JP4335093B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
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また、磁気テープには、一般に、非磁性支持体上に、磁性粉末を結合剤樹脂や有機溶剤等とともに分散混合して調製される磁性塗料を塗布してなる、少なくとも1層の磁性層を最表面に設けた塗布型磁気テープや、非磁性支持体上に、強磁性金属またはそれらの合金等を真空蒸着等により少なくとも1層の磁性層を設け、その最表面に保護層や潤滑層を設けた、蒸着型磁気テープ等がある。
特に、データバックアップ用テープの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり数200GB以上の記録容量を持つ磁気テープが商品化されている。また、1TBを超える大容量バックアップテープが提案されており、その高記録密度化は不可欠である。
磁性粉末の改良に関しては、主として、短波長記録に対応するため、微粒子化と共に、磁気特性の改善が図られており、平均粒子径が100nm以下の針状の金属磁性粉末(特許文献1)、50nm以下の板状の六方晶フェライト磁性粉末(特許文献2)、50nm以下の球状ないし楕円状の希土類−鉄−ホウ素系磁性粉末(特許文献3〜7)を用いた各磁気記録媒体が提案されている。また、短波長記録時の減磁による出力低下を防止するために、年々、高保磁力化が図られている。
このため、磁性層を薄層化する場合、非磁性支持体と磁性層との間に非磁性層(以下、非磁性下塗層、下塗層ともいう)を設け、この非磁性層が湿潤状態にあるうちに上層磁性層を塗布する、いわゆる同時重層塗布方式が提案されている(例えば、特許文献1)。
ところが、このMR型ヘッドは、磁気誘導型ではあまり問題にならなかった磁性層表面の微小な凹凸とMR素子との衝突によりノイズ(サーマルノイズ)が発生しやすいため、従来以上に磁性層表面の粗さを制御する必要がある。
バック層は、通常、塗布によって作製されるので、以下、バックコート層と称するが、本発明は蒸着等塗布以外の方法で作製されるバック層を排除するものではない。
磁性層やバックコート層の表面粗さに関しては、例えば、磁性層の中心線表面粗さを1〜5nmとすると共に、バックコート層の中心線表面粗さを2〜8nmとしたことを特徴とする磁気記録媒体(特許文献8)や、磁性層が形成されている面とは反対側の面の表面粗度Rab と磁性層が形成されている面の表面粗度Rat との比Rat /Rab を0.45〜0.60(Rab/Ratを1.7〜2.2)としたことを特徴とする磁気記録媒体(特許文献9)等が提案されており、表面粗さに注目している。
このように、従来技術では、磁気テープに近年要求されている、優れた電磁変換特性と優れた走行耐久性とを同時に確保することが困難となってきている。
以下に、磁気テープを例に説明するが、本発明は幅広の磁気シートなどの磁気テープ以外の磁気記録媒体を排除するものではない。
すなわち、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と、非磁性支持体の一方の面に磁性粉末と結合剤樹脂とを含んでなる少なくとも1層の磁性層を有し、非磁性支持体の他方の面にバック層を有し、最上層磁性層の磁性粉末の平均粒子径が20nm以下(より好ましくは15nm未満)で粒子形状が略粒状である磁気記録媒体であって、前記最上層磁性層の最大凸量Pmが21nm未満で、前記バック層の最大凸量Pbが110〜300nmであり、かつ前記最上層磁性層の最大凸量Pmとバック層の最大凸量Pbとの比Pb/Pmが5〜20であることを特徴とする。
以上のように、本発明の略粒状磁性体を使用すれば、ノイズ(N)が低くなるので最上層磁性層を平滑にすれば、高い再生出力ノイズ比(C/N)が得られる。しかし、磁気記録媒体の実用化のためには、C/Nと共に、走行耐久性も重要である。
これに対して、平均粒子径が20nm以下(特に、15nm未満)の略粒状の磁性粉末を使用した本発明の磁気記録媒体では、意外なことに、バック層の凹凸が磁性層に転写されにくいことを見出し、本発明に至った。
すなわち、磁性層に平均粒子径の小さな略粒状の磁性粉末を含ませると、略粒状の磁性粉末が磁性層中に最密充填され、磁性粉末の充填密度が極めて高くなり、磁性層が緻密で硬くなる。その結果、バック層の凹凸が磁性層に転写されにくくなる。略粒状の磁性粉末が磁性層中に最密充填することの効果は、平均粒子径が20nm以下、特に15nm未満で、かつ粒子が球または正多面体に近いほど顕著である。
平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した20万倍の写真から粒子径を実測し、150個の平均値により求めたものである。なお、本発明でいう粒子径は、個々の磁性粒子の最大さしわたし径である。
一般に、磁気記録媒体の磁性塗膜を形成する際には、磁性粉末を配向させる工程が設けられる。粒子形状が針状や板状等の磁性粉末を使用すると、配向処理をしても配向しない磁性粉末があり、配向しない磁性粉末は配列を乱す形になって磁性粉末の充填性を低下させる。これに対し、磁性粉末の粒子形状が球状の場合、配向による充填構造の乱れが生じにくいので、上述のように高い充填度の塗膜が得られる。
本発明においては、2未満の針状比や板状比を有する針状磁性粉末や板状磁性粉末と、軸比が2未満の略球状磁性粉末・略正多面体磁性粒子とを総称して、略粒状の磁性粉末と称する。これらの略粒状の磁性粉末のうち、軸比が1.5未満の略球状磁性粉末は、特に充填密度が高くなるので、より好ましい。
最上層磁性層およびバック層に凹凸が存在することについては、よく知られていることであるが、従来技術では、バック層の中心線平均表面粗さ、最上層磁性層の中心線平均表面粗さの個別の値(特許文献9)や、バック層の中心線平均表面粗さと最上層磁性層の中心線平均表面粗さとの比(特許文献8)が注目されていた。
このため、深い凹部が多い場合には、本来の凸量や最大凸量が小さくても中心線平均表面粗さは大きくなる。逆に、浅い凹部が多い場合には、本来の凸量や最大凸量が大きくても中心線平均表面粗さは小さくなる。
したがって、中心線平均表面粗さは、最上層磁性層の最大凸量や、バック層の最大凸量を示す尺度ではない。つまり、中心線平均表面粗さは、本発明の課題を解決させるための尺度として、不十分である。
最大凸量が通常の凸量や凹量に比べて重要な理由は、最大凸部が直接に対象物と接触するからである。例えば、バック層の最大凸部は、磁気テープ等をリール等に巻き込む際、最上層磁性層と接触するので、バック層の最大凸量が最上層磁性層の最大凸量に比べて極端に大きい場合(Pb/Pmが20を超える場合)には、最上層磁性層に上記凸部が転写されて電磁変換特性に悪影響を与えることになる。
また、走行する際には、バック層の最大凸部がガイドローラと接触するので、バック層の最大凸量が最上層磁性層の最大凸量に比べて極端に小さい場合(Pb/Pmが5未満)には、ガイドローラとバック層との摩擦が大きくなりすぎて、走行が不安定になり、走行耐久性が悪くなる。また、走行が不安定になると電磁変換特性も低下する。
また、最上層磁性層の最大凸量Pmが25nm未満であることが好ましい。最上層磁性層の最大凸量Pmが25nm以上であると、磁性層と磁気ヘッドとの間のスペーシングロスが大きくなり、その結果、出力が低下するからである。
本発明におけるバック層および最上層磁性層の各最大凸量は、ZYGO社製の汎用三次元表面構造解析装置「NewView5000」による走査型白色光干渉法にて、測定視野を350μm×260μm、Z軸方向の走査長を5μmで測定したときの、各凹凸の中心値と各最大凸部高さとの差をいい、測定視野数を20箇所とし、各視野での最大凸量の平均値をいう。
なお、非磁性支持体の最大凸量を設定するには、例えば、非磁性支持体に含ませる滑剤粒子の平均粒子径の大きさを調節すればよい。
鏡面化処理条件を変えて、最上層磁性層とバック層の最大凸量をコントロールする場合は、2段階処理を行う。例えば、初めに最上層磁性層側の塗膜を形成して強い条件で鏡面化処理を行い、ついでバック層を形成して弱い条件で鏡面化処理を行う。
<LBT処理>
磁気テープを走行させながら、磁性層表面をラッピングテープ研磨、ブレード研磨、さらに表面拭き取りの後処理を行う方法である。通常、ラッピングテープ(研磨テープ)にはK10000、ブレードには超硬刃、表面拭き取りには東レ社製トレシーを、それぞれ用い、走行テンションは30gである。
(イ)ラッピング処理:研磨テープ(ラッピングテープ)を、回転ロールにより磁気テープの送り方向と反対方向に移動させ、ガイドブロックによって押さえることにより、磁気テープの磁性層の表面と接触させる。通常、磁気テープ巻き出しテンションは100g、研磨テープのテンションは250gである。
(ロ)ロータリーホイール処理:幅1インチ(25.4mm)、直径60mm、溝幅2mmの空気抜き用溝付アルミ製ロータリホイールを磁気テープの送り方向と反対方向に回転(回転速度は、例えば、1,100rpm)させて、磁性層に対して接触角度90度で接触させることにより、磁性層の表面処理を行う。
(ハ)ティシュ処理:不織布(例えば、東レ社製の不織布トレシー)を、磁気テープ送り方向と反対方向に送り(例えば、14.0mm/分の速度)、回転棒で各々バック層および磁性層の表面に押し当てて、これらの表面に対するクリーニング処理を行う。
非磁性支持体の厚さは、用途によって異なるが、通常、1.5〜11.0μmのものが使用される。より好ましくは2.0〜7.0μm、最も好ましくは2.0〜6.0μmである。この範囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは、1.5μm未満では製膜が難しく、またテープ強度が小さくなり、11.0μmを超えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当りの記録容量が小さくなるためである。
非磁性支持体の長手方向のヤング率は5.8GPa(590kg/mm2 )以上が好ましく、7.1GPa(720kg/mm2 )以上がより好ましく、7.8GPa(800kg/mm2 )以上が最も好ましい。非磁性支持体の長手方向のヤング率が5.8GPa(590kg/mm2 )以上がよいのは、長手方向のヤング率が5.8GPa(590kg/mm2 )未満では、テープ走行が不安定になるためである。
さらに、リニアレコーディングタイプでは、長手方向のヤング率/幅方向のヤング率は、理由は明らかではないが、0.70〜1.30が好ましい。
上記したような特性をすべて満足する非磁性支持体としては、二軸延伸のポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリエチレンナフタレートフイルム、芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
磁気記録媒体の短波長記録特性の向上のため、磁性層の厚さを0.5μm以下にする場合には、非磁性層(下塗層)を設けるのが好ましい。
非磁性層の厚さは、0.2μm以上、1.0μm未満が好ましく、0.8μm以下がより好ましい。この範囲が好ましいのは、0.2μm未満では磁性層の厚さむら低減効果、耐久性向上効果が小さくなり、また1.0μm以上では磁気テープの全厚が厚くなりすぎてテープ1巻当りの記録容量が小さくなるためである。
非磁性粉末の粒子形状は、球状、板状、針状、紡錘状のいずれでもよいが、針状、紡錘状の場合は、通常、長軸長50〜200nm、短軸長5〜100nmのものが好ましい。また、板状の場合は、平均粒子径が10〜100nmであるのが好ましく、その成分は、セリウムなどの希土類元素、ジルコニウム、珪素、チタン、マンガン、鉄等の元素の酸化物または複合酸化物が用いられる。
また、非磁性層には、必要に応じて、粒子径0.01〜0.1μmのカーボンブラック、粒子径0.05〜0.5μmの酸化アルミニウムを補助的に含有させることが多い。非磁性層を平滑にかつ厚みムラを少なくするには、上記非磁性粒子およびカーボンブラックは特に粒度分布がシャープなものを用いるのが好ましい。なお、非磁性層に使用する結合剤樹脂は、後述する磁性層と同様のものを用いることができる。
磁性層は、少なくとも上記の非磁性層(下塗層)を介して設けられる記録層としての最上層磁性層からなるが、この最上層磁性層のほかに、例えば、記録層以外の目的で上記の非磁性層の下側(内側)に別の磁性層を形成することもできる。
最上層磁性層の厚さは、10nm以上100nm未満が好ましい。10nm未満では、得られる出力が小さく、また均一な磁性層を塗布するのが困難であり、また100nm以上では、自己減磁や厚み損失が大きくなりすぎ、短波長記録再生特性が悪くなる。
最上層磁性層の記録方向の保磁力は、160〜400kA/mが好ましく、200〜350kA/mがより好ましく、210〜320kA/mがさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、160kA/m未満では記録波長を短くすると反磁界減磁で出力低下が起こり、400kA/mを超えると磁気ヘッドによる記録が困難になるためである。
ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン樹脂などがある。
このような結合剤樹脂が好ましい理由は、磁性粉末等の分散性が向上するためである。2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも、−SO3 M基同士の組み合わせとするのが好ましい。
また、上記の結合剤樹脂と共に、結合剤樹脂中に含まれる官能基等と結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を併用するのが好ましい。
これらの架橋剤は、結合剤樹脂100重量部あたり、通常1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部の割合で用いられる。非磁性層(下塗層)の上にウエット・オン・ウエットで磁性層を塗布する場合には、下塗塗料からある程度のポリイソシアネートが拡散供給されるので、ポリイソシアネートを併用しなくても磁性層はある程度架橋される。
上記した熱硬化性の結合剤樹脂の代わりに、放射線硬化性樹脂を用いてもよい。放射線硬化性樹脂には、上記の熱硬化性樹脂をアクリル変性して放射線感応性二重結合を持たせたものや、アクリルモノマー、アクリルオリゴマーが用いられる。
強磁性鉄系金属磁性粉末には、Mn、Zn、Ni、Cu、Co等の遷移金属を合金として含ませてもよい。その中でも、Co、Niが好ましく、特にCoは飽和磁化を最も向上できるので、好ましい。上記の遷移金属元素の量としては、鉄に対して、5〜50原子%とするのが好ましく、10〜30原子%とするのがより好ましい。
また、イツトリウム、セリウム、イツテルビウム、セシウム、プラセオジウム、サマリウム、ランタン、ユーロピウム、ネオジム、テルビウム等から選ばれる少なくとも1種の希土類元素を含ませてもよい。その中でも、セリウム、ネオジムとサマリウム、テルビウム、イツトリウムを用いたときに、特に高い保磁力が得られるため、好ましい。希土類元素の量は、鉄に対して、0.2〜20原子%、好ましくは0.3〜15原子%、より好ましくは0.5〜10原子%である。
窒化鉄磁性粉末としては、公知のものを用いることができる(参考特許:WO03/079333A1号公報)。
また、これらの強磁性粉末のBET比表面積としては、35m2 /g以上であるのが好ましく、40m2 /g以上であるのがより好ましく、50m2 /g以上であるのが最も好ましい。通常は、100m2 /g以下であるのがよい。
さらに、強磁性鉄系金属磁性粉末や窒化鉄磁性粉末を、Al,Si,P,Y,Zr化合物またはこれらの酸化物で表面処理すると、分散性が向上するので、好ましい。
六方晶Ba−フエライト磁性粉末の保磁力は、最上層磁性層の記録方向の保磁力が160〜400kA/mになる保磁力が好ましく、飽和磁化量は、40〜70A・m2 /kg(40〜70emu/g)であるのが好ましい。六方晶Ba−フエライト磁性粉末のBET比表面積は、1〜100m2 /gであるのが好ましい。
なお、これら磁性粉末の磁気特性は、いずれも試料振動形磁束計で外部磁場1273.3kA/m(16kOe)での測定値をいうものである。
また、これらの磁性粉末の軸比(長軸長/短軸長もしくは板径/板厚さ)は、1以上2未満であるのが好ましく、1以上1.5以下であるのがより好ましく、1以上1.5未満であるのがさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、磁場配向したときに磁性粉末が最密充填され、塗膜の充填度が高くなるためである。
また、磁性層には、必要に応じて、導電性向上と表面潤滑性向上を目的に、従来公知のカーボンブラックを添加してもよい。このカーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を用いられる。これらのカーボンブラックは、平均粒子径が3〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が3nm未満になるとカーボンブラックの分散が難しくなり、また100nmを超えると導電性向上のために多量のカーボンブラックを添加する必要があり、いずれの場合も、表面が粗くなり、出力低下の原因になるためである。なお、必要に応じて、平均粒子径の異なるカーボンブラックを2種類以上併用してもかまわない。
本発明の磁気テープを構成する非磁性支持体の他方の面(磁性層が形成されている面とは反対側の面)には、走行性の向上等を目的として、バック層が設けられる。バック層に磁性があると、磁気記録層の磁気信号が乱れる場合があるので、通常、バック層は非磁性である。バック層の形成方法には、蒸着法、スパッタ法、CVD法、塗布法等があるが、通常、塗布法で形成したバックコート層が使用される。
バックコート層の厚さは、0.2〜0.8μmが好ましい。この範囲が好ましいのは、0.2μm未満では走行性向上効果が不十分となり、0.8μmを超えるとテープ全厚が厚くなり、1巻当たりの記録容量が小さくなるためである。
バックコート層に含ませるカーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。通常、小粒子径カーボンブラックと大粒子径カーボンブラックを併用するのが好ましい。小粒子径カーボンブラックと大粒子径カーボンブラックとの合計の添加量は、無機粉体重量を基準にして、60〜98重量%が好ましく、70〜95重量%がより好ましい。
大粒子径カーボンブラックとして、小粒子径カーボンブラックの5〜15重量%、平均粒子径200〜400nmの大粒子径カーボンブラックを使用すると、バックコート層の最大凸量Pbを制御することができ、走行性向上効果も大きくなる。
バックコート層として、このような値の最大凸量Pbを得るためには、例えば、バックコート層を構成するカーボンブラック、非磁性粉末の平均粒子径や、結合剤樹脂、バックコート層塗料の分散時間、非磁性支持体の表面形状等を、それぞれコントロールすること等、従来公知の方法を用いることができる。
導電性改良の目的で、平均粒子径が10〜100nmの板状炭素性粉末や、平均粒子径が10〜100nmの板状ITO粉末などを添加してもよい。また、必要に応じて、平均粒子径が0.1〜0.6μmの粒状酸化鉄粉末を添加してもよい。添加量としては、バックコート層中の全無機粉体の重量を基準にして、2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。また、平均粒子径が0.1〜0.6μmのアルミナを添加すると、耐久性がさらに向上するので、好ましい。
結合剤樹脂の含有量は、カーボンブラックと前記無機非磁性粉末との合計量100重量部に対して、通常40〜150重量部、好ましくは50〜120重量部、より好ましくは60〜110重量部、さらに好ましくは70〜110重量部である。
結合剤樹脂が過少では、バックコート層の強度が不十分となり、過多となると、摩擦係数が高くなりやすい。結合剤樹脂として、セルロース系樹脂を30〜70重量部、ポリウレタン系樹脂を20〜50重量部使用するのが最も好ましい。
なお、バックコート層を架橋硬化させるために、磁性層や非磁性層と同様の電子線硬化性樹脂を架橋剤として使用することもできる。
潤滑剤としては、バックコート層中の全非磁性粉末に対して、0.5〜3.0重量%の脂肪酸アミド、0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸エステル、0.5〜5.0重量%の高級脂肪酸を含有させるのが好ましい。
磁性層、非磁性層には、磁性層、非磁性層に含まれるそれぞれ全粉体に対して、0.5〜3.0重量%の脂肪酸アミドを含有させのが好ましく、また0.5〜5.0重量%の高級脂肪酸を含有させるのが好ましく、さらに0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸エステルを含有させるのが好ましい。
上記範囲の脂肪酸アミドの添加が好ましいのは、0.5重量%未満ではヘッド/磁性層界面での直接の接触が起こりやすく焼付き防止効果が小さく、3.0重量%を超えるとブリードアウトしてドロップアウトなどの欠陥が発生するおそれがあるからである。また、上記範囲の高級脂肪酸の添加が好ましいのは、0.5重量%未満では摩擦係数低減効果が小さく、5.0重量%を超えると非磁性層が可塑化して強靭性が失われるおそれがあるからである。さらに、上記範囲の高級脂肪酸エステルの添加が好ましいのは、0.2重量%未満では摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を超えると磁性層への移入量が多すぎるため、テープとヘッドが貼り付く等の副作用を生じるおそれがあるからである。
また、非磁性層、磁性層に潤滑剤を含ませるには、各層形成用の塗料中に潤滑剤を添加する方法のほか、非磁性層、磁性層の形成後に、潤滑剤または潤滑剤を含む溶液を浸漬ないし噴霧する等、種々の方法を採用することができる。
非磁性層、磁性層に含ませる非磁性粉末、カーボンブラック、磁性粉末などの粉体は、結合剤樹脂との分散性を良くするために、適宜の分散剤で表面処理することができる。また、上記各粉体を含む非磁性層、磁性層を形成するための塗料中に適宜の分散剤を添加してもよい。分散剤は、いずれの層においても、結合剤樹脂100重量部に対して、通常、0.5〜20重量部の範囲で使用するのが望ましい。
また、上記脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩からなる金属石鹸、上記脂肪酸のアミド、上記脂肪酸のエステル又はこれにフッ素を含ませた化合物、ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエチレン、プロピレン等)、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、銅フタロシアニン等、従来公知の分散剤を使用できる。これらは、単独でも組み合わせて使用してもよい。
非磁性塗料、磁性塗料、バックコート塗料に使用する有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で又は混合して使用され、さらにトルエン等と混合して使用される。
本発明の磁気記録媒体の製造において、磁性層およびバックコート層を表面処理する際に、エージング処理条件や鏡面化処理条件をコントロールすることにより、磁性層およびバックコート層の最大凸量を制御することができる。
各塗料の塗布後のエージング処理は、40℃以上100℃以下の雰囲気下が好ましく、60℃以上80℃以下の雰囲気下がより好ましい。エージング処理の温度が40℃未満では、生産効率が低下したり塗膜の架橋率の低下により剛性が不足しやすく、また100℃を超えると、媒体の熱変形が大きくなる。
エージング処理の時間は、20時間以上100時間以下が好ましく、48時間以上80時間以下がより好ましい。エージング処理の時間が20時間未満では、塗膜の架橋率が不足してしまい、100時間を超えると、生産効率が低下する。
鏡面化処理の温度は、50℃以上150℃以下とするのが好ましく、90℃以上110℃以下とするのがより好ましい。鏡面化処理の温度が50℃未満では、塗膜中の研磨剤の充填性が低下して塗膜の剛性が不足してしまい、また150℃を超えると、ロールへ塗膜成分が付着してロール汚れが増大しやすい。
鏡面化処理の際の線圧は、98〜270kN/mの範囲が好ましく、160kN/m以上、230kN/m以下の範囲がより好ましい。
(1)成分
酸化鉄粉末(平均粒子径:0.11μm) 68部
粒状アルミナ粉末(平均粒子径:70nm) 8部
カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 24部
ステアリン酸 2.0部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 8.8部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部
(Tg:40℃、含有−SO3 Na基:1×10-4当量/g)
シクロヘキサノン 25部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 10部
(2)成分
ステアリン酸 1部
ステアリン酸ブチル 1部
シクロヘキサノン 70部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 20部
(3)成分
ポリイソシアネート 1.4部
シクロヘキサノン 10部
メチルエチルケトン 15部
トルエン 10部
(1)混練工程成分
磁性粉末(Y−N−Fe) 100部
(Y/Fe:5.5at%、
N/Fe:11.9at%、
σs:103A・m2 /kg(103emu/g)、
Hc:211.0kA/m(2,650Oe)、
平均粒子径:17nm、軸比:1.1)
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 13部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂(PU) 4.5部
(含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)
粒状アルミナ粉末(平均粒子径:80nm) 10部
メチルアシッドホスフェート(MAP) 2部
テトラヒドロフラン(THF) 20部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 9部
(2)希釈工程成分
パルミチン酸アミド(PA) 1.5部
ステアリン酸n−ブチル(SB) 1部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 350部
(3)配合工程成分
ポリイソシアネート 1.5部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 29部
これとは別に、上記の最上層磁性塗料成分において、(1)混連工程成分をあらかじめ高速混合しておき、その混合粉末を連続式2軸混練機で混練し、これに、(2)希釈工程成分を加えて、連続式2軸混練機で少なくとも2段階以上に分けて希釈を行い、サンドミルで滞留時間を45分として分散し、これにさらに、(3)配合工程成分を加えて、攪拌、ろ過したのち、最上層磁性塗料を調製した。
この磁気シートは、最上層磁性層の長手方向の保磁力が263kA/m、角形が0.81、Br・δが0.018μTmであった。
カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 80部
カーボンブラック(平均粒子径:350nm) 10部
α−酸化鉄(平均粒子径:100nm) 10部
ニトロセルロース 45部
ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基含有) 30部
シクロヘキサノン 260部
トルエン 260部
メチルエチルケトン 525部
このようにして得た磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダで、温度120℃、線圧196kN/mの条件で鏡面化処理し、磁気シートをコアに巻いた状態で70℃にて72時間エージングし、バック層付き磁気シートを得た。
なお、このバック層付き磁気シートの作製に使用した前記の非磁性支持体(芳香族ポリアミドフィルム)は、磁性層形成側の最大凸量が29nmであり、またバックコート層形成側の最大凸量が180nmであった。
なお、スリットマシン(磁気シートを所定幅の磁気テープに裁断する装置)は、構成している各要素を下記のように改良したものを用いた。巻き出し原反からスリット刃物群に至るウェブ経路中にテンションカットローラを設け、このテンションカットローラをサクションタイプとし、吸引部は多孔質金属を埋め込んだメッシュサクションとした。刃物駆動部に動力を伝達する機構を持たないモータ直結のダイレクトドライブとした。
<バックコート層用塗料成分>
カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 80部
カーボンブラック(平均粒子径:350nm) 14部
α−酸化鉄(平均粒子径:100nm) 6部
ニトロセルロース 45部
ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基含有) 30部
シクロヘキサノン 260部
トルエン 260部
メチルエチルケトン 525部
バックコート層用塗料成分を下記のように変更した以外は、実施例2と同様にして、試験用磁気テープを作製した。
<バックコート層用塗料成分>
カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 90部
α−酸化鉄(平均粒子径:100nm) 10部
ニトロセルロース 45部
ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基含有) 30部
シクロヘキサノン 260部
トルエン 260部
メチルエチルケトン 525部
非磁性支持体を、磁性層形成側の最大凸量が29nm、バックコート層形成側の最大凸量が300nmであるものに変更し、バックコート層用塗料成分を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、試験用磁気テープを作製した。
<バックコート層用塗料成分>
カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 80部
カーボンブラック(平均粒子径:350nm) 10部
α−酸化鉄(平均粒子径:200nm) 10部
ニトロセルロース 45部
ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基含有) 30部
シクロヘキサノン 260部
トルエン 260部
メチルエチルケトン 525部
最上層磁性塗料成分およびバックコート層用塗料成分を下記のように変更した以外は、実施例2と同様にして、試験用磁気テープを作製した。
<最上層磁性塗料成分>
(1)混練工程成分
磁性粉末(Y−N−Fe) 100部
(Y/Fe:5.5at%、
N/Fe:11.9at%、
σs:103A・m2 /kg(103emu/g)、
Hc:211.0kA/m(2,650Oe)、
平均粒子径:17nm、軸比:1.1)
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 13部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂(PU) 4.5部
(含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)
粒状アルミナ粉末(平均粒子径:100nm) 10部
メチルアシッドホスフェート(MAP) 2部
テトラヒドロフラン(THF) 20部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 9部
(2)希釈工程成分
パルミチン酸アミド(PA) 1.5部
ステアリン酸n−ブチル(SB) 1部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 350部
(3)配合工程成分
ポリイソシアネート 1.5部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 29部
カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 80部
カーボンブラック(平均粒子径:350nm) 14部
α−酸化鉄(平均粒子径:100nm) 6部
ニトロセルロース 45部
ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基含有) 30部
シクロヘキサノン 260部
トルエン 260部
メチルエチルケトン 525部
磁性粉末として、磁性粉末(Ba−Fe)〔σs:51A・m2 /kg(51emu/g)、Hc:163.2kA/m(2,051Oe)、平均粒子径:24nm、軸比:2.8〕を使用すると共に、非磁性支持体を、磁性層形成側の最大凸量が29nm、バックコート層形成側の最大凸量が300nmであるものに変更した以外は、実施例1と同様にして、試験用磁気テープを作製した。
磁性粉末として、磁性粉末(Al−Y−Co−Fe)〔σs:115A・m2 /kg(115emu/g)、Hc:182.7kA/m(2,295Oe)、平均粒子径:45nm、軸比4.0〕を使用した以外は、実施例1と同様にして、試験用磁気テープを作製した。
<最上層磁性層およびバックコート層の最大凸量>
ZYGO社製の汎用三次元表面構造解析装置「NewView5000」による走査型白色光干渉法にて、測定視野を350μm×260μm、Z軸方向の走査長を5μmで測定した。各塗膜の凹凸の中心値をP0、最大凸部高さをP1としたときの(P1−P0)を最大凸量とし、磁性層およびバックコート層に関してそれぞれ測定した。なお、測定視野数を20箇所とし、各視野の最大凸量の平均値を求めた。また、磁性層およびバックコート層の中心線平均表面粗さをRaとして求めた。
磁気テープの電磁変換特性の測定には、ドラムテスターを用いた。ドラムテスターには電磁誘導型ヘッド(トラック幅25μm、ギャップ0.2μm)とMR型ヘッド(トラック幅8μm)を装着し、誘導型ヘッドで記録、MR型ヘッドで再生を行った。両ヘッドは回転ドラムに対して異なる場所に設置されており、両ヘッドを上下方向に操作することでトラッキングを合わせることができる。各試験用磁気テープを60cm切り出し、さらに、4mm幅に加工して、回転ドラムの外周に巻き付けた。
出力およびノイズは、ファンクションジェネレータにより矩形波を記録電流電流発生器に入力制御し、波長0.2μmの信号を書き込み、MR型ヘッドの出力をプリアンプで増幅後、スペクトラムアナライザーに読み込んだ。0.2μmのキャリア値を媒体出力Cとした。また、0.2μmの矩形波を書き込んだときに、記録波長0.2μm以上に相当するスペクトルの成分から、出力およびシステムノイズを差し引いた値の積分値をノイズ値Nとして用いた。さらに両者の比をとってC/Nとし、比較例5の試験用磁気テープの値との相対値を求めた。
走行耐久性を評価するために、エラーレート測定を行った。カンタム社製の「DLT7000ドライブ」を使用して、室温環境下で全長かつ全トラックを300時間連続で走行させ、ドライブが出力するエラー情報をRS−232Cインターフェース経由で読みとり、記録容量1MB当たりのエラー数として評価した。
┌──────────┬────┬────┬────┬────┐
│ │実施例1│実施例2│実施例3│実施例4│
├────┬─────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │
│ │平均粒子径│ 17 │ 17 │ 17 │ 17 │
│ │ (nm)│ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│磁性粉末│粒子形状 │略粒状 │略粒状 │略粒状 │略粒状 │
│ │ │(球状)│(球状)│(球状)│(球状)│
│ │ │ │ │ │ │
│ │軸 比 │ 1.1│ 1.1│ 1.1│ 1.1│
│ │ │ │ │ │ │
├────┴─────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│磁性層Pm (nm)│ 12 │ 20 │ 21 │ 16 │
│ │ │ │ │ │
│バックコート層Pb │ 168│ 180│ 110│ 300│
│ (nm)│ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│Pb/Pm │14.0│ 9.0│ 5.2│19.2│
│ │ │ │ │ │
├──────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│磁性層Ra (nm)│ 2.5│ 4.0│ 3.8│ 3.2│
│ │ │ │ │ │
│バックコート層Ra │11.5│13.0│ 9.2│16.8│
│ (nm)│ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
├──────────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │
│C/N (dB)│ 2.8│ 2.2│ 2.0│ 2.6│
│ │ │ │ │ │
│初期エラーレート │ 14 │ 15 │ 15 │ 18 │
│ (個/MB)│ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│走行後エラーレート │ 12 │ 14 │ 20 │ 19 │
│ (個/MB)│ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
└──────────┴────┴────┴────┴────┘
┌──────────┬────┬────┬────┬────┬────┐
│ │比較例1│比較例2│比較例3│比較例4│比較例5│
├────┬─────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │ │
│ │平均粒子径│ 17 │ 17 │ 17 │ 24 │ 45 │
│ │ (nm)│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │ │
│磁性粉末│粒子形状 │略粒状 │略粒状 │略粒状 │略粒状 │ 針状 │
│ │ │(球状)│(球状)│(球状)│(板状)│ │
│ │ │ │ │ │ │ │
│ │軸 比 │ 1.1│ 1.1│ 1.1│ 2.8│ 4.0│
│ │ │ │ │ │ │ │
├────┴─────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │
│磁性層Pm (nm)│ 25 │ 15 │ 40 │ 12 │ 15 │
│ │ │ │ │ │ │
│バックコート層Pb │ 80 │ 340│ 300│ 300│ 210│
│ (nm)│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│Pb/Pm │ 3.2│23.4│ 7.5│25.0│14.0│
│ │ │ │ │ │ │
├──────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │
│磁性層Ra (nm)│ 5.0│ 3.0│ 8.2│ 2.4│ 2.8│
│ │ │ │ │ │ │
│バックコート層Ra │ 7.8│18.6│16.5│14.2│10.8│
│ (nm)│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
├──────────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│ │ │ │ │ │ │
│C/N (dB)│ 1.7│ 2.4│ 1.3│ 1.6│ 0 │
│ │ │ │ │ │ │
│初期エラーレート │ 16 │ 25 │ 20 │ 24 │ 23 │
│ (個/MB)│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
│走行後エラーレート │ 34 │ 29 │ 26 │ 26 │ 36 │
│ (個/MB)│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │
└──────────┴────┴────┴────┴────┴────┘
図1に、磁性層の最大凸量Pm、バックコート層の最大凸量Pbと初期エラーレートとの関係を示す。図1には、磁性層に平均粒子径が17nmで粒子形状が略粒状(球状)である磁性粉末を用い、得られた試験用磁気テープのPm、Pbをそれぞれプロットし、初期エラーレート値を各ポイントに添えて示した。図から明らかなように、Pb/Pmの値が20よりも大きいときに、初期エラーレート数が多いことがわかる。
図2に、磁性層の最大凸量Pm、バックコート層の最大凸量Pbと走行後エラーレートとの関係を示す。図2には、磁性層に平均粒子径が17nmで粒子形状が略粒状(球状)である磁性粉末を用い、得られた試験用磁気テープのPm、Pbをそれぞれプロットし、走行後エラーレート値を各ポイントに添えて示した。図から明らかなように、Pb/Pmの値が5よりも小さいときに、走行後エラーレートが多いことがわかる。
以上の結果から明らかなように、本発明に係る試験用磁気テープは、電磁変換特性および走行耐久性に優れているといえる。
Claims (3)
- 非磁性支持体と、非磁性支持体の一方の面に磁性粉末と結合剤樹脂とを含んでなる少なくとも1層の磁性層を有し、非磁性支持体の他方の面にバック層を有し、最上層磁性層の磁性粉末の平均粒子径が20nm以下で粒子形状が略粒状である磁気記録媒体であって、前記最上層磁性層の最大凸量Pmが21nm未満で、前記バック層の最大凸量Pbが110〜300nmであり、かつ前記最上層磁性層の最大凸量Pmとバック層の最大凸量Pbとの比Pb/Pmが5〜20であることを特徴とする磁気記録媒体。
- 最上層磁性層の磁性粉末の平均粒子径が15nm未満である請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 最上層磁性層の磁性粉末の軸比(長軸長と短軸長との比)が1.5未満である請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
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