JP2003191323A - 芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体 - Google Patents

芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体

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JP2003191323A
JP2003191323A JP2002277267A JP2002277267A JP2003191323A JP 2003191323 A JP2003191323 A JP 2003191323A JP 2002277267 A JP2002277267 A JP 2002277267A JP 2002277267 A JP2002277267 A JP 2002277267A JP 2003191323 A JP2003191323 A JP 2003191323A
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aromatic polyamide
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polyamide film
tape
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Akimitsu Tsukuda
佃  明光
Masanori Sueoka
雅則 末岡
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリット性に優れ、エッジダメージの小さい
芳香族ポリアミドフィルムを提供する。 【解決手段】 自己支持性を得たフィルムを支持体から
剥離後、非支持体接触面を加熱することにより、フィル
ムの厚み方向の屈折率斑が0.02以下であり、且つ、
加熱時の幅方向のカール量が10%以下である芳香族ポ
リアミドフィルムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スリット性に優れ
た芳香族ポリアミドフィルム、特に磁気記録媒体用途に
好適に使用できる芳香族ポリアミドフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミドフィルムは、その優れ
た耐熱性、機械特性を活かして種々な用途に展開されて
いる。特にパラ配向系の芳香族ポリアミドフィルムは剛
性、強度等の機械特性が他のポリマーより優れているた
め、薄物化に非常に有利であり、プリンターリボン、磁
気記録媒体、コンデンサー、太陽電池等の用途が考えら
れている。中でも磁気記録媒体のベースフィルムとして
使用される場合、薄膜化による体積記録密度の向上が図
られるため、好ましく用いられている。
【0003】しかしながら、ベースフィルムの薄膜化が
進むにつれ、磁気テープを所定の幅に裁断する、いわゆ
るスリットが困難となり、更に薄膜磁気テープとしたと
きにガイドポスト等との接触によるエッジダメージを受
けやすくなる。近年、記録の高密度化により磁気テープ
1巻あたりの記録容量が益々増大しているが、記録容量
の増大に対応して、データの書き込み、読み込み速度も
増大させる必要がある。このために、特に固定ヘッドを
用いるリニア記録方式の磁気テープにおいては、テープ
の走行速度が益々速くなってきている。テープの走行速
度が速くなると、ガイドポスト等との接触によりエッジ
が受ける力が急激に大きくなるため、これまで以上にエ
ッジダメージが大きくなり、繰り返し使用に耐えられな
くなることがある。
【0004】特許文献1には、面内方向と厚さ方向の屈
折率差を特定の範囲にして、スリット性を向上させよう
とする試みが開示されているが、テープの走行速度が従
来に増して増加していくと、極めて小さな斑やフィルム
の平坦性がきっかけとなって、十分なエッジ特性を確保
することが困難となる場合がある。
【0005】また、特許文献2には、特定の表面うねり
と動的弾性損失(tanδ)を規定することにより、耐
久性を高めようとする試みが開示されているが、該フィ
ルムを得る方法として一旦熱処理したフィルムに吸湿
後、弛緩して熱処理を行う方法が開示されており、ミク
ロな部分での均質性、平坦性を損なうおそれがある。
【0006】また、特許文献3には、テープ化後の湾曲
度(カッピング)を規定した磁気記録媒体が開示されて
いるが、金属膜形成後の熱処理により湾曲度を制御する
のみであり、フィルム自体の均質性、平坦性についての
開示はない。
【0007】
【特許文献1】特開平8−337665号公報
【0008】
【特許文献2】特開2000−95882号公報
【0009】
【特許文献3】特開平11−273060号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決し、スリット性に優れ、エッジダメージの少
ない芳香族ポリアミドフィルムを提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めの本発明は、フィルムの厚み方向の屈折率斑が0.0
2以下であり、かつ、180℃で加熱後の幅方向のカー
ル量が10%以下である芳香族ポリアミドフィルムを特
徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の芳香族ポリアミドとして
は、次の一般式(I)および/または一般式(II)で
表わされる繰り返し単位を50モル%以上含むものを用
いることが好ましく、70モル%以上からなるものを用
いるとより好ましい。 一般式(I)
【0013】
【化1】
【0014】一般式(II)
【0015】
【化2】
【0016】ここで、Ar1、Ar2、Ar3は、例え
ば、
【0017】
【化3】
【0018】などを用いることができ、また、X、Y
は、−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−S
−、−C(CH32−、等から選択することができる
が、これらに限定されるものではない。更にこれらの芳
香環上の水素原子の一部が、フッ素や塩素、臭素などの
ハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、およびメチル基や
エチル基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル
基)、メトキシ基やエトキシ基、プロポキシ基、イソプ
ロポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換され
ているものでもよく、また、重合体を構成するアミド結
合中の水素が他の置換基によって置換されているものも
よい。
【0019】特性面からは上記の芳香環がパラ配向位で
結合されたものが、全芳香環の50モル%以上、好まし
くは75モル%以上を占める重合体が、フィルムの剛性
が高く耐熱性も良好となるため好ましい。ここで言うパ
ラ配向位とは互い結合位が直線的になるものである。ま
た芳香環上の水素原子の一部がハロゲン基(特に塩素)
で置換された芳香環が全体の30モル%以上であると耐
湿性が向上し、吸湿による寸法変化、剛性低下などの特
性が改善されるために好ましい。
【0020】本発明の芳香族ポリアミドは、一般式
(I)および/または一般式(II)で表される繰り返
し単位を50モル%以上含むものが好ましいが、50モ
ル%未満は他の繰り返し単位が共重合、またはブレンド
されていても差し支えない。
【0021】本発明の芳香族ポリアミドフィルムの、厚
み方向の屈折率(以下、Nzと記す)の斑は0.02以
下であり、好ましくは0.015以下、より好ましくは
0.010以下、更に好ましくは0.005以下であ
る。Nz斑が0.02を超えると、長尺テープをリール
に巻いた、いわゆるパンケーキの巻き姿が悪化すること
がある。特に、高温高湿−低温低湿の環境変化が繰り返
された場合、パンケーキ端面が突き出したり、スポーキ
ングが発生し易くなる。Nz斑の下限は特に限定される
べきものではないが、0.001程度である。
【0022】本発明の芳香族ポリアミドフィルムの、1
80℃で加熱後の幅方向のカール量は10%以下であ
り、より好ましくは8%以下、更に好ましくは5%以下
である。ここでいうカール量とは、フィルムを短冊状に
スリットし、180℃で熱処理後に凹面側を上にして、
フィルムの幅変化を測定することで得られる指標であ
る。カール量が10%を超えると、磁気テープを高速で
繰り返し走行した際に端面が変形したり、磁性粉の脱落
が発生し、実用に適さなくなることがある。こうした現
象が起こる理由は必ずしも明確ではないが、磁気テープ
のスリット工程に遡及する問題と考えられる。すなわ
ち、テープのスリットは、高速でシェアを掛けて行われ
るため切断面近傍は高温に曝される。この時ベースフィ
ルムがカール状に変形すると、切断に余計な力がかかり
極めてミクロな欠陥を発生させるものと推定される。こ
の欠陥は極めて小さいため、パンケーキ段階では一見き
れいにみえるが、高速繰り返し走行など、過酷な使用条
件下ではエッジダメージを惹起するものと考えられる。
カール量の下限は好ましくは0%である。また、本発明
でいうカールは上記の機構によりエッジダメージに影響
を及ぼすものと考えられるので、カールの方向(面)は
問わないものである。
【0023】また、Nz斑とカール量については、何れ
も高いレベルで両立させることがより好ましい。上記の
ように、主としてNz斑はパンケーキ形状、カール量は
エッジダメージに影響を与えるものであるが、繰り返し
走行や環境変化を多数回繰り返した場合、パンケーキ形
状の悪化がエッジダメージに、また、エッジダメージの
悪化がパンケーキ形状に、相互に悪影響を及ぼす可能性
がある。特に、将来的に超高密度記録のデータテープと
して、長期にわたって使用された場合、この相互作用に
より、テープ全体に損傷を与える可能性がある。Nz斑
とカール量は、それぞれ、0.010以下、8%以下を
同時に満足していることがより好ましく、それぞれ、
0.005以下、5%以下を同時に満足していることが
更に好ましい。
【0024】また、本発明の芳香族ポリアミドフィルム
は、25〜175℃の範囲内におけるアウトガス量が1
00〜4,000ppmの範囲内にあることが好まし
い。ここでいうアウトガスとは、フィルムを加熱してい
った時に発生するガス分の総量(重量基準)を指す。ガ
スの種類としては、フィルム中に残存している溶媒、コ
ーティング工程を経た場合の塗液の残存分、水分等が挙
げられるが、何れにしても総量として制御する必要があ
る。アウトガス量が4,000ppmを超えると、磁気
テープのスリット時にテープ切断面にガスが発生するた
め、ミクロな欠陥が生じやすくなり、その結果高速での
繰り返し走行時にエッジダメージを受けやすくなること
がある。また、アウトガス量が100ppm未満である
と、平面性が悪化したり、ロールとしたときに巻きズレ
が発生しやすく、実用性を失う場合がある。アウトガス
量は、好ましくは150〜3,000ppmの範囲内で
あり、より好ましくは200〜2,500ppmの範囲
内である。
【0025】本発明のフィルムを得るために、突起形成
物として有機や無機の粒子を含有させていても良い。
【0026】有機粒子としては、例えば架橋ポリビニル
ベンゼン、アクリル、架橋ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂粒子などを用
いることができ、無機粒子としては、コロイダルシリ
カ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
ム、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ゼオライト粒
子などを用いることができる。また、上記有機粒子に他
の有機物で被覆等の各種処理を施した有機高分子粒子、
あるいは表面に上記の有機高分子で被覆等の各種処理を
施した無機粒子等も使用できる。平均粒子径としては、
5〜100nmの範囲内のものが好ましく、より好まし
くは10〜50nmの範囲内、更に好ましくは15〜3
0nmの範囲内にあるものであり、単分散粒子を用いる
ことが好ましい。なお、この場合の平均粒子径は、遠心
分離を利用した粒度分布測定器(例えば島津製作所製、
CAPA−700)を用い、面積平均径の中央値を平均
粒子径とする。また、フィルムの状態においては、透過
型電子顕微鏡を用いて、倍率10,000倍以上で50
個以上の粒子を観察し、個々の粒子の平均径を求めても
良い。また、これらの中から、複数の粒子を組み合わせ
て用いても良く、また大きさの異なる粒子を組み合わせ
て使用しても差し支えない。粒子の含有量は、0.00
01〜1.0重量%の範囲内とするのが好ましく、より
好ましくは0.001〜0.2重量%の範囲内、更に好
ましくは0.005〜0.1重量%の範囲内である。更
に、耐摩耗性、走行耐久性の向上のためには、突起高さ
の均一性も重要であり、そのために、粒子形状としては
球形粒子が好ましく、また粒径の均一なものを使用する
ことが望ましい。
【0027】本発明のフイルムは、上記組成物を主要成
分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲で、酸化防
止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤等の無
機または有機の添加剤が含有されていてもよい。
【0028】本発明のフィルムは、厚みが1〜10μm
の範囲内にある薄膜フィルムである場合に、本発明の効
果をより奏することができるので好ましい。より好まし
くは1〜6μmの範囲内、更に好ましくは1〜4μmの
範囲内である。
【0029】本発明のフィルムは、少なくとも一方向の
引張りヤング率が7GPa以上であることが、近年ます
ます顕著になってきている基材フィルムの薄膜化を達成
するため好ましい。例えば磁気テープの出力は、テープ
とヘッドとのヘッドタッチ性の向上に伴って上がるが、
そのために基材フィルムの高ヤング率化が求められる。
記録方法が固定ヘッド式の場合は長手方向の、ヘリカル
スキャン方式の場合は幅方向の高ヤング率化が特に必要
であり、基材フィルムのいずれの方向も7GPa未満で
あれば、いずれの記録方式を採用しても高出力が得られ
にくくなる。なお、本発明のフィルムの少なくとも一方
向のヤング率は、より好ましくは9GPa以上、更に好
ましくは11GPa以上である。ヤング率が高すぎると
フィルムが脆くなるおそれがあるため、通常上限として
は35GPa程度である。もちろん、長手方向と幅方向
の両方、さらには全ての方向のヤング率が7GPa以上
であることが好ましいのはいうまでもない。これらの特
性を満たすためには、本発明の有機高分子体が芳香族ポ
リアミドであって、更にその芳香環がパラ配向性を有し
ているものが、好ましくは全芳香環の50モル%以上、
より好ましくは75モル%以上、更に好ましくは80モ
ル%以上、一層好ましくは90モル%以上を占めている
ことである。
【0030】また、スリット性、エッジダメージを更に
向上させるためには、長手方向の引張ヤング率EMDと幅
方向の引張ヤング率ETDが、下記の範囲を充たすことが
好ましい。
【0031】1.00≦EMD/ETD≦1.15 より好ましくは、 1.02≦EMD/ETD≦1.10 の範囲である。
【0032】また、本発明のフィルムの少なくとも一方
向の伸度は10%以上、より好ましくは20%以上、更
に好ましくは30%以上であると適度な柔軟性を持つの
で好ましい。伸度の上限は他の物性とのバランスにより
決定されるが、通常90%程度である。
【0033】さらに、本発明のフィルムの吸湿率は、5
%以下、より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%
以下であると、湿度変化によるテープの伸縮が抑えら
れ、良好な出力特性を保てるので好ましい。また、吸湿
率を大幅に低下させようとした場合に他のフィルム特性
を損なう可能性があるため、下限としては0.3%程度
がよい。ここでいう吸湿率とは、フィルムを200℃の
オーブン中で1時間乾燥させた後の重量(W0)と、そのフ
ィルムを25℃、75RH%の環境下に48時間静置後
の重量(W1)との差を吸湿重量(W1-W0)とし、これをW0
で除した値を百分率で表したものをいう。
【0034】更に、本発明のフィルムの湿度膨張係数
は、長手方向、幅方向ともに15x10-6/%RH以下
であると磁気テープとしたときに、環境変化によるパン
ケーキ形状変化が小さくなり、また、トラックずれが小
さくなるため好ましい。より好ましくは10x10-6
%RH以下であり、更に好ましくは、6x10-6/%R
H以下である。湿度膨張係数の下限は、0とすることが
好ましい。
【0035】本発明のフィルムは、フレキシブルプリン
ト基板、コンデンサー、プリンタリボン、音響振動板、
太陽電池のベースフィルムなど種々の用途に好ましく用
いられるが、少なくとも片面に磁性層を設けた磁気記録
媒体として用いられると、フィルムの平面性が良好なた
め、加工適性が高く、また、磁気特性の高い磁気記録媒
体となるため、特に好ましい。
【0036】磁気記録媒体の形態は、ディスク状、カー
ド状、テープ状等特に限定されないが、本発明の芳香族
ポリアミドフィルムの高ヤング率を活かした薄膜化に対
応するため、芳香族ポリアミドフィルムからなる支持体
の厚みが6.5μm以下、幅が2.3〜13mm、長さ
が200m/巻以上、最短記録波長が0.7μm以下、
トラックピッチが10μm以下の長尺、高密度の磁気テ
ープとした時に優れた平面性と高い磁気特性を発現する
効果をより一層奏することができるので特に好ましい。
【0037】また本発明の磁気記録媒体は、民生用、プ
ロ用、D−1やD−2、D−3等の放送局用、デジタル
ビデオカセット、DDS−2や3、4、データ8mm、
QIC、AIT、DLT、LTO、“mommoth”
等のデータストレージ用途に好適に用いることができる
が、高記録密度化が重視されるデータストレージ用途に
最適に用いることができる。
【0038】また磁性層の形成法は、酸化鉄、メタル粉
等の磁性粉を熱硬化性、熱可塑性あるいは放射線硬化性
などのバインダーと混練し塗布、乾燥を行う塗布法、N
i、Co、Cr、Fe、γ−Fe23などの金属または
それらの合金を蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング法などにより基材フィルム上に直接磁性金属薄膜
層を形成する乾式法のいずれの方式も採用できる。乾式
法を採用した場合、得られた磁気記録媒体の更なる耐久
性向上、滑り性付与を目的としてダイアモンド・ライク
・コーティングのような保護層、更にその上に潤滑層が
形成されることがある。
【0039】また、磁化方式については、水平磁化、垂
直磁化のいずれをも問わず、更に光記録テープにも好適
に使用できる。
【0040】また、本発明のフィルムは、単層であって
も、多層であっても差し支えない。芳香族ポリアミドを
用いる場合、例えば2層の場合には、重合した芳香族ポ
リアミド溶液を二分し、少なくとも一方に本発明で使用
するポリマーを積層する。さらに3層以上の場合も同様
である。これら積層の方法としては、たとえば、口金内
での積層、複合管での積層や、一旦1層を形成しておい
てその上に他の層を形成する方法などがある。多層の場
合、本発明のフィルム表面が少なくとも一面の最外層に
積層されることが好ましく、更にその積層厚みが0.3
μm以上であると本発明の効果を十分に奏することがで
きるので好ましい。
【0041】次に本発明のフィルムの製造法について記
すが、これに限定されるものではない。
【0042】まず芳香族ポリアミドであるが、酸クロリ
ドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン
(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極
性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面
重合などで合成するとよい。この時、低分子量物の生成
を抑制するため、反応を阻害するような水、その他の物
質の混入は避けるべきであり、効率的な攪拌手段をとる
ことが好ましい。また、原料の当量性は重要であるが、
製膜性を損なう恐れのある時は、適当に調整することが
できる。また、溶解助剤として塩化カルシウム、塩化マ
グネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硝酸リチウ
ムなどの無機塩を添加しても良い。
【0043】単量体として芳香族ジ酸クロリドと芳香族
ジアミンを用いると塩化水素が副生するが、これを中和
する場合には、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭
酸リチウムなどの周期律表I族かII族のカチオンと、
水酸化物イオン、炭酸イオンなどのアニオンとからなる
塩に代表される無機の中和剤、またエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルア
ミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなど
の有機の中和剤を使用するとよい。また、基材フィルム
の湿度特性を改善する目的で、塩化ベンゾイル、無水フ
タル酸、酢酸クロリド、アニリン等を重合の完了した系
に添加し、ポリマーの末端を封鎖しても良い。また、イ
ソシアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有
機極性溶媒中、触媒の存在下で行うことが好ましい。
【0044】これらのポリマー溶液はそのまま製膜原液
として使用してもよく、あるいはポリマーを一度単離し
てから上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解し
てブレンド用原液を調製してもよい。
【0045】また、易滑性を付与する目的で、有機ある
いは無機粒子を添加しても良いが、記録の高密度化に対
応するため、粒子凝集を抑制することが好ましい。粒子
の添加は、一般に重合あるいは溶解前の溶媒に、同種あ
るいは異種の溶媒中で超音波ホモジナイザーなどにより
十分に分散された粒子ゾルを添加し、重合または溶解す
る方法、また重合あるいは溶解後のポリマー溶液中に粒
子ゾルを添加し、混合する方法により行われる。
【0046】また、本発明のフィルムは、両面とも同様
の表面設計を行っても、また、異なった表面設計を行っ
ても差し支えない。異表面設計とする場合は、A面用ポ
リマーとB面用ポリマーを複合管などを用いる方法で積
層することにより、異表面を有する本発明の芳香族ポリ
アミドフィルムを得ることができる。
【0047】上記のように調製された製膜原液は、濾過
精度が6,000nm以下のフィルターによって濾過さ
れた後、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわ
れる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法がある
が、本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得るには、A
面の表面突起形成を制御しやすい点で、乾湿式法または
乾式法が好ましい。乾湿式法で製膜する場合は該原液を
口金からドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し
出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散さ
せ薄膜が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥温度は、
100〜200℃が好ましく、より好ましくは120〜
180℃である。乾燥温度が200℃を超えると、フィ
ルム表面が脆くなり磁性層との密着力が小さくなること
がある。また、支持体温度が、乾燥温度よりも60℃〜
30℃下回るとカール量が本願の範囲を充たしやすくな
るため好ましい。
【0048】本発明のフィルムを得るにおいて、カール
量を本願の範囲に制御するためには、自己支持性を得た
フィルムを支持体から剥離後、非支持体接触面(以下、
A面とする。また、支持体接触面を、以下、B面とす
る)を加熱することが有効である。支持体上における加
熱は、A面側では熱風加熱により行われ、B面側では支
持体(ベルト等)による接触加熱が行われるため、伝熱
効率は、熱風乾燥温度と支持体温度とに差をつけたとし
ても、B面側の方が高くなる傾向があり、A面側を内側
として(A面側を凹部面として)カールし易くなる。そ
こで、支持体から剥離後、A面を選択的に加熱すること
によりカールの発生を抑えることができるものである。
加熱の方法は特に問わないが、A面側を効率的に加熱す
るためには、熱風あるいはロールによる加熱が好まし
い。また、加熱温度は、50℃未満ではカール抑制の効
果が小さく、150℃を超えると表面欠点が発生しやす
くなるため、50〜150℃の範囲が好ましい。より好
ましくは60〜120℃であり、更に好ましくは70〜
100℃である。
【0049】次いで、フィルムは湿式工程に導入され
る。湿式浴は一般に水系媒体からなるものであり、水の
他に有機、無機の溶剤や無機塩等を含有していてもよ
い。該浴温度は通常0〜100℃で使用され、湿式浴を
通すことでフィルム中に含有された塩類、溶媒の抽出が
行なわれる。ここで湿式浴に導入されるときのフィルム
は未だ充分な表面硬度を持っていないため、湿式浴媒体
にコンタミ等があるとフィルム表面の付着し表面性が悪
化する。このため湿式浴に使用される媒体は、濾過精度
6,000nm以下、好ましくは5,000nm以下、
更に好ましくは3,000nm以下のフィルターを通し
て供給されることが好ましい。これら湿式浴全体を通過
する時間はフィルムの厚みにもよるが10秒〜30分で
ある。さらに必要に応じフィルムの長手方向に延伸が行
なわれる。
【0050】湿式工程を経たフィルムは水分を乾燥後、
テンターにて乾燥・熱処理、幅方向への延伸が行われ
る。熱処理温度は200〜350℃、好ましくは250
〜300℃で行うことが、フィルムの機械特性を向上さ
せる上で好ましく、また、横方向の延伸倍率は1.15
〜2.0倍、好ましくは1.2〜1.8倍の範囲内であ
ることがフィルムの剛性を高める上で好ましい。また、
延伸時の幅方向のテンター温度斑を5℃以下とすること
がNz斑を本発明の範囲内とする上で好ましい。より好
ましくは3℃以内であり、更に好ましくは2℃以内であ
る。
【0051】本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得る
には、熱処理工程を経たフィルムをフィルムロールとし
て巻き取るまでの雰囲気を制御することが重要である。
すなわち、テンターなどの熱処理機から出たフィルムが
高湿度下に置かれると、その両面から水分を吸収しやす
くなるためアウトガス量が増加するものと考えられ、一
旦吸収された水分はロール状態で保管されると、その後
に脱湿操作を行ったとしても除去することが困難とな
る。雰囲気条件としては、温度10〜30℃の範囲にお
いて、相対湿度を10〜50%の範囲内、好ましくは1
0〜40%の範囲内、より好ましくは10〜30%の範
囲内とすることにより、フィルムへの吸湿を低減でき、
アウトガス量を本発明の範囲内とすることが可能とな
る。
【0052】また、フィルムを巻き取ってから磁気記録
媒体に加工するなど使用するまでの保管において、通常
のガス遮断シートによる梱包に加え、脱湿剤(例えば、
製品名「オゾ」:オゾマテリアル社製)を封入すること
はより好ましい。
【0053】次に、本発明に関連する種々の特性値につ
いて、その測定法および評価基準を説明する。
【0054】(1)Nz斑 フィルムを縦5cm、幅10cmに切り出し、縦方向の
中点位置を幅方向に並行に、1cmおきに10点、厚み
方向の屈折率を下記の方法で測定した。そして、その平
均値をNz、最大値−最小値をNz斑とした。
【0055】測定は、室温25℃、相対湿度60%下
で、アッベの屈折計4形(アタゴ社製)を用い、ナトリ
ウムD線を光源としてフィルム厚み方向の屈折率測定を
行った。中間液には屈折率1.740のジヨードメタン
を用いた。
【0056】(2)カール量 フィルムを長手方向に約150mm、幅方向に約10m
m切り出し、塩ビシート上に空気を噛み込まないように
展開し、長手方向の中点の位置で幅方向の幅を正確に測
定する(この幅をd1とする)。次いで、このフィルム
を塩ビシートから剥がして、180℃のオーブン中で荷
重を掛けずに10分間加熱し取り出す。フィルムがカー
ルした面を上にして(凹面側を上側にする)、25℃、
60RH%の環境中で、10分間静置する。次いで、長
手方向の中点の位置で幅方向の両端面間の距離をノギス
を用いて測定し、加熱後の幅とする(この幅をd2とす
る)。そして、((d1−d2)/d1)×100
(%)でカール量を定義した。
【0057】尚、測定本数は5本で、その平均値をカー
ル量とした。
【0058】また、フィルムサンプルの状態により、切
り出す幅は適宜変更しても良い。
【0059】(3)アウトガス発生量 試料(フィルム)を精密に秤量し、TG−MSにより、
25℃〜175℃の範囲で発生する気体重量を測定し、
発生気体重量を試料重量で除した値を百万分率で表し、
アウトガス発生量とする。
【0060】以下にTG−MS測定の条件を記す。
【0061】装置:島津製作所製TG−MS同時測定装
置 測定モード:試料を装置にセット後、キャリアガスを1
5分流してから昇温を開始 試料量 :約40mg(μg単位まで精密に秤量する) 昇温条件:10℃/分 雰囲気:ヘリウム流(流量30ml/分) (4)引張ヤング率、伸度 ロボットテンシロンRTA(オリエンテック社製)を用
いて20℃、相対湿度60%において測定した。試験片
は10mm幅で50mm長さ、引っ張り速度は300m
m/分である。ただし、試験を開始してから加重が0.
98Nを通過した点を伸びの原点とした。
【0062】また、((フィルムが破断したときの長
さ:mm−初期試料長:50mm)/50mm)x10
0(%)を伸度とした。
【0063】尚、測定n数は5本であり、その測定結果
から最大値と最小値を除いたものの算術平均値をヤング
率、伸度とした。
【0064】(5)テンターの幅方向温度斑 テンターでの横延伸完了時の位置に、フィルムから1c
m離れた位置に熱電対を、フィルムの幅方向に均等にな
るように10本設置し、その温度の最大値−最小値を温
度斑とした。
【0065】(6)パンケーキ形状(環境試験) 芳香族ポリアミドフィルムの表面に、下記組成の磁性塗
料を塗布厚さ2.0μmになるように塗布し、磁気配向
させ、乾燥させる。次いで反対面に下記組成のバックコ
ート層を形成した後、カレンダー処理し、次いで、70
℃で、48時間キュアリングする。上記テープ原反を1
/2インチ幅にスリットし、磁気テープとして、長さ6
70m分を、カセットに組み込んでカセットテープとし
た。
【0066】 (磁性塗料の組成) ・強磁性金属粉末 : 100重量部 ・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部 ・変成ポリウレタン : 10重量部 ・ポリイソシアネート : 5重量部 ・ステアリン酸 : 1.5重量部 ・オレイン酸 : 1重量部 ・カーボンブラック : 1重量部 ・アルミナ : 10重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・シクロヘキサノン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 (バックコートの組成) ・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部 ・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部 ・αアルミナ : 0.1重量部 ・変成ポリウレタン : 20重量部 ・変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部 ・シクロヘキサノン : 200重量部 ・メチルエチルケトン : 300重量部 ・トルエン : 100重量部 作製したカセットテープを、10℃/30RH%の環境
下に24時間静置後、60℃/80RH%の環境下に2
4時間静置することを3回繰り返した後のカセットテー
プを観察し、以下の基準で評価した。
【0067】 ◎:巻きずれ、突き出し、スポーキングが全くない ○:巻きずれ、突き出し、スポーキングが合計で3ヶ所
以下 △:巻きずれ、突き出し、スポーキングが合計で4〜1
0ヶ所 ×:巻きずれ、突き出し、スポーキングが合計で11ヶ
所以上 (7)エッジダメージ評価 (6)で作製したカセットテープを、Quantum社
製S−DLT1 Tape Driveを用い、100
回往復走行させ、次の基準でテープのエッジダメージを
評価した。
【0068】◎:テープ端面の伸び、折れ曲がり、削れ
跡が全く見られない。
【0069】○:テープ端面の伸び、折れ曲がりはない
が、削れ跡が極一部に見られる。
【0070】△:テープ端面の伸び、折れ曲がりが一部
見られ、削れ跡も一部見られる。
【0071】×:テープ端面の一部が伸び、ワカメ状の
変形が見られ、削れ跡が見られる。
【0072】
【実施例】次に実施例に基づき本発明を説明するが、こ
れらに限定されるものではない。
【0073】(実施例1)N−メチル−2−ピロリドン
(以下、NMPと略す)に芳香族ジアミン成分として8
5モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジアミン
と、15モル%に相当する4、4’−ジアミノジフェニ
ルエーテルとを溶解させ、これに99モル%に相当する
2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌
して重合を完了した。これを水酸化リチウムで中和し
て、ポリマ濃度10重量%、粘度300Pa・sの芳香
族ポリアミド溶液(以下、溶液Aとする)を得た。更に
この溶液に、平均粒径50nm、シリカ濃度10重量%
のシリカ/NMPゾルを超音波分散機で2時間分散後、
シリカ濃度が芳香族ポリアミドに対して0.3重量%と
なるように、添加速度70g/秒で加え、その後、周速
3.3m/秒で3時間攪拌して、製膜原液を得た。
【0074】この製膜原液を濾過精度3,000nmの
フィルターを通した後、エンドレスベルト上にキャスト
し、ベルト温度120℃、熱風温度170℃で乾燥し
た。次いでベルトから剥離したフィルムにA面側から7
5℃の熱風を吹き付けた後、40℃の水浴に導入した。
この間に長手方向に1.33倍の延伸を行った。
【0075】水浴から出たフィルムは次いで両端をクリ
ップで把持して、テンターに導入した。テンター中で
は、280℃の熱風(温度斑=1.5℃)で熱処理しつ
つ、幅方向に1.49倍の延伸を行った。テンターから
出たフィルムは、温度20℃、相対湿度30%に管理さ
れた室内でワインダーに巻き取られ、厚さ4.0μmの
芳香族ポリアミドフィルムを得た。
【0076】また、このフィルムロールは、アルミ蒸着
されたポリプロピレンフィルム中に、オゾマテリアル社
製”オゾ”を50g封入して保管した。
【0077】このフィルムの特性、評価を表1に示す
が、パンケーキ形状、エッジダメージ評価ともに極めて
優れたものであった。
【0078】(実施例2)ベルトから剥離したフィルム
にA面側から52℃の熱風を吹き付けたこと、またテン
ターでの熱処理を310℃(温度斑=4℃)とした他
は、実施例1と同様にして厚さ4.0μmの芳香族ポリ
アミドフィルムを得た。
【0079】このフィルムの特性、評価を表1に示す
が、パンケーキ形状、エッジダメージ評価とも、実施例
1に較べて劣るが実用可能なレベルであった。
【0080】(実施例3)テンターから出たフィルムの
雰囲気を、温度35℃、相対湿度80%とした他は、実
施例1と同様にして厚さ4.0μmの芳香族ポリアミド
フィルムを得た。
【0081】このフィルムの特性、評価を表1に示す
が、パンケーキ形状は極めて優れていたが、エッジダメ
ージ評価はやや劣る評価であり、実用可能なレベルであ
った。
【0082】(実施例4)ベルトから剥離したフィルム
にA面側から95℃の熱風を吹き付けた他は、実施例1
と同様にして厚さ4.0μmの芳香族ポリアミドフィル
ムを得た。
【0083】このフィルムの特性、評価を表1に示す
が、パンケーキ形状、エッジダメージ評価とも優れたも
のであった。
【0084】(実施例5)ベルトから剥離したフィルム
に、B面側から50℃の熱風を吹き付けた他は、実施例
1と同様にして厚さ4.0μmの芳香族ポリアミドフィ
ルムを得た。
【0085】このフィルムの特性、評価を表1に記す
が、パンケーキ形状、エッジダメージとも実施例1には
劣るが、実用可能なレベルであった。
【0086】(実施例6)ベルトから剥離したフィルム
に、B面側から65℃の熱風を吹き付け、また、テンタ
ーのダンパー調整により、熱処理温度を280℃、熱処
理温度斑を3℃とした以外は、実施例1と同様にして厚
さ4.0μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。
【0087】このフィルムの特性、評価を表1に記す
が、パンケーキ形状、エッジダメージとも良好であっ
た。
【0088】(実施例7)テンターでの熱処理温度斑を
ダンパー調整により、5℃とした以外は、実施例1と同
様にして厚さ4.0μmの芳香族ポリアミドフィルムを
得た。
【0089】このフィルムの特性、評価を表1に記す
が、パンケーキ形状はやや劣るものの、エッジダメージ
は優れており実用可能なレベルであった。
【0090】(比較例1)ベルトから剥離したフィルム
を、25℃の雰囲気を通過後そのまま水浴に導入した他
は、実施例1と同様にして、厚さ4.0μmの芳香族ポ
リアミドフィルムを得た。
【0091】このフィルムの特性、評価を表1に示す
が、エッジダメージが大きく実用に耐えるものではなか
った。
【0092】(比較例2)ベルトから剥離したフィルム
に、B面側から75℃の熱風を吹き付けた他は、実施例
1と同様にして、厚さ4.0μmの芳香族ポリアミドフ
ィルムを得た。
【0093】このフィルムの特性、評価を表1に示す
が、エッジダメージが大きく実用に耐えるものではなか
った。
【0094】(比較例3)テンターでの熱処理温度斑を
熱風ダンパー調整により、6℃とした他は実施例1と同
様にして、厚さ4.0μmの芳香族ポリアミドフィルム
を得た。
【0095】このフィルムの特性、評価を表1に示す
が、パンケーキ形状が悪く実用に耐えるものではなかっ
た。
【0096】(比較例4)ベルトから剥離したフィルム
に、B面側から40℃の熱風を吹き付ける以外は、実施
例7と同様にして厚さ4.0μmの芳香族ポリアミドフ
ィルムを得た。
【0097】このフィルムの特性、評価を表1に記す
が、エッジダメージが大きく、実用に耐えるものではな
かった。
【0098】
【表1】
【0099】
【発明の効果】本発明のフィルムは、厚み方向の屈折率
斑と、加熱時のカール量を特定の範囲とすることによ
り、スリット性が良好で、磁気記録媒体として使用した
ときに、パンケーキ形状が良好で、エッジダメージが小
さいものとすることができる。本発明のフィルムは、磁
気記録媒体分野、電気電子分野、包装分野等のいずれの
用途にも好適に用いることができるが、特に、磁気記録
媒体用ベースフィルムとして好適に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 77:10 C08L 77:10 Fターム(参考) 4F071 AA56 AF15 AF21 AF31Y AF53Y AF54Y AH14 BB02 BC01 4F210 AA30 AG01 AH38 AM32 AR12 AR20 QA02 QC06 QD32 QG01 QG18 QL01 5D006 CB03 CB07 5D112 JJ06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み方向の屈折率斑が0.02以下であ
    り、かつ、180℃で加熱後の幅方向のカール量が10
    %以下である芳香族ポリアミドフィルム。
  2. 【請求項2】 25〜175℃の温度範囲におけるアウ
    トガス発生量が100〜4,000ppmである請求項
    1に記載の芳香族ポリアミドフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の芳香族ポリア
    ミドフィルムの少なくとも片面に磁性層を設けてなる磁
    気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005298749A (ja) * 2004-04-15 2005-10-27 Toray Ind Inc 芳香族ポリアミドフィルム

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