JP2002053678A - 芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体 - Google Patents

芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体

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JP2002053678A
JP2002053678A JP2001153772A JP2001153772A JP2002053678A JP 2002053678 A JP2002053678 A JP 2002053678A JP 2001153772 A JP2001153772 A JP 2001153772A JP 2001153772 A JP2001153772 A JP 2001153772A JP 2002053678 A JP2002053678 A JP 2002053678A
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magnetic recording
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Shinsuke Yamashita
伸介 山下
Akimitsu Tsukuda
佃  明光
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体とした時の出力特性、及び走行
性に優れており、磁気記録媒体用ベースフィルムとして
有用な芳香族ポリアミドフィルム及び磁気記録媒体を提
供する。 【解決手段】 少なくともフィルムの片面において、高
さ5nm以上10nm未満の突起個数が500万個/mm
2以上5000万個/mm2以下、高さ10nm以上20n
m未満の突起個数が20万個/mm2以上1000万個/m
m2以下、高さ30nm以上の突起個数が15万個/mm2
以下であり、フィルムの長手方向と幅方向のヤング率の
和が23GPa以上36GPa以下であり、かつ、フィ
ルムのカールが5%以下である芳香族ポリアミドフィル
ムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体とし
て好適に用いることができる芳香族ポリアミドフィルム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミドフィルムはその優れた
耐熱性、機械特性を生かしてさまざまな用途への適用が
検討されている。特にパラ配向系の芳香族ポリアミドフ
ィルムは剛性、強度等の機械特性が他のポリマーより優
れているため、薄物化に非常に有利であり、プリンター
リボン、磁気テープ、コンデンサー、太陽電池等の用途
への適用が検討されている。
【0003】この中でも特に磁気記録媒体用途では、ハ
ードディスクの急速な記録密度の向上に対応するために
磁気テープの大容量化が求められており、その点におい
て薄膜化可能な芳香族ポリアミドフィルムは従来用いら
れてきたポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナ
フタレートよりも有利な素材である。しかし更なる大容
量化のためには磁気テープの高密度記録化が必須であ
り、そのためにはベースフィルムの表面を平滑にし、電
磁変換特性の向上を図る必要がある。しかしあまりにベ
ースフィルムを平滑にしてしまうと走行性に劣り、製造
工程のハンドリングおよび磁気記録媒体としたときの寿
命低下を招いてしまう。これら相反する要求特性を満た
すために従来、粒子を添加しフィルム表面に微細な突起
を形成させる方法(特開昭60−127523号公報、
特開昭60−201914号公報など)、異種重合体を
添加して均一な突起を形成する方法(再表98/008
892号公報など)などが提案されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし近年の磁気記録
媒体に要求されている電磁変換特性の向上の要求は極め
て高く、もはや従来の表面性向上の手段のみでは、その
高い要求レベルを満たすことが困難な状況になりつつあ
る。
【0005】そこで、本発明は、磁気記録媒体とした時
の出力特性、及び走行性に優れており、磁気記録媒体用
ベースフィルムとして有用な芳香族ポリアミドフィルム
及び磁気記録媒体を提供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的の達成のために
本発明者らが鋭意検討した結果、均一な高さの突起を多
数形成させるとともに、適切なヘッドタッチが得られる
ように十分な機械特性と抑制されたフィルムカール性を
持つことが有効であって、それら特性を一定範囲内に制
御することが、上記目的達成に極めて有効であることを
見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】即ち、上記目的の達成のため、本発明の芳
香族ポリアミドフィルムは、少なくともフィルムの片面
において、高さ5nm以上10nm未満の突起個数が5
00万個/mm2以上5000万個/mm2以下、高さ10n
m以上20nm未満の突起個数が20万個/mm2以上1
000万個/mm2以下、高さ30nm以上の突起個数が
15万個/mm2以下であり、フィルムの長手方向と幅方
向のヤング率の和が23GPa以上36GPa以下であ
り、かつ、フィルムのカールが5%以下であることを特
徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる芳香族ポリアミド
とは、次の式(I)および/または式(II)で表される
繰り返し単位を有するものである。
【0009】式(I):
【化1】
【0010】式(II):
【化2】
【0011】ここで、Ar1、Ar2、Ar3の基として
は、例えば、
【化3】 などが挙げられ、X、Yは−O−,−CH2−,−CO
−,−S−,−C(CH32−などから選ばれる基であ
るが、これに限定されるものではない。
【0012】更にこれらの芳香環上の水素原子の一部
が、フッ素,臭素,塩素などのハロゲン基(特に塩
素)、ニトロ基、メチル,エチル,プロピルなどのアル
キル基(特にメチル基)、メトキシ,エトキシ,プロポ
キシなどのアルコキシ基などの置換基で置換されている
ものも含まれ、また、重合体を構成するアミド結合中の
水素が他の置換基によって置換されているものも含まれ
る。また、本発明に用いる芳香族ポリアミドは、上記の
芳香環がパラ配向性を有しているものが、全芳香環の8
0モル%以上、より好ましくは90モル%以上をしめて
いることが好ましい。ここで言うパラ配向性とは、芳香
核上主鎖を構成する2価の結合手が互いに同軸または平
行にある状態を言う。このパラ配向性が80モル%未満
の場合、フィルムの剛性および耐熱性が不十分なことが
あり好ましくない。
【0013】本発明のフィルムでは、少なくともフィル
ムの片面において、高さ5nm以上10nm未満の突起
個数が500万個/mm2以上5000万個/mm2以下、高
さ10nm以上20nm未満の突起個数が20万個/mm
2以上1000万個/mm2以下、高さ30nm以上の突起
個数が15万個/mm2以下であることを要する。磁気記
録媒体としたときの出力と走行性をより高いレベルで両
立させるためには本発明で規定する上記範囲内の数の突
起が均一に形成されていることが極めて有効である。
【0014】高さ5nm以上10nm未満の突起個数が
500万個/mm2未満の場合、磁気記録媒体としたとき
出力には優れるが、走行性に問題が生じることがある。
逆に高さ5nm以上10nm未満の突起個数が5000
万個/mm2を超える場合、磁気記録媒体としたときの走
行性には優れるが、出力の低下を招くことがある。より
好ましくは600万個/mm2以上4000万個/mm2
下、更に好ましくは700万個/mm2以上2000万個
/mm2以下である。
【0015】高さ10nm以上20nm未満の突起個数
が20万個/mm2未満であるとき磁気記録媒体としたと
き出力には優れるが、走行性に問題が生じることがあ
る。逆に高さ10nm以上20nm未満の突起個数が1
000万個/mm2を超える場合フィルムの表面が粗くな
り、かつ突起の大きさに偏りが生じ磁気記録媒体とした
とき安定した出力を得ることができない場合がある。よ
り好ましくは40万個/mm2以上1000万個/mm2
満、更に好ましくは60万個/mm2以上1000万個/m
m2未満である。
【0016】高さ30nm以上の突起個数が15万個/
mm2よりも多い場合、フィルムの表面が粗くなり磁気記
録媒体としたときの出力が低下してしまうばかりでな
く、ドロップアウトが多発する場合がある。好ましくは
13万個/mm2以下、更に好ましくは10万個/mm2以下
である。
【0017】本発明のフィルムでは、フィルムの長手方
向と幅方向のヤング率の和が23GPa以上36GPa
以下である。好ましくは24GPa以上34GPa以
下、更に好ましくは25GPa以上32GPa以下であ
る。ヤング率の和が23GPa未満であると、磁気記録
媒体としたときテープのヘッドタッチが弱くなり出力の
低下を招く場合がある。また36GPaを超えるとフィ
ルムがもろくなり、加工時、製品使用時に切断が起こる
ことがある。これらの特性を充たすためには、前述した
ように、本発明に用いる芳香族ポリアミドの芳香環がパ
ラ配向性を有しているものが、全芳香環の80モル%以
上、より好ましくは90モル%以上をしめていることが
好ましい。
【0018】本発明のフィルムでは、フィルムのカール
が5%以下である。より好ましくは4%以下、さらに好
ましくは3%以下である。ここでいうフィルムのカール
の値は、フィルムの長手方向を保持した状態で100℃
3分熱処理を行い、そのフィルムを平坦面に静置したと
きのフィルムの幅(L1)と、フィルムを平坦面に密着
させた時の幅(L0)より以下の式で求められる値のこ
とである。 カール(%)=[(L1−L0)/L0]×100 このカールが5%よりも大きいとフィルムが加工時に熱
を受けカールしても、そのカールが再度の熱処理でもも
とに戻らなくなることがある。特に蒸着テープの製造工
程では磁性層の蒸着時にフィルムが磁性層面側にカール
してしまうために、それを加熱により平坦に戻すことが
行われている。この工程でカールが残ったままであると
磁気記録媒体としたときヘッドあたりに不良が生じるこ
とがある。
【0019】本発明のフィルムは、高さ5nm以上10
nm未満の突起個数などを特定したと同じ片面におい
て、高さ20nm以上30nm未満の突起個数が0.5
万個/mm2以上800万個/mm2以下であることが好まし
く、より好ましくは1万個/mm 2以上700万個/mm2
下、更に好ましくは3万個以上600万個/mm2以下で
あることが好ましい。突起個数が0.5万個/mm2未満
であると出力には優れるが、走行性に劣ることがあり、
800万個/mm2を超える場合は走行性に優れるが、出
力が劣ることがある。
【0020】本発明のフィルムは芳香族ポリアミドと少
なくとも一種の異種重合体からなるフィルムであること
が、本発明の均一、微細、高密度突起表面を持つフィル
ムを得る上で好ましい。異種重合体の含有量はそれぞれ
の系で適切に求められるものではあるが、芳香族ポリア
ミドに対して10重量%を超え20重量%未満であるこ
とが好ましく、より好ましくは10重量%を超え18重
量%以下、更に好ましくは10重量%を超え17重量%
以下であることが好ましい。異種重合体の含有量が10
重量%以下のときはフィルム表面に十分な個数および高
さの突起を形成できないことがあり、その結果磁気記録
媒体としたときの走行性に問題を生じることがある。ま
た20重量%以上の場合、フィルムの表面が粗くなるば
かりでなく機械特性特にヤング率が本発明の範囲を下回
ることがある。
【0021】本発明の芳香族ポリアミドフィルムに含有
される異種重合体は、製膜原液の溶媒に可溶なポリマー
の中から選ばれるが、フィルムを構成する芳香族ポリア
ミドとの親和性の点から、ポリスルホン系重合体、ポリ
エ−テルイミド系重合体、ポリフェニレンオキシド系重
合体、ポリエステル系重合体、ポリケトン系重合体、ポ
リカ−ボネ−ト系重合体、ポリイミド系重合体及びその
前駆体であることが好ましい。特に、ポリスルホンで代
表される、繰り返し単位中に少なくとも1個のスルホン
基−SO2−を有する芳香族ポリスルホン系重合体であ
り、具体的には式(III)で表される繰り返し単位を有
する芳香族ポリスルホン系重合体であることが本発明の
突起分布を持つフィルムを得る上で好ましい。
【0022】式(III):
【化4】
【0023】ここで、nは正の整数であり、5以上10
00以下のものが耐熱性および溶媒への溶解性の点で好
ましい。また、この中でも特に、
【化5】 の繰り返し単位を有する重合体であることが均一な突起
を形成できる点で好ましい。
【0024】本発明のフイルムは上記した樹脂組成物を
主要成分としてなるが、本発明の目的を阻害しない範囲
で、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生
成剤等の無機または有機の添加剤がブレンドされていて
もよい。
【0025】本発明のフィルムには更に、SiO2、T
iO2、Al23、CaSO4、BaSO4、CaCO3
カ−ボンブラック、ゼオライト、その他の金属微粉末な
どの無機粒子や、シリコ−ン粒子、ポリイミド粒子、架
橋共重合体粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン(登
録商標)製の粒子などの有機高分子粒子などを併用して
もよい。この時、粒子の平均一次粒径は5〜100nm
が好ましく、含有量は0.05〜5重量%が好ましい。
【0026】また、本発明のフィルムは、製膜が容易で
ある単層フィルムとしても好ましく採用されるが、積層
フィルムであっても構わない。積層フイルムとするとき
は、本発明のフイルムが少なくとも一方の表面側の最表
層となるように積層する。
【0027】本発明は、上記フィルムの少なくとも一面
に磁性層を設けて磁気記録媒体として用いることができ
る。この時、本発明の要件を充たす表面に磁性層を設け
ることが好ましい。
【0028】本発明のフィルムが適用される高密度記録
媒体の磁性層は、特に限定されないが、強磁性金属薄膜
層であればよい。強磁性金属薄膜層の形成手段として
は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レ−ティング法が好ましく用いられるが、強磁性粉と有
機バインダ−からなる磁性層を塗布法により形成しても
よい。強磁性金属材料としては、Co、Ni、Cr、F
eなどの金属やこれらを主成分とする合金などを用いる
ことができる。
【0029】磁性層を形成後、ダイヤモンドライクコ−
ティングの付与および/または潤滑保護層の付与を行う
ことは磁気記録媒体の耐久性向上の点で好ましい。更
に、磁性層と反対側の面により走行性を向上させるため
に、バックコ−ト層を設けてもよい。
【0030】本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、フ
レキシブルプリント基板、コンデンサー、プリンタリボ
ン、音響振動板、太陽電池のベースフィルムなど種々の
用途に好ましく用いられるが、少なくとも片面に磁性層
を設けた磁気記録媒体として用いられると高出力、高耐
久性、無欠点性を兼ね備えた本発明の芳香族ポリアミド
フィルムの効果が充分に発揮されるため特に好ましい。
【0031】また本発明は磁気記録媒体として、民生
用、プロ用、D−1,D−2,D−3等の放送局用デジ
タルビデオカセット用途、DDS−2,3,4、データ
8mm、AIT−2,3,4、"mammoth-3"、"mammoth-
4"、SDLT、LTO等のデータストレージ用途に好適
に用いることができるが、データ欠落等の信頼性が最も
重視されるデータストレージ用途に最適に用いることが
できる。
【0032】本発明のフィルムの伸度は10%以上、よ
り好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上で
あることが、テ−プに適度な柔軟性を持たせるために望
ましい。ただし通常上限は100%程度であり、あまり
大きいと芳香族ポリアミドフィルム本来の剛性が損なわ
れる場合がある。ここでいう伸度とは引っ張り試験機を
用いて20℃、相対湿度60%において測定したもので
あり、試験片の元の長さをL0、破断時の長さをLとし
たとき次式によって求められる値のことである。
【0033】伸度(%)=[(L−L0)/L0]×1
00 なお、試験片は10mm幅で50mm長さ、引っ張り速
度は300mm/分である。
【0034】本発明のフィルムの吸湿率は、5%以下、
より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下であ
ることが、湿度変化によるテ−プの寸法変化が小さく、
良好な電磁変換特性を保つために望ましい。ただし通常
下限は0.3%程度であり、あまり低くしようとすると
他の物性が低下することがある。ここでいう吸湿率と
は、200℃で2時間加熱処理し、次いで窒素雰囲気下
で室温付近まで冷却したときの重量をW0とし、このフ
ィルムを75%RH中で48時間放置後に取り出した吸
湿後の重量をWとしたとき次式により求められる値のこ
とである。 吸湿率(%)=[(W−W0)/W0]×100
【0035】本発明のフィルムの200℃、10分間で
の熱収縮率は0.5%以下が好ましく、より好ましくは
0.3%以下であることが、温度変化によるテ−プの寸
法変化が小さく良好な電磁変換特性を保つために望まし
い。ただし通常下限は0.01%程度である。ここでい
う熱収縮率とはフィルム断面に対して9.8MPa(1
kgf/mm2)の荷重をかけた状態での加熱前後の試
験片の長さ(それぞれL0、L)から次式によって求め
られる値のことである。
【0036】熱収縮率(%)=[(L−L0)/L0]
×100 これらの特性は、積層された場合には積層フィルムにつ
いても満足することが好ましい。
【0037】本発明のフィルムは、例えば、次のような
方法で製造できるが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0038】芳香族ポリアミドを、芳香族ジ酸クロリド
と芳香族ジアミンから得る場合には、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドな
どの非プロトン性有機極性溶媒中で溶液重合により製造
される。
【0039】この時、低分子量物の生成を抑制するた
め、反応を阻害するような水、その他の物質の混入は避
けるべきであり、効率的な攪拌手段をとることが好まし
い。また、原料の当量性は重要であるが、製膜性を損な
う恐れのある時は、適当に調整することができる。ま
た、溶解助剤として塩化カルシウム、塩化マグネシウ
ム、塩化リチウム、臭化リチウム、硝酸リチウムなどを
添加してもよい。
【0040】単量体として芳香族ジ酸クロリドと芳香族
ジアミンを用いると塩化水素が副生するが、これを中和
する場合には周期律表I族かII族のカチオンと水酸化物
イオン、炭酸イオンなどのアニオンからなる塩に代表さ
れる無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエ
タノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミンなどの有機の中和
剤が使用される。また、基材フィルムの湿度特性を改善
する目的で、塩化ベンゾイル、無水フタル酸、酢酸クロ
リド、アニリン等を重合の完了した系に添加し、ポリマ
−の末端を封鎖してもよい。
【0041】本発明のフィルムを得るためにはポリマ−
の固有粘度(ポリマ−0.5gを硫酸中で100mlの
溶液として30℃で測定した値)は、0.5以上である
ことが好ましい。
【0042】製膜原液としては、中和後のポリマ−溶液
をそのまま用いてもよいし、また、一旦、ポリマ−を単
離後、有機溶媒に再溶解したものを用いてもよい。
【0043】本発明のフィルムの突起の形成手段は公知
の方法が用いられる。例えば、ポリマー中に粒子を分散
される方法、コーティングする方法、異種重合体を添加
する方法などがあり、いずれの方法によって形成されて
いても構わないが、突起高さの均一性、突起個数の点か
ら異種重合体の添加によって形成されることが好まし
い。
【0044】異種重合体を添加する場合は、その異種重
合体を、重合前にモノマ−とともに溶媒に溶解させても
よいし、重合後のポリマ−溶液に混合させてもよいし、
単離した芳香族ポリアミドとともに再溶解してもよい
し、製膜直前にスタティックミキサ−などを利用して混
合させてもよい。また、粉末状やペレットで添加しても
よいし、一旦、重合溶媒などの有機溶媒に溶解後、ポリ
マ−溶液と混合してもよい。
【0045】製膜原液中のポリマ−濃度は2重量%以上
40重量%以下が好ましい。
【0046】上記のように調製された製膜原液は、乾式
法、乾湿式法、湿式法、半乾半湿式法等によりフィルム
化が行なわれるが、表面形態を制御しやすい点で、乾湿
式法が好ましく、以下乾湿式法を例にとって説明する。
【0047】上記の原液を口金からドラム、エンドレス
ベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかか
る薄膜層から溶媒を飛散させ、薄膜を乾燥する。乾燥温
度は100℃以上210℃以下が好ましく、突起を均一
に形成させる点から120℃以上190℃以下がより好
ましい。乾燥時間は、0.5分以上12分以下が好まし
く、1分以上10分以下がより好ましい。突起を本発明
の規定する範囲内にするには、熱風温度の幅方向の平均
値をRT、熱風速度の幅方向のムラをSmとしたとき、
それらの積であるRT×Smが20以下であることが必
要である。RT×Smが20を超える場合、突起が扁平
化し、特に高さ10nm以上20nm未満の突起個数が
本発明での特定範囲を下回る場合がある。
【0048】次いで、乾式工程を終えたフィルムは支持
体から剥離されて、湿式工程に導入され、脱塩、脱溶媒
などが行なわれる。フィルムを支持体から剥離するとき
のポリマー濃度は30重量%以上60重量%以下である
ことが好ましく、40重量%以上50重量%以下である
ことがより好ましい。ポリマー濃度が30重量%未満の
場合は、フィルムの自己支持性が不十分で破れやすくな
ることがあり、60重量%以上の場合は、延伸が十分に
行えない場合がある。
【0049】本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、支
持体から剥離されて湿式工程に導入される間に、ゲルフ
ィルムの状態でフィルムの長手方向に延伸されることが
好ましい。延伸倍率は1.05倍以上4.0倍以下が好
ましく、さらに1.05倍以上2.0倍以下が好まし
い。長手方向の延伸倍率が1.05倍未満では長手方向
のヤング率が不十分なことがあり、4.0倍を超えると
伸度の低いもろいフィルムとなることがある。また、湿
式工程を通さずにそのまま剥離したゲルフィルムに延伸
および熱処理を行うと、表面が大きくあれたり、カ−ル
が発生することがあるため好ましくない。
【0050】湿式工程を経たフィルムは水分を乾燥後、
フィルムの幅方向に延伸が行われる。延伸温度は150
℃以上400℃以下であることが好ましく、より好まし
くは200℃以上350℃以下、更に好ましくは220
℃以上280℃以下である。延伸温度がこの範囲より低
いと延伸時にフィルムが破れやすく、かつカールが大き
くなることがある。また高すぎると分子が配向しにくく
なりヤング率が不十分なことがある。
【0051】幅方向の延伸倍率は1.05倍以上4.0
倍以下であることが好ましく、より好ましくは1.05
倍以上2.0倍以下である。幅方向の延伸倍率が1.0
5倍未満では幅方向のヤング率が不十分なことがあり、
4.0倍を超えると伸度の低いもろいフィルムとなった
り、長手方向のヤング率が大きく低下することがある。
【0052】延伸倍率は面倍率で1.2倍以上8倍以下
(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルム
の面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意
味する。)の範囲内、より好ましくは1.2倍以上6倍
以下の範囲とすることが優れた機械物性のフィルムを安
定して製膜できる点で好ましい。
【0053】フィルムの延伸中あるいは延伸後に熱処理
が行なわれるが、熱処理温度は150℃以上400℃以
下の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、18
0℃以上320℃以下であり、更に好ましくは200℃
以上260℃以下である。熱処理温度が150℃未満の
場合、フィルムのヤング率が低下することがあり、40
0℃を超えるとフィルムの結晶化が進みすぎて堅くても
ろいフィルムとなったり、突起が扁平化してしまい磁気
記録媒体としたときの走行性に劣ることがある。
【0054】このとき延伸温度をT1、熱処理温度をT
2とすると、その和(T1+T2)が400℃以上であ
り、かつ差の絶対値|T1−T2|が50℃以下である
ことがフィルムのカールを本発明での特定範囲内にする
ために必要である。この条件を満たさない場合、フィル
ムのカールが大きくなり磁気記録媒体としたときのヘッ
ドタッチが劣ることがある。
【0055】また、延伸あるいは熱処理後のフィルムを
徐冷する事が有効であり、50℃/秒以下の速度で冷却
する事が有効である。
【0056】本発明のフィルムは単層フィルムであって
も良好な表面特性を実現することができるが、積層フィ
ルムであっても構わない。積層フィルムとする場合に
は、例えば2層の場合には、重合した芳香族ポリアミド
溶液を二分し、少なくとも一方に異種重合体を添加した
後、積層する。さらに3層以上の場合も同様である。こ
れら積層の方法としては、周知の方法、例えば、口金内
での積層、複合管での積層や、一旦1層を形成しておい
てその上に他の層を形成する方法などを用いればよい。
【0057】
【実施例】本発明の物性の測定方法、効果の評価方法は
次の方法による。 (1)流延機内での熱風温度平均値(RT)、熱風速度
ムラ(Sm) フィルムを幅方向に10等分し、それぞれの中心線で熱
風温度を熱電対で測定した。この10点より熱風温度平
均値(RT)を求めた。熱風速度についても同様に風速
計(日本科学工業製 Model6511)を用いて、
同じ測定点での10点測定を行い、その平均値(RS)
を算出したのち、それぞれの測定値のずれの絶対値|d
S|との比(|dS|/RS)の最大値を熱風速度ムラ
(Sm)とした。 (2)引張りヤング率 ロボットテンシロンRTA(オリエンテック社製)を用
いて25℃、相対湿度65%において測定した。試験片
は10mm幅、50mm長さであり、引っ張り速度は3
00mm/分である。 (3)突起個数 原子間力顕微鏡(AFM)を用いて以下の条件で場所を
変えて測定を10回行い、その平均値を求めた。 装置: NanoScope III AFM (Digital Instruments社
製) カンチレバー:シリコン単結晶 走査モード:タッピングモード 走査範囲:5μm×5μm 走査速度:0.5Hz (4)フィルムのカール(%) フィルムの長手方向15cm、幅方向1cmの試験片
を、長手方向を保持した状態で100℃のオーブンで3
分間熱処理を行った。なおフィルム幅が1cmに満たな
い場合はこれより狭くても構わない。その試験片を平坦
面に静置し、その状態でフィルムの幅(L1)と、フィ
ルムを平坦面に密着させた時の幅(L0)を測定し、以
下の式により求めた。 カール(%)=[(L1−L0)/L0]×100
【0058】(5)出力特性 磁気テープに6.5MHzの正弦波を最適記録電流で記
録し、その再生出力を市販のDVCテ−プを標準とし、
その差から以下の基準で評価した。 ◎:標準テープとの差が+1.5dB以上 ○:標準テ−プとの差が+0.5dB以上+1.5dB
未満 △:標準テ−プとの差が−0.5dB以上+0.5dB
未満 ×:標準テ−プとの差が−0.5dB未満 (6)走行性 フィルムを幅1/2インチのテ−プ状にスリットしたも
のをテ−プ走行性試験機SFT−700型((株)横浜
システム研究所製)を使用し、40℃、80%RH雰囲
気で走行させ、50パス目の摩擦係数を下記の式より求
めた。 μK=0.733・log(t2/t1) ここでt1は入側張力、t2は出側張力である。ガイド
径は6mmφであり、ガイド材質はポリオキシメチレン
(表面粗さ20〜40nm程度のもの)、巻き付け角は
90°、走行速度は3.3cm/秒、繰返しストロ−ク
は15cmである。この方法で測定した1回目の測定値
をμK(1)、100回目の測定値をμK(100)とした
時、以下の基準で評価した。
【0059】○:|(μK(100)−μK(1))/μK
(1)| ≦ 0.05 △:0.05 < |(μK(100)−μK(1))/μK
(1)| ≦ 1.0 ×:|(μK(100)−μK(1))/μK(1)| >
1.0 以下に実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものでない。なお、以
下の実施例中、NMPはN−メチルピロリドン、CTP
Cは2−クロルテレフタル酸クロリド、CPAは2−ク
ロルパラフェニレンジアミン、DPEは4,4’−ジア
ミノジフェニルエ−テルを表す。
【0060】実施例1 芳香族ポリアミドの溶液は次の様に合成した。脱水した
NMPに90モル%に相当するCPAと10モル%に相
当するDPEとを溶解させ、これに98.5モル%に相
当するCTPCを添加し、2時間撹拌により重合後、炭
酸リチウムで中和を行い、ポリマ−濃度が11重量%の
芳香族ポリアミドの溶液を得た。
【0061】一方、乾燥した三井化学(株)製ポリエー
テルスルホン(グレード:E2010、還元粘度:0.
41dl/g、以下PESと略す)を、脱水したNMP
に20重量%になるように溶解した後、濾過した。これ
を芳香族ポリアミドの溶液にPESが芳香族ポリアミド
に対し12重量%になるように添加した。
【0062】上記の様に調整したポリマ−溶液を表面が
鏡面状のステンレス製ベルト上に流延した。この流延さ
れたポリマ−溶液を160℃熱風で2分間加熱して溶媒
を蒸発させた。このとき平均熱風温度と風速ムラの積
(RT×Sm)は4.8であった。次に水槽内へフィル
ムを2分間通して残存溶媒と中和で生じた無機塩の水抽
出を行なった。この間に、フィルムの長手方向に1.3
倍延伸を行った。この後、テンタ−中で、温度260℃
の熱風下に、フィルムの幅方向に1.8倍で延伸を行な
った後、240℃で1.5分間熱処理を行った。こうし
て総厚み4.4μmの芳香族ポリアミドフィルムを得
た。このフィルムの片面(A面)での突起個数などのフ
ィルム特性は表1に示したとおりであった。
【0063】このフィルムのA面側の表面に通常の真空
蒸着法により磁性層を形成した後、フィルムを幅6.3
5mm、長さ150mにスリットし、カセットに組みこ
んで、磁気テープを作成した。
【0064】得られた磁気テープの出力特性が◎で、走
行性が○と、出力、走行性ともに優れたものであった。
【0065】実施例2 RT×Smを8.6に調整したほかは実施例1と同様に
製膜し、芳香族ポリアミドフィルムを得た。このフィル
ムの特性は表1に示したとおりであり、実施例1にくら
べ突起個数が若干減少した。このフィルムから実施例1
と同様に作成した磁気テープは、出力特性が○で、走行
性が○と、良好な特性を示した。
【0066】実施例3 RT×Smを18.2に調整したほかは実施例1と同様
に製膜し、芳香族ポリアミドフィルムを得た。このフィ
ルムの特性はは表1に示したとおりであり、実施例1に
くらべやや突起個数が減少した。このフィルムから実施
例1と同様に作成した磁気テープは、出力特性が○で、
走行性が△と、使用可能レベルであった。
【0067】実施例4 RT×Smを7.6に調整し、延伸倍率をフィルムの長
手方向、幅方向それぞれ2.1倍、2.8倍とし、延伸
温度(T1)を340℃、熱処理温度(T2)を310
℃としたほかは実施例1と同様に製膜し、芳香族ポリア
ミドフィルムを得た。このフィルムの特性は表1に示し
たとおりであり、実施例1にくらべやや突起個数が減少
した。このフィルムから実施例1と同様に作成した磁気
テープは、出力特性が○で、走行性が○と、良好な特性
を示した。
【0068】実施例5 PESの添加量を芳香族ポリアミドに対し18重量%と
変更し、RT×Smを8.2に調整し、延伸温度(T
1)を280℃、熱処理温度(T2)を250℃とした
ほかは実施例1と同様に製膜し、芳香族ポリアミドフィ
ルムを得た。このフィルムの特性は表1に示したとおり
であり、実施例1にくらべ突起個数が増加したが、ヤン
グ率がやや減少した。このフィルムから実施例1と同様
に作成した磁気テープは、出力特性が○で、走行性が○
と、良好な特性を示した。
【0069】実施例6 異種重合体として、出光石油化学(株)製ポリカーボネ
ート(グレード:FN3000A、分子量:3020
0、以下PCと略す)を用い、芳香族ポリアミドに対し
て12重量%添加し、RT×Smを7.9に調整し、延
伸温度(T1)を280℃、熱処理温度(T2)を25
0℃としたほかは実施例1と同様に製膜し、芳香族ポリ
アミドフィルムを得た。このフィルムの特性は表1に示
したとおりであり、実施例1にくらべ突起個数がやや減
少した。このフィルムから実施例1と同様に作成した磁
気テープは、出力特性が○で、走行性が△と、使用可能
レベルであった。
【0070】実施例7 RT×Smを15.1に調整し、延伸倍率をフィルムの
長手方向、幅方向それぞれ1.2倍、1.6倍とし、延
伸温度(T1)を260℃、熱処理温度(T2)を22
0℃としたほかは、実施例1と同様に製膜し、芳香族ポ
リアミドフィルムを得た。このフィルムの特性は表1に
示したとおりであり実施例1に比べカールが大きくなっ
た。このフィルムから実施例1と同様に作成した磁気テ
ープは出力特性が△で、走行性が○と実用可能レベルで
あった。
【0071】実施例8 異種重合体としてPCを用い、RT×Smを12.3に
調整し、延伸温度(T1)を310℃、熱処理温度(T
2)を270℃としたほかは、実施例1と同様に製膜
し、芳香族ポリアミドフィルムを得た。このフィルムの
特性は表1に示したとおりであり実施例1に比べ突起数
が減少した。このフィルムから実施例1と同様に作成し
た磁気テープは出力特性が△で、走行性が△と実用可能
レベルであった。
【0072】
【表1】 (注) MD:フィルムの長手方向、 TD:フィルム
の幅方向 比較例1 RT×Smを22.3に調整したほかは実施例1と同様
に製膜し、芳香族ポリアミドフィルムを得た。このフィ
ルムの特性は表2に示したとおりであり、RT×Smが
大き過ぎたので、高さ10nm以上20nm未満の突起
個数が少ないものであった。このフィルムから実施例1
と同様に作成した磁気テープは、出力特性が○であった
が走行性が×と、総合的にみて不満足なものであった。
【0073】比較例2 RT×Smを7.4に調整し、延伸倍率をフィルムの長
手方向、幅方向それぞれ2.5倍、3.3倍とし、延伸
温度(T1)を350℃、熱処理温度(T2)を310
℃としたとしたほかは実施例1と同様に製膜し、芳香族
ポリアミドフィルムを得た。このフィルムの特性は表2
に示したとおりであり、ヤング率が高く、もろいもので
あった。このフィルムから実施例1と同様に磁気テープ
を作成したが、テープ切れが頻発して測定ができなかっ
た。
【0074】比較例3 RT×Smを8.5に調整し、延伸倍率をフィルムの長
手方向、幅方向それぞれ1.03倍、1.2倍とし、延
伸温度(T1)を220℃、熱処理温度(T2)を19
0℃としたほかは実施例1と同様に製膜し、芳香族ポリ
アミドフィルムを得た。このフィルムの特性は表2に示
したとおりであり、ヤング率が低いものであった。この
フィルムから実施例1と同様に作成した磁気テープは、
ヘッドタッチが弱いために出力特性が×で、走行性が△
と、劣ったものであった。
【0075】比較例4 RT×Smを6.9に調整し、延伸温度(T1)を20
0℃、熱処理温度(T2)を140℃としたほかは実施
例1と同様に製膜し、芳香族ポリアミドフィルムを得
た。このフィルムの特性は表2に示したとおりであり、
カールが大きいものであった。このフィルムから実施例
1と同様に作成した磁気テープは、カールのためヘッド
タッチが劣り出力特性が×で、走行性が△と、劣ったも
のであった。
【0076】比較例5 PESの添加量を芳香族ポリアミドに対し22重量%と
変更し、RT×Smを6.9に調整し、延伸倍率をフィ
ルムの長手方向、幅方向それぞれ1.4倍、1.8倍と
したほかは実施例1と同様に製膜し、芳香族ポリアミド
フィルムを得た。このフィルムの特性は表2に示したと
おりであり、突起個数が多いものであった。このフィル
ムから実施例1と同様に作成した磁気テープは、表面が
粗れているために出力特性が×で、走行性が△と、劣っ
たものであった。
【0077】比較例6 RT×Smを10.5に調整し、延伸温度(T1)を2
00℃、熱処理温度(T2)を180℃としたほかは、
実施例1と同様に製膜した、芳香族ポリアミドフィルム
を得た。このフィルムの特性は表2に示したとおりであ
り、このフィルムから実施例1と同様に作成した磁気テ
ープは実施例1に比べ10nm以上20nm未満の突起
個数が大きいために走行性が○であったものの、出力特
性が×であり、総合的に見て実用に耐えうるレベルでは
なかった。
【0078】比較例7 異種重合体としてPCを用い、ポリマーに対して7重量
%添加し、RT×Smを21.8に調整し、延伸温度
(T1)を340℃、熱処理温度(T2)を200℃と
したほかは、実施例1と同様に製膜し、芳香族ポリアミ
ドフィルムを得た。このフィルムの特性は表2に示した
とおりであり、このフィルムから実施例1と同様に作成
した磁気テープは突起個数が少ないため、出力特性が
×、走行性が×と劣ったものであった。
【0079】
【表2】 (注) MD:フィルムの長手方向、 TD:フィルム
の幅方向
【0080】
【発明の効果】本発明による芳香族ポリアミドフィルム
をベースフィルムに用いると、出力特性が高く、及び走
行性に優れた磁気記録媒体を得ることができるので、本
発明のフィルムは磁気記録媒体用ベースフィルムとして
特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA56 AF20Y AF61Y AH14 BC01 BC14 5D006 CB03 CB05 CB07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともフィルムの片面において、高
    さ5nm以上10nm未満の突起個数が500万個/mm
    2以上5000万個/mm2以下、高さ10nm以上20n
    m未満の突起個数が20万個/mm2以上1000万個/m
    m2以下、高さ30nm以上の突起個数が15万個/mm2
    以下であり、フィルムの長手方向と幅方向のヤング率の
    和が23GPa以上36GPa以下であり、かつ、フィ
    ルムのカールが5%以下であることを特徴とする芳香族
    ポリアミドフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルムの前記片面において、高さ20
    nm以上30nm未満の突起個数が0.5万個/mm2
    上800万個/mm2以下であることを特徴とする請求項
    1に記載の芳香族ポリアミドフィルム。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリアミドと少なくとも一種の異
    種重合体からなり、かつ、異種重合体の含有量が芳香族
    ポリアミドに対し10重量%を超え20重量%未満であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポ
    リアミドフィルム。
  4. 【請求項4】 異種重合体が繰り返し単位中に少なくと
    も1個のスルホン基−SO2−を有する芳香族ポリスル
    ホン系重合体であることを特徴とする請求項3に記載の
    芳香族ポリアミドフィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族
    ポリアミドフィルムの少なくとも一方の表面に磁性層が
    形成されてなることを特徴とする磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007238655A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Toray Ind Inc 芳香族ポリアミド組成物の製造方法、組成物及びそれからなるフィルム

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