JPH09288061A - 小物物品の外観検査方法及び装置 - Google Patents

小物物品の外観検査方法及び装置

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JPH09288061A
JPH09288061A JP8098196A JP9819696A JPH09288061A JP H09288061 A JPH09288061 A JP H09288061A JP 8098196 A JP8098196 A JP 8098196A JP 9819696 A JP9819696 A JP 9819696A JP H09288061 A JPH09288061 A JP H09288061A
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進 前鶴
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辰男 佐藤
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賢二 後藤
Noriyuki Ouchi
典行 大内
Yoshio Yamamoto
芳生 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小物物品の表裏両面の外観検査を高精度に行
う。 【解決手段】間欠的に供給される錠剤Pを、吸引ボック
ス14からの負圧を受けて無端ベルト13の水平な上面に吸
着支持しつつ下流側に搬送し、この間に上方の第1の撮
像カメラ2で錠剤Pの表面を撮像して外観を検査し、中
空円筒状のプーリ12の内部からも負圧を与えて無端ベル
ト13上に吸着支持しつつ反転させ、下端部で負圧を遮断
して吸着力を解除し、無端ベルト13から離脱した錠剤P
を下側の無端ベルト34で受け取り、吸引ボックス34から
負圧を受けて吸着支持しつつ下流側に搬送し、下流部分
の上方の第2の撮像カメラ4で、錠剤Pの裏面を撮像し
て外観を検査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、錠剤等の小物物品を搬
送しつつ外観を撮像して表面の汚れ,疵、印刷の良否等
(以下「傷み」という表現で代表) の有無を検査する装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、錠剤や薬用カプセル等小物物品の
外観検査は目視で行われていたが、能率,精度上の点か
ら最近になってカメラを使用した自動検査が実施される
ようになってきた。この種の外観検査を行う従来装置と
しては、例えば、実開昭60−114107号に開示さ
れているように、第1のベルトコンベア上に搬送される
小型薄肉物品が、該第1のベルトコンベアの搬出側端部
から、それに連なるベルト反転面の全長にわたって接触
させている第2のベルトコンベアに挟まれ、第1のベル
トコンベアのベルト反転面の終端部から、第2のベルト
コンベア上で水平に搬送するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
技術では、2つのベルトコンベアに挟んで物品を反転さ
せて搬送することを特徴としているが、この方式では、
搬送される物品を傷めるおそれがある。また、錠剤等の
小物物品をスリットを挟んで設けられる一対の無端ベル
トの上に前記スリットを跨がせるようにして載せ、前記
スリットを介して負圧を加えて物品を吸着しつつ搬送
し、所定の位置で物品を撮像して検査を行い、該無端ベ
ルトの反転部に、反転部を近接させて逆向きに駆動され
る同様の一対の無端ベルトを設け、前記第1の無端ベル
トの反転部から第2の無端ベルトへ物品を上下反転した
状態で受渡し、該反転して第2の無端ベルト上を搬送す
る物品を撮像して検査を行うようにしたものもある (特
公平5−65405号公報参照) 。
【0004】しかしながら、上記従来例にあっては、上
下一方の無端ベルトでは、物品をベルト下面に吊り下げ
て重力に抗して吸着力により支持しつつ搬送する構成と
なるため、吸引力が弱いと搬送が不安定となったり、そ
の防止のために大きな吸引力を必要とする問題もあり、
撮像の精度にも影響してくる。また、上下の無端ベルト
が上下方向に反転部のみで一部が重なるだけであり、大
部分は重ならない配置となるので、水平方向に長いスペ
ースが必要であった。
【0005】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
なされたもので、小物物品を傷めることなくドラム部以
外は弱い吸引力でも安定状態に搬送させつつ撮像を行え
ると共に、配置スペースを節約でき水平搬送部では吸引
力発生用の負圧発生装置を小型にして省力化できるよう
にした小物物品の外観検査装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明に係る小物物品の外観検査方法は、第1の無端ベルト
の略水平に配置された上面に小物物品を吸着力を付勢し
つつ下流側に列状に搬送し、その上方から小物物品の外
観を撮像して検査を行う一方、該第1の無端ベルトの反
転動作部分の下端部近傍にて前記吸着力の付勢を解除さ
せ、それによって第1の無端ベルトから離脱した小物物
品を、その下方に位置して前記第1の無端ベルトとは逆
向きに動かされる第2の無端ベルトの略水平に配置され
た上面に、第1の無端ベルト上面を搬送中とは上下反転
した状態で受け取らせて吸着力を付勢しつつ搬送し、第
1の無端ベルト上面の上流端部より水平方向に突出する
第2の無端ベルト上面の下流部分において、搬送中の小
物物品の外観を上方から撮像して検査を行うことを特徴
とする。
【0007】また、請求項2の発明に係る小物物品の外
観検査装置は、略水平に配置された上面に小物物品を吸
着力を付勢しつつ列状に搬送する第1の無端ベルトと、
前記第1の無端ベルトの水平な上面を搬送中の小物物品
を、その上方から外観検査用に撮像する第1の撮像手段
と、前記第1の無端ベルトの搬送下流側の反転動作部分
の下端部近傍にて前記吸着力の付勢を解除する吸着力解
除手段と、前記第1の無端ベルトの下方に位置して前記
第1の無端ベルトとは逆向きに動かされ、前記吸着力解
除手段により吸着力の付勢を解除されて第1の無端ベル
トから離脱した小物物品を、第1の無端ベルト上面を搬
送中とは上下反転した状態で受け取り吸着力を付勢しつ
つ下流側に列状に搬送する第2の無端ベルトと、第1の
無端ベルト上面の上流端部より水平方向に突出する第2
の無端ベルト上面の下流部分において、搬送中の小物物
品を上方から外観検査用に撮像する第2の撮像手段と、
を含んで構成したことを特徴とする。
【0008】また、請求項3の発明に係る小物物品の外
観検査装置は、それぞれの回転軸が平行に離間し、少な
くとも一方が一方向に回転駆動される一対の回転体と、
該一対の回転体に係合して一方向に動かされる無端ベル
トと、からなる搬送手段を、前記無端ベルトの上側上面
が水平となるように上下に少なくとも1組配置し、前記
上側に位置する搬送手段は、無端ベルトの上面の上流側
で小物物品を間隔を持って受け取って下流側に列状に搬
送し、該無端ベルトは小物物品の少なくとも下面中心部
と非接触となるように小物物品を支持する構造とし、該
無端ベルトの内側から前記無端ベルトと非接触な小物物
品の下面に負圧を導いて小物物品を無端ベルトに吸着さ
せる吸着手段と、該吸着手段による負圧の伝達を無端ベ
ルトの上面下流側の回転体に係合する部分の下端部近傍
で遮断して吸着力を解除する吸着力解除手段と、を備
え、前記下側に位置する搬送手段は、無端ベルトが前記
上側の搬送手段の無端ベルトとは逆向きに動かされ、無
端ベルト上面の上流部分が、前記上側の搬送手段の下流
端部の直下において水平で、かつ、無端ベルト上面の下
流部分が上側の搬送手段の同一側端部より水平方向に突
出する長さを有するように形成される一方、前記上側の
搬送手段の吸着手段と同様に構成された吸着手段を備
え、前記上側の搬送手段の前記下流側回転体の下端近傍
で前記吸着手段からの負圧の伝達が断たれて無端ベルト
から離脱した小物物品を、前記上側の搬送手段の無端ベ
ルト上面を搬送中とは上下反転した状態で無端ベルトの
上面に受け取り、前記吸着手段により吸着しつつ下流側
に列状に搬送し、かつ、前記上側の搬送手段の無端ベル
ト上面を搬送中の小物物品を上方から外観検査用に撮像
する第1の撮像手段と、前記下側の搬送手段の上側の搬
送手段より水平方向に突出する無端ベルト上面下流部分
において搬送中の小物物品を上方から外観検査用に撮像
する第2の撮像手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】また、請求項4の発明に係る小物物品の外
観検査装置は、前記各搬送手段の無端ベルトは、外周面
に搬送方向に沿って無端の溝が形成されると共に、該溝
の底と無端ベルトの内周面とを貫通する複数の吸引孔が
列をなして形成され、小物物品を前記溝を両側に跨ぐよ
うに支持する一方、前記吸着手段は、前記無端ベルトの
吸引孔及び溝を介して無端ベルトの内側から負圧を小物
物品の前記溝に面した部分に導くことを特徴とする。
【0010】また、請求項5の発明に係る小物物品の外
観検査装置は、前記吸着手段は、無端ベルトの上側下面
を摺動自由に支持する支持板を備え、該支持板に前記無
端ベルトの吸引孔に重合するスリットが形成され、該ス
リットから前記無端ベルトの吸引孔及び溝を介して無端
ベルトの内側から負圧を小物物品の前記溝に面した部分
に導くことを特徴とする。
【0011】また、請求項6の発明に係る小物物品の外
観検査装置は、前記上側の搬送手段の前記下流側回転体
は、中空円筒状に形成され、該円筒の周壁に前記無端ベ
ルトの吸引孔に重合するように周方向に沿って周溝が形
成されると共に、該周溝の底と円筒内周面とを貫通する
複数の吸引孔が形成され、前記吸着手段は、負圧を回転
体の中空内部から無端ベルトが係合する部分の吸引孔及
び周溝を介して小物物品の前記溝に面した部分に導くこ
とを特徴とする。
【0012】また、請求項7の発明に係る小物物品の外
観検査装置は、前記無端ベルトが小物物品を間隙を跨が
せて支持するように平行に配置された一対のタイミング
ベルトで構成され、前記吸着手段は、無端ベルトの上側
下面を摺動自由に支持する支持板を備え、該支持板に前
記一対のタイミングベルト間の間隙に重合する複数の吸
引孔が形成されていることを特徴とする。
【0013】また、請求項8の発明に係る小物物品の外
観検査装置は、前記上側の搬送手段の前記下流側回転体
は、中空円筒状に形成され、該円筒の周壁に前記一対の
タイミングベルト間の間隙に重合する複数の吸引孔が形
成され、前記吸着手段は、負圧を回転体の中空内部から
無端ベルトが係合する部分の吸引孔を介して小物物品の
前記溝に面した部分に導くことを特徴とする。
【0014】また、請求項9の発明に係る小物物品の外
観検査装置は、前記タイミングベルトを案内するガイド
レールを支持板上面に備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の効果】請求項1の発明に係る小物物品の外観検
査方法及び請求項2、請求項3の発明に係る小物物品の
外観検査装置によれば、小物物品は、上側及び下側の無
端ベルトにおいてそれぞれ略水平に配置された上面に吸
着支持されて搬送され、該安定した状態で搬送されてい
る間に撮像されるので、小物物品の上下反転した各状態
を弱い吸引力でも安定状態で撮像することができ、該撮
像による外観検査を高精度で行うことができる。
【0016】また、上側の無端ベルト全体が、下側の無
端ベルトの上方に重ねて配置されるので、装置全体の水
平方向 (搬送方向) 長を短縮することができ、装置の設
置スペースを大幅に節約できる。また、請求項4の発明
に係る小物物品の外観検査装置によれば、無端の溝を介
して小物物品を支持する構成としたことにより、小物物
品が搬送方向の任意の位置に置かれても、吸引孔から搬
送方向に間欠的に導かれた負圧を、溝によって搬送方向
に均等化して小物物品の下面に伝達して安定した吸着力
を確保することができる。
【0017】また、請求項5の発明に係る小物物品の外
観検査装置によれば、支持板に形成されたスリットが常
に無端ベルトの吸引孔と溝に重合するため、安定した負
圧を小物物品に伝達することができる。また、請求項6
の発明に係る小物物品の外観検査装置によれば、中空円
筒状に形成された下流側円筒体の周壁に形成した周溝と
吸引孔とにより、前記支持板の溝と吸引孔と同様の作用
によって、小物物品が円筒体の周りを反転する際にも小
物物品の下面に、搬送方向に水平搬送部分よりも大きな
負圧をかけて (この部分では大きな吸引力を必要とする
が特公平5−65405号公報に開示の技術より消費エ
ネルギを節約できる) 均等化した負圧を伝達して安定し
た吸着姿勢を確保することができる。
【0018】また、請求項7の発明に係る小物物品の外
観検査装置によれば、負圧が支持板の吸引孔と隣接する
無端ベルト間の間隙を介して、小物物品の下面に伝達さ
れるので、支持板には吸引孔を形成すればよいので、支
持板を一枚の板で構成することができ、板金等を用いて
コスト低減,軽量化を図ることができる。
【0019】なお、一対の無端ベルトは、丸ベルトより
剛性のあるタイミングベルトで構成されているので、そ
れらを同期して動かすことができるため、該一対の無端
ベルトの相対動がなく、小物物品の防止できる他、回転
体と無端ベルトとのスリップが無くなって、搬送速度を
安定させることができ、ひいては小物物品の検査精度を
向上させることができる。
【0020】また、請求項8の発明に係る小物物品の外
観検査装置によれば、中空円筒状に形成された下流側円
筒体の周壁に形成した吸引孔から、一対の無端ベルト間
の間隙を介して小物物品下面に負圧が伝達され、小物物
品が円筒体の周りを反転する際にも小物物品の下面に、
搬送方向に均等化した負圧を伝達して安定した吸着力を
確保することができる。
【0021】また、請求項9の発明に係る小物物品の外
観検査装置によれば、無端ベルトがガイドレールによっ
て搬送方向に案内されるので、横振れが防止でき、小物
物品を安定に支持して外観検査精度を高めることができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。本実施形態は、小物物品として錠剤を
搬送しつつ外観検査を行う装置に適用したものである。
尚、 ( ) 内に、請求項に記載された対応する構成要件
を記す。本装置の概要を図1に基づいて説明すると、本
装置は、錠剤Pの表面を上にして搬送する上側の搬送系
(上側の搬送手段) 1と、該上側の搬送系1の上方に位
置して錠剤Pの表面及び周側部を外観検査用に撮像する
第1の撮像カメラ (第1の撮像手段) 2と、前記上側の
搬送系の下流側の反転部から錠剤Pを受け取り、錠剤P
の裏面 (表裏の区別のないものもあるが、便宜上反転前
後で区別する) を上にして搬送する下側の搬送系 (下側
の搬送手段) 3と、該下側の搬送系3の上方に位置して
錠剤Pの表面及び側面を外観検査用に撮像する第2の撮
像カメラ (第2の撮像手段) 4と、を備えて構成され
る。第2の撮像カメラ4で撮像され外観検査を終了した
錠剤Pは、下側の搬送系3を搬送後、選別部5で前記外
観検査結果に基づいて良品と不良品とに選別される。
【0023】前記上側の搬送系1は、一対のプーリ11,
12 (回転体) と、該プーリ11,12に係合する無端ベルト
(第1の無端ベルト) 13と、を備える。前記図で右側の
プーリ12は、モータ等により図で時計周りに回転駆動さ
れ、それによって前記無端ベルト13の水平に配置された
上面が図で右方向に搬送され、図で左側のプーリ11もプ
ーリ12と同一方向に回転する。
【0024】前記無端ベルト13は、図2に示すように、
中央と左右が外側に突出する3列の凸条13A,13B,13
Cを有し、各凸条13A,13B,13Cの外周面中央部に搬
送方向に沿って無端の溝13aが形成されると共に、前記
溝13aの底と無端ベルト13内周面とを貫通する複数の吸
引孔13bが形成されている。なお、該吸引孔13bは、錠
剤の幅より狭い間隔で設けて、錠剤が搬送方向のどの位
置に置かれても略均一な負圧が付勢されるようにするの
が好ましい。
【0025】一方、前記無端ベルト13の下面を摺動自由
に支持する支持板14Aを頂壁とする吸引ボックス (吸着
手段) 14が、無端ベルト13の内側に配設され、錠剤の搬
送・検査中は該吸引ボックス14内は、内蔵された又は外
部に設置されたバキュームポンプにより負圧とされる。
前記支持板14Aには、前記無端ベルト13の複数の吸引孔
13b列に重合するスリット14aが形成され、これによ
り、前記負圧が前記スリット14a,吸引孔13b,溝13a
を介して、錠剤Pの無端ベルト13と非接触な下面に導か
れ、錠剤Pに無端ベルト13上面への吸着力が付勢され
る。
【0026】また、搬送方向下流側のプーリ12は、図
3,図4に示すように中空円筒状に形成され、錠剤Pを
摺動自由に支持する周壁12Aに前記無端ベルト13の複数
の吸引孔13b列に重合するように周方向に沿って周溝12
aが形成されると共に、該周溝12aの底と円筒内周面と
を貫通する複数の吸引孔12bが形成される。また、前記
プーリ12の一方の側壁12Bには、中実の回転軸12Cと前
記周壁との間に形成される環状の内部空間Sに面した部
分に周方向に複数の吸引孔12cが形成される。そして、
前記側壁12Bの外側側面に摺動自由に固定されたガイド
壁15に、プーリ12の回転によって前記複数の吸引12cと
重合する位置に負圧導入孔15aが開口され、該負圧導入
孔15aを前記バキュームポンプにホース16あるいはパイ
プを介して接続する。これにより、前記負圧が該負圧導
入孔15a,複数の吸引12c,内部空間S,吸引孔12b,
周溝12aを介して錠剤Pの下面に導かれ、錠剤Pは、無
端ベルト13から離脱することなく吸着支持されてプーリ
12の周りを反転する。
【0027】また、前記プーリ12の無端ベルト13と係合
していない周壁12A部分の外周面を覆って内部空間Sか
らの負圧の漏れを遮断しつつ高い吸着力を維持すると共
に、無端ベルト13との係合が外れるプーリ12の下端部近
傍で錠剤Pへの負圧の伝達を遮断して吸着力の付勢を解
除するための遮蔽板 (吸着力解除手段) 17が設けられ
る。該遮蔽板17により吸着力の付勢が解除された錠剤P
は、前記プーリ12の下端部近傍にて無端ベルト13から離
脱する。
【0028】一方、前記下側の搬送系3は、図で反時計
周り方向つまり前記上側の搬送系1とは逆向きに回転す
る一対のプーリ31,32 (回転体) と、該プーリ31,32に
係合して水平に配置された上面が図で左方向に搬送され
る無端ベルト (第2の無端ベルト) 33と、を備え、ま
た、上側の搬送系と同様に前記無端ベルト33の下面を摺
動自由に支持しつつ錠剤に吸着力を付勢する吸引ボック
ス (吸着手段) 34が、無端ベルト33の内側に配設され
る。
【0029】前記無端ベルト33は、上側の搬送系1の無
端ベルト13と同種 (同一断面構造)のものが用いられる
が、プーリ31,32をプーリ11,12より搬送方向外側に位
置させて、無端ベルト33上面の搬送上流部分が前記プー
リ12の下端部の直下において水平で、かつ、上側の無端
ベルト13の下端面に対して錠剤Pが間隙を有して介在で
きる程度に近接させ、無端ベルト33の搬送下流部分は上
側の搬送系1の同一側端部より水平方向に大きく突出す
るようにしてある。
【0030】また、前記上側の搬送系の無端ベルト13と
下側の搬送系の無端ベルト33とは、各錠剤の搬送列が上
下方向に重なるべく、それぞれの外周面に形成された周
溝同士が上下方向に正確に重なるように配置してある。
したがって、前記したように上側の搬送系1のプーリ12
の下端部近傍にて無端ベルト13から離脱した錠剤は、無
端ベルト13上面を搬送中とは上下反転して裏面が上向き
の状態で、下方に近接している下側の無端ベルト33の上
面の溝上にスムースに受け取られ、吸引ボックス34から
導かれた負圧により、無端ベルト33上面に吸着しつつ安
定に支持された状態で下流側に搬送される。
【0031】次に、撮像カメラについて説明する。第1
の撮像カメラ2は、前記上側の無端ベルト13の上面の水
平部分の上方に位置し、図5に示すように、撮像素子と
してのラインセンサ21を錠剤の搬送方向に対して水平面
内45°の方向に向け、その下方にレンズ22をセットして
無端ベルト13の所定位置を通過する錠剤を上方から撮像
するように配置する。また、前記レンズ22の下方にあっ
て無端ベルト13上の錠剤より少し上方にあって、前記所
定の位置にある錠剤を前記ラインセンサ21と同方向に挟
む両側の位置にプリズム23,24が対向してセットされる
ように配置してある。
【0032】そして、無端ベルト13上の錠剤が前記所定
位置に搬送されると、該錠剤を真上から捉えた表面 (上
面) の画像B’は、そのままレンズ22を通ってラインセ
ンサ21の中心部に結像し、錠剤をラインセンサ21方向に
挟む両側の斜め上方から捉えた周側部の画像A’,C’
は、それぞれラインセンサ21の両端部に結像する。この
ようにして、無端ベルト13上面に吸着支持されて列状に
搬送される各錠剤Pの表面及び周側部の画像が第1の撮
像カメラ2で撮像され、該撮像結果が順次画像処理によ
り外観検査を行う検査部 (図示せず) に送られ、外観検
査が行われる。
【0033】第2の撮像カメラ4も、無端ベルト33の上
面下流部分の上方に位置して、前記第1の撮像カメラ2
と全く同様にラインセンサ,プリズムが同一方向,位置
関係となるようにセットされる。したがって、前記した
ように下側の無端ベルト33の上面に吸着支持されて搬送
されてくる錠剤は、上側の無端ベルト13の上面を搬送中
とは上下反転しているので、下流部分の所定位置にて前
記第2の撮像カメラ4により、該錠剤の裏面の画像と2
つの周側部の画像が撮像される。ここで、前記2つの周
側部の画像は、錠剤が搬送方向に対して左右には反転し
ていないので、前記第1の撮像カメラで撮像される周側
部の画像の撮像方向に対して、錠剤の中心軸周りに90°
回転した方向で撮像された画像となる。表面撮像時の図
5を基準とすると、ラインセンサ方向に対して90°回転
した方向で錠剤を挟む両側の斜め下方から捉えた周側部
の画像が撮像されることとなり、これにより、錠剤の全
面を略一様に、高精度に撮像することができる。
【0034】このようにして得られた錠剤の裏面及び周
側部の撮像結果も、前記検査部に送られて外観検査が行
われる。以上のように錠剤の全面の撮像による外観検査
によって良品と不良品とが判別され、該判別結果に基づ
いて錠剤は無端ベルト33を搬送後、選別部5において良
品と不良品とに選別される。
【0035】図6は、本発明の別の実施形態の要部を示
す。本実施形態では、無端ベルトを内周面に歯が付けら
れたタイミングベルトによって構成する。また、前記実
施形態では、1つの無端ベルトで錠剤を複数列 (3列)
搬送するものを示したが、本実施形態では、各列毎に1
対ずつの無端ベルト61を設ける。
【0036】以下詳細に説明すると、前記各列毎の一対
の無端ベルト61は、間隙cをおいて錠剤搬送方向と平行
に並べて設けられ、前記間隙cを跨がせて両側の無端ベ
ルト61の縁部で錠剤を支持する。第1の実施形態と同様
に配置される吸引ボックス62の頂壁を構成する支持板62
Aの上面には、ガイドレール63が固定され、無端ベルト
61には、下面中央部に搬送方向に沿って溝61aが形成さ
れている。そして、該無端ベルト61の溝61aを前記ガイ
ドレール63に係合させて案内することにより、前記間隙
cを一定に保持しつつ、無端ベルト61を横振れなく安定
して動作させる。
【0037】また、前記支持板62Aには、前記間隙cと
重合して複数の吸引孔62aが形成される。これにより、
吸引ボックス62内から負圧が吸引孔62a,間隙cを介し
て錠剤Pの下面中心部に伝達され、吸着力が付勢され
る。なお、支持板62Aは、搬送方向に長いスリットでな
く吸引孔62aを開口すればよいので、ボックス本体62B
とは別体の板金等を用いて容易に加工することができ、
コスト低減,軽量化を図れる。
【0038】また、上側の搬送系の搬送下流側のプーリ
については、第1の実施形態のプーリ12の外周壁をタイ
ミングベルトと係合するように歯付とする。なお、間隙
cに面した外周面の周溝の形成は不要であり、間隙cに
面した部分に複数の吸引孔を列状に形成するだけでよ
い。このように、無端ベルト61をタイミングベルトで構
成しているので、錠剤Pを支持する一対の無端ベルトを
同期させて動かすことができ、相対移動による錠剤Pの
振動を防止できる他、プーリとベルトとのスリップが無
くなって、搬送速度を安定させることができ、ひいては
錠剤Pの検査精度を向上させることができる。したがっ
て、第1の実施形態においても安定した搬送速度が得ら
れるように、無端ベルトをタイミングベルトで構成して
もよい。
【0039】以上のように、錠剤Pの上下反転した2つ
の状態での撮像を、共に錠剤Pが水平に配置された無端
ベルト上面を搬送中に行うことができるため、安定した
状態の錠剤を撮像することができ、外観検査精度が大き
く向上する。また、上側の搬送系全体を下側の搬送系に
上下方向に重ねるように配置することができるため、装
置全体の水平方向長を大きく短縮することができ、装置
の設置スペースを大幅に節約できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る錠剤の外観検査装置
のシステム構成図。
【図2】同上装置のX−X断面図
【図3】同上装置の一部断面図。
【図4】同上装置の一部拡大断面図。
【図5】同上装置の撮像カメラの概略内部構成を示す
図。
【図6】本発明の別の実施形態に係る錠剤の外観検査装
置の一部断面図。
【符号の説明】
1 上側の搬送系 2 第1の撮像カメラ 3 下側の搬送系 4 第2の撮像カメラ 11,12 プーリ 12a 周溝 12b 吸引孔 13 無端ベルト 13a 溝 13b 吸引孔 14 吸引ボックス 14A 支持板 31,32 プーリ 33 無端ベルト 34 吸引ボックス 61 無端ベルト 62 プーリ 62A 周壁 62a 吸引孔 63 ガイドレール S 内部空間 c 間隙
フロントページの続き (72)発明者 大内 典行 東京都大田区池上5丁目6番16号 池上通 信機株式会社内 (72)発明者 山本 芳生 東京都大田区池上5丁目6番16号 池上通 信機株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の無端ベルトの略水平に配置された上
    面に小物物品を吸着力を付勢しつつ下流側に列状に搬送
    し、 その上方から小物物品の外観を撮像して検査を行う一
    方、 該第1の無端ベルトの反転動作部分の下端部近傍にて前
    記吸着力の付勢を解除させ、 それによって第1の無端ベルトから離脱した小物物品
    を、その下方に位置して前記第1の無端ベルトとは逆向
    きに動かされる第2の無端ベルトの略水平に配置された
    上面に、第1の無端ベルト上面を搬送中とは上下反転し
    た状態で受け取らせて吸着力を付勢しつつ搬送し、 第1の無端ベルト上面の上流端部より水平方向に突出す
    る第2の無端ベルト上面の下流部分において、搬送中の
    小物物品の外観を上方から撮像して検査を行うことを特
    徴とする小物物品の外観検査方法。
  2. 【請求項2】略水平に配置された上面に小物物品を吸着
    力を付勢しつつ列状に搬送する第1の無端ベルトと、 前記第1の無端ベルトの水平な上面を搬送中の小物物品
    を、その上方から外観検査用に撮像する第1の撮像手段
    と、 前記第1の無端ベルトの搬送下流側の反転動作部分の下
    端部近傍にて前記吸着力の付勢を解除する吸着力解除手
    段と、 前記第1の無端ベルトの下方に位置して前記第1の無端
    ベルトとは逆向きに動かされ、前記吸着力解除手段によ
    り吸着力の付勢を解除されて第1の無端ベルトから離脱
    した小物物品を、第1の無端ベルト上面を搬送中とは上
    下反転した状態で受け取り吸着力を付勢しつつ下流側に
    列状に搬送する第2の無端ベルトと、 第1の無端ベルト上面の上流端部より水平方向に突出す
    る第2の無端ベルト上面の下流部分において、搬送中の
    小物物品を上方から外観検査用に撮像する第2の撮像手
    段と、 を含んで構成したことを特徴とする小物物品の外観検査
    装置。
  3. 【請求項3】それぞれの回転軸が平行に離間し、少なく
    とも一方が一方向に回転駆動される一対の回転体と、該
    一対の回転体に係合して一方向に動かされる無端ベルト
    と、からなる搬送手段を、前記無端ベルトの上側上面が
    水平となるように上下に少なくとも1組配置し、 前記上側に位置する搬送手段は、 無端ベルトの上面の上流側で小物物品を間隔を持って受
    け取って下流側に列状に搬送し、該無端ベルトは小物物
    品の少なくとも下面中心部と非接触となるように小物物
    品を支持する構造とし、該無端ベルトの内側から前記無
    端ベルトと非接触な小物物品の下面に負圧を導いて小物
    物品を無端ベルトに吸着させる吸着手段と、該吸着手段
    による負圧の伝達を無端ベルトの上面下流側の回転体に
    係合する部分の下端部近傍で遮断して吸着力を解除する
    吸着力解除手段と、を備え、 前記下側に位置する搬送手段は、 無端ベルトが前記上側の搬送手段の無端ベルトとは逆向
    きに動かされ、無端ベルト上面の上流部分が、前記上側
    の搬送手段の下流端部の直下において水平で、かつ、無
    端ベルト上面の下流部分が上側の搬送手段の同一側端部
    より水平方向に突出する長さを有するように形成される
    一方、前記上側の搬送手段の吸着手段と同様に構成され
    た吸着手段を備え、前記上側の搬送手段の前記下流側回
    転体の下端近傍で前記吸着手段からの負圧の伝達が断た
    れて無端ベルトから離脱した小物物品を、前記上側の搬
    送手段の無端ベルト上面を搬送中とは上下反転した状態
    で無端ベルトの上面に受け取り、前記吸着手段により吸
    着しつつ下流側に列状に搬送し、 かつ、前記上側の搬送手段の無端ベルト上面を搬送中の
    小物物品を上方から外観検査用に撮像する第1の撮像手
    段と、前記下側の搬送手段の上側の搬送手段より水平方
    向に突出する無端ベルト上面下流部分において搬送中の
    小物物品を上方から外観検査用に撮像する第2の撮像手
    段と、を備えたことを特徴とする小物物品の外観検査装
    置。
  4. 【請求項4】前記各搬送手段の無端ベルトは、外周面に
    搬送方向に沿って無端の溝が形成されると共に、該溝の
    底と無端ベルトの内周面とを貫通する複数の吸引孔が列
    をなして形成され、小物物品を前記溝を両側にまたぐよ
    うに支持する一方、 前記吸着手段は、前記無端ベルトの吸引孔及び溝を介し
    て無端ベルトの内側から負圧を小物物品の前記溝に面し
    た部分に導くことを特徴とする請求項2又は請求項3に
    記載の小物物品の外観検査装置。
  5. 【請求項5】前記吸着手段は、無端ベルトの上側下面を
    摺動自由に支持する支持板を備え、該支持板に前記無端
    ベルトの吸引孔に重合するスリットが形成され、該スリ
    ットから前記無端ベルトの吸引孔及び溝を介して無端ベ
    ルトの内側から負圧を小物物品の前記溝に面した部分に
    導くことを特徴とする請求項4に記載の小物物品の外観
    検査装置。
  6. 【請求項6】前記上側の搬送手段の前記下流側回転体
    は、中空円筒状に形成され、該円筒の周壁に前記無端ベ
    ルトの吸引孔に重合するように周方向に沿って周溝が形
    成されると共に、該周溝の底と円筒内周面とを貫通する
    複数の吸引孔が形成され、 前記吸着手段は、負圧を回転体の中空内部から無端ベル
    トが係合する部分の吸引孔及び周溝を介して小物物品の
    前記溝に面した部分に導くことを特徴とする請求項4又
    は請求項5に記載の小物物品の外観検査装置。
  7. 【請求項7】前記無端ベルトが小物物品を間隙を跨がせ
    て支持するように平行に配置された一対のタイミングベ
    ルトで構成され、 前記吸着手段は、無端ベルトの上側下面を摺動自由に支
    持する支持板を備え、該支持板に前記一対のタイミング
    ベルト間の間隙に重合する複数の吸引孔が形成されてい
    ることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の小物
    物品の外観検査装置。
  8. 【請求項8】前記上側の搬送手段の前記下流側回転体
    は、中空円筒状に形成され、該円筒の周壁に前記一対の
    タイミングベルト間の間隙に重合する複数の吸引孔が形
    成され、 前記吸着手段は、負圧を回転体の中空内部から無端ベル
    トが係合する部分の吸引孔を介して小物物品の前記溝に
    面した部分に導くことを特徴とする請求項7に記載の小
    物物品の外観検査装置
  9. 【請求項9】前記タイミングベルトを案内するガイドレ
    ールを支持板上面に備えたことを特徴とする請求項7又
    は請求項8に記載の小物物品の外観検査装置。
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