JP2008073690A - フッ素含有排水の処理方法およびその処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体・液晶・電子部品製造に使用されるPFC(パーフロロコンパウンズ)ガスの除害後の排水処理とくに排水中のフッ素化合物の再利用方法およびそのための装置を提供する。
【解決手段】フッ素含有排水の処理方法であって、フッ素含有排水にCa系アルカリを加えてpHを6〜10に調整する工程と、pHが調整されたフッ素含有排水に晶析促進剤としてフルオロアパタイト粒子を加え、該フルオロアパタイト粒子の表面にフッ化カルシウムや珪フッ化物を吸着、析出させて不溶化分離させる晶析工程と、晶析工程で得られた処理物を、上部に浸漬型膜分離装置を、下部にエアレーション手段を備えた流動床式種晶充填槽に投入し、エアレーションをしながら膜分離操作により分離した水を系外へ放流する一方、処理物中のフッ化カルシウムや珪フッ化物を析出成長させる工程、とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体・液晶・電子部品製造に幅広く製造されるPFC(パーフロロコンパウンズ)ガスの除害後の排水処理、とくに排水中のフッ素化合物の再利用方法およびそのための装置に関するものである。
半導体製造工程などにおいて排出される各種のフッ素含有排水として、製造プロセスで使用されるフッ素含有の排ガスなどの処理水が挙げられる。この排水は、各種フッ素含有排水の中でも極めて希薄で大量に排出される。このフッ素含有排水においては、近年、フッ素の排水基準が厳しくなり、環境面からもフッ素を効率的に回収することが要望されている。またこの種の排水は、珪素(Si)成分を多く含むため次式に示すような反応によりSi分に対応するフッ素イオンは遊離のフッ素イオンとしてではなく、ヘキサフルオロ珪酸(SiF6 2-)塩として存在している。
SiO2+6HF→H2SiF6+2H2
このヘキサフルオロ珪酸を含むフッ素の再資源化は簡単ではなく、珪素(Si)分を有効に処理できる方法が要望されている。従来より、この種のフッ素含有排水の処理方法(および、その処理装置)として提案された代表的な方法として以下の方法が知られている。
(凝集沈殿処理法)
フッ素イオンを溶解度の低いフッ化カルシウム、またはヒドロキシアパタイト類として沈殿させ、固液分離して処理水を得る方法である。
(カルサイト法)
炭酸カルシウム粒とフッ素廃液とを接触させ、炭酸カルシウム表面から炭酸ガスを奪い、フッ化カルシウム化させ、水中から分離して処理水を得る方法である。この方法により生成したフッ化カルシウム汚泥は、フッ酸原料として再利用可能な純度のものが得られるといわれている。
(フッ化カルシウム晶析法)
フッ素イオンがフッ化カルシウム粒子となる状態を処理槽内で生成させ、その粒子を種粒子表面に結晶成長させて水中から分離し、処理水を得る方法である。
(イオン交換法)
イオン交換樹脂によりフッ素イオンをイオン交換反応により水中から分離除去し、処理水を得る方法である。
(電気透析法)
陽イオン交換膜および陰イオン交換膜を交互に配して濃縮室および希薄室を交互に備える構成の装置に、フッ素イオンを含む水を供給しつつ直流電気を印加することで、水中のフッ素イオンを濃縮し、フッ素濃度の低い処理水と高い濃縮液に分離・濃縮する方法である。
(晶析によるアパタイト化法)
カルシウム塩およびリン酸塩の共存下で反応させることにより、Ca5F(PO43として結晶成長させ、水中から分離し処理水を得る方法である。
さらに近年の排水基準の強化に対応する提案として、処理水に含まれるフッ素以外のイオンであって、フッ化カルシウムの生成を抑制する難溶性塩を生成するイオンの量を測定して、このイオン量に基づいてカルシウム塩の添加量を制御し、これにより高度な処理水を得ることが開示されている(例えば、特開2001−212574号公報参照)。また、フッ化カルシウムを含む濃縮汚泥を一部反応槽へ返送して汚泥循環させることでフッ素の除去効率を高めることが開示されている(例えば、特開平6−114382号公報参照)。さらに、排水中の珪素濃度をSiO2として500mg/l以下に調整する技術が開示されている(例えば、特開平5−237481号公報参照)。また、フッ素を含む排水の回収に関しては、共存するカルシウム濃度により水の回収率、すなわちフッ素の濃縮倍率は制限されることが開示されている(例えば、特開2000−229289号公報参照)。
特開2001−212574号公報(「0015」、「0027」) 特開平6−114382号公報(請求項1、「0009」) 特開平5−237481号公報(「0012」〜「0032」、図1) 特開2000−229289号公報(「0012」〜「0013」)
しかしながら、このような従来の技術は、いずれも以下のような課題を備えている。
(凝集沈殿処理法)
第1の課題は、当該排水のフッ素濃度が希薄であるため通常のフッ素含有排水に比べ、単位フッ素量に対する固形廃棄物発生量多いことである。第2には、希薄であるがゆえ、その処理には無機凝集剤等の薬剤が必要となり、当該発生固形物中には、無機凝集剤に起因する不純物が含まれるため、再資源化の用途が限定され、セメント材料等の低付加価値のものとなり、リサイクルコストは割高になる。第3には、処理のために無機凝集剤等の薬剤を添加するため、処理水中に塩分が増加する。この水の回収には脱イオンが必要となり、また脱塩後の濃縮液の処理も必要になることが挙げられる。また第4の課題としては、処理水の再利用の際に、水中に残存するカルシウムイオンは、燃焼後のガス吸収液に吸収されるフッ素と反応し、不溶性固形物であるフッ化カルシウムを形成し、PFC除害後のガス吸収装置内に固着蓄積し、その機能に障害を与えるため高度に除去する必要があるという点である。
また特開2001−212574号公報の方法は、難溶性塩を多量に含む場合には好適であるが、本来的にそのような塩を含まない処理液には適合しない。また処理水中のフッ素イオン濃度を低下させることができたものの大量の難溶性塩がフッ化カルシウム含有ケーキに含まれる恐れがある。加えて固形分としての反応生成物を得るために大規模な処理設備が必要となる。
また、特開平6−114382号公報に記載の方法は、フッ化カルシウムの生成を促進させる点においては、効果的であるが、大量の汚泥を返送させる必要がある。このために得られるフッ化カルシウム含有ケーキには、フッ化カルシウム以外の固形分も濃縮されることになる。すなわち、従来のこれらの方法では、フッ素濃度が低減された処理水を得ることはできるものの、純度の高い再資源化できるフッ化カルシウム含有ケーキを得ることが困難であった。またこの種の排水には、Siを含む成分が多く含まれており、Siを含むフッ素化合物を再資源化可能とする方法は、提案されていない。
(カルサイト法)
この方法の第1の課題は、粒状炭酸カルシウム表面に生じるフッ化カルシウムの内部にフッ酸が浸透することにより反応が進行するため反応速度が遅く、特にフッ素濃度が希薄な排水系については、不利になる点である。第2は、処理水中にカルシウムイオンの溶出がさけられず、処理水再利用にあたってカルシウムイオンが、ガス吸収液中のフッ素と反応して、不溶性固形物であるフッ化カルシウムを形成し、PFC除害後のガス吸収装置内に固着蓄積し、その機能に障害を与えるため高度に除去する必要があるという点である。第3の課題は、充填された炭酸カルシウムはフッ素で置換され、フッ化カルシウムとして再資源化可能となるが、粒状炭酸カルシウムの内部がフッ素によりフッ化カルシウムに完全に置換されていない場合は未反応の炭酸カルシウムが残存することとなる。これは回収物のフッ化カルシウムの純度低下させ、その価値を損ねるため、安定した有価物として再資源化することが困難であるという点である。
(フッ化カルシウム晶析法)
この方法の課題は、第1に晶析反応では、薬液添加量の適正制御が不可欠であり、濃度変動の多い排水が対象の場合には、残存するカルシウム濃度が変動し、その濃度によりフッ化カルシウムは微細粒子として凝集する反応が晶析反応に優先して起こるため微細なフッ化物微粒子が流出し、処理水質が悪化するという点である。第2には、処理水中にカルシウムイオンの残存が避けられず、処理水再利用に当たって、そのカルシウムイオンは燃焼後のガス吸収液中のフッ素と反応し、不溶性固形物であるフッ化カルシウムを生じるので、上記の凝集沈殿処理法、カルサイト法と同様にこの場合も、高度に除去する必要があるという点である。第3の課題は、晶析されたフッ化カルシウムペレットは、再資源化可能であるが、排水中に共存する珪フッ化物を分離する技術は提唱されておらず、安定して有価物として再資源化することが困難であるという点である。
(イオン交換法)
第1の課題は、飽和した樹脂は、薬液により再生し、再生廃液に上記の凝集沈殿処理法、カルサイト法、フッ化カルシウム晶析法等の新たな処理が必要になるという点である。第2には、既存のフッ素吸着樹脂の交換容量が少なく、再生には少なくとも1種類の薬液を必要とし、再生廃液量も多くなるため、水回収率及びランニングコストの面で不利になるという点である。第3には、再生廃液はフッ素処理が必要であり、しかも樹脂再生に使用した薬剤が含まれるため不純物が多く再資源化は困難といえる。通常は、前記凝集沈殿処理法の方法にて処理されるが、前記凝集沈殿処理法の課題を含み、さらにこの再生廃液の処理コストも付加され、一層不利となるということが挙げられる。
(電気透析法)
第1の課題は特開2000−229289号公報に記載の方法は、電気透析装置に供給される水のカルシウム濃度[Ca](mg/L)とフッ素濃度[F](mg/L)と水の回収率[R](処理水/供給水)を[Ca]×[F]2×/{1−[R]}<50とし、過剰濃縮によるフッ化カルシウムスケールの形成を防ぐ方法である。この方法によるとフッ素濃度及びカルシウム濃度を数mg/L程度に低下させなければ電気透析装置が適応できないことを示し、当該排水に電気透析装置を適応する場合はこれらを低減化させる何らかの前処理を必要であることを意味する。第2の課題は電極循環液に移動するフッ素イオンが電極循環液に移動し、循環により濃縮され、濃縮室より濃度拡散等により移動してくる水素イオンと結合しフッ酸を形成し、正極を腐食劣化させることである。
(アパタイト晶析法)
第1の課題は、反応を完結させるためには、過剰な薬液添加が必要であるという点である。第2の課題は、晶析は充填された種晶表面で進行するため、接触効率の向上を目的として種晶の単位表面積を大きくすると晶析した固形物が目詰まり・閉塞を起こし、処理不能となる点である。従って装置は目詰まり前に通液を止め機械式または空気(エアレーション)を用いて撹拌し、閉塞物を剥離後分離する機構を設けるか、攪拌を伴う反応後沈降分離させるバッチ式の処理が主体になり、装置が大型化してしまうという点である。
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、希薄なフッ素含有排水の効率的な排水処理、すなわち再資源化可能なフッ素含有排水の処理技術を提供することをその目的とする。またSi分の有効な処理技術を提供することもその目的とする。さらに全体的な処理システムの小型化や処理コストの経済性を考慮したフッ素含有の排水処理技術も提供するものである。
前記課題を解決するために、本発明のフッ素含有排水の処理方法は、フッ素含有排水にpH調整剤としてCa系アルカリを加えて、該フッ素含有排水のpHを6〜10に調整する工程と、前記pHが調整されたフッ素含有排水に晶析促進剤としてフルオロアパタイト粒子を加え、該フルオロアパタイト粒子の表面にフッ化カルシウムや珪フッ化物を吸着、析出させて不溶化分離させる晶析工程と、前記晶析工程で得られた処理物を、上部に浸漬型膜分離装置を、下部にエアレーション手段を備えた流動床式種晶充填槽に投入し、該流動床式種晶充填槽内にてエアレーションをしながら膜分離操作により分離した水を系外へ放流する一方、前記流動床式種晶充填槽内にて前記処理物中のフッ化カルシウムや珪フッ化物を析出成長させる工程、とを備える。
また、本発明のフッ素含有排水の処理装置は、フッ素含有排水にpH調整剤としてCa系アルカリを加えて、該フッ素含有排水のpHを6〜10に調整した後に、晶析促進剤としてフルオロアパタイト粒子を加え、該フルオロアパタイト粒子の表面にフッ化カルシウムや珪フッ化物を吸着、析出させて不溶化分離させる晶析手段と、前記晶析手段により得られる処理物が投入され、上部に浸漬型膜分離装置を、下部にエアレーション手段を備えた流動床式種晶充填槽であって、その内部においてエアレーションをしながら膜分離操作により分離した水を系外へ放流する一方、前記処理物中のフッ化カルシウムや珪フッ化物を析出成長させる充填槽、とを備える。
フッ素含有排水に晶析促進剤を加える晶析法において本発明では、晶析回収物が再資源化できるよう晶析促進剤に珪フッ化物としての晶析促進剤を用い、種晶充填等の目詰まり防止と連続処理化を可能とするため、上部に浸漬型膜分離装置を備えた種晶充填槽とし、種晶充填槽の下部からエアレーションをしながら流動化させることにより、充填剤の目詰まり防止と膜分離操作に必要な表面流速を同時に確保出来るようにしたものである。本発明によれば、装置は連続処理を可能とし、装置の小型化を可能とすることができる効果を有するのみでなく、珪素を多く含むフッ酸を珪フッ化物として再資源化でき、さらに処理水フッ素濃度の向上を可能とせしめるものである。このようにして、晶装置の課題と珪素を含むフッ酸の再資源化方法を解決させることが可能となった。
以上のように本発明のフッ素含有排水の処理方法およびその装置によれば、以下のような効果を生ずる。
)晶析法において晶析剤に珪フッ化物として晶析分離することで珪素含有量の多いフッ酸排水中からのフッ素分を再資源化することが可能となった。
)アパタイト晶析法に膜分離を併用し、処理水水質を向上でき、同時に懸濁生成物を種晶充填槽内で循環させることで懸濁物の滞留時間を長くできるため薬剤の反応効率を上げ、その消費量を削減できる。またその際、結晶も粗大化し、分離性能が向上する効果を生ずる。
本発明の処理技術は、半導体製造工程において発生するフッ素含有排水に適用できる。とりわけ、半導体製造工程の成膜工程などに使用されるフッ素を含有する各種ガス(デポジットガス、クリーニングガス、ドライエッチングガスなど)の熱分解等による除害工程で発生するフッ素含有排水の処理に適している。熱分解後のガスが、スクラバーなどにより洗浄される際、フッ酸などが溶解した洗浄水が発生する。この種の洗浄水に適用するのが好ましい。
PFCガスの排ガス除害装置内での反応は、例えば4フッ化珪素の場合は以下の式に示すとおりである。
SiF4+O2+2H2O→SiO2+4HF
6HF+SiO2→H2SiF6+2H2
フッ素含有排水の特性としては、フッ素濃度が500mg/l以下から50mg/l以上の濃度範囲にあって、排水濃度は、生産プロセスの稼働状況により変動し、Si、B、Clなど、とくにSiを含む溶液であることが挙げられる。
第1の発明は、フッ素含有排水の処理方法であって、フッ素含有排水に珪フッ化物としての晶析促進剤を加える晶析工程と、上部に浸漬型膜分離装置を備えた種晶充填槽において、種晶充填槽の下部からエアレーションをしながら膜分離操作により分離した水を排ガス除害装置への補給水として返送する工程、同時に珪フッ化物を析出成長させる流動床式晶析分離工程により、析出物をヘキサフルオロ珪酸塩として再資源化するものである。すなわち、フッ素含有排水の処理方法であって、フッ素含有排水に晶析促進剤を加え珪フッ化物として不溶化分離させる晶析工程と、晶析工程で得られた処理物を、上部に浸漬型膜分離装置を備えた充填槽に投入し、エアレーションをしながら膜分離操作により分離した水を系外へ放流する一方、充填槽にて前記処理物中の珪フッ化物を析出成長させる工程、とを備える、方法である。フッ素含有排水のpH値をpH調整剤により6〜10(望ましくは7〜9)に調整する。このpH調整の目的には、pH調整剤として、水酸化カルシウムなどのCa系アルカリを用いるのが望ましい。これによりフッ酸は、フッ化カルシウムなどの懸濁液となる。また、カルシウム分が不足する場合は塩化カルシウム等の水溶性カルシウム塩を用いる。
さらに、晶析促進剤としてフルオロアパタイト(Ca5F(PO43)粒子を加えこの表面にフッ化カルシウムや珪フッ化物を吸着させ析出成長させる。この吸着反応によりフッ素分は、5〜0.8mg/l以下の濃度レベルまで除去される。この懸濁液を流動床式晶析分離工程により、種晶充填槽の下部をエアレーションし種晶及び晶析物を流動化させ、閉塞防止を図ると共に、種晶充填槽の上部に設置した浸漬型膜分離装置のろ過膜表面流速の確保も行うものである。この上部浸漬型膜分離装置により従来法では流出していた成長過程の微細な晶析粒子を槽内に滞留させることができ、晶析時間を十分確保できるようになり少ない薬剤で確実な反応を可能なものにした。晶析分離されたフッ化カルシウムや珪フッ化カルシウムは、種晶充填槽の下部よりスラリー状態で抜き出され、スラリー状、または遠心分離機、フィルタープレス、脱水ろ過装置などの脱水手段によりケーキ状態として、ヘキサフルオロ珪酸塩に再資源化可能な製品が得られる。
第2の発明は、フッ素含有排水の処理装置であって、晶析装置と上部に浸漬型膜分離装置を備え、浸漬型膜分離装置の下部にエアレーション手段を備えた(流動床式)種晶充填槽と、処理水を系外へ放流する経路を備えて構成される。すなわち、フッ素含有排水を晶析する晶析手段と、晶析手段により得られる処理物が投入される充填槽であって、エアレーションをしながら膜分離操作により分離した水を系外へ放流する一方、充填槽にて前記処理物中の珪フッ化物を析出成長させる充填槽、とを備える装置である。
フッ素含有排水の晶析装置において、pH調整剤により6〜10(望ましくは7〜9)に調整する。このpH調整の目的には、pH調整剤として、水酸化カルシウムなどのCa系アルカリを用いるのが望ましい。これによりフッ酸は、フッ化カルシウムなどの懸濁液となる。また、カルシウム分が不足する場合は塩化カルシウム等の水溶性カルシウム塩を用いる。さらにこれに晶析促進剤として、フルオロアパタイト(Ca5F(PO43)粒子を加えこの表面にフッ化カルシウムや珪フッ化物を吸着させ析出成長させる。この吸着反応によりフッ素分は、5〜0.8mg/l以下の濃度レベルまで除去される。この懸濁液を流動床式晶析分離工程により、種晶充填槽の下部をエアレーションし種晶及び晶析物を流動化させ、閉塞防止を図ると共に、種晶充填槽の上部に設置した浸漬型膜分離装置のろ過膜表面流速の確保も行うものである。この上部浸漬型膜分離装置により従来法では流出していた成長過程の微細な晶析粒子を槽内に滞留させることができ、晶析時間を十分確保できるようになり少ない薬剤で確実な反応を可能なものにした。晶析分離されたフッ化カルシウムや珪フッ化カルシウムは、種晶充填槽の下部よりスラリー状態で抜き出され、スラリー状、または遠心分離機、フィルタープレス、脱水ろ過装置などの脱水手段によりケーキ状態として、ヘキサフルオロ珪酸塩に再資源化可能な製品が得られる。
(実施例)
以下、本発明の実施例について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明に関わるフッ素含有排水の処理方法に関する工程およびその処理装置の概要を示すフロー図である。図1において、晶析装置35は、フッ素含有排水2のpH値をpH調整剤により6〜10(望ましくは7〜9)に調整する。このpH調整剤として、水酸化カルシウムなどのCa系アルカリを用いるのが望ましい。また、カルシウムイオンが不足する場合は塩化カルシウム等の水溶性カルシウム塩を用いる。これによりフッ酸は、フッ化カルシウムなどの懸濁液となる。このフッ素含有排水2に、Si含有量が不足する場合は、反応容器32において撹拌しながらSiO2粉末(または、Si粉末)33を添加し反応させてもよい。反応容器32において、反応の結果、ヘキサフルオロ珪酸(珪フッ酸)(または、ヘキサフルオロ珪酸塩(珪フッ化物))34が得られる。ここで用いるSiO2粉末(または、Si粉末)33は、半導体または液晶製造工程で廃棄物として発生しているものを適用することができる。
さらにこれに晶析促進剤36として、例えばフルオロアパタイト(Ca5F(PO43)粒子を加え、この粒子表面にフッ化カルシウムや珪フッ化物を吸着させ析出成長させる。この吸着反応によりフッ素分は、0.8〜5mg/l以下の濃度レベルまで除去される。晶析促進剤36表面での結晶成長は、上部に浸漬型膜分離装置38を備えた種晶充填槽(または、流動床式晶析分離工程)37において、下部に配したバブリング装置39を通気し、発生する気泡の上昇に伴う流動により、種晶を流動させ、種晶充填槽37の目詰まりを防止しながら晶析反応を加速する。またその流動により液は上昇し、分離膜に対してクロスフローを形成し,分離操作に必要な膜表面上の流速を確保し、懸濁物の膜分離を有効に行わせる。これにより前記中和反応によりフッ化カルシウムとして沈殿し、液相中の濃度が0.8〜5mg/l以下となったフッ素含有排水2は分離され、放流路66を経て放流される。またフルオロアパタイト上に吸着し、結晶化したフッ化カルシウム、或いは珪フッ化カルシウムは種晶充填槽37の下部から抜き出され、脱水機40によりケーキ41として採取され、リン酸製造工程の原料等として再資源化される。また、スラリー42としても再資源化される。
本発明に関わる一実施例のフッ素含有排水の処理方法およびその処理装置の概要を示すフロー図である。
符号の説明
35 晶析装置
37 種晶充填槽
39 バブリング装置
40 脱水機

Claims (2)

  1. フッ素含有排水の処理方法であって、
    フッ素含有排水にpH調整剤としてCa系アルカリを加えて、該フッ素含有排水のpHを6〜10に調整する工程と、
    前記pHが調整されたフッ素含有排水に晶析促進剤としてフルオロアパタイト粒子を加え、該フルオロアパタイト粒子の表面にフッ化カルシウムや珪フッ化物を吸着、析出させて不溶化分離させる晶析工程と、
    前記晶析工程で得られた処理物を、上部に浸漬型膜分離装置を、下部にエアレーション手段を備えた流動床式種晶充填槽に投入し、該流動床式種晶充填槽内にてエアレーションをしながら膜分離操作により分離した水を系外へ放流する一方、前記流動床式種晶充填槽にて前記処理物中のフッ化カルシウムや珪フッ化物を析出成長させる工程、
    とを備える、方法。
  2. フッ素含有排水の処理装置であって、
    フッ素含有排水にpH調整剤としてCa系アルカリを加えて、該フッ素含有排水のpHを6〜10に調整した後に、晶析促進剤としてフルオロアパタイト粒子を加え、該フルオロアパタイト粒子の表面にフッ化カルシウムや珪フッ化物を吸着、析出させて不溶化分離させる晶析手段と、
    前記晶析手段により得られる処理物が投入され、上部に浸漬型膜分離装置を、下部にエアレーション手段を備えた流動床式種晶充填槽であって、その内部においてエアレーションをしながら膜分離操作により分離した水を系外へ放流する一方、前記処理物中のフッ化カルシウムや珪フッ化物を析出成長させる充填槽、
    とを備える装置。
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