JP2002269719A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2002269719A
JP2002269719A JP2001068326A JP2001068326A JP2002269719A JP 2002269719 A JP2002269719 A JP 2002269719A JP 2001068326 A JP2001068326 A JP 2001068326A JP 2001068326 A JP2001068326 A JP 2001068326A JP 2002269719 A JP2002269719 A JP 2002269719A
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Katsunori Maejima
克紀 前嶋
Motosuke Hirai
基介 平井
Noboru Sekiguchi
昇 関口
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現在、高記録密度化に向け、高感度な磁気抵
抗(MR)型再生ヘッドを用いる磁気記録システムが考
案、実用化され始めているが、このヘッドはその特性
上、材質や構造が従来のものと異なり、耐摩耗性に劣る
という欠点がある。そこでMR型ヘッドにも適用し得る
低いヘッド摩耗特性と、優れた走行耐久性を有する磁気
記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体2上に必要に応じて下層非
記録層3を設け、その上に強磁性粉末が結合剤中に分散
した磁性層4を設けた磁気記録媒体1において、磁性層
4は、その表面の平均中心面から0.01μm以上の突
起部が占める面積をPsとし、測定面積をPallとしたと
きに、0.03≦Ps/Pall≦0.15の関係を満足す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープ等の磁
気記録媒体に関するものであり、詳しくは、低いヘッド
摩耗特性を有するとともに走行耐久性に優れた磁気記録
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非磁性支持体上に、磁性粉末を結合剤に
分散混合した磁性塗料を塗布して磁性層を形成した、い
わゆる塗布型の磁気記録媒体が、ビデオテープ、オーデ
ィオテープ、磁気ディスク等として広く用いられてい
る。一方近年、デジタル記録等により情報量が増大して
おり、磁気記録媒体はさらなる高密度化、短波長記録化
の方向に向かっている。これに伴い磁気記録装置に供さ
れる高密度の磁気記録媒体では短波長出力および電磁変
換特性を向上させるために、磁性層を薄膜化するととも
に表面を平滑化する試みがなされている。しかし、記録
波長が低下すると磁気記録媒体から取り出せる磁気エネ
ルギーが相対的に低下するので、再生ヘッドに一層の高
感度特性が求められる。このため、現在、積層型再生ヘ
ッドや磁気抵抗効果(MR)型再生ヘッドが提案され実
用化されている。しかしながら前記再生ヘッドはその特
性上、材質や構造が従来のものと異なり、耐摩耗性に劣
るという欠点があり、このため磁気記録媒体には低いヘ
ッド摩耗特性が求められる。しかし磁気記録媒体の研磨
性を低減するために単に磁気記録媒体の表面を平滑化し
ただけでは、走行耐久性が劣化し、磁気記録システムの
構築が不可能になってしまう。このため従来技術では、
低いヘッド摩耗特性と優れた走行耐久性を両方兼ね備え
た磁気記録媒体を得ることはできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、低いヘッド摩耗特性を有するとともに走行耐久性
に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、非磁
性支持体の一方または両面に、強磁性粉末が結合剤中に
分散した厚さ0.3μm以下の磁性層が少なくとも設け
られている磁気記録媒体において、前記磁性層が下記の
特性を満足することを特徴とする磁気記録媒体である。 磁性層の特性:磁性層表面の平均中心面から0.01μ
m以上の突起部が占める面積をPsとし、測定面積をPa
llとした時、0.03≦Ps/Pall≦0.15
【0005】請求項2の発明は、前記非磁性支持体が下
記の特性を満足することを特徴とする請求項1に記載の
磁気記録媒体である。 非磁性支持体の特性:非磁性支持体における磁性層形成
面の平均中心面から0.01μm以上の突起部が占める
面積をPbとし、測定面積をPallとした時、Pb/Pall
≦0.20
【0006】請求項3の発明は、前記磁性層と前記非磁
性支持体の間に、非強磁性粉末を含む下層非記録層が設
けられ、該下層非記録層の厚さが0.2μm以上である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒
体である。
【0007】請求項4の発明は、前記下層非記録層に含
まれる非強磁性粉末の平均長軸長が0.3μm以下であ
ることを特徴とする請求頃3に記載の磁気記録媒体であ
る。
【0008】請求項5の発明は、非磁性支持体の一方ま
たは両面に、強磁性粉末が結合剤中に分散した厚さ0.
3μm以下の磁性層が少なくとも設けられ、前記磁性層
が下記の特性を満足する磁気記録媒体と磁気抵抗効果
(MR)型再生ヘッドとを備えたことを特徴とする磁気
記録システムである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。図1は、本発明の磁気記録媒体の一例を示す断面
図である。図1(a)に示されるように、本発明の磁気
記録媒体1は、非磁性支持体2上に磁性層4が形成され
てなる。これとは別に、図1(b)に示されるように、
本発明の磁気記録媒体1は、非磁性支持体2と磁性層4
との間に、下層非記録層3を設けてもよい。以下、各層
について説明する。
【0010】非磁性支持体 本発明に使用される非磁性支持体は、とくに制限され
ず、従来公知のものがいずれも適用可能である。例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート等のポリエステル類;ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン類;セルローストリアセテー
ト、セルロースダイアセテート、セルロースアセテート
ブチレート等のセルロース誘導体;ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のプ
ラスチック;紙;アルミニウム、銅等の金属;アルミニ
ウム合金、チタン合金等の軽合金;セラミックス;単結
晶シリコン等からなる支持体であることができる。ま
た、非磁性支持体の形態もとくに制限されず、フィル
ム、テープ、シート、ディスク、カード、ドラム等のい
ずれでもよく、そのサイズも適宜決定すればよい。
【0011】磁性層 磁性層の厚さは、0.3μm以下である。磁性層には、
次のような物質が含まれる。 (1)強磁性粉末 磁性層における強磁性粉末は、例えばFe、Co、Ni
等の金属やFe−Co合金粉末、Fe−Al合金粉末、
Fe−Al−Ni合金粉末、Fe−Al−Zn合金粉
末、Fe−Al−Co合金粉末、Fe−Al−Ca合金
粉末、Fe−Ni系合金、Fe−Ni−Al合金粉末、
Fe−Ni−Co合金粉末、Fe−Ni−Si−Al−
Mn合金粉末、Fe−Ni−Si−Al−Zn合金粉
末、Fe−Al−Si合金粉末、Fe−Ni−Zn合金
粉末、Fe−Ni−Mn合金粉末、Fe−Ni−Si合
金粉末、Fe−Mn−Zn合金粉末、Fe−Co−Ni
−P合金粉末、強磁性酸化鉄、窒化鉄、強磁性二酸化ク
ロム等が挙げられる。また強磁性粉末には、酸化安定
性、焼結防止、形状安定等を目的とした添加元素または
酸化物等を添加してもよい。これら添加元素および酸化
物としては、例えばAl、Y、Si、Ca、Laおよび
これらの酸化物、α−Fe23、γ−Fe23、Fe3
4等が挙げられる。なお、強磁性粉末の平均長軸長は
0.3μm以下、例えば0.02μm〜0.3μmであ
るのが好ましい。平均長軸長をこのように設定すること
により、一層優れた電磁変換特性および表面平滑性を有
する磁気記録媒体を提供することができる。
【0012】(2)結合剤 結合剤としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロ
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデン共重合体、
メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、
塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラー
ル、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂または
これらの混合物等が挙げられる。中でも、柔軟性を付与
するとされているポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体と、剛性を
付与するとされているセルロース誘導体、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂等が好ましい。これらはイソシアネー
ト化合物を架橋剤としてより耐久性を向上させたりして
もよい。結合剤は、強磁性粉末100重量部に対し、1
0〜50重量部使用するのがよい。
【0013】本発明は、磁性層の特性を次のような条件
に設定することを特徴としている。すなわち、磁性層
は、その表面の平均中心面から0.01μm以上の突起
部が占める面積をPsとし、測定面積をPallとしたとき
に、0.03≦Ps/Pall≦0.15の関係を満足する
ことが必要である。ここで平均中心面は、JIS B0
601−1994に準拠して求めることができ、具体的
には、例えば光干渉型非接触式の3次元表面粗さ計(菱
化システム社製、商品名SXM550N−AS50)を
用い、範囲100μm×100μmの領域を分解能約
0.1μm、カットオフなしの条件で求めることができ
る。また、平均中心面から0.01μm以上の突起部の
面積の測定も、前記の光干渉型非接触式の3次元表面粗
さ計を用いて測定することができる。なお、より好まし
いPs/Pallの範囲は、0.03≦Ps/Pall≦0.1
0である。磁性層表面が上記のような特性を有すること
により、低いヘッド摩耗特性を有するとともに走行耐久
性に優れた磁気記録媒体を提供することができる。
【0014】また本発明の磁気記録媒体は、好ましく
は、非磁性支持体が次の特性を満足するのがよい。すな
わち、非磁性支持体は、その磁性層を設ける面の平均中
心面から0.01μm以上の突起部が占める面積をPb
とし、測定面積をPallとしたときに、Pb/Pall≦
0.20の関係を満足するのが好ましい。なお、さらに
好ましいPb/Pallの範囲は、0.03≦Pb/Pall≦
0.20である。非磁性支持体がこのような特性を有す
ることにより、一層優れたヘッド摩耗特性および走行耐
久性を磁気記録媒体に付与することができる。
【0015】前記のような表面特性は、例えば磁性層ま
たは非磁性支持体の対象となる表面を、例えば公知の研
磨テープを用いて研磨することにより得ることができ
る。具体的には、例えば粒度0.5〜5.0μmの炭化
珪素SiCからなる研磨テープを長手方向に走行させ
(例えば3cm/分)、走行している研磨テープの研磨
面に、磁性層または非磁性支持体(以下、サンプルテー
プと呼ぶ)の表面が接触するように配置させ(例えば接
触角度120°)、同時にサンプルテープを研磨テープ
よりも速い速度(例えば200m/分)で、かつ一定の
張力(例えば80kg重)で走行させる。なおこのと
き、研磨テープの長手方向とサンプルテープの長手方向
が一致するようにしておく。前記研磨条件を適宜変更す
ることにより、所望のサンプルテープの表面特性を得る
ことができる。
【0016】下層非記録層 下層非記録層は、非強磁性無機粉末が結合剤中に分散し
て形成されているものであればよい。前記非強磁性無機
粉末としては、従来公知のものがいずれも使用可能であ
って、α−Fe23、TiO2、Cr23、α−FeO
OH、CaO、SiO2、Al 23、炭酸カルシウム等
が挙げられる。これら顔料の形状は、針状でも球状でも
よいが、非強磁性無機粉末の長軸長は0.3μm以下、
とくに0.02μm〜0.3μmであるのがよい。ま
た、下層非記録層における結合剤は、前記の磁性層と同
じものが使用できる。また、結合剤は、強磁性粉末10
0重量部に対し、10〜50重量部使用するのがよい。
下層非記録層の厚さは、0.2μm以上、とくに0.2
μm〜2μmが好ましい。このような下層非記録層を設
けることにより、優れた電磁変換特性および表面平滑性
を有する磁気記録媒体を提供することができる。
【0017】なお必要に応じて、磁性層および下層非記
録層を形成するための塗料には、公知の潤滑剤、分散
剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等の添加剤を添加する
ことができる。また、該塗料を調製するために使用され
る溶剤は従来公知のものがいずれも適用可能で、なんら
限定されるものではなく、例えばアセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエステル等
のエステル系溶剤;グリコールモノエチルエーテル、ジ
オキサン等のグリコールエーテル系溶剤;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;メチレン
クロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロ
ホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等
の有機塩素化合物系溶剤が挙げられる。
【0018】磁性層および下層非記録層を形成するため
の塗料は、上述した各成分を溶剤とともに混練分散する
ことにより調製される。混練分散の方法は、公知の方法
を適用すればよくとくに制限されないが、通常の混練
機、例えば連続二軸混練機(エクストルーダー)、コニ
ーダー、加圧ニーダー等を用いる方法が挙げられる。
【0019】磁性層を形成するための塗料を非磁性支持
体上に塗布するには、例えばグラビアコート、押出コー
ト、エアードクターコート、リバースロールコート等の
従来の塗布方法を採用することができる。また、下層非
記録層および磁性層を形成する際には、下層非記録層お
よび磁性層を形成するための塗料をこの順で塗布して乾
燥を行う、いわゆるウエット・オン・ドライ方式を用い
てもよく、湿潤状態にある下層非記録層を形成するため
の塗料の上に磁性層を形成するための塗料を重ねて塗布
する、いわゆるウエット・オン・ウエット方式を用いて
もよい。また、磁性層、下層非記録層は、非磁性支持体
の一方または両面に設けることができる。
【0020】また、上述の非磁性支持体における他方の
面、すなわち磁性層を形成しなかった面には、必要に応
じて公知のバックコート層を設けてもよい。
【0021】
【作用】本発明の磁気記録媒体は、磁性層の表面の特性
を前記のように設定したので、低いヘッド摩耗特性と優
れた走行耐久性を両方兼ね備えている。したがって、本
発明の磁気記録媒体は、耐摩耗性に劣る再生ヘッド、と
くに磁気抵抗効果(MR)型ヘッドと併用することで、
優れた磁気記録システムを提供することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。なお、実施例中、「部」は「重量部」を意味する。例1〜19 厚さ5.0μmのポリエチレンテレフタレートベースフ
ィルム上に、次のようにして下層非記録層を設けた。す
なわち、下記組成の下層非記録層用分散液において、無
機粉末、結合剤および潤滑剤をニーダーで混練処理し、
さらにメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノ
ンで希釈した後、サンドミル分散し、下層非記録層用分
散液とした。さらにポリイソシアネート(日本ポリウレ
タン製硬化剤「コロネートL」)を3部添加し、攪拌
後、これを5μm厚のポリエチレンテレフタレートベー
スフィルム上に厚さが0.1μm〜3.0μmとなるよ
うに塗布した。
【0023】[下層非記録層用分散液組成] 無機粉末: 下記表1の特性を有する針状α−酸化鉄 100部 結合剤: 塩化ビニル系共重合体(平均重合度300) 8部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 8部 (重量平均分子量41200) 潤滑剤: ステアリン酸ブチル 2部 溶剤: メチルエチルケトン 70部 トルエン 70部 シクロヘキサノン 40部
【0024】
【表1】
【0025】次に、下記組成の磁性層用分散液を用いて
磁性層を下層非記録層上に設けた。 [磁性層用分散液組成] 微細強磁性粉末: 鉄−コバルト合金系メタル磁性粉 (平均長軸長0.1μm、比表面積(BET法)47.3m2/g) 100部 結合剤: ポリエステル系ポリウレタン樹脂(重量平均分子量41200) 8部 塩化ビニル系共重合体(平均重合度350) 10部 無機粉末(研磨剤): α−アルミナ 3部 (粒径200nm、比表面積(BET法)11.1m2/g) 潤滑剤: ステアリン酸 1部 ステアリン酸ブチル 2部 溶剤: メチルエチルケトン 20部 トルエン 20部 シクロヘキサノン 10部
【0026】前記の微細強磁性粉末、結合剤、無機粉
末、潤滑剤をニーダーで混練処理を施し、さらにメチル
エチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンで希釈した
後、サンドミル分散し、磁性層用分散液とした。さらに
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロ
ネートL」)4部添加し攪拌後、下層非記録層上に所定
の厚さになるよう、同時もしくは逐次に塗布した。その
後、磁場配向処理をおこない、乾燥させて巻き取りし
た。さらにカレンダー処理を施し、硬化処理してから下
記組成のバックコート層用分散液へポリイソシアネート
(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)10部
を添加し、磁性層とは反対側のフィルム面に塗布し、
0.6μm厚となるようにバックコート層を形成した。
【0027】 [バックコート層用分散液組成] 無機粉末: カーボンブラック(粒径40nm、DBP吸油量112.0ml/100g) 100部 結合剤: ポリエステル系ポリウレタン樹脂(重量平均分子量71200) 13部 フェノキシ樹脂(平均重合度100) 43部 ニトロセルロース樹脂(平均重合度90) 10部 溶剤: メチルエチルケトン 500部 トルエン 500部
【0028】このようにして得られた広幅テープを8m
m幅にスリットし、研磨テープ(緑色炭化珪素SiC、
粒度=0.5、1.0、2.0、3.0または5.0μ
m)により表面処理を施し、これを8mmビデオカセッ
トに組み込み、サンプルとした。
【0029】表面処理の方法を次に示す。すなわち、直
径3cmのステンレス円柱の円弧部に、研磨テープを、
研磨面が表になるように配し、3cm/分にて長手方向
に走行させる。走行している研磨テープの研磨面に、サ
ンプルの記録面を接触させ、かつサンプルを研磨テープ
長手方向とサンプル長手方向が一致するように配し、研
磨テープの走行方向と同一方向に200m/分にて走行
させ、サンプルの表面処理を行った。なお、サンプルと
研磨テープとの接触角度は120°とし、表面処理時の
サンプル張力を80g重に維持した。このようにして作
成された磁気記録テープ(サンプル)について、表面形
状、低速動摩擦係数、電磁変換特性(C/N)、走行信
頼性およびヘッド摩耗量を測定した。各測定法は以下の
とおりである。
【0030】[表面形状測定]サンプルにおける磁性層
および非磁性支持体の平均中心面を、光干渉型非接触式
の3次元表面粗さ計(菱化システム社製、商品名SXM
550N−AS50)を用い、範囲100μm×100
μmの領域を分解能約0.1μm、カットオフなしの条
件で求めた。その後、平均中心面から0.01μm以上
の突起部の占める面積(前記Ps/Pallおよび前記Pb
/Pall)を、前記の光干渉型非接触式の3次元表面粗
さ計を用いて算出した。
【0031】[低速動摩擦測定]各テープを30cmず
つ裁断しサンプルとした。各サンプルに対し、摩擦測定
機を使用し、25℃、50%RHの環境下で低速動摩擦
測定を行った。前記摩擦測定機は、水平に往復運動可能
なストリングゲージと、摺動摩擦を発生する対象である
直径5mmのSUS304の円柱を水平に有する構造を
もつ。前記ストリングゲージにサンプルの一端部を接着
し、前記SUS304の円柱にサンプルの磁性面が触れ
るようにサンプルを配し、サンプルの他端部に20gの
分銅を接着させ、分銅は鉛直に垂らした。続いて、前記
ストリングゲージを毎秒1cmの速度で振幅15cmの
往復運動を行わせ、その際のストリングゲージにかかる
負荷から摩擦係数を測定した。
【0032】[電磁変換特性]各テープは記録ヘッド
(MIG、ギャップ0.15μm)を取り付けた固定電
特機を用い、波長0.5μmの信号を記録後、再生ヘッ
ドに積層アモルファスヘッド(ギャップ0.2μm)を
用い再生して測定を行った。また各単一周波数の出力お
よび再生された信号から±2MHzのところをノイズレ
ベルとした際のC/N特性を調べた。その際、例5を基
準テープとし、C/Nを0dBとした。また、同様に磁
気抵抗(MR)型ヘッドを用いた場合の結果も併せて示
す(表4の例18〜19)。なお、MR型ヘッドを用い
た試験では基準テープを例19に設定した。
【0033】[走行信頼性]各テープを8mmビデオカ
ートリッジに各120m組み込んだものをサンプルとし
た。各サンプルをソニー社製ビデオデッキ(WV−TW
1)を使用し、25℃、50%RHの環境下で7MHz
の単一波長を全長記録し、その後、全長再生を繰り返し
25回行った。この再生時に完走したものを○、完走で
きなかったものを×とした。
【0034】[ヘッド摩耗量測定]各テープを8mmビ
デオカートリッジに各120m組み込んだものをサンプ
ルとした。各サンプルをソニー社製ビデオデッキ(WV
−TW1)を使用し、25℃、50%RHの環境下で走
行させた。なお、測定に使用したドライブはヘッド摩耗
の観察を容易にすべく、改造を施した。走行は全長走行
とし、テープ終端部に達した時点で巻き戻しを行い、テ
ープ始端部から再び全長走行を繰り返し行った。この繰
り返しを各サンプルに対し、延べ1000時間行った後
に、ドライブのヘッドの摩耗量を測定した。ヘッド摩耗
量の測定にはレーザー干渉計(光源:波長633nmの
He−Neレーザー、分解能は0.1μm)を用い、テ
ープ走行前後のヘッド高さの差異を摩耗量とした。な
お、ヘッド基準点としたヘッド長手端部を仮定し、ここ
からギャップ近傍までの鉛直差異をヘッド高さとした。
また磁気抵抗効果(MR)型ヘッドにおける摩耗量確認
のために、再生ヘッドを磁気抵抗効果(MR)型ヘッド
に置き換えた場合における特性を表4に示した。
【0035】得られた結果を、各層の厚さの設定値、下
層非記録層に用いた無機粉末の種類、用いた研磨テープ
の粒度、Ps/Pall値、およびPb/Pall値とともに表
2〜4に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、低いヘッド摩耗特性を
有するとともに走行耐久性に優れた磁気記録媒体が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…磁気記録媒体、2…非磁性支持体、3…下層非記録
層、4…磁性層
フロントページの続き (72)発明者 関口 昇 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BA19 CA05 CB07 DA04 EA01 FA02 FA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一方または両面に、強磁
    性粉末が結合剤中に分散した厚さ0.3μm以下の磁性
    層が少なくとも設けられている磁気記録媒体において、
    前記磁性層が下記の特性を満足することを特徴とする磁
    気記録媒体。 磁性層の特性:磁性層表面の平均中心面から0.01μ
    m以上の突起部が占める面積をPsとし、測定面積をPa
    llとした時、0.03≦Ps/Pall≦0.15
  2. 【請求項2】 前記非磁性支持体が下記の特性を満足す
    ることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。 非磁性支持体の特性:非磁性支持体における磁性層形成
    面の平均中心面から0.01μm以上の突起部が占める
    面積をPbとし、測定面積をPallとした時、Pb/Pall
    ≦0.20
  3. 【請求項3】 前記磁性層と前記非磁性支持体の間に、
    非強磁性粉末を含む下層非記録層が設けられ、該下層非
    記録層の厚さが0.2μm以上であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記下層非記録層に含まれる非強磁性粉
    末の平均長軸長が0.3μm以下であることを特徴とす
    る請求頃3に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 非磁性支持体の一方または両面に、強磁
    性粉末が結合剤中に分散した厚さ0.3μm以下の磁性
    層が少なくとも設けられ、前記磁性層が下記の特性を満
    足する磁気記録媒体と、磁気抵抗効果(MR)型再生ヘ
    ッドとを備えたことを特徴とする磁気記録システム。 磁性層の特性:磁性層表面の平均中心面から0.01μ
    m以上の突起部が占める面積をPsとし、測定面積をPa
    llとした時、0.03≦Ps/Pall≦0.15
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