JPH11232634A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH11232634A
JPH11232634A JP3181798A JP3181798A JPH11232634A JP H11232634 A JPH11232634 A JP H11232634A JP 3181798 A JP3181798 A JP 3181798A JP 3181798 A JP3181798 A JP 3181798A JP H11232634 A JPH11232634 A JP H11232634A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic layer
layer
recording medium
powder
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JP3181798A
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English (en)
Inventor
Junichi Sasaki
淳一 佐々木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、平滑化された媒体表面において
も、ヘッドに付着した異物を取り除くことのできる磁気
記録媒体を提供する。 【解決手段】 本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体
上に、微細突起をその表面に有する磁性層が少なくとも
形成されてなる。そして本発明の磁気記録媒体は、上記
磁性層が形成された任意の領域において、当該領域の面
積をSとしたとき、上記非磁性支持体の表面と略平行に
上記微細突起を切断する切断面のうち、断面積の総和が
0.2×Sとなる第1の切断面と、断面積の総和が0.
8×Sとなる第2の切断面との間の距離が、5nm〜8
nmであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上に
少なくとも磁性層が形成されてなる磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、オーディオ用テープ、
ビデオテープ、バックアップ用データカートリッジ、フ
レキシブルディスク等として広く利用されている。特に
最近では、記録波長の短波長化、あるいはデジタル記録
方式等、高密度記録の検討が盛んに行われており、電磁
変換特性の優れた磁気記録媒体の開発が要求されてい
る。
【0003】このような磁気記録媒体においては、記録
再生時のスペーシングロスを最小限にする目的で磁性層
表面の平滑化が検討されている。高密度記録において
は、使用する記録波長が短いために表面の粗さの影響を
受けやすく、特に表面粗さの制御が重要である。塗布型
の磁気記録媒体において磁性層表面を平滑化する手法と
しては、一般に、含有させる粉末の分散を良化する、あ
るいはカレンダー処理などの方法が行われており、従来
より種々の検討がなされてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁性層
の表面を平滑にすると次のような欠点が生じる。ヘッド
に異物が付着している場合、磁性層表面が平滑である
と、この異物を取り除くことができないために、ヘッド
が目詰まりを起こして、信号の欠落等が発生するおそれ
もある。
【0005】本発明は上述したような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、平滑化された媒体表面におい
ても、ヘッドに付着した異物を取り除くことのできる磁
気記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、非磁性支持体上に、微細突起をその表面に有する磁
性層が少なくとも形成されてなる。そして本発明の磁気
記録媒体は、上記磁性層が形成された任意の領域におい
て、当該領域の面積をSとしたとき、上記非磁性支持体
の表面と略平行に上記微細突起を切断する切断面のう
ち、断面積の総和が0.2×Sとなる第1の切断面と、
断面積の総和が0.8×Sとなる第2の切断面との間の
距離が、5nm〜8nmであることを特徴とする。
【0007】上述したような本発明に係る磁気記録媒体
では、第1の切断面と第2の切断面との間の距離が5n
m〜8nmとなされているので、ヘッド表面の付着物を
十分に取り除くことができるとともに、スペーシングロ
スによるノイズを抑えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0009】本発明に係る磁気記録媒体の一構成例を図
1に示す。この磁気記録媒体1は、非磁性支持体2と、
非磁性支持体2上に形成された磁性層3とを有する。
【0010】非磁性支持体2としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタ
レート等のポリエステル類、ポリイミド、ポリアミドイ
ミド、ポリアラミド、アラミド等からなるフィルムが用
いられる。
【0011】磁性層3は、磁性粉末が結合剤中に分散さ
れてなる。
【0012】磁性粉末としては、磁気記録媒体の磁性粉
末として用いられている公知の磁性材料が使用でき、例
えば、酸化物磁性粉末や金属磁性粉末等が使用される。
【0013】酸化物磁性粉末としては、例えば、γ−F
23、Co含有γ−Fe23、Fe34、Co含有F
34、Co被着γ−Fe23、Co被着Fe34、C
rO2等が挙げられる。また、金属磁性粉末としては、
例えば、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、
Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe
−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−C
o−V等が挙げられる。
【0014】さらに、上述したような磁性粉末には、A
l、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn等の金属成分
やYを含む希土類元素等の添加剤を、単独あるいは2種
類以上を併用して適量添加してもよい。上述したような
添加剤を添加することで、磁性粉末還元時の焼結が防止
され、また磁性粉末の形状が維持される。また、Fe5
2等の炭化鉄、窒化鉄、六角板状の六方晶フェライト
微粒子等を添加してもよい。
【0015】このような磁性粉末は、針状であり、その
長軸長が、0.05μm以上、0.15μm以下である
ことが好ましい。磁性粉末の長軸長が0.05μmより
も小さいと磁性粉末の分散性が悪化し、磁性層3の表面
性が悪くなる。また、磁性粉末の長軸長が0.15μm
よりも大きいと、短波長記録を行ったときに、十分な特
性が得られない。
【0016】従って、磁性粉末の長軸長を0.05μm
以上、0.15μm以下とすることで、磁性粉末を安定
して分散させることができるとともに、短波長記録にお
いて十分な特性を得ることができる。
【0017】磁性層3に含有される結合剤としては、磁
気記録媒体の結合剤として用いられている公知の樹脂材
料等が使用できる。
【0018】磁性層3に含有される結合剤として具体的
には、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共
重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合
体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑
性ポリウレタン樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メ
タクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアセタール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、フェ
ノキシ樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、尿素−
ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
【0019】また、上述したような結合剤は、少なくと
もその一部に、−SO3M、−OSO3M、−COOM、
−P=O(OM)2等の極性官能基の少なくとも一つが
導入されていることが好ましい。ただし、Mは水素原子
又はアルカリ金属である。また、−OH、−SH、−C
N、NR2、NR3等の極性官能基もある。ここで、Rは
炭化水素基である。結合剤に極性官能基を導入すること
で、結合剤と磁性粉末との親和性が高まり、磁性粉末の
分散性が向上する。
【0020】結合剤は、このような極性官能基を、磁性
粉末の表面積1m2当たり0.2μmol〜0.8μm
olで含有することが好ましい。なお、これらの結合剤
は、一種類を単独で用いもよいし、複数種を混合して用
いてもよい。
【0021】また、結合剤には、分散剤、帯電防止剤、
分散剤、防錆剤又は潤滑剤等の添加剤が添加されていて
もよい。このような添加剤には、磁気記録媒体の添加剤
として使用されている公知の材料を使用することができ
る。潤滑剤としては、例えば脂肪酸や脂肪酸エステルが
用いられる。
【0022】また、磁性層3には、アルミナ等の無機粉
末を、研磨材として含有させてもよい。磁性層3に研磨
材を含有させることで、ヘッドの目詰まりを防止してド
ロップアウトをなくすとともに、磁気記録媒体1の走行
耐久性を向上することができる。
【0023】また、磁性層3には、熱硬化性樹脂や電子
線反応型硬化樹脂等の硬化性樹脂を含有させてもよい。
磁性層3に硬化性樹脂を含有させることで、磁性層3の
耐久性が向上する。このような硬化性樹脂としては、例
えば、熱硬化性樹脂としてポリイソシアネート化合物や
ポリエポキシ化合物等が挙げられる。これらの硬化性樹
脂は一種類を単独で用いてもよいし、複数種を混合して
用いてもよい。
【0024】ここで、図2は、面積がSである任意の領
域Aにおいて、磁性層3の表面を拡大して示したもので
ある。磁性層3の表面には、多数の微細突起4が存在し
ている。
【0025】領域Aにおいて、非磁性支持体の表面と略
平行な面で微細突起4を切断していくときに、微細突起
4の断面積の総和が、領域Aの面積Sの20%(以下、
相対負荷面積20%と称する。)となる面を第1の切断
面5とする。また、微細突起4の断面積の総和が、領域
Aの面積Sの80%(以下、相対負荷面積80%と称す
る。)となる面を第2の切断面6とする。
【0026】そして、磁気記録媒体1では、第1の切断
面5と第2の切断面6との間の距離hが、5nm〜8n
mであることが好ましい。
【0027】hが5nmよりも小さいと、ヘッド表面の
付着物を十分に取り除くことができず、磁気記録媒体1
の耐久性が低下してしまう。また、hが8nmよりも大
きいと、磁性層3の表面が粗くなり、ノイズが増加して
しまう。従って、hを5nm〜8nmとすることで、ヘ
ッド表面の付着物を取り除いて、磁気記録媒体1の耐久
性を向上させるとともに、電磁変換特性を良好に保つこ
とができる。
【0028】なお、磁気記録媒体1では、図3に示すよ
うに、非磁性支持体2の磁性層3が設けられた面と反対
の面にバックコート層7が形成されていてもよい。さら
に、磁気記録媒体1では、図4に示すように、非磁性支
持体2と磁性層3との間に非磁性の下塗層8が形成され
るとともに、非磁性支持体2の磁性層3が設けられた面
と反対の面にバックコート層7が形成されていてもよ
い。
【0029】バックコート層7を形成することで、磁気
記録媒体1の走行性が向上するとともに、帯電や転写等
が防止される。また、下塗層8を形成することで媒体表
面を平滑化させてスペーシングロスを減少することがで
きる。
【0030】バックコート層7は、非磁性粉末が、結合
剤中に分散されてなる。
【0031】バックコート層7に含有される非磁性粉末
や結合剤は、磁気記録媒体のバックコート層に用いられ
ている公知の材料が使用される。また、バックコート層
7には、公知の添加剤を含有させてもよい。
【0032】下塗層8は、無機粉末が結合剤中に分散さ
れてなる。
【0033】無機粉末は、非磁性無機粉末が好ましい。
非磁性無機粉末としては、磁気記録媒体の非磁性無機粉
末として用いられている公知の無機粉末が使用できる。
【0034】非磁性無機粉末として具体的には、例えば
シリカ、カーボンブラック、アルミナ、酸化チタン、炭
酸カルシウム、α−酸化鉄等が挙げられる。
【0035】下塗層8に含有される結合剤は、磁性層3
に含有される結合剤と同様に、従来より磁気記録媒体用
の結合剤として使用される公知の樹脂材料等が使用可能
である。これらの結合剤は、磁性層3の結合剤と同様
に、非磁性無機粉末の分散性を向上させる目的で、上述
したような極性官能基を有していることが好ましい。ま
た、結合剤には、分散剤や帯電防止剤、防錆剤等の添加
物を添加してもよい。
【0036】上述したような磁性層3、バックコート層
7及び下塗層8は、各層の形成材料を溶剤中に分散して
塗料とし、この塗料を非磁性支持体2上に塗布、乾燥し
て形成される。このような塗料を作製する際に用いられ
る溶剤としては、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケ
トン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系
溶媒、有機塩素化合物系溶媒等、磁気記録媒体の下塗層
塗料、磁性層塗料及びバックコート層塗料に通常用いら
れている溶媒が使用可能である。
【0037】非磁性支持体2上に塗料を塗布して下塗層
8と磁性層3とを形成するには、1層ずつ塗布して乾燥
するいわゆるウエット・オン・ドライ塗布方式でもよい
し、また、乾燥されていない湿潤状態にある下塗層8上
に磁性層3を重ねて塗布するいわゆるウエット・オン・
ウエット塗布方式でもよい。
【0038】また、磁気記録媒体1には、非磁性支持体
2と下塗層8との間に下地層が形成されていてもよい。
下塗層8と非磁性支持体2との間に下地層を設けること
で、下塗層8と非磁性支持体2との接着性が強化する。
この下地層は、上記の下塗層とは異なるものであること
は言うまでもない。
【0039】また、磁性層3の表面において、相対負荷
面積20%の第1の切断面5と、相対負荷面積80%の
第2の切断面6との間の距離hを5nm〜8nmとする
には、磁性層を構成する材料の選択、磁性層塗料作製時
の条件の選択、磁性層形成時の条件の選択、又は磁性層
形成後の処理条件の選択等、種々の方法によることがで
きる。
【0040】磁性層を構成する材料の選択としては、例
えば、磁性粉末の粒子サイズの選択、研磨剤等の無機粉
末の粒子サイズの選択、又は結合剤の種類の選択等が挙
げられる。
【0041】特に、磁性層表面の微細突起の形状は、無
機粉末の粒子サイズに大きく依存する。無機粉末の粒子
サイズの選択として、例えば、無機粉末として、粒子サ
イズが比較的大きい粗粒子と、粒子サイズが比較的小さ
い微粒子とを混合して用いること等が挙げられる。粒子
サイズの異なる無機粉末を混合して用いる場合、同じ種
類の無機粉末を混合してもよいし、異なる種類の無機粉
末を混合してもよい。
【0042】磁性層塗料作製時の条件の選択としては、
例えば、磁性粉末や結合剤等の材料を溶剤中に分散、混
練して磁性層塗料を作製する際の、混練時間の選択等が
挙げられる。
【0043】磁性層形成時の条件の選択としては、例え
ば、磁性層塗料を非磁性支持体の表面に塗布して磁性層
を形成する際の塗布装置の選択、塗布方法の選択、塗料
の硬化方法の選択等が挙げられる。
【0044】塗布方法の選択としては、例えば、バック
コート層を形成する場合の、磁性層とバックコート層の
形成順序の選択等が挙げられる。例えば、バックコート
層塗料を先に塗布し、次に磁性層塗料を塗布する方法
や、磁性層塗料を先に塗布し、次にバックコート層塗料
を塗布する方法がある。また、磁性層塗料とバックコー
ト層塗料とを同時に塗布してもよい。
【0045】また、塗料の硬化方法の選択としては、例
えば、塗料に含有される結合剤の選択、塗料を硬化させ
る際の物理的な圧力や熱等の印加条件の選択、又は磁性
層とバックコート層との塗料硬化の順序の選択等が挙げ
られる。
【0046】磁性層形成後の処理条件の選択としては、
例えば、カレンダー処理時の温度や圧力の選択等が挙げ
られる。また、カレンダー処理が行われた磁性層の表面
を物理的に研磨又は研削してもよい。
【0047】上述したような方法は、単独で行ってもよ
いし、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
【0048】また、磁性層の下に非磁性の下塗層を形成
することで、磁性層の表面性を制御することもできる。
下塗層を形成する場合にも、上述したような方法が適用
可能である。
【0049】
【実施例】図3に示したような構成の磁気記録媒体を作
製した。
【0050】〈実施例1〉まず、下塗層塗料を作製し
た。
【0051】非磁性の無機粉末を100重量部と、結合
剤を15重量部と、潤滑剤を2重量部と、メチルエチル
ケトンを70重量部と、トルエンを70重量部と、シク
ロヘキサノンを40重量部とを混合し、サンドミルで分
散した。塗布直前にポリイソシアネート(日本ポリウレ
タン社製、コロネートL)を3重量部を加えて下塗層塗
料を作製した。
【0052】ここで、無機粉末には、長軸長が0.2μ
m、比表面積が41.0m2/gのα−酸化鉄を用い
た。また、結合剤には、量平均分子量が42700のポ
リエステル系ポリウレタン樹脂を3重量部と、平均重合
度が280の塩化ビニル共重合体を12重量部とを混合
したものを用いた。潤滑剤には、ブチルステアレートを
用いた。
【0053】次に、磁性層塗料を作製した。
【0054】磁性粉末を100重量部と、結合剤を18
重量部と、研磨剤を8重量部と、潤滑剤を3重量部と、
メチルエチルケトンを20重量部と、トルエンを20重
量部と、シクロヘキサノンを10重量部とを混合し、ニ
ーダーにより混練した後、さらにメチルエチルケトンと
トルエンとシクロヘキサノンとで希釈し、サンドミルで
分散した。塗布直前にポリイソシアネート(コロネート
L)を4重量部を加えて磁性層塗料を作製した。
【0055】ここで、磁性粉末には、平均長軸長が0.
13μmの鉄−コバルト合金系メタル磁性粉末を用い
た。また、結合剤には、量平均分子量が41200のポ
リエステル系ポリウレタン樹脂を8重量部と、平均重合
度が350の塩化ビニル系共重合体を10重量部とを混
合したものを用いた。また、上記研磨剤には、平均粒子
径が100nmであり、BET比表面積が18.0m2
/gのα−アルミナ粉末をを用いた。また、上記潤滑剤
には、ステアリン酸を1重量部と、ステアリン酸ブチル
を2重量部とを混合したものを用いた。なお、磁性粉末
の長軸長は、透過型電子顕微鏡を用いて測定した値であ
る。
【0056】次に、バックコート層塗料を作製した。
【0057】無機粉末を100重量部と、結合剤を66
重量部と、メチルエチルケトンを500重量部と、トル
エンを500重量部とを混合し、塗布直前にポリイソシ
アネート(コロネートL)を10重量部を加えて磁性層
塗料を作製した。
【0058】ここで、無機粉末には、粒径が40nmで
あり、DBP吸油量が112.0mlのカーボンブラッ
クを用いた。また、結合剤には、量平均分子量が712
00のポリエステル系ポリウレタン樹脂を13重量部
と、平均重合度が100のフェノキシ樹脂を43重量部
と、平均重合度が90のニトロセルロース樹脂を10重
量部とを混合したものを用いた。
【0059】次に、厚さ5.3μmの非磁性支持体の一
方の主面上に、下塗層塗料を1.0μm〜1.5μmの
厚さに塗布し、さらに、磁性層塗料を0.10μm〜
0.20μmの厚さに塗布した。
【0060】磁場向処理を行った後、塗料を乾燥して、
非磁性支持体を巻きとり、カレンダー処理、硬化処理を
行った。ここで、カレンダー処理は、温度が120℃、
圧力が400kg/cm2の条件で行った。
【0061】最後に、非磁性支持体の他方の主面上に、
バックコート層塗料を塗布、乾燥して厚さ0.6μmの
バックコート層を形成し、非磁性支持体を6.35mm
幅と8.00mm幅のテープ状に裁断して、デジタルビ
デオ用のカセットに収納して磁気記録媒体(以下、磁気
テープと称する。)を作製した。
【0062】〈実施例2〉カレンダー処理時の条件を、
温度が110℃、圧力が350kg/cm2としたこと
以外は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0063】〈比較例1〉磁性層に含有させる無機粉末
として、平均粒子径が80nmであり、BET比表面積
が25.0m2/gのα−アルミナを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0064】〈比較例2〉磁性層に含有させる無機粉末
として、平均粒子径が200nmであり、BET比表面
積が11.1m2/gのα−アルミナを用い、カレンダ
ー処理時の条件を、温度が110℃、圧力が350kg
/cm2としたこと以外は、実施例1と同様にして磁気
テープを作製した。
【0065】以上のようにして作製されたそれぞれの磁
気テープについて、磁性層表面の粗さを測定するととも
に、CN比及び走行耐久性を評価した。
【0066】磁性層表面の粗さは、デジタル・インスツ
ルメンツ社の原子間力顕微鏡(Nano ScopeII
Ia/D−3000)を用いて、磁性層表面の50μm
×50μmの範囲で測定し、相対負荷面積が20%の第
1の切断面と相対負荷面積が80%の第2の切断面との
間の距離hを求めた。ここで、測定においては、2次最
小二乗フィットラインを計算し、Zオフセット及び傾き
湾曲を除去した。
【0067】CN比としては、ソニー製デジタルビデオ
用ビデオテープレコーダ(DCR−VX1000)を用
い、20MHzの単一信号を記録し、再生された20M
Hzの出力に対し、18MHzのレベルをノイズレベル
としたときのCN比を測定した。標準テープはソニー製
デジタルビデオ用テープ(DVM60N)を用いた。
【0068】走行耐久性としては、ソニー製8mm方式
ビデオテープレコーダ(EV−BS2000)を用い
て、−5℃の条件下で一時停止を行い、一時停止時の出
力が6dB以上低下するまでの時間を測定した。なお、
60分経過しても6dB以上の出力低下がみられない場
合は測定を打ち切った。
【0069】各磁気テープのh及び特性評価結果を表1
に示す。
【0070】
【表1】
【0071】第1の切断面と第2の切断面との間の距離
hが5nmよりも小さい比較例1では、ヘッド表面の付
着物を十分に取り除くことができず、走行耐久性が悪化
した。
【0072】また、hが8nmよりも大きい比較例2で
は、磁性層表面が粗くなってしまい、ノイズが増加し
た。
【0073】一方、hが5nm〜8nmである実施例
1、実施例2では、ヘッド表面の付着物を十分に取り除
くことができ、走行耐久性が向上するとともに、磁性層
表面を平滑に保つことができ、ノイズを低下することが
できた。
【0074】従って、hを5nm〜8nmとすること
で、走行耐久性を向上させるとともに、ノイズを低く抑
えることができることがわかった。
【0075】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体では、第1の切断
面と第2の切断面との間の距離が5nm〜8nmとなさ
れているので、ヘッド表面の付着物を取り除くことがで
き、走行耐久性が向上する。
【0076】また、本発明の磁気記録媒体では、磁性層
の表面が十分に平滑化されているので、スペーシングロ
スによるノイズを抑えることができる。
【0077】従って、本発明では、走行耐久性に優れ、
また、低ノイズである優れた磁気記録媒体を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の一構成例を示す断
面図である。
【図2】図1の磁性層の表面を拡大して示す模式図であ
る。
【図3】本発明に係る磁気記録媒体の一構成例を示す断
面図である。
【図4】本発明に係る磁気記録媒体の一構成例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、 2 非磁性支持体、 3 磁性
層、 4 微細突起、5 第1の切断面、 6 第2の
切断面、 7 バックコート層、 8 下塗層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、表面に微細突起を有
    する磁性層が少なくとも形成されてなり、 上記磁性層が形成された任意の領域において、当該領域
    の面積をSとしたとき、上記非磁性支持体の表面と略平
    行に上記微細突起を切断する切断面のうち、断面積の総
    和が0.2×Sとなる第1の切断面と、断面積の総和が
    0.8×Sとなる第2の切断面との間の距離が、5nm
    〜8nmであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記磁性層は、針状の磁性粉末を含有
    し、当該磁性粉末の長軸長が、0.05μm以上、0.
    15μm以下であることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002269719A (ja) * 2001-03-12 2002-09-20 Sony Corp 磁気記録媒体

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