JP2621632B2 - 芳香族ポリアミドフィルム - Google Patents

芳香族ポリアミドフィルム

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JP2621632B2 JP2277250A JP27725090A JP2621632B2 JP 2621632 B2 JP2621632 B2 JP 2621632B2 JP 2277250 A JP2277250 A JP 2277250A JP 27725090 A JP27725090 A JP 27725090A JP 2621632 B2 JP2621632 B2 JP 2621632B2
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    • H05K1/0313Organic insulating material
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は芳香族ポリアミドフィルム、更に詳しくは、
磁気テープ用ベースフィルムなどとして好適な芳香族ポ
リアミドフィルムに関するものである。
[従来の技術] 芳香族ポリアミドフィルムは、その優れた耐熱性、機
械特性を活かして種々な用途に検討されている。特にパ
ラ配向系の芳香族ポリアミドは剛性、強度等の機械特性
が他のポリマより優れているため、フィルムの薄物化に
非常に有利であり、プリンタリボン、磁気テープ、コン
デンサー等の用途が考えられている。例えば磁気記録媒
体では特開昭58−168655、特開昭62−112218などがあ
る。
しかしながら、フィルムの加工工程、たとえば包装用
途における印刷工程、磁気媒体用途における磁性層塗布
・カレンダー工程などの工程速度の増大にともない、フ
イルムに要求される耐スクラッチ性、耐削れ性は益々厳
しくなっており、上述の如き従来の芳香族ポリアミドフ
ィルムでは、加工工程や、製品の性能上十分ではなくな
っている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、かかる課題を解消せしめ、芳香族ポリアミ
ドフィルム本来の優れた耐熱性、機械特性を維持し、表
面が傷つきにくく(以下耐スクラッチ性に優れるとい
う)、耐削れ性に優れた芳香族ポリアミドフィルムを提
供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、平均一次粒径が5〜250nm、平均凝集度が1
0〜100、モース硬度が6〜10の粒子Aを0.01〜5wt%含
有し、フィルムのビッカース硬度が20以上であることを
特徴とする芳香族ポリアミドフィルムに関するものであ
る。
本発明の芳香族ポリアミドとは、次の一般式で表わさ
れる繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ましく、
70モル%以上からなるものがより好ましい。
一般式、 HN−Ar1−NHCO−Ar2−CO および/または HN−Ar3−CO ここで、Ar1、Ar2、Ar3は例えば、 などが挙げられ、X、Yは −O−,−CH2−,−CO−,−SO2− −S−,−C(CH3)2− から選ばれる。
更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、ハロゲン
基(特に塩素)、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基(特に
メチル基)、C1〜C3のアルコキシ基などの置換基で置換
されているものも含み、また、重合体を構成するアミド
結合中の水素が他の置換基によって置換されているもの
も含む。
特性面からは上記の芳香環がパラ位で結合されたもの
が、全芳香環の50%以上、好ましくは75%以上を占める
重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性も良好となるた
め好ましい。また吸湿率を小さくする点からは、芳香環
上の水素原子の一部がハロゲン基(特に塩素)で置換さ
れた芳香環が全体の30%以上である重合体が好ましい。
本発明フイルムに含有される粒子Aの平均一次粒径は
5〜250nm、好ましくは10〜100nmである必要がある。平
均一次粒径が上記範囲より大きいと耐削れ性が不良とな
り、また、平均粒径が上記範囲より小さいと耐スクラッ
チ性が不良となる。
さらに本発明フイルムに含有される粒子Aはフイルム
中で凝集している必要があり、粒子Aの平均凝集度は10
〜100、好ましくは10〜50の範囲である必要がある。平
均凝集度が上記範囲より小さい場合にはフイルムの耐ス
クラッチ性が不良となり、本発明の範囲より大きい場合
には、耐削れ性が不良となるばかりではなく、粗大突起
が形成されフイルムの品質を著しく損なうので好ましく
ない。
また粒子Aのモース硬度は6〜10の範囲である必要が
ある。粒子Aのモース硬度が上記範囲より小さいと耐ス
クラッチ性が不良となる。尚、粒子のモース硬度の上限
は10である。
本発明の粒子Aの種類は特に限定されないが、結晶形
態がβ、γまたはδ型から選ばれた少なくとも1種のア
ルミナ粒子またはジルコニア、窒化チタンのうちいづれ
かであると耐スクラッチ性、耐削れ性が非常に良好とな
るので特に好ましい。この中でもアルミナ粒子が特に好
ましい。アルミナの結晶形態にはα、β、γ、δ、χ、
η、θ型などがある。結晶形態がβ、γまたはδ型であ
れば、2種以上の結晶形態が混合されていても構わな
い。なかでもδ型の結晶形態が多く含有されている場合
には、耐スクラッチ性、耐削れ性がより一層良好となる
ので好ましい。δ型の結晶形態の割合が60%以上である
と、耐スクラッチ性、耐削れ性がさらに良好となるので
特に好ましい。尚、アルミナ粒子の結晶形態はフイルム
中のアルミナ粒子のみを取り出し、X線回折ピークなど
を観測することにより明らかにすることができる。
また、本発明の芳香族ポリアミドフイルムに用いられ
る粒子Aの形状係数は、0.85〜1.0の間であることが、
耐スクラッチ性、耐削れ性をさらに良好とするのに有効
である。
本発明で用いる芳香族ポリアミドフイルムには、本発
明の目的を阻害しない範囲であれば、粒子A以外の粒子
が含まれていてもかまわない。特にモース硬度が粒子A
よりも小さく、かつ平均粒径が0.3〜3μmの範囲であ
る粒子Bを0.01〜5wt%の範囲で同時に含有すると、走
行性が向上し、さらに耐スクラッチ性、耐削れ性が良好
となるので好ましい。特に粒子Bのモース硬度が6未
満、好ましくは5未満、更に好ましくは4未満である
と、耐スクラッチ性、耐削れ性がより一層良好となるの
で特に好ましい。さらに粒子Aと粒子Bを同時に含有す
るとき、粒子Aと粒子Bのモース硬度の差が1以上、好
ましくは2以上であると耐スクラッチ性が更に良好とな
るので好ましい。粒子Bの種類としては、例えば、炭酸
カルシウム、カオリン、リン酸カルシウムなどの無機粒
子や架橋球状ポリスチレン粒子、フッ素系粒子などの有
機高分子粒子などがある。
本発明のフィルムのビッカース硬度は20以上、好まし
くは25以上、より好ましくは30以上である。ビッカース
硬度が20未満では、耐スクラッチ性、耐削れ性が十分で
なく、フィルムの加工工程、製品性能上問題となること
が多い。上限は特に限定されないが100程度である。
また本発明フイルムは積層フイルムであっても良い。
積層フイルムとするときには、本発明のフイルムが少な
くとも片側表層に積層されていると好ましく、積層フイ
ルム全厚に対する本発明フイルムの厚さ比率は1/150〜1
/2の範囲であるとよりスリット時の粉落ちが少なくなり
好ましい。
また本発明フィルムの表面粗さは特に限定されない
が、少なくとも片面の表面粗さ(中心線平均粗さ、Ra)
が0.001〜0.030μmの範囲にある場合に耐スクラッチ性
及び耐削れ性が共により一層良好となるので望ましい。
本発明のフィルムは、少なくとも一方向についてフィ
ルムが1%伸長した際のフィルム強度(F−1値と略
す)が8kg/mm2以上有することが好ましい。より好まし
くは10kg/mm2以上、更に好ましくは13kg/mm2以上であ
る。
また本発明のフィルムは、少なくとも一方向の引張弾
性率が700kg/mm2以上が好ましく、より好ましくは1000k
g/mm2以上、更に好ましくは1300kg/mm2以上である。
また本発明のフィルムの少なくとも一方向の200℃、1
0分での熱収縮率は5%以下が好ましく、より好ましく
は2%以下である。これら機械特性、熱特性は、積層さ
れた場合には積層フィルムについても満足することが好
ましい。
次に本発明フィルムの製造方法を説明するが、これに
限定されるものではない。
芳香族ポリアミドを、酸クロリドとジアミンから得る
場合には、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルア
セトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)な
どの非プロトン性有機極性溶媒中で、溶液重合したり、
水系媒体を使用する界面重合などで合成される。ポリマ
溶液は、単量体として酸クロリドとジアミンを使用する
と塩化水素が副生するが、これを中和する場合には水酸
化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無
機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノー
ルアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使
用される。また、イソシアネートとカルボン酸との反応
は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行な
われる。
これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液として使用し
てもよく、あるいはポリマを一度単離してから上記の有
機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製膜原液を調
製してもよい。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得るためにはポ
リマの固有粘度(ポリマ0.5gを硫酸中で100mlの溶液と
して30℃で測定した値)は、0.5以上であることが好ま
しい。
製膜原液には溶解助剤として無機塩例えば塩化カルシ
ウム、塩化マグネシム、塩化リチウム、硝酸リチウムな
どを添加する場合もある。製膜原液中のポリマ濃度は2
〜40wt%程度が好ましい。
粒子の添加方法は、粒子を予め溶媒中に十分スラリー
化した後、重合用溶媒または希釈用溶媒として使用する
方法や、製膜原液を調製した後に直接添加する方法など
がある。
上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製
膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾
湿式法、乾式法、湿式法などがある。
湿式法で製膜する場合には該原液を瀘過後、口金から
直接製膜用浴中に押し出すか、又は一旦ドラムやベルト
等の支持体上に押し出し、支持体ごと湿式浴中に導入す
る方法が採用される。この浴は一般に水系媒体からなる
ものであり、水の他に有機、無機の溶媒や無機塩等を含
有していてもよい。該浴温度は通常0〜100℃で使用さ
れ、湿式浴を通すことでフィルム中に含有された塩類、
溶媒の抽出が行なわれる。これら湿式浴全体を通過する
時間はフィルムの厚みにもよるが10秒〜30分である。さ
らに必要に応じフィルムの長手方向に延伸が行なわれ
る。次いで乾燥、熱処理が行なわれるがこれらの処理は
一般に200〜500℃で、合計で1秒〜30分である。なおこ
の過程で必要に応じて横延伸が行なわれる。
乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金からドラム、
エンドレスベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、
次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持
性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室温〜300℃、60分
以内の範囲である。乾式工程を終えたフィルムは支持体
から剥離されて湿式工程に導入され、上記の湿式法と同
様に脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、
熱処理が行なわれてフィルムとなる。
乾式法のプロセスを採用した場合には、ドラム、ある
いはエンドレスベルト等の上で乾燥され、自己保持性を
もったフィルムを、これら支持体から剥離し、フィルム
の長手方向に延伸を行なう。さらに残存溶媒を除去する
ための乾燥や、延伸、熱処理が行なわれるが、これらの
処理は200〜500℃で1秒〜30分である。
以上のように形成されるフィルムはその製膜工程中
で、機械特性、熱特性が本発明の範囲となるように延伸
が行なわれるが、延伸倍率は面倍率で0.8〜8.0(面倍率
とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積で
除した値で定義する。1以下はリラックスを意味す
る。)の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは
1.1〜5.0である。
なお本発明のフィルムは、積層フィルムであってもよ
い。例えば2層の場合には、重合した芳香族ポリアミド
溶液を二分し、それぞれ異なる粒子を添加した後、積層
する。さらに3層以上の場合も同様である。これら積層
の方法としては、周知の方法たとえば、口金内での積
層、複合管での積層や、一旦1層を形成しておいてその
上に他の層を形成する方法などがある。
[発明の効果] 本発明のフィルムは、芳香族ポリアミドに特定の粒子
を添加したもので、フィルム自身が硬いものであり、耐
スクラッチ性、耐削れ性に優れている。その結果フィル
ムの加工時、あるいは磁気テープ等として使用する際に
発生するフィルム表面の擦り傷、摩擦粉が軽減され、信
頼性の向上が可能である。
使用用途としては、プリンタリボン、磁気テープや、
フレキシブルプリント配線板を始めとする電気絶縁用
途、コンデンサーなど広範囲の使用が可能である。
[物性の測定方法、効果の評価方法] (1)平均粒径 粒子をNMP中に均一に分散してスラリーとし、これを
測定に便利な濃度に希釈し、遠心沈降式粒子径測定装置
(島津製作所製SA−CP2型)で測定する。得られた粒子
径分布を対数確率紙にプロットし、積算通過百分率が50
%となった点のメジアン径を、その粒子の平均粒径とし
た。
(2)平均一次粒径、平均凝集度 粒子を含有したフイルムを断面方向に厚さ1000Åの超
薄切片とし、透過型電子顕微鏡(例えば日本電子製JEM
−1200EXなど)を用いて、10万倍程度の倍率で粒子を観
察すると、これ以上粒子を分割できない最小の粒子径
(一次粒径)を観察することができる。この観察を500
視野について行ない、平均した値を平均一次粒径とし
た。
また、同様にして観測された一つの凝集粒子が、いく
つの一次粒子からできているかを数え、500視野につい
て平均した値を平均凝集度とした。
(3)粒子含有量 フィイルム1gをプラズマ装置で灰化させ、原子吸光分
析装置(例えば島津製作所製AA−680型)を用いてフィ
ルム中の各元素の量を定量し、その元素からなる粒子の
量を粒子の分子量から換算して重量%として求める。
尚、粒子の化学組成はX線回折などの方法を用いて知る
ことができる。
また、有機粒子などの場合は、必要に応じて熱分解ガ
スクロマトグラフィーや赤外吸収、ラマン散乱、及びSE
M−XMAなどを利用して定量する。
(4)耐削れ性 フィルム幅1/2インチにテープ状にスリットしたもの
に片刃をフィルム表面に垂直に押しあて、さらに1.0mm
押し込んだ状態で1.0m走行させる(走行張力:500g、走
行速度:100cm/秒)。この時片刃の先に付着したフィル
ム表面の削れ物の高さを顕微鏡で読みとり、削れ量とし
た(単位はμm)。この削れ量が5μm以下の場合は
○、5μmを越える場合は×とした。
(5)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットし、テ
ープ走行性試験機を使用し、20℃、80%RH雰囲気にて、
張力50g、走行速度300m/分で、ガイドピン(表面粗さが
Raで100nm)上を巻き付け角60°で走行させる。走行
後、フィルムに入った傷を顕微鏡で観察し、テープ幅あ
たり傷が2本以下の時は○、3本以上の時は×とした。
(6)形状係数 電子顕微鏡にて粒子を観察し、イメージアナライザー
にてひとつの粒子について最大直径と円相当径を測定
し、最大直径と円相当径の比を求める。この測定を500
個の粒子について測定し、この最大直径と円相当径の比
の平均を形状係数とした。
(7)粒子のモース硬度 フイルムに含有される粒子と同じ組成、構造を持った
試験片を作成し、または粒子に粉砕する前の鉱物を試験
片とし、モース硬度測定用の標準鉱物と互いに引っ掻い
て、引っ掻きが行なわれるかどうかで硬さ数を0.1の単
位まで測定する。
尚、フイルムに含有される粒子と同じ組成、構造を持
った試験片が作成できない場合には、一番近い組成、構
造を持った複数の鉱物のモース硬度より、結晶構造など
を参考に推定する。
(8)ビッカース硬度 ビッカース硬度計によりJISB−7734に従って測定し
た。ただし測定荷重は35gとし、20μmより薄いフィル
ムは、20μmを超える厚みになるようにフィルムを重ね
て測定した。フィルム表面を見やすくするために、アル
ミを1000〜1500Å蒸着して、測定した。
(9)F−1値、引張弾性率 インストロンタイプの引っ張り試験機をもちいて、25
℃、60%RHにて測定した。試験片は10mm幅で50mm長さ、
引っ張り速度は300%/分である。
(10)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mmに切り取り、両端から2
5mmの位置に印をつけ所定温度において10分間加熱して
から、試験片を取り出し、放冷後下記の計算式により算
出した。
熱収縮率 =(試長−加熱後の長さ)/試長×100 (11)表面粗さ(中心線平均粗さ、Ra) 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて
測定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定の平
均値をもって表面粗さとした。
・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm [実施例] 以下に実施例に基ずいて本発明を説明するが、これら
に限定されるものではない。実施例1 N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分
として90モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジ
アミンと、10モル%に相当する4、4′−ジアミノジフ
ェニルエーテルとを溶解させ、これに100モル%に相当
する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時間
攪拌して重合を完了した。これを水酸化リチウムで中和
して、ポリマ濃度10重量%、粘度3000ポイズの芳香族ポ
リアミド溶液を得た。
この溶液に、粒子Aとして、平均一次粒径が15nm、モ
ース硬度が7.5である結晶形態がδ型のアルミナ粒子を
一定量添加し混合攪拌した。
このポリマ溶液を10μmカットのフィルターを通した
後、ベルト上に流延し、180℃の熱風で2分間加熱して
溶媒を蒸発させ自己保持性を得たフィルムをベルトから
連続的に剥離した。次に水槽内へフィルムを導入して残
存溶媒と中和で生じた無機塩の水抽出を行ない、テンタ
ーで水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ12μmの芳香族
ポリアミドフィルムを得た。この間にフィルム長手方向
と幅方向に各々1.2倍、1.3倍延伸を行ない、熱処理は28
0℃で1.5分間行なった。
フィルム中に含有されているアルミナ粒子の平均凝集
度は25であった。
このフィルムの硬度は32、引張弾性率は1300kg/mm2
F−1値は13kg/mm2、200℃、10分での熱収縮率は0.2%
で、機械特性、熱特性とも良好であった。
このフイルムの表面粗さは、0.013μmであった。
次にこのフイルムの耐スクラッチ性、耐削れ性を測定
すると、共に非常に良好であった。
含有する粒子の平均一次粒径、平均凝集度、モース硬
度、粒子の含有量が特定の範囲にあり、かつフィルムの
硬度が特定の範囲にある場合には、耐削れ性と耐スクラ
ッチ性を共に満足する優れたフイルムとなり得ることが
分る。
実施例2〜3、比較例1〜6 含有する粒子Aの平均一次粒径、平均凝集度、モース
硬度及び含有量を種々変え、粒子Bとしてモース硬度3
の粒子を添加した以外は、実施例1と同様な方法で芳香
族ポリアミドフィルムとした。
含有する粒子の平均一次粒径、平均凝集度、モース硬
度が特定の範囲であり、かつ粒子の含有量が特定の範囲
にある場合には、耐スクラッチ性と耐削れ性が共に良好
であった。機械特性も良好で引張弾性率はいずれも1250
〜1300kg/mm2の範囲であった。また200℃、10分での熱
収縮率はいずれも0.2〜0.3%の範囲であり、熱特性も良
好であった(実施例2〜3)。
しかし、含有する粒子の平均一次粒径、平均凝集度、
モース硬度または粒子の含有量のいずれかが本発明外で
あるときは、耐削れ性と耐スクラッチ性を共に満足させ
ることはできなかった。
比較例1〜5の機械特性は、引張弾性率1250〜1300kg
/mm2と良好であったが、比較例6は粒子量が多いためか
やや低く1100kg/mm2であった。また200℃、10分での熱
収縮率はいずれも0.2〜0.3%の範囲にあり、熱特性は良
好であった(比較例1〜6)。
比較例7 NMPに100モル%に相当するメタフェニレンジアミンを
溶解させ、これに100モル%に相当するイソフタル酸ク
ロリドを添加し、2時間攪拌して重合を行なった。さら
に実施例1と同様に中和と粒子Aの添加を行ないポリマ
溶液を得た。これを実施例1と同様のプロセスで製膜し
て12μmのフィルムを得た。このフィルムの硬度は18、
引張弾性率は420kg/mm2、200℃、10分での熱収縮率は1.
1%であった。
含有する粒子の平均一次粒径、平均凝集度、モース硬
度および粒子の含有量の全てが本発明の範囲内にあって
も、フィルムのビッカース硬度が本発明外であるとき
は、耐削れ性と耐スクラッチ性を満足させることはでき
なかった。
比較例8 実施例1と同様の粒子Aをエチレングリコール中に均
一に分散させ、ジメチルテレフタレートと重合して、ポ
リエチレンテレフタレートのペレットを得た。このペレ
ットを180℃で3時間減圧乾燥(3Torr)した後、押出機
に供給し、高精度瀘過(5μmカットフィルター)した
後300℃で溶融押出し、表面温度30℃のキャスティング
ドラムに巻きつけて冷却固化し、厚さ約150μmの未延
伸フイルムを作った。
この未延伸フイルムを123℃にて長手方向に三段階に
分けて、それぞれ1.2倍、1.45倍、2.3倍延伸した。この
一軸フイルムをステンタを用いて100℃で幅方向に3.6倍
延伸し、定長下で210℃にて5秒間熱処理し、厚さ12μ
mのフイルムを得た。このフィルムの硬度は15、引張弾
性率は400kg/mm2であった。
含有する粒子の平均一次粒径、平均凝集度、モース硬
度および粒子の含有量の全てが本発明の範囲内にあって
も、フィルムのビッカース硬度が本発明外であるとき
は、耐削れ性と耐スクラッチ性を満足させることができ
ないことが分かる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均一次粒径が5〜250nm、平均凝集度が1
    0〜100、モース硬度が6〜10の粒子Aを0.01〜5wt%含
    有し、フィルムのビッカース硬度が20以上であることを
    特徴とする芳香族ポリアミドフィルム。
  2. 【請求項2】平均粒径が0.3〜3μmの粒子Bを同時に
    含有し、かつ粒子Aのモース硬度が、粒子Bのモース硬
    度より大きいことを特徴とする請求項(1)に記載の芳
    香族ポリアミドフィルム。
  3. 【請求項3】請求項(1)または(2)に記載のフィル
    ムが、少なくとも片側表層に積層された積層芳香族ポリ
    アミドフィルム。
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