JP2002121040A - 脆性材料基板用カッターホイールおよびそれを備えたスクライバー - Google Patents
脆性材料基板用カッターホイールおよびそれを備えたスクライバーInfo
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Abstract
下させる水平クラックが多量に発生した。 【解決手段】 ディスク状ホイールの円周部に沿ってV
字形の刃を有するガラスカッターホイール11におい
て、前記V字形の刃を形成する際に、刃の稜線部である
刃先13が側方から見て多角形の形状となるように加工
する。
Description
状態にして転動させることでスクライブライン(切筋)を
刻むガラスカッターホイールに関する。また、このカッ
ターホイールは半導体ウエハーやセラミックス等を分断
するためのスクライブカッターとしても用いられる。
であるガラスカッターホイールを例として用いる。ま
た、同じカッターホイールが半導体ウエハーやセラミッ
クス等の脆性材料の分断用として用いられる。このガラ
スカッターホイールは、超硬合金製または焼結ダイヤモ
ンド製の円盤に対して両側の円周エッジ部を互いに斜め
に削り込み、円周面にV字形の刃を形成したものであ
り、このホイールは自動ガラススクライバーのカッタヘ
ッド等に回転自在に軸着して用いられる。
では、深い切り込み(垂直クラック)が得られず、又、ス
クライブ時にガラス板上でスリップし易く、そのため刃
先が摩耗しやすいという欠点があり、スクライブライン
に沿って残留応力が発生し、ブレーク後、ガラス断面に
不用な欠け(水平クラック)が生じ易いというガラス加工
後の品質上の問題があった。
カッターホイール」(特願平8−141614号)では図
1に示したように、ガラスカッターホイール1に形成し
たV字状の刃2の稜線部である刃先3に沿い、微細な切
り欠き4を等間隔で設けることで突起5を形成してい
る。これにより、スクライブ時の残留応力の発生を抑え
るとともに、 ブレーク後、ガラス断面に不用な欠け(水
平クラック)の発生を増大させることなく、ガラスを貫
通するような深い垂直クラックを得ることに成功した。
としているガラスカッターホイールの主な加工対象は液
晶パネルである。近年、この液晶パネルの需要は急増し
ており、それにつれて高品位の液晶パネルが求められる
ようになっている。そのためにも品質を低下させるよう
な水平クラックの発生を極力抑えなければならなかっ
た。
なく、水平クラックの発生を少なくできるガラスカッタ
ーホイールを提供することを目的とする。
イールの円周部に沿ってV字形の刃を有するガラスカッ
ターホイール11において、前記V字形の刃を形成する
際に、刃の稜線部である刃先13が多角形の形状となる
ように加工した。
している。ガラスカッターホイール11におけるV字状
の左右の刃12の稜線部である刃先13を、側方から見
て正60角形(図面ではわかりやすくするために正18
角形に簡略化している)とすると共に、前記正60角形
の各辺を含む平面で刃の面を削り取ることで125°の
刃先角度θを持つ前記V字状の刃12を形成している。
つまり、刃先13をも含めた刃12のいずれの個所にお
いても、その個所における側断面が正60角形になって
おり、図2の中図のQ−Q'ラインでの側断面を右図に
示した。
には刃12を形成していくことで刃先13を正60角形
に形成していく。
1の寸法を次表に示す。
次表のスクライブデータによりスクライブを行った。
のガラスカッターホイール1の場合と同程度だったのに
対し、水平クラックの発生を抑制することができた。図
1のガラスカッターホイール1で深い垂直クラックが得
られた理由として、刃先3に形成した突起5がスクライ
ブ時にガラス板に打点衝撃を与えたためと推察されてい
る。しかし、突起5自体がガラスカッターホイールの稜
線部となっているため、、その稜線部を切り欠くことで
形成された4a部と4b部が作用して水平クラックを発
生させると考えられる。
1では、正60角形の角頂点がガラス板に打点衝撃を与
えるものの、その頂点自身は刃先方向に長さを持たず、
しかも頂点以外は直線部(正60角形の1辺)となってい
るため、その直線部でのガラス板への食い込み量は少な
く、よって、水平クラックの発生が抑制されたものと考
えられる。
ための加工装置を図3に示している。超硬合金製のディ
スク状ホイール20を軸固定した上で、V字状の刃の左
側を形成するために、その刃の角度方向に移動可能なグ
ラインダー22を前記方向に移動させ研磨することによ
り、ディスク状ホイール20の左側に60角形の1辺を
含む平面23を形成する。この後、ホイール20を6°
(=360/60)回転させる毎に上述と同じ加工を繰返
すことで、左側のみ60角形の平面を有するホイールが
得られる。そしてV字状の刃の右側を形成するために、
ホイールを軸から取り外して裏返した後に、再度軸固定
する。その後、画像処理システム(図示せず)によりホ
イールを加工条件に合うように位置決めし、グラインダ
ー22を再度移動させることにより右側にも1辺を含む
平面25を形成する。この後、ホイール20を6°(=
360/60)回転させる毎に上述と同じ加工を繰返す
ことで、正60角形の刃先を有するガラスカッターホイ
ール11が得られる。
ラスカッターホイールに対し、図3で示した加工装置で
刃の部分を加工して本ガラスカッターホイール11を得
ることもできる。
加工機を用いて本発明のガラスカッターホイール11を
製作することもできる。
スカッターホイール31であり、正60角形をなす刃先
13の各辺に対し、図1における切り欠き4と同等の切
り欠き14を形成することで角辺の直線部をなくしてい
る。切り欠き14の深さは正60角形の一辺の長さの2
0%前後とした。
図2のガラスカッターにおける直線部の刃先13に切り
欠き14を形成することで、各辺の直線部分をなくして
いる。これにより、各辺とガラス板との接触を完全にな
くすことができるため、更に、水平クラックの発生を抑
えることができる。
ラスカッターホイール」(特願平8−141614号)に
て刃先に切り欠きを形成したときのように、直交方向に
当接させたデイスク状の薄いグラインダーで切り欠く。
ラスカッターホイール101であり、既にV字状の刃が
形成された従来のガラスカッターホイールに対し、図3
とは異なる加工装置(不図示)を用いて製作される。
従来のガラスカッターホイールの刃先を形成する稜線部
を、カッターホイールの放射方向と垂直に研削し、多角
形のホイールを形成する。すなわち、刃先の稜線が平面
15に研削されることで、正60角形の頂点部16が形
成される。
ラスカッターホイール111であり、図10における平
面15に切り欠き14を形成することで、各辺の直線部
をなくしている。これにより、各辺とガラス板との接触
を完全になくすことができるため、更に水平クラックの
発生を抑えることができる。
別に、従来のガラスカッターホイールの刃先稜線を形成
する曲面の傾斜面の稜線に近い領域を研削して、曲面の
傾斜面を部分的に平面化して、刃先稜線が多角形となる
のに加えて、左右の傾斜部の一部に平面からなる多角平
面を形成するようにしてもよい。
は単なる一例であり、ここで一般的な推奨寸法およびス
クライブデータを次表に示す。
は、自動ガラススクライバーおよび手切りタイプのガラ
スカッターへの装着に好適である。
クライバーの正面図および側面図を示しており、ガラス
板を載置するテーブル41は、回転テーブル42によ
り、水平方向に回転すると共に、ボールネジ44によ
り、Y方向(図5中、左右方向)に移動可能であり、一
方、下端に本願発明のガラスカッターホイール11を回
転自在に軸着したカッターヘッド46は、レール47に
沿ってX方向(図6中、左右方向)に移動可能としたもの
である。スクライブ時、テーブル41を所定ピッチでY
方向に移動させる毎に、カッターヘッド46をX方向に
移動させることにより、ガラス板はX方向にスクライブ
され、この後、テーブル41を90°回転させた後、同
じようにスクライブすれば、ガラス板は今度はY方向に
スクライブされる。
例であって、カッターヘッド46が固定され、テーブル
41がXおよびY方向に移動するタイプや、テーブル4
1が固定され、カッターヘッド46がXおよびY方向に
移動するタイプにも本願発明のガラスカッターホイール
を適用できる。
(実公昭62−23780)で開示したものに本願発明の
ガラスカッターホイール11を装着したものを示してい
る。61は握り部である筒状の柄(ハンドル)であり、そ
の下部にはヘッド62が設けられ、そのヘッド62の下
端に、本願発明のガラスカッターホイール11が回転自
在に軸着される。ここでは更に、ガラスカッターホイー
ル11に油を供給するために、柄の中空部に設けた油室
63、油室のキャップ64、及びそれに付随する機構6
5〜73を備えるが、本願発明と直接に関係しない技術
なので説明は省略する。
り、ガラスカッターホイール11には適した軸11aが
挿通され、その軸11aの両端部がヘッド62の二股に
なった部材にて軸支される。62aは軸11aの止めキ
ャツプである。
ル11は図2や図4で示されるように、ホイール単体で
提供され、使用時に際しては、これらのガラスカッター
ホイール11の挿通孔Tに図8に示した軸11aを挿通
して用いられるが、ホイール径が数ミリメートルと小さ
く、それゆえ、軸11aの径は1ミリメートル以下とな
ることもあり、軸管理が容易でない。そこで図9の(A)
に示すように、軸11a'と一体形成したホイール11'
や、ヘッド62の軸受け部の構造に応じて(B)図に示す
ようなピボット軸11a"と一体成形したホイール11"
として提供できる。
ッターホイールを示したが、多角形のカッターホイール
であれば同等の効果が得られる。
はその周辺稜線部の一部分が多角形であるものを含む。
あるガラスカッターホイールを一例として用いたが、同
じカッターホイールが半導体ウエハーやセラミックス等
の脆性材料の分断用として用いられる
カッターホイールの刃先稜線部を側方から見て多角形と
したので、多角形の各頂点でガラス板に打点衝撃を与え
ると共に、それらの頂点以外では必要以上のガラス板へ
の食い込みをなくしたため、水平クラックの発生を減少
できる。又、各頂点間の直線部に切り欠きを形成するこ
とで、より低い刃先荷重で同程度の垂直クラックが得ら
れるため、水平クラックの発生を更に減少できる。
ーホイールの正面図および側面図
ための加工装置を示した図
ルの正面図および側面図
面図
用例を示した図
の実施形態を示した図
ターホイールの正面図および側面図
ターホイールの正面図および側面図
Claims (9)
- 【請求項1】 ディスク状ホイールの円周部に沿ってV
字形の刃を有する脆性材料基板用カッターホイール11
において、 前記V字形の刃を形成する際に、刃の稜線部である刃先
13が多角形の形状となるように加工したことを特徴と
する脆性材料基板用カッターホイール。 - 【請求項2】 刃先の各直線部に対し、所定深さの切り
欠きを設けた請求項1記載の脆性材料基板用カッターホ
イール。 - 【請求項3】 上記多角形は16〜300の角数のいず
れかを持つ請求項1〜2のいずれかに記載の脆性材料基
板用カッターホイール。 - 【請求項4】 上記ホイールの径は1〜20mmの範囲で
ある請求項1〜3のいずれかに記載の脆性材料基板用カ
ッターホイール。 - 【請求項5】 上記ホイールの厚さは0.6〜5mmの範
囲である請求項1〜4のいずれかに記載の脆性材料基板
用カッターホイール。 - 【請求項6】 上記刃先の角度は90〜160°の範囲
である請求項1〜5のいずれかに記載の脆性材料基板用
カッターホイール。 - 【請求項7】 テーブルに載置したガラス板に対して、
カッターヘッドが相対的にXおよびY方向に移動する機
構の自動ガラススクライバーにおいて、前記カッターヘ
ッドに請求項1ないし6のいずれかに記載の脆性材料基
板用カッターホイールを具備したことを特徴とするスク
ライバー。 - 【請求項8】 柄の先に設けたホルダーに、請求項1な
いし6のいずれかに記載の脆性材料基板用カッターホイ
ールを回転自在に軸着してなることを特徴とするスクラ
イバー。 - 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれかに記載の脆
性材料基板用カッターホイールは、該ホイールに挿通さ
れる軸と一体的に形成されることを特徴とする脆性材料
基板用カッターホイール。
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