JP5148372B2 - フッ素含有排水の循環利用方法及びそれに用いる排水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素含有排水の循環利用方法及びそれに用いる排水処理装置に関する。
近年、半導体製造プロセスや液晶製造プロセスにおいて極めて大量のフッ素含有排水が排出される。ウエハの大型化に伴いこのフッ素含有排水の排出量が増加し、大きな問題となっている。
一方、環境基本法において、地下水の水質汚濁に係るフッ素の環境基準値は0.8mg/L以下と規定されている。この環境基準値及び現状の排水処理状況に鑑み、排水基準は8mg/L以下と規定されているが、環境面からもフッ素濃度がより一層低減された処理水を得ることが要望されている。
従来のフッ素含有排水の処理方法としては、排水に塩化カルシウムや水酸化カルシウム等のカルシウム化合物を添加して反応させ、フッ化カルシウムとして沈殿させる方法(凝集沈殿処理法)や、種粒子表面にフッ化カルシウムを結晶成長させて分離する方法(晶析法)、炭酸カルシウム粒子を充填した充填カラムにフッ素含有排水を通して粒子表面にフッ化カルシウムを析出させる方法(カルサイト法)等がある。
フッ素濃度をさらに低濃度にまで処理する方法として、例えば、処理水に含まれるフッ素以外のCaと難溶性塩を生成するイオンの量を測定し、このイオン量に基づいてカルシウムの添加量を制御する方法(特許文献1)や、カルシウム化合物及びリン酸化合物を添加したフッ素含有排水を、カルシウム及びリンを含有する化合物の固体粒子と接触させて、排水中のフッ素化合物を減少させる方法(特許文献2)等が提案されている。
特開2001−212574号公報 特開2004−122113号公報
しかしながら、いずれの方法においても、フッ素濃度が排水基準値の規制値である8mg/L以下に処理された水が河川等に放流されている。つまり、フッ素濃度が排出基準の規制値以下であったとしても、フッ素を含む大量の処理水が河川等に排出されている。
そこで、本発明は、フッ素を含む処理水を河川等に排出することなく洗浄水として有効利用することができるフッ素含有排水の循環利用方法及それに用いる排水処理装置を提供する。
本発明のフッ素含有排水の循環利用方法は、洗浄水を用いたフッ素を含む排ガスの洗浄で排出されるフッ素含有排水とカルシウム化合物とを混合し、フッ素とカルシウムとを含む凝集物を形成させる工程、凝集物を含む排水を固液分離して処理水を得る工程、及び前記処理水を前記フッ素を含む排ガスの洗浄に使用する洗浄水として利用するために回収する工程を含み、前記フッ素含有排水と前記カルシウム化合物との混合は、前記カルシウム化合物の添加量を前記フッ素含有排水のフッ素濃度に対して1倍当量以下とし、前記カルシウム化合物を消石灰とし、前記フッ素含有排水からフッ素除去処理を行い、得られた処理水を前記排ガス洗浄の洗浄水として再利用する、フッ素含有排水の循環利用方法である。
本発明の排水処理装置は、本発明のフッ素含有排水の循環利用方法を行うための排水処理装置であって、フッ素を含む排ガスの洗浄装置から排出されるフッ素含有排水を回収する原水槽と、前記フッ素含有排水中のフッ素とカルシウム化合物とを反応させて凝集させる反応槽と、前記凝集物を沈殿させる沈殿槽と、前記排ガスの洗浄装置と連結可能な処理水供給管とを含み、前記処理水供給管を通じて前記沈殿槽の上澄み液から得られる処理水を前記洗浄装置に供給可能であり、前記フッ素含有排水と前記カルシウム化合物との混合は、前記カルシウム化合物の添加量を前記フッ素含有排水のフッ素濃度に対して1倍当量以下とし、前記カルシウム化合物を消石灰とし、前記フッ素含有排水からフッ素除去処理を行い、得られた処理水を前記排ガス洗浄の洗浄水として再利用する。
本発明の循環利用方法及びそれに用いる排水処理装置によれば、フッ素を含む排ガスの洗浄で排出されるフッ素含有排水を、例えば、フッ素を含む処理水として河川等に排出及び/又は放流することなく処理できる。また、処理水をフッ素を含む排ガスの洗浄に使用する洗浄水として利用することから、例えば、フッ素を含む排ガスの洗浄における洗浄水の使用量を大幅に削減することができる。カルシウム化合物の添加量は、フッ素含有排水のフッ素濃度に対して1倍当量以下として、凝集物に含まれる不純物(カルシウム)及び処理コストを低減する。また、カルシウム化合物の消石灰は、排水に重金属が含まれる場合にその重金属も除去できる。
[フッ素含有排水]
本発明においてフッ素含有排水とは、洗浄水を用いたフッ素を含む排ガス洗浄から排出されるフッ素含有排水であって、フッ素化合物が溶解及び/又は懸濁している排水をいう。フッ素を含む排ガスとしては、例えば、半導体製造工程における、化学蒸着(CVD)装置等のドライクリーニング、ドライエッチング及び蒸着等の成膜工程で排出されるフッ素を含むガス等が挙げられる。前記排ガスは、例えば、PFC(パーフルオロカーボン)、SF6(六フッ化イオウ)、NF3(三フッ化窒素)等のフッ素化合物を含む。洗浄水を用いたフッ素を含む排ガスの洗浄としては、例えば、上記フッ素を含む排ガスを洗浄水によって捕集して無害化する湿式吸着等が挙げられ、より具体的にはアルカリ水溶液や酸水溶液等の洗浄水を用いたスクラビング処理等が挙げられる。フッ素含有排水中のフッ素の形態は特に制限されるものではなく、遊離のフッ素イオンであっても良いし、フッ素含有排水中にケイ素(Si)が含まれる場合は、ヘキサフルオロ珪酸(H2SiF6)又はその塩として存在していてもよい。また、本発明においてフッ素含有排水は、例えば、ウエット洗浄及びウエットエッチング等のその他の半導体製造工程、液晶製造工程、回収フロン処理場、発電所、ステンレス鋼板製造工程、フッ酸製造工程、ごみ焼却等から排出されるフッ素含有排水をさらに含んでいても良い。
[処理水]
本発明において処理水とは、フッ素含有排水とカルシウム化合物とを混合し、これによって形成されるフッ素とカルシウムとを含む凝集物を含む排水を、固液分離して得られる液体及び/又は固液分離して得られる液体をさらに処理することにより排出される液体をいう。固液分離して得られる液体としては、凝集物を沈殿させて得られる上澄み液や、凝集物を含む排水をろ過することにより得られる透過水等が挙げられる。さらなる処理としては、例えば、後述する晶析処理等が挙げられる。処理水のフッ素濃度は、8mg/Lを超える濃度である。処理水のフッ素濃度は、例えば、排ガスの洗浄装置の洗浄水供給槽に供給される時点の処理水のフッ素濃度であることが好ましい。処理水のフッ素濃度は、例えば、JIS K 0102のイオン電極法によって測定することができる。
[フッ素含有排水の循環利用]
本発明においてフッ素含有排水の循環利用とは、洗浄水を用いたフッ素を含む排ガスの洗浄で排出されるフッ素含有排水とカルシウム化合物とを混合することによってフッ素除去処理を行い、得られた処理水を前記排ガス洗浄の洗浄水として再利用することをいう。本発明のフッ素含有排水の循環利用方法によれば、処理水が排ガスの洗浄に使用される洗浄水として再利用されることから、例えば、フッ素を含む処理水の河川等への排出及び/又は放流をなくすことができる。また、本発明のフッ素含有排水の循環利用方法によれば、処理水を洗浄水として循環利用するため、例えば、フッ素を含む排ガスの洗浄に使用する洗浄水の供給量を削減できる。さらには、フッ素濃度を排出基準の規制値に適合させるために必要となる煩雑な処理や高度な処理装置等が不要になることから、例えば、設備投資や処理コストを低減できる。
本発明のフッ素含有排水の循環利用方法において、処理水が循環利用系の外部に排出されることなく洗浄水として利用されることが好ましい。処理水を外部に排出することなくすべて洗浄水として利用することによって、例えば、水及び/又はフッ素の有効利用、好ましくはゼロエミッションを達成することができる。本発明において循環利用系とは、洗浄水を用いたフッ素を含む排ガスの洗浄、前記洗浄により排出されるフッ素含有排水へのフッ素除去処理、及び前記排ガス洗浄用洗浄水としての処理水の再利用を1サイクルとしてフッ素を含む水を循環させて処理及び使用を繰り返す系のことをいう。このように、本発明のフッ素含有排水の循環利用方法では、処理された水が洗浄水として循環利用されるため、例えばフッ素を含む処理水の河川等への排出量をほぼゼロ、好ましくはゼロとすることができる。本発明において循環利用系の外部に排出するとは、処理水の一部を排出・放流することであり、例えば、工業排水として下水道や河川等に排出・放流することをいう。
[フッ素含有排水の循環利用方法]
本発明のフッ素含有排水の循環利用方法は、洗浄水を用いたフッ素を含む排ガスの洗浄によって排出されるフッ素含有排水とカルシウム化合物とを混合し、フッ素とカルシウムとを含む凝集物を形成させる工程、凝集物を含む排水を固液分離して処理水を得る工程、及び前記処理水を前記フッ素を含む排ガスの洗浄に使用する洗浄水として利用するために回収する工程を含む。
洗浄水を用いたフッ素を含む排ガスの洗浄によって排出されるフッ素含有排水とカルシウム化合物とを混合し、フッ素とカルシウムとを含む凝集物を形成させる工程は、例えば、以下のようにして行うことができる。
まず、洗浄水を用いたフッ素を含む排ガスの洗浄によって排出されるフッ素含有排水を回収する。洗浄水を用いたフッ素を含む排ガスの洗浄は、上述のとおり、例えば、半導体製造工程における、化学蒸着(CVD)装置等のドライクリーニング、ドライエッチング及び蒸着等の成膜工程で排出されるフッ素を含むガスを洗浄水によって捕集して無害化する湿式吸着等によって行うことができる。フッ素含有排水の回収は、フッ素含有排水の洗浄によって排出されるフッ素含有排水を、例えば、配管を通じて原水槽等に回収することによって行うことができる。
つぎに、フッ素含有排水とカルシウム化合物とを混合する。カルシウム化合物としては、特に制限されず、例えば、消石灰、生石灰、炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、過酸化カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。中でも、安価であり、排水に重金属が含まれる場合にその重金属も除去できることから消石灰が好ましい。カルシウム化合物の添加量は、添加後のフッ素含有排水のpH、フッ素含有排水のフッ素濃度及び含有成分等に応じて適宜設定できる。カルシウム化合物の添加量は、例えば、処理コスト及び凝集物に含まれる不純物(カルシウム)を低減する観点から、フッ素含有排水のフッ素濃度に対して1倍当量以下が好ましい。
フッ素含有排水とカルシウム化合物との混合による形成物としては、例えば、フッ化カルシウム(CaF2)等の難溶性塩が挙げられる。
フッ素とカルシウムとを含む凝集物を形成させる工程は、例えば、混合によって形成された難溶性塩を凝集させてフッ素とカルシウムとを含む凝集物を形成させる工程である。難溶性塩の凝集は、例えば、難溶性塩を含む排水に凝集剤を添加することによって行うことができる。凝集剤としては、特に制限されず、例えば、無機凝集剤等が使用できる。中でも、フッ素を含む排ガスの洗浄に使用する洗浄水として利用される処理水に与える影響が少なく、回収が容易であることから、硫酸バンド(Al2(SO43・16H2O)が好ましい。凝集剤は、1種類で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
凝集物を含む排水を固液分離して処理水を得る工程は、例えば、凝集物を含む固相と液相とに排水を固液分離することによって行うことができる。固液分離は、例えば、クラリファイヤー、シックナー等の公知の固液分離手段を用いて自然沈降又はろ過等により行うことができる。また、固相に含まれる凝集物を回収してフッ酸等の原料として再利用することができる。カルシウム化合物を用いた凝集物形成工程及び固液分離工程を行うことにより、当業者であれば、8mg/Lを超えるフッ素濃度の処理水を容易に得ることができる。
処理水を前記フッ素を含む排ガスの洗浄に使用する洗浄水として利用するために回収する工程は、例えば、処理水を回収槽等に集めることによって行うことができる。回収槽としては、排ガスの洗浄装置の洗浄水供給槽等が挙げられる。
本発明のフッ素含有廃水の循環利用方法において、固液分離後に得られる液体をさらに晶析処理して処理水を得ることを含んでいてもよい。これにより、例えば、フッ素を含む排ガスの洗浄水として使用する処理水中に含まれる他の金属塩や塩化物などの不純物が濃縮して、フッ素とカルシウム化合物との凝集反応に影響を与えてしまう可能性がある場合には処理水のフッ素濃度を1mg/L以下にして河川や下水に放流することができる。晶析処理としては、例えば、フッ素及びカルシウム等を含有する粒子を充填した反応槽に、固液分離後に得られる液体及びカルシウムを導入し、種結晶上にフッ化カルシウムを析出させるフッ化カルシウム晶析法や、固液分離後に得られる液体にカルシウム化合物及びリン酸塩を添加し、反応させることによってCa5F(PO43を析出させるアパタイト化法等による晶析処理が挙げられる。晶析処理により析出されるフッ化カルシウムやCa5F(PO43についても回収して工業原料として再利用することができる。
[排水処理装置]
本発明の排水処理装置は、本発明のフッ素含有排水の循環利用方法を行うための排水処理装置であって、フッ素を含む排ガスの洗浄装置から排出されるフッ素含有排水を回収する原水槽と、前記フッ素含有排水中のフッ素とカルシウム化合物とを反応させて凝集させる反応槽と、前記凝集物を沈殿させる沈殿槽と、前記排ガスの洗浄装置と連結可能な処理水供給管とを含み、前記処理水供給管を通じて、前記沈殿槽の上澄み液から得られる処理水を前記洗浄装置に供給可能な装置である。本発明の排水処理装置は、例えば、前記処理水供給管を排ガス洗浄装置に連結することによって本発明のフッ素含有排水の循環利用方法を行うことができる。本発明の排水処理装置によれば、処理水を排ガス洗浄装置で使用する洗浄水として利用するため、例えば、フッ素を含む処理水の河川等への排出及び/又は放流することなくフッ素含有排水を処理できる。また、洗浄用供給水の使用量を大幅に削減することができる。
反応槽は、原水槽から導入されたフッ素含有排水とカルシウム化合物を混合することによって、フッ素含有排水中のフッ素とカルシウム化合物とを反応させて凝集させるための槽である。反応槽は、少なくとも1つの槽を備えていればよく、槽を2つ以上備えていてもよいし、また、1つの槽が実質的に区画されて2つ以上の反応区画に分割されて2つ以上の槽が形成されたものであっても良い。
沈殿槽は、反応物を凝集・沈殿させることによって凝集物を含む固相と液相とを固液分離させる槽である。沈殿槽は、前記排ガスの洗浄装置と連結可能な処理水供給管を有していてもよく、この場合、処理水供給管を通じて、上澄み液から得られる処理水を排ガスの洗浄装置に供給可能になる。排ガスの洗浄装置への供給とは、例えば、排ガス洗浄装置の洗浄水供給槽への供給を含む。沈殿槽としては、例えば、クラリファイヤー、シックナー等の固液分離装置等が挙げられる。また、沈殿槽は、固液分離された凝集物(汚泥)を回収するための配管をさらに備えていても良い。
本発明の排水処理装置は、沈殿槽から排出される上澄み液に晶析処理を行う晶析槽をさらに備えていても良い。この場合、晶析槽が前記処理水供給管を備え、沈殿槽から排出される上澄み液は、沈殿槽から晶析槽及び処理水供給管を経由して排ガスの洗浄装置又はその洗浄水供給槽に供給可能となる。
フッ素を含む排ガスの洗浄装置は、例えば、洗浄水を用いたスクラビング処理を行う洗浄槽(スクラバー)、フィルタユニット及び排気ファン等を含む。スクラバーによる洗浄方法としては、例えば、溜水中に排ガスをくぐらせることにより集じんする方法(溜水式)、排ガスの流れに加圧水を噴射する方法(加圧水式)、プラスチック・磁器などの充てん物に噴霧した洗浄液の水膜に排ガスを接触させて集じんする方法(充てん層式)、洗浄液を回転体で分散させて排ガスを接触させる方法(回転式)等が挙げられる。
本発明の排水処理装置は、処理を効率的に行う観点から、フッ素とカルシウムとの凝集反応を行うための凝集槽をさらに備えていても良い。凝集槽は、例えば、反応槽と沈殿槽との間に配置することができる。
つぎに、本発明のフッ素含有排水の循環利用方法及び処理装置の例について図面に基づき説明する。但し、本発明は、以下の例に制限されない。
図1は、本発明の排水処理装置1を、洗浄水供給槽4及び排ガス洗浄装置5と連結した一実施形態を示す概略構成図である。図1に示すように、本実施形態における排水処理装置1は、原水槽2、第1反応槽21、第2反応槽22、凝集槽23、沈殿槽3、汚泥槽8及び配管P1〜P5を備えている。第1反応槽21は、カルシウム化合物槽11及び凝集剤槽12を有し、第2反応槽22は酸性剤槽13及びアルカリ性剤槽14を有する。第1反応槽21及び第2反応槽22は、それぞれ、pHセンサ(図示せず)を有していても良い。この装置を用いた本発明のフッ素含有排水の循環利用方法の一例について説明する。
まず、排ガス洗浄装置5から排出されるフッ素含有排水を、配管P1を通じて原水槽2に回収する。原水槽2におけるフッ素含有排水のフッ素化合物濃度は、特に制限されないが、一般的には3g/L以下であり、好ましくは1g/L以下である。原水槽2に回収されるフッ素含有排水は、排ガス洗浄装置5から排出されるフッ素含有排水に限られるものではなく、上述の通り、その他から排出されるフッ素含有排水を原水槽2に回収してもよい。その他から排出されるフッ素含有排水を回収することによって、原水槽2中のフッ素含有排水のフッ素濃度を調整しても良い。
つぎに、原水槽2から配管P2を通じて第1反応槽21にフッ素含有排水を導入する。ここで、カルシウム化合物槽11からフッ素含有排水にカルシウム化合物が添加され、フッ素含有排水中のフッ素及び/又はフッ素化合物とカルシウムが反応してフッ素及びカルシウムを含む凝集物が生成する。第1反応槽21において生じる反応は、例えば、下記の(1)〜(3)化学反応である。また、原水槽2から第1反応槽21への導入は、例えば、ポンプの駆動等によって行うことができる。
2SiF6+Ca(OH)2→CaSiF6+2H2O ・・・(1)
2SiF6+Ca(OH)2→CaF2+SiO2 ・・・(2)
2HF+Ca(OH)2→CaF2+2H2O ・・・(3)
カルシウム化合物の添加量は、フッ素含有排水中のフッ素濃度や添加後のフッ素含有排水のpH等に応じて適宜設定できる。カルシウム化合物の添加量は、例えば、処理コスト及び凝集物に含まれる不純物を低減する観点から、フッ素含有排水中のフッ素濃度に対して1倍当量以下が好ましい。
また、フッ素とカルシウムとを含む化合物の凝集反応を促進させる観点から、凝集剤槽12から凝集剤を添加してもよい。凝集剤としては、特に制限されず、例えば、無機凝集剤等が使用できる。中でも、フッ素を含む排ガスの洗浄に使用する洗浄水として利用される処理水に与える影響が少なく、回収が容易であることから、硫酸バンド(Al2(SO43・16H2O)が好ましい。凝集剤の添加量はフッ素含有排水のフッ素濃度、フッ素化合物の種類、pH等によって適宜決定できる。
つぎに、カルシウム化合物が添加されたフッ素含有排水を第2反応槽22に導入する。ここで、生成される凝集物や処理水の安全性を確保する観点から、酸性剤槽13及びアルカリ性剤槽14の一方を用いて、フッ素含有排水のpHを中性から弱アルカリ性に中和してもよい。中和後のpHは、例えば、7.5〜10の範囲である。酸性剤としては、例えば、硫酸及び硝酸等の無機酸や有機酸等が挙げられ、中でも、フッ素を含む排ガスの洗浄に使用する洗浄水として利用される処理水に与える影響が少なく、回収が容易であることから、硫酸が好ましい。また、アルカリ性剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、フッ素を含む排ガスの洗浄に使用する洗浄水として利用される処理水に与える影響が少ないことから、水酸化ナトリウムが好ましい。
つぎに、中和されたフッ素含有排水を凝集槽23に導入し、さらに、配管P3を通じて沈殿槽3に導入される。凝集槽23では、必要に応じて高分子凝集剤などの凝集剤を添加してCaF2等の固形物をフロック化し、沈殿しやすくする。沈殿槽3では、沈殿によりフロック化した固形物を含む固相と液相とに分離する。分離された上澄み液は処理水として配管P4を通じて洗浄水供給槽4に供給し、処理水は洗浄水として配管P6を通じて排ガス洗浄装置5に導入される。供給される際の処理水のフッ素濃度は、8mg/Lを超える濃度である。
一方、沈殿したフッ化カルシウム(CaF2)等の凝集物は配管P5を通じて汚泥槽6に導入して、例えば、さらにフィルタープレス等を行い、リサイクル材として回収する。これらの凝集物をリサイクル材として回収することによって、水及びフッ素の双方を廃棄することなく有効利用することができる。
また、沈殿槽3と配管P4との間に晶析反応槽(図示せず)を設け、回収した上澄み液を晶析反応槽(図示せず)に導入して晶析処理を行い、固液分離後の液状分を処理水として洗浄水供給槽4に供給しても良い。
なお、図1の構成では、第1反応槽21、第2反応槽22及び凝集槽23の3つの槽を有する装置を例にとり説明したが、本発明の排水処理装置はこれに制限されるものではなく、例えば、第1反応槽21、第2反応槽22及び凝集槽23に替えて1つの反応槽で第1反応槽21、第2反応槽22及び凝集槽23で行う処理を行っても良い。
本発明は、例えば、半導体製造等の分野において有用である。
図1は、本発明のフッ素含有排水の循環利用方法の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1・・・排水処理装置
2・・・原水槽
21・・・第1反応槽
22・・・第2反応槽
23・・・凝集槽
3・・・沈殿槽
4・・・洗浄水供給槽
5・・・排ガス洗浄装置
6・・・汚泥槽
11・・・カルシウム化合物槽
12・・・凝集剤槽
13・・・酸性剤槽
14・・・アルカリ性剤槽
P1〜P6・・・配管

Claims (6)

  1. フッ素含有排水の循環利用方法であって、
    洗浄水を用いたフッ素を含む排ガスの洗浄で排出されるフッ素含有排水とカルシウム化合物とを混合し、フッ素とカルシウムとを含む凝集物を形成させる工程、
    前記凝集物を含む排水を固液分離して処理水を得る工程、及び
    前記処理水を前記フッ素を含む排ガスの洗浄に使用する洗浄水として利用するために回収する工程を含み、
    前記フッ素含有排水と前記カルシウム化合物との混合は、前記カルシウム化合物の添加量を前記フッ素含有排水のフッ素濃度に対して1倍当量以下とし、前記カルシウム化合物を消石灰とし、前記フッ素含有排水からフッ素除去処理を行い、得られた処理水を前記排ガス洗浄の洗浄水として再利用する、フッ素含有排水の循環利用方法。
  2. 前記処理水が、循環利用系の外部に排出されることなく前記洗浄水として利用される、請求項1記載のフッ素含有排水の循環利用方法。
  3. 前記固液分離して得られた液体をさらに晶析処理して処理水を得ることを含む、請求項1又は2に記載のフッ素含有排水の循環利用方法。
  4. 前記洗浄水を用いたフッ素を含む排ガスの洗浄が、スクラビング処理を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のフッ素含有排水の循環利用方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のフッ素含有排水の循環利用方法を行うための排水処理装置であって、
    フッ素を含む排ガスの洗浄装置から排出されるフッ素含有排水を回収する原水槽と、
    前記フッ素含有排水中のフッ素とカルシウム化合物とを反応させて凝集させる反応槽と、
    前記凝集物を沈殿させる沈殿槽と、
    前記排ガスの洗浄装置と連結可能な処理水供給管とを含み、
    前記処理水供給管を通じて、前記沈殿槽の上澄み液から得られる処理水を前記洗浄装置に供給可能であり、
    前記フッ素含有排水と前記カルシウム化合物との混合は、前記カルシウム化合物の添加量を前記フッ素含有排水のフッ素濃度に対して1倍当量以下とし、前記カルシウム化合物を消石灰とし、前記フッ素含有排水からフッ素除去処理を行い、得られた処理水を前記排ガス洗浄の洗浄水として再利用する、排水処理装置。
  6. 前記フッ素を含む排ガスの洗浄装置が、スクラバーを含む、請求項5記載の排水処理装置。
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