JP4044292B2 - 排水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、省エネルギーと浮遊物質の消化による減量化を達成できる排水処理装置に関し、沈澱部を有する付着濾過装置単独または、付着濾過装置と急速濾過装置を組み合わせて構成した排水処理装置に関し、さらには、有機物の高効率処理機能と浮遊物質の高度処理(2段の濾過処理)を可能にする排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球環境時代に至って、全ての企業においては、企業の事業所から発生する各種の廃棄物を削減することが、重要なテーマとなっている。
【0003】
また、最近の処分場の減少や、各種企業の最近のゼロエミッションヘの取り組みの観点から、廃棄物の削減が、最近の重要な課題となっている。
【0004】
排水処理設備から発生する汚泥についても同様で、各種の取り組みが実施されている。
【0005】
排水中に浮遊している浮遊物質は、規制値の範囲となるまで濾過、または薬品等による凝集沈澱によって処理除去している。そのため、処理後に汚泥が発生している。
【0006】
従来、一般的な排水処理装置に採用されている濾過装置としての急速濾過装置は、送水ポンプや逆洗ポンプから構成され、特に送水ポンプの稼動時間が長いことにより、電力使用量が大となっていた。
【0007】
しかし、設備の省エネルギー対策が、重要となった今日、排水処理装置の省エネルギーも徹底的に計画実施する必要が出てきた。
【0008】
しかし、急速濾過装置を使用する限り、急速濾過装置に関係するポンプ関係では、省エネルギー対策も限界にきており、実質上、省エネ対策は困難な状況であった。また、急速濾過装置では、排水中の浮遊物質を消化させて、減少させる機能はなかった。
【0009】
一方、比較的電気エネルギーを使用しない生物濾過装置もあるが、生物濾過装置から微生物が剥離して、時として水質を悪化させていた。
【0010】
このような生物濾過装置を有した従来技術の一例(特開平9−314163号公報)を、以下に説明する。この従来技術は、排水を、木炭が充填された木炭槽に導入して処理し、次に、この木炭槽からの排水を、活性炭が充填された活性炭塔に導入して処理する排水処理装置である。
【0011】
この木炭槽内の木炭と活性炭塔内の活性炭は、両方とも微生物が繁殖しているので、生物活性木炭および生物活性炭と呼ばれている。この生物活性木炭と生物活性炭との2段階処理によって、活性炭塔の逆洗工程と再生工程が不要になるメリットがある。これによって、活性炭の寿命を格段に延長できる。
【0012】
また、生物活性木炭には、その表面に生物膜も形成され、かつ、排水が水槽内を常時曝気によって循環しているので、この生物活性木炭によって、好気性の生物膜濾過がなされ、すなわち、常時生物濾過されている。木炭も充填材であるが、塩化ビニリデン充填物のように中心部が相当大きな嫌気部分ではないので、汚泥に対して嫌気性の微生物による消化は期待できない。また、木炭は、マイナスの電荷を帯びていないので、塩化ビニリデン充填物のように、浮遊しているフロックや浮遊している微生物を、多量に付着保持できない。したがって、上記従来例(特開平9−314163号公報)では、発生汚泥の削減には著しい効果がない。
【0013】
次に、もう1つの従来技術の一例(特開平10−314778号公報)を説明する。この従来技術は、浮遊物質の捕捉除去を行うと共に、微生物による有機物分解をも充分に可能とした排水処理装置である。具体的には、底部に散気管を設けた酸素供給槽と、充填物を充填した担体付着濾過槽と洗浄水排出ポンプを備えた洗浄水排出ポンプ槽から構成されている。そして、上記担体付着濾過槽の底部に散気管を設け、その上部に充填物としての粒状担体を充填している。
【0014】
この排水処理装置では、浮遊物質の付着除去や充填材に繁殖した微生物による排水中の有機物の除去が可能であるが、嫌気部分が存在しないので、付着した浮遊物質や繁殖した微生物の消化(すなわち、発生汚泥の削減)は期待できない。また、担体付着濾過槽の後に、急速濾過装置が設置されていないので、担体付着濾過槽から汚泥が剥離した時の対策が不充分である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の目的は、消費エネルギーを節約でき、かつ、廃棄物を削減できる排水処理装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の排水処理装置は、浮遊物質が付着する充填材を内部に有すると共に、底部に沈澱部を有する付着濾過装置を備え、
上記付着濾過装置が、上記充填材として、放射状に延びる複数の輪状体からなる放射状輪状糸体を備え、上記放射状輪状糸体からなる充填材に活性炭が付着していて、処理の対象排水が界面活性剤を含む排水であり、
上記充填材に付着した浮遊物質を、上記沈澱部に沈澱させて、排水中の浮遊物質を処理し、
さらに、上記付着濾過装置の後段に急速濾過装置を有し、排水中の浮遊物質を、第1に、上記付着濾過装置で処理し、第2に、急速濾過装置で濾過することを特徴としている。
【0017】
この発明では、排水中に浮遊している浮遊物質を、付着濾過装置が有する充填材に付着させた後、増粒(粒子同士がくっついて大きくなること)させ、さらに、嫌気状態にして付着した浮遊物質を消化させて減量化し、さらに、浮遊物質から発生した汚泥を同じ付着濾過槽で沈澱,分離,除去する。この発明では、排水中の浮遊物質を、沈澱部を有する付着濾過装置で処理できるので、電気エネルギーを多量に使用することなく排水中の浮遊物質を濾過できる。また、発生した汚泥は、沈澱部に沈澱させ、この沈澱部から除去して、排水を処理できる。
【0018】
上記付着濾過装置が備えている充填材に微生物が付着繁殖すれば、有機物分解の機能が生まれ、この充填材自体が付着作用があるものとすることで、この充填材に排水中の浮遊物質を付着させて濾過させる機能が生まれる。
【0019】
上記付着濾過とは、排水中に浮遊しているフロック等の浮遊物質(suspended solid)や、浮遊している微生物をマイナス(負)の電荷を持っている充填材で付着させて補足する濾過を意味する。沈澱部を有する付着濾過装置とは、沈澱と付着の両方の機能を有する装置を意味する。
【0020】
また、一実施形態の排水処理装置は、上記沈澱部は、沈澱した汚泥を集める集泥機能を有している。
【0021】
この実施形態では、付着濾過装置の沈澱部が、集泥機能を有しているので、増粒後、消化によって比重が変化し、沈澱した汚泥を、上記沈澱部で効率よく集めることができる。したがって、多量に汚泥が発生する排水に対しても、集泥機能を有した沈澱部によって、処理できる。
【0022】
また、この発明の排水処理装置は、上記付着濾過装置の後段に急速濾過装置を有し、排水中の浮遊物質を、第1に、上記沈澱部を有する付着濾過装置で処理し、第2に、急速濾過装置で濾過する。
【0023】
この発明では、排水中の浮遊物質を、第1に、沈澱部を有する付着濾過装置で処理し、第2に、急速濾過装置で濾過するので、2段濾過を行って、1段濾過に比べて濾過精度を向上できる。すなわち、浮遊物質すなわち汚泥の減量化と同時に、消化して減量化した浮遊物質の確実なる除去システム(沈澱部を有する付着濾過装置と急速濾過装置の組み合わせ)となる。この発明によれば、常時精度の高い濾過が確実にできる。また、付着濾過装置が第1段目にあって、この1段目で汚泥の消化工程があるから、発生汚泥量が少ない。
【0024】
また、一実施形態の排水処理装置は、上記付着濾過装置と並列に配置された急速濾過装置を有し、排水中の浮遊物質を、上記付着濾過装置と急速濾過装置とで並列処理する。
【0025】
この実施形態では、排水中の浮遊物質を、(1)沈澱部を有する付着濾過装置と、(2)急速濾過装置とを、並列に配置して処理するので、目的の水質(浮遊物質)に合わせて、濾過装置を選択して運転できる。
【0026】
沈澱部を有する付着濾過装置から得られた処理水の浮遊物質濃度よりも、急速濾過装置から得られた処理水の浮遊物質濃度の方が低いので、上記付着濾過装置と急速濾過装置への排水の流入量を調整することで、処理後の浮遊物質濃度の目的濃度を設定できる。
【0027】
また、この発明の排水処理装置は、上記付着濾過装置が、上記充填材として、放射状に延びる複数の輪状体からなる放射状輪状糸体を備えている。
【0028】
この発明では、沈澱部を有する付着濾過装置が、放射状輪状糸体を有しているので、この放射状輪状糸体に、排水中の浮遊物質を付着させた後、消化させることができ、発生汚泥量を削減できる。
【0029】
上記放射状輪状糸体は、糸状の充填材であるので、表面積が格段に広く、浮遊物質や微生物が、付着しやすい。したがって、微生物が繁殖しやすく、有機物も処理できる。また、放射状輪状糸体の中心部には、酸素が行き渡らないので、嫌気性微生物が繁殖して付着した浮遊物質を消化できる。
【0030】
また、一実施形態の排水処理装置は、上記放射状輪状糸体の材質が、ポリ塩化ビニリデンまたはポリプロピレンまたはビニロンである。
【0031】
この実施形態では、放射状輪状糸体の材質が、ポリ塩化ビニリデンまたはポリプロピレンまたはビニロンであるので、耐薬品性があり、消耗しないばかりでなく、半永久的かつ容易に低コストで確保することができる。また、軽量であるから、設置も容易である。
【0032】
また、他の参考例の排水処理装置は、凝集沈澱装置を備え、上記付着濾過装置が、上記凝集沈澱装置の後段に設置されている。
【0033】
この参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置が、凝集沈澱装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置によって、電気エネルギーを多量に使用することなく、凝集沈澱後の凝集剤に由来する小さなピンフロックを処理できる。
【0034】
また、一参考例の排水処理装置は、凝集沈澱装置を備え、上記付着濾過装置と急速濾過装置が、凝集沈澱装置の後段に設置されている。
【0035】
この参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置と急速濾過装置とが、凝集沈澱装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置と急速濾過装置とでもって、凝集沈澱後の凝集剤に由来する小さなピンフロックを確実に精度高く処理できる。同時に、急速濾過装置単独設置と比較して発生汚泥量が少ない。
【0036】
また、他の参考例の排水処理装置は、生物処理装置を備え、上記付着濾過装置が、上記生物処理装置の後段に設置されている。
【0037】
この参考例では、上記付着濾過装置が生物処理装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置によって、電気エネルギーを多量に使用することなく、生物処理後の微生物に由来する小さなピンフロックを処理できる。
【0038】
また、一参考例の排水処理装置は、生物処理装置を備え、上記付着濾過装置と急速濾過装置が、上記生物処理装置の後段に設置されている。
【0039】
この参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置と急速濾過装置が、生物処理装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置と急速濾過装置でもって、生物処理後の微生物に由来する小さなピンフロックを確実に精度高く処理できる。同時に、急速濾過装置単独設置と比較して発生汚泥量が少ない。
【0040】
また、他の参考例の排水処理装置は、中和処理装置を備え、上記沈澱部を有する付着濾過装置が、上記中和処理装置の後段に設置されている。
【0041】
この参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置が、中和処理装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置で、電気エネルギ−を多量に使用することなく、中和処理後の中和に由来する小さなピンフロックを処理できる。
【0042】
また、一参考例の排水処理装置は、中和処理装置を備え、上記付着濾過装置と急速濾過装置が、中和処理装置の後段に設置されている。
【0043】
この参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置と急速濾過装置が、中和処理装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置と急速濾過装置によって、中和処理後の中和に由来する小さなピンフロックを確実に精度高く処理できる。同時に、急速濾過装置単独設置と比較して発生汚泥量が少ない。
【0044】
また、この発明の排水処理装置は、上記放射状輪状糸体からなる充填材に、活性炭が付着している。
【0045】
この発明では、放射状輪状糸体からなる充填材に活性炭が、付着しているので、第1に、排水中の界面活性剤を活性炭に吸着処理し、その後、活性炭や放射状の輪状体に繁殖した微生物によって、界面活性剤を吸着処理できる。
【0046】
上記活性炭は、本来、活性炭が保有している脱色や有機物の吸着処理機能をも発揮する。結果的に、充填材である放射状輪状糸体に繁殖した微生物が持つ有機物処理機能と活性炭が持つ物理的吸着機能の2つの機能を発揮できることとなる。
【0047】
また、他の参考例の排水処理装置は、上記付着濾過装置が、その充填材を洗浄する空気洗浄設備または水流洗浄設備のいずれかまたは両方を有し、上記充填材を、空気または水流または、その両方で逆洗する。
【0048】
この参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置の逆洗を、空気または水流または、その両方で行うことができるので、多量に汚泥が発生した場合は、発生汚泥を逆洗により、剥離させて取り除き、その後沈澱させて沈澱部より除去することができる。
【0049】
また、この発明の排水処理装置は、処理対象排水が、界面活性剤を含む排水である。
【0050】
この発明では、処理対象排水が、界面活性剤を含む排水であるので、溶解している界面活性剤を、活性炭が広く付着分布されている放射状輪状体によって、効率的に処理できる。
【0051】
また、他の参考例の排水処理方法は、排水中の浮遊物質を、充填材に付着させ、上記充填材に付着した浮遊物質を沈澱させて、上記排水を処理する。
【0052】
この参考例では、排水中の浮遊物質を、充填材に付着させ、増粒させ、さらに、消化,減量化し、充填材に付着させた浮遊物質を沈澱させて、分離,除去する。したがって、電気エネルギーを多量に使用することなく排水中の浮遊物質を濾過でき、かつ、廃棄物の分量を削減できる。また、発生した汚泥は、沈澱部に沈澱させ、この沈澱部から除去して、排水を処理できる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0054】
(第1参考例)
図1に、本発明の排水処理装置の第1参考例の構成を示す。この第1参考例は、全体として略円筒形状の付着濾過槽2を備え、この付着濾過槽2はその下部2Aにすり鉢状の沈澱部3を有している。浮遊している物質を含む排水は、流入管1から、沈澱部3を有する付着濾過槽2に流入する。
【0055】
付着濾過槽2の沈澱部3は、すり鉢状の下部2Aからなっており、この沈澱部3に堆積した沈澱物は、バルブ4を開けることによって、バルブ4に接続されている排出管99から流出するようになっている。
【0056】
この付着濾過槽2の内部には、仕切り板5と放射状輪状糸体6が設置されている。仕切り板5は、上下方向の位置を、下部2Aから離隔した位置と近接した位置とに、交互に変えながら所定間隔を隔てて横方向に複数個だけ配列されている。この下部2Aから離隔した位置の仕切り板5は、その下方の下部2Aとの間に広路7Aを形成し、下部2Aに近接した仕切り板5は、その下方の下部2Aとの間に狭路7Bを形成している。
【0057】
上記各仕切り板5で仕切られた各スペースに、放射状輪状糸体6が配置されている。この放射状輪状糸体6は、図16(A),図16(B)に示すように、中心の糸体6bから複数の輪状部6aが放射状に延在している。
【0058】
浮遊している物質を含む排水は、流入管1から、沈澱部3を有する付着濾過槽2に流入し、図中に矢印で示されているように、仕切り板5で仕切られた各スペースを、上から下に移動し、広路7Aを通って、その隣のスペースを、下から上に移動する。さらに、排水は、上記スペースを下から上に移動する。こうして、排水は槽2内を上記各スペースをショートパスすることなく、槽2内全体を行き渡り、流出管8から流出する。
【0059】
上記仕切り板5で仕切られた各スペースに設置されている放射状輪状糸体6は、マイナスの電荷を有しているので、排水中の浮遊物質は放射状輪状糸体6に付着する。この放射状輪状糸体6に付着した浮遊物質は、時間の経過とともに、放射状輪状糸体6の中心部の構造が網目状で水中の酸素が行き渡りにくいので、嫌気性微生物が繁殖し、放射状輪状糸体6に付着した浮遊物質を嫌気的に消化する。この消化とは、有機物に対して嫌気性微生物が作用して、有機物を分解し、汚泥(固形物)を消化,減少させることを意味する。この消化によって、浮遊物質を含む比重が小さかった有機物(汚泥)は、消化によって比重が大きくなる。
【0060】
この嫌気的に消化された浮遊物質は、時間の経過とともに、消化減量化されて、付着濾過槽2の下部2Aに下降し、下部2Aに沿って狭路7Bを通過して、沈澱部3に至り、沈澱する。そして、付着濾過槽2の沈澱部3に沈澱した消化減量化された浮遊物質すなわち汚泥は、排出管99に設けたバルブ4を開けることによって、付着濾過槽2から排出される。
【0061】
浮遊している物質を含む排水の付着濾過槽2における滞留時間は、2時間以上が望ましいが絶対ではない。
【0062】
この第1参考例によれば、付着濾過槽2に設置した付着機能のある充填材である放射状輪状糸体6に、排水を通過させて、この放射状輪状糸体6に排水中の浮遊物質を付着させて濾過処理する。したがって、電気エネルギーは使用しないし、また、排水中の浮遊物質は、放射状輪状糸体6に付着させた後、増粒させ消化することによって、総量が減少し、廃棄物の減少を図れる。
【0063】
充填材である放射状輪状糸体6に付着した浮遊物質は、時間の経過とともに増粒して大きくなり、その後時間の経過と共に、嫌気性微生物によって、消化されて沈澱し易い状態となって、剥離し、沈澱部3に沈澱する。
【0064】
よって、この第1参考例は、ポンプ等を使用する物理的な濾過装置としての急速濾過装置と比較すると、格段に省エネルギータイプの濾過装置であり、浮遊物質の総量を減少させることもできる。
【0065】
(第2参考例)
次に、図2に、この発明の排水処理装置の第2参考例を示す。この第2参考例は、付着濾過槽2にかき寄せ機9が設置されている点だけが、前述の第1参考例と異なる。
【0066】
かき寄せ機9は、沈澱部3に位置するレーキ10を有している。このレーキ10は、沈澱部3に沈澱した汚泥を集める機能を有している。このかき寄せ機9は、特に、排水中の浮遊物質が多く、付着濾過槽2の下部に消化された浮遊物質由来の汚泥が、多量に存在する場合に有効である。すなわち、かき寄せ機9をモータで回転駆動して、レーキ10を回転させて、沈澱部3に溜まった汚泥をかき集めることで、多量の沈澱汚泥を排出管99からバルブ4を経由して、効率よく排出できる。
【0067】
(第3参考例)
次に、図3に、この発明の排水処理装置の第3参考例を示す。この第3参考例は、前述の第1参考例と異なり、流入管31側が短辺で流出管38側が長辺となる断面台形状の角型の付着濾過槽32を備えている。この付着濾過槽32は、流入管31側から流出管38側に向かって下り勾配の斜辺となる底部32Aを有し、この底部32Aの下端に沈澱部33が形成されている。この沈澱部33には、バルブ34を有する汚泥排出管30が接続されている。
【0068】
また、流入側から流出側に向かって、複数の仕切り板35が、所定間隔を隔てて、横方向に配置され、斜めの底部32Aに沿って、上下方向の位置を底部32Aに対する離間位置と近接位置とを交互に変えながら配列されている。この離間位置の仕切り板35は、底部32Aとの間に広路37Aを形成し、近接位置の仕切り板35は、底部32Aとの間に狭路37Bを形成している。また、上記複数の仕切り板5で仕切られた各スペースに、放射状輪状糸体36が配置されている点は、前述の第1参考例と同様である。
【0069】
この第3参考例の排水処理装置は、断面台形状の角型の付着濾過槽32を備えているので、外形が全体として円筒形状の付着濾過槽2を備える第1参考例と異なり、角型の設置場所に対して、スペース効率良く設置可能である。
【0070】
(第4参考例)
次に、図4に、この発明の排水処理装置の第4参考例を示す。この第4参考例は、前述の第1参考例の付着濾過槽2の後段に、小型水槽であるピット11,ピットポンプ等を使用する物理的な濾過装置としての急速濾過機13,ピット14が順に設置され、このピット14に流出管15が接続されている。急速濾過機13は、ポンプ等を使用して、処理水を強制的に濾材を通過させて濾過する物理的な濾過装置である。
【0071】
この第4参考例では、排水中の浮遊物質を、まず第1に、付着濾過槽2で沈澱濾過処理し、次に、急速濾過機13で処理している。そのため、排水中の浮遊物質の処理は、第1参考例よりも、より確実となるが、ピットポンプ12を使用するのでエネルギーとしての電気が必要になる。
なお、この第4参考例の付着ろ過槽2を図13の第12参考例の付着ろ過槽2とすれば、本発明の実施形態となる。
【0072】
図5(a)に、この参考例において、排水中の浮遊物質濃度が通常濃度の場合のタイミングチャートの一例を示し、図5(b)に、排水中の浮遊物質濃度が低濃度の場合のタイミングチャートの一例を示す。図5(a)と図5(b)とを比べると分かるように、付着濾過槽2での滞留時間は、通常濃度の場合には2時間であるのに対して、低濃度の場合には1時間である。なお、ピット11,15および急速濾過機13での滞留時間は、通常濃度と低濃度の両方の場合において、それぞれ、0.5時間である。
【0073】
(第5参考例)
次に、図6に、この発明の排水処理装置の第5参考例を示す。この第5参考例は、流入管1から分岐流入管1Aと分岐流入管1Bが分岐し、分岐流入管1Aに、前述の第1参考例の付着濾過槽2が接続され、この付着濾過槽2からの処理水1の流出管8Aがピット14に合流している。
【0074】
一方、分岐流入管1Bは、ピット11,ピットポンプ12を経由して、急速濾過機13に接続され、この急速濾過機13からの処理水2の流出管8Bが、上記ピット14に合流している。
【0075】
すなわち、この第5参考例は、流入管1から流入した浮遊している物質を含む排水を、付着濾過槽2と急速濾過機13とで同時に並列処理する構成である。この付着濾過槽2での排水処理内容は、前述した第1参考例と同様である。この第5参考例では、付着濾過槽2と急速濾過機13とで並列処理した排水をピット14で混合して、流出管15から流出させる。
【0076】
この第5参考例では、浮遊物質を含む排水を、付着濾過槽2と急速濾過機13とに分配して並列処理するので、浮遊物質を含む排水の全部を付着濾過槽2と急速濾過槽13とで処理する第4実施形態に比べて、電気使用量を削減できる。その理由は、急速濾過機13のシステムが電気を多量に消費するからである。
なお、この第5参考例の付着ろ過槽2を図13の第12参考例の付着ろ過槽2とすれば、本発明の実施形態となる。
【0077】
(第6参考例)
次に、図7に、この発明の排水処理装置の第6参考例を示す。この第6参考例は、付着濾過槽2の前段に凝集沈澱装置16を備えた点のみが、第1参考例と異なる。
【0078】
この第6参考例では、凝集沈澱装置16からの処理水を、さらに付着濾過槽2で高度に処理できる。また、凝集沈澱装置16での凝集沈澱後の凝集剤に由来する小さなピンフロックを、付着濾過槽2で処理できる。この第6参考例によれば、電気を多量に消費する急速濾過機で凝集沈澱装置16からの処理水を処理する従来の装置に比べて、電気使用量が少なく、省エネルギーな排水処理システムとなる。
【0079】
(第7参考例)
次に、図8に、この発明の排水処理装置の第7参考例を示す。この第7参考例は、前述の付着濾過槽2の後段に急速濾過機13を設置した第4参考例において、付着濾過槽2の前段に凝集沈澱装置16を設置したものである。
【0080】
この第7参考例では、流入された排水に含まれる浮遊物質を凝集剤で凝集させて沈澱させて処理する凝集沈澱装置16からの処理水を、付着濾過槽2と、その後段の急速濾過機13とで、2段階処理しているので、排水中の浮遊物質の処理がより確実となる。すなわち、この付着濾過槽2と急速濾過機13とでもって、凝集沈澱後の凝集剤に由来する小さなピンフロックを確実に精度高く処理できる。
【0081】
(第8参考例)
次に、図9に、この発明の排水処理装置の第8参考例を示す。この第8参考例は、沈澱部3を有する付着濾過槽2の前段に、微生物を用いて流入した排水を処理する生物処理装置17が配置されている点のみが、第1参考例と異なる。したがって、この第8参考例では、前述の第1参考例と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0082】
この第8参考例では、浮遊物質が比較的多く含まれている生物処理装置17からの処理水を、さらに付着濾過槽2で高度に処理している。すなわち、この付着濾過槽2によって、電気エネルギーを多量に使用することなく、生物処理後の微生物に由来する小さなピンフロックを処理できる。この第8によれば、生物処理装置17からの処理水を、電気を多量に消費する急速濾過機で処理する従来例に比べて、電気使用量が少なく、省エネルギーの排水処理システムとなる。
【0083】
(第9参考例)
次に、図10に、この発明の排水処理装置の第9参考例を示す。この第9参考例は、沈澱部3を有する付着濾過槽2の前に生物処理装置17が配置されている点のみが、前述の第7参考例と異なる。したがって、この第9参考例では、前述の第7参考例と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0084】
この第9参考例では、排水中に浮遊物質が比較的多く含まれている生物処理装置17からの処理水を、さらに、付着濾過槽2と急速濾過機13とで高度に処理している。この第9参考例では、生物処理装置17からの処理水を、付着濾過槽2と急速濾過機13とで、2段階処理しているので、排水中の浮遊物質をより確実に処理できる。
【0085】
(第10参考例)
次に、図11に、この発明の排水処理装置の第10参考例を示す。この第10参考例は、沈澱部3を有する付着濾過槽2の前段に中和処理装置18が配置されている点のみが、第1参考例と異なる。したがって、この第10参考例では、前述の第1参考例と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0086】
この第10参考例では、浮遊物質が比較的多く含まれている中和処理装置18で中和処理された処理水を、さらに付着濾過槽2で高度に処理している。この第10参考例によれば、中和処理装置18からの処理水を、電気を多量に消費する急速濾過機13で処理する従来例に比べて、電気使用量が少なく、省エネルギーな排水処理システムとなる。
【0087】
(第11参考例)
次に、図12に、この発明の排水処理装置の第11参考例を示す。この第11参考例は、沈澱部3を有する付着濾過槽2の前段に中和処理装置18が配置されている点のみが、第7参考例と異なる。したがって、この第11参考例では、前述の第7参考例と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0088】
この第11参考例では、浮遊物質が比較的多く含まれている中和処理装置18からの処理水を、さらに付着濾過槽2と、急速濾過機13とで高度に処理している。この第11参考例によれば、中和処理装置18からの処理水を、付着濾過槽2と急速濾過機13とで、2段階処理しているので、排水中の浮遊物質をより確実に処理できる。
【0089】
(第12参考例)
次に、図13に、この発明の排水処理装置の第12参考例を示す。この第12参考例では、界面活性剤が溶解している排水が流入管1から付着濾過槽2に流入する。前述の第1参考例では、流入排水は浮遊物質を含む排水であった。また、この第12参考例では、沈澱部3を有する付着濾過槽2内に設置された放射状輪状糸体6に活性炭23が付着している点が、第1参考例と異なる。したがって、この第12参考例では、前述の第1参考例と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0090】
この第12参考例では、まず、界面活性剤が溶解している排水が、沈澱部3を有する付着濾過槽2に流入する。この付着濾過槽2内に配置された各仕切り板5によって仕切られた各スペースには、放射状輪状糸体6が設置され、各放射状輪状糸体6の表面には微細な活性炭23が(静電気による付着のように)付着している。例えば、放射状輪状糸体6が塩化ビニリデン等の材質からなる場合、マイナスの電荷を帯びているので、微粉状の活性炭23は、容易に、塩化ビニリデンからなる放射状輪状糸体6に付着する。
【0091】
この第12参考例によれば、各放射状輪状糸体6の表面に付着した微細な活性炭23によって、排水中に溶解している界面活性剤を吸着処理することができる。その後、活性炭23や放射状の輪状糸体6に繁殖した微生物によって、界面活性剤を分解処理できる。すなわち、この第12参考例によれば、付着濾過槽2が、活性炭23を付着させた放射状の輪状糸体6を備えたことで、物理的な吸着機能と同時に生物処理機能をも有することとなり、排水中に含まれる界面活性剤等の難分解性の有機物も効果的に吸着処理し、その後生物分解できる。
【0092】
(第13参考例)
次に、図14に、この発明の排水処理装置の第13参考例を示す。この第13参考例は、付着濾過槽2の各仕切り板5に仕切られた各スペース内に配置された各放射状輪状糸体6の下方に、散気管23を配置した点が、先述の第2参考例と異なる。したがって、この第13参考例では、前述の第2参考例と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0093】
上記散気管23は空気配管24でブロワー22に接続されている。この散気管23,空気配管24,ブロワー22が空気逆洗設備を構成している。
【0094】
この第13参考例では、放射状輪状体6に付着した浮遊物質を消化させた後、放射状輪状糸体6に多量の浮遊物質が付着した場合に、上記空気逆洗設備の散気管23から空気を吐出して、上記付着した浮遊物質を空気逆洗により剥離除去することができる。その後、剥離した浮遊物質を沈澱させて沈澱部3から排出管99から除去することができる。
【0095】
(第14参考例)
次に、図15に、この発明の排水処理装置の第14参考例を示す。この第14参考例は、付着濾過槽2の各仕切り板5に仕切られた各スペース内に配置された各放射状輪状糸体6の下方に、吐出管25を配置した点が、先述の第2参考例と異なる。したがって、この第14参考例では、前述の第2参考例と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0096】
この第14参考例では、付着濾過槽2の流出管8が、逆洗水槽20に合流しており、上記吐出管25は、水配管26で逆洗水槽ポンプ21を経由して、逆洗水槽20につながっている。上記吐出管25と水配管26と逆洗水槽ポンプ21と逆洗水槽20が水逆洗設備を構成している。
【0097】
この第14参考例によれば、放射状輪状糸体6に付着した浮遊物質を消化させた後、放射状輪状糸体6に多量の浮遊物質が付着した場合に、上記水逆洗設備の吐出管25から水を吐出して、上記付着した浮遊物質を水逆洗によって剥離して除去できる。その後、剥離した浮遊物質を沈澱させて沈澱部3から排出管99から除去することができる。
【0098】
尚、この第14参考例の水逆洗設備に加えて、前述の第13参考例の空気逆洗設備を備えて、放射状輪状糸体6に付着した浮遊物質を空気逆洗と水逆洗の両方で、剥離させることで、放射状輪状糸体6をより一層効率よく逆洗できる。
【0099】
(第1実験例)
次に、具体的な実験例として、図1に示す第1参考例と同じ構造の実験装置を用いた付着濾過装置の実験例を説明する。
【0100】
この第1実験例では、沈澱部3を有する付着濾過槽2の容量を1立方メートルとした。そして、この付着濾過槽2の内部に、ティビーアール株式会社の商品名がモールコードと呼ばれている100mmの放射状輪状糸体6を隙間ができないように全体に設置した。そして、この構成の装置で、浮遊している物質を含む排水を処理した。この時、沈澱部3を有する付着濾過槽2に流入する浮遊している物質を含む排水の浮遊物質濃度(SS濃度)は、12.3ppmであり、この付着濾過槽2を通過した後の処理水のSS濃度は、5.0ppm以下であった。
【0101】
(第2実験例)
次に、具体的な実験例として、図13に示す第12参考例と同じ構造の実験装置を用いた付着濾過装置の実験例を説明する。
【0102】
この第2実験例では、沈澱部3を有する付着濾過槽2の容量を1立方メートルとした。そして、この付着濾過槽2の内部に、ティビーアール株式会社の商品名がモールコードと呼ばれている100mmの放射状輪状糸体6を隙間ができないように全体に設置し、市販されている三菱化学株式会社の粉末状の活性炭27を放射状輪状糸体6に付着させて界面活性剤が溶解している排水を処理した。
【0103】
この実験例では、沈澱部を有する付着濾過槽2に流入する排水中の界面活性剤濃度は、4.2ppmであり、沈澱部3を有する付着濾過槽2を通過した後の処理水の界面活性剤濃度は、2.0ppm以下であった。
【0104】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の排水処理装置は、排水中の浮遊物質を、付着濾過装置が有する充填材に付着させた後、増粒させ、さらに、嫌気状態にして付着した浮遊物質を消化させて減量化し、さらに、浮遊物質から発生した汚泥を同じ付着濾過装置で沈澱,分離,除去する。したがって、電気エネルギーを多量に使用することなく排水中の浮遊物質を濾過し、かつ、廃棄物質量を削減できる。
【0105】
また、一実施形態の排水処理装置は、排水中の浮遊物質を、集泥機能付き沈澱部を有する付着濾過装置で処理するので、多量に汚泥が発生する排水に対しても、集泥機能付き沈澱部でもって、対応して処理できる。
【0106】
また、この発明の排水処理装置は、排水中の浮遊物質を、第1に、沈澱部を有する付着濾過装置で処理し、第2に、急速濾過装置で濾過するので、2段濾過を行って、1段濾過に比べて濾過精度を向上できる。
【0107】
また、一実施形態の排水処理装置は、排水中の浮遊物質を、(1)沈澱部を有する付着濾過装置と、(2)急速濾過装置とを、並列に配置して処理するので、目的の水質(浮遊物質)に合わせて、濾過装置を選択して運転できる。
【0108】
また、この発明では、沈澱部を有する付着濾過装置が、放射状輪状糸体を有しているので、この放射状輪状糸体に、排水中の浮遊物質を付着させた後、消化させることができ、発生汚泥量を削減できる。
【0109】
また、一実施形態では、上記放射状輪状糸体の材質が、ポリ塩化ビニリデンまたはポリプロピレンまたはビニロンであるので、消耗しないばかりでなく、半永久的かつ容易に低コストで確保することができる。また、軽量であるから、設置も容易である。
【0110】
また、他の参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置が、凝集沈澱装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置によって、電気エネルギーを多量に使用することなく、凝集沈澱後の凝集剤に由来する小さなピンフロックを処理できる。
【0111】
また、一参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置と急速濾過装置とが、凝集沈澱装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置と急速濾過装置とでもって、凝集沈澱後の凝集剤に由来する小さなピンフロックを確実に精度高く処理できる。
【0112】
また、他の参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置が生物処理装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置によって、電気エネルギーを多量に使用することなく、生物処理後の微生物に由来する小さなピンフロックを処理できる。
【0113】
また、一参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置と急速濾過装置が、生物処理装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置と急速濾過装置でもって、生物処理後の微生物に由来する小さなピンフロックを確実に精度高く処理できる。
【0114】
また、他の参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置が、中和処理装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置で、電気エネルギ−を多量に使用することなく、中和処理後の中和に由来する小さなピンフロックを処理できる。
【0115】
また、一参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置と急速濾過装置が、中和処理装置の後段に設置されているので、この付着濾過装置と急速濾過装置によって、中和処理後の中和に由来する小さなピンフロックを確実に精度高く処理できる。
【0116】
また、この発明では、放射状輪状糸体からなる充填材に活性炭が付着しているので、第1に、排水中の界面活性剤を活性炭に吸着処理し、その後、活性炭や放射状の輪状体に繁殖した微生物によって、界面活性剤を分解処理できる。
【0117】
また、参考例では、沈澱部を有する付着濾過装置の逆洗を、空気または水流または、その両方で行うことができるので、多量に汚泥が発生した場合は、発生汚泥を逆洗により、剥離させて取り除き、その後沈澱させて沈澱部より除去することができる。
【0118】
また、この発明では、処理対象排水が、界面活性剤を含む排水であるので、溶解している界面活性剤を、活性炭が付着分布されている放射状輪状体によって、効率的に処理できる。
【0119】
また、一参考例の排水処理方法は、排水中の浮遊物質を、充填材に付着させ、増粒させ、さらに、消化,減量化し、沈澱させて、分離,除去する。したがって、電気エネルギーを多量に使用することなく排水中の浮遊物質を濾過でき、かつ、廃棄物の発生量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の排水処理装置の第1参考例を示す構成図である。
【図2】 この発明の排水処理装置の第2参考例を示す構成図である。
【図3】 この発明の排水処理装置の第3参考例を示す構成図である。
【図4】 この発明の排水処理装置の第4参考例を示す構成図である。
【図5】 図5(a)は第4参考例の排水処理装置において、浮遊物質濃度が通常濃度の場合でのタイミングチャートであり、図5(b)は浮遊物質濃度が低濃度の場合でのタイミングチャートである。
【図6】 この発明の排水処理装置の第5参考例を示す構成図である。
【図7】 この発明の排水処理装置の第6参考例を示す構成図である。
【図8】 この発明の排水処理装置の第7参考例を示す構成図である。
【図9】 この発明の排水処理装置の第8参考例を示す構成図である。
【図10】 この発明の排水処理装置の第9参考例を示す構成図である。
【図11】 この発明の排水処理装置の第10参考例を示す構成図である。
【図12】 この発明の排水処理装置の第11参考例を示す構成図である。
【図13】 この発明の排水処理装置の第12参考例を示す構成図である。
【図14】 この発明の排水処理装置の第13参考例を示す構成図である。
【図15】 この発明の排水処理装置の第14参考例を示す構成図である。
【図16】 図16(A)は上記参考例が備える放射状輪状糸体6を側方から見た側面図であり、図16(B)は上記放射状輪状糸体6の正面図である。
【符号の説明】
1…流入管、2…沈澱部を有する付着濾過槽、3…沈澱部、4…バルブ、
5…仕切り板、6…放射状輪状糸体、7A…広路、7B…狭路、
8…流出管、9…かき寄せ機、10…レーキ、11…ピット、
12…ピットポンプ、13…急速濾過器、14…ピット、15…流出管、
16…凝集沈澱装置、17…生物処理装置17…中和処理装置、
20…逆洗水槽、21…逆洗水槽ポンプ、
22…ブロアー、23…散気管、24…空気配管、25…吐出管、
26…水配管、27…活性炭。
Claims (2)
- 浮遊物質が付着する充填材を内部に有すると共に、底部に沈澱部を有する付着濾過装置を備え、
上記付着濾過装置が、上記充填材として、放射状に延びる複数の輪状体からなる放射状輪状糸体を備え、上記放射状輪状糸体からなる充填材に活性炭が付着していて、処理の対象排水が界面活性剤を含む排水であり、
上記充填材に付着した浮遊物質を、上記沈澱部に沈澱させて、排水中の浮遊物質を処理し、
さらに、上記付着濾過装置の後段に急速濾過装置を有し、排水中の浮遊物質を、第1に、上記付着濾過装置で処理し、第2に、急速濾過装置で濾過することを特徴とする排水処理装置。 - 浮遊物質が付着する充填材を内部に有すると共に、底部に沈澱部を有する付着濾過装置を備え、
上記付着濾過装置が、上記充填材として、放射状に延びる複数の輪状体からなる放射状輪状糸体を備え、上記放射状輪状糸体からなる充填材に活性炭が付着していて、処理の対象排水が界面活性剤を含む排水であり、
上記充填材に付着した浮遊物質を、上記沈澱部に沈澱させて、排水中の浮遊物質を処理し、
さらに、上記付着濾過装置と並列に配置された急速濾過装置を有し、
排水中の浮遊物質を、上記付着濾過装置と急速濾過装置とで並列処理することを特徴とする排水処理装置。
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