイルムを作成した。ここでA面側の厚みを2.2μ、B面側の厚みを1.2μmになるように積層を行い最終3.4μのフイルムを得た。さらに製膜過程で延伸後の再延伸条件として200℃で1.05の延伸を行い、40℃まで0.5秒で冷却しフイルムを得た。得られたフイルムの特性は表1に示すとおりである。また磁性層を設けたフイルムのカール戻しを行ったが表1に示すように良好であった。
比較例1
実施例1と同じ製膜方法で製膜し、再延伸倍率を320℃で1.05としたところ、TD方向の熱収縮率は表1に示すように小さなものであった。
これをカール戻ししたところ十分にカールが戻らなかった。
比較例2
実施例1と同じ製膜方法で製膜し、再延伸倍率を200℃で1.1倍としたところ、TD方向の熱収縮率は表1に示すように非常に大きなものとなった。これをカール戻ししたところカールが逆方向になり、平坦性が悪いものとなった。
比較例3
実施例1の製膜原液でB面側の粒子添加量を0.1%として実施例1と同一条件でフイルムを作成した。これをカール戻ししたが、表面が平滑であり、表1に示したようにカール戻しが安定せず再現性が乏しいものとなった。
【表1】
Figure 0003871225
産業上の利用可能性
本発明により得られた芳香族ポリアミドフィルムを使用することにより、カールが小さく平坦性にすぐれた高密度の磁気記録媒体を製造することができる。

Claims (6)

  1. 湿式工程を出たフィルムを延伸温度250〜400℃で、面倍率0.8〜5.0で延伸した後、さらにTD方向に前記延伸温度よりも低い温度で1.02〜1.05倍で再延伸することにより、80kg/cm2荷重下、220℃での熱収縮率がTD方向で0.2〜8%であり、磁性層を設ける面と反対側の面の十点平均粗さRzが10〜200nmであるフィルムを得ることを特徴とする積層芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
  2. 磁性層を設ける面と反対側の面の摩擦係数が0.1以上2以下である請求項1記載の積層芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
  3. 80kg/cm2荷重下、220℃での熱収縮率がTD方向で0.2〜5%である請求項1記載の積層芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
  4. 磁性層を設ける面と反対側の面を形成する層内に平均粒子径が0.01〜2.0μmの粒子を0.01〜10wt%を含むものである請求項1記載の積層芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
  5. 長手方向の引張りヤング率EMDと幅方向の引張りヤング率ETDが次式を満足するものである請求項1記載の積層芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
    0.5≦EMD/ETD≦2
  6. 吸湿率が4%以下である請求項1記載の積層芳香族ポリアミドフィルムの製造方法。
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