JP3724160B2 - 芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体などとして好適に用いることができる芳香族ポリアミドフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリアミドフィルムは、その優れた耐熱性、機械特性を活かして様々な用途に検討されている。特にパラ配向性の芳香族ポリアミドは剛性、強度等の機械特性が他のポリマーより優れているため、フィルムの薄物化に非常に有利であり、プリンタ−リボン、磁気テ−プ、コンデンサ−などの用途が考えられている。特に磁気テ−プに代表される磁気記録媒体に使用する場合、適切なフィルムの表面性を付与することが必要であり、例えば磁気記録媒体用フィルムとして、無機粒子を添加することにより表面性を改良した例として、特開昭60−127523号公報、特開昭60−201914号公報などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、デジタル記録技術の進歩、コンピュ−タ−の外部メモリへの展開などにより、薄膜化、高密度記録化、高耐久性の磁気記録媒体に適したフィルムの要求がより強くなってきている。すなわち、高出力を達成するために磁性層として、極薄塗布型磁性層を形成したり、フィルム上に直接磁性層を形成する蒸着型磁性層を形成した磁気記録媒体に大きな進歩が見られているが、磁性層が高性能になればなるほどベースフィルムにも、平滑性、走行性を高いレベルで達成することが求められている。特に蒸着型磁気記録媒体においてはベースフィルムの表面性が蒸着面の表面性を支配するために高度な表面性が要求されるが、下記に記す課題があるため、技術的ボトルネックとなっていた。
【0004】
第1に、出力特性を向上させるために磁性層側の表面を平滑にしようとするとヘッドとの摩擦により、磁性層が剥離したり、剥離した磁性体によりヘッドに目詰まりを発生させることがある。またこうした耐久性を改善するために磁性層側の表面を粗面化すると高性能磁気記録媒体に要求される出力特性が得られなくなることがある。第2に走行性を付与するために走行側の表面を粗面化すると形状が磁性層に転写し、磁気記録媒体とした時、データの欠落が発生することがある。こうした課題を解決しようと磁性層側の面と走行側の面との表面性を独立させて設計する提案もなされているが、必ずしも充分とは言えない。
【0005】
また、芳香族ポリアミドフィルムは従来、磁気記録媒体のベ−スフィルムに用いられてきたポリエチレンテレフタレ−トやポリエチレンナフタレ−トなどのポリエステルフィルムや芳香族ポリイミドフィルムに比べ、剛性が高いため薄膜化が可能であり、大容量の磁気記録媒体に適した素材であるが、溶融製膜法により成形されるポリエステルフィルムに対し、溶液製膜法で成形される点で大きく異なる。また、同じ溶液製膜法で成形される芳香族ポリイミドフィルムに比べ、芳香族ポリアミドフィルムの製造は、pH挙動などが大きく異なり、更に、重合溶液に無機塩などが含有されることが多く、製膜時の脱溶媒工程に格別の注意が必要である点で芳香族ポリイミドとは大きく異なる。従って、課題の達成のためには、芳香族ポリアミドに適合した技術を開発する必要がある。
【0006】
本発明は、かかる課題を解決し、均一な高さの突起を多数形成することにより、磁気記録媒体とした時の電磁変換特性、耐久性に優れた磁気記録媒体用ベ−スフィルムとして好適に用いることのできる芳香族ポリアミドフィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題は、芳香族ポリアミドと少なくとも一種以上の異種重合体からなり、異種重合体の含有量が芳香族ポリアミドに対して10〜40重量%、芳香族ポリアミドの溶解性パラメーターδaと異種重合体の溶解性パラメーターδbが下式を充たし、高さ5nmの水平面で切った突起の平均突起径が0.1〜2μmであり、少なくとも一方向のヤング率が8GPa以上である芳香族ポリアミドフィルムによって解決される。
【0008】
50(MJ/m31/2≦δa≦70(MJ/m31/2
|δa−δb|≦15(MJ/m31/2
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の芳香族ポリアミドとは、次の式(I)および/または式(II)で表される繰り返し単位を有するものである。
【0010】
式(I)
【化1】
Figure 0003724160
式(II)
【化2】
Figure 0003724160
ここで、Ar1、Ar2、Ar3は、例えば、
【化3】
Figure 0003724160
などが挙げられる。ここで、X、Yは芳香環の結合基であって、例えば、
−O−,−CH2−,−CO−,−S−,−C(CH32
などから選ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、フッ素,臭素,塩素などのハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、メチル,エチル,プロピルなどのアルキル基(特にメチル基)、メトキシ,エトキシ,プロポキシなどのアルコキシ基などの置換基で置換されていてもよく、また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されていてもよい。また、本発明に用いる芳香族ポリアミドは、上記の芳香環がパラ配向性を有しているものが、全芳香環の80モル%以上、より好ましくは90モル%以上をしめていることが好ましい。ここでパラ配向性とは、芳香核上主鎖を構成する2価の結合手が互いに同軸または平行にある状態を言う。このパラ配向性が80モル%未満の場合、フィルムの剛性および耐熱性が不十分となることがある。
【0011】
本発明の異種重合体とは、上記の芳香族ポリアミド以外の繰り返し単位を有する重合体であって、芳香族ポリアミドに対して10〜40重量%含有されるものである。含有量が10重量%未満の場合、突起の高さおよび個数が不十分で、滑り性が悪いために、耐久性が悪化することがある。また、40重量%を越える場合は、粗大突起が多くなり磁気記録媒体とした時の電磁変換特性が悪化するだけではなく、フィルムの機械特性が劣化することがある。異種重合体の含有量は、より好ましくは15〜30重量%である。
【0012】
かかる異種重合体の種類は、芳香族ポリアミドの溶解性パラメーターδa、含有される異種重合体の溶解性パラメーターδbとしたときに、下式を充たすものである。
【0013】
50(MJ/m31/2 ≦δa≦70(MJ/m31/2
|δa−δb|≦15(MJ/m31/2
ここで溶解性パラメーターとは、Fedorsの方法により計算される値である(計算方法は、例えば、Properties of Polymers, chapter 7(D.W.Van Kreveren著、1976、Elsevier)等に示されている)。芳香族ポリアミド、異種重合体の構造によっては、含有される化学種のパラメーターが求められていないためFedorsの方法で計算できないものもあるが、その場合は近似の化学種を用いることで代用する(例えば、−SO2−についてのパラメーターはないが、−S−と、−O−,−O−の値を用いて代用することとする)。溶解性パラメーターは、異種ポリマー間の相溶性の目安となるパラメーターであり、δa、δbが上記範囲であると、分散相の大きさが規制され、表面突起が本発明の範囲を充たすことができる。|δa−δb|は、より好ましくは、
1(MJ/m31/2≦|δa−δb|≦12(MJ/m31/2
であり、更に好ましくは、
1(MJ/m31/2≦|δa−δb|≦10(MJ/m31/2
である。
【0014】
また、芳香族ポリアミド本来の耐熱性、機械特性を充分に発揮させるためには異種重合体も耐熱性に優れることが好ましく、ガラス転移温度、またはガラス転移温度が明確でない場合は、JIS−D648に記載の熱変形温度が、150℃以上、より好ましくは、200℃以上であることが好ましい。
【0015】
このような異種重合体の例としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタアクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコールなどが挙げられるが、形成される表面突起の均一性、耐熱性の点から、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスルフィドスルホンなどの芳香族ポリスルホン系重合体、芳香族ポリエーテルイミド系重合体、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなどの芳香族ポリケトン系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル系重合体、ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸を用いる芳香族ポリイミド系重合体などから選ばれる少なくとも一種の重合体を含有することが好ましい。この中で特に好ましい重合体は、芳香族ポリスルホン系重合体である。本発明の芳香族ポリスルホン系重合体は、繰り返し単位中に少なくとも1個のスルホン基を有している。例えば、ビスフェノ−ルAのナトリウム塩と、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンとの重縮合、4−(4−クロロフェニルスルホニル)フェノ−ルのカリウム塩の重縮合などにより製造されるポリスルホンに代表される芳香族ポリスルホン系重合体が挙げられるが、更には、式(III)で表される繰り返し単位を有する公知の芳香族ポリスルホン系重合体が挙げられ、これらを2種以上用いても差し支えない。
【0016】
式(III)
【化4】
Figure 0003724160
ここで、nは正の整数であり、5以上1000以下のものが耐熱性および有機溶媒への溶解性の点で好ましい。また、この中でも特に、
【化5】
Figure 0003724160
が均一な突起を形成できる点で好ましい。
【0017】
芳香族ポリアミドと異種重合体とのブレンド方法としては、芳香族ポリアミドの重合前あるいは重合後に、ペレット、粉末状の異種重合体を直接あるいは、溶剤に溶解させて添加してもよいが、芳香族ポリアミドと異種重合体とを溶剤に溶解させた状態でブレンドし、成型用原液とすることが好ましい。芳香族ポリアミドと異種重合体を溶解させる溶剤は、それぞれ異なったものでもよいが、コスト、生産性等の工業的メリットを勘案すると同種の溶剤が好ましい。このような溶剤としては、N−メチルー2ーピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチレンホスホルアミド、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホンなどの有機溶媒や濃硫酸などの鉱酸が挙げられる。
【0018】
本発明の芳香族ポリアミドフイルムは、少なくともフィルムの片面において、高さ5nm以上の突起が3×105〜50×105個/mm2、高さ50nm以上の突起が25×104個/mm2以下であり、高さ5nmの水平面で切った突起の断面積が、測定面積の5〜40%である。高さ5nm以上の突起が3×105個/mm2未満の場合、電磁変換特性は優れるが、耐久性に劣ることがある。高さ5nm以上の突起が50×105個/mm2を越える場合、耐久性は優れるが、電磁変換特性に劣ることがある。より好ましくは4×105〜45×105個/mm2、更に好ましくは5×105〜40×105個/mm2である。一方、高さ50nm以上の突起が25×104個/mm2を超える場合、磁気記録媒体とした時の初期出力が低く、ドロップアウトが多発することがある。より好ましくは20×104個/mm2以下、更に好ましくは15×104個/mm2以下である。また、高さ5nmの水平面で切った突起の断面積が、測定面積の5%未満の場合、繰り返し走行させたときに突起が削れ易くなり耐久性が低下することがあり、40%を越える場合、ヘッドとの接触面積が大きくなり耐久性が低下することがある。より好ましくは5〜30%、更に好ましくは10〜20%である。
【0019】
また、該表面において高さ10nm以上の突起は2×105〜30×105個/mm2、より好ましくは3×105〜25×105個/mm2、更に好ましくは4×105〜20×105個/mm2で、高さ10nmの水平面で切った突起の断面積が、測定面積の5〜20%、より好ましくは5〜15%、更に好ましくは5〜10%であると電磁変換特性および耐久性により向上が見られるため好ましい。
【0020】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、高さ5nmの水平面で切った突起の平均突起径が0.1〜2μmであることが好ましい。高さ5nmの水平面で切った突起の平均突起径が0.1μm未満の場合は突起が削れ易くなるため、また、2μmを越える場合は接触面積が大きくなるため耐久性が低下することがある。より好ましくは0.2〜1.5μm、更に好ましくは0.2〜1μmである。
【0021】
本発明の芳香族ポリアミドフイルムは上記組成物を主要成分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤等の無機または有機の添加剤がブレンドされていてもよい。
【0022】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、上述のとおり芳香族ポリアミドと異種重合体とのブレンドによって好ましく製造され、粒子を含有しなくとも均一な表面突起を形成できるものであるが、用途によっては粒子を含有させてもよい。含有させる粒子としては、SiO2、TiO2、Al23、CaSO4、BaSO4、CaCO3、カ−ボンブラック、ゼオライト、その他の金属微粉末などの無機粒子や、シリコ−ン粒子、ポリイミド粒子、架橋共重合体粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン粒子などの有機高分子粒子などを併用してもよい。このとき、粒子の平均一次粒径は5〜100nmが好ましく、含有量は芳香族ポリアミドに対して0.01〜5重量%が好ましい。
【0023】
また、本発明のフィルムは製膜が容易である単層フィルムとしても好ましく採用されるが、積層フィルムであっても構わない。積層フイルムとするときは、本発明のフイルムが少なくとも一面の最表層となるように積層することが好ましい。
【0024】
本発明は、上記フィルムの少なくとも一面に磁性層を設けて磁気記録媒体として用いることができる。このとき、本発明の要件を充たす表面に磁性層を設けることが好ましい。
【0025】
本発明のフィルムに磁性層を形成する方法は、強磁性粉末を各種バインダーを用いて磁性塗料とし支持体フィルム上に塗布する湿式法、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法などの乾式法があり、特に限定されるものではないが、ここでは湿式法を例にとって説明する。磁性体となる磁性粉末の種類は特に限定されないが、強磁性粉末、例えば、酸化鉄、酸化クロム、Fe、Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co−Niなどが好ましく用いられる。磁性粉末は各種バインダーを用いて磁性塗料とすることができるが、熱硬化性樹脂系バインダーおよび放射線硬化系バインダーが好ましく、その他添加剤として分散剤、潤滑剤、帯電防止剤などを用いてもよい。例えば、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、ポリウレタンプレポリマおよびポリイソシアネートから成るバインダーを用いることができる。磁性層を設けた後、更に易滑性と耐久性を向上させるために、磁性層と反対側の面に公知の方法によりバックコ−ト層を設けてもよい。本発明のフィルムは、高さの揃った突起が形成されており、また、その突起形状から突起が削れ難いという特徴を有しているため、湿式法による磁性層形成に特に好ましく用いられる。
【0026】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは少なくとも一方向の引張りヤング率が8GPa以上であることが好ましい。磁気テープの出力は、テープとヘッドとのヘッドタッチ性の向上に伴って上がるが、そのために基材フィルムの高ヤング率化が求められる。記録方法が固定ヘッド式の場合は長手方向の、ヘリカルスキャン方式の場合は幅方向のヤング率が特に重要であり、基材フィルムのいずれの方向も8GPa未満であれば、いずれの記録方式を採用しても高出力が得られないことがあるので好ましくない。尚、本発明の芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも一方向のヤング率は好ましくは9GPa以上、更に好ましくは10GPa以上である。尚、全ての方向のヤング率が8GPa以上であることが特に好ましい。これらの特性を充たすためには、前述したように、本発明に用いる芳香族ポリアミドの芳香環がパラ配向性を有しているものが、全芳香環の80モル%以上、より好ましくは90モル%以上をしめていることが好ましい。
【0027】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、フレキシブルプリント基板、コンデンサー、プリンタリボン、音響振動板、太陽電池のベースフィルムなど種々の用途に好ましく用いられるが、少なくとも片面に磁性層を設けた磁気記録媒体として用いられると高出力、高耐久性、無欠点性を兼ね備えた本発明の芳香族ポリアミドフィルムの効果が充分に発揮されるため特に好ましい。
【0028】
磁気記録媒体の形態は、ディスク状、カード状、テープ状など特に限定されないが、本発明の芳香族ポリアミドフィルムの優れた表面性、高ヤング率を活かした薄膜化に対応するため、芳香族ポリアミドフィルムからなる支持体の厚みが10μm以下、幅が2.3〜13.0mm、長さが60m/巻以上、磁気記録密度(非圧縮時)が5キロバイト/mm2以上の長尺、高密度の磁気テ−プなどの磁気記録媒体としたとき、本発明の表面形状を付与したことによる効果、また高い剛性を持つことによる優れた効果をより一層奏することができるので特に好ましい。なお、ここでいう記録密度は下式により算出する。
【0029】
記録密度 = 記録容量/(テ−プ幅×テ−プ長さ)
磁気テープに代表される磁気記録媒体には近年ますます小型化、高容量化の要請が高いが、高容量化を実施する上で以下のポイントがある。一つは、支持体の厚さを薄くして長尺化により全体としての記録容量を向上させる方法であり、今一つは、トラック幅の狭幅化、記録波長の短波長化などにより単位面積当たりの記録容量を向上させる方法であり、一般的にはこれらを併用する方向にある。支持体の厚みを薄くする場合には、支持体の剛性が高いことがもちろん必要であるが、支持体が厚いときに較べてヘッドタッチ、ひいては電磁変換特性に関わる支持体表面の寄与が大きくなる。すなわちテープが厚い場合は走行テンション、ヘッドへのタッチ圧は高く設定できるため、支持体表面が無規制なものであってもヘッドに安定に接することができるのに対し、テープの薄膜化を行った場合、走行テンションやヘッドのタッチ圧を低くせざるを得ず、従って支持体表面が本発明のように規制されたものでないと、ヘッドへの密着性、走行性が不均一、不安定なものとなるためトラックの位置ずれやシグナルの欠落を発生しやすくなる。また、データ転送速度の高速化の要請により、従来以上にヘッドとテープの相対速度が大きくなる傾向にあるが、それによる摩擦熱を必要以上に発生させないためにも、突起高さと個数が特定範囲に制御された本発明の芳香族ポリアミドフィルムは極めて有効である。以上のように本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、こうした高容量化の要請に対し好適に応えることのできる磁気テープとすることができる。支持体の厚みは好ましくは、7.0μm以下、更に好ましくは5.0μm以下であり、磁気記録媒体としての記録密度は好ましくは8キロバイト/mm2以上、更に好ましくは25キロバイト/mm2以上である。
【0030】
また本発明は磁気記録媒体として、民生用、プロ用、D−1,D−2,D−3等の放送局用デジタルビデオカセット用途、DDS−2,3,4、データ8mm、QIC等のデータストレージ用途に好適に用いることができるが、データ欠落等の信頼性が最も重視されるデータストレージ用途に最適に用いることができる。
【0031】
本発明のフィルムの伸度は10%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上であるとテ−プが適度な柔軟性を持つので望ましい。
【0032】
本発明のフィルムの吸湿率は、5%以下、より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下であると湿度変化によるテ−プの寸法変化が小さく良好な電磁変換特性を保てるので望ましい。
【0033】
本発明のフィルムの200℃、10分間での熱収縮率は0.5%以下が好ましく、より好ましくは0.3%以下であると温度変化によるテ−プの寸法変化が小さく良好な電磁変換特性を保てるので望ましい。
【0034】
これらの特性は、積層された場合には積層フィルムについても満足することが好ましい。
【0035】
本発明のフィルムは、例えば、次のような方法で製造できるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
まず芳香族ポリアミドであるが、芳香族ジ酸クロリドと芳香族ジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性有機極性溶媒中で溶液重合で合成される。
【0037】
この時、低分子量物の生成を抑制するため、反応を阻害するような水、その他の物質の混入は避けるべきであり、効率的な攪拌手段をとることが好ましい。また、原料の当量性は重要であるが、製膜性を損なう恐れのある時は、適当に調整することができる。また、溶解助剤として塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硝酸リチウムなどを添加してもよい。
【0038】
単量体として芳香族ジ酸クロリドと芳香族ジアミンを用いると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には周期律表I族かII族のカチオンと水酸化物イオン、炭酸イオンなどのアニオンからなる塩に代表される無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、基材フィルムの湿度特性を改善する目的で、塩化ベンゾイル、無水フタル酸、酢酸クロリド、アニリン等を重合の完了した系に添加し、ポリマ−の末端を封鎖してもよい。
【0039】
本発明のフィルムを得るためにはポリマ−の固有粘度(ポリマ−0.5gを硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.5以上であることが好ましい。
【0040】
製膜原液としては、中和後のポリマ−溶液をそのまま用いても、一旦、ポリマ−を単離後、有機溶媒に再溶解したものを用いてもよい。
【0041】
異種重合体の添加は、重合前にモノマ−とともに溶媒に溶解させても、重合後のポリマ−溶液に混合させても、単離した芳香族ポリアミドとともに再溶解しても、製膜直前にスタティックミキサ−などを利用して混合させてもよい。また、粉末状やペレットで添加しても、一旦、重合溶媒などの有機溶媒に溶解後、ポリマ−溶液と混合しても構わない。
【0042】
製膜原液中のポリマ−濃度は2〜40重量%程度が好ましい。
【0043】
上記のように調製された製膜原液は、乾式法、乾湿式法、湿式法、半乾半湿式法などによりフィルム化が行なわれるが、表面形態を制御しやすい点で、乾湿式法が好ましく、以下、乾湿式法を例にとって説明する。該原液を口金からドラム、エンドレスベルトなどの支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ、薄膜を乾燥する。この時、脱溶媒速度は、3〜15%/分で乾燥することが好ましい。脱溶媒速度が3%/分未満であると突起が扁平になることがあり、また、脱溶媒速度が15%/分を超えると粗大突起が多くなり、表面が粗れることがあるため好ましくない。乾燥温度は、100〜210℃が好ましく、120〜180℃がより好ましい。また、乾燥時間は、3〜12分が好ましく、5〜10分がより好ましい。次いで、乾式工程を終えたフィルムは支持体から剥離されて、湿式工程に導入され、脱塩、脱溶媒などが行なわれる。この湿式工程を通さずにそのまま剥離したゲルフィルムに延伸および熱処理を行うと、表面が大きくあれたり、カ−ルが発生することがあるため好ましくない。
【0044】
この後、延伸、乾燥、熱処理が行なわれてフィルムとなる。
【0045】
延伸温度としてはポリマ−のガラス転移温度(Tg)から(Tg+30)℃の範囲で行うことがフィルムの機械特性向上に有効であり、延伸倍率は面倍率で1.2〜4(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味する。)の範囲内、より好ましくは1.2〜3.5の範囲とすることが優れた機械物性のフィルムを安定して製膜できる点で好ましい。
【0046】
フィルムの延伸中あるいは延伸後に熱処理が行なわれるが、熱処理温度は200〜350℃の範囲にあることがフィルムの寸法安定性を向上させる点で好ましい。
【0047】
また、延伸あるいは熱処理後のフィルムを徐冷することがフィルムの平面性を向上させることに有効であり、50℃/秒以下の速度で冷却する事が有効である。
【0048】
本発明のフィルムは単層フィルムであっても良好な表面特性の実現を可能たらしめるものであるが、積層フィルムであっても構わない。積層フィルムとする場合には、例えば2層の場合には、重合した芳香族ポリアミド溶液を二分し、少なくとも一方に芳香族ポリスルホンを添加した後、積層する。さらに3層以上の場合も同様である。これら積層の方法としては、周知の方法、例えば、口金内での積層、複合管での積層や、一旦1層を形成しておいてその上に他の層を形成する方法などがある。
【0049】
【実施例】
本発明の物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法による。
【0050】
(1)突起数、断面積、および平均突起径
原子間力顕微鏡(AFM)を用いて以下の条件で製膜時に金属ベルトと接しないフィルム表面について10ヶ所測定し、各高さしきい値での突起数および断面積の平均値を求めた。
【0051】
装置:NanoScopeIIIa AFM(Digital Instruments社製)
カンチレバ−:シリコン単結晶
測定モ−ド:タッピングモ−ド
測定面積:25μm2
測定速度:0.5Hz
測定環境:25℃、相対湿度65%
高さ5nmまたは10nmの水平面で切った突起の断面積の測定面積に占める割合は下式から算出した。
【0052】
測定面積に占める割合(%)=S/S0×100
ここで、S :各高さしきい値の水平面で切った突起の断面積(μm2
0:測定面積(μm2
また、高さ5nmの水平面で切った突起の平均突起径は下式から算出した。
【0053】
平均突起径(μm)=(4S5nm/πX)0.5
5nm:高さ5nmの水平面で切った突起の断面積(μm2
X :高さ5nmの突起数
(2)引張りヤング率
ロボットテンシロンRTA(オリエンテック社製)を用いて25℃、相対湿度65%において測定した。試験片は10mm幅で50mm長さ、引っ張り速度は300mm/分である。
【0054】
(3)電磁変換特性
製膜時に金属ベルトと接しないフィルム表面に、次の組成から成る磁性塗料を調製し、グラビアロールで磁性層の厚みが2μmとなるように塗布し、磁気配向させ乾燥させ、次いで、カレンダー装置で、75℃、200kg/cmの線圧でカレンダー処理した後、70℃、48時間キュアリングする。
【0055】
(磁性塗料の組成)
・Co含有酸化鉄 :100重量部
・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体: 10重量部
・ポリウレタンエラストマ : 10重量部
・ポリイソシアネート : 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン : 75重量部
・メチルイソブチルケトン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
この磁性層を塗布したフィルムを1/2幅にスリットし、VTRカセットに組み込みVTRテープとした。このVTRテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生器により100%クロマ信号からカラービデオノイズ測定器でクロマS/Nを測定した。S/N比は次式で示される。
【0056】
S/N=20log(VS/Vn
ここで、VS:100%振幅のカラー信号レベル
n:リファレンス記録電流で記録・再生し、AM復調およびPM復調した100%レベルにおけるノイズの実効値電圧
市販テープを基準として評価し、1dB以上を○、−1dB以上1dB未満を△、−1dB未満を×とした。
【0057】
(4)ドロップアウト
上記(3)で得たVTRテープに松下電器(株)製NV−3700型ビデオデッキにより、常速にて4.4メガヘルツの信号を記録し、再生時の15μsec−20dBドロップアウトを大倉インダストリー(株)製ドロップアウトカウンターにて20分間測定し、1分間あたりの平均値(個/分)を算出し、以下の基準で評価した。1(個/分)未満で使用可能である。
【0058】
○:0.5(個/分)未満
△:0.5(個/分)以上1(個/分)未満
×:1(個/分)以上
(4)耐久性
上記(3)で得られたカセットテープを、40℃、80%RHの雰囲気で、再生モードで100回繰り返し走行させた後、磁性面のすり傷や欠落を観察し、以下の基準で評価した。
【0059】
○:磁性面にすり傷や欠落がまったく見られない
×:磁性面にすり傷が欠落が見られる。
【0060】
(5)脱溶媒速度
乾式工程でt分間乾燥後ベルトから剥離したゲルフィルムの一部を切り取り重量(W1)を測定する。このフィルムを水浴中で10分間洗浄後、280℃で熱処理し、その重量(W2)からゲルフィルム中のポリマ−濃度(P1)を下式により算出する。脱溶媒速度は、P1と製膜原液の初期濃度P0から下式により算出する。
【0061】
1 = (W2/W1)×100
脱溶媒速度 = (P1−P0)/t
以下に実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。尚、以下の実施例中、NMPはN−メチルピロリドン、CTPCは2−クロルテレフタル酸クロリド、CPAは2−クロルパラフェニレンジアミン、DPEは4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルを表す。
【0062】
実施例1
脱水したNMPに90モル%に相当するCPAと10モル%に相当するDPEとを溶解させ、これに98.5モル%に相当するCTPCを添加し、2時間撹拌により重合後、炭酸リチウムで中和を行い、ポリマ−濃度が10.8重量%の芳香族ポリアミドの溶液を得た。これをポリマ−溶液Aとする。
【0063】
一方、乾燥した三井東圧化学(株)製PES−E2010(極限粘度0.4dl/g、以下PESと略す)をNMPに20重量%になるように溶解した。このPES溶液をポリマ−溶液Aに、PESが芳香族ポリアミドに対し15重量%になるように添加した。これをポリマ−溶液Bとする。
【0064】
このポリマ−溶液Bを5μmカットのフィルタ−を通した後、表面が鏡面状のステンレス製ベルト上に流延し、150℃で5分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥離した。この時のゲルフィルムのポリマ−濃度は40.1重量%であり、脱溶媒速度は5.7%/分であった。次に、水槽内へフィルムを2分間通して残存溶媒と中和で生じた無機塩の水抽出を行なった。この間に、フィルムの長手方向に1.2倍延伸を行った。この後、テンタ−で水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ4.2μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間に280℃でフィルムの幅方向に1.3倍延伸を行ない、250℃で1.5分間乾燥と熱処理を行なった後、20℃/秒の速度で徐冷した。
【0065】
このフィルムをスリットして磁気テ−プとし、前記の方法で評価した結果を表1に示した。電磁変換特性、耐久性はともに良好であった。
【0066】
実施例2
実施例1で得たポリマ−溶液Bに、平均一次粒径が50nmの球状シリカをポリアミドに対し0.06重量%になるように添加し、以下、実施例1と同様の方法で製膜した。
【0067】
結果を表1に示した。電磁変換特性、耐久性はともに良好であった。
【0068】
実施例3
実施例1で得たポリマ−溶液Aに、PESを芳香族ポリアミドに対し20重量%になるように実施例1と同様の方法で添加した。これをポリマー溶液Cとする。 このポリマー溶液Cを用いて、実施例1と同様の方法で製膜した。
【0069】
結果を表1に示した。電磁変換特性、耐久性はともに良好であった。
【0070】
実施例4
実施例3で得たポリマ−溶液Cに、平均一次粒径が50nmの球状シリカをポリアミドに対し0.03重量%になるように添加し、実施例1と同様の方法で製膜した。
【0071】
結果を表1に示した。電磁変換特性、耐久性はともに良好であった。
【0072】
実施例5
実施例1で得たポリマー溶液Aに、PESを芳香族ポリアミドに対し30重量%になるように実施例1と同様の方法で添加した。これをポリマー溶液Dとする。
【0073】
このポリマー溶液Dを用いて、フィルムの延伸倍率を長手方向に1.3倍、幅方向に1.4倍とする以外は実施例1と同様の方法で製膜した。
【0074】
結果を表1に示した。耐久性は良好であったが、電磁変換特性が実施例1と比較して若干悪化した。
【0075】
実施例6
実施例5で得たポリマー溶液Dを用いて、乾燥条件を180℃で3分間とする以外は実施例1と同様の方法で製膜した。
【0076】
結果を表1に示した。耐久性は良好であったが、電磁変換特性が実施例1と比較して若干悪化した。
【0077】
比較例1
実施例1で得たポリマ−溶液Aを、実施例1と同様の方法で製膜した。
【0078】
結果を表1に示した。電磁変換特性は良好であったが、突起数および高さ5nmの水平面で切った突起の断面積が不足しているため耐久性が悪かった。
【0079】
比較例2
実施例1で得たポリマ−溶液Aに、PESを芳香族ポリアミドに対し55重量%になるように実施例1と同様の方法で添加し、以下、実施例1と同様の方法で製膜した。
【0080】
結果を表1に示した。PESの添加量が多すぎるためにヤング率が低下した。また、粗大突起が多く電磁変換特性、耐久性がともに悪化した。
【0081】
比較例3
実施例1で得たポリマー溶液Aに、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ユピエース−AN91(ASTM−D648に記載の1820KPa条件下での荷重たわみ温度が150℃の変成ポリフェニレンエーテル樹脂、以下PPOと略す)を芳香族ポリアミドに対し20重量%になるように実施例1と同様の方法で添加し、以下、実施例1と同様の方法で製膜した。
【0082】
結果を表1に示した。PPOは芳香族ポリアミドと相溶しないために表面が著しく粗れた。
【0083】
【表1】
Figure 0003724160
【0084】
【発明の効果】
本発明は、異種重合体を含有した芳香族ポリアミドフィルムとすることにより、フィルム表面に高さの揃った突起が形成され、磁気記録媒体とした時の電磁変換特性および耐久性に優れたフィルムが得られたものである。

Claims (5)

  1. 芳香族ポリアミドと少なくとも一種以上の異種重合体からなり、異種重合体の含有量が芳香族ポリアミドに対して10〜40重量%、芳香族ポリアミドの溶解性パラメーターδaと異種重合体の溶解性パラメーターδbが下式を充たし、高さ5nmの水平面で切った突起の平均突起径が0.1〜2μmであり、少なくとも一方向のヤング率が8GPa以上である芳香族ポリアミドフィルム。
    50(MJ/m31/2≦δa≦70(MJ/m31/2
    |δa−δb|≦15(MJ/m31/2
  2. 上記異種重合体が、繰り返し単位中に少なくとも1個のスルホン基を有する芳香族ポリスルホン系重合体である請求項1に記載の芳香族ポリアミドフィルム。
  3. 少なくともフィルムの片面において、高さ5nm以上の突起が3×105〜50×105個/mm2、高さ50nm以上の突起が25×104個/mm2以下であり、高さ5nmの水平面で切った突起の断面積が、測定面積の5〜40%であり、少なくとも一方向のヤング率が8GPa以上である請求項1または2に記載の芳香族ポリアミドフィルム。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも一面に磁性層が配されてなる磁気記録媒体。
  5. 幅が2.3〜13.0mm、支持体厚みが10μm以下、長さが60m/巻以上、磁気記録密度が5キロバイト/mm2以上である請求項に記載の磁気記録媒体。
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