JPH07237584A - 砕氷船 - Google Patents

砕氷船

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JPH07237584A
JPH07237584A JP6154147A JP15414794A JPH07237584A JP H07237584 A JPH07237584 A JP H07237584A JP 6154147 A JP6154147 A JP 6154147A JP 15414794 A JP15414794 A JP 15414794A JP H07237584 A JPH07237584 A JP H07237584A
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ホエルシエル,リヒヤルト
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イヨツト ヤンセン,ヘルマン
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Karl-Heinz Rupp
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Joachim Schwarz
シユヴアルツ,ヨアヒム
Guenter Varges
フアルゲス,ギユンテル
Heinrich Waas
ヴアース,ハインリツヒ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】操作性を向上せしめる砕氷船を提供する。 【構成】側壁部21,22が平行になされたポンツーン
形の船首領域を有する船隊10の前部の両方の側壁部2
1,22にリーマー30が設けられている。このリーマ
ー30は、ほぼ三角形の断面を有する棒状であり、移動
手段50に駆動されて開閉するようになっている。リー
マー30が横方向に突出された時には、リーマー30が
最も幅広い部分となって氷床を砕くいて航路を広げるこ
とが可能である。リーマー30が退避せしめられて、側
壁部21,22の凹部40に収容されると、側壁部2
1,22と面一になって狭い航路を船体10が航行可能
になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、操作性を向上せしめる
ために、船体の両方の側壁部から横方向に突出し、吃水
線下で船体の最も幅広い部分となる砕氷用構成部品を有
する砕氷船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】砕氷特性を向上せしめるために、砕氷船
の船首の側壁面にリーマーを取り付けることが知られて
いる。このリーマーは、鋼製の部材であって、船の長手
方向に沿って配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなリーマー
は、船首よりも後方における船の横幅よりも大きく横方
向に突出しているために、狭い航路、例えば狭い水門に
おいては、航路の幅とリーマーがぶつかることを避ける
ため、船を最大搬送能力で安定に航行することが困難で
ある。
【0004】また、このような砕氷船が氷床の多い海で
航海することは、特に数隻の船からなる船団の先頭に砕
氷船がたっている時に、問題が多い。例えば、各船舶間
の距離がかなりある場合には、砕氷船によって砕氷され
て設けられた水路に、氷床が漂流して後続の船が通過で
きる航路を狭め、後続の船の摩擦抵抗を増大せしめて速
度の低下を引き起こすことになる。また各船舶間の距離
が短い場合には、船が互いに衝突を起こしやすい上、特
に船団を周囲の氷の圧力から保護するために砕氷船を後
進させたくても、後退するのに必要な十分なスペースさ
え得ることができないことがある。従って、砕氷船の速
度は、船団のうち最も遅い船の速度に合わせなければな
らない。
【0005】また、航路を横方向に広げるために砕氷船
が戻る時には、止むを得ず比較的大きな弧を描いて、氷
床に砕氷船自体を通過せしめるための補助用水路を切り
開くことが必要になることが多い。さらに、氷床が水路
を狭めているために、砕氷船はその場でほとんど方向転
換できず、横方向への包囲突破も困難である。さらに、
上記のように船体側壁に配置されていて船の両側から横
方向に突出しているリーマー等のような砕氷用構成部品
を具備する砕氷船の場合、水門を通過する一方で、後続
の船より幅の広い可航水路を設けるために砕氷するに
は、砕氷船の船首の横幅を水門に入る前に縮め(すなわ
ちリーマーを退避させて)、水門から出た時に横幅を元
へ戻すことができるようでなければならない。公知の砕
氷船ではこの要求に応じられない。
【0006】本発明は、冒頭に述べた形式の砕氷船が有
する技術的問題点を解決し、前進および後退しながら氷
原中を航行する場合の船の操作性を向上せしめるもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この技術的問題点を解決
するために、本発明によれば、吃水線下のリーマーの領
域における船体の横幅が、より小さな横幅に、好ましく
はリーマーの領域より後方の部分の横幅にまで縮小し得
るように構成され、船の航行中、リーマーの移動または
旋回によって、リーマーを吃水線下の突出していた領域
から退避し得るようになされている。
【0008】
【作用】このように構成された砕氷船では、狭い水路、
例えば水門を通過するときには、リーマーが適当な手段
によって引っ込められるか、または内側へ揺動される
か、または上昇せしめられるか、または旋回せしめられ
て船体内の適当な凹部に収納され、その狭い水路地点を
出た後、リーマーが外側へ延びてその砕氷作業位置につ
くことができる。
【0009】このように構成された砕氷船は、上記の課
題を解決すること、すなわち幅の狭い水門を通過するこ
とができる一方、砕氷して後続の船よりも幅が広い可航
水路を設けることができるように、砕氷船の船首の横幅
を水門に入る前に縮め、水門から出た後に元へ戻すこと
ができるようになっている。
【0010】他の利点は、このように構成された砕氷船
を後進する際に発揮される。すなわち、リーマーを引っ
込めたり、内側へ旋回したり、内側へ揺動したりするこ
とができるので、後進時の動力を節減できる。特に利点
とするところは、リーマーや砕氷船の船首が特定の形状
を有しているのでなければ、氷塊を動かして適当な前進
用航路を設けるために、船を後進させなければならない
時に、リーマーを船の両側から横方向に突出している砕
氷位置から退避せしめることができるということであ
る。特に、後進操作を繰り返す場合には、リーマーを船
体内へ引っ込めることができるということは特別な利点
になる。
【0011】船体の横断面内において、リーマーの外側
縁は、鋭利な刃をつけているか、または丸味をおびてい
るか、または斜めに形成されている。上記のように移動
可能になされた砕氷用構成部品(リーマー)は、船体の
凹部内に配置されていて、油圧式,電気式,機械式また
は他の適当な移動手段によって、所望の様々な作業位置
へ突出されて、その作業位置で作動されるようになって
いる。一方、砕氷用構成部品は、内側へ揺動されるか、
または内側へ移動されることによって退避せしめられた
状態で、船体の外板すなわち胴体と同一面をなすように
なっている。
【0012】上記のように移動可能になされた砕氷用構
成部品は、船体側壁において、ほぼ水平に延びた軸に枢
着されているか、またはほぼ船の長手方向に沿って配置
された軸を中心に旋回することができるようになってい
る。さらに、移動可能になされた砕氷用構成部品は、船
体に沿って多数重ねて配置されていてもよい。移動可能
になされた砕氷用構成部品は、船首に配置されても、船
尾に配置されてもよい。船首と船尾の両方に配設するこ
とも可能である。
【0013】また、本発明に係る氷原における操作性を
向上せしめる砕氷船は以下のようなものでもよい。すな
わち、砕氷船の船尾は、船が固い氷床中を後進する際、
氷床に少なくとも三つの異なる砕氷帯が生じるように形
成されている。その三つの砕氷帯が生じる理由は以下の
通りである。すなわち船尾は、後進が容易なように、お
およそ従来の船首と同様の流線形をしているが、そのう
ちの中央船尾領域には船の長手方向に沿ってプロペラお
よび舵が設けられている。このため船が後進する時に
は、中央船尾領域のプロペラおよび舵によって、氷床が
船の長手方向に沿って二段階で砕氷される一つの砕氷帯
が生じる一方、中央船尾領域の両脇の流線形の部分によ
って、氷床が均一に砕氷される二つの砕氷帯が生じる。
つまり上記の三つの砕氷帯のうち、外側の二つが均一な
砕氷帯であり、内側の一つが乱れた砕氷帯である。
【0014】船体の中央船尾領域の、船の長手方向に沿
ってプロペラおよび舵の後方には、船の長手方向に突出
した角形構造体が設けられているとよい。この角形構造
体は、船の後進中、固い氷床から切断された中央部の帯
状の氷を破砕して小さな浮氷にする。これによって、大
きな浮氷の場合よりもよりも楽にプロペラで処理できる
ようになっている。また、船尾面の突出した角形構造体
は、船の長手方向において、それ自身は公知の船尾カバ
ーの後部に配設されてもよい。これにより、角形構造体
は船の後進時、プロペラおよび舵から砕氷を取り除く。
船の後進中、まず中央船尾領域が氷を破砕すると共に破
砕された浮氷を下方へ移動せしめる。ついで船尾の船側
部が、中央船尾領域で砕氷される砕氷帯の横に隣接する
砕氷帯の氷を下方へ押す。
【0015】さらに、中央船尾領域は、前記のように砕
氷された氷を、船尾の船側部で砕氷された氷の下へ押す
ようになされていてもよい。突出した中央船尾領域のフ
レームの外形、特に吃水線下の外形は、波形またはジク
ザクまたは階段状であるとよい。突出した中央船尾領域
には、平滑状または鋸歯状の長手方向に延びたスキッド
が配置されていてもよい。
【0016】角形構造体の縁は鋭利な刃を有するか、ま
たは丸味を帯びているか、または斜角を有するとよい。
さらに、砕氷船の船体が二つの船体部を有しており、こ
れらの船体部が少なくとも一つの弾性成形部材と接続部
材とで接続されることによって、操作性を向上せしめる
ために、船体が折り畳み可能になされていてもよい。ま
た、この船体には、船体に垂直な軸線を中心として、各
船体部を旋回するために旋回手段が設けられているとよ
い。
【0017】さらに、上記の移動可能な砕氷用構成部品
を収容するための船体に設けられた凹部、および移動可
能な砕氷用構成部品自体の少なくとも一方が加熱される
ようになっているとよい。また、固定式の砕氷用構成部
品も加熱されるようになっているとよい。
【0018】
【実施例】図1に示された実施例において、砕氷船の船
体10の船首領域11には、側壁部が平行になされたポ
ンツーン形船体前部12が設けられている。このポンツ
ーン形船体前部12は、U字形になされており、吃水線
下の船体前面領域13につながっている。また、ポンツ
ーン形船体前部12は、前方に傾斜した面となされてい
る。
【0019】図1に示す船体10の船首領域11は、ほ
ぼ船幅全体に拡がっている前面領域13を有しており、
この前面領域13は先端に至るまで前方に向って傾斜し
ている。この前面領域13の外部側面縁は、長手方向に
沿って延びており部分的に湾曲した二つの側面縁14と
なされている。これらの二つの側面縁14は、船体と面
一に構成されていても、側面縁14の上側の船体から横
方向に突出するように構成されていてもよい。前面領域
13は、船の横方向に沿って湾曲している。
【0020】また、図1に示す船体10においては、前
面領域13が中心線16に沿って船底17に達する位置
から、少なくとも中央部18に至るまで(さらにより後
方に向けて)、二つの側面縁14間のフレーム15が、
再度、船の横方向に沿って、湾曲している。そして、側
面縁14の後部は、玉縁状厚み部分19とされており、
この玉縁状厚み部分19が船の大部分の長さに亘って延
びている。この玉縁状厚み部分19の後方端は、プロペ
ラ用トンネルをなす側部後方付近にある。
【0021】ポンツーン形船体前部12を有する船体1
0の船首領域11においては、側面縁14が、船体側壁
部21,22から横方向に突出している。また、船首領
域11における側面縁14には、固定式または移動可能
なリーマーである砕氷用構成部品130が設けられてい
る。これらのリーマーは、船体10の中央部18の輪郭
よりも横方向に突出するものである。図1に示す船体1
0において、前方に向って先端まで傾斜している前面領
域13は、その後方が吃水線下になる。この前面領域1
3の吃水線下の部分は、V字状斜面フレーム15を有す
る。前面領域13の中央部は僅かに湾曲して構成されて
おり、前面領域13の後方、つまり吃水線下の部分は、
V字状斜面フレームになっている。さらに後部では、二
つのフレームが台形をなしている。このフレームの輪郭
は、基線すなわち船底線17と側面線とで形成されてい
る。この台形のフレームの横方向に沿った傾斜は、前記
V字状フレームの横方向に沿った傾斜よりも急になって
いる。
【0022】船首領域11内では、側面縁14の少なく
とも一部分が、中心線16に平行な設計上の吃水線20
の下方にある。また、両方の側面縁14は、吃水線下の
船の形状のうち最も幅広い部分となる。前面領域13
は、前方に向って先端まで傾斜しており、その長手方向
の中央部から後部が、設計上の吃水線20の下にある。
この前面領域13の長手方向の中央部付近は、一つの平
面をなしている。設計上の吃水線20よりも上方の、側
面縁14の前方部分は、前面領域13より上では、双胴
船が二つの船首を有するような形状になっている。船体
前部の形状は中心線16に向かって凹んでおり、これに
よって二つの尖った船首23が設けられている。なお、
この船の長手方向に延びる側面縁14よりも直ぐ上は、
凹んだ形状である。船尾は符号25によって示されてい
る。図1に示す船尾25には、砕氷用構成部品130が
設けられていない。船体10の概略は、以上の通りであ
るが、砕氷船の船体前部の形状を異なるものにしてもよ
いし、船尾に横方向に突出する砕氷用構成部品130を
設けるようにしてもよい。
【0023】各船体側壁部21,22には、船の側面よ
りも突出する砕氷用構成部品130が設けられる。砕氷
用構成部品130としてはリーマー30が使用され得る
が、リーマー30の代わりに切断縁を船体10に設ける
ことも可能である。船体10に切断縁を設ける場合、切
断縁は、船の両側に設けられて、氷に接触することがで
きるように、水面下にある側面縁14よりも横方向に突
出しなければならない。このように船体に切断縁を設け
てもよいが、以下にリーマー30を有する船体の実施例
を説明する。
【0024】リーマー30は、船体側壁部21,22に
配置されている。このリーマー30は、横方向に突出可
能なものであり、このように突出せしめられた時に、リ
ーマー30が船体10の最も幅広い部分となる。そし
て、リーマー30は、船の航行中に内側へ旋回されたり
上昇せしめられたりして、退避されるようになってお
り、これによってリーマー30が配設されている領域
が、この領域の後方であるリーマー30が配設されてい
ない領域とほぼ面一になるようになっている。すなわ
ち、船体10の最も幅広い部分の横幅が、小さくなるよ
うになされている。リーマー30は、船の横方向に突出
する鋼製部材であって、船体10の側壁部21,22の
凹部40内に配置されている。
【0025】図2および図3に示すように、船体側壁部
21,22には、凹部40が形成されている。そして凹
部40の内部には、船体10の長手方向に長い棒状のリ
ーマー30が配設されている。凹部40も、船体の長手
方向に延びており、棒状のリーマー30の長さに相当す
る長さを有している。凹部40の横断面形状は、リーマ
ー30の横断面形状に相当し、リーマー30が旋回して
凹部40内に入ると、凹部40の内側に完全に収納され
て船体側壁部21,22によって形成される平面内に位
置するようになっている。
【0026】各リーマー30を内側または外側へ旋回し
て移動させるために、移動手段50が船体10の内部に
配設されている。この移動手段50は、リーマー30の
作動を確実に行えるものであれば、油圧式,電気式,機
械式、その他の適当なものであってよい。すなわち、図
2および図3の実施例では、図8および図9の場合と同
様に、移動手段50は、油圧作動式シリンダーである
が、他の適当な作動装置であってもよい。図2および図
3に示す実施例では、リーマー30が、凹部40内に収
納されると、リーマー30の外側の側面30aが、船体
側壁部21によって形成される平面に合致して、ここか
ら突出しないようになっている。これによって、船体の
最大船幅つまり船首領域11の最大船幅は、二つの船体
側壁部21,22の間の距離になる(図3)。
【0027】図2および図3に示す実施例では、図8お
よび図9に示す実施例と同様に、リーマー30は直角三
角形の横断面形状を有しており、リーマー30の上部領
域には、ほぼ水平に配置された旋回軸28が挿通せしめ
られており、この旋回軸28が船体側壁部21に止めら
れている。これによって、リーマー30は旋回軸28を
中心に回動可能になされている。リーマー30の旋回軸
28は、各々取付けられる船首領域11の傾斜に応じた
方向に配置されている。すなわち、船体10の二つの側
壁部21,22に設けられたリーマー30は、船の長手
方向にほぼ向いている旋回軸28を中心に旋回になされ
ている。この場合、リーマー30が旋回して凹部40に
入った時、リーマー30の横断面形状の基準面である側
面30aが、船体側壁面21,22によって形成されて
いる平面に合致するようになっている(図3)。リーマ
ー30がこのように退避可能になされているのは、砕氷
船が氷がない狭い水路を通るためである。作動状態、す
なわち砕氷状態においては、リーマー30は図2に示し
た位置に止められている。
【0028】図4に示す実施例では、図2および図3に
示す実施例と同様に、凹部40が、リーマー30の横断
面形状に相当する横断面形状を有しており、リーマー3
0が旋回せしめられて、完全に凹部40内に収納され得
るようになっている。リーマー30の外側縁はフレーム
の横断面内で鋭利な刃をつけるか、または丸みを帯びる
かまたは斜角を有するように形成されている(図2)。
丸みを帯びている外側縁のリーマー30の形状は符号3
1a(仮想線)で示されている。リーマー30のような
砕氷用構成部品130は、固定式であっても移動可能で
あってもよく、船体10に沿って重ねられて多数配置し
てもよい。砕氷用構成部品130がリーマー30のよう
に移動可能な場合には、各リーマー30は旋回せしめら
れて、船体側壁部21,22における長手方向に沿った
凹部40内に保持される。これらのリーマー30の移動
は、油圧式,電気式,機械式または他の適当な装置によ
って行なわれる。
【0029】また、側壁部21,22に設けられるリー
マー30を、船体10に沿って移動可能なように構成す
ることも可能である。この場合、船体10に沿って移動
可能なリーマー30を、船体10の側壁部21,22の
それぞれに、一つずつ配設することもできるし、船体1
0の側壁部21,22のそれぞれに、複数ずつ配設する
こともできる。このようにして、移動可能な、すなわち
リーマー30等のように内側および外側へ移動可能な砕
氷用構成部品130を、船体10に沿って配置すること
によって、リーマー30を調整または設定して、最も効
果的な作動状態におくことができる。
【0030】船体前部から横方向に突出するように設け
られているリーマー30のような移動可能な砕氷用構成
部品130とは別に、砕氷用構成部品130を船尾25
に配置することもできる。図2および図3による実施例
においては、リーマー30が船体側壁部21の上部に位
置する旋回軸28を中心に旋回することができるが、図
4に示す実施例のように、この旋回軸28を船体側壁部
21の下部に位置するように、リーマー30を配設する
ことも可能である。
【0031】図5に示されている実施例においては、船
体側壁部21に配設されたリーマー30が、船体フレー
ム26の突出する方向に突出している。図5では、リー
マー30が、上昇せしめられた位置にある状態が示され
ており、この状態でのリーマー30の切断縁の縁線が符
号27で示されている。そしてリーマー30は、この上
昇せしめられた位置から、矢印Xで示すように下方に旋
回せしめられる。リーマー30が下方にある場合の、リ
ーマー30の切断縁の縁線は、符号228で示されてい
る。なお、リーマー30の下部領域すなわち切断縁付近
の外形が図6に示されている。
【0032】図7においては、外側へ移動可能なリーマ
ー30の領域が、符号Aで示されている。また、符号B
で示されている領域は、リーマー30の形に適合し、こ
れを収容する区域である。この区域Bは、リーマー30
を収容する凹部40として形成されている。船体側壁部
に形成された凹部40は、リーマー30の全長に相当す
る長さを有する。この場合、リーマー30に合わせて凹
部40を形成することもできるし、船体側壁部21,2
2の横幅を一部大きくすることによりリーマー30を収
容する凹部40を形成することも可能である。図7にお
いては、氷床の高さが、符号200で示されている。
【0033】図7の実施例において、船体側壁部21に
おけるリーマー30は、二つの部分、すなわち移動可能
部30aと固定部30bとからなる。リーマー30の退
避状態では、移動可能部30aと固定部30bは、連続
した形状をなすように構成されている。リーマー30の
移動可能部30aは、軸28aを中心に旋回可能になさ
れている。この軸28aは、固定部30bまたは船体に
設けられている。このようにして、リーマー30の移動
可能部30aは、矢印X1に示すように旋回せしめされ
るようになっている。
【0034】図8および図9に示されている実施例にお
いても、他の実施例と同様に、リーマー30を収納する
ための凹部40が、船体側壁部21,22に設けられて
いる。この場合、凹部40は、例えば船体がさじ形船首
を有している場合に、特有な構造である船体前部の段部
を使用して形成される。図8および図9には、このよう
な、さじ形船首の段部が示されている。この実施例にお
いても、二つの船体側壁部21,22におけるリーマー
30は、鋼製の組み立て部材から構成されており、前記
の移動手段50により内側および外側に移動可能であ
る。図9においては、リーマー30は砕氷するための作
動位置に延びており、図8では氷がない狭い通路を通る
ためにリーマーが引っ込んでいる。この場合、リーマー
30の内側および外側への移動は、船体の長手方向に直
角な方向に行なわれる。
【0035】リーマー30のような横方向に突出可能に
なされた砕氷用構成部品130の、内側および外側へ移
動可能な、または内側および外側へ折込み可能な、また
は内側および外側へ旋回可能な配置および構成は、砕氷
用構成部品130を横方向に延ばす必要がある場合に砕
氷船に使用することができる。この場合、リーマーの横
方向への延長、つまり外側への移動によって船幅が増加
する。図10の実施例によれば、リーマー30は全長に
わたって均一な断面形状を有しており、全長にわたって
船体側壁面の収容されるようになっている。
【0036】また、図11に示すように、リーマー30
の船首側を軸28aで船体側壁部21または22に取付
け、リーマー30を横に延ばす時に、リーマー30の船
首から遠い部分が船体側壁面21,22を出入りするよ
うにすることも可能である。この場合、リーマー30
は、適当な移動手段50で矢印X2に示すように、内側
および外側へ旋回される。この場合にも、船体側壁部2
2のリーマー30を収納するための凹部40は、適正に
構成されている。
【0037】凹部40の内部に破砕された氷が入らない
ように、あるいはこの凹部40の内部に氷が絶えず入ら
ないようにするために、リーマー30を延ばしたまま氷
原中を航海する場合には、加熱装置または放水装置が設
けられている。例えば、加熱装置や放水装置としては、
加圧水または加熱された加圧水が、凹部40の壁面に設
けられている放出オリフィス、放出ノズル等を通して、
凹部40内の空間に噴射される。このような放水装置の
概略は、図10に示されている。同図において符号45
は、凹部40の壁面である。この壁面45には、多数の
放出オリフィス81が設けられており、これら放出オリ
フィス81が加圧水供給管82、加圧水発生装置80に
連通されている。この加圧水発生装置80は、図示しな
い加熱水装置に接続されていてもよい。
【0038】このようにして、凹部40も移動可能な砕
氷用構成部品130も、加熱され得るように構成されて
いる。横方向に突出可能な砕氷用構成部品130が、後
述されるように船体10内に固定配置される場合には、
この固定式構成部品130も加熱され得るように構成さ
れる。
【0039】さて、船体10の側壁部21,22の凹部
40に設けられ、移動可能になされて横に突出可能な砕
氷用構成部品130の代わりに、以下に述べる実施例の
ように、船体10の側壁部21,22に、例えばリーマ
ーのような砕氷用構成部品を横に突出するように固定し
て配置することも可能である。後述の実施例では、この
固定式の砕氷用構成部品を設ける位置は、上述した移動
可能な砕氷用構成部品130と同様に、船体10の船体
前部領域である。図12ないし図22は、様々な実施例
におけるリーマー235として構成された砕氷用構成部
品230を示す。これらの砕氷用構成部品230は、横
に突出した固定式のものである。
【0040】固定式の砕氷用構成部品230(235)
は、それぞれ船体側壁部21,22に設けられている。
固定式の砕氷用構成部品230の前面は、砕氷船10の
船首領域13と面一になっている。その前面より後方の
部分が吃水線に沿って少なくとも二つの面を有してい
る。すなわち、砕氷用構成部品の後方の部分は、船体が
通常浮かんでいる線より下の水だけの領域内では、ほぼ
水平面になされ(図14)、それより後方では船体が通
常浮かんでいる線の上下にわたって傾斜面になされてい
る(図12)。固定式の砕氷用構成部品230は、上述
の実施例の場合と同様に横方向に突出している(図1
2)。リーマー235の前面外縁部は、図13に示した
形状を有している。
【0041】図15ないし図18に示されている実施例
においては、船体10に構成されている、横に突出す固
定式砕氷用構成部品230は、二つの直列のリーマー2
30a,230bから成っている。また、二つのリーマ
ー230a,230bのみだけではなく、数個のリーマ
ーを配置することも可能である。この実施例において
も、固定式の各構成部品230a,230bは、横方向
に突出する鋼製部材である。
【0042】これらのリーマー230a,230bの前
部および後部は、吃水線の上下にわたる傾斜面と、水だ
けの領域内におかれるほぼ水平な面を有している。さら
に、図19ないし図22に示すように、固定式の砕氷用
構成部品230を、吃水線の上下にわたって、階段状に
構成することもできる。各段は、符号230c,230
d,230eで示されている。なお、図14、図16、
図17および図22において、符号200は氷床自体ま
たは氷床の浮かんでいる高さを示す。なお、図12ない
し図22に示す固定式の砕氷用構成部品は、船体に固定
されているが、砕氷用構成部品230または230a,
230bまたは230c,230d,230eを、砕氷
用構成部品の数にかかわらず、船体10に沿って移動可
能に配置することもできる。さらに、固定式の砕氷用構
成部品230,230a,230bおよび230c,2
30d,230eに設けられている一個または数個のほ
ぼ水平な面に、横方向に水平に突出する短い突出体23
7を設けることも可能である(図14)。
【0043】固定式の砕氷用構成部品230,230
a,230bおよび230c,230d,230eの外
形は、鋭利なまたは丸みを帯びたまたは斜角がついた縁
を具備している。図18の符号236は、このような斜
角がついた縁を示す。船体10の浮かんでいる状態に応
じて、固定式の砕氷用構成部品230の後部が、船体1
0の標準的な浮いている線よりも上になったり下になっ
たりする。このため船体10が後進すると、固定式の砕
氷用構成部品230が浮氷を下方へ押すことになる。そ
して、固定式の砕氷用構成部品230にほぼ水平な面が
設けられている場合には、船が前進すると、破砕された
浮氷が上方へ滑動することになる。また、船体前部にお
いて、砕氷用構成部品230が横方向に突出して、横幅
が他の部分に比べて大きくなっているために、船体の外
板の摩擦力を低下させ、船の方向転換能力を向上せしめ
ることが可能である。固定式の砕氷用構成部品230の
船尾側の縁は、船が後進する際には、氷を砕いてどかす
ようになっている。また、砕氷用構成部品230c,2
30d,230eを階段状に配置したことにより、船が
迅速に方向転換できるようになる。水路における船首の
制約はこれによって避けられる。
【0044】図23ないし図30によれば、船体10の
船尾125は、船が連続した氷床中を後進する時、氷床
に少なくとも三つの異なる砕氷帯が生ずるように形成さ
れている。その三つの砕氷帯が生じる理由は以下の通り
である。すなわち船尾125は、後進が容易なように、
おおよそ従来の船首と同様の流線形をしているが、その
うちの中央船尾領域126には船の長手方向に沿ってプ
ロペラおよび舵160が設けられている。このため船が
後進する時には、中央船尾領域126のプロペラおよび
舵160によって、氷床が船の長手方向に沿って二段階
で砕氷される一つの砕氷帯が生じる一方、中央船尾領域
126の両脇の流線形の部分によって、氷床が均一に砕
氷される二つの砕氷帯が生じる。つまり上記の三つの砕
氷帯のうち、外側の二つが均一な砕氷帯であり、内側の
一つが乱れた砕氷帯である(図26、図30および図3
3)。
【0045】図23,図25および図26において、船
体10の船尾125における角形構造体が符号140,
141,142で示されており、一方、図24において
はスキッドが符号143で示されている。図25におい
て、船体10の船尾25における船尾肋板が符号128
で示されている。図27ないし図30において、船尾1
25の中央船尾領域126の、船の長手方向のプロペラ
および舵160の後方には、突出した角形構造体140
a,141aが形成されており、これが船の後進時、氷
床から氷を切断・破砕し、上記の砕氷帯を生じせしめ
る。この場合には、角形構造体140a,141aによ
って、小さな浮氷が生じるようになるので、大きな浮氷
を処理する場合よりも楽にプロペラ160aで処理でき
るようにしている。図23および図27に示されている
船体10は、計二つのプロペラおよび舵160を具備し
ている。
【0046】図31ないし図33に示されている実施例
では、船が後進する時、プロペラおよび舵160の付近
から砕氷を取り除くための船尾カバー148が、船尾2
5の中央船尾領域126に配置されている。また船尾2
5の、船の長手方向に沿って船尾カバー148の後方
に、角形構造体145が配置されている。船が後進する
と、中央船尾領域126の角形構造体145が先ず氷を
破砕し、砕氷を下方へ押し、次いで横に隣接している砕
氷帯の氷を船尾25の角形構造体145より外側の部分
で下方へ押す。これによって、中央船尾領域126の角
形構造体145で破砕された氷は、船尾25の角形構造
体145より外側の部分で破砕された氷の下へ押され
る。
【0047】突出した中央船尾領域126のフレームの
外形、特に吃水線下の外形は波形またはジグザグまたは
階段状に形成されるとよい。また突出した中央船尾領域
126には、平滑状または鋸歯状の長手方向に延びたス
キッドが配設されてもよい。角形構造体140,14
1,142または140a,141aまたは145の縁
は、鋭利な刃を有するか、または丸みを帯びるか、また
は斜角を有するように形成されている。
【0048】上記の如く、移動可能な砕氷用構成部品1
30と、固定式の砕氷用構成部品230または230
a,230bまたは230c,230d,230eとを
有する船体前部の形状と、角形構造体140,141,
142または140a,141aを有する船尾の形状
は、例えば図1に示す砕氷船の船体に設けることが可能
になっている。また、これらの形状は、図34および図
35に示すような、少なくとも二つの船体部300,3
01が互いに結合されてなる関節式相互接続船に用いら
れることもできる。
【0049】図34ないし図36の実施例において、船
体は二つの船体部300,301から成っているが、船
体部の数は二つに限定されない。数個の船体部を折り畳
み式に接続することももちろん可能である。二つの船体
部300,301のうち、船体部300は船首領域11
を有している。この場合、船体部300の両側壁部に
は、横方向に突出する砕氷用構成部品130であるリー
マーが設けられており、このリーマーが船体部300の
吃水線下の最も幅広い部分をなすようになっている。船
体部300の二つの側壁部には、移動可能な砕氷用構成
部品130とは別に、固定式の砕氷用構成部品230を
上記の如く設けてもよい。
【0050】船体部301は船尾形状125を有してい
る。この船尾形状125によって、上述の場合と同様
に、船が閉じた氷床中を後進する時、氷床に少なくとも
三つの異なる砕氷帯が生ずる。すなわち、三つの砕氷帯
のうち二つの外側砕氷帯は、従来の船体前部と同様の形
状の船側後半部によって、船の後進時に生ずる均一な砕
氷パターンを有し、内側の一つの砕氷帯は、長手方向に
沿って設けられているプロペラおよび舵160によっ
て、船の後進時に二段階で砕氷されることによる砕氷パ
ターンを有する。この船尾形状においても、船の長手方
向にある突出した角形構造体が船体に形成されている。
【0051】図34ないし図36に示す実施例におい
て、二つの船体部300,301は少なくとも一つ(本
実施例では図36に示すように二つ)の弾性成形部材3
02,302aによって相互に接続されている。各弾性
成形部材302または302aは、例えば緩衝装置とし
て構成されている。さらに、この二つの船体部300,
301は、接続手段303により相互に接続されてい
る。この場合、接続手段303は、ホーザーであって、
二つの船体部300,301間を引きつけるものであ
る。
【0052】さらに、図34に示すように、二つの船体
部300,301は、油圧ピストン304,304aを
介して相互に接続されている。これらの二つの油圧ピス
トン304,304aは、二つの船体部300,301
の間に並行するように配置されている。一方、図36に
示すように、緩衝装置となる弾性成形部材302,30
2aは、互いに上下に重なるように配置されている。油
圧ピストン304,304aの両端部305は、船体部
300,301にそれぞれ枢着されているか、またはカ
ルダン継手で取り付けられている。
【0053】二つの船体部300,301の互いに対向
する船体壁面には、緩衝装置となる弾性成形部材30
2,302aを収納するための凹部309が形成されて
いる。なお、二つの船体部300,301のうち、後方
の船体部301が、押し船であってもよい。油圧ピスト
ン304,304aが駆動されると、船に垂直な軸線を
中心として、二つの船体部300,301が互いに旋回
する。このように油圧ピストン304,304aは旋回
装置を構成する。
【0054】
【発明の効果】上述の如く本発明による砕氷船によれ
ば、リーマーが船の両側から突出して移動可能に設けら
れており、狭い水路にては船体に収納され、砕氷時には
突出して氷床を切り開き砕氷を横方向へ取り除いて氷の
ない幅広い水路を設ける。このため、後続の船が砕氷に
よる抵抗を受けずに、また速度も低下することなく航行
することができる。さらに、リーマーが、ポンツーン形
の船首領域を有する船体の前部の両方の側壁部21,2
2の吃水線下の部分に配置されているから、リーマーが
最も幅広い部分となって、砕氷を行うので船自体の航行
が妨げられることがない。また後進時にも、砕氷をさら
に分割することができるので、余分な負荷がかからず、
迅速な船の方向転換ができ且つ動力も節減できるという
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】移動可能な砕氷用構成部品または固定式の砕氷
用構成部品が設けられるポンツーン形の船体前部を有す
る船体を下方から見た概略図である。
【図2】船体の一部の断面図であって、上部に設けられ
た軸を中心に旋回可能になされており外側に旋回せしめ
られた状態のリーマーと、このリーマーを収容するため
の凹部を示す。
【図3】図2に示すリーマーを内側へ旋回した状態を示
す図である。
【図4】船体の一部の断面図であって、下部に設けられ
た軸を中心に旋回可能になされており外側に旋回せしめ
られた状態のリーマーと、このリーマーを収容するため
の凹部を示す。
【図5】船体のフレームの輪郭に沿って水平軸を中心に
旋回するリーマーを一部断面にして示す、このリーマー
を有する船体前部の斜視図である。
【図6】図5に示したリーマーを拡大して示す縦断面図
である。
【図7】固定部および移動可能部を有するリーマーが、
船体前部領域に配置された状態を示す概略側面図であ
る。
【図8】船の長手方向に沿って長く、船の横方向に移動
可能になされたリーマーが設けられた船体前部領域の中
央部分の断面図である。
【図9】図8に示したリーマーの作業状態を示す図であ
る。
【図10】加熱装置が設けられた船体にリーマーを収納
する凹部が形成された実施例の、リーマーを横方向に突
出した状態を示す、船体前部の一部の平面図である。
【図11】他の実施例のリーマーを横方向に突出した状
態を示す、船体前部の一部の平面図である。
【図12】横方向に突出する固定式のリーマーである砕
氷用構成部品が、形成されている船体前部の部分図であ
る。
【図13】図12における符号Aで示すリーマーの前面
外縁部の拡大詳細図である。
【図14】図12に示したリーマーの付近の、船体横断
方向の断面図である。
【図15】二つの横方向に突出する固定式のリーマーで
ある砕氷用構成部品が、直列に配置された船体前部の一
部を示す図である。
【図16】船が曲線走行する際の、図15に示した船体
前部の一部を示す平面図である。
【図17】図15に示したリーマーの前面外縁部の詳細
図である。
【図18】図15に示したリーマーのうち前方側のリー
マーの付近の、船体横断方向の断面図である。
【図19】横方向に突出する固定式の段付のリーマーで
ある砕氷用構成部品が設けられた船体前部の一部を示す
図である。
【図20】図19に示したリーマーの前面外縁部の詳細
図である。
【図21】船が曲線走行する際の、図19に示した船体
前部の一部を示す図である。
【図22】図19に示したリーマーの付近の、船体横断
方向の断面図である。
【図23】突出する角形構造体が設けられた船尾を示す
側面図である。
【図24】図23に示した船尾を示す下面図である。
【図25】図23に示した船尾を示す背面図である。
【図26】図25を拡大した図である。
【図27】船の長手方向に延在する、船尾面から突出し
た構造が設けられた船尾の側面図である。
【図28】図27に示した船尾の下面図である。
【図29】図27に示した船尾を示す背面図である。
【図30】図29を拡大した図である。
【図31】船尾カバーの後方に形成された突出した角形
構造体が設けられた船尾を示す側面図である。
【図32】図31に示した船尾を示す下面図である。
【図33】図31に示した船尾を示す背面図である。
【図34】二つの船体部を有する折り畳み可能な船体を
有する砕氷船を示す平面図である。
【図35】図34に示す船の側面図である。
【図36】図34におけるXXXVI-XXXVI 線矢視断面図で
ある。
【符号の説明】
10 船体 11 船首領域 13 前面領域 21,22 船体側壁部 28 旋回軸 30 リーマー 40 凹部 50 移動手段(油圧作動式シリンダー)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 砕氷船
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、操作性を向上せしめる
ために、船体の両方の側壁部から横方向に突出し、吃水
線下で船体の最も幅広い部分となる砕氷用構成部品を有
する砕氷船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】砕氷特性を向上せしめるために、砕氷船
の船首の側壁面に、リーマーを取り付けることが知られ
ている。このリーマーは、鋼製の部材であって、船の長
手方向に沿って配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなリーマー
は、船首よりも後方における船の横幅よりも大きく横方
向に突出しているために、狭い航路、例えば狭い水門に
おいては、航路の幅とリーマーがぶつかることを避ける
ため、船を最大搬送能力で安定に航行することが困難で
ある。
【0004】また、このような砕氷船が氷床の多い海で
航海することは、特に数隻の船からなる船団の先頭に砕
氷船がたっている時に、問題が多い。例えば、各船舶間
の距離がかなりある場合には、砕氷船によって砕氷され
て設けられた水路に、氷床が漂流して後続の船が通過で
きる航路を狭め、後続の船の摩擦抵抗を増大せしめて速
度の低下を引き起こすことになる。また各船舶間の距離
が短い場合には、船が互いに衝突を起こしやすい上、特
に船団を周囲の氷の圧力から保護するために砕氷船を後
進させたくても、後退するのに必要な十分なスペースさ
え得ることができないことがある。従って、砕氷船の速
度は、船団のうち最も遅い船の速度に合わせなければな
らない。
【0005】また、航路を横方向に広げるために砕氷船
が戻る時には、止むを得ず比較的大きな弧を描いて、氷
床に砕氷船自体を通過せしめるための補助用水路を切り
開くことが必要になることが多い。さらに、氷床が水路
を狭めているために、砕氷船はその場でほとんど方向転
換できず、横方向への包囲突破も困難である。さらに、
上記のように船体側壁に配置されていて船の両側から横
方向に突出しているリーマー等のような砕氷用構成部品
を具備する砕氷船の場合、水門を通過する一方で、後続
の船より幅の広い可航水路を設けるために砕氷するに
は、砕氷船の船首の横幅を水門に入る前に縮め(すなわ
ちリーマーを退避させて)、水門から出た時に横幅を元
へ戻すことができるようでなければならない。公知の砕
氷船ではこの要求に応じられない。
【0006】本発明は、冒頭に述べた形式の砕氷船が有
する技術的問題点を解決し、前進および後退しながら氷
原中を航行する場合の船の操作性を向上せしめるもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この技術的問題点を解決
するために、本発明によれば、船体周囲の氷を砕いて船
の操作性を向上せしめるため、両方の側壁部が平行にな
されているポンツーン形の船首領域を有する船体の前部
の両方の側壁部の吃水線下の部分に配置され、氷床を砕
くリーマーを有する砕氷船であって、該リーマーが、ほ
ぼ三角形の断面を有する棒状に形成されており、上記船
体の前部の両方の側壁部には、上記リーマーの少なくと
も一部を船体の横方向に移動させる移動手段が設けられ
ていると共に、上記リーマーの上記移動可能な部分を収
容することが可能な凹部が形成されており、上記リーマ
ーの上記移動可能な部分が、上記船体から横方向に突出
された時には、上記船体の吃水線下の部分のうちの横方
向に最も幅広い部分となって、氷床を砕いて航路を広げ
ることが可能であり、上記リーマーの上記移動可能な部
分が、上記船体の前部の上記凹部に収容された時には、
上記船体の前部の側壁部と面一になって、狭い水路を上
記船体が航行することができるようにしたことを特徴と
している。すなわち、本発明によれば、吃水線下のリー
マーの領域における船体の横幅が、より小さな横幅に、
好ましくはリーマーの領域より後方の部分の横幅にまで
縮小し得るように構成され、船の航行中、リーマーの移
動または旋回によって、リーマーを吃水線下の突出して
いた領域から退避し得るようになされている。
【0008】
【作用】このように構成された砕氷船では、狭い水路、
例えば水門を通過するときには、リーマーが適当な手段
によって引っ込められるか、または内側へ揺動される
か、または上昇せしめられるか、または旋回せしめられ
て船体内の適当な凹部に収納され、その狭い水路地点を
出た後、リーマーが外側へ延びてその砕氷作業位置につ
くことができる。
【0009】また、このように構成された砕氷船は、上
記の課題を解決すること、すなわち幅の狭い水門を通過
することができる一方、砕氷して後続の船よりも幅が広
い可航水路を設けることができるように、砕氷船の船首
の横幅を水門に入る前に縮め、水門から出た後に元へ戻
すことができるようになっている。
【0010】他の利点は、このように構成された砕氷船
を後進する際に発揮される。すなわち、リーマーを引っ
込めたり、内側へ旋回したり、内側へ揺動したりするこ
とができるので、後進時の動力を節減できる。特に利点
とするところは、リーマーや砕氷船の船首が特定の形状
を有しているのでなければ、氷塊を動かして適当な前進
用航路を設けるために、船を後進させなければならない
時に、リーマーを船の両側から横方向に突出している砕
氷位置から退避せしめることができるということであ
る。特に、後進操作を繰り返す場合には、リーマーを船
体内へ引っ込めることができるということは特別な利点
になる。
【0011】船体の横断面内において、リーマーの外側
縁は、鋭利な刃をつけているか、または丸味をおびてい
るか、または斜めに形成されている。上記のように移動
可能になされた砕氷用構成部品(リーマー)は、船体の
凹部内に配置されていて、油圧式,電気式,機械式また
は他の適当な移動手段によって、所望の様々な作業位置
へ突出されて、その作業位置で作動されるようになって
おり、一方、内側へ移動されることによって退避せしめ
られた状態で、船体の外板すなわち胴体と同一面をなす
ようになっている。
【0012】上記のように移動可能になされた砕氷用構
成部品は、また、船体側壁において、ほぼ水平に延びた
軸に枢着されているか、またはほぼ船の長手方向に沿っ
て配置された軸を中心に旋回することができるようにな
っている。さらに、移動可能になされた砕氷用構成部品
は、船体のほぼ長手方向に沿って列をなして配置されて
いてもよい。さらにまた、移動可能になされた砕氷用構
成部品は、船首に配置されても、船尾に配置されてもよ
い。船首と船尾の両方に配設することも可能である。
【0013】なお、本発明による氷原における操作性を
向上せしめる砕氷船はその船尾が以下のように構成され
ていてもよい。すなわち、砕氷船の船尾は、船が固い氷
床中を後進する際、氷床に少なくとも三つの異なる砕氷
帯が生じるように形成されている。その三つの砕氷帯が
生じる理由は以下の通りである。すなわち船尾は、後進
が容易なように、おおよそ従来の船首と同様の流線形を
しているが、そのうちのプロペラおよび舵が設けられた
中央船尾領域には、その後部に船の長手方向に沿って上
記流線形状から突出する突出部が形成されている。この
ため船が後進する時には、中央船尾領域によって、氷床
が船の長手方向に沿って二段階で砕氷される一つの砕氷
帯が生じる一方、中央船尾領域の両脇の流線形の部分に
よって、氷床が均一に砕氷される二つの砕氷帯が生じ
る。つまり上記の三つの砕氷帯のうち、外側の二つが均
一な砕氷帯であり、内側の一つが乱れた砕氷帯である。
【0014】船体の中央船尾領域の、船の長手方向に沿
ってプロペラおよび舵の後方には、船の長手方向に突出
した角形構造体が設けられているとよい。この角形構造
体は、船の後進中、固い氷床から切断された中央部の帯
状の氷を破砕して小さな浮氷にする。これによって、大
きな浮氷の場合よりもよりも楽にプロペラで処理できる
ようになっている。また、船尾面の突出した角形構造体
は、船の長手方向において、それ自身は公知の船尾カバ
ーの後部に配設されてもよい。この船尾カバーにより、
船の後進時、プロペラおよび舵から砕氷が取り除かれ
る。船の後進中、まず中央船尾領域が氷を破砕すると共
に破砕された浮氷を下方へ移動せしめる。ついで船尾の
船側部が、中央船尾領域で砕氷される砕氷帯の横に隣接
する砕氷帯の氷を下方へ押す。
【0015】さらに、中央船尾領域は、前記のように砕
氷された氷を、船尾の側部で砕氷された氷の下へ押すよ
うになされていてもよい。中央船尾領域の突出部分のフ
レームの外形、特に吃水線下の外形は、波形またはジク
ザクまたは階段状であるとよい。中央船尾領域の突出部
分には、平滑状または鋸歯状の長手方向に延びたスキッ
ドが配置されていてもよい。
【0016】角形構造体の縁は鋭利な刃を有するか、ま
たは丸味を帯びているか、または斜角を有するとよい。
さらに、操作性を向上せしめるために、砕氷船が二つの
船体部を有するようにし、これらの船体部が少なくとも
一つの弾性成形部材と接続部材とで接続されることによ
って、折り畳み可能になされていてもよい。また、この
船体には、船体に垂直な軸線を中心として、各船体部を
旋回するための旋回手段が設けられているとよい。
【0017】さらに、上記の移動可能な砕氷用構成部品
を収容するための船体に設けられた凹部、および移動可
能な砕氷用構成部品自体の少なくとも一方が加熱される
ようになっているとよい。
【0018】
【実施例】図1に示された実施例において、砕氷船の船
体10の船首領域11には、側壁部が平行になされたポ
ンツーン形船体前部12が設けられている。このポンツ
ーン形船体前部12は、U字形に形成されており、吃水
線下の船体前面領域13につながっている。また、ポン
ツーン形船体前部12は、前方に傾斜した面で構成され
ている。
【0019】図1に示す船体10の船首領域11は、ほ
ぼ船幅全体に拡がっている前面領域13を有しており、
この前面領域13は先端に至るまで前方に向って傾斜し
ている。この前面領域13の外部側面縁は、長手方向に
沿って延びており部分的に湾曲した二つの側面縁14と
なされている。これらの二つの側面縁14は、船体と面
一に構成されていても、側面縁14の上側の船体から横
方向に突出するように構成されていてもよい。前面領域
13は、船の横方向に沿って湾曲している。
【0020】また、図1に示す船体10においては、前
面領域13が中心線16に沿って船底17に達する位置
から、少なくとも中央部18に至るまで(さらにより後
方に向けて)、二つの側面縁14間のフレーム15が、
再度、船の横方向に沿って、湾曲している。そして、側
面縁14の後部は、玉縁状厚み部分19とされており、
この玉縁状厚み部分19が船の大部分の長さに亘って延
びている。この玉縁状厚み部分19の後方端は、プロペ
ラ用トンネルをなす側部後方付近にある。
【0021】ポンツーン形船体前部12を有する船体1
0の船首領域11においては、側面縁14が、船体側壁
部21,22から横方向に突出している。また、船首領
域11における側面縁14には、移動可能なリーマーで
ある砕氷用構成部品130が設けられている。これらの
リーマーは、船体10の中央部18の輪郭よりも横方向
に突出するものである。図1に示す船体10において、
前方に向って先端まで傾斜している前面領域13は、そ
の後方が吃水線下になる。この前面領域13の吃水線下
の部分は、V字状斜面フレーム15を有する。前面領域
13の中央部は僅かに湾曲して構成されており、前面領
域13の後方、つまり吃水線下の部分は、V字状斜面フ
レームになっている。さらに後部では、二つのフレーム
が台形をなしている。このフレームの輪郭は、基線又は
船底17の輪郭線と、その側面線とで形成されている。
この台形のフレームの横方向に沿った傾斜は、前記V字
状フレームの横方向に沿った傾斜よりも急になってい
る。
【0022】船首領域11内では、側面縁14の少なく
とも一部分が、中心線16に平行な設計上の吃水線20
の下方にある。また、両方の側面縁14は、吃水線下の
船の形状のうち最も幅広い部分となる。前面領域13
は、前方に向って先端まで傾斜しており、その長手方向
の中央部から後部が、設計上の吃水線20の下にある。
この前面領域13の長手方向の中央部付近は、一つの平
面をなしている。設計上の吃水線20よりも上方の、側
面縁14の前方部分は、前面領域13より上では、双胴
船が二つの船首を有するような形状になっている。船体
前部の形状は中心線16に向かって凹んでおり、これに
よって二つの尖った船首23が設けられている。なお、
この船の長手方向に延びる側面縁14よりも直ぐ上は、
凹んだ形状をしている。また、図1に示す船尾25に
は、砕氷用構成部品130が設けられていない。船体1
0の概略は、以上の通りであるが、砕氷船の船体前部の
形状を異なるものにしてもよいし、船尾に横方向に突出
する砕氷用構成部品130を設けるようにしてもよい。
【0023】各船体側壁部21,22には、船の側面よ
り横方向に突出する砕氷用構成部品130が設けられ
る。砕氷用構成部品130としてはリーマー30が使用
され得る。以下にリーマー30を有する船体の実施例を
説明する。
【0024】リーマー30は、船体側壁部21,22に
配置されている。このリーマー30は、横方向に突出可
能なものであり、このように突出せしめられた時に、リ
ーマー30が船体10の最も幅広い部分となる。そし
て、リーマー30は、船の航行中に内側へ旋回されたり
上昇せしめられたりして、退避されるようになってお
り、これによってリーマー30が配設されている領域
が、その後方のリーマー30が配設されていない領域と
ほぼ面一になるようになっている。すなわち、船体10
の最も幅広い部分の横幅を、小さく抑えることができる
ようになされている。また、リーマー30は、船の横方
向に突出する鋼製部材であって、船体10の側壁部2
1,22の凹部40内に配置されている。
【0025】図2および図3に示すように、船体側壁部
21,22には、凹部40が形成されている。そして凹
部40の内部には、船体10の長手方向に長い棒状のリ
ーマー30が配設されている。凹部40も、船体の長手
方向に延びており、棒状のリーマー30の長さに相当す
る長さを有している。凹部40は、その横断面形状がリ
ーマー30の横断面形状に合わせて形成されており、リ
ーマー30が旋回して凹部40内に入ると、凹部40の
内側に収納されてリーマー30の船体側側面が船体側壁
部21,22によって形成される面と合致するようにな
っている。
【0026】また、移動手段50が、各リーマー30を
内側または外側へ旋回して移動させるために、船体10
の内部に配設されている。この移動手段50は、リーマ
ー30の作動を確実に行えるものであれば、油圧式,電
気式,機械式、その他の適当なものであってよい。すな
わち、図2および図3の実施例では、図8および図9の
場合と同様に、移動手段50として油圧作動式シリンダ
ーを用いているが、他の適当な作動装置を用いてもよ
い。図2および図3に示す実施例では、リーマー30
が、凹部40内に収納されると、リーマー30の船体側
側面30aが、船体側壁部21,22によって形成され
る平面に合致して、ここから突出しないようになってい
る。これによって、船体の最大船幅つまり船首領域11
の最大船幅は、二つの船体側壁部21,22の間の距離
に等しくなる(図3)。
【0027】また、図2および図3に示す実施例によれ
ば、リーマー30は、ほぼ直角三角形の横断面形状を有
している。また、リーマー30の上部領域には、ほぼ水
平に配置された旋回軸28が挿通せしめられ、この旋回
軸28が船体側壁部21に止められており、これによっ
て、リーマー30は旋回軸28を中心に回動可能になさ
れている。リーマー30の旋回軸28は、各々取付けら
れる船首領域11の傾斜に応じた方向に配置されてい
る。すなわち、船体10の二つの側壁部21,22に設
けられたリーマー30は、船の長手方向にほぼ向いてい
る旋回軸28を中心に旋回できる。また、リーマー30
が旋回せしめられて凹部40に収納されたとき、リーマ
ー30の横断面形状の基準面である船体側側面30a
が、船体側壁部21,22によって形成されている平面
に合致する(図3)。リーマー30がこのように退避可
能になされているのは、砕氷船が氷がない狭い水路を通
るためである。なお、作動状態、すなわち砕氷状態にお
いては、リーマー30は図2に示した位置に止められて
いる。
【0028】図4に示す実施例では、図2および図3に
示す実施例と同様に、凹部40が、リーマー30の横断
面形状に合わせた横断面形状となるように形成されてい
るが、さらに、リーマー30が旋回せしめられて、完全
に凹部40内に収納され得るようになっている。また、
リーマー30の外側縁はフレームの横断面内で鋭利な刃
をつけるか、または丸みを帯びるかまたは斜角を有する
ように形成されている(図2)。丸みを帯びている外側
縁のリーマー30の形状は符号31a(仮想線)で示さ
れている。なお、リーマー30のような砕氷用構成部品
130は、船体10の長手方向に沿って、多数配置され
るようにしてもよい。砕氷用構成部品130がリーマー
30のように移動可能な場合には、各リーマー30は旋
回せしめられて、船体側壁部21,22における長手方
向に沿った凹部40内に保持される。これらのリーマー
30の移動は、油圧式,電気式,機械式または他の適当
な装置によって行なわれる。
【0029】また、側壁部21,22に設けられるリー
マー30を、船体10に沿って移動可能なように構成す
ることも可能である。この場合、船体10に沿って移動
可能なリーマー30を、船体10の側壁部21,22の
それぞれに、一つずつ配設することもできるし、船体1
0の側壁部21,22のそれぞれに、複数ずつ配設する
こともできる。このようにして、移動可能な、すなわち
リーマー30等のように船体の内側および外側へ移動可
能な砕氷用構成部品130を、船体10に沿って配置す
ることによって、リーマー30を調整または設定して、
最も効果的な作動状態におくことができる。
【0030】なお、船体前部から横方向に突出するよう
に設けられているリーマー30のような移動可能な砕氷
用構成部品130とは別に、砕氷用構成部品130を船
尾25に配置することもできる。また、図2および図3
による実施例においては、リーマー30が船体側壁部2
1,22の上部に位置する旋回軸28を中心に旋回する
ことができるが、図4に示す実施例のように、この旋回
軸28を船体側壁部21,22の下部に位置するよう
に、リーマー30を配設することも可能である。
【0031】図5に示されている実施例においては、船
体側壁部21,22に配設されたリーマー30が、船体
フレーム26の突出する方向に突出している。図5で
は、リーマー30が、上昇せしめられた位置にある状態
が示されており、この状態でのリーマー30の切断縁の
縁線が符号27で示されている。そしてリーマー30
は、この上昇せしめられた位置から、矢印Xで示すよう
に下方に旋回せしめられる。リーマー30が下方にある
場合の、リーマー30の切断縁の縁線は、符号228で
示されている。なお、リーマー30の下部領域すなわち
切断縁付近の外形が図6に示されている。
【0032】図7においては、船体の外側へ移動可能な
リーマー30の領域が、符号Aで示されている。また、
符号Bで示されている領域は、リーマー30の形に適合
し、これを収容する区域である。この区域Bは、リーマ
ー30を収容する凹部40として形成されている。船体
側壁部に形成された凹部40は、リーマー30の全長に
相当する長さを有する。この場合、リーマー30に合わ
せて凹部40を形成することもできるし、船体側壁部2
1,22の横幅を一部大きくすることによりリーマー3
0を収容する凹部40を形成することも可能である。図
7においては、氷床の高さが、符号200で示されてい
る。
【0033】図7の実施例において、船体側壁部21,
22におけるリーマー30は、二つの部分、すなわち移
動可能部30aと固定部30bとからなる。リーマー3
0が退避状態にあるときは、移動可能部30aと固定部
30bは、連続した形状をなすように構成されている。
また、リーマー30の移動可能部30aは、軸位置28
aにおいて固定部30bまたは船体に設けられた軸を中
心に矢印X1に示すように旋回可能になされている。
【0034】図8および図9に示されている実施例にお
いても、他の実施例と同様に、リーマー30を収納する
ための凹部40が、船体側壁部21,22に設けられて
いる。この場合、凹部40は、船体前部の段部を用いて
形成される。図8および図9の実施例においても、二つ
の船体側壁部21,22におけるリーマー30は、鋼製
の組み立て部材から構成されており、前記の移動手段5
0により船体の内側および外側に移動可能である。図9
においては、リーマー30は砕氷するための作動位置に
延びており、図8では氷がない狭い通路を通るためにリ
ーマーが引っ込んでいる。この場合、リーマー30の内
側および外側への移動は、船体の長手方向に直角に行な
われる。
【0035】リーマー30のような横方向に突出可能に
なされた砕氷用構成部品130の、内側および外側へ移
動可能な、または内側および外側へ折込み可能な、また
は内側および外側へ旋回可能な配置および構成は、砕氷
用構成部品130を横方向に延ばす必要がある場合に砕
氷船に使用され得る。この場合、リーマーの横方向への
延長、つまり外側への移動によって船幅が増加する。図
10の実施例によれば、リーマー30は全長にわたって
均一な断面形状を有するように設けられており、その船
体側側面が全長にわたって船体側壁面に適合するよう
に、船体側壁部21,22に設けられた凹部40に収容
されるようになっている。
【0036】また、図11に示すように、リーマー30
の船首側を軸位置28aで船体側壁部21または22に
取付け、リーマー30を横に延ばすときに、リーマー3
0の船首から遠い部分が船体側壁面21,22を出入り
するように構成することも可能である。この場合、リー
マー30は、適当な移動手段50で矢印X2に示すよう
に、内側および外側へ旋回される。なお、本実施例にお
いても、リーマー30を収納するための凹部40は、図
10の実施例における凹部40と同様に船体側壁部2
1,22に適正に構成されている。
【0037】また、凹部40には、その内部に破砕され
た氷が入らないように、あるいはこの凹部40の内部に
氷が絶えず入らないようにするために、例えば、図10
に示すように加熱装置または放水装置が設けられてお
り、リーマー30を延ばしたまま氷原中を航海する場合
には、例えば、加圧水または加熱された加圧水が、凹部
40の壁面に設けられている放出オリフィス、放出ノズ
ル等を通して、凹部40内の空間に噴射されるようにな
っている。同図において、凹部40の壁面45には、多
数の放出オリフィス81が設けられており、これら放出
オリフィス81が加圧水供給管82を経て、加圧水発生
装置80に連通されている。なお、この加圧水発生装置
80は、図示しない加熱水装置に接続されていてもよ
い。
【0038】このようにして、凹部40も移動可能な砕
氷用構成部品130も、加熱され得るように構成されて
いる。
【0039】以上、砕氷船における砕氷用構成部材の配
置構成につき実施例を用いて説明したが、上記各実施例
のように砕氷用構成部材が構成された砕氷船の船尾部分
の構成を図12ないし図19に示す実施例のようにして
もよい。図12ないし図19によれば、船体10の船尾
輪郭125は、船が連続した氷床中を後進する時、氷床
に少なくとも三つの異なる砕氷帯が生ずるように形成さ
れている。その三つの砕氷帯が生じる理由は以下の通り
である。すなわち船尾輪郭125は、後進が容易なよう
に、おおよそ従来の船首と同様の流線形をしているが、
そのうちの中央船尾領域126には船の長手方向に沿っ
てプロペラおよび舵160が設けられており、その後方
に船の長手方向に沿って流線形状から突出した突出部が
設けられている。このため船が後進する時には、中央船
尾領域126によって、氷床が船の長手方向に沿って二
段階で砕氷される一つの砕氷帯が生じる一方、中央船尾
領域126の両脇の流線形の部分によって、氷床が均一
に砕氷される二つの砕氷帯が生じる。つまり上記の三つ
の砕氷帯のうち、外側の二つが均一な砕氷帯であり、内
側の一つが乱れた砕氷帯である(図15、図19および
図22)。
【0040】図12,図14および図15において、船
体10の船尾25における角形構造体が符号140,1
41,142で示されており、一方、図13においては
スキッドが符号143で示されている。図14におい
て、船体10の船尾25における船尾肋板が符号128
で示されている。図16ないし図19において、船尾2
5の中央船尾領域126には、プロペラおよび舵160
が船の長手方向に沿って設けられ、その後方に突出した
角形構造体140a,141aが形成されており、これ
が船の後進時、氷床から氷を切断・破砕し、上記の砕氷
帯を生じせしめるようになっている。この場合には、角
形構造体140a,141aによって、小さな浮氷が生
じるようになるので、大きな浮氷を処理する場合よりも
楽にプロペラ160aで処理できる。なお、図12およ
び図16に示されている船体10は、計二つのプロペラ
および舵160を具備している。
【0041】図20ないし図22に示す実施例におい
て、船尾25の中央船尾領域126には、船の後進時に
プロペラおよび舵160の付近から砕氷を取り除く船尾
カバー148が、配置されている。また、船尾25の中
央船尾領域126には、船の長手方向に沿って船尾カバ
ー148の後方に、角形構造体145が配置されてい
る。船が後進すると、中央船尾領域126の角形構造体
145が先ず氷を破砕し、砕氷を下方へ押し、次いで横
に隣接している砕氷帯の氷を船尾25における角形構造
体145より外側の部分で下方へ押す。そして、中央船
尾領域126の角形構造体145で破砕された氷は、船
尾25における角形構造体145より外側の部分で破砕
された氷の下へ押される。
【0042】中央船尾領域126の突出部のフレームの
外形、特に吃水線下の外形は波形またはジグザグまたは
階段状に形成されるとよい。また中央船尾領域126の
突出部には、平滑状または鋸歯状の長手方向に延びたス
キッドが配設されてもよい。また、角形構造体140,
141,142または140a,141aまたは145
の縁は、鋭利な刃を有するか、または丸みを帯びるか、
または斜角を有するように形成されている。
【0043】上記の如く、移動可能な砕氷用構成部品1
30と、角形構造体140,141,142または14
0a,141aを有する船尾の形状は、例えば図1に示
すような砕氷船の船体に設けることが可能になってい
る。また、これらの形状を、図23および図24に示す
ような、少なくとも二つの船体部300,301が互い
に結合されてなる関節式相互接続船に用いることもでき
る。
【0044】図23ないし図25の実施例において、船
体は二つの船体部300,301から成っているが、船
体部の数は二つに限定されるものではなく、数個の船体
部を折り畳み式に接続することももちろん可能である。
二つの船体部300,301のうち、船体部300は船
首領域11を有している。この場合、船体部300の両
側壁部には、横方向に突出する砕氷用構成部品130で
あるリーマーが設けられており、このリーマーが船体部
300の吃水線下の最も幅広い部分をなすようになって
いる。
【0045】船体部301は船尾輪郭125を有してい
る。この船尾輪郭125によって、上述の場合と同様
に、船が閉じた氷床中を後進する時、氷床に少なくとも
三つの異なる砕氷帯が生ずる。すなわち、三つの砕氷帯
のうち二つの外側砕氷帯は、従来の船体前部と同様の形
状の船尾側部によって、船の後進時に生ずる均一な砕氷
パターンを有し、内側の一つの砕氷帯は、中央船尾領域
126に設けられているプロペラおよび舵160の後方
に船の長手方向に沿って流線形から突出して設けられて
いる突出部によって、船の後進時に二段階で砕氷される
ことによる砕氷パターンを有する。なお、この船尾輪郭
においても、船の長手方向にある突出した角形構造体が
中央船尾領域の突出部として船体に形成されている。
【0046】図23ないし図25に示す実施例におい
て、二つの船体部300,301は少なくとも一つ(本
実施例では図25に示すように二つ)の弾性成形部材3
02,302aによって相互に接続されている。各弾性
成形部材302または302aは、例えば緩衝装置とし
て構成されている。さらに、この二つの船体部300,
301は、接続手段303により相互に接続されてい
る。この場合、接続手段303は、ホーザーであって、
二つの船体部300,301間を引きつけるものであ
る。
【0047】さらに、図23に示すように、二つの船体
部300,301は、油圧ピストン304,304aを
介して相互に接続されている。これらの二つの油圧ピス
トン304,304aは、二つの船体部300,301
の間に並行するように配置されている。一方、図25に
示すように、緩衝装置となる弾性成形部材302,30
2aは、互いに上下に重なるように配置されている。油
圧ピストン304,304aの両端部305は、船体部
300,301にそれぞれ枢着されているか、またはカ
ルダン継手で取り付けられている。
【0048】二つの船体部300,301の互いに対向
する船体壁面には、緩衝装置となる弾性成形部材30
2,302aを収納するための凹部309が形成されて
いる。なお、二つの船体部300,301のうち、後方
の船体部301は、押し船であってもよい。また、油圧
ピストン304,304aは旋回装置を構成しており、
その駆動により、船に垂直な軸線を中心として、二つの
船体部300,301を互いに旋回せしめる。
【0049】
【発明の効果】上述の如く本発明による砕氷船によれ
ば、リーマーが船の両側から突出して移動可能に設けら
れており、狭い水路においては船体に収納され、砕氷時
には突出して氷床を切り開き砕氷を横方向へ取り除いて
氷のない幅広い水路を設ける。このため、後続の船が砕
氷による抵抗を受けずに、また速度も低下することなく
航行することができる。また、リーマーが、ポンツーン
形の船首領域を有する船体前部の両側壁部21,22の
吃水線下の部分に配置されているから、リーマーが最も
幅広い部分となって砕氷を行うので船自体の航行が妨げ
られることがない。また、以上のことから、後進時に
も、余分な負荷がかからず、迅速な船の方向転換ができ
且つ動力も節減できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】移動可能な砕氷用構成部品が設けられるポンツ
ーン形の船体前部を有する船体を下方から見た概略図で
ある。
【図2】上部に設けられた軸を中心に旋回可能になされ
ており外側に旋回せしめられた状態のリーマーと、この
リーマーを収容するための凹部の断面を示す船体の部分
断面図である。
【図3】図2に示すリーマーを内側へ旋回した状態を示
す図である。
【図4】下部に設けられた軸を中心に旋回可能になされ
ており外側に旋回せしめられた状態のリーマーと、この
リーマーを収容するための凹部の断面を示す船体の部分
断面図である。
【図5】船体のフレームの輪郭に沿って水平軸を中心に
旋回するリーマーを一部断面にして示す、このリーマー
を有する船体前部の斜視図である。
【図6】図5に示したリーマーを拡大して示す縦断面図
である。
【図7】固定部および移動可能部を有するリーマーが、
船体前部領域に配置された状態を示す概略側面図であ
る。
【図8】船の長手方向に沿って長く、船の横方向に移動
可能になされたリーマーが設けられた船体前部領域にお
ける船体中央部断面図である。
【図9】図8に示したリーマーの作業状態を示す図であ
る。
【図10】加熱装置が設けられた船体にリーマーを収納
する凹部が形成された実施例の、リーマーを横方向に突
出した状態を示す、船体前部の部分平面図である。
【図11】他の実施例のリーマーを横方向に突出した状
態を示す、船体前部の部分平面図である。
【図12】突出する角形構造体が設けられた船尾の側面
図である。
【図13】図12に示した船尾の底面図である。
【図14】図12に示した船尾の背面図である。
【図15】図14に示した船尾の拡大図である。
【図16】船の長手方向に延在する、船尾面から突出し
た構造が設けられた船尾の側面図である。
【図17】図16に示した船尾の下面図である。
【図18】図16に示した船尾の背面図である。
【図19】図18に示した船尾の拡大図である。
【図20】船尾カバーの後方に形成された突出した角形
構造体が設けられた船尾の側面図である。
【図21】図20に示した船尾の下面図である。
【図22】図20に示した船尾の背面図である。
【図23】二つの関節式相互接続船体部から成る砕氷船
の平面図である。
【図24】図23に示した船の側面図である。
【図25】図23におけるXXXVI-XXXVI 線矢視断面図で
ある。
【符合の説明】 10 船体 11 船首領域 13 前面領域 21,22 側壁部 28 旋回軸 30 リーマー 40 凹部 50 移動手段(油圧作動式シリンダー) ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図8】
【図5】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図18】
【図24】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図25】
フロントページの続き (72)発明者 ヤンセン,ヘルマン イヨツト ドイツ連邦共和国、デー2970、エムデン、 マルチン−ファベル−シユトラーセ 1 (72)発明者 クリーマン,アルフレツト ドイツ連邦共和国、デー2970、エムデン、 アム パペルデイーク 26 (72)発明者 ルプ,カルル−ハインツ ドイツ連邦共和国、デー2000、ハンブルク 71、ヴイーヒエルカンプ 4 (72)発明者 シユヴアルツ,ヨアヒム ドイツ連邦共和国、デー2070、クロス−ハ ンスドルフ、アルテル アハテルカンプ 74ベー (72)発明者 フアルゲス,ギユンテル ドイツ連邦共和国、デー2970、エムデン、 ハイルスベルゲルシユトラーセ 50 (72)発明者 ヴアース,ハインリツヒ ドイツ連邦共和国、デー5300、ボン 2、 アム スタツトヴアルト 50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体周囲の氷を砕いて船の操作性を向上
    せしめるため、両方の側壁部21,22が平行になされ
    ているポンツーン形の船首領域を有する船体の前部の両
    方の側壁部21,22の吃水線下の部分に配置され、氷
    床を砕くリーマー30を有する砕氷船であって、 上記リーマー30が、ほぼ三角形の断面を有する棒状に
    形成されており、 上記船体の前部11の両方の側壁部21,22には、上
    記リーマー30の少なくとも一部を船体の横方向に移動
    させる移動手段が設けられていると共に、 上記リーマー30の上記移動可能な部分を収容すること
    が可能な凹部が形成されており、 上記リーマー30の上記移動可能な部分が、上記船体か
    ら横方向に突出された時には、上記船体の吃水線下の部
    分のうちの横方向に最も幅広い部分となって、氷床を砕
    いて航路を広げることが可能であり、 上記リーマー30の上記移動可能な部分が、上記船体の
    前部の上記凹部に収容された時には、上記船体の前部の
    側壁部21,22と面一になって、狭い水路を上記船体
    が航行することができるようにしたことを特徴とする砕
    氷船。
  2. 【請求項2】 上記リーマー30の外側縁31が、鋭利
    な刃、または丸み、または鋭角を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の砕氷船。
  3. 【請求項3】 上記リーマー30が、船体のほぼ長手方
    向に沿って、ほぼ水平に延びている軸28に旋回可能に
    取付けられていることを特徴とする、請求項1または2
    に記載の砕氷船。
  4. 【請求項4】 上記リーマー30が、船体10の長手方
    向に沿って、列をなして配置されていることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の砕氷船。
  5. 【請求項5】 上記リーマー30が、船体の前部11に
    加えて船尾25にも配置されていることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載の砕氷船。
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