JP2773299B2 - 金属薄膜型磁気記録媒体 - Google Patents

金属薄膜型磁気記録媒体

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JP2773299B2 JP25618389A JP25618389A JP2773299B2 JP 2773299 B2 JP2773299 B2 JP 2773299B2 JP 25618389 A JP25618389 A JP 25618389A JP 25618389 A JP25618389 A JP 25618389A JP 2773299 B2 JP2773299 B2 JP 2773299B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属薄膜型磁気記録媒体に関するものである [従来の技術] 真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングな
どの方法により、Co、Ni、Cr、Fe、あるいはこれらの合
金をフィルム基材上に形成させた金属薄膜タイプの磁気
記録媒体は、記録密度の向上に非常に有効であり、基材
としてはポリエステルフィルムが多用されている。
しかし、ポリエステルフィルムは耐熱性が十分でない
ために金属薄膜の形成条件が制限され、垂直磁気記録媒
体用の基材としては芳香族ポリイミドフィルムや芳香族
ポリアミドフィルムの使用が検討されている。これら耐
熱フィルムの表面形成方法については、特開昭60−1275
23や特開昭62−116637に種々提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記の従来の金属薄膜型磁気記録媒体
では、磁性層の耐久性が不十分で傷が入りやすいなどの
問題があり、これを改善するため基材フィルムに含有さ
れる粒子を大きくすると出力特性が不良になる問題があ
った。また非磁性側もガイドピンと接触して削れや傷が
入るといった問題点があった。
本発明はかかる問題点を解決し、本来金属薄膜型磁気
記録媒体が有する優れた出力特性を維持しつつ耐久性の
優れた金属薄膜型磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明は(1)芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリ
イミドから成る基材フィルムの少なくとも片面に金属薄
膜型磁性層を設けてなる金属薄膜型磁気記録媒体であっ
て、該基材フィルムはA層の少なくとも片面に不活性粒
子を含有するB層が積層されてなるフィルムであり、B
層に含有される不活性粒子の平均粒径dBが5〜400nm、
該粒子のB層における含有量が0.1〜40wt%、B層の厚
さtBと平均粒径dBの比tB/dBが0.1〜4の範囲にあり、か
つ該基材フィルムの屈曲試験後の強度保持率が70%以上
であることを特徴とする金属薄膜型磁気記録媒体、
(2)芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドから
成る基材フィルムが、A層の一方の面に不活性粒子を含
有するB層を、他方の面に不活性粒子を含有するC層を
積層して成るフィルムであって、該基材フィルムのB層
側に金属薄膜型磁性層が設けられており、B層に含有さ
れる不活性粒子の平均粒径dBが5〜150nm、該粒子のB
層における含有量が0.1〜30wt%、B層の厚さtBと平均
粒径dBの比tB/dBが0.1〜4、該C層に含有される不活性
粒子の平均粒径dCが40〜400nm、該粒子のC層における
含有量が1〜40wt%、C層の厚さtCと平均粒径dCの比tC
/dCが0.1〜4であり、かつ該基材フィルムの屈曲試験後
の強度保持率が70%以上であることを特徴とする金属薄
膜型磁気記録媒体をその骨子とするものである。
本発明の芳香族ポリアミドとは一般式 HN−Ar1−NHOC−Ar2−CO で示される繰り返し単位を50モル%以上含む重合体から
成るものが好ましく、より好ましくは、70モル%以上で
ある。
ここでAr1、Ar2は少なくとも1個の芳香環を含み、同
一でも異なっていてもよく、これらの代表例としては次
のものがあげられる。
また、これらの芳香環の環上の水素の一部が、ハロゲ
ン基(特に塩素)、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基(特
にメチル基)、C1〜C3のアルコキシ基などの置換基で置
換されているものも含む。また、Xは、−O−、−CH2
−、−SO2−、−S−、−CO−などである。これらは単
独または共重合の形で含まれる。
特に薄物の磁気テープ用途などには、機械特性、環境
変化(温度、湿度)に対する寸法安定性などの点から、
パラ結合を主体としたものが好ましく、さらに芳香環に
塩素を導入したものがより好ましい。
例えば、 を50モル%以上含むものが挙げられる。
本発明における芳香族ポリイミドとは、重合体の繰り
返し単位の中に芳香環とイミド環を各々1つ以上含むも
のであり、一般式 あるいは で示される繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ま
しく、より好ましくは70モル%以上である。
ここでAr3、Ar5は少なくとも1個の芳香環を含み、イ
ミド環を形成する2つのカルボニル基は芳香環上の隣接
する炭素原子に結合している。このAr3は、芳香族テト
ラカルボン酸あるいはこの無水物に由来する。代表例と
しては、次のようなものが挙げられる。
ここで、Yは−O−、−CO−、−CH2−、−S−、−S
O2−などである。
また、Ar5は、無水トリカルボン酸、あるいはこのハ
ライドに由来する。
Ar4、Ar6は少なくとも1個の芳香環を含み、芳香族ジ
アミン、芳香族ジイソシアネートに由来する。また、ア
ミド結合、ウレタン結合等を含んでいてもよい。Ar4,Ar
6の代表例としては、次のようなものが挙げられる。
ここで、これらの芳香環の環上の水素の一部が、ハロ
ゲン基、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアル
コキシ基などの置換基で置換されたものも含む。Zは、
−O−、−CH2−、−S−、−SO2−、−CO−などであ
る。これらは単独または共重合の形で含まれる。
また、本発明の芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド
には本発明を阻害しない範囲内で、A、B、C各層に、
滑剤、酸化防止剤、その他の添加剤等や他のポリマーが
ブレンドされてもよい。
また本発明のA、B、Cの各層のポリマ組成は同じで
も異なる種類のものでもよい。
本発明の金属薄膜型磁気記録媒体を構成する基材フィ
ルムのB層中の不活性粒子の平均粒子径dBは耐久性の点
から5〜400nmであることが必要である。さらにB層側
に磁性層が設けられる場合には5〜150nm、より好まし
くは5〜100nmであり、磁性層が設けられない場合には4
0〜400nmが好ましく、50〜200nmがより好ましい。
本発明に使用する不活性粒子の種類は特に限定されな
いが、粒径が揃ったコロイド粒子が特に好ましく、シリ
カ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウムのコロイド
粒子が挙げられる。また架橋高分子による粒子(例えば
架橋ポリスチレン)やフッ素含有粒子などもある。
本発明の基材フィルムB層中の不活性粒子の含有量は
0.1〜40wt%が必要である。さらにB層側に磁性層が設
けられる場合には0.1〜30wt%、より好ましくは1〜30w
t%であり、設けられない場合には1〜40wt%が好まし
く、より好ましくは2〜30wt%である。含有量が上記の
範囲より少ないと耐久性が不良となり、多いと出力特性
が不良となったり、粒子が脱落してやはり耐久性が悪化
するので好ましくない。
本発明に基材フィルムB層の厚さtBと該B層中に含有
される不活性粒子の平均粒径dBの比tB/dBは、0.1〜4が
必要であり、好ましくは0.2〜3、さらに好ましくは0.3
〜2の範囲である。このような範囲にすることでB層中
での粒子の位置が規制され、フィルム表面の突起高さの
均一化が図れる。tB/dBが上記範囲より外れると耐久性
が悪くなり、さらに磁性層を設けた場合には出力特性が
悪化しやすくなる。
さらに、基材フィルムのA層は不活性粒子を含有して
いる必要は特にないが、平均粒径が5〜150nm、特に10
〜80nmの不活性粒子が0.001〜0.15重量%、特に0.005〜
0.05重量%含有されていると、耐久性がより一層良好と
なるので望ましい。
B層側に磁性層を設けた場合には、A層面上でB層と
反対の面にC層を設けることは好ましい。このC層中に
は平均粒径dCが40〜400nm、より好ましくは50〜200nmの
不活性粒子を、1〜40wt%、より好ましくは2〜30wt%
添加すると、蒸着等の加工工程でのフィルムの良好なハ
ンドリング性を維持できる。
このC層の厚さtCと、含有する不活性粒子の平均粒径
dCの比tC/dCは、0.1〜4が好ましく、より好ましくは0.
2〜3とすると、蒸着等の加工工程におけるフィルムの
ハンドリング性がより一層向上し、さらにはバックコー
ト処理をしなくても良好な走行性を有する磁気記録媒体
を提供することも可能である。なおC層中の粒子種はA
層、B層中のものと同じであっても異なっていてもよく
特に限定されないが、粒径が揃ったシリカ、アルミナ、
酸化チタン、炭酸カルシウムなどのコロイド粒子が好ま
しい。また架橋高分子による粒子(例えば架橋ポリエス
チレン)やフッ素含有粒子なども使用できる。
本発明に使用する不活性粒子は、粒径比(粒子の長径
/短径)が1.0〜1.3の粒子、特に、球形状の粒子の場合
に耐久性がより一層良好となるので望ましい。
本発明に使用する不活性粒子はフィルム中での単一粒
子指数が0.5以上、好ましくは0.7以上である場合に耐久
性がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明を構成する基材フィルムは、屈曲試験後の強度
保持率が70%以上あることが必要である。好ましくは80
%以上である。これより小さいと磁気記録媒体の耐久性
が悪化し、またフィルム切れを起こし走行不能となる。
本発明の基材フィルムは少なくともA層、B層の2層か
ら成っているためフィルム製造時などの温度履歴により
各層内での内部応力が異なり、この差が屈曲性、ひいて
は記録媒体の耐久性や走行性に影響を及ぼすものと考え
られる。
本発明を構成する基材フィルムのB層の表面の中心線
深さRPBと中心線平均粗さRaBの比RPB/RaBは3〜20、よ
り好ましく4〜15の場合に出力特性、耐久性がより良好
となるので望ましい。またB層側に磁性層を設ける場合
には、B層の表面のRPBは1〜50nm、より好ましくは2
〜20nmであり、RaBは0.2〜5nmが望ましい。
磁性層の厚さtMは特に限定されないが、B層側に磁性
層を設けた場合のB層の厚さtBとの関係はtB/tMが0.02
〜150、特に0.1〜150、さらに0.2〜100の範囲であるこ
とが好ましい。
本発明を構成する基材フィルムの厚みは1〜20μmが
好ましく、より好ましくは2〜10μmである。またB層
及びC層の厚みはそれぞれ0.005〜1μm、より好まし
くは0.01〜0.5μmの場合に耐久性、出力特性がより良
好となるので特に望ましい。
本発明を構成する基材フィルムは、少なくとも一方向
のヤング率が400kg/mm2以上、より好ましくは700kg/mm2
以上である。また縦方向と横方向のヤング率比は0.3〜
3、より好ましくは0.5〜2の範囲である場合に耐久
性、出力特性が良好であり望ましい。
本発明は上記の基材フィルムの少なくとも片面に金属
薄膜型磁性層を設けた磁気記録媒体である。この磁性層
の種類は特に限定されないが、Co、Ni、Cr、Feや、これ
らの合金から成るものであり、記録方式は、水平記録、
垂直記録を問わない。
次に本発明の製造法について説明するが、これに限定
されるものではない。
まず、芳香族ポリアミドであるが、酸クロリドとジア
ミンとからの場合は、N−メチルピロリドン(NMP)、
ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド
(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒中で、溶液重
合したり、水系媒体を使用する界面重合などで合成され
る。ポリマ溶液は、単量体として酸クロリドとジアミン
を使用すると塩化水素が副生するため、これを中和する
ために水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウ
ムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、ト
リエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の
中和剤を添加する。
また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プ
ロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
これらのポリマ溶液はそのままフィルムを形成する製
膜原液にしてもよく、ポリマを一度単離してから上記の
溶媒に再溶解して製膜原液を調製してもよい。また有機
の中和剤を使用した場合には、加熱や減圧下にポリマ溶
液を放置して中和物の一部または全部を蒸発させてから
製膜に供することもできる。
製膜原液には溶解助剤として無機塩例えば塩化カルシ
ウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、硝酸リチウム
などを添加する場合もある。製膜原液中のポリマ濃度は
2〜40wt%程度が好ましい。
一方、芳香族ポリイミドあるいはポリアミド酸の溶液
は次のようにして得られる。即ち、ポリアミド酸はN−
メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA
c)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性
有機極性溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミンを反応させて、調製することができる。また、
芳香族ポリイミドは前記のポリアミド酸を含有する溶液
を加熱したり、ピリジンなどのイミド化剤を添加してポ
リイミドの固体を得、これを再度溶媒に溶解して調製で
きる。製膜原液中のポリマ濃度は5〜40wt%程度が好ま
しい。
上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製
膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾
湿式法、乾式法、湿式法などがあるが、乾湿式法、乾式
法が表面性のよいフィルムを得るには好ましい。
なお、芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドの
製膜原液中に不活性粒子を含有せしめる方法としては、
重合前に粒子を添加しておく方法、重合後に添加する方
法、製膜直前に製膜原液に混練する方法などを採用でき
る。
湿式法で製膜する場合には該原液を口金から直接製膜
用浴中に押し出すか、又は一旦ドラム等の支持体上に押
し出し、支持体ごと湿式浴中に導入する方法が採用され
る。この浴は一般に水系媒体からなるものであり、水の
他に有機溶媒や無機塩等を含有していてもよい。湿式浴
を通すことでフィルム中に含有された塩類、有機溶媒や
イミド化剤等の抽出が行なわれるが、これら湿式浴全体
を通過する時間はフィルムの厚みにもよるが10秒〜30分
である。さらにフィルムの長手方向に延伸が行なわれ
る。次いで乾燥、横延伸、熱処理が行なわれるがこれら
の処理は一般に200〜500℃で、合計で1秒〜30分であ
る。
乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金からドラム、
エンドレスベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、
次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持
性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室温〜300℃、60分
以内の範囲である。乾式工程を終えたフィルムは支持体
から剥離されて湿式工程に導入され、上記の湿式法と同
様に脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、
熱処理が行なわれてフィルムとなる。
乾式法のプロセスを採用した場合には、ドラム、ある
いはエンドレスベルト等の上で乾燥され、自己保持性を
もったフィルムを、これら支持体から剥離し、フィルム
の長手方向に延伸を行なう。さらに残存溶媒を除去する
ための乾燥や、延伸、熱処理が行なわれるが、これらの
処理は200〜500℃で1秒〜30分である。
以上のように形成されるフィルムはその製膜工程中で
延伸が行なわれるが、延伸倍率は面倍率で0.8〜5.0(面
倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面
積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味す
る。)の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは
1.1〜3.0である。
また本発明の屈曲試験後の強度保持率を高く維持する
には延伸あるいは熱処理後のフィルムを除冷することが
有効であり、100℃〜200℃の条件で1秒以上保持するこ
とが有効である。一旦この条件で冷却されると内部応力
が除かれ、再加熱しても各層での内部応力差が発生する
ことはない。
本発明の積層フィルムを形成するには、A層側に相当
する製膜原液と、B層側に相当する製膜原液の2種類
を、さらにC層側に相当する製膜原液を加えれば3種類
の公知の方法例えば特開昭56−162617のように合流管で
積層したり、口金内で積層して形成することができる。
またいずれか一種の製膜原液でフィルムを形成してお
き、その上に他の製膜原液を流延して脱溶媒を行ない、
積層フィルムとすることもできる。特に合流管や、口金
内で積層する場合は、原液の粘度が100〜10000ポイズに
なるように調節することが好ましい。この範囲より小さ
いと原液が口金から出る前に液どうしが混合しやすくな
り好ましくない。逆にこの範囲より大きいとメルトフラ
クチャーが発生しフィルム表面が粗れやすくなり好まし
くない。
また各層の液の粘度は同じことが好ましいが、多少の
粘度差があってもよく、粘度差は50%以内を目標とする
とよい。
さらに乾式法、乾湿式法を採用する場合、乾燥工程中
で各液が混合することがある。支持体上へキャストされ
た原液は加熱されると一旦粘度が低下し、その後溶媒の
蒸発に伴なって再び粘度が上昇するが、粘度が10ポイズ
より下がると各液が混合しやすくなるので、10ポイズ好
ましくは50ポイズより粘度が下がらないよう乾燥条件を
十分調節する必要がある。例えば乾燥温度を少なくとも
2段階に分けて上げていく方法が採用できる。
以上のようにして本発明のフィルムは製造されるが、
さらに磁性層などを付着させる前に前処理として、グロ
ー放電処理やコロナ放電処理を施すと磁性層の密着性、
耐久性が向上しより好ましい。
次に、このフィルムに金属薄膜を形成する。その方法
は公知の方法で行なうことができるが、例えばCo、Ni、
Cr、Feやこれらの合金を、真空蒸着、イオンプレーティ
ング、スパッタリング等により基材フィルム上に直接、
あるいはAl、Ti、Cr等の下地薄膜を介して形成させる。
水平記録の場合は、Co−Ni合金を斜め蒸着で、また垂直
記録の場合はCo−Cr合金を基材フィルム面の直角方向か
ら蒸発させて形成することが生産性を向上できる点で好
ましい。
[発明の効果] 本発明は、基材フィルムの表面層中の不活性粒子の
量、大きさと層の厚さとの関係を特定範囲とすること
で、耐久性の優れた磁気記録媒体が得られたものであ
る。また磁気記録媒体製造時の走行性、加工速度の増大
にも対応できる。
さらに、本発明のフィルムは、耐熱性が良好なため高
温で磁性層を設けることができ、磁気特性の向上が可能
となる。
なお本発明の磁気記録方式は水平磁化、垂直磁化を問
わない。
[特性の測定方法、効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法および効果の評価方法は次
の通りである。
(1) 粒子の平均粒径 フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で写真観
察し、粒子を検知する。この写真をイメージアナライザ
ーで、粒子数100個以上について数値処理し、数平均径
Dを平均粒径する。
D=ΣDi/N (ここで、Diは粒子の円相当径、Nは粒子数) (2) 粒径比 上記(1)の測定において、粒子の(長径の平均値)
/(短径の平均値)の比で表わし、下式で計算される。
長径=ΣD1i/N、短径=ΣD2i/N (ここで、D1i、D2iはそれぞれ個々の粒子の長径(最大
径)と短径(最短径)、Nは粒子数) (3) 単一粒子指数 上記(1)の測定において、粒子の占める全面積を
A、そのうち2個以上の粒子が凝集している凝集体の占
める面積をBとしたとき、(A−B)/Aをもって単一粒
子指数とする。
(4) Ra(中心線平均粗さ)、Rp(中心線深さ) 小坂研究所製の薄膜段差測定器(ET−10)を用い、触
針先端半径0.5μm、触針荷重5mgカットオフ値0.008m
m、測定長0.5mmの条件で10回測定し、その平均値でRa、
Rpを表わした。
なお、Ra、Rpの定義は、たとえば奈良治郎著「表面粗
さの測定、評価法」(総合技術センター、1983)に示さ
れているものである。
(5) 屈曲試験後の強度保持率 JPCA規格(JPCA−FC01−1986)の耐屈曲性試験機にフ
ィルム単体をセットし(ここでループの内径は5mmとす
る)、毎分120回程度の速度で往復運動を繰り返す。100
00回往復させた後のフィルムを引っ張り試験機で強度を
測定し、屈曲試験を行なわないフィルムの強度と比較し
て強度保持率を求める。
(6) 耐久性 磁性層を設けたフィルムを幅1/2インチのテープ状に
スリットしたものをテープ走行性試験機を使用して、ガ
イドピン(表面粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行
速度100m/min、走行回数10pass、巻き付け角:60゜、走
行張力:65g)。
ここでB層をガイドピン側にして走行させる。試験
後、テープのB層側に入った傷を顕微鏡で観察し、幅2.
5μm以上の傷がテープ幅あたり2本末端は◎、2本以
上10本未満は○、10本以上は×と判定した。◎が望まし
いが、○でも実用的には使用可能である。
(7) 電磁変換特性 蒸着したフィルムを1/2インチ幅にスリットし、VTRカ
セットに組み込みVTRテープとした。このテープに家庭
用VTRを用いてシバソク製のテレビ試験波形発生器によ
り100%クロマ信号を記録し、その再生信号からシバソ
ク製カラービデオノイズ測定器(925D/1)でクロマS/N
を測定した。市販のテープを基準として評価した。
(8) B層の厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フィルム
中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素と芳香族
ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドの炭素元素の濃度
比(M+/C+)を粒子濃度とし、B層の表面から深さ(厚
さ)方向の分析を行なう。表層では表面という界面のた
めに粒子濃度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度
は高くなる。本発明フィルムの場合は深さ[I]でいっ
たん極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに極大値の粒子濃度の1/2になる深
さ[II](ここでII>I)を積層厚さとした。
なお、フィルム中にもっとも多く含有する粒子が有機
高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面か
らエッチングしながらXPS(X線光電子分光法)、IR
(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、
その粒子濃度のデプスプロファイルを測定し、上記同様
の手法から積層厚さを求めても良い。
さらに、上述した粒子濃度のデプスプロファイルから
ではなく、フィルムの断面観察あるいは薄膜段差測定機
等によってB層の積層厚さを求めてもよい。
[実施例] 以下に実施例に基づいて本発明を説明する。ただし本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 NMP中に分散した平均粒径50nmのコロイダルシリカを
重合槽に仕込み、この中に2−クロルパラフェニレンジ
アミン85モル%、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン1
5モル%のアミン成分と、2−クロルテレフタル酸クロ
リド100モル%の酸成分を添加して重合し、さらに水酸
化リチウムで中和してB層用のポリマ溶液を得た。なお
コロイダルシリカの含有量は8wt%(コロイダルシリカ
/(コロイダルシリカ+芳香族ポリアミド))である。
同様の方法で平均粒径40nmのコロイダルシリカを0.1wt
%含有するA層用のポリマ溶液を製造した。いずれのポ
リマ溶液も、ポリマ濃度10wt%、溶液粘度を30℃で3000
ポイズに調整して製膜原液とした。
これらの原液を2台の押出機で口金に供給し、口金内
で積層して金属ベルト上へ流延した。押出量を調節する
ことで最終の基材フィルムのB層の厚さを0.05μmにな
るように、また総厚み7μmになるように条件を決め
た。この流延されたフィルムをまず120℃で乾燥し、次
いで150℃で自己保持性を持つまで乾燥後、ベルトから
剥離して水槽中に導入し、脱溶媒と脱塩を行ない、次い
でテンター内で水分の乾燥と熱処理、冷却を行なって最
終フィルムを得た。この間でフィルムは水槽中で長手方
向(MD方向)に1.2倍、テンター内で幅方向(TD方向)
に1.2倍延伸された。また熱処理は300℃で5分、冷却は
150℃で5秒保持した 得られた7μm厚みの芳香族ポリアミドフィルムは、
MD、TD方向ともヤング率は1,100kg/mm2、強度55kg/m
m2、伸度50%と機械特性のすぐれたものであった。
次いでこのフィルムのB層側にCo−Niを0.1μm蒸着
して磁性層を設け、さらにスリットして磁気テープとし
て耐久性、電磁変換特性を評価したが非常に優れたもの
であった。なお、この磁性層を除去してフィルムの屈曲
試験を行なったところ第1表のように良好なものであっ
た。
実施例2 実施例1と同じポリマを用い、コロイダルシリカの平
均粒径、添加量、及びB層の厚みを第1表の条件になる
ように製膜して7μmのフィルムを得た。このフィルム
のA層側に磁性層を設けて磁気テープを作製し評価を行
なったところ、耐久性、電磁変換特性とも良好なもので
あった。
実施例3 2−クロルパラフェニレンジアミン85モル%と4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル15モル%をアミン成分と
し、2−クロルテレフタル酸クロリド100モル%を酸成
分としてNMP中で重合し、さらに水酸化リチウムで中和
してポリマ溶液を得た。なおコロイダルシリカは第1表
の条件になるように重合前に添加しておいて、A層、B
層、C層の各々を形成する3種のポリマ溶液を作製し
た。
これを3台の押出機を用いて口金に供給し、口金内で
積層した。次いで実施例1と同様にして製膜し7μmの
フィルムを得、B層側にCo−Niを0.2μm蒸着して磁気
テープを作製した。
このテープの評価を行なったところ、耐久性、電磁変
換特性とも非常に良好であった。
なおこの芳香族ポリアミドフィルムの機械特性は、ヤ
ング率1,300kg/mm2、強度60kg/mm2、伸度52%であっ
た。
実施例4 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル70モル%と、パ
ラフェニレンジアミン30モル%をアミン成分とし、無水
ピロメリット酸100モル%とをDMAc中で重合してポリア
ミド酸溶液を得た。この重合に先立ち、第1表に示すよ
うなコロイダルシリカを前もってDMAc中に分散させてお
いた。
得られた2種類のポリマ溶液を2台の押出機で合流管
へ送液して積層し、口金から金属ベルト上へ流延した。
まず110℃で乾燥し、次いで140℃の熱風で自己保持性を
持つまで乾燥し、さらにベルトから剥離して440℃のテ
ンターへ導入して熱処理を行なった後、300℃、150℃で
各々2秒ずつ保持して冷却し10μmの基材フィルムを得
た。なお延伸倍率はMD、TDとも1.1倍で、この芳香族ポ
リイミドフィルムの機械特性はヤング率430kg/mm2、強
度28kg/mm2、伸度65%であった。
このフィルムのB層側に実施例1と同様に磁性層を設
けて磁気テープを作製し、耐久性、電磁変換特性を評価
したところ良好な結果が得られた。
比較例1〜5 実施例1と同じポリマを用い、コロイダルシリカの平
均粒径、添加量、及びB層の厚みを第1表のように本発
明から外れた条件になるように設定して製膜し、7μm
のフィルムを得た。なお比較例5ではテンターで300℃
で熱処理後、0℃の冷却ロールで急冷した。これらのフ
ィルムに実施例1と同様に磁性層を設けて耐久性、電磁
変換特性を測定したところ、満足できるものはなかっ
た。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミ
    ドから成る基材フィルムの少なくとも片面に金属薄膜型
    磁性層を設けてなる金属薄膜型磁気記録媒体であって、
    該基材フィルムはA層の少なくとも片面に不活性粒子を
    含有するB層が積層されてなるフィルムであり、B層に
    含有される不活性粒子の平均粒径dBが5〜400nm、該粒
    子のB層における含有量が0.1〜40wt%、B層の厚さtB
    と平均粒径dBの比tB/dBが0.1〜4の範囲にあり、かつ該
    基材フィルムの屈曲試験後の強度保持率が70%以上であ
    ることを特徴とする金属薄膜型磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】基材フィルムの少なくとも一方のB層側に
    金属薄膜型磁性層が設けられており、該磁性層側のB層
    に含有される不活性粒子の平均粒径dBが5〜150nm、該
    粒子のB層における含有量が0.1〜30wt%であることを
    特徴とする請求項(1)記載の金属薄膜型磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】基材フィルムがA層の片面にのみB層を積
    層してなるフィルムであって、該A層側に金属薄膜型磁
    性層が設けられており、B層に含有される不活性粒子の
    平均粒径dBが40〜400nm、該粒子のB層における含有量
    が1〜40wt%であることを特徴とする請求項(1)記載
    の金属薄膜型磁性記録媒体。
  4. 【請求項4】芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミ
    ドから成る基材フィルムが、A層の一方の面に不活性粒
    子を含有するB層を、他方の面に不活性粒子を含有する
    C層を積層して成るフィルムであって、該基材フィルム
    のB層側に金属薄膜型磁性層が設けられており、B層に
    含有される不活性粒子の平均粒径dBが5〜150nm、該粒
    子のB層における含有量が0.1〜30wt%、B層の厚さtB
    と平均粒径dBの比tB/dBが0.1〜4、該C層に含有される
    不活性粒子の平均粒径dCが40〜400nm、該粒子のC層に
    おける含有量が1〜40wt%、C層の厚さtCと平均粒径dC
    の比tC/dCが0.1〜4であり、かつ該基材フィルムの屈曲
    試験後の強度保持率が70%以上であることを特徴とする
    金属薄膜型磁気記録媒体。
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