JP2000353311A - 芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体

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JP2000353311A
JP2000353311A JP16461899A JP16461899A JP2000353311A JP 2000353311 A JP2000353311 A JP 2000353311A JP 16461899 A JP16461899 A JP 16461899A JP 16461899 A JP16461899 A JP 16461899A JP 2000353311 A JP2000353311 A JP 2000353311A
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average particle
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Nobuaki Ito
伸明 伊藤
Wasuke Yoneyama
和祐 米山
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Toray Industries Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 繰り返し使用しても出力の低下がほとんどな
い磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 少なくともA、B、Cの3層からなり、
各層が含有する微細粒子の平均粒径がdA<dB<dC
あることを特徴とする芳香族ポリアミドフィルム、およ
びそれを用いた磁気記録媒体。さらに、A層及びC層が
含有する微細粒子の平均粒径がそれぞれ10〜200n
m、30〜1000nmであり、A層及びC層が含有す
る微細粒子の含有量がそれぞれ0〜3wt%、0.05
〜20wt%であり、フイルムの厚みが1〜7μmであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度記録媒体に
好適な芳香族ポリアミドフィルム、およびそれを用いた
磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体においては、磁気特性の向
上のために磁性層を設ける面は平滑にし、逆の面は走行
性を付与するために表面を粗らした2層構造の積層フィ
ルムが用いられることが多い。特に真空蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーテイングなどの方法により、C
o、Ni、Crなどを基材フィルム上に形成させた金属
薄膜型の磁気記録媒体では必須となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高密度化のた
めにテープが薄くなり、かつ、ヘッドとテープの接触に
より均一性が求められるようになると、2層構造のフィ
ルムを使用する場合においては、初期の出力は良いが繰
返し使用すると出力の低下が起こる問題が出てきた。
【0004】本発明の課題は、かかる問題点を解決し、
芳香族ポリアミドの優れた高剛性を活かし、安定した出
力を維持できる磁気記録媒体を得ることができる芳香族
ポリアミドフィルム、およびこれを用いた磁気記録媒体
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る芳香族ポリアミドフィルムは、少なく
ともA、B、Cの3層からなる芳香族ポリアミドフィル
ムであって、A層に含有される微細粒子の平均粒径をd
A、B層に含有される微細粒子の平均粒径をdB、C層に
含有される微細粒子の平均粒径をdCとすると、各層に
含有される平均粒径がdA<dB<dCであることを特徴
するものからなる。
【0006】また、本発明に係る磁気記録媒体は、上記
フィルムの一面に磁性層を設けてなることを特徴とする
ものからなる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の芳香族ポリアミドとして
は、次の一般式(化1)および/または一般式(化2)
で表わされる繰り返し単位を50モル%以上含むものが
好ましく、70モル%以上からなるものがより好まし
い。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】化1、化2におけるAr1、Ar2、Ar3
としては、例えば下記化3に示すものが挙げられる。
【0011】
【化3】
【0012】化3におけるX、Yは、 −O−,−CH2−,−CO−,−SO2−,−S−,−
C(CH32− 等から選ばれるが、これに限定されるものではない。更
にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、ハロゲン基
(特に塩素)、ニトロ基、C1 〜C3 のアルキル基(特
にメチル基)、C1 〜C3 のアルコキシ基などの置換基
で置換されているものも含み、また、重合体を構成する
アミド結合中の水素が他の置換基によって置換されてい
るものも含む。
【0013】特性面からは上記の芳香環がパラ位で結合
されたものが、全芳香環の50%以上、好ましくは70
%以上を占める重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性
も良好となるため好ましい。また吸湿率を小さくする点
からは、芳香環上の水素原子の一部がハロゲン基(特に
塩素)で置換された芳香環が全体の30%以上である重
合体が好ましい。
【0014】芳香族ポリアミドのより好ましい構造とし
て、下記化4に示すものが挙げられる。
【0015】
【化4】
【0016】化4において、m、nは0〜4の範囲にあ
り、上記芳香族ポリアミドのより好ましい構造は、化4
を50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上か
らなるものである。
【0017】本発明の芳香族ポリアミドは、一般式(化
1)および/または一般式(化2)で表される繰り返し
単位を50モル%以上含むものが好ましく、たとえば芳
香族ポリイミドなど他の繰り返し単位が50モル%未
満、共重合、または、ブレンドされていてもよく、また
フィルムの物性を損なわない程度に、導電性粒子、滑
剤、酸化防止剤その他の添加剤等がブレンドされていて
もよい。
【0018】本発明のフィルムは、フィルム中に微細粒
子を存在させておく。粒子の種類としては、SiO2
TiO2、Al23、CaSO4、BaSO4、CaC
3、カーボンブラック、ゼオライト、その他の金属微
粉末などの無機粒子が挙げられる。その他にシリコン粒
子、ポリイミド粒子、架橋共重合体粒子、架橋ポリエス
テル粒子、テフロン粒子、ポリエーテルスルホン粒子、
ポリエーテルイミド粒子などの有機粒子でもよい。
【0019】本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、少
なくともA、B、Cの3層からなり、各層に含有される
微細粒子の平均粒径の間にはdA<dB<dCの関係があ
る必要がある。A層は出力特性の点から粒子はできるだ
け小さい方がよく、C層はフィルムをロール状に巻く時
の巻特性や、テープに加工する際のハンドリング性の点
から適度に大きい粒子を含有する必要がある。さらにこ
の2層の間にA層とC層の中間の大きさの粒子を有する
B層があることにより、繰り返し使用しても出力の低下
がほとんどない磁気記録媒体が得られる。
【0020】A層に含有される粒子は平均粒径が10〜
200nmのものが好ましく、より好ましくは15〜1
30nmである。含有量は0〜3wt%が好ましく、よ
り好ましくは0.005〜1wt%である。
【0021】またC層に含有される粒子は平均粒径が3
0〜1000nmのものが好ましく、より好ましくは8
0〜400nmである。含有量は0.05〜20wt%
が好ましく、より好ましくは0.1〜5wt%である。
【0022】B層に含有される粒子はA層、C層の粒子
の中間の大きさのものであり、A層、C層用に使用した
粒子を混合して使用してもよい。
【0023】3層の積層フィルムを作ることは公知の方
法で行うことができ、たとえば口金や積層管で積層する
方法などが挙げられる。
【0024】フィルムのA層側の表面粗さRzは、0.
5〜50nmが好ましく、より好ましくは1〜25nm
である。またC層の表面粗さRzは10〜200nmが
好ましい。
【0025】本発明におけるフィルムの厚さは1μm以
上7μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以上5
μm以下である。1μmより薄いとテープとしたときの
強度が不足し、7μmより厚いとテープが厚くなり小型
化、長時間化が難しくなる。
【0026】本発明のフィルムは180℃での幅方向
(TD方向)の熱収縮率が2%以下が好ましく、より好
ましくは0.05〜1%である。蒸着用に使用する際に
は0.05%より小さいとTD方向のカールを戻すこと
が難しくなる。一方、2%より大きいと逆方向にカール
したり、熱で変形したりする問題が生じる。
【0027】また本発明のフィルムのヤング率は、長手
方向(MD方向)が800kg/mm2以上、TD方向
は1000kg/mm2以上であることが好ましい。
【0028】本発明のフィルムの伸度は10%以上が好
ましく、より好ましくは20%以上、更に好ましくは3
0%以上であると、テープが適度な柔軟性を持つので望
ましい。
【0029】本発明のフィルムの吸湿率は、4%以下が
好ましく、より好ましくは3%以下、更に好ましくは2
%以下である。吸湿率が小さいほど湿度変化によるテー
プの寸法変化が小さく良好な電磁変換特性を保てるので
望ましい。
【0030】本発明のフィルムは、金属薄膜型の磁気記
録媒体に用いると優れた効果が発揮できるが、酸化鉄や
メタル粉をバインダーとともに塗布する磁気記録媒体と
して使用することもできる。
【0031】本発明の磁気記録媒体は、上記のフィルム
に磁性層を設けたものである。磁性層は短波長記録には
薄い方が良いが、薄すぎると出力の低下を招くので下限
は一般には0.1μm以上が好ましく、Ni、Cr、F
e、Co等の金属やこれらの合金が用いられる金属薄膜
型がより好ましい。
【0032】また磁気記録媒体としては、一般にはバッ
クコート層を設けることが好ましく、その厚さは1μm
以下であることが好ましい。
【0033】さらに磁性層の上には、耐久性向上のため
に保護層を設けることができる。例えばカーボン層や潤
滑剤層などであり、1種あるいは数種組み合わせて設け
ることができる。
【0034】次に本発明の製造方法について説明する
が、これに限定されるものではない。芳香族ポリアミド
は、酸クロリドとジアミンから得る場合には、N−メチ
ルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DM
Ac)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロ
トン性有機極性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を
使用する界面重合などで合成される。単量体として酸ク
ロリドとジアミンを使用することによって副生する塩化
水素を中和する場合には、水酸化カルシウム、水酸化リ
チウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中
和剤、または、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノール
アミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用
される。また、イソシアネートとカルボン酸との反応
は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行な
われる。
【0035】これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液と
して使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してか
ら上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製
膜原液を調製してもよい。
【0036】本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得る
ためにはポリマの固有粘度(ポリマ0.5gを硫酸中で
100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.
5以上であることが好ましい。
【0037】製膜原液には溶解助剤として無機塩、例え
ば、塩化カルシウム、塩化マグネシム、塩化リチウム、
硝酸リチウムなどを添加する場合もある。製膜原液中の
ポリマ濃度は2〜40wt%程度が好ましい。
【0038】粒子の添加方法は、粒子を予め溶媒中に十
分スラリ−化した後、重合用溶媒または希釈用溶媒とし
て使用する方法や、製膜原液を調製した後に直接添加す
る方法などがある。
【0039】上記のように調製された製膜原液は、いわ
ゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製
膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいずれの
方法で製膜されてもよいが、ここでは乾湿式法を例にと
って説明する。
【0040】乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金か
らニッケル、ステンレス、銅、チタン、ハステロイ、タ
ンタル等の材質からなるドラム、エンドレスベルト等の
支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層か
ら溶媒を飛散させ薄膜が自己保持性をもつまで乾燥す
る。乾燥条件は室温〜250℃、60分以内が好まし
く、より好ましくは室温〜200℃である。乾燥温度が
250℃を越えると急激な加熱によるボイドの発生、表
面の荒れ等が起こり実用的なフィルムが得られない。
【0041】上記乾式工程を終えたフィルムは支持体か
ら剥離されて湿式工程に導入され、ここでフィルム中に
含有されている溶剤や不純物が除去される。この浴は一
般に水系媒体からなるものであり、水の他に有機溶媒や
無機塩等を含有してもよい。また、この浴は、水を30
%以上好ましくは50%以上含有するのが好ましく、浴
温度は通常0〜100℃で使用される。さらにフィルム
中の不純物を減少させるために浴温を50℃以上に上げ
たり、あるいは有機溶剤の浴を設けてこの中を通すこと
が有効である。本発明のMD方向の熱収縮率を得るに
は、MD方向に実効延伸倍率として1.1倍以上延伸
し、定長下で2秒以上保持することで達成することが好
ましい。実効延伸倍率は、延伸前後の設備の速度比や、
幅方向の機械的比率から求めた値とは通常一致しないこ
とが多いので、実効延伸倍率は、上記乾式工程の支持体
からの剥離直前で正方形の升目を記入し、さらに乾燥、
延伸を終えた最終フィルム上でそれに該当するMD、T
D方向の寸法を測定し、延伸後の寸法を延伸前の寸法で
除して、MD及びTD方向について求める。
【0042】湿式工程を出たフィルムは更に乾燥、延伸
が行われる。乾燥、延伸は200〜400℃で、延伸倍
率は面倍率で1.0〜10.0(面倍率とは延伸後のフ
ィルム面積を延伸前のフィルムの面積で除した値で定義
する。1以下はリラックスを意味する。)が好ましく、
より好ましい延伸倍率は1.1〜3.0である。
【0043】さらに、TD方向の熱収縮率を所定の範囲
にするためには、上記TD方向の延伸後再度TD方向に
延伸することで調整できる。
【0044】フィルムを積層化するには公知の方法で行
うことができる。例えば口金や積層管を使用する。
【0045】次にこのフィルムに磁性層を設ける。金属
薄膜を設けるには、A面側に事前にグロー放電処理やコ
ロナ処理などの表面処理を行うことがフィルムと磁性層
の密着性を向上させるに有効である。
【0046】次いで真空蒸着やスパタリング等の方法で
金属薄膜型の磁性層を設ける。また従来のコーテイング
法で磁性層を塗布することもできる。
【0047】さらに磁性層と反対側の面に公知の方法に
よりバックコート層を設けることが好ましい。これらの
処理が終わった後、スリットして本発明の磁気記録媒体
が得られる。
【0048】〔測定方法、評価法〕本発明の物性の測定
方法、効果の評価方法は次の方法による。 (1)ヤング率 テンシロン型引張り試験機により歪・応力曲線における
接線の勾配から求めた。サンプルは幅10mm、試長1
00mmとし、引張り速度は300mm/分で行った。
【0049】(2)微細粒子の平均粒径 フィルム中で求めるには断面を切り、そのフィルム断面
の電子顕微鏡写真を撮影する。その写真で粒子の直径と
個数を求める。個々の粒子の最大粒子径をDp、個数を
n個とすると下式で求められる。なお凝集粒子は凝集し
ているものを1個の粒子とみなす。 d=ΣnDp/Σn
【0050】(3)表面粗さ 小坂研究所製のET−10でカットオフ0.008mm
で測定した。触針半径0.5μm、荷重は5mgであ
る。
【0051】(4)出力 磁性層を形成したものを8mm幅にスリットし、8mm
VTRで評価した。100回の記録再生を行い、RF出
力を比較した。100回後の出力が2dB低下しないも
のを○、2dB以上低下しているものを×とした。
【0052】
【実施例】実施例1 重合槽に水分率60ppmのN−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)を仕込み、この中に芳香族ジアミン成分と
して85モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジ
アミンと、15モル%に相当する4、4’−ジアミノジ
フェニルエ−テルとを溶解させた。これに98モル%に
相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2
時間撹拌して重合を完了した。さらに水酸化リチウムで
発生塩化水素の97モル%を中和し、ついでジエタノー
ルアミンを7モル%添加してポリマ溶液を得た。
【0053】なお重合に先立ちNMPに分散した粒径8
0nmのコロイダルシリカをポリマに対して0.05w
t%となるように添加してある。ここで得られた溶液は
A層用であり、ポリマ濃度11wt%、30℃での溶液
粘度は5000ポイズであった。
【0054】一方上記ポリマ溶液の重合と同様にしてC
層用のポリマ溶液を調製した。これには300nmのコ
ロイダルシリカを0.5wt%添加されている。
【0055】このようにして得られたポリマ溶液を3層
の積層管を用いて積層した。ここでB層はA層用溶液と
C層用溶液を口金に入る前に2軸のスクリューニーダー
に同量ずつ送液して混合し、それをB層用として供給し
た。なお各層はそれぞれ1μm、3μm、5μmのフイ
ターで濾過して使用した。各層の厚みは最終フィルムで
A層,B層,C層がそれぞれ1.5μm、1.5μm、
1.5μmに設定した。
【0056】この3層からなるフィルム状ポリマ溶液を
口金より金属ベルト上に流延した。流延されたフィルム
を140℃の熱風で3分間加熱して溶媒を蒸発させ、自
己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥離し
た。次に50℃の水槽内へフィルムを導入して残存溶媒
と中和で生じた無機塩等の抽出を行なった。なおこれら
浴中で長手方向(MD方向)に1.2倍延伸した。
【0057】つぎにテンタ−に導入し280℃で1分間
で水分の乾燥と熱処理を行なった。この間にフィルムの
幅方向に1.4倍延伸を行ない4.5μmのフィルムを
得た。フィルムの吸湿率は1.5%であった。表面粗さ
は表1のとおりであった。
【0058】このフィルムの断面を観察したが、いずれ
の層も単分散しており、各層の平均粒径は80nm、1
20nm、300nmであった。
【0059】次にこのフィルムの金属ベルトと接しない
側の表面(A層側)に、Coを真空蒸着法で0.15μ
mの厚みになるように形成した。
【0060】さらにこの非磁性面側(C層側)に0.5
μmのバック層を設けた。バックコート層用塗料は次の
組成である。 カーボンブラック : 78重量部 塩ビ系共重合体 : 25重量部 ポリウレタン : 50重量部 トルエン : 200重量部 メチルエチルケトン : 450重量部 これをスリットして磁気テープとし、出力を評価したが
出力の低下はほとんどなく非常に優れたものであった。
【0061】実施例2 実施例1で、B層用としてA層用溶液の量とC層用溶液
の量を1:2で混合し、さらに積層厚みを表1に示すよ
うにA層,B層,C層をそれぞれ2.0μm、1.5μ
m、1.0μmに設定した。これを製膜し磁気テープを
作って評価したところ、非常に良好であった。
【0062】実施例3 実施例1で製膜したフィルムをフレーク状に粉砕し、再
度NMPに溶解した。この際塩化リチウムを重合で発生
する量と同濃度になるように添加してポリマ濃度11
%、30℃で4800ポイズの溶液とした。これを2μ
mのフイルターで濾過し製膜し供した。A層、C層に実
施例1と同じ各溶液を使用し、B層用に今回再溶解した
ポリマ溶液を表1に示すように各2.5μm、1.5μ
m、0.5μmに積層して実施例1と同様に製膜してフ
ィルムを得た。厚みは4.5μmである。これに磁性層
を設け評価したが、良好であった。
【0063】比較例1 実施例1でB層をなくしA層、C層の2層で製膜した。
各層の厚みは表1のとおりである。このフィルムで磁気
テープを作成し評価を行ったが、50回目までは出力の
低下がなかったが、100回目では2dB以上低下して
いた。
【0064】比較例2 実施例1で使用したB層用ポリマ溶液と、C層用ポリマ
溶液を入れ替えて使用した。B層の粒子が3層のうち最
も大きい構成である。これを評価したところ初期の出力
は実施例1よりやや低かったが問題になるレベルではな
かった。さらに50回目までは出力の低下がなかった
が、100回目では2dB以上低下していた。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリアミドフィルムによ
れば、各層含有微細粒子の平均粒径間に特定の関係をも
たせた3層構造のフィルムとすることにより、繰り返し
使用しても出力の低下がほとんど起こらない磁気記録媒
体が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20 AA20H AA37 AB15 AK15 AK15J AK47A AK47B AK47C AK51 AL01 AR00D BA03 BA04 BA05 BA10A BA10C BA10D BA13 BA16 BA25 BA27 DD07 DE01A DE01B DE01C DE01H EH46 EH66 EJ38 GB41 JA20 JG06D JK01 JK07 JL00 YY00 YY00A YY00C 4J002 BD152 CF002 CL061 CL071 CM042 CN032 CP032 DA036 DA066 DE136 DE146 DE236 DG046 DG056 DJ006 DJ016 GF00 GS00 5D006 CB03 CB05 CB06 CB08 FA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともA、B、Cの3層からなる芳
    香族ポリアミドフィルムであって、A層に含有される微
    細粒子の平均粒径をdA、B層に含有される微細粒子の
    平均粒径をdB、C層に含有される微細粒子の平均粒径
    をdCとすると、各層に含有される平均粒径がdA<dB
    <dCであることを特徴する芳香族ポリアミドフィル
    ム。
  2. 【請求項2】 A層に含有される微細粒子の平均粒径が
    10nm〜200nm、C層に含有される粒子の平均粒
    径が30〜1000nmであることを特徴とする請求項
    1に記載の芳香族ポリアミドフィルム。
  3. 【請求項3】 A層に含有される微細粒子の含有量が0
    〜3wt%、C層に含有される微細粒子の含有量が0.
    05〜20wt%であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の芳香族ポリアミドフィルム。
  4. 【請求項4】 フィルム厚みが1〜7μmであることを
    特徴とする請求項1〜3のいすれかに記載の芳香族ポリ
    アミドフィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のフィル
    ムに磁性層を設けたことを特徴とする磁気記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008290256A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Toray Ind Inc 芳香族ポリアミド積層フィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008290256A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Toray Ind Inc 芳香族ポリアミド積層フィルム

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