JPH0857498A - 排水処理装置および排水処理方法 - Google Patents

排水処理装置および排水処理方法

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JPH0857498A
JPH0857498A JP20185494A JP20185494A JPH0857498A JP H0857498 A JPH0857498 A JP H0857498A JP 20185494 A JP20185494 A JP 20185494A JP 20185494 A JP20185494 A JP 20185494A JP H0857498 A JPH0857498 A JP H0857498A
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和之 坂田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フッ素および界面活性剤を含んだ排水と排ガ
スとを同時に処理できて、イニシャルコストおよびラン
ニングコストを低減できる合理的かつ経済的な排水処理
装置および排水処理方法を提供する。 【構成】 第1反応調整槽1の下部1aは炭酸カルシウ
ム鉱物9Aを含み、上部1bは炭酸カルシウム鉱物9A
とプラスチック充填物13Aを含み、エアリフトポンプ
16Aは下部1aから上部1bに排水を循環させる。排
ガスは空間S1に導入される。また、第2反応調整槽2
の下部2aは炭酸カルシウム鉱物9Bと木炭23を含
み、上部2bは木炭23とプラスチック充填物13Bを
含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素と有機物とを含
有する排水を処理するときに、同時にフッ素と有機物を
含有する排出ガスを処理することができる排水処理装置
および排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の産業施設や半導体工場等か
ら排出されるフッ素と有機物とを含有する排水(以下「排
水」という。)および、フッ素と有機物とを含有する排ガ
ス(以下「排ガス」という。)は、それぞれ別々に排水処理
装置および、排ガス処理装置によって処理されていた。
【0003】即ち、まず、排水中のフッ素に関しては、
主として大量の消石灰を排水に加えることによって難溶
解性のフッ化カルシウムを生成させて、フッ素を沈澱さ
せて除去する。また、排水中の界面活性剤や、有機溶剤
などの有機物に関しては、上記フッ素を処理した後に上
記フッ素の処理とは別の処理水槽等で栄養剤を添加しな
がら生物学的に処理するかもしくは、それら有機物濃度
が低い場合は活性炭吸着によって処理していた。
【0004】一方、排ガス中のフッ素は、酸スクラバー
に代表される排ガス処理装置によって処理され、排ガス
中の有機溶剤等の有機物は活性炭が充填された排ガス処
理装置(具体的には活性炭吸着装置)によって処理され
ていた。上記排ガス中の有機物の代表としてはアセトン
やイソプロピールアルコール等の有機溶剤があげられ
る。そして、有機溶剤は一般に活性炭吸着装置によって
吸着処理される。
【0005】一般に、活性炭吸着装置において活性炭吸
着塔は2塔以上設置され、それぞれ交互に吸着と脱着を
繰り返すことによって連続的に有機溶剤を吸着処理する
ようになっている。しかし、活性炭吸着装置は有機溶剤
自体を分解しないから、有機溶剤自体の総量は変化しな
い。
【0006】また、既存の半導体工場や液晶工場では、
設備更新による再開発が頻繁に実施されており、当初計
画した排ガス処理装置の能力が不足する現象が頻繁に発
生している。上記排ガス処理能力不足の理由は、生産装
置の台数が当初の予定より多く設置されることがあるこ
とと、新しい生産装置の導入に伴って生産装置の仕様に
おいて処理すべき排ガスの風量が増加することとにあ
る。
【0007】これに対し、従来の排ガス処理装置は一旦
設置した後は、上記装置を改造することによって処理能
力を増加させることは困難である。したがって、排ガス
の処理能力を向上させるためには、新たに新規の排ガス
処理装置を設置しなければならない。
【0008】ところが、イニシアルコストおよびスペー
スの観点から排ガス処理装置を新規に設置することは計
画上非常に困難である。このため、排ガス処理能力の不
足が半導体工場や液晶工場におけるスムーズな生産設備
更新を妨げていた。
【0009】企業間の競争に勝ち抜くためには技術革新
による新しい生産装置を次々に導入することが絶対的条
件であり、上記工場では、新しい生産装置の仕様に対応
できるように、排ガス処理設備を容易に増強できること
が求められている。
【0010】一方、排水処理装置に対する影響として
は、最近の脱フロン時代に至って、フロン全廃という時
代のニーズに合わせて、特に半導体工場や液晶工場では
洗浄用フロンの代わりに各種の界面活性剤や、アルコー
ル等の有機溶剤すなわち有機物が使用されていることが
ある。
【0011】特に、超純水と界面活性剤との組み合わせ
による洗浄方法はその洗浄性の良さと部品に与えるダメ
ージの少なさから判断してフロン全廃に向けての重要な
洗浄方法として期待されている。
【0012】しかし、超純水と界面活性剤との組み合わ
せによる洗浄方法を実施すると、上記工場に於けるフッ
素処理に対して従来から廃棄物が極端に多くなるという
問題点と界面活性剤による処理水への影響という問題点
とがある。また、界面活性剤は、特に、排水処理に利用
する微生物に対する殺菌性を有しているから、処理が難
しかった。
【0013】このため、廃棄物が少なくかつ処理水質が
優れた合理的かつ経済的な排水処理装置は開発されてお
らず、フッ素と有機物である界面活性剤を含む排水を合
理的かつ経済的に処理できる排水処理装置が求められて
いる。
【0014】次に、図5と図6を参照しながら、従来の
排水処理方法について説明する。
【0015】一般に、半導体工場のフッ素含有排水は当
然のことながら硫酸も含有している。また、特に半導体
工場においては、フッ素含有排水を処理する場合に、フ
ッ素含有排水におけるフッ素濃度が30〜300ppm程
度の場合が多い。従来、このような濃度のフッ素含有排
水は、消石灰,ポリ塩化アルミニウムおよび高分子凝集
剤等の薬品を添加することによってフッ化カルシウムお
よびフッ化アルミニウムの微細なフロックを生成させ、
さらには凝集剤によってより大きなフロックを生成さ
せ、その後フロックを沈澱させて分離させることによっ
て、フッ素が処理されている。
【0016】図5に、従来の2段階の凝集沈澱による排
水処理装置を概念的に示す。
【0017】図5に示すように、まず、排水は、原水槽
51へ流入し、水量および水質がある程度調整される。
その後、排水は原水ポンプ62によって第1反応槽52
へ移送される。
【0018】つぎに、排水は、消石灰が添加された第1
反応槽52において撹拌機63によって撹拌反応処理が
なされる。そして、第1反応槽52においてフッ化カル
シウムを生成させることによって、排水からフッ素を除
去する。その後、上記排水はアルミ剤が添加された第2
反応槽53に移送されて撹拌反応処理がなされる。この
第2反応槽53において上記排水中の未反応のフッ素が
アルミ剤と反応してフッ化アルミニウムが生成する。こ
れにより、上記排水から更にフッ素が除去される。
【0019】次に、上記排水は第1凝集槽54に移送さ
れて高分子凝集剤が添加される。これにより、第1反応
槽52での反応によって生じた微細なフッ化カルシウム
のフロックおよび第2反応槽53での反応によって生じ
た微細なフッ化アルミニウムのフロックがより大きなフ
ロックに凝集される。そして、上記排水は、第1沈澱槽
55によって、固液分離がなされる。このとき、第1沈
澱槽55において固液分離されるフロック等のスラリー
の大部分は、過剰の消石灰による水酸化物であり、上記
スラリーに含まれるフッ化カルシウムやフッ化アルミニ
ウム等の反応物の量は相対的に少ない。
【0020】上記工程だけでは、フッ素濃度を目的水質
である15ppm以下にすることができない。したがっ
て、次に、排水を第3反応槽56,第2凝集槽57およ
び第2沈澱槽58へ順に移送し、さらにその後、排水の
PHが放流基準の範囲内に入るようにPH調整槽59を
通過させた後で、排水を放流する。
【0021】一方、第1沈澱槽55および第2沈澱槽5
8から集められたスラリーは、汚泥濃縮槽60で濃縮さ
れて、脱水機61によって脱水されて規定の含水率のケ
ーキになされる。
【0022】次に、図6に、フッ素および界面活性剤含
有排水の生物学的処理設備を備えた排水処理装置を示
す。この排水処理装置は、図6に示すように、図5に示
した排水処理装置において、第1沈澱槽55と第3反応
槽56との間に接触酸化槽66を設けたものである。こ
の接触酸化槽66には塩ビ製やプラスチック製の波型ろ
材67が充填されている。そして、接触酸化槽66は、
槽内に存在する好気性の微生物によって、界面活性剤等
の有機物を酸化分解する。
【0023】次に、図7に、従来の排ガス処理装置を示
す。この排ガス処理装置73は、循環水ポンプ75によ
って下部から汲み上げられた循環水が、プラスチック充
填物72に対して散水される。例えば、スクラバーに代
表される従来の排ガス処理設備では、上記循環水として
の水またはアルカリ水溶液をプラスチック充填物72に
振りかけて気体(排ガス)と液体(循環水)との接触の効率
を良くして、物理的な処理によって除去対象物質を除去
するようにしている。上記除去対象物質とは、具体的に
は排ガス中のフッ素であり、上記物理的な処理とはフッ
素ガスの水溶液への溶解である。すなわち、上記処理
は、フッ素とカルシウムとの反応によってフッ化カルシ
ウムを生成させるといった化学反応ではない。
【0024】また、排ガスから有機溶剤等の有機物を除
去するための処理としては、活性炭吸着処理が一般的で
ある。この活性炭吸着処理の原理はあくまでも物理的な
吸着である。従って、活性炭が吸着飽和量に到達すると
吸着した有機物を活性炭から脱着する必要があり、しか
も、上記脱着された有機物を、排水処理設備で処理する
必要がある。つまり、従来の排ガス処理装置は、あくま
でも吸着処理を行うだけであって、微生物によって生物
学的に有機物を分解することはできない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】最近の半導体工場や液
晶工場では、企業に対する環境監査の動向に起因して発
生廃棄物が少ないことが求められており、また企業間の
競争に起因して処理装置のイニシアルコストが低いこと
が求められている。また、上記工場が環境に影響を与え
る大きな要因としては、特に排水処理と排ガス処理があ
る。
【0026】したがって、発生廃棄物が少なくまたイニ
シアルコストが低い画期的な排水処理装置と排ガス処理
装置が時代のニーズになっている。
【0027】まず、排水について言えば、排水中のフッ
素濃度に対する規制も年々厳しくなり、最近の工場では
行政の上乗せ基準もあって、フッ素の規制値が数ppmと
一桁のケースが多いが、排水中の濃度を一桁に維持する
ためには、従来システムの場合、2段階凝集沈澱システ
ムの2段目においてアルミ剤をフッ素濃度に対して理論
値の10倍以上添加しないと目的のフッ素濃度まで下が
らなかった。
【0028】また、上記従来の消石灰等を添加してフッ
素を処理する方法(2段凝集沈澱システム)において、排
水のPHが2〜3と低く、また、フッ素濃度が30〜3
00ppmの範囲でつねに激しく変動するから、フッ素に
対する消石灰の必要量は、化学反応理論量の3倍(1段
目)以上であった。このため、水酸化物等のスラリーの
発生量が多く、かつ、脱水設備によってスラリーを脱水
しても含水率が65%程度であるため、結果として、廃
棄物である脱水ケーキのボリュームが大きく、この脱水
ケーキの処理に要するコストが増加し、また、将来処理
場の確保が困難になるという問題がある。
【0029】また、消石灰を化学反応理論量の3倍以上
必要とする理由は、排水と添加される消石灰との反応時
間を通常30分間以内に設計する必要があるからであ
る。つまり、過剰の消石灰を添加しなければ、所定時間
内にフッ素を十分に除去できず、フッ素含有率の目標値
(一般的に20〜30ppm)を達成できないのである。仮
に、反応時間を30分以上に設計して反応時間を十分に
取れば、消石灰の必要量を減らすことができる。しかし
この場合には、反応槽の容量が3倍以上になり、また、
撹拌機もより大きくなるから、敷地面積が拡大し、かつ
建設費が増加する問題がある。
【0030】一方、最近開発されてきた炭酸カルシウム
鉱物を用いたフッ素含有水の処理方法は、充填する炭酸
カルシウム鉱物の充填槽が密閉槽であるから、反応後に
密閉槽から反応物を頻繁に引き出す必要がある。この引
き出し作業には大変な工数がかかるので、現実にはメン
テナンス上の大きな問題がある。
【0031】ところで、最近の半導体工場や液晶工場に
おいては、半導体素子の微細化が更に進む予定である状
況の中で、超純水による水洗浄では水の表面張力のため
微細な部分に対しては十分に洗浄できない。したがっ
て、超純水に界面活性剤やアルコール等の有機物(例え
ば、界面活性剤入りバッファードフッ酸の様な薬品)を
混入させて表面張力を小さくして洗浄する方法が普及し
つつある。この場合、界面活性剤やアルコール類等の有
機物がフッ素含有排水に含まれるから、フッ素除去と同
時にこれらの有機物の処理も必要になる。
【0032】しかし、界面活性剤を処理するときに、界
面活性剤の分子式、構造式、殺菌性および発泡性のた
め、微生物にとって培養条件の良い栄養剤等を添加して
も、界面活性剤を微生物を用いて容易に処理することが
困難であった。
【0033】そこで、この発明の目的は、フッ素および
界面活性剤を含んだ排水と排ガスとを同時に処理でき
て、イニシャルコストおよびランニングコストを低減で
きる合理的かつ経済的な排水処理装置および排水処理方
法を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、導入された排水によって浸され
るように充填された炭酸カルシウム鉱物と、上記排水を
曝気して撹拌する曝気手段とを有する下部と、上記下部
よりも上方かつ上記下部に導入された排水の水面よりも
上方に配置されており、通水性を有するように充填され
た炭酸カルシウム鉱物およびプラスチック製充填物を有
する上部と、上記下部から上記上部に排水を汲み上げ、
汲み上げた排水を上記上部に散水する排水循環手段と、
上記下部と上部の間の空間に排ガスを導入する排ガス導
入手段とを備えることを特徴としている。
【0035】また、請求項2の発明は、第1水槽と第2
水槽とを備え、上記第1水槽は、導入された排水によっ
て浸されるように充填された炭酸カルシウム鉱物と、上
記排水を曝気して撹拌する曝気手段とを有する第1下部
と、上記第1下部よりも上方かつ上記第1下部に導入さ
れた排水の水面よりも上方に配置されており、通水性を
有するように充填された炭酸カルシウム鉱物およびプラ
スチック製充填物を有する第1上部と、上記第1下部か
ら上記第1上部に排水を汲み上げ、汲み上げた排水を上
記第1上部に散水する排水循環手段と、上記第1下部と
第1上部の間の第1空間に排ガスを導入する第1排ガス
導入手段とを備え、上記第2水槽は、上記第1下部から
導入された排水によって浸されるように充填された炭酸
カルシウム鉱物と木炭と、上記排水を曝気して撹拌する
曝気手段とを有する第2下部と、上記第2下部よりも上
方かつ上記第2下部に導入された排水の水面よりも上方
に配置されており、通水性を有するように充填された木
炭およびプラスチック製充填物を有する第2上部と、上
記第2下部から上記第2上部に排水を汲み上げ、汲み上
げた排水を上記第2上部に散水する排水循環手段と、上
記第1水槽から上記第2下部と第2上部の間の第2空間
に排ガスを導入する第2排ガス導入手段とを備えている
ことを特徴としている。
【0036】また、請求項3の発明は、請求項2に記載
の排水処理装置において、上記第2水槽からの排水が導
入され、導入された排水を撹拌する撹拌手段および汚泥
を固定化する汚泥固定化手段を有し、アルミ剤と高分子
凝集剤とが添加されるようになっている第3水槽と、上
記第3水槽からの排水が導入され、上記排水を固液分離
すると共に分離された上澄液を放出する第4水槽と、上
記第4水槽で沈殿によって形成された汚泥が導入され、
この汚泥を沈降分離して濃縮する第5水槽と、上記第5
水槽で濃縮された汚泥が導入され、この汚泥を脱水する
脱水手段と、上記第4水槽で形成された汚泥を、上記第
1水槽の第1上部または第2水槽の第2上部または第3
水槽の上記汚泥固定化手段の内の少なくとも1つに返送
する汚泥返送手段とを備えたことを特徴としている。
【0037】また、請求項4の発明は、下部に排水を導
入して、この下部に充填された炭酸カルシウム鉱物を上
記排水で浸し、上記排水を曝気しながら撹拌し、上記排
水を上記下部から汲み上げて、上記下部よりも上方に配
置されており、炭酸カルシウム鉱物とプラスチック製充
填物とが充填されている上部に上記排水を散水し、上記
下部と上部の間の空間に、排ガスを導入し、重力に従っ
て上記排水を上記上部の炭酸カルシウム鉱物とプラスチ
ック製充填物を通過させ、重力に従って上記排水を上記
排ガスが存在する空間を通過させ、重力に従って上記排
水を上記下部に戻すことを特徴としている。
【0038】また、請求項5の発明は、第1水槽の第1
下部に排水を導入して、この第1下部に充填された炭酸
カルシウム鉱物を上記排水で浸し、上記排水を曝気しな
がら撹拌し、上記排水を上記第1下部から汲み上げて、
上記第1下部よりも上方に配置されており、炭酸カルシ
ウム鉱物とプラスチック製充填物とが充填されている第
1上部に上記排水を散水し、上記第1下部と第1上部の
間の第1空間に、排ガスを導入し、重力に従って上記排
水を上記第1上部の炭酸カルシウム鉱物とプラスチック
製充填物を通過させ、重力に従って上記排水を上記排ガ
スが存在する第1空間を通過させ、重力に従って上記排
水を上記第1下部に戻し、上記第1水槽の第1下部から
第2水槽の第2下部に排水を導入して、この第2下部に
充填された炭酸カルシウム鉱物を上記排水で浸し、上記
排水を曝気しながら撹拌し、上記排水を上記第2下部か
ら汲み上げて、上記第2下部よりも上方に配置されてお
り、木炭とプラスチック製充填物とが充填されている第
2上部に上記排水を散水し、上記第2下部と第2上部と
の間の第2空間に、上記第1空間から排ガスを導入し、
重力に従って上記排水を上記排水ガスが存在する第2空
間を通過させ、重力に従って上記排水を上記第2下部に
戻すことを特徴としている。
【0039】また、請求項6の発明は、請求項5に記載
の排水処理方法において、上記第2水槽から第3水槽に
排水を導入し、この第3水槽で上記排水にアルミ剤と高
分子凝集剤とを添加し、上記排水を撹拌し、この第3水
槽が有する汚泥固定化手段に汚泥を固定し、上記第3水
槽から第4水槽に排水を導入し、この第4水槽で上記排
水を固液分離し、分離された上澄液を第4水槽から放出
し、上記第4水槽で沈殿によって排水から汚泥を分離
し、この汚泥を第5水槽に導入し、この第5水槽で上記
汚泥を沈降分離して濃縮し、上記第4水槽で分離した汚
泥を、上記第1水槽の第1上部または上記第2水槽の第
2上部または上記第3水槽に設けた汚泥固定化手段の内
の少なくとも1つに返送し、上記第5水槽で濃縮された
汚泥を脱水手段で脱水することを特徴としている。
【0040】
【作用】請求項1に記載の排水処理装置は、下部におい
て、排水が空気撹拌されて、炭酸カルシウム鉱物と反応
して、フッ化カルシウムが生成する。すると、上記排水
中のフッ素濃度が減少する。すると、上記排水は、結晶
状のフッ化カルシウムつまり結晶種を含むようになる。
【0041】また、上記下部の炭酸カルシウム鉱物の表
面には上記排水に由来する微生物が繁殖し、この微生物
によって上記排水が含んでいる界面活性剤を生物学的に
処理することができる。
【0042】そして、上記結晶種を含んだ排水は、上記
排水循環手段によって、上部に汲み上げられ、この上部
に散水される。そして、上記排水は、上記上部の炭酸カ
ルシウム鉱物とプラスチック製充填物とに接触しながら
重力にしたがって徐々に下降する。
【0043】一方、排ガス導入手段は、上記上部と下部
の間の空間に排ガスを導入する。すると、この排ガス
は、上記上部に至り、上記上部を下降している上記排水
に接触して、フッ素が除去される。また、上記上部の炭
酸カルシウム鉱物とプラスチック製充填物の表面に繁殖
した微生物が上記排ガスが含む界面活性剤および上記排
水が含む界面活性剤を生物学的に処理する。
【0044】また、上記排水は結晶状のフッ化カルシウ
ム固形物を含んでいるから、上記排ガスは、上記排水と
接触して反応することによって、中和される。
【0045】したがって、請求項1の発明によれば、下
部で排水を処理でき、上部で排水と排ガスの両方を処理
できて、フッ素および界面活性剤を含んだ排水と排ガス
とを同時に処理できる。しかも、請求項1の発明によれ
ば、排水を処理する過程において、上記排水自体によっ
て上記排ガスを処理することができる。
【0046】したがって、請求項1の発明によれば、フ
ッ素および界面活性剤を含んだ排水と排ガスとを同時に
処理できるとともに、イニシャルコストおよびランニン
グコストを低減できる合理的かつ経済的な排水処理装置
を提供することができる。
【0047】また、請求項2の発明は、第1水槽の第1
下部において、排水が炭酸カルシウム鉱物と反応して、
フッ化カルシウムが生成し、排水のフッ素濃度が下が
る。また、上記排水が含んでいる界面活性剤は、上記炭
酸カルシウム鉱物の表面に繁殖した微生物によって生物
学的に処理される。そして、上記フッ化カルシウムの結
晶種を含んだ排水は、第1上部に汲み上げられて、散水
される。そして、上記排水は、上記第1上部の炭酸カル
シウム鉱物とプラスチック製充填物の表面に繁殖した微
生物によって生物学的に処理される。
【0048】一方、排ガス導入手段は、第1上部と第1
下部の間の第1空間に排ガスを導入する。すると、上記
排ガスは上記第1上部に至り、上記第1上部にある排水
に接触して反応し、上記排ガスが含んでいるフッ素が除
去される。また、上記排ガスが含んでいる界面活性剤
は、上記第1上部の炭酸カルシウム鉱物およびプラスチ
ック製充填物の表面に繁殖した微生物によって生物学的
に処理される。また、上記排ガスは、上記排水と反応す
ることによって中和される。
【0049】更に、この請求項2の発明によれば、上記
第1水槽の第1下部から第2水槽の第2下部に排水が導
入される。そして、この第2下部に導入された排水は、
この第2下部に充填されている炭酸カルシウム鉱物と木
炭とに接触する。上記木炭および炭酸カルシウム鉱物の
表面には上記排水に由来する微生物が繁殖するから、上
記排水は上記微生物によって生物学的に処理される。こ
の生物学的な処理によって、上記排水中の有機物濃度が
低減される。
【0050】そして、上記第2下部は曝気手段によって
撹拌されているので、上記炭酸カルシウム鉱物や木炭の
表面に繁殖した微生物は一定の期間を経て剥離する。そ
して、上記剥離した微生物を含んだ排水は、上記第2下
部から第2上部に汲み上げられて第2上部に散水され
る。そして、上記排水は第2上部に充填されている木炭
とプラスチック製充填物に接触しながら重力にしたがっ
て下降する。ここで、上記第1水槽から上記排ガスが、
上記第2下部と第2上部との間の第2空間に導入され、
上記排ガスが上記第2上部に至る。すると、上記排ガス
は、上記排水と接触しながら反応し、排ガス中の有機物
が生物学的に処理される。このとき、上記排ガス中の有
機物(有機溶剤)は上記排水が含む微生物にとっての栄養
物になる。また、このとき、上記排水は、第2上部の木
炭とプラスチック製充填物に繁殖した微生物によって、
生物学的に処理されて、界面活性剤などの有機物が処理
される。
【0051】すなわち、この請求項2の発明によれば、
上記第1水槽の第1下部において、排水が含んでいるフ
ッ素および界面活性剤が処理され、かつ、第1上部にお
いて排水が含んでいるフッ素と界面活性剤が処理され
る。そして、上記排水は、さらには、上記第2水槽の第
2下部と第2上部の両方においてフッ素と界面活性剤の
両方が処理される。つまり、請求項2の発明によれば、
第1水槽において排水が2段階に処理された上に、第2
水槽において排水が2段階に処理されるから、排水が含
んでいるフッ素と界面活性剤を特に良く処理することが
できる。
【0052】また、上記第1水槽の第1上部と第2水槽
の第2上部とで、上記排水を使用して上記排ガスを2段
階に処理することができる。したがって、上記排ガスが
含んでいるフッ素と界面活性剤を特に良く処理すること
ができる。
【0053】したがって、請求項2の発明によれば、フ
ッ素および界面活性剤を含んだ排水と排ガスとを同時に
特に良く処理できるとともに、イニシャルコストおよび
ランニングコストを低減できる合理的かつ経済的な排水
処理装置を提供することができる。
【0054】また、請求項1または2に記載の排水処理
装置において、上記排水循環手段が、エアリフトポンプ
を含んでいる場合には、上記エアリフトポンプが排水に
空気を供給し、この空気は上記排水が含んでいる結晶状
のフッ化カルシウムの結晶を破壊しながら上記排水を汲
み上げる。
【0055】また、請求項3の発明は、請求項2の発明
において、第3水槽と第4水槽と第5水槽とを備える。
上記第2水槽から上記第3水槽に排水が導入され、この
第3水槽では、アルミ剤と高分子凝集剤とが添加され
る。すると、上記排水が含んでいるフッ素が上記アルミ
剤と反応してフッ化アルミニウムが生成する。そして、
余分なアルミ剤は素早く水酸化アルミニウムのフロック
に変化し、このフロックが上記フッ化アルミニウムを吸
着する。さらに、上記フッ化アルミニウムを吸着したフ
ロックは上記高分子吸着剤に吸着されてより大きなフロ
ックになる。
【0056】そして、この大きなフロックを含んでいる
排水は、上記第4水槽に導入され、固液分離されて、最
終的な処理水として上澄液が放出される。
【0057】そして、上記第4水槽で固液分離された汚
泥は、上記第5水槽に導入されて濃縮され、さらに、脱
水手段によって脱水される。
【0058】したがって、請求項3の発明によれば、排
水中のフッ素を分離して、脱水された汚泥として排出す
ることができる。
【0059】また、請求項3に記載の発明によれば、上
記第4水槽で固液分離によって形成された汚泥を、上記
第1水槽の第1上部もしくは第2水槽の第2上部もしく
は第3水槽の汚泥固定化手段の内の少なくとも一方に返
送する。上記汚泥は、上記フロックを含んでおり、さら
には、微生物を含む生物汚泥も含んでいる。したがっ
て、上記汚泥が供給された第1上部もしくは第2上部も
しくは第3水槽の汚泥固定化手段の内の少なくとも1つ
は、気液の接触効率が高まって排ガスの処理効率が上昇
させられる上に、上記生物汚泥によって排水および排ガ
スの生物学的な処理能力を高めることができる。つま
り、この請求項3の発明によれば、排水および排ガスの
処理能力が一層高められる。
【0060】ここで、この発明の特色を以下の〜に
まとめる。
【0061】 排水処理装置の上部に排ガス処理装置
を設置し、排水処理装置に設置したエヤーリフトポンプ
にて、空気を供給して結晶種を破壊し、かつ、溶存酸素
を高めて微生物を繁殖させる。これにより、排水処理装
置の循環水を排ガス処理装置の循環水として共用利用し
ている。また、エアーリフトポンプは最も省エネルギー
なポンプである。
【0062】 第1水槽において、フッ素を処理する
ために炭酸カルシウム鉱物を槽内に充填し、空気量を変
化させながら撹拌を行い、炭酸カルシウム鉱物の表面に
結晶化する結晶(結晶種と呼ばれている)を壊しながら排
水処理する。
【0063】 第2水槽に木炭と炭酸カルシウム鉱物
を交互に充填して、それら木炭と炭酸カルシウム鉱物に
各種の微生物を繁殖させて排水を処理する。
【0064】すなわち、第1水槽でフッ素がある程度処
理された処理水はさらに微生物による生物膜を利用して
高度処理される(フッ素,COD、BODなどが処理され
る。また、微生物の体内にフッ素を濃縮させる原理でフ
ッ素を除去し、最終的には汚泥として系外に引き抜くこ
とができる。
【0065】また、排水処理と同時に、微生物が繁殖し
た循環水を、エアリフトポンプによって上部の散水部に
散水する。すなわち、第2水槽上部の散水部に充填した
木炭と従来の排ガス処理に使用されているプラスチック
製の充填物とに微生物を充分に繁殖させて、上記充填物
に繁殖した微生物層(生物膜)を利用して排ガスを処理す
る。即ち、排水と排ガスの両方を、2種類の充填物に繁
殖した微生物を用いて巧みに処理することができる。ま
た、排ガス中の有機物(有機溶剤)は微生物にとっての栄
養物となる。また、従来、生産設備に由来する鉱酸(無
機性のフッ酸、硫酸等)と有機物を含む混合ガスからの
排ガスは酸性を示すから、微生物処理が困難であった。
この困難は本発明によって解消できる。つまり、この発
明は、無機性の排ガスを、第1水槽にて炭酸カルシウム
鉱物によって化学反応的に処理して中和された排ガスに
し、有機物と混合することによって、中性で有機物を含
む排ガスにして微生物によってより処理し易い排ガスと
し、更にその排ガスを上部の充填物に生成した生物膜と
剥離した微生物を含む循環水によって処理する。
【0066】 排水と排ガスを、第1水槽の第1上部
と第1下部において立体的に処理することができる。ま
た、第1上部に炭酸カルシウム鉱物が充填されているの
で、排水中のフッ素は第1下部と第1上部の両方におい
て処理することができる。したがって、第1上部は、排
水処理機能と排ガス処理機能の両方を兼ね備える。その
結果、格段に建設設備費用を低減できる。
【0067】 第1水槽にて生成した結晶状のフッ化
カルシウムを、エアリフトポンプによって、循環水と一
緒に第1上部の中間部から散水して、循環水を多くし、
気液の接触効率を増加させることができる。また、エア
リフトポンプは、少ない動力で働かせることができるの
で、ランニングコストが低い。
【0068】また、エアーリフトポンプからの循環水と
返送汚泥ポンプからの循環水の2種類の循環水を循環さ
せることができる。
【0069】 排水処理における沈澱槽からの適当な
濃度の汚泥を、第1上部と第2上部の上から散布し、凝
集剤によるフロックである水酸化アルミニウムが持って
いるやわらかいスラリー性によって、気液の接触効率を
さらに改善する。このことによって、排ガス中の処理す
べき被処理成分を効率的に除去することができる。
【0070】ところで、最近では、炭酸カルシウム鉱物
を利用したフッ素処理に関する各種の新技術が開発され
ている。たとえば、特開昭60−48191号公報に
は、フッ素含有排水の処理に炭酸カルシウム鉱物を利用
することが開示されている。しかし、これには排水と排
ガスを同時に処理できる方法は開示されてない。
【0071】また、特開昭63−28429号公報に
は、フッ素を含有する排水と排ガスを処理することが開
示されている。また、特開平5−253575号公報,
特開平5−253576号公報および特開平5−253
577号公報には炭酸カルシウムを利用することが開示
されているが、これらに開示されているのはあくまでも
フッ素含有水の処理方法であって、排ガスを同時に処理
する方法は開示されていない。
【0072】上記従来技術と比較する観点においては、
本発明の特色は次の点にある。
【0073】本発明は排水と排ガスの両方を処理できる
排水処理装置であり、本発明は炭酸カルシウム鉱物の充
填層に排水を導入し空気ばっ気によって排水を撹拌をし
ながら反応させ、結晶種と微生物を含む循環水を排ガス
処理に利用する点。
【0074】また、排水と排ガスがある程度中和された
第2水槽において、低濃度のフッ素の処理に第2水槽に
繁殖させた微生物を利用する点。具体的には微生物の体
内にフッ素を取り込ませて、その後沈澱槽にて微生物と
処理水を分離して排水を処理する点。
【0075】また、本発明は、例えば半導体工場の場合
には、フッ素含有排水が硫酸を含んでおりフッ化カルシ
ウムを含む結晶種が形成され易いことを利用できる。一
般に半導体工場では、硫酸剥離装置を数多く使用してい
るから、フッ素含有排水に硫酸が混入しているのであ
る。
【0076】また、第2水槽において、排水中および排
ガス中の有機物に着目し、微生物を利用して排水と排ガ
スを処理している点。
【0077】また、炭酸カルシウムを含む反応槽におい
て、本発明はオープン槽で空気ばっ気による強力な撹拌
があるから、空気中の微生物も利用できる点。
【0078】さらに、本発明はアルミ剤を含む汚泥を炭
酸カルシウムを含む反応槽(第1上部と第2上部と第1
下部と第2下部)に返送している点。
【0079】ところで、特開平5−253578号公報
と、特開平5−254829号公報と、特開平5−27
7471号公報と、特開平5−293475号公報およ
び特開平5−301092号公報には、フッ素含有水か
らフッ化カルシウムとして、炭酸カルシウムが充填され
た充填層にフッ素含有水を循環通水して、フッ化カルシ
ウムを生成させて、フッ素を回収するものである。
【0080】これに対し、本発明は、排水中のフッ素だ
けでなく排ガス中のフッ素を処理し、かつ、排水と排ガ
ス中の有機物を利用して排水と排ガス中のフッ素を高度
処理(2次処理)することができる。
【0081】本発明の処理方法の第1ステップはあくま
でも炭酸カルシウム鉱物からカルシウムを溶出させてフ
ッ素と反応させる処理である。そして、第2ステップに
おいて、フッ素の高度処理として第2水槽において微生
物を利用して、排水中と排ガス中の低濃度フッ素を微生
物処理することができる。また、本発明は、炭酸カルシ
ウム鉱物を利用し、充填されている炭酸カルシウム鉱物
が減少した分だけ補充するが、フッ化カルシウムの回収
は実施しない。
【0082】ここで、炭酸カルシウムと炭酸カルシウム
鉱物との相違点について説明する。炭酸カルシウムは化
学式CaCO3で表現される物質で、具体的には工業薬品
としての炭酸カルシウム等がある。
【0083】一方、炭酸カルシウム鉱物としては、天然
すなわち自然界に存在する大理石や石灰岩やサンゴやカ
キ殻等が該当する。一般に自然界に存在する炭酸カルシ
ウム鉱物は主成分としての炭酸カルシウムとSiO2,M
gOなどの不純物を1%前後含んでいる。本発明は広島
県より多量に産出される安価な炭酸カルシウム鉱物に着
目して、システムを構築したものである。この発明は、
工業薬品としての炭酸カルシウムを使用せずに自然界に
存在する炭酸カルシウム鉱物を利用しているから、工業
薬品である炭酸カルシウムとは異なり事故の心配も無
く、安全なフッ素処理方法と考えられる。
【0084】ところで、消石灰を使用した場合の長所
は、消石灰が工業薬品等の薬品類であり、粉末であるた
め、水に溶解した消石灰スラリーは排水中の溶解してい
るフッ素との反応が早いことにある。つまり、消石灰は
フッ素との反応が早いから、反応槽を小さく設計できる
という長所を有している。具体的には、反応槽の設計は
滞留時間30分以内に設定することが一般的である。本
発明に利用する炭酸カルシウム鉱物は自然に存在してい
る物質であるから、排水中のフッ素と反応するのに時間
を要します。実験では約数時間必要である。
【0085】しかしながら、図8(A)と図8(B)とに対
比させて示すように、単に水質と水量の調整機能の目的
で数時間の滞留時間で設計されている従来の調整槽を効
率よく利用し、すなわち調整槽に炭酸カルシウム鉱物を
前もって充填し、水質と水量の調整のみならずフッ素の
物理化学反応処理つまりばっ気による反応処理という新
たな機能を備えていることが本発明の1つの特徴であ
る。
【0086】従って、第1水槽の下部は、反応調整槽と
しての機能を有している。
【0087】図8(B)に示すように、従来は、排水を
反応槽へ入れる前に調整槽へ導入して、この調整槽で排
水濃度のバラツキを平均化して、反応槽へ送る水量を一
定量としている。上記調整槽での滞留時間は数時間であ
る。
【0088】図8(A)に示すように、本発明は、従来の
調整槽と反応槽とを兼ねる下部(第1反応調整槽)で、排
水を数時間かけて処理するから、消石灰に比べて反応が
遅い炭酸カルシウム鉱物を使用しても、図8(B)に示す
従来例に比べて、処理時間が長くなることはない。本発
明は、下部(第1反応調整槽)が調整槽と反応槽とを兼
ねるから槽の数を減少させることができる。
【0089】すなわち、本発明は従来方法の調整槽と反
応槽の部分を1つの水槽である第1反応調整槽にまと
め、第1反応調整槽の滞留時間が数時間あるので、消石
灰を利用する必要がなく、発生廃棄物量が少なく、かつ
極端に安価な炭酸カルシウム鉱物をフッ素との反応材料
に採用することができる。
【0090】従来、排ガス処理装置は、排水処理装置と
は別個に設置されているが、排ガス処理装置と排水処理
装置をそれぞれ別々に設置すると、広いスペースが必要
になるから合理的ではない。
【0091】また、従来では、排ガス処理装置において
水またはアルカリ水溶液に排ガス中のフッ素を接触させ
て吸収させて溶解させ、その後、上記フッ素を吸収した
水溶液を排水処理設備に導入して消石灰などの薬品を添
加して処理している。すなわち、従来の処理装置では、
排ガス中のフッ素は溶液による接触,吸収,溶解と排水処
理設備におけるフッ化カルシウムの生成を主とした2段
処理がなされている。
【0092】これに対し、本発明は、排ガスのフッ素が
直接に炭酸カルシウム鉱物と反応するか、もしくは、短
時間の内に炭酸カルシウム鉱物と反応することができる
ので上記従来例とは全く異なる。
【0093】また、従来は、排ガス中の有機溶剤などの
有機物は、前記したように活性炭吸着処理が一般で、吸
着後脱着し、排水処理設備にて処理している。したがっ
て、排水処理で発生した微生物を利用した直接的な微生
物による有機物の分解を行う本発明と従来の装置とは全
く異なる。
【0094】本発明は、排水に関しては、フッ素および
界面活性剤等の有機物含有排水の処理コストと脱水ケー
キの発生を低減できる。同時に、結晶種と呼ばれる反応
物である結晶状のフッ化カルシウムと生物膜から剥離し
た微生物汚泥が混合された循環水と、フッ素と反応する
炭酸カルシウム鉱物と有機物を吸着する能力がある木炭
およびこの木炭の表面に繁殖した生物膜とを利用して、
排ガス中のフッ素と有機物を処理できる。その上に、従
来の排ガス処理装置において発生したやっかいなスライ
ムや固形物を排水処理装置の沈澱槽や脱水機等によって
自動的に容易に脱水除去でき、操作性と保全性を格段に
改善することができる。
【0095】
【実施例】以下、この発明の排水処理装置および排水処
理方法の実施例を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。
【0096】図1に、この発明の排水処理装置の第1実
施例を示す。この第1実施例は、フッ素および有機物を
含んだ排水と、フッ素および有機物を含んだ排ガスとを
処理するためのものである。
【0097】図1において、1は第1反応調整槽であ
る。この第1反応調整槽1の第1下部1aには収容籠1
0Aに収容された炭酸カルシウム鉱物9Aが充填されて
いる。また、上記第1反応調整槽1は、ブロワー17
と、このブロワー17から延びている配管20Aと、こ
の配管20Aの先端に接続された散気管11Aとを有し
ている。上記散気管11Aは、上記第1反応調整槽1の
第1下部1aの底に配置されている。上記ブロワー17
と配管20Aと散気管11Aとが曝気手段を構成してい
る。
【0098】半導体工場や液晶工場の生産工程から排出
されるフッ素と有機物を含有する排水は最初に第1反応
調整槽1に導入される。上記フッ素を含有する排水は硫
酸を含んでいる。上記硫酸については、単に排水のPH
を調整することによって処理すれば良い。
【0099】上記第1反応調整槽1内の排水の水位は炭
酸カルシウム鉱物9Aが埋没するように調整される。そ
して、上記散気管11Aやブロワー17を含むばっ気装
置によって、上記排水が強力に撹拌される。この撹拌に
よって、上記排水中のフッ素と上記炭酸カルシウム鉱物
9Aの中のカルシウムが、時間の経過とともに反応す
る。ここで、上記排水には硫酸が混在しており、上記排
水の液性が酸性になっているので、炭酸カルシウム鉱物
9Aからカルシウムが溶出し易くなっている。したがっ
て、上記反応によって、結晶状のフッ化カルシウム(結
晶種)が容易に生成する。
【0100】上記第1反応調整槽1の第1上部1bに
は、炭酸カルシウム鉱物9Aとプラスチック製充填物1
3Aが充填された第1反応散水部3が配置されている。
そして、上記第1反応散水部3よりも下の排ガス導入用
の空間S1には、この空間S1に連通するとともに横方
向に突設しているダクト29が設けられている。このダ
クト29の先には排気ファン12が取り付けられてお
り、この排気ファン12によって、半導体工場や液晶工
場からのフッ素と有機物を含有した排ガスを第1反応散
水部3の下の排ガス導入用の空間S1に導入できるよう
になっている。
【0101】第1反応散水部3の最下部には、格子板1
5Aが設けられている。この格子板15Aは、図1に示
すように、格子が垂直方向に延びており、上下方向の投
影面積が左右方向の投影面積よりも格段に小さくなって
いる。したがって、上記ダクト29からの排ガスは、上
記格子板15Aを容易に通過して第1反応散水部3に達
することができる。また、上記格子板15Aは、充填物
としての比較的重量のある炭酸カルシウム鉱物9Aとプ
ラスチック製の充填物13Aを支持できるように比較的
大きな強度を有している必要がある。
【0102】第1反応散水部3に充填されているプラス
チック充填物13Aとしては、具体的にはラシヒリング
や、ベルルサドルや、インタロックサドルや、テラレッ
トや、ポールリング等を選定すればよい。これらは、一
般の排ガス処理装置にも用いられており、空気抵抗が比
較的少ないものである。
【0103】上記第1反応散水部3の上下方向の中ほど
よりも少し上の位置には、上記第1反応散水部3を左右
方向に横切っている散水管14Aが配置されており、こ
の散水管14Aにはエアリフトポンプ16Aがつながっ
ている。このエアリフトポンプ16Aを構成する管の下
端は上記第1反応調整槽1の下部1aの底付近に達して
いる。上記エアリフトポンプ16Aの下端16aよりも
少し上には、ブロワー19から延びている管が接続され
ており、上記ブロワー19からエアリフトポンプ16A
を運転するための空気が供給される。上記エアリフトポ
ンプ16Aを運転すると、上記第1反応調整槽1の第1
下部1aの底に有る排水は、上記エアリフトポンプ16
A中を上昇して、上記散水管14Aから上記第1反応散
水部3の中に散水される。
【0104】尚、上記エアリフトポンプ16Aに替え
て、通常使用されている破砕機付きのポンプを選定して
もよいが、上記エアリフトポンプ16Aを選定した場合
には、比較的少ない動力費で多量の排水を移動させるこ
とができるという利点がある。また、後述するが、エア
リフトポンプ16Aを用いた場合には、結晶状のフッ化
カルシウム(結晶種)を効果的に破壊することができる。
また、エアリフトポンプ以外のポンプを選定した場合に
は、ポンプが目詰まりする可能性もある。
【0105】上記第1反応調整槽1で処理された被処理
水のPHは中性になるように、第1反応調整槽1を設計
しておくことが望ましい。
【0106】具体的には、フッ素と有機物を含有する上
記排水のPHがPH3以下であるときには、撹拌強度に
よっても異なるが、第1反応調整槽1での滞留時間を数
時間以上にすることが望ましい。
【0107】また、第1反応調整槽1の容量1立方メー
トル当たり1日100立方メートル以上のばっ気空気量
を確保した場合には、第1反応調整槽1内での排水の撹
拌を十分に行うことができ、排水中のフッ素と炭酸カル
シウム鉱物9Aとの反応を円滑にすることができ、この
反応によって生成した結晶性のフッ化カルシウム(結晶
種)が炭酸カルシウム鉱物9Aの表面にこびりつかない
ようにすることができる。
【0108】また、第1反応調整槽1の底面1cは、上
記エアリフトポンプ16Aの下端16aに向かって下り
坂になるように傾斜している。このように底面1cが傾
斜しているので、反応中に生成したフッ化カルシウムの
結晶が上記エアリフトポンプ16の下端16aに向かっ
て導かれ易くなる。したがって、上記フッ化カルシウム
の結晶を上部1bの第1散水部3に導入し易くなる。
【0109】上記エアリフトポンプ16によって第1反
応調整槽1の第1下部1aと第1上部1bを循環させら
れてフッ素が処理された排水つまり被処理水は、第2反
応調整槽2に導入される。具体的には、第1反応調整槽
1で処理された排水は、第1反応調整槽1の下部1aよ
りも上かつ、上記空間S1よりも下の所定の位置に設け
られたオーバーフロー管(図示せず)を経由して第2反
応調整槽2へ移送される。
【0110】また、上記第1反応散水部3を下から上に
通過することによって、フッ素が処理された排ガスつま
り被処理ガスは、第1反応調整槽1の最上部に連結され
たダクト21を経由して、第2反応調整槽2の第2上部
2bに設けられている第2散水部4の下の排ガス導入用
の空間S2に導入される。
【0111】上記第2反応調整槽2には充填物として、
炭酸カルシウム鉱物9Bと木炭23が充填されている。
そして、第2反応調整槽2の第2下部2aの底には槽内
を空気により撹拌する散気管11Bが配置されている。
第2反応調整槽2の底面2cは発生したフッ化カルシウ
ムの結晶(結晶種)がエアリフトポンプ16にて第2反応
散水部に容易に導入できるように、エアリフトポンプ1
6の口がある下端16aの方向に向かって傾斜してい
る。
【0112】この第2反応調整槽2に充填されている炭
酸カルシウム鉱物9Bと木炭23は微生物にとっては微
生物固定化担体であり、時間の経過と共に炭酸カルシウ
ム鉱物9Bと木炭23の表面には生物膜が形成される。
第2反応調整槽2に別の生物処理場から発生する余剰汚
泥つまり活性汚泥を投入した場合には、上記微生物固定
化担体に生物膜を速やかに付着させることができる。ま
た、上記第2反応調整槽2に定期的に活性汚泥を投入す
れば、目的とする生物膜を常時確保することができる。
そして、上記排水中の有機物は第2反応調整槽2の炭酸
カルシウム鉱物9Bと木炭23の表面に発生した生物膜
の微生物によって処理される。
【0113】また、充填物である木炭23としは、比重
が1より大きく水中に埋没する備長炭を選定した。備長
炭は有機物を吸着する作用があり、上記備長炭つまり木
炭23に吸着された有機物は木炭23の内部に繁殖した
微生物によって処理される。
【0114】上記微生物が繁殖した木炭23は、一般的
には活性木炭と呼ぶこともできる。また、炭酸カルシウ
ム鉱物9Bとしては、天然の石灰岩を粉砕したものを用
いた。このものは、重質炭酸カルシウムや寒水石と呼ば
れる商品としても存在する。また、天然に存在する炭酸
カルシウム鉱物9Bの中でも、上記天然の石灰岩を粉砕
したものは、それが存在する水槽中で小魚類を飼育する
こともできるほど化学的に安全な物質である。また、上
記天然の石灰岩を粉砕したものは、表面がでこぼこして
いるので、微生物が繁殖し易く生物膜ができ易い。
【0115】また、最初は、排水のPHが3以下の酸性
であるので、第1反応調整槽1に充填された炭酸カルシ
ウム鉱物9Aの粒径は、第2反応調整槽2に充填された
炭酸カルシウム鉱物9Bの粒径よりも大きくて、粒度が
粗い方が良い。例えば、第1反応調整槽1が有している
炭酸カルシウム鉱物9Aは直径5〜7cm程度のものを用
い、第2反応調整槽2が有している炭酸カルシウム鉱物
9Bは直径約2cm程度のものを用いることが望ましい。
【0116】上記第2反応調整槽2によって処理された
被処理水は、上記第2下部2aの上端付近に設けられた
図示しないオーバーフロー管を経由して、第3水槽5に
導入されるようになっている。
【0117】この第3水槽5には、凝集剤としてのアル
ミ剤と高分子凝集剤が添加される。フッ素濃度が20pp
m以下の時は、上記凝集剤は、被処理水が中性に近いほ
ど、被処理水からフッ素を効率的に除去することができ
る。したがって、まず、第1反応調整槽1においては、
炭酸カルシウム鉱物9Aによって、排水のフッ素濃度を
20ppm以下にし、かつ、PHを7に近づける。次に、
第2反応調整槽2において、上記排水に対して更に高度
のフッ素除去を行うために、排水中のフッ素を炭酸カル
シウム鉱物9Bとの反応のみならず、微生物による生物
学的にも処理して、排水のフッ素濃度を15ppm以下ま
で低減させる。最後に、ポリ塩化アルミニウム等のアル
ミ剤と高分子凝集剤を第3水槽5のそれぞれの槽に注入
する。具体的には、上記第3水槽5が有する2槽の前段
の槽5aにアルミ剤を添加し、後段の槽5bに高分子凝
集剤を添加する。これにより、被処理水を目的の水質す
なわちフッ素濃度5ppm以下まで処理することができ
る。
【0118】上記第3水槽5での処理を終えた被処理水
は、つぎに、第4水槽6に移送される。この第4水槽6
は、一般の第1沈澱槽と同じである。
【0119】また、第5水槽7は一般の汚泥凝集槽であ
り、上記第1反応調整槽1および第2反応調整槽2から
の汚泥を凝集する。そして、この凝集された汚泥は、脱
水機としてのフィルタープレス8に移送されて脱水され
る。
【0120】上記実施例は、第1反応調整槽1の第1上
部1bおよび第2反応調整槽2の第2上部2bが排ガス
処理装置を構成している。
【0121】この実施例は、第1および第2下部1aと
1bに、炭酸カルシウム鉱物9Aと9Bを充填し、か
つ、撹拌手段としてのばっ気装置によって、被処理水の
中和処理および被処理水に含まれているフッ素を炭酸カ
ルシウム鉱物9Aおよび9Bと反応させることによっ
て、被処理水のフッ素濃度を低減させる処理を行うこと
ができる。したがって、この実施例は、従来の排水処理
装置と排ガス処理装置を合わせた面積と比較した場合、
全体的規模は縮小されている。
【0122】上記構成の排水処理装置は、まず、第1反
応調整槽1に流入した直後の排水は、PHが3以下の酸
性であるので、炭酸カルシウム鉱物9Aを溶解させなが
らカルシウムをイオン化させて、上記排水が含んでいる
フッ素をフッ化カルシウムの微細なフロックと結晶種に
する。この処理にともなって、炭酸ガスと水とが生成さ
れる。この実施例では、上記第1反応調整槽1におい
て、上記フッ素を化学反応式通りに炭酸カルシウム鉱物
9Aと反応させることができる。なぜならば、この実施
例では、上記第1反応調整槽1が、従来の調整槽と反応
槽を兼ねているから、従来の反応槽に比べて、上記第1
反応調整槽1での反応時間を長くすることができるから
である。
【0123】より詳しくは、従来は、反応槽において、
過剰の消石灰(Ca(OH)2)を添加していたため、多量の
水酸化物が発生していた。これに対し、この実施例で
は、十分な時間をかけて化学反応式通りにフッ素を炭酸
カルシウム鉱物と反応させる。したがって、従来発生し
ていた水酸化物の発生もなく、従来より脱水ケーキの生
成量を減少させることができ、排水に含まれるフッ素を
効果的に除去することができる。このようにして、第1
反応調整槽1では、排水に含まれるフッ素(排水中のフ
ッ素濃度50ppm)を60%以上の除去率で処理できる。
【0124】次に、フッ素濃度が20ppm以下で、か
つ、中性に近づいた排水は、第2反応調整槽2に導入さ
れる。この第2反応調整槽2での処理水の滞留時間を数
時間以上にすることが望ましい。第2反応調整槽2の第
2下部2aには炭酸カルシウム鉱物9Bと木炭23が上
下方向に交互に積み重ねられている。そして、上記炭酸
カルシウム鉱物9Bと木炭23の表面には生物膜が時間
の経過と共に発生する。この生物膜は、排水中の有機物
の処理に役立つ。
【0125】また、第2反応調整槽2内に充填されてい
る炭酸カルシウム鉱物9Bは排水中のフッ素と反応し、
フッ素濃度の低減に役立つ。ただし、この第2反応調整
槽2でのフッ素の除去率は、第1反応調整槽1に比べて
低い。その理由は、第2反応調整槽2内に充填されてい
る炭酸カルシウム鉱物9Bの絶対量が第1反応調整槽1
より少ないからである。こうして、第2反応調整槽2に
おいては、排水が含んでいるフッ素を30%以上除去で
きる。また、界面活性剤等の有機物をCOD(化学的酸
素要求量)としてとらえた場合、有機物の除去率は40
%以上を期待できる。
【0126】第2反応調整槽2にて処理された被処理水
は、次に第3水槽5に移送される。そして、第3水槽5
において無機凝集剤(図示せず)としてのポリ塩化アルミ
ニウム等のアルミ剤(無機凝集剤)と高分子凝集剤が前段
および後段の槽5aおよび5bに添加される。上記第3
水槽5において、アルミ剤と排水に含まれるフッ素とが
反応し、フッ化アルミニウムとなり、かつ、余分なアル
ミ剤が素早く水酸化アルミニウムのフロックに変化し、
フッ化アルミニウムを吸着する。このことにより、排水
のフッ素濃度を5ppm程度にまで低減できる。上記水酸
化アルミニウムのフロックは中性付近で発生し易いこと
が知られている。なお、上記第3水槽5における反応時
間は15分程度でよい。
【0127】つぎに、排水を沈澱槽である第4水槽6に
移送する。この第4水槽6では、数分間に1回転程度の
回転数でかき寄せ機24Aを回転させて、固液分離を行
う。そして、上づみ液としての排水は処理水として放出
し、一方沈澱して形成した汚泥は汚泥濃縮槽である第5
水槽7に移送される。この第5水槽7において、上記汚
泥はかき寄せ機24Bによってかき寄せられ、沈降分離
によって3時間以上かけて濃縮される。その後、上記沈
降分離によって濃縮された汚泥はフィルタープレス等で
構成された脱水機としてのフィルタープレス8に移送さ
れて、脱水される。そして、最終的な廃棄物としての脱
水ケーキが生成する。
【0128】ところで、上記沈澱槽である第4水槽6に
おいて分離された汚泥は、返送汚泥ポンプ25によって
第1散水部3および第2散水部4の両方またはどちらか
一方に返送される。そして、上記返送された汚泥は、第
1反応調整槽1または第2反応調整槽2において、排ガ
ス処理のみならず排水処理に役立つ。
【0129】また、第2反応散水部4にはプラスチック
製充填物13Bの他に木炭23が充填されている。そし
て、この第2反応散水部4では、第1反応散水部3と同
様にプラスチック製充填物13Bと木炭23は上下方向
に交互に充填されている。これにより、この第2反応散
水部4の全体的な通気抵抗をできるかぎり一様にするよ
うにしている。
【0130】そして、上記木炭23の表面には、時間の
経過とともに生物膜が発生し、排ガス中の有機物の処理
に役立つ。また、上記返送汚泥ポンプ25から返送され
てきた化学汚泥と生物汚泥を第2反応散水部4に散布す
るから、上記化学汚泥と生物汚泥とを排ガス中の微量の
フッ素と有機物の処理に役立てることができる。
【0131】上記返送汚泥の量は、第2反応散水部4ま
たは第2反応調整槽2の充填物部分で閉塞が発生しない
ように運転管理している。具体的には、返送汚泥ポンプ
25から第2反応散水部4と第2反応調整槽2に返送す
る汚泥量とSS濃度を管理して、上記閉塞が発生しない
ように運転している。より具体的には、第2反応散水部
4が閉塞していない状況を確認することと、第2反応調
整槽2のSS濃度を測定し適正に維持することによって
返送汚泥の量を管理してします。
【0132】よって、上記返送汚泥ポンプ25から第2
反応散水部4へ返送する汚泥の量を減少させるときに
は、上記第4水槽6から第5水槽(濃縮槽)7へ汚泥を抜
くことになります。上記汚泥を第5水槽(濃縮槽)7へ
引き抜く汚泥の量、および返送汚泥ポンプ25によって
返送する汚泥の量は、第5水槽(濃縮槽)7の下部に設
置した汚泥計量ボックス(図示せず)によって制御され
る。このような、返送汚泥量の運転管理は一般の排水処
理における活性汚泥法の汚泥計量ボックスによる返送汚
泥管理と全く同様の運転方法である。
【0133】また、上記汚泥による閉塞の対策として、
次の,の対策がある。
【0134】 プラスチック充填物13Aおよび13
Bとして、汚泥によって閉塞しないタイプすなわち直径
100ミリメートル以上のものを選定すれば、上記汚泥
による閉塞をほぼ完全に防止できる。この100ミリメ
ートル以上のタイプのプラスチック充填物は市販されて
いる。
【0135】 図3や図4に示すように、第1反応散
水部3を横切っている散水管14Aの上にプラスチック
製充填物13Aが充填されていないようにし、また、第
2反応散水部4を横切っている散水管14Bの上にプラ
スチック充填物13Bが充填されていないようにすれ
ば、上記汚泥によって第1および第2反応散水部3およ
び4が閉塞されることを防止できる。
【0136】この実施例では、第1および第2反応散水
部3および4に、2種類の循環水を散布しているので、
第1および第2反応調整槽1および2での排水および排
ガスの処理効率を向上させることができる。上記2種類
の循環水とは、エアーリフトポンプ16A,16Bによ
って第1,第2反応調整槽1,2内に循環させられる排水
と、上記返送汚泥ポンプ25によって第1,第2反応調
整槽1,2に返送される汚泥に含まれる排水である。
【0137】次に、図2を参照しながら、本発明の排水
処理方法の実施例を説明する。
【0138】図2に示した排水処理装置は、図1に示し
た排水処理装置の第3水槽5の前段の槽5aの前段に汚
泥固定化部30を有する汚泥固定化槽26が設けられて
いる点のみが図1に示した排水処理装置と異なる。した
がって、図1に示した排水処理装置と同じ部分には同じ
符号を付して詳細な説明を省略する。
【0139】上記汚泥固定化部30はたとえば塩化ビニ
リデンを含んでいる。
【0140】この実施例では、まず、排水を第1反応調
整槽1に移送し、この第1反応調整槽1の第1下部1a
に充填されている炭酸カルシウム鉱物9Aによって、上
記排水が含んでいるフッ素の除去と中和処理とを行う。
たとえば、上記第1反応調整槽1において、上記散気管
11Aから吐出されて空気曝気に用いられる空気の量
を、水槽の容量1立方メートルあたり1日100立方メ
ートルにした場合には、PHが2.5でありフッ素濃度
が50ppmである排水を、第1反応調整槽1に流入させ
ると、上記第1反応調整槽1の出口では、上記排水のP
Hを4〜5にできフッ素濃度を20ppm以下にすること
ができる。
【0141】次に、上記第1反応調整槽1から出力され
たフッ素濃度が20ppm以下の排水は、第2反応調整槽
2に移送される。この第2反応調整槽2においては、排
水のフッ素濃度が15ppm以下にまで低下させられ、P
Hは5〜7になされる。
【0142】次に、上記被処理水は、第2反応調整槽2
から第3沈澱槽5の最前段の汚泥固定化槽26に導入さ
れる。
【0143】そして、上記汚泥固定化槽26において、
フッ素濃度が15ppmまで低下させられ、COD濃度が
15ppmまで低下させられた被処理水は、有機物のみな
らずフッ素が生物化学的に処理される。この生物化学的
処理の「生物」は生物汚泥による処理を意味し、「化
学」とは凝集剤に由来する汚泥による処理を意味する。
具体的には、上記汚泥固定化槽26が有する塩化ビニリ
デンに形成された生物汚泥および化学汚泥によって排水
中の有機物とフッ素が処理されるのである。上記塩化ビ
ニリデンは生物汚泥と化学汚泥の両方を固定化できるこ
とは当然の事である。界面活性剤や有機溶剤などの有機
物をCODとしてとらえているので、COD15ppmの
排水は上記汚泥固定化槽26によってCOD3ppm以下
まで処理されることになる。一方、汚泥固定化槽26に
おいて、フッ素濃度も低下させられて、次の第4水槽6
で固液分離された後には排水のフッ素濃度は3ppm以下
に低下する。
【0144】更に、この汚泥固定化槽26を経由して、
第3水槽(凝集槽)5の前段の槽5a,後段の槽5bに移
送される。そして、この第3水槽(凝集槽)5において、
無機および高分子凝集剤が添加され、この無機および高
分子凝集剤によって、上記第1および第2反応調整槽1
および2で発生した微細なフロックを成長させる。
【0145】次に、第3水槽5に被処理水が導入され、
第3水槽5の前段の槽5aでポリ塩化アルミニウムや硫
酸バンドとよばれる硫酸アルミニウム等の無機凝集剤が
添加され、次に、第3水槽5の後段の槽5bで高分子凝
集剤が添加され、より大きなフロックとなる。
【0146】次に、上記被処理水を第4水槽(沈澱槽)6
に移送する。そして、数分間に1回転程度の回転数でか
き寄せ機24Aを回転させて、上記被処理水の固液分離
を行い、上澄み液としての処理水を放出する。一方、沈
澱形成した未反応のアルミニウムやカルシウムおよびフ
ッ素を含む汚泥は、返送汚泥ポンプ25を経由して汚泥
固定化槽26に返送される。上記汚泥固定化槽26に
は、汚泥が固定される塩化ビニリデンが充填されてい
る。
【0147】上記第4水槽6において沈降分離した未反
応のアルミニウムや反応生成したフッ化カルシウムを含
む化学汚泥および生物膜より剥離した生物汚泥等の混合
汚泥は、返送汚泥ポンプ25によって第1散水部3や第
2散水部4に返送される。そして、上記返送された混合
汚泥は、排ガス処理に役立てられることは当然のことな
がら、第1,第2反応調整槽1,2の下部1a,2aにま
で移動して排水の処理にも役立てられる。
【0148】尚、図1において、返送汚泥ポンプ25の
汚泥返送率は、試運転当初は100%としたが、第1反
応調整槽1および第2反応調整槽2での汚泥濃度が10
00ppm以上になると、汚泥返送率を100%よりも低
下させる。その理由は、汚泥返送率100%の運転を続
けると、第1反応調整槽1と、第2反応調整槽2と、第
1散水部3と、第2散水部4それぞれに充填されている
充填物の箇所で、上記混合汚泥による汚泥閉塞が生じる
からである。つまり、汚泥閉塞が発生しないように、汚
泥返送率を管理している。
【0149】すなわち、第1反応調整槽1と第2反応調
整槽2と第1散水部3と第2散水部4とにおいて、上記
充填物の箇所で汚泥による閉塞が発生しないように汚泥
濃度を管理することが重要である。
【0150】一方、図2に示した排水処理装置による排
水処理方法においては、第3水槽5の最前段に設けられ
ている汚泥固定化槽26の汚泥濃度が3000ppm以上
になるように、返送汚泥ポンプ25による汚泥返送率を
管理すれば、図1に示した排水処理装置による排水処理
方法に比べて、有機物とフッ素に対してより効果的な排
水処理方法となる。
【0151】上記汚泥固定化槽26が有している汚泥固
定化材としては、上記塩化ビニリデンの他にも、各種の
固定化材料がある。しかし、化学汚泥および生物汚泥を
固定化するには、塩化ビニリデンが比較的有効である。
【0152】そして、汚泥の最終処理の段階として、上
記第4水槽6から第5水槽7に移送された汚泥は濃縮さ
れて、脱水機としてのフィルタープレス8に移送されフ
ィルタープレス8によって脱水処理され、脱水ケーキと
なる。
【0153】具体的な実験例として、例えば、図1に示
した排水処理装置と同じ構造の排水処理装置を、第1反
応調整槽1の容量を約1立方メートルとし、第2反応調
整槽2の容量を約1立方メートルとし、第1散水部3の
容量を約0.5立方メートルとし、第2散水部4の容量
を約0.5立方メートルとし、第3水槽の容量を0.1
立方メートルとし、第4水槽の容量を0.3立方メート
ルとして、排水処理を行った。この場合、処理前に、P
Hが2.2であり、フッ素濃度が52ppmであり、COD
が52ppmであるフッ素および界面活性剤を含んだ排水
を処理した場合、処理後の排水は、PHを7.5にで
き、フッ素濃度を5.1ppmにでき、CODを5.2ppmに
できた。しかも、汚泥の発生容量を従来の約20%以下
に低減することができた。
【0154】また、図2に示した排水処理装置におい
て、汚泥固定化槽26の容量を0.5立方メートルと
し、その他の槽の容量は上記実験例と同じ容量として、
排水処理実験を行った。この場合、処理前に、PHが
2.2であり、フッ素濃度が52ppmであり、CODが5
2ppmであるフッ素および界面活性剤を含んだ排水を処
理した場合、処理後の排水は、PHを7.4にでき、フ
ッ素濃度を3.1ppmにでき、CODを3.3ppmにでき
た。しかも、汚泥の発生容量を従来の約20%以下に低
減することができた。つまり、図2の装置に基づく実験
例では、図1の装置に基づく実験例に比べて、フッ素濃
度,COD共に、約2ppmだけ減少させることができた。
【0155】また、上記2つの実験例の両方において、
第1散水部3への排ガスの入り口のダクト21での排ガ
スが含んでいるHFガスの濃度が2mg/(NM3(ノルマ
ル立方メートル))であったときに、第2散水部4の最上
部の排ガス出口EでのHFガスの濃度を0.25mg/(N
3)以下に低減することができた。つまり、HFガス
【0156】の濃度を8分の1以下に低減できた。ま
た、排ガス中の有機物の代表としてのアセトンを測定し
た場合、第1散水部4の入り口のダクト21でのアセト
ン濃度が1mg/(NM3)であったときに、第2散水部4
の排ガス出口Eでのアセトン濃度は0.2mg/(NM3)以
下であった。つまり、アセトン濃度を5分の1以下に低
減することができた。
【0157】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1と4
に記載の排水処理装置と排水処理方法は、下部におい
て、曝気手段で排水を空気撹拌して、炭酸カルシウム鉱
物と反応させて、フッ化カルシウムを生成させて、排水
中のフッ素濃度を減少させることができる。
【0158】これにより、上記排水は、結晶状のフッ化
カルシウムつまり結晶種を含むようになる。また、上記
下部の炭酸カルシウム鉱物の表面には上記排水に由来す
る微生物が繁殖し、この微生物によって上記排水が含ん
でいる界面活性剤を生物学的に処理することができる。
【0159】そして、上記結晶種を含んだ排水は、上記
排水循環手段によって、上部に汲み上げられ、上記上部
に散水される。そして、上記排水は、上記上部の炭酸カ
ルシウム鉱物とプラスチック製充填物とに接触しながら
重力にしたがって徐々に下降する。
【0160】一方、排ガス導入手段は、上記上部と下部
の間の空間に排ガスを導入し、上記上部を下降している
排水に接触させることによって、排ガスからフッ素を除
去できる。また、上記上部の炭酸カルシウム鉱物とプラ
スチック製充填物の表面に繁殖した微生物によって上記
排ガスが含む界面活性剤および上記排水が含む界面活性
剤を生物学的に処理できる。
【0161】また、上記排水は結晶状のフッ化カルシウ
ム固形物を含んでいるから、上記排ガスを上記排水と接
触させて反応させることによって中和できる。
【0162】したがって、請求項1と4の発明によれ
ば、下部で排水を処理でき、上部で排水と排ガスの両方
を処理できて、フッ素および界面活性剤を含んだ排水と
排ガスとを同時に処理できる。しかも、請求項1と4の
発明によれば、排水を処理する過程において、上記排水
自体によって上記排ガスを処理することができる。
【0163】したがって、請求項1と4の発明によれ
ば、フッ素および界面活性剤を含んだ排水と排ガスとを
同時に処理できるとともに、イニシャルコストおよびラ
ンニングコストを低減できる合理的かつ経済的な排水処
理装置と排水処理方法を提供することができる。
【0164】また、請求項2と5の発明は、第1水槽の
第1下部において排水を炭酸カルシウム鉱物と反応させ
てフッ化カルシウムを生成させ、排水のフッ素濃度を下
げる。また、上記排水が含んでいる界面活性剤を、上記
炭酸カルシウム鉱物の表面に繁殖した微生物によって生
物学的に処理できる。そして、上記フッ化カルシウムの
結晶種を含んだ排水は、第1上部に汲み上げられて散水
されるから、上記第1上部の炭酸カルシウム鉱物とプラ
スチック製充填物の表面に繁殖した微生物によって生物
学的に処理することができる。
【0165】一方、排ガス導入手段は、第1上部と第1
下部の間の第1空間に排ガスを導入し、排ガスは第1上
部にある排水に接触して反応しフッ素が除去される。ま
た、排ガスが含んでいる界面活性剤を、第1上部の炭酸
カルシウム鉱物およびプラスチック製充填物の表面に繁
殖した微生物によって生物学的に処理できる。また、上
記排ガスを上記排水と反応させることによって中和でき
る。
【0166】さらに、この請求項2と5の発明によれ
ば、上記第1水槽の第1下部から第2水槽の第2下部に
排水を導入して、この導入された排水を第2下部に充填
されている炭酸カルシウム鉱物と木炭の表面に繁殖した
微生物によって生物学的に処理して有機物濃度を低減で
きる。
【0167】そして、上記第2下部を曝気手段によって
撹拌しているので、上記炭酸カルシウム鉱物や木炭の表
面に繁殖した微生物は一定の期間を経て剥離する。そし
て、上記剥離した微生物を含んだ排水は、上記第2下部
から第2上部に汲み上げられて第2上部に散水されて、
排水は第2上部に充填されている木炭とプラスチック製
充填物に接触しながら重力にしたがって下降する。一
方、第1水槽からの排ガスが、第2下部と第2上部との
間の第2空間に導入されて第2上部に至り、上記排水と
接触しながら反応するから、排ガス中の有機物を生物学
的に処理できる。このとき、上記排ガス中の有機物(有
機溶剤)は上記排水が含む微生物にとっての栄養物にな
る。また、このとき、上記排水を第2上部の木炭とプラ
スチック製充填物に繁殖した微生物によって生物学的に
処理できて、界面活性剤などの有機物を処理できる。
【0168】即ち、この請求項2と5の発明によれば、
上記第1水槽の第1下部において、排水が含んでいるフ
ッ素および界面活性剤を処理でき、かつ、第1上部にお
いて排水が含んでいるフッ素と界面活性剤を処理でき
る。そして、上記排水は、更には、上記第2水槽の第2
下部と第2上部の両方においてフッ素と界面活性剤の両
方を処理できる。つまり、請求項2と8の発明によれ
ば、第1水槽において排水が2段階に処理された上に、
第2水槽において排水が2段階に処理されるから、排水
が含んでいるフッ素と界面活性剤を特に良く処理するこ
とができる。
【0169】また、上記第1水槽の第1上部と第2水槽
の第2上部とで、上記排水を使用して上記排ガスを2段
階に処理することができる。したがって、上記排ガスが
含んでいるフッ素と界面活性剤を特に良く処理すること
ができる。
【0170】したがって、請求項2と5の発明によれ
ば、フッ素および界面活性剤を含んだ排水と排ガスとを
同時に特に良く処理できるとともに、イニシャルコスト
およびランニングコストを低減できる合理的かつ経済的
な排水処理装置と排水処理方法を提供することができ
る。
【0171】また、請求項3と6の発明は、第3水槽で
アルミ剤と高分子凝集剤とが添加され、排水が含んでい
るフッ素がアルミ剤と反応してフッ化アルミニウムが生
成する。そして、余分なアルミ剤は素早く水酸化アルミ
ニウムのフロックに変化し、このフロックが上記フッ化
アルミニウムを吸着する。さらに、上記フッ化アルミニ
ウムを吸着したフロックは上記高分子吸着剤に吸着され
てより大きなフロックになる。この大きなフロックを含
んでいる排水は、上記第4水槽に導入され、固液分離さ
れて、最終的な処理水として上澄液が放出される。
【0172】そして、上記第4水槽で固液分離された汚
泥は、上記第5水槽に導入されて濃縮され、さらに、脱
水手段によって脱水される。
【0173】したがって、請求項3と6の発明によれ
ば、排水中のフッ素を分離して、脱水された汚泥として
排出することができる。
【0174】また、請求項3と6に記載の発明によれ
ば、上記第4水槽で固液分離によって形成された汚泥
を、上記第1水槽の第1上部もしくは第2水槽の第2上
部もしくは第3水槽の汚泥固定化手段の内の少なくとも
1つに返送する。上記汚泥は、上記フロックを含んでお
り、さらには、微生物を含む生物汚泥も含んでいる。し
たがって、上記汚泥が供給された第1上部もしくは第2
上部もしくは第3水槽の汚泥固定化手段の内の少なくと
も1つの気液の接触効率を高めることができて、排ガス
の処理効率を上昇させることができる上に、上記生物汚
泥によって排水および排ガスの生物学的な処理能力を高
めることができる。つまり、この請求項3と6の発明に
よれば、排水および排ガスの処理能力を一層高めること
ができる。
【0175】また、請求項1乃至請求項6に記載の発明
によれば、排水に含まれるフッ素および有機物を除去し
た後に形成される結晶状の脱水ケーキを従来に比べて格
段に少なくすることができる。
【0176】一例として、半導体工場からのフッ素およ
び有機物(有機溶剤)含有排水とフッ素(フッ化水素)およ
び有機物(有機溶剤)含有排ガスを処理対象とした場合に
は、この発明の下部が排水中のフッ素および有機物の処
理装置であり、かつ同じ装置の上部が排ガス中のフッ素
および有機物に対しての処理装置でもある。つまり、こ
の発明は、半導体工場から発生する全く物理的性状(水
と空気という観点)の異なる排水と排ガスの処理装置で
あり、かつ発生廃棄物が少なくて合理的であり、かつ経
済的な排水処理装置である。
【0177】従来例と比較する観点からみれば、この発
明は、水量および水質の調整のみを行っていた従来の原
水槽において、炭酸カルシウムによるフッ素の除去およ
び排水の中和処理を行うから、排水処理装置の縮小化が
図れ、かつ、十分に反応時間をとり過剰な薬品を用いな
いから、薬品費等のランニングコストが低減して、従来
の汚泥の大部分であった水酸化物が発生しない。したが
って、発生する汚泥の量を減少でき、装置の縮小化を図
ることができる。
【0178】また、排水をフッ素除去すると同時に、炭
酸カルシウム鉱物と木炭に微生物を繁殖させるから、微
生物に対する栄養剤を添加する必要のある別の生物処理
設備を設置することなく、界面活性剤等の有機物を生物
学的に処理することができる。したがって、廃棄物の量
も格段に減少する。
【0179】そして、排ガス中のHFガスに代表される
フッ素やアセトン等の半導体工場で多量に使用される排
ガス中の有機物をも同時に処理できる。
【0180】また、従来の方法と比較すると、処理工程
がよりシンプルであるから槽数を減らすことができる。
また、これらの槽に付属する機械設備も少なくイニシア
ルコストを低減できる。また、排水処理部の上部に、必
要面積が排水処理部よりも小さな排ガス部を自由に増設
でき、生産装置の仕様変更に容易に対応できる。
【0181】すなわち、この発明によれば、一般に排ガ
ス処理部に比べて必要なスペースが大きな(10倍以上
のこともある)排水処理部上の広大なスペースである上
部を容易に排ガス処理に利用でき、排ガス処理部を各排
水処理部毎に、より経済的かつ容易に増設できる。
【0182】以上のように本発明によれば、地球環境を
保全すべき時代にあって、省資源と省エネルギーを達成
でき、環境にやさしくてかつ工場経営においても合理的
な排水処理装置および排水処理方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の排水処理装置の実施例の概念図で
ある。
【図2】 この発明の排水処理方法の実施例を説明する
ための排水処理装置の概念図である。
【図3】 図1に示した実施例の変形例を示す概念図で
ある。
【図4】 図2に示した排水処理装置の変形例を示す概
念図である。
【図5】 従来の排水処理装置の概念図である。
【図6】 従来の生物処理設備を有する排水処理装置の
概念図である。
【図7】 従来の排ガス処理装置の概念図である。
【図8】 図8(A)は本発明の第1下部の概念図であ
り、図8(B)は従来の排水処理装置を部分的に示す概念
図である。
【符号の説明】
1…第1反応調整槽、1a…第1下部、1b…第1上
部、2…第2反応調整槽、2a…第2下部、2b…第2
上部、3…第1反応散水部、4…第2反応散水部、5…
第3水槽、6…第4水槽、7…第5水槽、8…フィルタ
ープレス、9A,9B…炭酸カルシウム鉱物、10A,1
0B…収容籠、11A,B…散気管、12…排気ファ
ン、13A,13B…プラスチック製充填物、14A,1
4B…散水管、15A,15B…格子板、16A,16B
…エアーリフトポンプ、17…ブロワー、18…ブロワ
ー、19…ブロワー、20A,20B…配管、21,29
…ダクト、22A,22B…撹拌機、23…木炭、24
A,24B…かき寄せ機、25…返送汚泥ポンプ、26
…汚泥固定化槽、51…原水槽、52…第1反応槽、5
3…第2反応槽、54…第1凝集槽、55…第1沈澱
槽、56…第3反応槽、57…第2凝集槽、58…第2
沈澱槽、59…PH調整槽、62…原水ポンプ、63…
撹拌機、64…かき寄せ機、66…接触酸化槽、67…
濾材、68…ブロワー、73…排ガス処理装置、75…
循環ポンプ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/52 J 1/56 J 1/58 M C 3/04 3/10 Z 11/12 Z (72)発明者 今津 史郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導入された排水によって浸されるように
    充填された炭酸カルシウム鉱物と、上記排水を曝気して
    撹拌する曝気手段とを有する下部と、 上記下部よりも上方かつ上記下部に導入された排水の水
    面よりも上方に配置されており、通水性を有するように
    充填された炭酸カルシウム鉱物およびプラスチック製充
    填物を有する上部と、 上記下部から上記上部に排水を汲み上げ、汲み上げた排
    水を上記上部に散水する排水循環手段と、 上記下部と上部の間の空間に排ガスを導入する排ガス導
    入手段とを備えることを特徴とする排水処理装置。
  2. 【請求項2】 第1水槽と第2水槽とを備え、 上記第1水槽は、 導入された排水によって浸されるように充填された炭酸
    カルシウム鉱物と、上記排水を曝気して撹拌する曝気手
    段とを有する第1下部と、 上記第1下部よりも上方かつ上記第1下部に導入された
    排水の水面よりも上方に配置されており、通水性を有す
    るように充填された炭酸カルシウム鉱物およびプラスチ
    ック製充填物を有する第1上部と、 上記第1下部から上記第1上部に排水を汲み上げ、汲み
    上げた排水を上記第1上部に散水する排水循環手段と、 上記第1下部と第1上部の間の第1空間に排ガスを導入
    する第1排ガス導入手段とを備え、 上記第2水槽は、 上記第1下部から導入された排水によって浸されるよう
    に充填された炭酸カルシウム鉱物と木炭と、上記排水を
    曝気して撹拌する曝気手段とを有する第2下部と、 上記第2下部よりも上方かつ上記第2下部に導入された
    排水の水面よりも上方に配置されており、通水性を有す
    るように充填された木炭およびプラスチック製充填物を
    有する第2上部と、 上記第2下部から上記第2上部に排水を汲み上げ、汲み
    上げた排水を上記第2上部に散水する排水循環手段と、 上記第1水槽から上記第2下部と第2上部の間の第2空
    間に排ガスを導入する第2排ガス導入手段とを備えてい
    ることを特徴とする排水処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の排水処理装置におい
    て、 上記第2水槽からの排水が導入され、導入された排水を
    撹拌する撹拌手段および汚泥を固定化する汚泥固定化手
    段を有し、アルミ剤と高分子凝集剤とが添加されるよう
    になっている第3水槽と、 上記第3水槽からの排水が導入され、上記排水を固液分
    離すると共に分離された上澄液を放出する第4水槽と、 上記第4水槽で沈殿によって形成された汚泥が導入さ
    れ、この汚泥を沈降分離して濃縮する第5水槽と、 上記第5水槽で濃縮された汚泥が導入され、この汚泥を
    脱水する脱水手段と、 上記第4水槽で形成された汚泥を、上記第1水槽の第1
    上部または第2水槽の第2上部または第3水槽の上記汚
    泥固定化手段の内の少なくとも1つに返送する汚泥返送
    手段とを備えたことを特徴とする排水処理装置。
  4. 【請求項4】 下部に排水を導入して、この下部に充填
    された炭酸カルシウム鉱物を上記排水で浸し、上記排水
    を曝気しながら撹拌し、 上記排水を上記下部から汲み上げて、上記下部よりも上
    方に配置されており、炭酸カルシウム鉱物とプラスチッ
    ク製充填物とが充填されている上部に上記排水を散水
    し、 上記下部と上部の間の空間に、排ガスを導入し、 重力に従って上記排水を上記上部の炭酸カルシウム鉱物
    とプラスチック製充填物を通過させ、 重力に従って上記排水を上記排ガスが存在する空間を通
    過させ、 重力に従って上記排水を上記下部に戻すことを特徴とす
    る排水処理方法。
  5. 【請求項5】 第1水槽の第1下部に排水を導入して、
    この第1下部に充填された炭酸カルシウム鉱物を上記排
    水で浸し、上記排水を曝気しながら撹拌し、 上記排水を上記第1下部から汲み上げて、上記第1下部
    よりも上方に配置されており、炭酸カルシウム鉱物とプ
    ラスチック製充填物とが充填されている第1上部に上記
    排水を散水し、 上記第1下部と第1上部の間の第1空間に、排ガスを導
    入し、 重力に従って上記排水を上記第1上部の炭酸カルシウム
    鉱物とプラスチック製充填物を通過させ、 重力に従って上記排水を上記排ガスが存在する第1空間
    を通過させ、 重力に従って上記排水を上記第1下部に戻し、 上記第1水槽の第1下部から第2水槽の第2下部に排水
    を導入して、この第2下部に充填された炭酸カルシウム
    鉱物を上記排水で浸し、上記排水を曝気しながら撹拌
    し、 上記排水を上記第2下部から汲み上げて、上記第2下部
    よりも上方に配置されており、木炭とプラスチック製充
    填物とが充填されている第2上部に上記排水を散水し、 上記第2下部と第2上部との間の第2空間に、上記第1
    空間から排ガスを導入し、 重力に従って上記排水を上記排水ガスが存在する第2空
    間を通過させ、 重力に従って上記排水を上記第2下部に戻すことを特徴
    とする排水処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の排水処理方法におい
    て、 上記第2水槽から第3水槽に排水を導入し、この第3水
    槽で上記排水にアルミ剤と高分子凝集剤とを添加し、上
    記排水を撹拌し、この第3水槽が有する汚泥固定化手段
    に汚泥を固定し、 上記第3水槽から第4水槽に排水を導入し、この第4水
    槽で上記排水を固液分離し、分離された上澄液を第4水
    槽から放出し、 上記第4水槽で沈殿によって排水から汚泥を分離し、こ
    の汚泥を第5水槽に導入し、この第5水槽で上記汚泥を
    沈降分離して濃縮し、 上記第4水槽で分離した汚泥を、上記第1水槽の第1上
    部または上記第2水槽の第2上部または上記第3水槽に
    設けた汚泥固定化手段の内の少なくとも1つに返送し、 上記第5水槽で濃縮された汚泥を脱水手段で脱水するこ
    とを特徴とする排水処理方法。
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