JP6134213B2 - ポリイミドフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ポリイミドフィルムに関する。さらにはポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミドを有する接着フィルムに関する。さらには、この接着フィルムに金属箔を張り合わせて得られるフレキシブル金属積層板に関する。
フレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible printed circuits)は、一般に、各種絶縁材料により形成され、柔軟性を有する絶縁性フィルムを基板とし、この基板の表面に、各種接着材料を介して金属箔を加熱・圧着することにより貼りあわせる方法により製造される。上記絶縁性フィルムとしては、耐熱性、電気絶縁性に優れた、ポリイミドフィルムが好ましく用いられている。上記接着材料としては、エポキシ系、アクリル系等の熱硬化性接着剤が一般的に用いられている(これら熱硬化性接着剤を用いたFPCを以下、三層FPCともいう)。
熱硬化性接着剤は比較的低温での接着が可能であるという利点がある。しかしながら、今後、耐熱性、屈曲性、電気的信頼性といった要求特性が厳しくなるに従い、熱硬化性接着剤を用いた三層FPCでは使用困難な用途も出てくると考えられる。これに対し、絶縁性フィルムに直接金属層を設けたり、接着層に熱可塑性ポリイミドを使用したFPC( 以下、二層FPCともいう)が提案されており、この二層FPCは、今後需要が伸びていくことが期待される。
二層FPCに用いるフレキシブル金属積層板の作製方法としては、金属箔上にポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を流延、塗布した後イミド化するキャスト法、スパッタ、メッキによりポリイミドフィルム上に直接金属層を設けるメタライジング法、熱可塑性ポリイミドを介してポリイミドフィルムと金属箔とを貼り合わせるラミネート法が挙げられる。この中で、ラミネート法は、対応できる金属箔の厚み範囲がキャスト法よりも広く、装置コストがメタライジング法よりも低いという点で優れている。ラミネートを行う装置としては、ロール状の材料を繰り出しながら連続的にラミネートする熱ロールラミネート装置又はダブルベルトプレス装置等が用いられている。上記の内、生産性の点から見れば、熱ロールラミネート法をより好ましく用いることができる。
従来の三層FPCをラミネート法で作製する際、接着層に熱硬化性樹脂を用いていたため、ラミネート温度は200℃未満で行うことが可能であった(特許文献1)。これに対し、二層FPCは熱可塑性ポリイミドを接着層として用いるため、熱融着性を発現させるために200℃以上、場合によっては400℃近くの高温を加える必要がある。そのため、ラミネートされて得られたフレキシブル金属積層板に残留歪みが発生し、エッチングして配線を形成する際、並びに部品を実装するために半田リフローを行う際に寸法変化となって現れる。
特にラミネート法の一例を挙げると、ポリイミドフィルム上に熱可塑性ポリイミドを含有する接着層を設ける際に、熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を流延、塗布した後に連続的に加熱してイミド化を行い、金属箔を貼り合わせる方法があるが、イミド化の工程だけでなく、金属層を張り合わせる際も連続的に加熱加圧を行うため、材料は張力がかけられた状態で加熱環境下に置かれることが多い。その結果、フレキシブル金属積層板から金属箔をエッチングする際と、半田リフローを通して加熱する際にこの歪みが解放され、これらの工程の前後で寸法変化となって現れる場合が多かった。
近年、電子機器の小型化、軽量化を達成するために、基板に設けられる配線は微細化が進んでおり、実装する部品も小型化、高密度化されたものが搭載される。そのため、微細な配線を形成した後の寸法変化が大きくなると、設計段階での部品搭載位置からずれて、部品と基板とが良好に接続されなくなるという問題が生じる。このためポリイミドフィルムへの要求事項も多くなっており、例えば、ポリイミドフィルムの物性として金属並みの線膨張係数を有すること、寸法変化をより小さくすることが求められている。
これまではフレキシブル金属積層板の寸法変化は、フィルムの機械搬送方向(MD方向)とフィルム幅方向(TD方向)のみが重要視されていたが、配線の微細化、配線板の高積層化が進むにつれ、MD・TD方向だけではなくMDから左右45°に向いた方向についてもフレキシブル金属積層板の寸法変化が求められるようになってきており、これらを満足するフレキシブル金属積層板が期待されている。
特許文献2にはMD方向から左右45°に向いた方向における250℃/30分での寸法変化率が−0.10〜+0.10%の範囲にあることがよいとされているが、近年、さらなる微細配線が求められており、250℃/30分での寸法変化率が−0.10〜+0.10%では不十分である。300℃/30分で−0.10〜+0.10%であることが望ましい。特許文献3にはポリイミドフィルムの異方性低減の手法については記載されているものの、テンター除冷工程での残留応力の影響によるフィルム歪みの影響が考慮されておらず、フレキシブル金属積層板の対角線方向寸法変化の改善には十分ではなかった。
特開平9−199830号公報 特開2007−91947号公報 特開2008−12276号公報
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、対角線方向の寸法変化の発生が抑制された接着フィルム、及び金属箔を張り合わせて得られるフレキシブル金属積層板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フィルムの機械搬送方向(MD)を基準として、フィルムの配向角度(θ)が45°と135°における式1で表される配向係数AI(45、135)値が全幅にわたって12以下であることを満足し、更に300℃/30分での45°と135°における寸法変化率差が全幅にわたって−0.05〜0.05%の場合に、FCCL及びFPCの製造工程で発生する寸法変化を抑制する、特にフィルムの斜め方向の寸法変化を抑制することができることを見出した。この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]製膜幅が1m以上あって、フィルムの機械搬送方向(MD)を基準として、フィルムの配向角度(θ)が45°と135°における式1で表される配向係数AI(45、135)値が全幅にわたって12以下であり、全幅において対角線(45°、135°)方向のフレキシブル金属積層板のエッチング処理前後の寸法変化率がいずれも−0.05〜0.05%であり、少なくとも片面に厚みが0.5〜20μmの熱可塑性ポリイミド層を有することを特徴とするポリイミドフィルム。
AI(45,135)=|(V45^2−V135^2)/((V45^2+V135^2)/2)×100| (式1)
[2]フィルムの機械搬送方向(MD)と垂直方向の直線上に製膜幅両端から200mm内側に入った両2点を選び、該2点を結ぶ直線の範囲内で、該2点を含む直線上の中央部±200mm以内の1点と、さらに任意の2点を選び、少なくともこれらの5点のすべてにおいて、異方性指数が12以下であることを特徴とする前記[1]記載のポリイミドフィルム。
[3]ポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液を支持体上に流延塗布して部分的に乾燥及び/又は硬化させた自己支持性を有するゲルフィルムを作製し、該ゲルフィルムを少なくとも2以上の加熱炉を備えたテンター加熱炉を通過させ、該ゲルフィルムの幅方向両端を把持しつつ乾燥及び/又は熱処理を行うことにより製造され、製膜幅が1m以上かつ厚みが3〜50μmであることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のポリイミドフィルム。
[4]さらに、機械搬送方向(MD)に低張力にて加熱処理を施してなることを特徴とする前記[3]に記載のポリイミドフィルム。
[5]ポリイミドフィルムが、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上の芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物および3,3’−4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1種以上の酸無水物成分とを使用して製造されることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
[6]ポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液を支持体上に流延塗布して部分的に乾燥及び/又は硬化させた自己支持性を有するゲルフィルムを作製し、該ゲルフィルムを少なくとも2以上の加熱炉を備えたテンター加熱炉を通過させ、該ゲルフィルムの幅方向両端を把持しつつ乾燥及び/又は熱処理を行う工程を有し、テンター加熱炉内での乾燥速度を制御されていることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載されたポリイミドフィルムの製造方法。
[7]前記[6]の製造方法で得られたポリイミドフィルムをさらに、強熱処理する工程を有し、前記強熱処理の温度が、250℃以上500℃以下であることを特徴とする前記[6]記載のポリイミドフィルムの製造方法。
[8]前記[1]〜[5]に記載のポリイミドフィルムに金属箔を貼り合わせて得られることを特徴とするフレキシブル金属積層板。
本発明のポリイミドフィルム及びフレキシブル金属積層板は、寸法変化の発生が抑制されており、特にラミネート法における寸法変化の発生も効果的に抑制できる。具体的には、金属箔を除去する前後の寸法変化率について、フィルムの機械搬送方向(MD方向)から左右45°の方向、各々の寸法変化率を小さくできるとともに、MD方向から右45°方向及び左45°方向の寸法変化の差異を小さくすることができ、0.05%以下の範囲とすることが可能である。従って、微細な配線を形成したFPC等にも好適に用いることが可能で、位置ずれ等の問題を改善できる。特に、連続的に生産される幅1m以上の接着フィルムの場合には、上述の寸法変化率が小さいのみならず、フィルムの全幅における寸法変化率が安定しているという効果を奏する。
AI(45、135)と寸法変化率の関係を示す。 配向軸と配向角度(θ)を表す概略図である。白抜きの矢印は、フィルムの機械搬送方向(MD)、及び幅方向(TD)を示す。 各角度における超音波速度をレーダーグラフ化し、そこから配向軸を引き、配向角度(θ)として求める。白抜きの矢印は、フィルムの機械搬送方向(MD)を示す。 本発明のポリイミドフィルムのAI(45、135)の測定位置を示す概略図である。白抜きの矢印は、フィルムの機械搬送方向(MD)を示す。 通常熱処理または強熱処理(アニール処理)を施したフレキシブル金属積層板の銅箔エッチング後にどれだけ頂点の位置がずれるかについて、幅方向のみ評価した結果を示す。前記通常熱処理とは、150〜200℃の熱処理を意味する。
以下、本発明について具体的に説明する。本発明のポリイミドフィルムは、製膜幅が1m以上あって、フィルムの機械搬送方向(MD)を基準として、フィルムの配向角度(θ)が45°と135°における超音波パルスの伝播速度Vを測定したときの式1で表される異方性指数(Anisotoropy Index:AI)が全幅にわたって12以下であり、全幅において対角線(45°、135°)方向のフレキシブル金属積層板のエッチング処理前後の寸法変化率がいずれも−0.05〜0.05%であり、少なくとも片面に厚みが0.5〜20μmの熱可塑性ポリイミド層を有することを特徴とする。
AI(45,135)=|(V45^2−V135^2)/((V45^2+V135^2)/2)×100| (式1)
本発明の式1における超音波パルスの伝播速度(超音波速度ともいう)Vは、野村商事製SST−2500(Sonic Sheet Tester)を使用して測定した。SST−2500を使用すると、フィルムの面方向0〜180°(0°はMD方向に平行)について11.25°刻みで16方向の超音波速度が自動的に測定される。得られた各方向の速度のうち、MD方向を基準として45°と135°における超音波速度V45、V135から式1で表される異方性指数(Anisotoropy Index:AI)が求められる。
(式1)
AI(45、135)=|(V45^2−V135^2)/((V45^2+V135^2)/2)×100|
得られるAI(45、135)の値が小さければ小さいほど、対角線上における異方性が小さいフィルムであることを表す。本発明において、上記異方性指数は、12以下であり、寸法変化の発生をより抑制できる点から、より好ましくは11以下であり、さらに好ましくは8以下であり、特に好ましくは6以下である。
本発明者らは、鋭意検討した結果、フィルムのAI(45、135)と該接着フィルムを用いたフレキシブル金属積層板の寸法変化率が図1のように相関を示し、具体的には、フィルムのAI(45、135)値が増大すると該接着フィルムを用いたフレキシブル金属積層板の寸法変化も増大することを見出した。
本発明における配向角度は、野村商事製SST−2500(Sonic Sheet Tester)を使用して測定した。本発明における配向角度(θ)とは、配向軸の方向を意味しており、図2に示すとおりフィルムの機械搬送方向(MD)を基準線として零度とし、基準線を時計方向へ回転させた側の角度で表す。SST−2500を使用すると、フィルムの面方向0〜180°(0°はMDに平行)について11.25°刻みで16方向の超音波速度が自動的に測定される。得られた各方向の速度をレーダーグラフ化(Microsoft Excelのグラフ機能を使用)することにより、図3のようなパターン図を描く。円中心から該パターン図の最も膨れた部分に向かって引いた線が配向軸(g)であり、MDを基準線として、該基準線から配向軸の角度(θ)を測定し、これを配向角度として求めた。
本発明における寸法変化率は、後記する実施例に記載の方法で測定した値である。
本発明者らは、鋭意検討した結果、オーブンによる低張力下での加熱処理温度が、該接着フィルムを用いたフレキシブル金属積層板の寸法変化率に図5の様な相関を示し、加熱処理が当該接着フィルムを用いたフレキシブル金属積層板の寸法変化の低減に影響することを見出した。
本発明のポリイミドフィルムを用いて得られるフレキシブル金属積層板においては、金属箔を除去する前後の寸法変化率が、MD方向から右45°方向及び左45°方向共に−0.05%〜+0.05%の範囲にあることが好ましく、−0.045%〜+0.045%の範囲にあることがより好ましく、−0.025%〜+0.025%の範囲にあることが特に好ましい。
さらに、右45°方向及び左45°方向の寸法変化率の差が0.01%以下であることが好ましく、0.005%以下であることが好ましい。金属箔除去前後の寸法変化率は、エッチング工程前のフレキシブル金属積層板における所定の寸法及びエッチング工程後の所定の寸法の差分と、上記エッチング工程前の所定の寸法との比で表される。
寸法変化率がこの範囲内から外れると、フレキシブル金属積層板において、微細な配線を形成した後、並びに部品搭載時の寸法変化が大きくなってしまい、設計段階での部品搭載位置からずれる場合がある。その結果、実装する部品と基板とが良好に接続されなくなるおそれがある。換言すれば、寸法変化率が上記範囲内であれば、部品搭載に支障がないと見なすことが可能になる。
上記寸法変化率の測定方法は特に限定されるものではなく、フレキシブル金属積層板において、エッチング又は加熱工程の前後に生じる寸法の増減を測定できる方法であれば、従来公知のどのような方法でも用いることができる。
なお、寸法変化率を測定する際のエッチング工程の具体的な条件は特に限定されるものではない。すなわち、金属箔の種類や形成されるパターン配線の形状等に応じてエッチング条件は異なるので、本発明において寸法変化率を測定する際のエッチング工程の条件は従来公知のどのような条件であってもよい。
さらに、本発明のポリイミドフィルムの配向角度(θ)が機械搬送方向(MD)を基準として90゜±23゜の範囲内にあることが好ましく、90゜±12゜の範囲内にあることがより好ましい。ここで配向角度90゜は配向軸がフィルム幅方向(TD)と平行に向いていることになる。つまり前記範囲内に配向角度があるということは、フィルム全幅にわたって配向軸がTD方向にむいておりバラツキが小さいことを表している。このため、どの位置を取ってもフィルムの物性値は近似しており、TDの寸法安定性が高くなっているので好ましい。配向角度(θ)が90±23°を超えるとフィルムのTD配向が崩れてきて物性も変わってくるので好ましくない。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は特に限定されないが、以下に製造方法の詳細を示す。製造方法の第一の態様は、例えば、(1)芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とを有機溶媒中で重合させ、ポリアミック酸溶液を得る工程、(2)前記工程(1)で得られたポリアミック酸溶液を環化反応させてゲルフィルムを得る工程、(3)前記工程(2)で得られたゲルフィルムを、MDの延伸(以下、縦延伸ともいう)が2段階延伸であり、かつTDの延伸倍率がMDの総延伸倍率の1.10倍以上1.50倍以下であるMDとTDの2軸延伸処理する工程を含むことができる。
工程(1)は、芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とを有機溶媒中で重合させることにより、ポリアミック酸溶液を得る工程である。
上記芳香族ジアミンの具体例としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンジジン、パラキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメトキシベンチジン、1,4−ビス(3メチル−5−アミノフェニル)ベンゼン又はこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。この中でフィルムの引張弾性率を高くする効果のあるパラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル等のジアミンの量を調整し、最終的に得られるポリイミドフィルムの引張弾性率が4.0GPa以上にすることが好ましい。これらの芳香族ジアミンは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの芳香族ジアミンのうち、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。芳香族ジアミンの使用量は特に限定されないが、パラフェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又は3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを併用する場合、(i)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又は3,4’−ジアミノジフェニルエーテルと、(ii)パラフェニレンジアミンとを69/31〜90/10(モル比)で用いることがより好ましく、70/30〜85/15(モル比)で用いることがとりわけ好ましい。
上記酸無水物成分の具体例としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、又はこれらのアミド形成性誘導体等の酸無水物が挙げられ、芳香族テトラカルボン酸の酸二無水物が好ましく、ピロメリット酸二無水物及び/又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。これらの酸無水物成分は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。酸無水物成分の使用量は特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを併用する場合、ピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを80/20〜60/40(モル比)で用いることがより好ましく、75/25〜65/35(モル比)で用いることがとりわけ好ましい。
本発明において、ポリアミック酸溶液の形成に使用される有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒;フェノール、o−,m−,又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶媒;又はヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶媒を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素の使用も可能である。
重合方法は公知のいずれの方法で行ってもよく、特に限定されないが、例えば、(i)先に芳香族ジアミン成分全量を有機溶媒中に入れ、その後酸無水物成分を芳香族ジアミン成分全量と当量になるように加えて重合する方法、(ii)先に酸無水物成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族ジアミン成分を酸無水物成分と当量になるように加えて重合する方法、(iii)一方の芳香族ジアミン成分(a1)を溶媒中に入れた後、反応成分に対して酸無水物成分(b1)が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の芳香族ジアミン成分(a2)を添加し、続いて酸無水物成分(b2)を全芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とがほぼ当量になるよう添加して重合する方法、(iv)一方の酸無水物成分(b1)を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の芳香族ジアミン成分(a1)が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、酸無水物成分(b2)を添加し、続いてもう一方の芳香族ジアミン成分(a2)を全芳香族ジアミン成分と全酸無水物成分とがほぼ当量になるように添加して重合する方法、(v)溶媒中で一方の芳香族ジアミン成分と酸無水物成分をどちらかが過剰になるように反応させてポリアミック酸溶液(A)を調製し、別の溶媒中でもう一方の芳香族ジアミン成分と酸無水物成分をどちらかが過剰になるよう反応させポリアミック酸溶液(B)を調製する。次いで、得られた各ポリアミック酸溶液(A)と(B)を混合し、重合を完結する方法、(vi)(v)において、ポリアミック酸溶液(A)を調製するに際し芳香族ジアミン成分が過剰の場合、ポリアミック酸溶液(B)では酸無水物成分を過剰に、またポリアミック酸溶液(A)で酸無水物成分が過剰の場合、ポリアミック酸溶液(B)では芳香族ジアミン成分を過剰にし、ポリアミック酸溶液(A)と(B)を混ぜ合わせ、これら反応に使用される全芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とがほぼ当量になるよう調製する方法等が挙げられる。
こうして得られるポリアミック酸溶液は、通常5〜40重量%の固形分を含有し、好ましくは10〜30重量%の固形分を含有する。また、ポリアミック酸溶液の粘度は、JIS K6726_1994に従い、ブルックフィールド粘度計を用いた回転粘度計法による測定値であり、特に限定されないが、通常10〜2000Pa・s(100〜20000poise)であり、安定した送液のために、好ましくは100〜1000Pa・s(1000〜10000poise)である。また、有機溶媒溶液中のポリアミック酸は部分的にイミド化されていてもよい。
本発明のポリアミック酸溶液は、フィルムの易滑性を得るため必要に応じて、酸化チタン、微細シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、ポリイミドフィラー等の化学的に不活性な有機フィラー又は無機フィラー等を含有していてもよい。
本発明に用いる無機フィラー(無機粒子)は、特に限定されないが、全粒子の粒子径が0.005μm以上2.0μm以下の無機フィラーが好ましく、全粒子の粒子径が0.01μm以上1.5μm以下の無機フィラーがより好ましい。粒度分布(体積基準)に関して、特に限定されないが、粒子径0.10μm以上0.90μm以下の粒子が全粒子中80体積%以上を占める無機フィラーが好ましく、より易滑性に優れる点から、粒子径0.10μm以上0.75μm以下の粒子が全粒子中80体積%以上を占める無機フィラーがより好ましい。平均粒子径が0.05μm以下になると、フィルムの易滑性効果が低下するので好ましくなく、1.0μm以上になると局所的に大きな粒子となって存在するので好ましくない。前記の粒度分布、平均粒子径及び粒子径範囲は、堀場製作所のレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用いて測定することができる。前記平均粒子径は、体積平均粒子径を指す。
本発明に用いる無機フィラーは、特に限定されないが、ポリアミック酸溶液の重量に対して0.03重量%以上1.0重量%未満の割合で、フィルム中に均一に分散されていることが好ましく、易滑性効果の点から0.30重量%以上0.80重量%以下の割合がより好ましい。1.0重量%以上では機械的強度の低下が見られ、0.03重量%以下では十分な易滑性効果が見られず好ましくない。
工程(2)は、前記工程(1)で得られたポリアミック酸溶液を環化反応させてゲルフィルムを得る工程である。前記ポリアミック酸溶液を環化反応させる方法は、特に限定されないが、具体的には、(i)前記ポリアミック酸溶液をフィルム状にキャストし、熱的に脱水環化させてゲルフィルムを得る方法(熱閉環法)、又は(ii)前記ポリアミック酸溶液に環化触媒及び転化剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作製し、加熱により、ゲルフィルムを得る方法(化学閉環法)等が挙げられ、得られるポリイミドフィルムについて、他の構成要件との組み合わせによって均一に寸法変化を抑制できる点で後者の方法が好ましい。上記ポリアミック酸溶液は、ゲル化遅延剤等を含有することができる。ゲル化遅延剤としては、特に限定されず、アセチルアセトン等を使用することができる。
前記環化触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン等の脂肪族第3級アミン;ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン;イソキノリン、ピリジン、β−ピコリン等の複素環第3級アミン等が挙げられ、イソキノリン、ピリジン及びβ−ピコリンからなる群から選ばれる1以上の複素環式第3級アミンが好ましい。前記転化剤としては、特に限定されないが、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族カルボン酸無水物;無水安息香酸等の芳香族カルボン酸無水物等が挙げられ、無水酢酸及び/又は無水安息香酸が好ましい。これらの環化触媒及び転化剤の含有量は、特に限定されないが、ポリアミック酸溶液100重量%に対して、それぞれ10〜40重量%程度が好ましく、15〜30重量%程度がより好ましい。
前記ゲルフィルムは、前記ポリアミック酸溶液又はポリアミック酸溶液に環化触媒及び転化剤を混合した混合溶液を、スリット付き口金から支持体上に流延してフィルム状に成型し、支持体からの受熱、熱風又は電気ヒーター等の熱源からの受熱により、加熱して閉環反応させ、遊離した有機溶媒等の揮発分を乾燥させることにより自己支持性を有するゲルフィルムとした後、支持体から剥離されることにより得られる。
前記支持体としては、特に限定されないが、金属(例えばステンレス)製の回転ドラム、エンドレスベルト等が例として挙げられ、支持体の温度は、(i)液体又は気体の熱媒体、(ii)電気ヒーター等の輻射熱等により制御され、特に限定されず、例えば、30〜200℃であってもよく、40〜150℃が好ましい。
工程(3)は、前記工程(2)で得られたゲルフィルムを、MDの延伸が2段階延伸であり、かつTDの延伸倍率がMDの総延伸倍率の1.10倍以上1.50倍以下であるMDとTDへの2軸延伸処理する工程である。
前記支持体から剥離されたゲルフィルムは、回転ロールにより走行速度を規制しながら走行方向(MD)に延伸される。回転ロールには、ゲルフィルムの走行速度を規制する必要な把持力が必要であり、回転ロールとしては、金属ロールとゴムロールを組み合わせてなるニップロール、バキュウムロール、多段張力カットロール又は減圧吸引方式のサクセションロール等を使用するのが好ましい。
工程(3)において、2軸延伸処理を行う。前記2軸延伸処理の順番は、特に限定されないが、機械搬送方向(MD)の延伸(縦延伸)を行ったのち、幅方向(TD)の延伸(以下、横延伸ともいう)を行うのが好ましい。また、縦延伸を行い、次いで加熱処理をしたのち横延伸を行う工程、又は縦延伸を行い、次いで加熱処理と並行して、横延伸を行う工程が、他の構成要件との組み合わせによって均一に寸法変化を抑制できる点から、より好ましい。
前記2軸延伸処理におけるMDの延伸(縦延伸)は、ポリイミドフィルムについて、他の構成要件との組み合わせによって寸法変化を抑制するために、2段階にわけて行う。MDへの2段階延伸において、第1段階目の延伸倍率(以下、縦延伸率ともいう)は、特に限定されないが、1.02倍以上1.3倍以下が好ましく、均一に寸法変化を抑制できる点から、1.04倍以上1.1倍以下がより好ましい。第2段階目のMDの延伸倍率は、1.02倍以上1.3倍以下が好ましく、他の構成要件との組み合わせによって均一に寸法変化を抑制できる点から、1.04倍以上1.1倍以下がより好ましい。また、本発明において、MDの総延伸倍率に対する第1段階目の延伸の延伸倍率の割合は、他の構成要件との組み合わせによって均一に寸法変化を抑制できる点から、MDの総延伸倍率の40%以上が好ましく、寸法変化をより抑制できる点から、50%以上80%以下とすることがより好ましい。ここで、MDの総延伸倍率に対する第1段階目の延伸の延伸倍率の割合の算出方法は、下記の通りである。
(式3)
Figure 0006134213
例えば、延伸倍率1.1倍というのは、基本長(延伸前の長さ)1に対して0.1倍延ばした状態である。したがって、延伸倍率から1を引いて算出する。MDの総延伸倍率は、特に限定されないが、1.04倍以上1.4倍以下が好ましく、1.05倍以上1.3倍以下がより好ましい。MDの延伸温度は、特に限定されないが、60〜100℃程度が好ましく、65〜90℃程度がより好ましい。MDの延伸速度は、特に限定されないが、2段階延伸を行う場合、他の構成要件との組み合わせによって均一に寸法変化を抑制できる点から、該2段階延伸の第1段階目の延伸速度は、1%/分〜20%/分程度が好ましく、2%/分〜10%/分程度がより好ましい。該2段階延伸の第2段階目の延伸速度は、1%/分〜20%/分程度が好ましく、2%/分〜10%/分程度がより好ましい。MDへの2段階延伸において、各段階の延伸時間は、特に限定されないが、5秒〜5分程度であり、10秒〜3分が好ましい。前記した縦延伸のパターンとしては、延伸倍率1から前記延伸倍率まで、一気に延伸する方法、逐次に延伸する方法、少しずつ不定率な倍率で延伸する方法、少しずつ定率な倍率で延伸する方法、又はこれらを複数組合せた方法等を挙げることが出来、特に少しずつ一定な倍率で延伸する方法が好ましい。
前記MDの延伸を行ったのち、加熱処理を行う場合、加熱温度は、特に限定されないが、MDの延伸時の温度より高い温度が好ましく、通常80〜550℃程度であり、180〜500℃程度が好ましく、200〜450℃程度がより好ましい。80℃未満で延伸を開始すると、フィルムが硬くて脆い場合があり延伸が困難になるおそれがある。加熱処理時間は、30秒〜20分が好ましく、50秒〜10分がより好ましい。また、加熱処理は、異なる温度で多段階的(2段階、3段階等)に行ってもよい。例えば、多段階で加熱処理を行う場合の第1段階の加熱温度は、特に限定されないが、溶媒を十分に除去するために、80℃以上300℃以下が好ましく、100℃以上290℃以下がより好ましく、120℃以上285℃以下がさらに好ましい。多段階で加熱処理を行う場合の最終段階の加熱温度は、第1段階の加熱温度より高い温度であって、第1段階の加熱温度の設定と異なれば特に限定されず、例えば、300℃より大きく550℃以下が好ましく、320℃以上500℃以下がより好ましく、350℃以上450℃以下がさらに好ましい。第1段階の加熱温度が最終段階の加熱温度より高いと、溶媒が急激に蒸発してしまい、得られるフィルムが脆くなり、実用的でない。多段階加熱処理の場合の各段階の処理時間は、前記と同様である。加熱処理には、温度の異なる複数のブロック(ゾーン)を有するキャステイング炉又は加熱炉等の加熱装置等を用いることができる。加熱処理は、ピン式テンター装置、クリップ式テンター装置、チャック等によりフィルムの両端を固定して行うことが好ましい。当該加熱処理により、溶媒を除去することができる。テンター装置は、少なくとも2以上の加熱炉を有するものが好ましい。
MDに延伸されたゲルフィルムは、加熱炉を備えたテンター装置(テンター加熱炉)に導入され、テンタークリップに幅方向両端部を把持されて、テンタークリップと共に走行しながら、幅方向(TD)へ延伸される。TDの延伸倍率(以下、横延伸率ともいう)としては、特に限定されないが、1.35倍以上2.0倍以下が好ましく、他の構成要件との組み合わせによって、均一に寸法変化を抑制できる点から、1.40倍以上1.8倍以下がより好ましい。前記TDの延伸倍率は、実施例における横延伸率を意味する。TDの延伸倍率(横延伸率)は、MDの延伸倍率(縦延伸率)より高く設定する必要があり、具体的には、通常MDの総延伸倍率の1.10倍以上1.50倍以下であり、他の構成要件との組み合わせによって、均一に寸法変化を抑制できる点から、1.15倍以上1.45倍以下が好ましい。MDの延伸が前記2段階延伸であり、かつフィルムのMDの延伸倍率に比べTDの延伸倍率を高く設定し、他の構成要件との組み合わせによって、寸法変化を抑制したフィルムを得ることができる。TDの延伸は、前記加熱処理後に行ってもよく、前記加熱処理前に行ってもよいが、より均一に寸法変化を抑制できる点から、前記加熱処理と並行して行うのが好ましい。TDの延伸の延伸時間は、特に限定されないが、5秒〜10分程度であり、10秒〜5分が好ましい。上記横延伸のパターンとしては、延伸倍率1から上記横延伸倍率まで、一気に延伸する方法、逐次に延伸する方法、少しずつ不定率な倍率で延伸する方法、少しずつ定率な倍率で延伸する方法、又はこれらを複数組合せた方法等を挙げることができる。特に、横延伸と多段階加熱処理を並行して行う場合、第1段階の加熱処理時に、TDの延伸倍率が最大延伸率となるように設定し、少しずつ延伸倍率を低下させることが好ましい。また、第1段階の加熱処理後もさらにTDの延伸倍率を少しずつ上げ、第2段階或いは最終段階の加熱処理時にTDの延伸倍率が最大延伸率となるように設定することも好ましい。
上記のテンター加熱炉内に導入されたゲルフィルムを乾燥する際に、乾燥速度を制御することが、他の構成要件との組み合わせによって、均一に寸法変化を抑制できる点から、好ましい。このような効果は、特に限定されず、フィルムの製膜速度と乾燥速度の最適な組み合わせにより達成され得る。製膜速度を一定とした場合、製膜速度より乾燥速度が大きいと、フィルムは製膜進行方向に対して外側に配向し、逆に製膜速度より乾燥速度が小さいと、フィルムは進行方向に対して内側に配向する。然るに、製膜速度と乾燥速度を適正に制御することにより製膜進行方向に対し斜め方向への寸法変化を均一に抑えたフィルムが得られるのである。乾燥はヒーターにより加熱した熱風により行われるが、乾燥速度の制御は、熱風の流量により行われてもよいし、熱風の温度により行われてもよく、これらを組み合わせても同じ結果を得ることが可能である。製膜速度は、原料ポリマの吐出速度(例えば、100〜1000kg/時間)、ゲルフィルム作製時の支持体の温度、環化触媒及び転化剤の含有量、残揮発成分の量等によって、調整できる。フィルムの配向角度(θ)が機械搬送方向(MD)を基準として90゜±23゜の範囲であることが対角線方向の寸法変化を抑えるためには好適である。
さらに全幅において所望の寸法変化率を有し、かつフィルム幅方向で均一な対角線方向寸法変化率差を有するポリイミドフィルムを製造するには、フィルムをTD延伸する時の溶媒残存率が影響する。溶媒が除去され過ぎた状況または溶媒の除去が不十分な状況でフィルムをTD方向への延伸すると、TD方向への延伸とMD方向への乾燥収縮力によりフィルムの端部では斜めに配向してしまうが、ポリアミック酸溶液を環化反応させてゲルフィルムを得る工程におけるゲルフィルムに含まれる溶媒量を100%としたとき、乾燥工程における溶媒残存率が50〜90%のとき幅方向(TD)への延伸を行うと、MD方向への張力がフィルム自身で緩和され、全幅において均一な寸法変化率を有するポリイミドフィルムを製造することができる。さらに、寸法変化率のバラツキをより抑えられる点から、横延伸率が50%のときの溶媒残存率は50〜90%がより好ましく、75〜90%がさらに好ましい。また、横延伸率が80%のときの溶媒残存率は50〜90%であるのがより好ましく、55〜75%がさらに好ましい。これらの溶媒残存率は組み合わせてもよく、例えば、横延伸が50%のときに溶媒残存率が60〜90%であって、かつ横延伸率が80%のときに溶媒残存率が50〜70%であってもよい。前記寸法変化率のバラツキの測定は、例えば、図3に示される位置において行われる。具体的には、製膜幅が1m以上である場合、フィルムの機械搬送方向(MD)と垂直方向の直線上に製膜幅両端から200mm内側に入った両2点を選び、該2点を結ぶ直線の範囲内で、該2点を含む直線上の中央部±200mm以内の1点と、さらに任意の2点を選び、少なくともこれらの5点が挙げられる。
次に、本発明のポリイミドフィルムの製造方法の第二の態様について、以下に詳しく説明する。製造方法の第二の態様は、例えば、(1)芳香族ジアミン成分と酸無水物成分とを有機溶媒中で重合させ、ポリアミック酸溶液を得る工程、(2)前記工程(1)で得られたポリアミック酸溶液を環化反応させてゲルフィルムを得る工程、(3)前記工程(2)で得られたゲルフィルムを、MDの延伸(以下、縦延伸ともいう)が3段階以上の多段階延伸であり、かつTDの延伸倍率がMDの総延伸倍率の1.10倍以上1.50倍以下であるMDとTDの2軸延伸処理する工程を含むことができる。
第二の製造態様において、工程(3)は、前記工程(2)で得られたゲルフィルムを、MDの延伸が3段階以上の多段階延伸であり、かつTDの延伸倍率がMDの総延伸倍率の1.10倍以上1.50倍以下であるMDとTDへの2軸延伸処理する工程である。
前記工程(2)における支持体から剥離されたゲルフィルムは、回転ロールにより走行速度を規制しながら走行方向(MD)に延伸される。回転ロールには、ゲルフィルムの走行速度を規制する必要な把持力が必要であり、回転ロールとしては、金属ロールとゴムロールを組み合わせてなるニップロール、バキュウムロール、多段張力カットロール、又は減圧吸引方式のサクセションロール等を使用するのが好ましい。
工程(3)において、2軸延伸処理を行う。前記2軸延伸処理の順番は、前記第一の製造態様と同様に行うことができる。
前記第二の製造態様では、前記2軸延伸処理におけるMDの延伸(縦延伸)は、3段階以上の多段階にわけて行う。MDの延伸(縦延伸)は、3段階以上であれば、特に限定されず、3段階、4段階、5段階等で行ってもよいが、得られるフィルムの線熱膨張係数の均一性が高い点から3段階延伸が好ましい。
MDの各段階の延伸倍率は、特に限定されないが、例えば、3段階延伸の場合、第1段階目の延伸倍率は、特に限定されないが、1.02倍以上1.3倍以下が好ましく、1.04倍以上1.1倍以下がより好ましい。第2段階目のMDの延伸倍率は、1.005倍以上1.4倍以下が好ましく、1.01倍以上1.3倍以下がより好ましい。第3段階目のMDの延伸倍率は、1.02倍以上1.3倍以下が好ましく、1.04倍以上1.1倍以下がより好ましい。また、本発明においては、MDの総延伸倍率に対する第1段階目の延伸の延伸倍率の割合は、40%以上が好ましく、50%以上80%以下とすることがより好ましい。また、MDの総延伸倍率に対する第2段階目の延伸倍率の割合が、5%以上であることが好ましく、8%以上30%以下であることがより好ましい。MDの総延伸倍率は、特に限定されないが、1.04倍以上1.4倍以下が好ましく、1.05倍以上1.3倍以下がより好ましい。MDの総延伸倍率に対する各MD延伸の延伸倍率の割合の算出方法については、上記第一の態様で述べた通りである。
MDの延伸温度は、前記第一の製造態様と同様に行うことができる。MDの延伸速度は、目的とする線熱膨張係数が得られる条件を適宜選択すればよく、特に限定されないが、3段階延伸を行う場合、該3段階延伸の第1段階目の延伸速度は、1%/分〜20%/分程度が好ましく、2%/分〜10%/分程度がより好ましい。該3段階延伸の第2段階目の延伸速度は、1%/分〜20%/分程度が好ましく、2%/分〜10%/分程度がより好ましい。該3段階延伸の第3段階目の延伸速度は、1%/分〜20%/分程度が好ましく、2%/分〜10%/分程度がより好ましい。MDへの3段階延伸において、各段階の延伸時間は、特に限定されないが、2秒〜5分程度であり、5秒〜3分が好ましい。縦延伸及び横延伸のパターンは、第一の製造態様と同様に行うことができる。
MDの延伸後の加熱処理及びTDの延伸は、第一の製造態様と同様に行うことができる。これらの範囲内にて延伸倍率の調整を行い、かつ溶媒残存率を調整することで、所望の異方性指数を有し、かつ他の構成要件との組み合わせによって均一に寸法変化を抑制できるフィルムを製造することができる。
本発明のポリイミドフィルムの厚さは、特に限定されないが、1μm以上100μm以下の範囲とすることが好ましく、3μm以上50μm以下の範囲とすることがより好ましい。本発明のポリイミドフィルムの製膜幅は、特に限定されないが、1m以上が好ましい。本発明のポリイミドフィルムとしては、例えば、製膜幅が1m以上かつ厚みが3〜50μmのものが挙げられる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、TD延伸での溶媒残存量を制御してフィルム端部の斜め方向への配向を制御しても、熱処理後の徐冷工程に於いて生じる収縮による斜め方向への残留応力が対角線方向の寸法変化率差に影響することを見出した。第一の製造態様又は第二の製造態様によって得られたポリイミドフィルムについて、かかる応力を解放するために所定の温度にて強熱処理(アニール処理)を行う必要がある。フィルム両端部は、ピン式テンター装置、クリップ式テンター装置、チャック等により固定されるため、TD方向へのフィルムの固定及び冷却によるフィルムの収縮によって斜め方向の寸法変化率差が生じ、寸法変化に影響を及ぼす。アニール処理によってフィルムの熱リラックスが起こり加熱収縮率を小さく抑えることができることに加え、両端部の斜め方向の寸法変化差を改善することができる。アニール処理の温度としては、特に限定されないが、250℃以上500℃以下が好ましく、270℃以上370℃以下がより好ましく、300℃以上350℃以下が特に好ましい。本発明のポリイミドフィルムの製法ではフィルムのTDへの配向が強いため、TDでの加熱収縮率が高くなる傾向があるが、アニール処理からの熱リラックスにより200℃での加熱収縮率をフィルムのMD、TD共に0.05%以下に抑えることができるのでより一層寸法精度が高くなり好ましい。具体的には250℃以上500℃以下、好ましくは270℃以上370℃以下、特に好ましくは300℃以上350℃以下の炉の中を、機械搬送方向に低張力下にてフィルムを走行させ、アニール処理を行うことが好ましい。炉の中でフィルムが滞留する時間が処理時間となるが、走行速度を変えることでコントロールすることになり、30秒〜5分の処理時間であることが好ましい。これより処理時間が短いとフィルムに充分熱が伝わらず、長いと過熱気味になり平面性を損なうので好ましくない。また、走行時のフィルム張力は10〜50N/mが好ましく、15〜30N/mがより好ましい。この範囲よりも張力が低いとフィルムの走行性が悪くなり、張力が高いと得られたフィルムの走行方向の熱収縮率が高くなるので好ましくない。図5の様に強熱処理によりツイストは改善した。図5は、通常熱処理(150〜200℃)又は強熱処理(300℃)を行った際のフレキシブル金属積層板の銅箔エッチング後にどれだけ頂点の位置がずれるかについて、幅方向のみ評価したものである。図5から、同じロット、同じ取り位置のもの(同一熱処理の場合同じツイスト挙動を示す)が熱処理を、通常熱処理から強熱処理に変えることによってツイストは改善することが明らかになった。横軸が通常熱処理をした時のツイストを表し、縦軸が強熱処理をした時のツイストを表す。
得られたポリイミドフィルムに接着性を持たせるため、フィルム表面にコロナ処理やプラズマ処理のような電気処理或いはブラスト処理のような物理的処理を行ってもよい。プラズマ処理を行う雰囲気の圧力は、特に限定されないが、通常13.3〜1330kPaの範囲、13.3〜133kPa(100〜1000Torr)の範囲が好ましく、80.0〜120kPa(600〜900Torr)の範囲がより好ましい。
プラズマ処理を行う雰囲気は、不活性ガスを少なくとも20モル%含むものであり、不活性ガスを50モル%以上含有するものが好ましく、80モル%以上含有するものがより好ましく、90モル%以上含有するものが最も好ましい。前記不活性ガスは、He、Ar、Kr、Xe、Ne、Rn、N2及びこれらの2種以上の混合物を含む。特に好ましい不活性ガスはArである。さらに、前記不活性ガスに対して、酸素、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、水素、アンモニア、テトラフルオロメタン(カーボンテトラフルオリド)、トリクロロフルオロエタン、トリフルオロメタン等を混合してもよい。本発明のプラズマ処理の雰囲気として用いられる好ましい混合ガスの組み合わせは、アルゴン/酸素、アルゴン/アンモニア、アルゴン/ヘリウム/酸素、アルゴン/二酸化炭素、アルゴン/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム/窒素、アルゴン/ヘリウム/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム、ヘリウム/空気、アルゴン/ヘリウム/モノシラン、アルゴン/ヘリウム/ジシラン等が挙げられる。
プラズマ処理を施す際の処理電力密度は、特に限定されないが、200W・分/m以上が好ましく、500W・分/m以上がより好ましく、1000W・分/m以上が最も好ましい。プラズマ処理を行うプラズマ照射時間は1秒〜10分が好ましい。プラズマ照射時間をこの範囲内に設定することによって、フィルムの劣化を伴うことなしに、プラズマ処理の効果を十分に発揮することができる。プラズマ処理のガス種類、ガス圧、処理密度は上記の条件に限定されず大気中で行われることもある。
本発明に用いる熱可塑性ポリイミドは、前駆体であるポリアミック酸をイミド化することにより得られる。熱可塑性ポリイミドの前駆体についても、特に限定されるわけではなく、公知のあらゆるポリアミック酸を用いることができる。またその製造に関しても、公知の原料や反応条件等を用いることができる。また、必要に応じて無機又は有機物のフィラーを添加してもよい。
熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度は、150℃〜350℃の範囲であれば、特に限定されない。
本発明の接着フィルムは、上述の連続的に生産された特定のポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミドを含有する接着層を設けることにより得られる。その具体的な製造方法としては、基材フィルムとなるポリイミドフィルムに接着層を形成する方法、又は接着層をシート状に成形し、これを上記ポリイミドフィルムに貼り合わせる方法等が好適に例示される。このうち、前者の方法を採る場合、接着層に含有される熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を完全にイミド化してしまうと、有機溶媒への溶解性が低下する場合があることから、ポリイミドフィルム上に上記接着層を設けることが困難となる場合がある。従って、上記観点から、熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含有する溶液を調製して、これを基材フィルムに塗布し、次いでイミド化する手順を採った方がより好ましい。
ポリアミック酸溶液をポリイミドフィルムに流延、塗布する方法については特に限定されず、ダイコーター、リバースコーター、ブレードコーター等、既存の方法を使用することができる。接着層は連続的に形成する場合に、発明の効果が顕著となる。すなわち、上述のようにして得られたポリイミドフィルムを巻き取り、これを繰り出して、熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含む溶液を、連続的に塗布する方法である。また、前記ポリアミック酸溶液には、用途に応じて、例えば、フィラーのような他の材料を含んでもよい。また耐熱性接着フィルム各層の厚み構成については、用途に応じた総厚みになるように適宜調整すればよい。
イミド化の方法としては、加熱イミド化法又は化学的イミド化法のどちらも用いることができる。いずれのイミド化手順を採る場合も、イミド化を効率良く進めるために加熱を行うが、その時の温度は、(熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度−100℃)〜(ガラス転移温度+200℃)の範囲内に設定することが好ましく、(熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度−50℃)〜(ガラス転移温度+150℃)の範囲内に設定することがより好ましい。加熱温度は高い方がイミド化が起こりやすいため、イミド化速度を速くすることができ、生産性の面で好ましい。但し、高すぎると熱可塑性ポリイミドが熱分解を起こすことがある。一方、加熱温度が低すぎると、化学的イミド化でもイミド化が進みにくく、イミド化工程に要する時間が長くなってしまう。
イミド化時間に関しては、実質的にイミド化及び乾燥が完結するに十分な時間を取ればよく、特に限定されるものではない。
熱可塑性ポリイミドの厚さは0.1μm以上30μm以下が好ましく、0.5μm以上20μm以下がより好ましい。
本発明に用いる金属の種類は特に限定はないが、例として銅及び銅合金、ステンレス鋼及びその合金、ニッケル及びニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム及びアルミニウム合金等が挙げられる。好ましくは銅及び銅合金である。また、これらの金属表面に防錆層や耐熱層(例えば、クロム、亜鉛等のメッキ処理)、シランカップリング剤等を形成したものも利用できる。好ましくは銅及び/又は、ニッケル、亜鉛、鉄、クロム、コバルト、モリブテン、タングステン、バナジウム、ベリリウム、チタン、スズ、マンガン、アルミニウム、燐、珪素等のうち、少なくとも1種以上の成分と銅を含む銅合金であり、これらは回路加工上好まれて使用される。特に望ましい金属箔としては圧延又は電解メッキ法によって形成された銅箔であり、その厚さは3〜150μmが好ましく、3〜35μmがより好ましい。
該金属箔は両面共に如何なる粗化処理も施されていないものであっても、片面若しくは両面に粗化処理が施されていてもよい。
非熱可塑性ポリイミドと金属の加熱圧着方法としては、非熱可塑性ポリイミドフィルムに熱可塑性ポリイミドの前駆体のポリアミック酸及び/またはポリイミド溶液を塗布・乾燥させた後金属と張り合わせるか、予め金属に熱可塑性ポリイミドを同様の方法で形成させた後、非熱可塑性ポリイミドフィルムと張り合わせる方法があり、張り合わせには加熱プレス法及び/又は連続ラミネート法が使用できる。加熱プレス法としては例えば、プレス機の所定のサイズに切りだした金属箔とポリイミドとを重ね合わせを行ない、加熱プレスにより熱圧着することにより製造できる。
連続ラミネート法としては、特に制限は無いが、例えば、ロールとロール間に挟み込み、張り合わせを行なう方法がある。このロールは金属ロール、ゴムロール等が利用できる。材質に制限はないが、金属ロールとしては、鋼材やステンレス材料が使用される。表面にハードクロムメッキ、タングステンカーバイド等表面硬度を高めた処理ロールを使用することが好ましい。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性のあるシリコンゴム、フッ素系のゴムを使用することが好ましい。
また、ベルトラミネートと呼ばれる、上下2本の金属ロールを1組とし、それを1組以上直列に配置した上下ロール間に上下2つのシームレスのステンレスベルトを間に配置させ、そのベルトを金属ロールにより加圧し、更に、金属ロールやその他熱源により加熱させることで連続ラミネートしてもよい。
ラミネート温度としては、200〜400℃の温度範囲が好ましい。加熱プレス及び/又は連続ラミネート後、加熱アニールすることも好ましい。
本発明にかかる製造方法によって得られるフレキシブル金属積層板は、前述したように、金属箔をエッチングして所望のパターン配線を形成すれば、各種の小型化、高密度化された部品を実装したフレキシブル配線板として用いることができる。もちろん、本発明の用途はこれに限定されるものではなく、金属箔を含む積層体であれば、種々の用途に利用できることはいうまでもない。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
本発明における各種特性の測定方法について以下に説明する。
(1)AI(45、135)
本発明における超音波パルスの伝播速度Vは、野村商事製SST−2500(Sonic Sheet Tester)を使用して測定した。SST−2500を使用すると、フィルムの面方向0〜180度(0度はMD方向に平行)について11.25°刻みで16方向の超音波速度が自動的に測定される。得られた各方向の速度のうち、MD方向を基準として45°と135°における超音波速度V45、V135から式1で表される異方性指数(Anisotoropy Index:AI)が求められる。下記実施例及び比較例によって得られたフィルムを用いて、図3に示される位置にてそれぞれ測定を行った。
(式1):AI(45、135)=|(V45^2−V135^2)/((V45^2+V135^2)/2)×100|
(2)配向角度
本発明における配向角度は、野村商事製SST−2500(Sonic Sheet Tester)を使用して測定した。SST−2500を使用すると、フィルムの面方向0〜180°(0°はMD方向に平行)について11.25°刻みで16方向の超音波速度が自動的に測定される。得られた各方向の速度をレーダーグラフ化(Microsoft Excelのグラフ機能を使用)することにより、図3のようなパターン図を描く。円中心から該パターン図の最も膨れた部分に向かって引いた線が配向軸(g)であり、MD方向を基準線として、該基準線から配向軸の角度(θ)を測定し、これを配向角度として求めた。
(3)寸法変化率
JIS C6481 5.16に基づいて、試料の接着フィルムの中心及び対角線上に4つの穴を形成し、中心部から各穴のそれぞれの距離を測定した。次に、350℃/30分で銅箔を貼り付けて、エッチング工程を実施してフレキシブル金属積層板から金属箔を除去した後に、再びエッチング工程前と同様に、上記4つの穴について、中心部からそれぞれの距離を測定した。金属箔除去前における各穴の距離の測定値をD1とし、金属箔除去後における各穴の距離の測定値をD2として、次式によりエッチング前後の寸法変化率を求めた。
寸法変化率(%)={(D2−D1)/D1}×100
また右45°、左45°の寸法変化率の差を求めた。
[ポリイミド合成例1]
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(分子量294.22)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)を、モル比で80/20/75/25の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中20重量%溶液にして重合し、3500poiseのポリアミック酸溶液を得た。
[ポリイミド合成例2]
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(分子量294.22)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)を、モル比で65/35/80/20の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中20重量%溶液にして重合し、3500poiseのポリアミック酸溶液を得た。
[熱可塑性ポリイミドの合成例A]
1、3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを溶媒ジメチルアセトアミドに加え、溶解するまで撹拌した。その後、4、4’−ジオキシジフタル酸無水物を加え、撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。ジメチルアセトアミド中の固形分は15%であり、Tgは217℃であった。
[実施例1]
レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所製)にて測定した全粒子の粒子径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径(体積平均粒子径)が0.42μmであり、粒度分布(体積基準)に関して、粒子径0.15〜0.60μmの粒子が全粒子中89.9体積%を占めるシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを、合成例1で得たポリアミック酸溶液に樹脂重量当たり0.4重量%添加し、十分攪拌、分散させた。このポリアミック酸溶液に無水酢酸(分子量102.09)とβ−ピコリンを、ポリアミック酸溶液に対しそれぞれ17重量%、17重量%の割合で混合、撹拌した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する75℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.05mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、2組のニップロールを経て搬送した。その際ステンレス製ドラム(R1)、最初のニップロール(R2)、2番目のニップロール(R3)それぞれの回転速度を変えることで縦延伸を2段階で行い、それぞれの延伸率が下記表1記載の値になるように65℃で縦延伸を行った。縦延伸後、フィルムの両端を把持し、加熱炉にて250℃×50秒、400℃×75秒処理し、幅2.2m、厚さ20μmのポリイミドフィルムを得た。横延伸は、溶媒を除去する加熱炉を通過時(250℃×50秒)に最大になるように設定した。前記した加熱炉通過時の延伸倍率を最大延伸率とし、加熱炉通過後は、横延伸倍率は低下していく。横延伸率は最大横延伸率のフィルム幅をドラム引き剥がし後のゲルフィルム幅で割った値として求めた。 得られたフィルムに、熱風とヒーターにより連続的に加熱できるオーブンにて張力20N/mで300℃/30秒のアニール処理を行った。横延伸率を下記表1に示す。得られたポリイミドフィルムについて、図4に示す5点(b、b’、c、d、d’)についてAI(45、135)を求め、下記表2に示す。
[熱可塑性ポリイミド・フレキシブル金属積層板の製造方法]
実施例1で作製したフィルムに合成例Aの熱可塑性ポリイミドのポリアミック酸溶液を乾燥後の厚さで2μmになるように塗布し、150℃で10分間、350℃で1分間熱イミド化させた(接着フィルムの作製)。その後、熱可塑性ポリイミド側に銅箔を350℃/30分で貼り合わせ、フレキシブル金属積層板を作製した。フレキシブル金属積層板作製前後の寸法変化率を測定した。寸法変化率を下記表2に示す。
[実施例2〜4]
使用したポリアミック酸溶液、縦延伸率、横延伸率、乾燥温度、ポリイミドフィルム膜厚をそれぞれ表1のように設定した以外は、実施例1と同様にして得られた各ポリイミドフィルムについて、実施例1と同様に接着フィルムにした後、フレキシブル金属積層板を作製し、寸法変化率を求め、下記表2に示す。
[比較例1、2]
使用したポリアミック酸溶液、縦延伸率、横延伸率、乾燥温度、ポリイミドフィルム膜厚をそれぞれ表1のように設定した以外は、実施例1と同様にして得られた各ポリイミドフィルムについて、実施例1と同様に接着フィルムにした後、フレキシブル金属積層板を作製し、寸法変化率を求め、下記表2に示す。
[比較例3]
使用したポリアミック酸溶液、縦延伸率、横延伸率、乾燥温度、ポリイミドフィルム膜厚をそれぞれ表1のように設定した以外は、実施例1と同様にして得られたポリイミドフィルムについて、200℃/30秒加熱(アニール処理)後に接着フィルムにし、フレキシブル金属積層板を作製し、寸法変化率を求め、下記表2に示す。
Figure 0006134213
Figure 0006134213
上記結果から、本発明のポリイミドフィルムは、寸法変化を抑制でき、フィルムの位置による寸法変化率のバラツキも低減できることが確認できた。一方、比較例1〜3では、本発明のポリイミドフィルムほど寸法変化を抑制できず、フィルムの位置による寸法変化率のバラツキも見られた。
本発明のポリイミドフィルムは、フレキシブルプリント配線板に有用である。
a ポリイミドフィルムの製膜幅
b 製膜幅端から200mm内側に入った点
b’ 製膜幅端から200mm内側に入った点
c 製膜幅の中央部±200mm以内の点
d bとb’を結ぶ直線上の任意の点
d’ bとb’を結ぶ直線上の任意の点
e ポリイミドフィルム
f 配向角度測定の中心値
g 配向軸
h 配向角度(θ)
i 各角度における超音波速度

Claims (7)

  1. 製膜幅が1m以上あって、フィルムの機械搬送方向(MD)を基準として、フィルムの配向角度(θ)が45°と135°における式1で表される異方性指数AI(45、135)値が全幅にわたって12以下であり、全幅において対角線(45°、135°)方向のフレキシブル金属積層板のエッチング処理前後の寸法変化率がいずれも−0.05〜0.05%であり、少なくとも片面に厚みが0.5〜20μmの熱可塑性ポリイミド層を有することを特徴とするポリイミドフィルム。
    AI(45,135)=|(V45^2−V135^2)/((V45^2+V135^2)/2)×100| (式1)
  2. ポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液を支持体上に流延塗布して部分的に乾燥及び/又は硬化させた自己支持性を有するゲルフィルムを作製し、該ゲルフィルムを少なくとも2以上の加熱炉を備えたテンター加熱炉を通過させ、該ゲルフィルムの幅方向両端を把持しつつ乾燥及び/又は熱処理を行うことにより製造され、製膜幅が1m以上かつ厚みが3〜50μmであることを特徴とする請求項1記載のポリイミドフィルム。
  3. さらに、機械搬送方向(MD)に低張力にて加熱処理を施してなることを特徴とする請求項記載のポリイミドフィルム。
  4. ポリイミドフィルムが、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上の芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物および3,3’−4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1種以上の酸無水物成分とを使用して製造されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  5. ポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液を支持体上に流延塗布して部分的に乾燥及び/又は硬化させた自己支持性を有するゲルフィルムを作製し、該ゲルフィルムを少なくとも2以上の加熱炉を備えたテンター加熱炉を通過させ、該ゲルフィルムの幅方向両端を把持しつつ乾燥及び/又は熱処理を行う工程を有し、テンター加熱炉内での乾燥速度を制御されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載されたポリイミドフィルムの製造方法。
  6. 請求項の製造方法で得られたポリイミドフィルムをさらに、強熱処理する工程を有し、前記強熱処理の温度が、250℃以上500℃以下であることを特徴とする請求項記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜に記載のポリイミドフィルムに金属箔を貼り合わせて得られることを特徴とするフレキシブル金属積層板。
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