JPH09188534A - ガラスカッターホイール - Google Patents

ガラスカッターホイール

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JPH09188534A
JPH09188534A JP8141614A JP14161496A JPH09188534A JP H09188534 A JPH09188534 A JP H09188534A JP 8141614 A JP8141614 A JP 8141614A JP 14161496 A JP14161496 A JP 14161496A JP H09188534 A JPH09188534 A JP H09188534A
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glass
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治雄 若山
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    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

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  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のガラスカッターホイールでは、良好な
スクライブができず、かつ商品価値を低下させるような
水平方向のクラックが生じた。 【解決手段】 ホイールの円周部に沿ってV字形の刃を
形成してなるガラスカッターホイール11において、刃
先に所定のピッチで所定高さの突起Jを形成したことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス板上に圧接
状態にして転動させることでスクライブライン(切筋)を
刻むガラスカッターホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】このガラスカッターホイールは、超鋼合
金製または焼結ダイヤモンド製の円盤に対して両側の円
周エッジ部を互いに斜めに削り込み、円周面にV字形の
刃を形成したものであり、このホイールは自動ガラスス
クライバーのカッタヘッド等に回転自在に軸着して用い
られる。
【0003】この種のものとして例えば「ガラス筋付け
カッター」(実開昭54−180463号公報)を図1に
示す。この図1は、ホイールの転動方向(つまりスクラ
イブ方向)から見た図(側面図とする)であり、刃先の稜
線部を平坦にし、その平坦部Qを粗面仕上げにしてい
る。これにより、ホイールとガラス板との摩擦力を高め
てホイールのスリップをなくすことで、途切れの無いス
クライブラインを刻み、かつ、刃先の摩耗を防止してい
る。
【0004】しかしながら図1のホイールでは、尖った
刃先をわざわざ平坦に削り取っているため(摩耗した状
態と同じ)、本来のスクライブ性能が犠牲になっている
のではないかと考えられる。
【0005】そこで本願出願人は、「ガラスカッター」
(特開平6−56451号)において、図2に示されるよ
うに、刃を形成している両傾斜面に対してグラインダを
用い、条痕3を形成することで、上記スリップを防止し
ている。尚、この図2では条痕3を強調して太く描いて
いるため溝が形成されているかのごとく見えるが、実際
には刃先の稜線部は肉眼で見る限りでこぼこのない真円
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記二つ
の引例は共に、ホイール転動時のスリップを防止するこ
とを目的としたものであり、ホイールに要求されるスク
ライブ性能、即ち、 ・スクライブ後のブレイクの際にスクライブラインに沿
ってガラス板を正確にブレイクでき、 ・ブレイクの際にガラス面に加えるブレーキング力が小
さくて済む、 ・分断した箇所で商品価値を低下させる水平方向の欠け
が少ない、ことを満足するものではない。
【0007】本発明は、ホイールのスリップを防止する
と共に、スクライブ性能を向上させたガラスカッターホ
イールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ディスク状ホ
イールの円周部に沿ってV字形の刃を形成してなるガラ
スカッターホイールにおいて、刃先に所定形状の突起を
形成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】従来のガラスカッターホイールに比べ、本発明
のガラスカッターホイールでスクライブしたときの最大
の特徴として、ガラス板を板厚を貫通する程の長い垂直
クラック(後述)が発生する。その理由は、ガラスカッタ
ーホイールの転動時に、ホイールに設けた突起により、
ガラス板に打点衝撃を与えるため、および、突起がガラ
ス板に深く食い込むためと思われる。又、不要な水平ク
ラック(後述)が発生しないという利点も得られる。その
理由は、ガラス板へのガラスカッターホイールの食い込
みは、突起による点接触が中心となるため、スクライブ
時に、ガラス板の表面方向に発生する応力が従来と比べ
て少ないためではないかと思われる。更に、ガラス板に
突起が食い込むことにより、ガラスカッターホイールの
スリップが皆無となり、このスリップに伴う摩耗などの
不都合は全く生じない。
【0010】
【発明の実施の形態】図3に本発明の第1実施形態を示
している。ホイール11の刃先の頂点である稜線部12
に、拡大図Aに示すように、U字形状の溝13を切り欠
くことで、高さhの突起J1をピッチpの間隔で形成し
ている。尚、中央部に示す孔Tは回転軸が挿通されるた
めのものである。
【0011】ここで例示したホイール11は、 ホイール径(φ):2.5mm ホイール厚(w):0.65mm 刃先角度(2θ):125° 突起数 :125個 突起の高さ(h):5μm ピッチ(p) :63μm であり、このガラスカッターホイール11を用い、 刃先荷重 :3.6Kgf スクライブ速度:300mm/sec の条件で1.1mm厚のガラス板をスクライブした時の
ガラス断面を図9に示している。
【0012】図9において、ガラス板Gの上面にあるく
ぼみLがスクライブ時に生じたガラスの欠けであり、こ
れをスクライブラインと称している(このラインは紙面
に対し垂直方向に延在する)。このスクライブラインL
の刻設と同時に、このスクライブラインLから直下方向
に延びるクラック(垂直クラック)K1が発生するが、こ
の場合、ガラス板Gを板厚方向にほぼ貫通するような長
いクラック(実測962μm)が発生している。
【0013】一方、図10は、上記のガラスカッターホ
イール11と同サイズであるが、突起J1を持たない従
来のホイールを用い、同じスクライブ条件(刃先荷重:
3.6Kgf、スクライブ速度:300mm/sec)でスク
ライブした時のガラス断面を示している。この場合の垂
直クラックK2は、130μmと短く、しかも、Yで示
されるように、ガラス板の面方向の欠け(水平クラック)
が生じている。このように、垂直クラックK2が短い
と、次のブレイク工程において、ガラス板Gをスクライ
ブラインLに沿ってブレイク(分断)する際に大きい力を
必要とし、又、垂直クラックK2の成長が不安定とな
り、垂直方向のクラックが期待できない。更には、水平
クラックYが生じると、ガラス板表面に欠けが生じ、繊
維状くずやフレーキングを生起することから商品価値も
失われる。
【0014】従って、水平クラックYが発生しない程度
に前記刃先荷重を小さくする必要があり、図10に示し
たスクライブで用いた従来のガラスカッターホイールに
おいて、推奨刃先荷重1.4Kgfでもってスクライブ
した時のガラス断面を図11に示している。この場合、
水平クラックの発生はなくなるが垂直クラックK3の長
さは図10の場合とほぼ同じであった。
【0015】このことから、従来のガラスカッターホイ
ールにおいては、刃先荷重を推奨値より大きくしても、
垂直クラックは長くはならず、不都合な水平クラックY
が大きく発生するだけであることがわかる。
【0016】一方、本発明の突起を設けたガラスカッタ
ーホイールは、刃先荷重を大きくしても、水平クラック
Yの発生はなく、その荷重の大きさに比例するように長
い垂直クラックKが得られる。この垂直クラックKが長
いと、次工程のブレイク作業において、スクライブライ
ンに沿った正確なブレイクが行え、歩留りが向上する。
又、ブレイク作業が容易なことから、ブレイク工程の内
容を緩和あるいは簡素化でき、場合によってはブレイク
工程を省略することも可能となる。
【0017】図4は第2実施形態を示しており、刃先の
稜線部12にV字形状の溝14を切り欠くことで突起J
2を形成している。
【0018】図5は第3実施形態を示しており、刃先の
稜線部12に鋸形状の溝15を切り欠くことで突起J3
を形成している。
【0019】図6は第4実施形態を示しており、刃先の
稜線部12に矩形の溝16を切り欠くことで突起J4
形成している。
【0020】上述した各溝13〜16を切り欠くための
装置を図7に示している。グラインダーモータMのディ
スク状砥石Zに対し、そのグラインダ面に直交してガラ
スカッタホイール11を当設させて、その刃先の稜線部
に一つの溝を切り欠き、この後、ガラスカッターホイー
ル11を図中、下方向に退避させ、そして、そのガラス
カッターホイール11を、上述のピッチpに相当する回
転角だけ回転させた後、再び溝を切り欠く。
【0021】この砥石Zの先端部Pの拡大図を図8に示
しており、上記の各溝13〜16に対応して、A図,B
図,C図,D図のものを用いる。
【0022】このように砥石の形状により、種々の形状
の突起Jを形成することができ、いずれの突起Jにおい
ても上述した条件(ピッチPおよび高さh)に従って形成
すれば同等の作用効果を得ることができる。
【0023】尚、ホイール径が小さい時、加工寸法が数
ミクロンの微細加工となるためと、被加工物(ガラスカ
ッターホイール)自身が硬質のため、突起Jの形成には
放電加工機を用いて行うのが適している。その場合、突
起はJ1〜J4の形状にとらわれることなく、随意の形状
を得ることができる。例えば、上記のグラインダを用い
た加工では、カッターホイール11のホイール面と直交
する方向の加工のみに限定されるが、放電加工機を使用
すれば、刃こぼれが少なく、かつ高いスクライブ性能が
得られるような突起Jを形成することも可能である。
【0024】最後に、一般的に使用される外径1〜20
mmのガラスカッターホイールに対し、本発明に基づく
好ましい仕様および推奨加工データを示す。 ホイール外径(φ):1〜20mm ホイール厚(w) :0.6〜5mm 刃先角度(2θ) :90〜160° ピッチ(p) :外径に応じて20〜200μm 突起の高さ(h) :外径に応じて2〜20μm 溝の半径(R) :0.02〜1.0mm(但し溝がU字
形状の場合) 刃先荷重 :外径に応じて1.0〜60Kgf(従
来は1.0〜40Kgf) スクライブ速度 :50〜1000mm/sec 尚、刃先荷重は上記のごとく外径に比例するが、ガラス
板が薄い時や刃先角度が小さい時(100°前後)、荷重
は小さ目となる。
【0025】上述した本発明のガラスカッタホイール
は、自動ガラススクライバーおよび手切りタイプのガラ
スカッターへの装着に好適である。
【0026】図12および図13は、一般的な自動ガラ
ススクライバーの正面図および側面図を示しており、ガ
ラス板を載置するテーブル41は、回転テーブル42に
より、水平方向に回転すると共に、ボールネジ44によ
り、Y方向(図12中、左右方向)に移動可能であり、一
方、下端に本願発明のガラスカッターホイール11を回
転自在に軸着したカッターヘッド46は、レール47に
沿ってX方向(図13中、左右方向)に移動可能としたも
のである。スクライブ時、テーブル41を所定ピッチで
Y方向に移動させる毎に、カッターヘッド46をX方向
に移動させることにより、ガラス板はX方向にスクライ
ブされ、この後、テーブル41を90°回転させた後、
同じようにスクライブすれば、ガラス板は今度はY方向
にスクライブされる。
【0027】ここで示した自動ガラススクライバーは一
例であって、カッターヘッド46が固定され、テーブル
41がXおよびY方向に移動するタイプや、テーブル4
1が固定され、カッターヘッド46がXおよびY方向に
移動するタイプにも本願発明のガラスカッターホイール
を適用できる。
【0028】図14は、本出願人による「ガラス切り」
(実公昭62−23780)で開示したものに本願発明の
ガラスカッターホイール11を装着したものを示してい
る。61は握り部である筒状の柄(ハンドル)であり、そ
の下部にはヘッド62が設けられ、そのヘッド62の下
端に、本願発明のガラスカッターホイール11が回転自
在に軸着される。ここでは更に、ガラスカッターホイー
ル11に油を供給するために、柄の中空部に設けた油室
63、油室のキャップ64、及びそれに付随する機構6
5〜73を備えるが、本願発明と直接に関係しない技術
なので説明は省略する。
【0029】図15は図14のヘッド62の詳細を示し
ており、ガラスカッターホイール11には適した軸11
aが挿通され、その軸11aの両端部がヘッド62の二
股になった部材にて軸支される。62aは軸11aの止
めキャツプである。
【0030】尚、本発明に係わるガラスカッターホイー
ル11は図3ないし図6で示されるように、ホイール単
体で提供され、使用時に際しては、これらのガラスカッ
ターホイール11の挿通孔Tに図15に示した軸11a
を挿通して用いられるが、ホイール径が数ミリメートル
と小さく、それゆえ、軸11aの径は1ミリメートル以
下となることもあり、軸管理が容易でない。そこで図1
6の(A)に示すように、軸11aと一体形成したホイー
ル11'や、ヘッド62の軸受け部の構造に応じて(B)
図に示すようなピボット軸11a'と一体成形したホイ
ール11"として提供できる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ガラス
カッターホイールの刃先の稜線部に突起を形成したの
で、この突起による作用により、水平クラックを生じる
ことなく長い垂直クラックを発生でき、突起無しの従来
のものと比べ、スクライブ性能が飛躍的に向上した。
又、ホイールのスリップが皆無となることにより、スク
ライブラインが途切れたり、ホイールが局所的に摩耗す
るといった不都合からも解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のガラスカッターホイールの側面図
【図2】 従来のガラスカッターホイールの正面および
側面図
【図3】 本発明の第1実施形態を示したガラスカッタ
ーホイールの側面図および正面図
【図4】 第2実施形態を示したガラスカッターホイー
ルの側面図
【図5】 第3実施形態を示したガラスカッターホイー
ルの側面図
【図6】 第4実施形態を示したガラスカッターホイー
ルの側面図
【図7】 ガラスカッターホイールに突起を形成するた
めの装置を示した図
【図8】 図7の砥石の先端形状を示した図
【図9】 本発明のガラスカッターホイールを用いてガ
ラス板をスクライブした時のガラス断面図
【図10】 従来のガラスカッターホイールを用いてガ
ラス板をスクライブした時のガラス断面図
【図11】 従来のガラスカッターホイールを用いて所
定の推奨刃先荷重でガラス板をスクライブした時のガラ
ス断面図
【図12】 一般的な機構の自動ガラススクライバーの
正面図
【図13】 図12の自動ガラススクライバーの側面図
【図14】 手切りタイプのガラス切りを示した図
【図15】 本発明に係わるガラスカッターホイールの
使用例を示した図
【図16】 本発明に係わるガラスカッターホイールの
別の実施形態を示した図
【符号の説明】
11 ガラスカッターホイール 11a 軸 12 刃先稜線部 41 テーブル 46 カッターヘッド 61 柄 62 ヘッド J 突起 M グラインダモータ Z 砥石

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク状ホイールの円周部に沿ってV
    字形の刃を形成してなるガラスカッターホイールにおい
    て、 刃先に所定形状の突起を形成したことを特徴とするガラ
    スカッターホイール。
  2. 【請求項2】 上記ピッチおよび突起の高さを、ホイー
    ル径に応じた値とした請求項1記載のガラスカッターホ
    イール。
  3. 【請求項3】 上記ピッチを、1〜20mmのホイール
    径に応じ20ないし200μmとした請求項1又は2に
    記載のガラスカッターホイール。
  4. 【請求項4】 上記突起の高さを、1〜20mmのホイ
    ール径に応じ2ないし20μmとした請求項1〜3のい
    ずれかに記載のガラスカッターホイール。
  5. 【請求項5】 刃先に対し、直交方向に当接させたグラ
    インダで切り欠くことで上記突起を形成する請求項1〜
    4のいずれかに記載のガラスカッターホイール。
  6. 【請求項6】 刃先を放電加工機で加工することにより
    上記突起を形成する請求項1〜4のいずれかに記載のガ
    ラスカッターホイール。
  7. 【請求項7】 テーブルに載置したガラス板に対して、
    カッターヘッドが相対的にXおよびY方向に移動する機
    構の自動ガラススクライバーにおいて、前記カッターヘ
    ッドに請求項1ないし6のいずれかに記載のガラスカッ
    ターホイールを具備したことを特徴とする自動ガラスス
    クライバー。
  8. 【請求項8】 柄の先に設けたホルダーに、請求項1な
    いし6のいずれかに記載のガラスカッターホイールを回
    転自在に軸着してなることを特徴とするガラス切り。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれかに記載のガ
    ラスカッターホイールは、該ホイールに挿通される軸と
    一体的に形成されることを特徴とするガラスカッターホ
    イール。
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