JP2006335875A - ポリイミドフィルムおよびその製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルムの長さが500m以上で、自己支持性フィルムをキュア炉内で加熱キュアし、その際の最高加熱温度以降のキュア炉内の加熱温度を調整することにより絶対値で表示されるフィルムの扇度が3以下に制御された、長尺状で幅広のポリイミドフィルム、キュア炉内における最高加熱温度:425〜525℃程度の温度以降のキュア炉内の冷却温度(Tc)として、次の条件を満足する温度
350[厚み/75]1/2>Tc>Th−200[1+(75−厚み)/75]
[但し、Th:最高加熱温度(℃)、厚み:μm]
を30秒間以上維持した後にキュア炉外で自然冷却するポリイミドフィルムの製造法。
【選択図】 なし
Description
そして、従来は幅広のポリイミドフィルムから数本に分割し、フィルムの片面に耐熱性接着剤で銅箔を接着・積層した後に成形加工しており、工程中に分割したL位置、R位置のフィルムの湾曲が問題となることはなかった。その理由として、例えば508mm幅の幅広のポリイミドフィルムから、35mm幅にカットしたフィルムを十数本あるいは50mm弱の幅にカットしたフィルムを10本取得して接着・積層および加工しており、このような幅狭のフィルムではL位置、R位置のフィルムの湾曲の絶対値が小さいため問題とならないからである。
この湾曲現象は高精度の観点からも、できるだけ小さいことが求められる。
このため、ポリイミドフィルムを製造する際に、キュア炉内における把持部の幅の調整によって前記の湾曲を低減することが試みられた。
しかし、500m以上の長尺のポリイミドフィルムから3分割して300mm以上にカットした幅広のフィルムから更にユ−ザ−がカットして使用する場合に前記の湾曲が依然として問題である。
すなわち、この発明は、フィルムの長さが500m以上で、ポリイミド前駆体溶液の自己支持性フィルムを加熱、イミド化して得られるポリイミドフィルムであって、自己支持性フィルムをキュア炉内で加熱キュアし、その際の最高加熱温度以降のキュア炉内の加熱温度を調整することにより絶対値で表示されるフィルムの扇度が3以下に制御された、長尺状で幅広のポリイミドフィルムに関する。
また、この発明は、前記溶液組成物の薄膜を形成し、その薄膜を加熱乾燥することによって得られた自己支持性フィルムを、フィルム把持装置に両端部を把持させてキュア炉に挿入し、キュア炉内における最高加熱温度:425〜525℃程度の温度以降のキュア炉内の冷却温度(Tc)(℃)として、次の条件を満足する温度
350[厚み/75]1/2>Tc>Th−200[1+(75−厚み)/75]
[但し、Th:最高加熱温度(℃)、厚み:μm]
を30秒間以上維持した後にキュア炉外で自然冷却する、フィルムの長さが500m以上で、分割した各フィルムについての絶対値で表示される扇度が3以下である長尺状で幅広のポリイミドフィルムの製造法に関する。
1)幅広のフィルムから幅が各々300〜600mmとなるように均等に3分割して絶対値で表示される扇度が1〜3である上記のポリイミドフィルム。
2)ポリイミドが、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二成分とp−フェニレンジアミン成分とからなる上記のポリイミドフィルム。
3)厚みが25〜75μmである上記のポリイミドフィルム。
4)ポリイミド前駆体溶液組成物が、無機フィラ−およびリン化合物を含有するものである上記のポリイミドフィルムの製造法。
5)ポリイミド前駆体が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとを有機極性溶媒中で重合して得られるものである上記のポリイミドフィルムの製造法。
6)ポリイミド前駆体溶液組成物が、15〜25重量%のポリマ−濃度である上記のポリイミドフィルムの製造法。
7)フィルムの長さが500m以上で、幅広のフィルムから幅が各々300〜600mmとなるように均等に3分割した各フィルムが、絶対値で表示される扇度が1〜3である上記のポリイミドフィルムの製造法。
前記の扇度の符号(+、−)は、基軸に対して上にふくらんでいる場合を+、下にふくらんでいる場合を−とし、図1、図3および図5の場合は扇度は+、図2および図4の場合は扇度は−である。
ポリイミドフィルムの長さがこの下限より小さいと成形加工工程において生産性が低くなる。
また、ポリイミドフィルムは、引張弾性率(MD、TD)が6.0〜10.0GPaであり、線膨張係数(MD、TD)50〜200℃)が10〜25ppm/℃であることが高精度の要求されるフィルム材料として好ましい。
350[厚み/75]1/2>Tc>Th−200[1+(75−厚み)/75]
[但し、Th:最高加熱温度(℃)、厚み:μm]
を30秒間以上、好適には30秒〜3分間程度維持した後にキュア炉外で自然冷却することによって、フィルムの長さが1000m以上で、分割したフィルムについての絶対値で表示される扇度が3以下、好適には1〜3である長尺状で幅広のポリイミドフィルムを好適に製造することができる。
この発明の製造法においては、前記のキュア炉内における最高加熱温度以降のキュア炉内の冷却温度(Tc)について前記の条件を満足する温度を採用して加熱することによって、キュア炉内の冷却温度の勾配を変化させて、扇度を変化させることが可能となるのである。
そして、この扇度が5以下のポリイミドフィルムからは、長尺のポリイミドフィルムであって、その3分割された幅広のフィルムを用いて、更に約5本以上にカットしたフィルムのL位置およびR位置のフィルムに生じる湾曲現象が少ないポリイミドフィルムを得ることはできない。
また、ポリイミドフィルムの寸法精度に影響を与える応力緩和処理やキュア炉テンタ−チェ−ンの幅の調整によってはフィルムの湾曲を低下させることは不可能である。
前記の真空プラズマ放電処理を行う雰囲気の圧力は特に限定されないが、0.1〜1500Paの範囲が好ましい。
前記プラズマ処理を行う雰囲気のガス組成としては、特に限定されないが酸素を含有することが好ましい。あるいは、希ガスを少なくとも20モル%含有していてもよい。希ガスとしてはHe、Ne、Ar、Xeなどが挙げられるが、Arが好ましい。希ガスにCO2、N2、H2、H2Oなどを混合して使用してもよい。
前記プラズマ処理を行うプラズマ照射時間は1秒〜10分程度が好ましい。
この接着剤シ−トを積層した後、好適にはPET(ポリエステルフィルム)であって剥離剤を処理した保護フィルムを積層することが好ましい。
通常は、この積層体をレ−ザ−加工やパンチング加工などの穴明け加工を施した後、銅箔(銅層)と積層して加熱圧着する。
銅箔の厚さは特に制限はないが、5〜35μm、特に5〜20μmであるものが好ましい。
また、銅箔以外の金属層も線膨張係数が銅箔と同等であれば同様に使用することができる。これらの金属(回路用)としては、銅、アルミニウム、金、これら金属の合金が挙げられる。
この場合には、金属蒸着または金属蒸着と金属メッキ層とで金属層を形成することが好ましい。この金属を蒸着する方法としては真空蒸着法、スパッタリング法などの蒸着法を挙げることができる。真空蒸着法において、真空度が、10−5〜1Pa程度であり、蒸着速度が5〜500nm/秒程度であることが好ましい。スパッタリング法において、特にDCマグネットスパッタリング法が好適であり、その際の真空度が13Pa以下、特に0.1〜1Pa程度であり、その層の形成速度が0.05〜50nm/秒程度であることが好ましい。得られる金属蒸着膜の厚みは10nm以上、1μm以下であり、そのなかでも0.1μm以上、0.5μm以下であることが好ましい。この上に好適には金属メッキにより肉厚の膜を形成することが好ましい。その厚みは、約1〜20μm程度である。
以下の各例において、ポリイミドフィルムの物性測定は以下の方法によって行った。なお、以下の測定値は特記した場合を除き25℃での測定値である。
線膨張係数(50〜200℃)測定:300℃で30分加熱して応力緩和したサンプルをTMA装置(引張りモ−ド、2g荷重、試料長10mm、20℃/分)で測定した。
引張弾性率:ASTM D882に従って測定(MD)
加熱収縮率:JIS C2318に従って測定(200℃)
によって評価した。
反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミド100重量部に、p−フェニレンジアミン5.897重量部および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物16.019重量部を加えて、窒素気流下、40℃で3時間攪拌し、重合反応させてポリマ−濃度18重量%、ポリマ−の対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100ml溶媒、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)が1.8、溶液粘度1800ポイズ(30℃、回転粘度計)のポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液に、ポリアミック酸100重量部に対して0.1重量部の割合でモノステアリルリン酸エステルトリエタノ−ルアミン塩および0.5重量部の割合(固形分基準)で平均粒径0.08μmのコロイダルシリカを添加して均一に混合して、ポリイミド前駆体溶液組成物を得た。
次いで、この自己支持性フィルムをレ−ルに沿って駆動するチェ−ンに取り付けたフィルム把持装置に両端部を把持させて連続キュア炉の挿入し、その際に各加熱ゾ−ン(各ゾ−ンの長さは均一)を次に示す温度分布としてキュア炉内で15分間加熱(一定速度で走行)し、加熱処理したポリイミドフィルムをキュア炉外で自然冷却したものを、低張力下(張力:20N)に300℃で3分間加熱して応力緩和処理して、巻き取って、長さ2700m、幅1600mm、厚み75μmの長尺で幅広のポリイミドフィルムを得た。
9Z(最高加熱温度):480℃
10Z:390℃
11Z:300℃
外部温度:30℃
得られたポリイミドフィルムを3分割して、幅が約500mmのフィルムを得た。
このフィルムのR、CおよびLの扇度を測定した。
Rフィルム:扇度=+1.0
Cフィルム:扇度=+1.5
Lフィルム:扇度=+2.0
これらの各フィルムから幅約100mmのフィルムを切り取り、フィルムの湾曲性を評価した結果、いずれのフィルムも良好であった。
再現性をみるために、実施例1を繰り返し行って、長さ2700m、幅1600mm、厚み75μmの長尺で幅広のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムを3分割して、幅が約500mmのフィルムを得た。
このフィルムのR、CおよびLの扇度を測定した。
Rフィルム:扇度=+1.5
Cフィルム:扇度=+2.5
Lフィルム:扇度=+1.0
これらの各フィルムから幅約100mmのフィルムを切り取り、フィルムの湾曲性を評価した結果、いずれのフィルムも良好であった。
また、実施例1と実施例2との比較から、再現性は良好であることが確認された。
自己支持性フィルムをレ−ルに沿って駆動するチェ−ンに取り付けたフィルム把持装置に両端部を把持させて連続キュア炉に挿入し、その際に各加熱ゾ−ンを次に示す温度分布とした他は実施例1と同様にして、長さ2700m、幅1600mm、厚み50μmの長尺で幅広のポリイミドフィルムを得た。
9Z(最高加熱温度):480℃
10Z:390℃
11Z:305℃
外部温度:30℃
このフィルムのR、CおよびLの扇度を測定した。
Rフィルム:扇度=+2.5
Cフィルム:扇度=0.0
Lフィルム:扇度=+0.5
これらの各フィルムから幅約100mmのフィルムを切り取り、フィルムの湾曲性を評価した結果、いずれのフィルムも良好であった。
Tダイのスリット巾を変えた他は実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体組成物を金属属支持体上に厚み0.3mmの薄膜を形成し、この薄膜を120〜160℃で10分間加熱後、支持体から剥離して、揮発分含有量が35.5重量%の自己支持性フィルムを形成し、さらにこれを乾燥し揮発分含有量が27.5質量%とした。
次いで、この自己支持性フィルムをレ−ルに沿って駆動するチェ−ンに取り付けたフィルム把持装置に両端部を把持させて連続キュア炉の挿入し、その際に各加熱ゾ−ンを次に示す温度分布とし、キュア炉内で10分間加熱して、加熱処理したポリイミドフィルムをキュア炉外で自然冷却したものを、低張力下(張力:20N)に300℃で2分間加熱して応力緩和処理して、巻き取って、他は実施例2と同様にして、長さ3400m、幅1600mm、厚み50μmの長尺で幅広のポリイミドフィルムを得た。
7Z(最高加熱温度):500℃
8Z:450℃
9Z:380℃
10Z:340℃
11Z:235℃
外部温度:30℃
得られたポリイミドフィルムを3分割して、幅が約500mmのフィルムを得た。
このフィルムのR、CおよびLの扇度を測定した。
Rフィルム:扇度=+2.5
Cフィルム:扇度=+2.0
Lフィルム:扇度=+3.0
これらの各フィルムから幅約100mmのフィルムを切り取り、フィルムの湾曲性を評価した結果、いずれのフィルムも良好であった。
自己支持性フィルムをレ−ルに沿って駆動するチェ−ンに取り付けたフィルム把持装置に両端部を把持させて連続キュア炉に挿入し、その際に各加熱ゾ−ンを次に示す温度分布とした他は実施例4と同様にして、長さ3400m、幅1600mm、厚み50μmの長尺で幅広のポリイミドフィルムを得た。
7Z(最高加熱温度):500℃
8Z:450℃
9Z:380℃
10Z:340℃
11Z:260℃
外部温度:30℃
得られたポリイミドフィルムを3分割して、幅が約500mmのフィルムを得た。
このフィルムのR、CおよびLの扇度を測定した。
Rフィルム:扇度=+2.0
Cフィルム:扇度=+1.0
Lフィルム:扇度=+1.5
これらの各フィルムから幅約100mmのフィルムを切り取り、フィルムの湾曲性を評価した結果、いずれのフィルムも良好であった。
Tダイのスリット巾を変えた他は実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体組成物を金属属支持体上に厚み0.2mmの薄膜を形成し、この薄膜を120〜160℃で10分間加熱後、支持体から剥離して、揮発分含有量が35.5重量%の自己支持性フィルムを形成し、この自己支持性フィルムのA面上に4質量%の濃度でシランカップリング剤(N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)含有N,N−ジメチルアセトアミド溶液前記溶液を薄く6g/m2塗布し、80〜120℃の熱風で乾燥を行って、揮発分含有量を31.5重量%とした。
次いで、この自己支持性フィルムをレ−ルに沿って駆動するチェ−ンに取り付けたフィルム把持装置に両端部を把持させて連続キュア炉の挿入し、その際に各加熱ゾ−ンを次に示す温度分布とし、キュア炉内で8分間加熱して、加熱処理したポリイミドフィルムをキュア炉外で自然冷却したものを、低張力下(張力:25N)に285℃で1.5分間加熱して応力緩和処理して、巻き取った他は実施例4と同様にして、長さ3000m、幅1600mm、厚み35μmの長尺で幅広のポリイミドフィルムを得た。
7Z(最高加熱温度):490℃
8Z:410℃
9Z:380℃
10Z:360℃
11Z:190℃
外部温度:30℃
得られたポリイミドフィルムを3分割して、幅が約500mmのフィルムを得た。
このフィルムのR、CおよびLの扇度を測定した。
Rフィルム:扇度=−0.5
Cフィルム:扇度=+1.0
Lフィルム:扇度=−1.0
これらの各フィルムから幅約100mmのフィルムを切り取り、フィルムの湾曲性を評価した結果、いずれのフィルムも良好であった。
自己支持性フィルムをレ−ルに沿って駆動するチェ−ンに取り付けたフィルム把持装置に両端部を把持させて連続キュア炉の挿入し、その際に各加熱ゾ−ンを次に示す温度分布とした他は実施例1と同様にして、長さ2700m、幅1600mm、厚み75μmの長尺で幅広のポリイミドフィルムを得た。
1Z〜8Z:140℃〜450℃
9Z(最高加熱温度):480℃
10Z:390℃
11Z:270℃
外部温度:30℃
このフィルムのR、CおよびLの扇度を測定した。
Rフィルム:扇度=+7.5
Cフィルム:扇度=+3.5
Lフィルム:扇度=+5.0
これらの各フィルムから幅約100mmのフィルムを切り取り、フィルムの湾曲性を評価した結果、R、C、Lの各フィルムは不良であった。
自己支持性フィルムをレ−ルに沿って駆動するチェ−ンに取り付けたフィルム把持装置のレ−ルパタ−ンをL側に平行移動して両端部を把持させた他は比較例1と同様にして、長さ2700m、幅1600mm、厚み75μmの長尺で幅広のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムを3分割して、幅が約500mmのフィルムを得た。
このフィルムのR、CおよびLの扇度を測定した。
Rフィルム:扇度=+5.5
Cフィルム:扇度=+2.0
Lフィルム:扇度=+6.0
これらの各フィルムから幅約100mmのフィルムを切り取り、フィルムの湾曲性を評価した結果、RおよびLの各フィルムは不良であった。
自己支持性フィルムをレ−ルに沿って駆動するチェ−ンに取り付けたフィルム把持装置のレ−ルパタ−ンをR側に平行移動して両端部を把持させた他は比較例1と同様にして、長さ2700m、幅1600mm、厚み75μmの長尺で幅広のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムを3分割して、幅が約500mmのフィルムを得た。
このフィルムのR、CおよびLの扇度を測定した。
Rフィルム:扇度=+5.5
Cフィルム:扇度=+1.5
Lフィルム:扇度=+6.0
これらの各フィルムから幅約100mmのフィルムを切り取り、フィルムの湾曲性を評価した結果、RおよびLの各フィルムは不良であった。
レ−ルに沿って駆動するチェ−ンに取り付けたフィルム把持装置の位置を巻取り機側に移動させて、自己支持性フィルムの両端部を把持させた他は比較例1と同様にして、長さ2700m、幅1600mm、厚み75μmの長尺で幅広のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムを3分割して、幅が約500mmのフィルムを得た。
このフィルムのR、CおよびLの扇度を測定した。
Rフィルム:扇度=+6.0
Cフィルム:扇度=+3.0
Lフィルム:扇度=+5.0
これらの各フィルムから幅約100mmのフィルムを切り取り、フィルムの湾曲性を評価した結果、RおよびLの各フィルムは不良であった。
実施例1〜3で得られたポリイミドフィルムについて、Ar/He/H2/O2ガス流通下、放電密度6.2kw・min/m2の条件でフィルムの両面を低温プラズマ放電処理した。
この低温プラズマ放電処理ポリイミドフィルムと剥離処理した厚み20μmのPETフィルムと厚み25μmのポリイミドシロキサン−エポキシ熱硬化型接着剤との積層シ−トとを積層して、接着剤積層体を得た。
この、接着剤積層体からPETフィルムを引き剥がして、18μmの電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−VLP、Rz約6μm、幅40mm)と、180℃、360分間、20kg/cm2プレスして、銅張積層体を得た。
また、この低温プラズマ放電処理ポリイミドフィルムおよび銅張積層体の評価結果を次に示す。
50〜200℃の線膨張係数M(MD):18〜21x10-6cm/cm/℃
50〜200℃の線膨張係数M(TD):20〜23x10-6cm/cm/℃
引張弾性率(MD):6.0〜8.0GPa
引張弾性率(TD):6.0〜8.0GPa
接着強度:1.3kgf/cm
Claims (9)
- フィルムの長さが500m以上で、ポリイミド前駆体溶液の自己支持性フィルムを加熱、イミド化して得られるポリイミドフィルムであって、自己支持性フィルムをキュア炉内で加熱キュアし、その際の最高加熱温度以降のキュア炉内の加熱温度を調整することにより得られた、幅広のフィルムから幅が各々300〜600mmとなるように均等に3分割した各フィルムが絶対値で表示される扇度を3以下に制御された、長尺状で幅広のポリイミドフィルム。
- 幅広のフィルムから幅が各々300〜600mmとなるように均等に3分割して絶対値で表示される扇度が1〜3である請求項1に記載のポリイミドフィルム。
- ポリイミドが、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二成分とp−フェニレンジアミン成分とからなる請求項1に記載のポリイミドフィルム。
- 厚みが25〜75μmである請求項1ポリイミドフィルム。
- ポリイミド前駆体溶液を平滑な表面を有する支持体表面に連続的に流延して前記溶液組成物の薄膜を形成し、その薄膜を加熱乾燥することによって得られた自己支持性フィルムを、フィルム把持装置に両端部を把持させてキュア炉に挿入し、キュア炉内における最高加熱温度:425〜525℃程度の温度以降のキュア炉内の冷却温度(Tc)として、次の条件を満足する温度
350[厚み/75]1/2>Tc>Th−200[1+(75−厚み)/75]
[但し、Th:最高加熱温度(℃)、厚み:μm]
を30秒間以上維持した後にキュア炉外で自然冷却する、フィルムの長さが500m以上で、で、分割した各フィルムについての絶対値で表示される扇度が3以下である長尺状で幅広のポリイミドフィルムの製造法。 - ポリイミド前駆体溶液組成物が、無機フィラ−およびリン化合物を含有するものである請求項5記載のポリイミドフィルムの製造法。
- ポリイミド前駆体が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとを有機極性溶媒中で重合して得られるものである請求項5記載のポリイミドフィルムの製造法。
- ポリイミド前駆体溶液組成物が、15〜25重量%のポリマ−濃度である請求項5記載のポリイミドフィルムの製造法。
- フィルムの長さが500m以上で、幅広のフィルムから幅が各々300〜600mmとなるように均等に3分割した各フィルムが、絶対値で表示される扇度が1〜3である請求項5記載のポリイミドフィルムの製造法。
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