JP6603021B2 - ポリイミドフィルム - Google Patents

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本発明は、平均線膨張係数の面内ばらつきが小さいポリイミドフィルムに関し、特にCOF(Chip On Film、チップオンフィルム)用途等のファインピッチ回路基板や半導体パッケージに好適なポリイミドフィルム、およびそれを基材として用いた銅張積層体、さらに該銅張積層体の銅層をエッチングすることによりポリイミドフィルム上に配線回路を形成したCOF用基板に関するものである。
フレキシブルプリント基板(FPC)や半導体パッケージの高繊細化に伴い、それらに用いられるポリイミドフィルムへの要求事項も多くなっている。例えば、金属との貼り合わせによる寸法変化やカールが小さいこと、ポリイミドフィルムの物性としては金属並の線膨張係数を有することや高弾性率であること、さらには吸水による寸法変化の小さいことが要求され、それに応じたポリイミドフィルムが開発されてきた。
例えば、弾性率を高めるためパラフェニレンジアミンを使用したポリイミドフィルムの例が知られている(特許文献1、2、3)。また、高弾性を保持しつつ吸水による寸法変化を低減させるためパラフェニレンジアミンに加えビフェニルテトラカルボン酸二無水物を使用したポリイミドフィルムの例が知られている(特許文献4、5)。
さらに、金属との貼り合わせ工程での寸法変化を抑えるため、フィルムの機械搬送方向(以下MDともいう)の線膨張係数をフィルムの幅方向(以下TDともいう)の線膨張係数よりも小さく設定し異方性を持たせたポリイミドフィルムの例が知られている。これは、通常のFPC製造工程では金属との貼り合わせをロールトゥロールで加熱して行うラミネーション方式が採用されており、この工程でのフィルムのMDにテンションがかかって伸びが生じ、一方、TDには縮みが生じる現象を相殺することを目的としている(特許文献6)。
特開昭60−210629号公報 特開昭64−16832号公報 特開平1−131241号公報 特開昭59−164328号公報 特開昭61−111359号公報 特開平4−25434号公報
近年、配線の微細化への対応で、銅張積層体には接着剤を用いない2層タイプ(ポリイミドフィルム上に銅層を直接形成させたもの)が採用されている。この2層タイプの銅張積層体の製造方法には、フィルム上にスパッタ・めっき法により銅層を形成させる方法、銅箔上にポリアミック酸をキャストした後、イミド化させる方法があるが、いずれもラミネート方式の様な熱圧着によるものではないため、フィルムのMDの線膨張係数をTDの線膨張係数より小さくする必要は無くなっている。
特に2層タイプが主流を占めるCOF用途の銅張積層体では、フィルムのTDに狭ピッチで配線される設計であるため、TDの線膨張係数が大きいとチップ実装時やパネル実装時に配線間の寸法変化が大きくなり、微細配線への対応が困難になる。近年の微細配線化の急速な進展に伴い、実装不良の問題が健在化するようになってきた。これに対応するためには、フィルムの線膨張係数を半導体やガラスの線膨張係数に近づけるようにすることが必要であるが、従来の技術では、線膨張係数の絶対値が半導体やガラス並みに小さく、なおかつ線膨張係数の面内ばらつきが小さいフィルムを安定して製造することが困難であった。
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果なされたものであり、平均線膨張係数の面内ばらつきが小さいポリイミドフィルム、およびそれを基材として用いた銅張積層体、さらに半導体チップやガラスパネルとの実装時の寸法安定性に優れたCOF用基板を提供することを目的とするものである。
本発明は、以下の発明に関する。
(1)パラフェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分と酸無水物成分を原料として用いて得られるポリイミドフィルムであって、フィルム搬送方向同一位置かつフィルム両端部から7mm内側の2点、およびこの2点間の直線上に等間隔にとった10点を合わせた12点において、フィルム搬送方向(MD)の50〜200℃の平均線膨張係数αMDが2〜10ppm/℃、幅方向(TD)の50〜200℃の平均線膨張係数αTDが0〜4ppm/℃の範囲内にあり、|αMD|≧|αTD|×2の関係式を満たすことを特徴とするポリイミドフィルム。
(2)前記(1)に記載のポリイミドフィルムにおいて、前記12点の測定点からフィルム搬送方向に5m離れた位置でとった等間隔の12点、さらに5m離れた位置で同様にとった12点の、合計36点において、フィルム搬送方向(MD)の50〜200℃の平均線膨張係数αMDが2〜10ppm/℃、幅方向(TD)の50〜200℃の平均線膨張係数αTDが0〜4ppm/℃の範囲内にあり、|αMD|≧|αTD|×2の関係式を満たすことを特徴とするポリイミドフィルム。
(3)前記12点もしくは36点におけるαTDの最大値αTD(max)、最小値αTD(min)、平均値αTD(ave)が以下の関係式を満たすことを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポリイミドフィルム。
αTD(max)−αTD(ave)≦0.8
αTD(ave)−αTD(min)≦0.8
(4)前記12点もしくは36点におけるαTDの最大値αTD(max)、最小値αTD(min)、平均値αTD(ave)が以下の関係式を満たすことを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポリイミドフィルム。
αTD(max)−αTD(ave)≦0.6
αTD(ave)−αTD(min)≦0.6
(5)幅が150mm以上であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
(6)幅が1000mm以上であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
(7)フィルムのMDとTDの200℃加熱収縮率が、共に0.05%以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
(8)フィルムのMDとTDの200℃加熱収縮率が、共に0.03%以下であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
(9)フィルムの引張弾性率が、6.0GPa以上であることを特徴とする前記(1)〜(8)いずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
(10)フィルムの吸水率が、3.0%以下であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
(11)パラフェニレンジアミンが、芳香族ジアミン成分全量に対して、少なくとも31モル%以上であることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
(12)さらに、芳香族ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上を含むことを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
(13)酸無水物成分が、ピロメリット酸二無水物及び3,3’−4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
(14)前記(1)〜(13)のいずれか1項に記載されたポリイミドフィルムが用いられていることを特徴とする銅張積層体。
(15)前記(14)記載の銅張積層体が用いられていることを特徴とするCOF用基板。
本発明のポリイミドフィルムは、平均線膨張係数の面内ばらつきが小さく、また、それを基材として用いた銅張積層体、および半導体チップやガラスパネルとの実装時の寸法安定性に優れたCOF用基板を提供することができる。さらに、本発明のポリイミドフィルムは、線膨張係数の絶対値が半導体やガラス並みに小さいものである。
実施例1〜3及び比較例1〜2のポリイミドフィルムの平均線膨張係数測定点36点を示す図である。 実施例1〜3及び比較例1〜2のポリイミドフィルムを基材として用いた銅張積層体の断面図である。 実施例1〜3及び比較例1〜2のポリイミドフィルムに銅の配線回路を形成した寸法評価用COF用基板の表面図である。 実施例1〜3及び比較例1〜2のポリイミドフィルムに銅の配線回路を形成した寸法評価用COF用基板の断面図である。 図3及び図4に記載の寸法評価用COF用基板にガラスを圧着後の断面図である。
本発明のポリイミドフィルムは、パラフェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分と酸無水物成分を原料として用いて得られるポリイミドフィルムであって、フィルム搬送方向(MD)の50〜200℃の平均線膨張係数αMDが2〜10ppm/℃、幅方向(TD)の50〜200℃の平均線膨張係数αTDが0〜4ppm/℃の範囲内にあり、|αMD|≧|αTD|×2の関係式を満たすことを特徴とする。
本発明において、前記平均線膨張係数αMD及びαTDは、フィルム搬送方向同一位置かつフィルム両端部から7mm内側の2点、およびこの2点間の直線上に等間隔にとった10点を合わせた12点において測定した値である。また、前記平均線膨張係数αMD及びαTDは、図1に示すように、前記12点の測定点からフィルム搬送方向に5m離れた位置でとった等間隔の12点、さらに5m離れた位置で同様にとった等間隔の12点の合計36点において測定した値であることがより好ましい。
本発明のポリイミドフィルムのフィルム搬送方向(MD)の50〜200℃の平均線膨張係数αMDは、通常2〜10ppm/℃の範囲であり、3〜10ppm/℃の範囲が好ましく、さらに4〜10ppm/℃の範囲が特に好ましい。幅方向(TD)の50〜200℃の平均線膨張係数αTDは、通常0〜4ppm/℃の範囲内にあり、0.5〜3.5ppm/℃の範囲が好ましく、さらに1〜3.5ppm/℃の範囲が特に好ましい。
前記範囲を外れると、半導体やガラスパネルとの実装時に接合不良が発生するため好ましくない。αMD及びαTDを前記範囲内とし、本発明の各構成要素と組み合わせることにより、本発明のポリイミドフィルムを基材として用いた銅張積層体、および半導体チップやガラスパネルとの実装時の寸法安定性に優れたCOF用基板を提供することができる。
本発明のポリイミドフィルムは、前記12点もしくは36点におけるαTDの最大値αTD(max)、最小値αTD(min)、平均値αTD(ave)が以下の式1及び2を満たすことが好ましく、
αTD(max)−αTD(ave)≦0.8(式1)
αTD(ave)−αTD(min)≦0.8(式2)
以下の関係式3及び4を満たすことがより好ましい。
αTD(max)−αTD(ave)≦0.6(式3)
αTD(ave)−αTD(min)≦0.6(式4)
本発明のポリイミドフィルムの幅は、特に限定されないが、150mm以上が好まし
く、1000mm以上がより好ましい。尚、本発明のポリイミドフィルムの幅の上限は
特に限定されない。
本発明のポリイミドフィルムの200℃加熱収縮率は、MDとTDで共に0.05%以下であることが好ましく、共に0.03%以下であることがより好ましい。尚、200℃加熱収縮率は、後述の実施例に記載の方法を用いて測定された値である。
本発明のポリイミドフィルムの引張弾性率は、6.0GPa以上が好ましく、6.2GPa以上がより好ましく、6.5GPa以上がさらに好ましい。尚、引張弾性率は、後述の実施例に記載の方法を用いて測定された値である。
本発明のポリイミドフィルムの吸水率は、3.0%以下が好ましく、2.8%以下がより好ましい。尚、吸水率は、後述の実施例に記載の方法を用いて測定された値である。
本発明のポリイミドフィルムを製造するに際しては、まず芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とを有機溶媒中で重合させることにより、ポリアミック酸溶液を得る。
本発明のポリイミドフィルムは、前記芳香族ジアミン成分としてパラフェニレンジアミンを含む。芳香族ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン以外ものを含んでいてもよく、パラフェニレンジアミン以外の芳香族ジアミン成分の具体例としては、メタフェニレンジアミン、ベンジジン、パラキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメトキシベンジジン、1,4−ビス(3メチル−5アミノフェニル)ベンゼン及びこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。芳香族ジアミン成分としては、パラフェニレンジアミンと、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又は3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの組み合わせが好ましい。この中でフィルムの引張弾性率を高くする効果のあるパラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルのジアミン成分の量を調整し、得られるポリイミドフィルムの引張弾性率を6.0GPa以上にすることが、搬送性も良くなるので好ましい。
前記酸無水物成分の具体例としては、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ジフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸及びこれらのアミド形成性誘導体等の芳香族テトラカルボン酸無水物成分が挙げられ、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この中でも、特に好適な、芳香族ジアミン成分及び酸無水物成分の組み合わせとしては、パラフェニレンジアミンと、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上との芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物及び3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1種以上の酸無水物成分との組み合わせが挙げられる。
前記した芳香族ジアミン成分におけるパラフェニレンジアミンの配合割合(モル比)は、前記範囲の線膨張係数を得るとともに、フィルムに適切な強度を与え、走行性不良を防ぐ点から、芳香族ジアミン成分全量に対して、少なくとも31モル%以上が好ましく、33モル%以上がより好ましく、35モル%以上がさらに好ましい。
前記した酸無水物成分における配合割合(モル比)としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む場合、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物の含有量は、酸無水物成分全量に対して、15モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、25モル%以上がさらに好ましい。
本発明のポリイミドフィルムがこれらの芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とからなるポリアミック酸から製造される場合、ポリイミドフィルムの線膨張係数を、フィルムの機械搬送方向(MD)、幅方向(TD)共に前記範囲に容易に調整することができるため、好ましい。
また、本発明において、ポリアミック酸溶液の形成に使用される有機溶媒の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶媒又はヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶媒を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を使用した混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素の使用も可能である。
ポリアミック酸溶液の重合方法は、公知のいずれの方法で行ってもよく、例えば
(1)先に芳香族ジアミン成分全量を溶媒中に入れ、その後、酸無水物成分を芳香族ジアミン成分全量と当量(等モル)になるように加えて重合する方法。
(2)先に酸無水物成分全量を溶媒中に入れ、その後、芳香族ジアミン成分を酸無水物成分と当量になるように加えて重合する方法。
(3)一方の芳香族ジアミン成分(a1)を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の酸無水物成分(b1)が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の芳香族ジアミン成分(a2)を添加し、続いて、もう一方の酸無水物成分(b2)を全芳香族ジアミン成分と全酸無水物成分とがほぼ当量になるように添加して重合する方法。
(4)一方の酸無水物成分(b1)を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の芳香族ジアミン成分(a1)が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の酸無水物成分(b2)を添加し、続いてもう一方の芳香族ジアミン成分(a2)を全芳香族ジアミン成分と全酸無水物成分とがほぼ当量になるように添加して重合する方法。
(5)溶媒中で一方の芳香族ジアミン成分と酸無水物成分をどちらかが過剰になるよう反応させてポリアミック酸溶液(A)を調整し、別の溶媒中でもう一方の芳香族ジアミン成分と酸無水物成分をどちらかが過剰になるよう反応させてポリアミック酸溶液(B)を調整する。こうして得られた各ポリアミック酸溶液(A)と(B)を混合し、重合を完結する方法。この時ポリアミック酸溶液(A)を調整するに際し芳香族ジアミン成分が過剰の場合、ポリアミック酸溶液(B)では酸無水物成分を過剰に、またポリアミック酸溶液(A)で酸無水物成分が過剰の場合、ポリアミック酸溶液(B)では芳香族ジアミン成分を過剰にし、ポリアミック酸溶液(A)と(B)を混ぜ合わせこれら反応に使用される全芳香族ジアミン成分と全酸無水物成分とがほぼ当量になるように調整する。なお、重合方法はこれらに限定されることはなく、その他公知の方法を用いてもよい。
こうして得られるポリアミック酸溶液は、通常5〜40重量%の固形分を含有し、好ましくは10〜30重量%の固形分を含有する。また、その粘度は、ブルックフィールド粘度計による測定値で通常10〜2000Pa・sであり、安定した送液のために、好ましくは100〜1000Pa・sである。また、有機溶媒溶液中のポリアミック酸は部分的にイミド化されていてもよい。
次に、ポリイミドフィルムの製造方法について説明する。ポリイミドフィルムを製膜する方法としては、ポリアミック酸溶液をフィルム状にキャストし熱的に脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得る方法、及びポリアミック酸溶液に環化触媒及び脱水剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作製し、これを加熱脱溶媒することによりポリイミドフィルムを得る方法が挙げられるが、後者の方が得られるポリイミドフィルムの線膨張係数を低く抑えることができるので好ましい。
化学的に脱環化させる方法においては、まず前記ポリアミック酸溶液を調製する。なお、このポリアミック酸溶液は、必要に応じて、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム及びポリイミドフィラー等の化学的に不活性な有機フィラーや無機フィラーを含有することができる。フィラーの含有量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されない。
ここで使用するポリアミック酸溶液は、予め重合したポリアミック酸溶液であっても、またフィラー粒子を含有させる際に順次重合したものであってもよい。
前記ポリアミック酸溶液は、環化触媒(イミド化触媒)、脱水剤及びゲル化遅延剤等を含有することができる。
本発明で使用される環化触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン等の脂肪族第3級アミン、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン、及びイソキノリン、ピリジン、ベータピコリン等の複素環第3級アミン等が挙げられるが、複素環式第3級アミンが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で使用される脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族カルボン酸無水物、及び無水安息香酸等の芳香族カルボン酸無水物等が挙げられるが、無水酢酸及び/又は無水安息香酸が好ましい。ゲル化遅延剤としては、特に限定されず、アセチルアセトン等を使用することができる。
ポリアミック酸溶液からポリイミドフィルムを製造する方法としては、前記環化触媒及び前記脱水剤を含有させたポリアミック酸溶液を、スリット付き口金から支持体上に流延してフィルム状に成型し、支持体上でイミド化を一部進行させて自己支持性を有するゲルフィルムとした後、支持体より剥離し、加熱乾燥/イミド化し、熱処理を行う方法が挙げられる。
前記支持体とは、金属製の回転ドラムやエンドレスベルトであり、その温度は液体又は気体の熱媒により及び/又は電気ヒーター等の輻射熱により制御される。
前記ゲルフィルムは、支持体からの受熱及び/又は熱風や電気ヒーター等の熱源からの受熱により通常30〜200℃、好ましくは40〜150℃に加熱されて閉環反応し、遊離した有機溶媒等の揮発分を乾燥させることにより自己支持性を有するようになり、支持体から剥離される。
前記支持体から剥離されたゲルフィルムは、特に限定されないが、通常回転ロールにより走行速度を規制しながら搬送方向に延伸されるのが好ましい。搬送方向への延伸は、140℃以下の温度で実施される。その延伸倍率(MDX)は、通常1.05〜1.9倍であり、好ましくは1.1〜1.6倍であり、さらに好ましくは1.1〜1.5倍である。搬送方向に延伸されたゲルフィルムは、テンター装置に導入され、テンタークリップに幅方向両端部を把持されて、テンタークリップと共に走行しながら、幅方法へ延伸される。幅方向への延伸は、200℃以上の温度で実施される。その延伸倍率(TDX)は、通常MDXの1.1〜1.5倍であり、好ましくは1.2〜1.45倍である。前記配合で得られたゲルフィルムに対して、この延伸倍率の組み合わせを実施することにより、本発明の効果を有するフィルムを得ることができる。
上記の乾燥ゾーンで乾燥したフィルムは、熱風、赤外ヒーター等で80〜300℃の温度で15秒〜10分加熱される。次いで、熱風及び/又は電気ヒーター等により、250〜500℃の温度で15秒から20分熱処理を行う。
また、走行速度を調整しポリイミドフィルムの厚みを調整するが、ポリイミドフィルムの厚みとしては、製膜性の悪化を防ぐために、3〜250μmが好ましく、5〜150μmがより好ましい。
このようにして得られたポリイミドフィルムに対して、さらにアニール処理を行うことが好ましい。そうすることによってフィルムの熱リラックスが起こり加熱収縮率を小さく抑えることができる。アニール処理の方法は、特に限定されず、常法に従ってよい。アニール処理の温度としては、特に限定されないが、200℃以上500℃以下が好ましく、200℃以上370℃以下がより好ましく、210℃以上350℃以下が特に好ましい。アニール処理からの熱リラックスにより、200℃での加熱収縮率を上記範囲内に抑えることができるので、より一層寸法精度が高くなり好ましい。具体的には、前記温度範囲に加熱された炉の中を、低張力下にてフィルムを走行させ、アニール処理を行うことが好ましい。炉の中でフィルムが滞留する時間が処理時間となるが、走行速度を変えることでコントロールすることになり、30秒〜5分の処理時間であることが好ましい。これより短いとフィルムに充分熱が伝わらず、また長いと過熱気味になり平面性を損なうので好ましくない。また走行時のフィルム張力は10〜50N/mが好ましく、さらには20〜30N/mが好ましい。この範囲よりも張力が低いとフィルムの走行性が悪くなり、また張力が高いと得られたフィルムの走行方向の熱収縮率が高くなるので好ましくない。
また、得られたポリイミドフィルムに接着性を持たせるため、フィルム表面にコロナ処理やプラズマ処理のような電気処理又はブラスト処理のような物理的処理を行ってもよく、これらの物理的処理は、常法に従って行うことができる。プラズマ処理を行う場合の雰囲気の圧力は、特に限定されないが、通常13.3〜1330kPaの範囲、13.3〜133kPa(100〜1000Torr)の範囲が好ましく、80.0〜120kPa(600〜900Torr)の範囲がより好ましい。
プラズマ処理を行う雰囲気は、不活性ガスを少なくとも20モル%含むものであり、不活性ガスを50モル%以上含有するものが好ましく、80モル%以上含有するものがより好ましく、90モル%以上含有するものが最も好ましい。前記不活性ガスは、He、Ar、Kr、Xe、Ne、Rn、N及びこれらの2種以上の混合物を含む。特に好ましい不活性ガスはArである。さらに、前記不活性ガスに対して、酸素、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、水素、アンモニア、テトラフルオロメタン(カーボンテトラフルオリド)、トリクロロフルオロエタン、トリフルオロメタン等を混合してもよい。本発明のプラズマ処理の雰囲気として用いられる好ましい混合ガスの組み合わせは、アルゴン/酸素、アルゴン/アンモニア、アルゴン/ヘリウム/酸素、アルゴン/二酸化炭素、アルゴン/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム/窒素、アルゴン/ヘリウム/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム、ヘリウム/空気、アルゴン/ヘリウム/モノシラン、アルゴン/ヘリウム/ジシラン等が挙げられる。
プラズマ処理を施す際の処理電力密度は、特に限定されないが、200W・分/m以上が好ましく、500W・分/m以上がより好ましく、1000W・分/m以上が最も好ましい。プラズマ処理を行うプラズマ照射時間は1秒〜10分が好ましい。プラズマ照射時間をこの範囲内に設定することによって、フィルムの劣化を伴うことなしに、プラズマ処理の効果を十分に発揮することができる。プラズマ処理のガス種類、ガス圧、処理密度は上記の条件に限定されず大気中で行われることもある。
このようにして得られるポリイミドフィルムは、平均線膨張係数の面内ばらつきが小さく、それを基材として用いた銅張積層体、および半導体チップやガラスパネルとの実装時の寸法安定性に優れたCOF用基板を提供することができる。
また、本発明は、上述した本発明のポリイミドフィルムが用いられている銅張積層体も含む。本発明の銅張積層体の製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法に従ってよい。例えば、ポリイミドフィルムの片面または両面に、真空蒸着またはスパッタ法等により形成したニッケルとクロムを主成分とする金属層の上に、電気めっき法により銅を主成分とする層を積層する方法が一般的である。本発明もこの方法に従ってよい。本発明の銅張積層体は、例えば、本発明のポリイミドフィルムを基材とし、この上に厚みが1〜10μmの銅を常法に従って形成させることで得られる。
また、本発明は、上述した本発明の銅張積層体が用いられているCOF用基板を含む。本発明のCOF用基板の製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、銅張積層体を用いてフォトリソ法、エッチング法によりポリイミドフィルム上に銅の配線回路を形成した後、必要に応じて、無電解スズめっき法によりスズを0.1〜0.5μm形成、その後ソルダーレジストを積層する方法が一般的である。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
なお、実施例中、PPDはパラフェニレンジアミンを表し、4,4’−ODAは4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを表し、PMDAはピロメリット酸二無水物を表し、BPDAは3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物を表し、DMAcはN,N−ジメチルアセトアミドをそれぞれ表す。
また、実施例中の各特性は次の方法で評価した。
(1)平均線膨張係数
機器:TMA−60(商品名、島津製作所製)を使用し、測定温度範囲:50〜200℃、昇温速度:10℃/分の条件で測定した。尚、本発明において平均線膨張係数とは、測定温度範囲:50〜200℃における平均値という意味である。
(2)200℃加熱収縮率
25℃、60%RHに調整された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L1)を測定し、続いて200℃60分間加熱した後再び25℃、60%RHに調整された部屋に2日間放置した後フィルム寸法(L2)を測定し、下記式により算出した。
200℃加熱収縮率(%)={(L1−L2)/L1}×100
(3)引張弾性率
機器:RTM−250(商品名、エー・アンド・デイ製)を使用し、引張速度:100mm/分の条件で測定した。
(4)吸水率
フィルムを蒸留水に48時間浸漬したのち取り出し、表面の水を素早く拭き取り、5mm×15mmの大きさにサンプルを切り出した。そのフィルムを除電機にかけたのち、島津製作所製の熱重量分析装置TG−50にて測定した。昇温速度は10℃/分で200℃まで昇温し、その重量変化から下記式を用いて吸水率を計算した。
吸水率(%)={(加熱前の重量)−(加熱後の重量)}/(加熱後の重量)×100
(5)寸法安定性
ポリイミドフィルムの片面に厚さ0.025μmのニッケルクロム合金層(ニッケル80%、クロム20%)を、さらにその上に厚さ8μmの銅層を、スパッタ・めっき法にて設け、銅張積層体サンプルを作成した(図2)。さらに銅層をエッチングし、ライン幅15μm、スペース幅15μmの評価用回路パターンを設け、寸法評価用COF用基板とした(図3には該COF用基板の表面図を、図4には該COF用基板の断面図を示す)。
これを被着体(ガラス)に異方導電フィルム(ACF:製品名、日立化成製アニソルムC5311)を用いて、180℃×10秒、5MPaの条件で圧着し(図5)、寸法評価用COF用基板の評価用回路パターンの外形寸法を前記ガラスの圧着前(L3)と圧着後(L4)で測定し、以下の式で伸び率を算出した。30片のサンプルについて測定、算出した伸び率の標準偏差が0.015%未満を「○」、0.015%以上を「×」と判定した。
伸び率(%)={(L4−L3)/L3}×100
[実施例1]
PPD(分子量108.14)、4,4’−ODA(分子量200.24)、BPDA(分子量294.22)、PMDA(分子量218.12)をモル比35/65/25/75の割合で用意し、DMAc中20重量%溶液にして60℃以下の温度で重合し、3500poiseのポリアミック酸溶液を得た。これに、平均粒子径0.1μmのシリカのDMAcスラリーをポリアミック酸樹脂重量当たり該シリカの重量が0.4重量%となるように添加し、十分に攪拌し分散させた。この溶液に無水酢酸(分子量102.09)とβ−ピコリンをポリアミック酸溶液に対し、それぞれ17重量%の割合で混合、攪拌した。得られた混合物をT型スリットダイより回転する75℃のステンレス製ドラムに連続的にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.05mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、延伸倍率が1.1倍となる様に65℃で縦延伸(機械搬送方向への延伸)を行った。その後、フィルムの両端を把持し、加熱炉内で延伸倍率が1.4倍となる様に横延伸(フィルム幅方向への延伸)しながら、250℃×50秒、400℃×75秒の熱処理を連続的に行い、製膜エッジ(フィルム両端の把持部分)を両端150mmカットした後巻き取り、幅2100mm、厚さ35μmの広幅ポリイミドフィルムを得た。その後、スリット装置にて幅方向四等分にスリットし、幅525mmの小幅ポリイミドフィルムを得た。
[実施例2〜3、比較例1、2]
使用したポリアミック酸溶液の各原料の比率(モル比)、縦延伸倍率(MDX)、横延伸倍率(TDX)を表1に記載の値とした他は実施例1と同様の手順で、幅2100mmの広幅ポリイミドフィルムと幅525mmの小幅ポリイミドフィルムを得た。
得られた小幅フィルムの200℃加熱収縮率、引張弾性率、吸水率を前記の方法で評価し、表1に示した。
また、得られた広幅ポリイミドフィルム及び小幅ポリイミドフィルムのそれぞれについて、図1に定める36点の箇所から測定サンプルを採取し、前述の測定方法に従い平均線膨張係数を測定した。小幅ポリイミドフィルムの結果を表1に、広幅ポリイミドフィルムの結果を表2に示す。また、これらの広幅ポリイミドフィルム並びに小幅ポリイミドフィルムそれぞれにおける幅方向(TD)の平均線膨張係数αTD36点の最大値αTD(max)、最小値αTD(min)及び平均値αTD(ave)について、αTD(max)−αTD(ave)とαTD(ave)−αTD(min)の値をそれぞれ表3に示す。
表1〜3の結果から、実施例1〜3の本発明のポリイミドフィルムは、平均線膨張係数の面内ばらつきが小さいことが確認された。一方、比較例1〜2のポリイミドフィルムは、平均線膨張係数の面内ばらつきが大きいものであった。さらに、実施例1〜3の本発明のポリイミドフィルムは、線膨張係数の絶対値が半導体やガラス並みに小さいものであった。
また、実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた小幅ポリイミドフィルムの寸法安定性を前記の方法で評価した結果を、表4に示す。表4の結果から、実施例1〜3の本発明のポリイミドフィルムは、それを基材として用いた銅張積層体から作成したCOF基板において、ガラスに圧着する前後の伸び率の標準偏差が小さく寸法安定性に優れたものであることが確認された。一方、比較例1〜2のポリイミドフィルムは、実施例1〜3と同様に作成したCOF基板において、ガラスに圧着する前後の伸び率の標準偏差が大きいものであった。
上記実施例1〜3の結果から、本発明のポリイミドフィルムは、平均線膨張係数の面内ばらつきが小さく、それを基材として用いた銅張積層体から作成したCOF用基板において、ガラスに圧着した際の寸法安定性に優れることが確認された。
本発明のポリイミドフィルムは、平均線膨張係数の面内ばらつきが小さく、それを基材として用いた銅張積層体、および半導体チップやガラスパネルとの実装時の寸法安定性に優れたCOF用基板を提供することができる。

Claims (15)

  1. パラフェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分と酸無水物成分を原料として用いて得られる幅が150mm以上のポリイミドフィルムであって、フィルム搬送方向同一位置かつフィルム両端部から7mm内側の2点、およびこの2点間の直線上に等間隔にとった10点を合わせた12点において、フィルム搬送方向(MD)の50〜200℃の平均線膨張係数αMDが2〜10ppm/℃、幅方向(TD)の50〜200℃の平均線膨張係数αTDが0〜4ppm/℃の範囲内にあり、|αMD|≧|αTD|×2.4の関係式を満たすことを特徴とするポリイミドフィルム。
  2. 請求項1記載のポリイミドフィルムにおいて、前記12点の測定点からフィルム搬送方向に5m離れた位置でとった等間隔の12点、さらに5m離れた位置で同様にとった12点の、合計36点において、フィルム搬送方向(MD)の50〜200℃の平均線膨張係数αMDが2〜10ppm/℃、幅方向(TD)の50〜200℃の平均線膨張係数αTDが0〜4ppm/℃の範囲内にあり、|αMD|≧|αTD|×2.4の関係式を満たすことを特徴とするポリイミドフィルム。
  3. 前記12点及び36点におけるαTDの最大値αTD(max)、最小値αTD(min)、平均値αTD(ave)が以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のポリイミドフィルム。
    αTD(max)−αTD(ave)≦0.8
    αTD(ave)−αTD(min)≦0.8
  4. 前記12点及び36点におけるαTDの最大値αTD(max)、最小値αTD(min)、平均値αTD(ave)が以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のポリイミドフィルム。
    αTD(max)−αTD(ave)≦0.6
    αTD(ave)−αTD(min)≦0.6
  5. 幅が525mm以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  6. 幅が1000mm以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  7. フィルムのMDとTDの200℃加熱収縮率が、共に0.05%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  8. フィルムのMDとTDの200℃加熱収縮率が、共に0.03%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  9. フィルムの引張弾性率が、6.0GPa以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  10. フィルムの吸水率が、3.0%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  11. パラフェニレンジアミンが、芳香族ジアミン成分全量に対して、少なくとも31モル%以上であることを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  12. さらに、芳香族ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上を含むことを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  13. 酸無水物成分が、ピロメリット酸二無水物及び3,3’−4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  14. 請求項1〜1のいずれか1項に記載されたポリイミドフィルムが用いられていることを特徴とする銅張積層体。
  15. 請求項1記載の銅張積層体が用いられていることを特徴とするCOF用基板。
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