本明細書に開示される発明は、有効量の式I:
(式中、
R
1はC
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル及び-C(O)C
1~C
6アルキルから選択され、
R
2は水素、C
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)、C
3~7シクロアルキル又はアリール(フェニル及びナフチルを含む)であり、代替的な実施形態では、R
2はアリール(C
1~C
4アルキル)-、ヘテロアリール又はヘテロアルキルであり、
R
3は水素又はC
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)であり、
R
4a及びR
4bは独立して水素、C
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)及びC
3~7シクロアルキルから選択され、
R
5は水素、C
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)、C
1~6ハロアルキル又はC
3~7シクロアルキルであり、代替的な実施形態では、R
5はアリール(C
1~C
4アルキル)-、アリール、ヘテロアリール又はヘテロアルキルである)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、治療又は予防を必要とする宿主、例えばヒトにおいてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるコロナウイルス疾患2019(COVID-19)を治療又は予防する方法である。
式Iの化合物の非限定的な例としては、化合物1及び化合物2が挙げられる。一実施形態では、化合物は、化合物1A等のS-エナンチオマーとして投与される。一実施形態では、化合物は、化合物1B等のR-エナンチオマーとして投与される。一実施形態では、式Iの化合物は化合物2、化合物2A又は化合物2Bである。
使用可能な化合物1又はその薬学的に許容可能な塩の代替的な立体配置には、
が含まれる。
使用可能な化合物2の代替的な立体配置には、
が含まれる。
使用可能な化合物1又はその薬学的に許容可能な塩、例えば、化合物2の代替的な立体配置には、
が含まれる。
式Iの化合物の非限定的な例としては、
又はその薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
式Iの化合物の追加の非限定的な例としては、
又はその薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
式Iの化合物の追加の非限定的な例としては、
又はその薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
本発明はまた、治療又は予防を必要とする宿主においてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための有効量の式II:
(式中、
R
1はC
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル及び-C(O)C
1~C
6アルキルから選択され、
R
2は水素、C
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)、C
3~7シクロアルキル又はアリール(フェニル及びナフチルを含む)であり、代替的な実施形態では、R
2はアリール(C
1~C
4アルキル)-、ヘテロアリール又はヘテロアルキルであり、
R
3は水素又はC
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)であり、
R
4a及びR
4bは独立して水素、C
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)及びC
3~7シクロアルキルから選択され、
R
5は水素、C
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)、C
1~6ハロアルキル又はC
3~7シクロアルキルであり、代替的な実施形態では、R
5はアリール(C
1~C
4アルキル)-、アリール、ヘテロアリール又はヘテロアルキルである)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を含む。
一実施形態では、任意に薬学的に許容可能な担体中の式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする、COVID-19を有する宿主、又はSARS-CoV-2ウイルスによる感染のリスクがある宿主に、すなわち予防法として有効量で投与する。
式IIの化合物の非限定的な例としては、化合物3及び化合物4が挙げられる。一実施形態では、化合物は、化合物3A及び化合物4A等のS-エナンチオマーとして投与される。一実施形態では、化合物は、化合物3B及び化合物4B等のR-エナンチオマーとして投与される。
化合物3又はその薬学的に許容可能な塩の代替的な立体配置には、
が含まれる。
化合物4の追加の代替的な立体配置には、
が含まれる。
使用可能な化合物3又はその薬学的に許容可能な塩、例えば、化合物4の追加の代替的な立体配置には、
が含まれる。
式IIの化合物の非限定的な例としては、
又はその薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
式IIの化合物の追加の非限定的な例としては、
又はその薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
式IIの化合物の追加の非限定的な例としては、
又はその薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
本発明はまた、治療又は予防を必要とする宿主においてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための有効量の式III:
(式中、
R
1はC
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル及び-C(O)C
1~C
6アルキルから選択され、
R
2は水素、C
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)、C
3~7シクロアルキル又はアリール(フェニル及びナフチルを含む)であり、代替的な実施形態では、R
2はアリール(C
1~C
4アルキル)-、ヘテロアリール又はヘテロアルキルであり、
R
3は水素又はC
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)であり、
R
4a及びR
4bは独立して水素、C
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)及びC
3~7シクロアルキルから選択され、
R
5は水素、C
1~6アルキル(メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む)、C
1~6ハロアルキル又はC
3~7シクロアルキルであり、代替的な実施形態では、R
5はアリール(C
1~C
4アルキル)-、アリール、ヘテロアリール又はヘテロアルキルであり、
XはC
1~C
3ハロアルキル(CH
2F、CHF
2、CF
3、CH
2CF
3、CH
2CHF
2、CH
2CH
2F、CF
2CH
3、CF
2CF
3及びCH
2Cl等のC
1~3フルオロアルキル及びC
1~3クロロアルキルを含む)、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル及びC
1~C
3ヒドロキシアルキルから選択される)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を含む。
一実施形態では、治療又は予防を必要とする宿主においてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IIIの化合物は、式IIIa:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IIIaの一実施形態では、R1はメチルである。
式IIIaの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IIIaの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IIIaの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IIIaの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IIIaの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IIIaの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIaの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIaの一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はヘミ硫酸塩である。
式IIIaの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
式IIIaの化合物の追加の非限定的な例としては、
が挙げられる。
一実施形態では、治療又は予防を必要とする宿主においてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IIIの化合物は、式IIIb:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IIIbの一実施形態では、R1はメチルである。
式IIIbの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IIIbの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IIIbの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IIIbの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IIIbの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IIIbの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIbの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIbの一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はヘミ硫酸塩である。
式IIIbの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
式IIIbの化合物の追加の非限定的な例としては、
が挙げられる。
一実施形態では、治療又は予防を必要とする宿主においてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IIIの化合物は、式IIIc:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IIIcの一実施形態では、R1はメチルである。
式IIIcの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IIIcの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IIIcの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IIIcの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IIIcの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IIIcの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIcの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIcの一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はヘミ硫酸塩である。
式IIIcの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
式IIIcの化合物の追加の非限定的な例としては、
が挙げられる。
一実施形態では、治療又は予防を必要とする宿主においてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IIIの化合物は、式IIId:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IIIdの一実施形態では、R1はメチルである。
式IIIdの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IIIdの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IIIdの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IIIdの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IIIdの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IIIdの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIdの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIdの一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はヘミ硫酸塩である。
式IIIdの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
式IIIdの化合物の追加の非限定的な例としては、
が挙げられる。
一実施形態では、治療又は予防を必要とする宿主においてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IIIの化合物は、式IIIe:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IIIeの一実施形態では、R1はメチルである。
式IIIeの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IIIeの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IIIeの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IIIeの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IIIeの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IIIeの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIeの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIeの一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はヘミ硫酸塩である。
式IIIeの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
式IIIeの化合物の追加の非限定的な例としては、
が挙げられる。
一実施形態では、治療又は予防を必要とする宿主においてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IIIの化合物は、式IIIf:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IIIfの一実施形態では、R1はメチルである。
式IIIfの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IIIfの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IIIfの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IIIfの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IIIfの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IIIfの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIfの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IIIfの一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はヘミ硫酸塩である。
式IIIfの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
式IIIeの化合物の追加の非限定的な例としては、
が挙げられる。
式IIIの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
本発明はまた、本明細書に記載される治療又は予防を必要とする宿主においてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IV:
(式中、
XはC
1~C
3ハロアルキル(CH
2F、CHF
2、CF
3、CH
2CF
3、CH
2CHF
2、CH
2CH
2F、CF
2CH
3、CF
2CF
3及びCH
2Cl等のC
1~3フルオロアルキル及びC
1~3クロロアルキルを含む)、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル及びC
1~C
3ヒドロキシアルキルから選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4a、R
4b及びR
5は、本明細書で定義される通りである)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を含む。
一実施形態では、COVID-19疾患を治療又は予防するための式IVの化合物は、式IVa、式IVb、式IVc、式IVd、式IVe又は式IVfの化合物又はその薬学的に許容可能な塩である:
一実施形態では、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IVの化合物は、式IVa:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IVaの一実施形態では、R1はメチルである。
式IVaの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IVaの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IVaの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IVaの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IVaの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IVaの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVaの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVaの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
一実施形態では、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IVの化合物は、式IVb:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IVbの一実施形態では、R1はメチルである。
式IVbの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IVbの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IVbの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IVbの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IVbの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IVbの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVbの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVbの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
一実施形態では、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IVの化合物は、式IVc:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IVcの一実施形態では、R1はメチルである。
式IVcの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IVcの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IVcの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IVcの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IVcの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IVcの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVcの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVcの一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はヘミ硫酸塩である。
式IVcの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
一実施形態では、COVID-19疾患を治療又は予防するための式IVの化合物は、式IVd:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IVdの一実施形態では、R1はメチルである。
式IVdの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IVdの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IVdの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IVdの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IVdの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IVdの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVdの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVdの一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はヘミ硫酸塩である。
式IVdの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
一実施形態では、COVID-19疾患を治療又は予防するための式IVの化合物は、式IVe:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IVeの一実施形態では、R1はメチルである。
式IVeの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IVeの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IVeの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IVeの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IVeの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IVeの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVeの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVeの一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はヘミ硫酸塩である。
式IVeの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
一実施形態では、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式IVの化合物は、式IVf:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式IVfの一実施形態では、R1はメチルである。
式IVfの一実施形態では、R1はシクロプロピルである。
式IVfの一実施形態では、R2はフェニルである。
式IVfの一実施形態では、R2はナフチルである。
式IVfの一実施形態では、R4aは水素であり、かつ、R4bはメチルである。
式IVfの一実施形態では、R5はイソプロピルである。
式IVfの一実施形態では、上記化合物はSp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVfの一実施形態では、上記化合物はRp-異性体であり、かつ、ホスホロアミデートはL-立体配置である。
式IVfの一実施形態では、薬学的に許容可能な塩はヘミ硫酸塩である。
式IVfの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
本発明はまた、本明細書に記載されるSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するための式V:
(式中、
Y及びY’は独立してCl及びFから選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4a、R
4b及びR
5は、本明細書で定義される通りである)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を含む。
式IVの一実施形態では、Y’はFであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はFであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はFであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はFであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はClであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はClであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はClであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はClであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はClであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はClであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はClであり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はClであり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はFであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はFであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はFであり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式IVの一実施形態では、Y’はFであり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式Vの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
式Vの追加の非限定的な例としては、
が挙げられる。
本発明はまた、本明細書に記載される治療又は予防を必要とする宿主においてCOVID-19を治療又は予防するための式VI:
(式中、
R
6は水素、-C(O)R
6A、-C(O)OR
6A、C
1~6アルキル及び-CH
2-O-R
6A、代替的な実施形態では、-C(O)NR
6BR
6Cから選択され、
R
6Aは水素、C
1~6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル(例えば-CHCl
2、-CCl
3、-CH
2Cl、-CF
3、-CHF
2、-CH
2F)、アリール及びアリール(C
1~6アルキル)-から選択され、ここで、アリール基はアルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ブロモ、クロロ、フルオロ、アジド及びハロアルキルから選択される置換基で任意に置換され、代替的な実施形態では、R
6AはC
1~20アルキル及びC
2~20アルケニルから選択され、
R
6B及びR
6Cは独立して水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、アリール、アリール(C
1~6アルキル)-、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから選択され、ここで、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、アリール、アリール(C
1~6アルキル)-、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルは、アルコキシ(メトキシ及びエトキシを含むが、これらに限定されない)、ヒドロキシ、ニトロ、ブロモ、クロロ、フルオロ、アジド及びハロアルキルから選択される少なくとも1つの置換基で任意に置換されていてもよく、
R
7はNH
2、H又は-NR
8R
9であり、
R
8及びR
9は独立して水素、C
1~6アルキル、-C(O)R
6A及び-C(O)OR
6Aから選択され、
YはF及びClから選択され、
Zはメチル、C
1~C
3ハロアルキル(CH
2F、CHF
2、CF
3、CH
2CF
3、CH
2CHF
2、CH
2CH
2F、CF
2CH
3、CF
2CF
3及びCH
2Cl等のC
1~3フルオロアルキル及びC
1~3クロロアルキルを含む)、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
1~C
3ヒドロキシアルキル及びハロゲン(Cl及びFを含む)から選択され、代替的な実施形態では、ZはC
1~4アルキルであり、
R
1、R
2、R
3、R
4a、R
4b及びR
5は、本明細書で定義される通りである)の化合物の使用を含む。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCHCH2であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはCH2CH2であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2CH2であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはCH2CH2であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2CH2であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCHCH2であり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCHCH2であり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCHCH2であり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH3であり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCF3であり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはClであり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2Fであり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCHCH2であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはCH2CHであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2CHであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはCH2CHであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCH2CHであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCHCH2であり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCHCH2であり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCHCH2であり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はHである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNR8R9である。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)R6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、R5はC1~C6アルキルであり、かつ、R7はNHC(O)OR6Aである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはClであり、R1はメチルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはC1~C4アルキルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはClであり、R1はシクロプロピルであり、R2はアリールであり、R3は水素であり、R4aは水素であり、R4aはメチルであり、かつ、R5はC1~C6アルキルである。
式VIの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
式VIの化合物の追加の非限定的な例としては、
が挙げられる。
本発明はまた、本明細書に記載される治療又は予防を必要とする宿主においてCOVID-19を治療又は予防するための式VII:
(式中、
Bは、
から選択され、
R
6は水素、-C(O)R
6A、-C(O)OR
6A、C
1~6アルキル及び-CH
2-O-R
6A、代替的な実施形態では、-C(O)NR
6BR
6Cから選択され、
R
6Aは水素、C
1~6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル(例えば-CHCl
2、-CCl
3、-CH
2Cl、-CF
3、-CHF
2、-CH
2F)、アリール及びアリール(C
1~6アルキル)-から選択され、ここで、アリール基はアルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ブロモ、クロロ、フルオロ、アジド及びハロアルキルから選択される置換基で任意に置換され、代替的な実施形態では、R
6AはC
1~20アルキル及びC
2~20アルケニルから選択され、
R
6B及びR
6Cは独立して水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、アリール、アリール(C
1~6アルキル)-、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから選択され、ここで、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、アリール、アリール(C
1~6アルキル)-、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルは、アルコキシ(メトキシ及びエトキシを含むが、これらに限定されない)、ヒドロキシ、ニトロ、ブロモ、クロロ、フルオロ、アジド及びハロアルキルから選択される少なくとも1つの置換基で任意に置換されていてもよく、
R
7はNH
2、H又は-NR
8R
9であり、
R
8及びR
9は独立して水素、C
1~6アルキル、-C(O)R
6A及び-C(O)OR
6Aから選択され、
YはF及びClから選択され、
Zはメチル、C
1~C
3ハロアルキル(CH
2F、CHF
2、CF
3、CH
2CF
3、CH
2CHF
2、CH
2CH
2F、CF
2CH
3、CF
2CF
3及びCH
2Cl等のC
1~3フルオロアルキル及びC
1~3クロロアルキルを含む)、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
1~C
3ヒドロキシアルキル及びハロゲン(Cl及びFを含む)から選択され、代替的な実施形態では、ZはC
1~4アルキルであり、
R
40はH、C
1~3アルコキシ、C
1~3アルキル、N
3、CN及びハロゲン(Cl及びFを含む)から選択され、
R
41はH、C
1~3アルキル(メチルを含む)及びハロゲン(Cl、F及びBrを含む)から選択され、
R
42a及びR
42bはC
1~3アルキル(メチルを含む)、NH
2、H、-NR
8R
9及び-C(O)NR
8R
9から選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4a、R
4b及びR
5は、本明細書で定義される通りである)の化合物の使用を含む。
一実施形態では、本発明はまた、式VIIa、式VIIb、式VIIc、及び式VIId:
の化合物を含む。
式VIIの一実施形態では、ZはCH
3であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはCH
3であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはCH
3であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはCH
3であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはCH
3であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはCH
3であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつBは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはCH
3であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつBは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはCH
3であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはCH
3であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはCH
3であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはClであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはCH
2Fであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはCH
2Fであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはCH
2Fであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはCH
2Fであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはCH
2Fであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはCH
2Fであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはCH
2Fであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはCH
2Fであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはCH
2Fであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはCH
2Fであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはCHCH
2であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはCHCH
2であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはCHCH
2であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはCHCH
2であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはCHCH
2であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはCHCH
2であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはCHCH
2であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはCHCH
2であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはCHCH
2であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはCHCH
2であり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはCCHであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40は水素であり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R1はC1~6アルキルであり、かつ、R7はNH2である。更なる実施形態では、R1はメチルであり、かつ、R7はNH2である。
式VIIaの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキルであり、かつ、R42aはNH2である。更なる実施形態では、R41はメチルであり、かつ、R42aはNH2である。
式VIIbの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはHであり、かつ、R42bはメチルである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIcの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aはNH2であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NR8R9であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはC1~6アルキル又はHである。更なる実施形態では、R41はC1~6アルキル又はHであり、R42aは-NHCH3であり、かつ、R42bはNH2である。
式VIIdの一実施形態では、ZはFであり、YはFであり、R
1はメチルであり、R
2はアリールであり、R
3は水素であり、R
4aは水素であり、R
4aはC
1~C
4アルキルであり、R
5はC
1~C
6アルキルであり、R
6は水素であり、R
40はシアノ又はニトロであり、かつ、Bは、
である。
更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はハロゲンであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NR8R9である。更なる実施形態では、R41はBrであり、かつ、R42aは-C(O)NHCH3である。
式VIIの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
本発明はまた、本明細書に記載される治療又は予防を必要とする宿主においてCOVID-19疾患を治療又は予防するための、R
10がモノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート又はR
10Aであり、R
10Aがin vivoでモノホスフェート、ジホスフェート又はトリホスフェートへと代謝される安定化ホスフェートプロドラッグである式VIII、式IX又は式X:
(式中、
R
10は、
及びR
10Aから選択され、
R
10Aは、in vivoでモノホスフェート、ジホスフェート又はトリホスフェートへと代謝される安定化ホスフェートプロドラッグであり、
R
11は水素及びR
1から選択され、
R
1はC
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル及び-C(O)C
1~C
6アルキルから選択される)の化合物の使用を含む。
本発明はまた、式XI及び式XII:
(式中、
R
12a及びR
12bは酸素保護基であり、R
12a及びR
12bの少なくとも一方が-C(O)OC
1~6アルキル、例えば-C(O)OtBu又は-C(O)O-ベンジルであり、ここで、アルキル及びベンジル基はアルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ブロモ、クロロ、フルオロ、アジド及びハロアルキルから選択される置換基で任意に置換されていてもよい)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む。
一実施形態では、R12aは-C(O)OC1~6アルキル又は-C(O)O-ベンジルであり、R12bは、酸素に付着する場合にエステル、エーテル又はシリルエーテル部分である酸素保護基である。代替的な実施形態では、R12bは-C(O)OC1~6アルキル又は-C(O)O-ベンジルであり、R12aは、酸素に付着する場合にエステル、エーテル又はシリルエーテル部分である酸素保護基である。一実施形態では、R12a及びR12bは、どちらも-C(O)OC1~6アルキル、例えば-C(O)OtBuである。一実施形態では、R12a及びR12bは、どちらも-C(O)O-ベンジルである。
一実施形態では、式XIIの化合物は式XIIA:
である。
一実施形態では、式XIIの化合物は式XIIB:
である。
例えば、酸素に付着する場合の保護基は、エステル部分、例えばベンゾエート、アセテートであり得る。一実施形態では、酸素に付着する場合の酸素保護基は、シリルエーテル部分(例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS又はTBS)又はtert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS))である。一実施形態では、酸素に付着する場合の酸素保護基は、エーテル部分、例えばメチルエーテル、メトキシメチルエーテル又はベンジルエーテルである。これらの保護基は、ヒドロキシルの保護のために、Theodora W. Green, Protective Groups in Organic Synthesis, Third Edition, John Wiley & Sons (1999)(引用することにより本明細書の一部をなす)に記載される手順の1つに従って導入することができる。例えば、酸素に付着する場合の酸素保護基がエステル部分である場合、式XI又は式XIIの化合物を、149頁~178頁の文中に記載される条件に従って調製することができ、酸素に付着する場合の酸素保護基がシリルエーテル部分である場合、式XI又は式XIIの化合物を、113頁~147頁の文中に記載される条件に従って調製することができる。一実施形態では、保護基はtert-ブチルジメチルシリル(TBS)基である。TBS基は、128頁の文中及びOgilvie et al. Can. J. Chem. 1979, 57, 2230に記載される条件を用いて第二級アルコールに対して第一級アルコールに選択的に導入される。これらの条件としては、25℃でのDMF中のTBSCl、DMAP及びNEt3の使用が挙げられる。
酸素に付着する場合の追加の保護基の非限定的な例としては、ブロモ安息香酸、p-メトキシベンジルオキシメチルエーテル(MPBM)、o-ニトロベンジルオキシメチルエーテル(NBOM)、p-ニトロベンジルオキシメチルエーテル、t-ブトキシメチルエーテル、2,2,2-トリクロロエトキシメチルエーテル、3-ブロモテトラヒドロピラニルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、テトラヒドロチオピラニルエーテル、1-メトキシシクロヘキシルエーテル、1,4-ジオキサン-2-イルエーテル、テトラヒドロフラニルエーテル、テトラヒドロチオフラニルエーテル、置換フェニルエーテル、2-ピコリルエーテル、4-ピコリルエーテル、1,3-ベンゾジチオラン-2-イルエーテル、p-クロロフェノキシ酢酸エステル、3-フェニルプロピオン酸エステル、p-フェニル安息香酸エステル、アルキルp-ニトロフェニルカルボニル、アルキルベンジルカルボニル、アルキルp-メトキシベンジルカルボニル、アルキルo-ニトロベンジルカルボニル及びアルキルp-ニトロベンジルカルボニルも挙げられる。
R
12a及びR
12bの非限定的な例としては、
が挙げられる。
式XI及び式XIIの化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
幾つかの実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式IX、式X又は式XIIIの化合物、例えば化合物1A、化合物1B、化合物2A、化合物2B、化合物3A、化合物3B、化合物4A又は化合物4Bは、反対のリンエナンチオマーを少なくとも90%含まない形態で使用され、反対のリンエナンチオマーを少なくとも98%、99%又は更には100%含まなくてもよい。
化合物1(イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート)は以前に、Atea Pharmaceuticalsに譲渡された米国特許第9,828,410号、同第10,000,523号、同第10,005,811号、同第10,239,911号、同第10,815,266号、同第10,870,672号、同第10,870,673号、同第10,875,885号及び同第10,874,687号、米国特許出願公開第2019-0201433号及び米国特許出願公開第2020-0222442号、並びに国際公開第2016/144918号、国際公開第2018/048937号、国際公開第2019/200005号及び国際公開第2020/117966号に記載されている。化合物1の合成を下記実施例1に記載する。
化合物2は以前に、Atea Pharmaceuticalsに譲渡された米国特許第10,519,186号、同第10,906,928号、同第10,894,804号及び同第10,874,687号、並びに国際公開第2018/144640号、国際公開第2019/200005号及び国際公開第2020/117966号に開示されている。化合物2Aは、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)を阻害することによってC型肝炎ウイルス(HCV)の臨床分離株に対する強力なin vitro活性を示した(Good, S.S. et al. PLoS ONE 15(1), e0227104 (2020))。化合物2Aは、第1b相研究(Berliba, E. et al. Antimicrob. Agents Chemther. 63, e011201-19 (2020))及び第2相臨床試験(Mungar, Q. et al. EASL abstract (2020))において評価されている。後者の研究では、化合物2Aは、HCVに感染した被験体において最長12週間にわたって安全かつ耐容性良好であり、高い有効率を達成した。
化合物2(イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートのヘミ硫酸塩)の合成を下記実施例1に記載する。
一実施形態では、化合物2は、その薬学的に許容可能な組成物又は固体剤形で提供される。
化合物2の調製のための非限定的なプロセスの例は、
(i)化合物1をフラスコ又は容器内の有機溶媒、例えばアセトン、酢酸エチル、メタノール、アセトニトリル又はエーテル等に溶解する第1の工程と、
(ii)第2のフラスコ又は容器に、工程(i)の有機溶媒と同じであっても又は異なっていてもよい第2の有機溶媒を投入し、任意に第2の溶媒を0℃~10℃に冷却し、H2SO4を第2の有機溶媒に滴加して、H2SO4/有機溶媒混合物を作り出すこと(溶媒は、例えばメタノールであり得る)と、
(iii)工程(ii)のH2SO4/溶媒混合物を0.5/1.0のモル比で工程(i)の化合物1の溶液に、周囲温度又は僅かに高い若しくは低い温度(例えば23℃~35℃)で滴加することと、
(iv)工程(iii)の反応物を、化合物2の沈殿が形成されるまで、例えば周囲温度又は僅かに高い若しくは低い温度で撹拌することと、
(v)任意に、工程(iv)から得られる沈殿を濾過し、有機溶媒で洗浄することと、
(vi)得られる化合物2を真空にて、任意に高温、例えば55℃、56℃、57℃、58℃、59℃又は60℃で任意に乾燥させることと、
を含む。
一実施形態では、工程(iii)の溶媒はアルコール、例えばメタノール、エタノール又はイソプロピルアルコールである。一実施形態では、工程(iii)の溶媒はアルキルエステル、例えば酢酸エチルである。
スキーム1に式Iの化合物の代謝経路を提示する。代謝経路は、代謝産物1-1を形成するホスホロアミデート(化合物1)の最初の脱エステル化を含み、代謝産物1-1は、代謝産物1-2へと自然に分解される。代謝産物1-2は、次にN
6-メチル-2,6-ジアミノプリン-5’-モノホスフェート誘導体(代謝産物1-3)へと変換され、これが次に遊離5’-ヒドロキシル-N
6-メチル-2,6-ジアミノプリンヌクレオシド(代謝産物1-8)及び5’-モノホスフェートとしての((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)メチル二水素ホスフェート(代謝産物1-4)へと代謝される。代謝産物1-4は、対応するジホスフェート(代謝産物1-5)及び続いて活性トリホスフェート誘導体(代謝産物1-6)へと同化される。5’-トリホスフェートは更に代謝され、2-アミノ-9-((2R,3R,4R,5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン(1-7)を生成し得る。代謝産物1-7は、血漿中で測定可能であるため、血漿中で測定可能でない活性トリホスフェート(1-6)のサロゲートとなる。
定義
「患者」又は「宿主」又は「被験体」は、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19の治療又は予防を必要とするヒト又は非ヒト動物である。通例、宿主はヒトである。「患者」又は「宿主」又は「被験体」は、例えば哺乳動物、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、鳥類、コウモリ等も指す。
「予防(prophylactic)」又は「阻止(preventative)」という用語は、使用された場合、COVID-19の発生若しくは再発の可能性を防ぎ、減少させるか、又はかかる治療を行わない場合に発生する感染と比べて新たな感染を最小限に抑えるための活性化合物の投与を指す。本発明は、治療及び予防療法又は阻止療法の両方を含む。一実施形態では、活性化合物は、COVID-19に曝露されたため、COVID-19の感染のリスクがある宿主に投与される。別の代替的な実施形態では、有効量の本明細書に記載される化合物の1つを、旅行時又は公共イベント又は会議を含む、感染の可能性がある人混みへの曝露の前に十分な長さの期間(例えば伝染性状況の前に最長3日間、5日間、7日間、10日間、12日間、14日間又はそれ以上を含む)にわたって、ヒトに投与することを含む、伝播を阻止する方法が提供される。
「同時投与する」、「同時投与」又は「併用」という用語は、少なくとも1つの他の抗ウイルス活性剤と組み合わせた、本発明による式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の投与を記載するために使用される。同時投与のタイミングは、患者を治療する専門医によって最適に決定される。時には、作用物質が同時に投与されることが好ましい。代替的には、併用療法に対して選択された薬物は、異なる時に患者に投与されてもよい。もちろん、2以上のウイルス若しくは他の感染、又は他の病状が存在する場合、本発明の化合物を必要に応じて他の感染又は病状を治療するために他の作用物質と組み合わせてもよい。
「薬学的に許容可能な塩」は、開示された化合物の誘導体であって、親化合物が過度の毒性を有しないその無機及び有機の酸付加塩又は塩基付加塩に変性されている、誘導体である。本発明の化合物の塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分又は酸性部分を有する親化合物から合成され得る。一般にそのような塩は、これらの化合物の遊離酸形を化学量論量の適切な塩基(例えば、Na、Ca、Mg又はKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等)と反応させることによって又はこれらの化合物の遊離塩基形を化学量論量の適切な酸と反応させることによって調製され得る。そのような反応は、典型的には、水中又は有機溶媒中、又はそれら2つの混合物中で行われる。一般に、実施可能であれば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性媒体が典型的である。本発明の化合物の塩は、任意に溶媒和物の形で提供され得る。
薬学的に許容可能な塩の例として、限定されるものではないが、アミン等の塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩、カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩又は有機塩等が挙げられる。薬学的に許容可能な塩には、例えば過度に毒性でない無機酸又は有機酸から形成される親化合物の慣用の塩及び第四級アンモニウム塩が含まれる。例えば、酸塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等の無機酸から誘導される塩、並びに酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、メシル酸、エシル酸、ベシル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、HOOC-(CH2)n-COOH(ここで、nは0~4である)等の有機酸から又は同じ対イオンを生成する異なる酸を使用して調製された塩が含まれる。追加の適切な塩のリストは、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., p. 1418 (1985)に見出すことができる。
化合物は、望ましい結果を与える塩の任意のモル比で送達され得る。例えば、化合物は、モル当量より少ない対イオンと一緒に、例えばヘミ硫酸塩の形で提供され得る。代替的には、化合物は、モル当量より多くの対イオンと一緒に、例えば二硫酸塩の形で提供され得る。化合物と対イオンとのモル比の非限定的な例として、1:0.25、1:0.5、1:1、及び1:2が挙げられる。
「アルキル」は、直鎖の又は分岐した飽和脂肪族炭化水素基である。或る特定の実施形態では、アルキルはC1~C2、C1~C3、C1~C4、C1~C5又はC1~C6である(すなわち、アルキル鎖は1、2、3、4、5又は6炭素長であり得る)。本明細書で使用される指定範囲は、独立した種として記載される範囲の各成員の長さを有するアルキル基を示す。例えば、本明細書で使用されるC1~C6アルキルは、1個、2個、3個、4個、5個又は6個の炭素原子を有するアルキル基を示し、これらの各々が独立した種として記載されることを意味することを意図し、本明細書で使用されるC1~C4アルキルは、1個、2個、3個又は4個の炭素原子を有するアルキル基を示し、これらの各々が独立した種として記載されることを意味することを意図する。アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメチルブタン、及び2,3-ジメチルブタンが挙げられるが、これらに限定されない。
「シクロアルキル」は、飽和した単環炭化水素環系である。シクロアルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
「アルケニル」は、隣接する炭素原子間の少なくとも1つの二重結合、及び本明細書で別途記載されるアルキル基に類似の構造を含む非芳香族炭化水素基を指す。例えば、アルケニル基は、4個の炭素原子(すなわち、C2~C4アルケニル)を有してもよい。好適なアルケニル基の例としては、エテニル、すなわち、ビニル(-CH=CH2)、アリル(-CH2CH=CH2)、1-ブテニル(-C=CH-CH2CH3)、及び2-ブテニル(-CH2CH=CHCH2)が挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキニル」という用語は、隣接する炭素原子間の少なくとも1つの三重結合、及び本明細書で別途記載されるアルキル基に類似の構造を含む非芳香族炭化水素基を指す。例えば、アルキニル基は、2個~4個の炭素原子(すなわち、C2~C4アルキニル)を有してもよい。アルキニル基の例としては、エチニル及びプロパルギルが挙げられるが、これらに限定されない。
「アリール」は、芳香環(単数又は複数)に炭素のみを含む芳香族基を示す。一実施形態では、アリール基は、1つ~3つの別個の又は縮合した環を含み、環原子数6~約14又は18であり、環員としてヘテロ原子を含まない。アリール基としては、例えばフェニル、並びに1-ナフチル及び2-ナフチルを含むナフチルが挙げられる。一実施形態では、アリール基はペンダントである。ペンダント環の一例は、フェニル基で置換されたフェニル基である。一実施形態では、アリール基は上記のように任意に置換される。一実施形態では、アリール基としては、例えばジヒドロインドール、ジヒドロベンゾフラン、イソインドリン-1-オン及びインドリン-2-オンが挙げられる。
「アリール(アルキル)-」は、本明細書に記載のアリール基で置換された本明細書に記載のアルキル基である。例えば、アリール(CH2)-はベンジルである。アリール(アルキル)-の例としては、ベンジル、2-フェニル(アルキル)、3-フェニル(アルキル)、及びナフチル(アルキル)が挙げられる。
「ヘテロアリール」は、N、O、S、B及びPから選択される(通例、N、O及びSから選択される)1個~3個、若しくは幾つかの実施形態では1個、2個若しくは3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である安定した単環式、二環式若しくは多環式芳香環、又はN、O、S、B若しくはPから選択される1個~3個、若しくは幾つかの実施形態では1個若しくは2個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、少なくとも1つの5員、6員若しくは7員の芳香環を含む安定した二環系若しくは三環系を指す。一実施形態では、唯一のヘテロ原子が窒素である。一実施形態では、唯一のヘテロ原子が酸素である。一実施形態では、唯一のヘテロ原子が硫黄である。単環式ヘテロアリール基は通例、5個又は6個の環原子を有する。ヘテロアリール基中のS及びO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しない。ヘテロアリール基の例としては、ピリジニル(例えば、2-ヒドロキシピリジニルを含む)、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル(例えば、4-ヒドロキシピリミジニルを含む)、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、テトラヒドロフラニル、及びフロピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアルキル」という用語は、CH2基がヘテロ原子に置き換えられた、又は炭素原子がヘテロ原子、例えばアミン、カルボニル、カルボキシ、オキソ、チオ、ホスフェート、ホスホネート、窒素、リン、ケイ素若しくはホウ素で置換された、本明細書で定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル又はハロアルキル部分を指す。一実施形態では、唯一のヘテロ原子が窒素である。一実施形態では、唯一のヘテロ原子が酸素である。一実施形態では、唯一のヘテロ原子が硫黄である。一実施形態では、「ヘテロアルキル」は、1個~6個の炭素原子を有するヘテロ脂肪族(heteroaliphatic)基(環式、非環式、置換、非置換、分岐又は非分岐)を示すために使用される。
ホスホロアミデートという用語は、本明細書全体を通してヌクレオシドのフラノース環の5’位の部分を記載するために使用され、リン原子が5’-O-結合を介して連結し、また、リンが少なくとも1つの窒素に共有結合し、P-N結合を形成する、ヌクレオシド化合物のプロドラッグ形態を形成する。幾つかの実施形態では、リンは、天然又は合成アミノ酸(エステルの形態であってもよい)のアミノ部分に共有結合的に連結する。本発明に使用されるホスホロアミデート基としては、例えば構造:
のものが挙げられる。
本発明に使用される他のホスホロアミデートとしては、構造:
(式中、
R
P1は任意に置換された線状、分岐状若しくは環状アルキル基、又は任意に置換されたアリール、ヘテロアリール若しくは複素環基、又は連結したそれらの組合せであり、
R
P2は-NR
N1R
N2基又はB’基であり、
ここで、
R
N1及びR
N2は、各々独立してH、C
1~8アルキル、(C
3~C
7シクロアルキル)C
0~C
4アルキル-、(アリール)C
0~C
4アルキル-、(C
3~C
6ヘテロシクロ)C
0~C
4アルキル-又は(ヘテロアリール)C
0~C
4アルキル-であり、任意に置換されていてもよく、又は、
R
N1及びR
N2は、それらが付着する窒素原子と接合して3員~7員の複素環を形成し、
B’は、
基であり、
ここで、
R
13は水素、(C
1~C
8)アルキル、(C
2~C
8)アルケニル、(C
2~C
8)アルキニル、(C
3~C
8シクロアルキル)C
0~C
4アルキル-、(アリール)C
0~C
4アルキル-、(C
3~C
6ヘテロシクロ)C
0~C
4アルキル-、(ヘテロアリール)C
0~C
4アルキル-、若しくはアミノ酸の側鎖、例えばアラニン、β-アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン若しくはチロシンからなる群から選択されることが多いアミノ酸の側鎖(本明細書で別途記載される)であり(多くの場合、R
13は水素、メチル、イソプロピル又はイソブチルである)、
R
14は水素、(C
1~C
8)アルキル、(C
2~C
8)アルケニル、(C
2~C
8)アルキニル、(C
3~C
8シクロアルキル)C
0~C
4アルキル-、(アリール)C
0~C
4アルキル-、(C
3~C
6ヘテロシクロ)C
0~C
4アルキル-、(ヘテロアリール)C
0~C
4アルキル-、若しくはアミノ酸の側鎖、例えばアラニン、β-アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン若しくはチロシンからなる群から選択されることが多いアミノ酸の側鎖(本明細書で別途記載される)であり(多くの場合、R
14は水素、メチル、イソプロピル又はイソブチルである)、
R
15は水素若しくはC
1~C
3アルキルであるか、又は、
R
13及びR
14は、(C
3~C
7)シクロアルキル若しくは(C
3~C
7)複素環基を形成してもよく、又は、
R
13及びR
14若しくはR
16は、(C
3~C
6)複素環基を形成してもよく、
R
16は水素、(C
1~C
6)アルキル、(C
3~C
6)アルケニル、(C
3~C
6)アルキニル、(C
3~C
8シクロアルキル)C
0~C
4アルキル、(アリール)C
0~C
4アルキル-、(C
3~C
6ヘテロシクロ)C
0~C
4アルキル-、(ヘテロアリール)C
0~C
4アルキル-である)のものが挙げられる。
好ましいRP1基としては、任意に置換されたフェニル、ナフチル及び単環式ヘテロアリール基、特に患者の細胞において化合物の生物学的利用能を増強し、毒性の減少、治療指数の増強及び薬物動態の増強(化合物がよりゆっくりと代謝され、排出される)を示す基(特に親油基)が挙げられる。
安定化ホスフェートプロドラッグ
安定化ホスフェートプロドラッグはモノホスフェート、ジホスフェート又はトリホスフェートをin vivoで送達することができる部分である。例えば、McGuiganは、米国特許第8,933,053号、同第8,759,318号、同第8,658,616号、同第8,263,575号、同第8,119,779号、同第7,951,787号及び同第7,115,590号においてホスホルアミデートを開示した。Aliosは、引用することによって本明細書の一部をなす米国特許第8,895,723号及び同第8,871,737号においてチオホスホルアミデートを開示した。またAliosは、引用することによって本明細書の一部をなす米国特許第8,772,474号において環状ヌクレオチドを開示した。Idenixは、引用することによって本明細書の一部をなす国際公開第2013/177219号において環状ホスホルアミデート及びホスホルアミデート/SATE誘導体を開示した。またIdenixは、引用することによって本明細書の一部をなす国際公開第2013/039920号において置換されたカルボニルオキシメチルホスホルアミデート化合物を開示した。Hostetlerは脂質ホスフェートプロドラッグを開示した。例えば、米国特許第7,517,858号を参照されたい。またHostetlerは、ホスホネートプロドラッグの脂質複合体を開示した。例えば、米国特許第8,889,658号、同第8,846,643号、同第8,710,030号、同第8,309,565号、同第8,008,308号、及び同第7,790,703号を参照されたい。エモリー大学は、国際公開第2014/124430号においてヌクレオチドスフィンゴイド及び脂質誘導体を開示した。RFS Pharmaは、国際公開第2010/091386号においてプリンヌクレオシドモノホスフェートプロドラッグを開示した。また、Cocrystal Pharma Inc.は、引用することにより本明細書の一部をなす、米国特許第9,173,893号においてプリンヌクレオシドモノホスフェートプロドラッグを開示した。HepDirect(商標)技術は、"Design, Synthesis, and Characterization of a Series of Cytochrome P(450) 3A-Activated Prodrugs (HepDirect Prodrugs) Useful for Targeting Phosph(on)ate-Based Drugs to the Liver,"(J. Am. Chem. Soc. 126, 5154-5163 (2004)の論文において開示された。更なるホスフェートプロドラッグとしては、リン酸エステル、CycloSALを含む3’,5’-環状ホスフェート、SATE誘導体(S-アシル-2チオエステル)プロドラッグ、及びDTE(ジチオジエチル)プロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。非限定的な例を開示する文献の総説については、A. Ray and K. Hostetler, "Application of kinase bypass strategies to nucleoside antivirals," Antiviral Research (2011)277-291、M. Sofia, "Nucleotide prodrugs for HCV therapy," Antiviral Chemistry and Chemotherapy 2011; 22-23-49、及びS. Peyrottes et al., "SATE Pronucleotide Approaches: An Overview," Mini Reviews in Medicinal Chemistry 2004, 4, 395を参照されたい。一実施形態では、これらの特許出願又は文献のいずれかに記載される5’-プロドラッグを、提示される化合物のR10A位に使用することができる。
代替的な一実施形態では、安定化ホスフェートプロドラッグとしては、調製プロセスについて記載されるものを含む、米国特許第9,173,893号及び米国特許第8,609,627号(引用することにより本明細書の一部をなす)に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、5’-プロドラッグは、基:
(式中、
ZはO又はSであり、
R
17及びR
18は、in vivoで投与した場合に、ヌクレオシドモノホスフェート、ジホスフェート又はトリホスフェートをもたらすことが可能である)によって表すことができる。代表的なR
12及びR
13は、独立して以下のものから選択される:
(a)OR
19、ここで、R
19はH、Li、Na、K、フェニル及びピリジニルから選択され、ここで、フェニル及びピリジニルは、(CH
2)
0~6CO
2R
20及び(CH
2)
0~6CON(R
20)
2からなる群から独立して選択される1つ~3つの置換基で任意に置換され、
R
20は独立してH、C
1~20アルキル、脂肪アルコール(オレイルアルコール、オクタコサノール、トリアコンタノール、リノレイルアルコール等)に由来する炭素鎖、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)-アミノ、フルオロ、C
3~10シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニル等のアリール、ピリジニル等のヘテロアリール、置換アリール若しくは置換ヘテロアリールで置換されたC
1~20アルキルであり、ここで、置換基はC
1~5アルキル、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)-アミノ、フルオロ、C
3~10シクロアルキル若しくはシクロアルキルで置換されたC
1~5アルキルである;
(b)
(c)D-アミノ酸又はL-アミノ酸のエステル:
(式中、
R
21は、天然L-アミノ酸に生じる側鎖に限定され、
R
22はH、C
1~20アルキル、脂肪アルコール(オレイルアルコール、オクタコサノール、トリアコンタノール、リノレイルアルコール等)に由来する炭素鎖、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)-アミノ、フルオロ、C
3~10シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニル等のアリール、ピリジニル等のヘテロアリール、置換アリール若しくは置換ヘテロアリールで置換されたC
1~20アルキルであり、ここで、置換基はC
1~5アルキル、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)-アミノ、フルオロ、C
3~10シクロアルキル若しくはシクロアルキルで置換されたC
1~5アルキルである);
(d)R
17及びR
18は共に環:
(式中、
R
23はH、C
1~20アルキル、C
1~20アルケニル、脂肪アルコール(オレイルアルコール、オクタコサノール、トリアコンタノール、リノレイルアルコール等)に由来する炭素鎖、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)-アミノ、フルオロ、C
3~10シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニル等のアリール、ピリジニル等のヘテロアリール、置換アリール若しくは置換ヘテロアリールで置換されたC
1~20アルキルであり、ここで、置換基はC
1~5アルキル、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)-アミノ、フルオロ、C
3~10シクロアルキル若しくはシクロアルキルで置換されたC
1~5アルキルである)を形成してもよい;
(e)R
17及びR
18は共に、
(式中、
R
24はH、C
1~20アルキル、C
1~20アルケニル、脂肪酸(オレイン酸、リノール酸等)に由来する炭素鎖、及び低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)-アミノ、フルオロ、C
3~10シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニル等のアリール、ピリジニル等のヘテロアリール、置換アリール又は置換ヘテロアリールで置換されたC
1~20アルキルであり、ここで、置換基はC
1~5アルキル、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)-アミノ、フルオロ、C
3~10シクロアルキル若しくはシクロアルキルで置換されたC
1~5アルキルであり、
R
25はO又はNHである)から選択される環を形成してもよい。
代替実施形態では、3’,5’-プロドラッグは、
(式中、
キラリティーがリンの中心に存在する場合、これは完全若しくは部分的にR
p若しくはS
p、又はそれらの任意の混合物であってもよく、片方のエナンチオマーに富んでいてもよく、
R
26はOR
19、
及び誘導される脂肪アルコール(例えば、限定されるものではないが、リノレイル-O-及びオレイル-O-)から選択され、
R
11はR
1及び水素から選択され、
R
1、R
21、R
22及びR
19は本明細書で定義される通りである)によって表すことができる。
同位体置換
本発明は、化合物が同位体の天然存在度を超える量での所望の原子の同位体置換を有する、すなわち濃縮された、有効量の式I(例えば化合物1、1A又は1Bを含む)、式II(例えば化合物3、3A又は3Bを含む)、式III(例えば式IIIa、式IIIb、式IIIc、式IIId、式IIIe又は式IIIfの化合物を含む)、式IV(例えば式IVa、式IVb、式IVc、式IVd、式IVe又は式IVfの化合物を含む)、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式Xの化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を含む。同位体は、同じ原子番号であるが、異なる質量数を有する、すなわち同数の陽子であるが中性子の数が異なる原子である。一般的な例として、またこれに限定されず、例えば、水素の同位体である重水素(2H)及びトリチウム(3H)を、記載される構造の任意の場所に使用してもよい。代替的には、又は追加的には、炭素の同位体、例えば13C及び14Cを使用してもよい。典型的な同位体置換の一例は、薬物の性能を改善するため、分子上の1以上の位置における水素の重水素への置換である。重水素は、代謝中に結合切断の位置で(α-重水素速度同位体効果)、又は結合切断部位に隣接して若しくはその部位近くに(β-重水素速度同位体効果)結合され得る。Achillion Pharmaceuticals, Inc.(国際公開第2014/169278号、及び国際公開第2014/169280号)は、分子の5位を含む、それらの薬物動態又は薬効を改善するためのヌクレオチドの重水素化を記載する。
重水素等の同位体による置換は、例えばin vivo半減期の増加、又は必要な投薬量の減少等のより大きな代謝安定性に起因する特定の治療上の利点を与えることができる。代謝性分解の部位における水素の重水素への置換は、その結合において代謝の速度を減少させるか、又は代謝を排除することができる。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、プロチウム(1H)、重水素(2H)及びトリチウム(3H)を含む水素の任意の同位体であってもよい。したがって、文脈に明確な別段の指示がない限り、本明細書における化合物に対する参照は、全ての可能性のある同位体の形態を包含する。
「同位体標識化」アナログという用語は、「重水素化アナログ」、「13C標識化アナログ」又は「重水素化/13C標識化アナログ」であるアナログを指す。「重水素化アナログ」という用語は、本明細書に記載される化合物、H-同位体、すなわち水素/プロチウム(1H)が、H-同位体、すなわち重水素(2H)によって置換されることを意味する。重水素置換は、部分的であってもよく、完全であってもよい。部分的な重水素置換は、少なくとも1つの水素が少なくとも1つの重水素によって置換されることを意味する。
或る特定の実施形態では、同位体は任意の目的の位置の同位体中に90%、95%又は99%以上に濃縮される。幾つかの実施形態では、所望の位置で90%、95%又は99%に濃縮されるのは重水素である。これに反する指定がなければ、重水素化は選択された位置において少なくとも80%である。ヌクレオシドの重水素化が、所望の結果を提供する任意の置換可能な水素において起こる場合がある。
一実施形態では、任意に薬学的に許容可能な担体中の式XIII:
(式中、
R
6は水素、-C(O)R
6A、-C(O)OR
6A、C
1~6アルキル及び-CH
2-O-R
6Aから選択され、
R
6は水素、-C(O)R
6A、-C(O)OR
6A、C
1~6アルキル及び-CH
2-O-R
6A、代替的な実施形態では、-C(O)NR
6BR
6Cから選択され、
R
6Aは水素、C
1~6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル(例えば-CHCl
2、-CCl
3、-CH
2Cl、-CF
3、-CHF
2、-CH
2F)、アリール及びアリール(C
1~6アルキル)-から選択され、ここで、アリール基はアルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ブロモ、クロロ、フルオロ、アジド及びハロアルキルから選択される置換基で任意に置換され、代替的な実施形態では、R
6AはC
1~20アルキル及びC
2~20アルケニルから選択され、
R
6B及びR
6Cは独立して水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから選択され、ここで、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルは、アルコキシ(メトキシ及びエトキシを含むが、これらに限定されない)、ヒドロキシ、ニトロ、ブロモ、クロロ、フルオロ、アジド及びハロアルキルから選択される少なくとも1つの置換基で任意に置換されていてもよく、
R
30はCH
3、CD
3、CHD
2又はCH
2Dであり、
R
31はNH
2若しくはD、又は代替的な実施形態では、CD
3であり、
R
32はCH
3、CD
3、CHD
2又はCH
2Dであり、
YはF及びClから選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4a、R
4b及びR
5は本明細書で定義される通りである)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、本明細書に記載される治療又は予防を必要とする宿主においてSARS-CoV-2によって引き起こされるCOVID-19疾患を治療又は予防するために使用される。
例えば、式XIII化合物の非限定的な例としては、
が挙げられる。
式XIIIの化合物の追加の例としては、
が挙げられる。
治療方法又は予防法
治療は、本明細書で使用される場合、SARS-CoV-2ウイルスに感染している又は感染する可能性がある宿主、例えばヒトへの有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の投与を指す。一実施形態では、治療方法は、有効量の化合物1A若しくは化合物3A、又はその薬学的に許容可能な塩、例えば化合物2A又は化合物4Aの投与を含む。一実施形態では、治療方法は、有効量の化合物1B若しくは化合物3B、又はその薬学的に許容可能な塩、例えば化合物2B又は化合物4Bの投与を含む。
本発明は、予防療法又は阻止療法も含む。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、SARS-CoV-2ウイルスに曝露されたため、SARS-CoV-2ウイルスによる感染のリスク又は再感染のリスクがある宿主に投与する。予防的治療は、例えばSARS-CoV-2に未だ曝露されていない又は感染していないが、COVID-19にかかりやすいか、又は他の点でCOVID-19による曝露若しくは感染のリスクがある被験体に対して行うことができる。一実施形態では、感染又は再感染のリスクがある宿主に式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を曝露のリスクが存在しなくなるまで無期限に投与する。
別の代替的な実施形態では、ヒトが感染しているため、又は伝染性状況での感染者からの感染を防ぐために、有効量の本明細書に記載される化合物の1つを、旅行時又は公共イベント又は会議を含む、感染の可能性がある人混みへの曝露の前に十分な長さの期間(例えば伝染性状況の前に最長3日間、5日間、7日間、10日間、12日間、14日間又はそれ以上を含む)にわたって、ヒトに投与することを含む、伝播を阻止する方法が提供される。
一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、感染後少なくとも2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月若しくは6ヶ月、又はそれ以上にわたって有効量で投与する。
本発明は、薬剤耐性及び多剤耐性型のウイルス、並びにウイルス感染の関連病態、病状又は合併症を含むCOVID-19を治療する方法に関するものであり、これには2019新型コロナウイルス感染肺炎(NCIP)等の肺炎、急性肺損傷(ALI)及び急性呼吸促迫症候群(ARDS)が含まれる。付加的な非限定的な合併症としては、低酸素性呼吸不全、急性呼吸不全(ARF)、急性肝損傷、急性心損傷、急性腎損傷、敗血性ショック、播種性血管内凝固症候群、血栓、多系統炎症性症候群、慢性疲労、横紋筋融解症及びサイトカインストームが挙げられる。
上記方法はまた、有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、任意に少なくとも1つの付加的な生物活性剤、例えば付加的な抗ウイルス剤と組み合わせ、更に任意に薬学的に許容可能な担体添加剤及び/又は賦形剤と組み合わせて、それを必要とする宿主、通例ヒトに投与することを含む。
一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の、それを必要とする患者への投与は、下記の呼吸補助方法の6段階の階層レベルを用いた、十分な酸素供給(SpO2≧93%)を維持するのに必要とされる呼吸補助方法における1段階以上又は更には2段階以上の上昇によって測定される、進行性呼吸機能不全(PRI)の発生率の低下をもたらす。
呼吸補助レベルの上昇の尺度は、以下のものを含む:
レベル1:O2補給を必要としない室内気での正常な酸素供給(SpO2≧93%)
レベル2:SpO2≧93を維持するために鼻カニューレ又はマスクによる低レベルのO2補給(最大で2L/分)を必要とする室内気での持続的低酸素血症(SpO2≧93)
レベル3:SpO2≧93を維持するために鼻カニューレ又はマスクによる、より高レベルの受動的O2補給(最大で2L/分)を必要とする
レベル4:十分な酸素供給及び/又は換気を維持するために陽圧デバイス、例えば持続気道陽圧(CPAP)若しくは二相性気道陽圧(BiPAP)又は他の非侵襲的陽圧呼吸補助法による酸素供給を必要とする
レベル5:侵襲的呼吸補助(挿管機械換気又はECMO)を必要とする
レベル6:死亡
一実施形態では、PRIの減少は、レベル5からレベル3まで、レベル5からレベル2まで又はレベル5からレベル1までの上昇である。一実施形態では、PRIの減少は、レベル4からレベル2まで又はレベル4からレベル1までの上昇である。一実施形態では、PRIの減少は、レベル3からレベル1までの上昇である。
一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の投与は、臨床的回復(米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の臨床状態の適合順序尺度を用いたNIAID臨床状態尺度の状態6、7又は8)までの平均期間を少なくとも3日、4日、5日又はそれ以上短縮する。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の投与は、臨床状態の適合順序尺度によって測定される改善をもたらす。
全身臨床状態の適合順序尺度の段階は、最も重度の疾患から段階的に低い重症度の疾患へと以下のように定義される:
1. 死亡
2. 侵襲的機械換気又はECMOでの入院
3. 非侵襲的換気又は高流量酸素デバイスでの入院
4. 酸素補給を必要とする入院
5. 酸素補給を必要とせず、継続的な医療(COVID-19関連又はそれ以外)を必要とする入院
6. 酸素補給を必要とせず、COVID-19に対する慎重な医療をそれ以上必要としない入院
7. 入院しないが、活動が制限され、COVID-19の兆候についての慎重な外来診療を要する
8. 入院せず、活動が制限されず、慎重な医療を継続する必要がない
一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の投与は、臨床的回復(米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の臨床状態の適合順序尺度を用いたNIAID臨床状態尺度の状態6、7又は8)までの平均期間を少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日又は少なくとも10日短縮する。
一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した患者の入院期間を短縮する。
一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した患者の鼻及び/又は咽喉においてSARS-CoV-2ウイルスが持続的に検出されなくなるまでの時間を短縮する。
一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の投与は、呼吸不全又は死亡を減少させる。
一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の投与は、少なくとも約5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間又は14日間の治療後に入院患者におけるSARS-CoV-2陽性の患者の割合を低下させる。
別の実施形態では、有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を宿主に投与することによって、治療又は予防を必要とする宿主、通例ヒトにおいてSARS-CoV-2感染を治療又は予防する方法であって、SARS-CoV-2感染が、野生型と比べて自然突然変異又は薬物誘発突然変異を発現しているウイルス変異体によって引き起こされる、方法が提供される。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、エンベロープ(E)タンパク質、膜(M)タンパク質、スパイク(S)タンパク質、nsp1、nsp2、nsp3、nsp4、nsp5、nsp6、nsp7、nsp8、nsp9、nsp10、nsp12、nsp13、nsp14、nsp15、nsp16、ORF1ab、ORF3a、ORF6、ORF7a、ORF7b、ORF8及びORF10から選択されるウイルスタンパク質に自然突然変異又は薬物誘発突然変異を有する。幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、1つ以上の抗ウイルス薬に対して獲得耐性を引き起こす突然変異を有する。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸H69及びV70の欠失を有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸D614Gの欠失を有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸Y144の欠失を有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換N501Yを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換A570Dを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換P681Hを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換T716Iを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換S982Aを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換D1118Hを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF8のタンパク質生成物において、未成熟終止コドン突然変異Q27終止を有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換K417Nを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換E484Kを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換K417Nを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換D215Gを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換A701Vを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換L18Fを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換R246Iを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、アミノ酸242~244で、スパイクタンパク質の欠失を有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換Y453Fを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換I692Vを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換M1229Iを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換N439Kを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換A222Vを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換S477Nを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換A376Tを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp12タンパク質アミノ酸置換P323Lを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp12タンパク質アミノ酸置換Y455Iを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF8タンパク質アミノ酸置換R52Iを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF8タンパク質アミノ酸置換Y73Cを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ヌクレオシド(N)タンパク質アミノ酸置換D3Lを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ヌクレオシド(N)タンパク質アミノ酸置換S235Fを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF1abタンパク質アミノ酸置換T1001Iを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF1abタンパク質アミノ酸置換A1708Dを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF1abタンパク質アミノ酸置換I2230Tを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF1abタンパク質アミノ酸SGF3675~3677の欠失を有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp12タンパク質アミノ酸置換S861Xを有しており、ここで、Xは、任意のアミノ酸である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp12タンパク質アミノ酸置換F480Vを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp12タンパク質アミノ酸置換V557Lを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp12タンパク質アミノ酸置換D484Yを有している。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp12タンパク質アミノ酸置換F480Xを有しており、ここで、Xは任意のアミノ酸である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp12タンパク質アミノ酸置換V557Xを有しており、ここで、Xは任意のアミノ酸である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp12タンパク質アミノ酸置換D484Xを有しており、ここで、Xは任意のアミノ酸である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸69~70の欠失、スパイクタンパク質アミノ酸Y144の欠失、スパイクタンパク質アミノ酸置換N501Y、スパイクタンパク質アミノ酸置換A570D、スパイクタンパク質アミノ酸置換D614G、スパイクタンパク質アミノ酸置換P681H、スパイクタンパク質アミノ酸置換T716I、スパイクタンパク質アミノ酸置換S982A、スパイクタンパク質アミノ酸置換D1118H、及びORF8のタンパク質生成物における未成熟終止コドン突然変異(Q27終止)を含む。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質におけるN501Y、K417N、E484K、D80A、D215G、L18F、及びR246Iのスパイクタンパク質におけるアミノ酸置換、及びスパイクタンパク質のアミノ酸242~244におけるアミノ酸欠失を含む。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、Alm et al., "Geographical and temporal distribution of SARS-CoV-2 clades in the WHO European Region, January to June 2020". Euro Surveillance: Bulletin European Sur les Maladies Transmissibles=European Communicable Disease Bulletin. 25 (32)に記載されるようなSARS-CoV-2クレードO、S、L、V、G、GH又はGRから選択される。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、Guan et al., A genetic barcode of SARS-CoV-2 for monitoring global distribution of different clades during the COVID-19 pandemic. Int J Infect Dis. 2020 Nov; 100: 216-223に記載されるようなSARS-CoV-2クレードG614、S84、V251、I378又はD392から選択される。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、Nextstrain: Genomic epidemiology of novel coronavirus - Global sub-sampling.(https://nextstrain.org/ncovから入手可能)に記載されるようなSARS-CoV-2クレード19A、19B、20A又は20Cから選択される。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、Rambaut et al., Phylogenetic Assignment of Named Global Outbreak LINeages (pangolin). San Francisco: GitHub.(https://github.com/cov-lineages/pangolinから入手可能)、Rambaut et al. A dynamic nomenclature proposal for SARS-CoV-2 lineages to assist genomic epidemiology. Nat Microbiol. 2020 Nov;5(11):1403-1407、Rambaut et al. SARS-CoV-2 lineages.(https://cov-lineages.org/から入手可能)に記載されるようなSARS-CoV-2系統A、B、B.1、B.1.1又はB.1.177から選択される。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸置換D614Gを含む「Cluster 5」変異体である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質アミノ酸69~70の欠失、スパイクタンパク質アミノ酸Y144の欠失、スパイクタンパク質アミノ酸置換N501Y、スパイクタンパク質アミノ酸置換A570D、スパイクタンパク質アミノ酸置換D614G、スパイクタンパク質アミノ酸置換P681H、スパイクタンパク質アミノ酸置換T716I、スパイクタンパク質アミノ酸置換S982A、スパイクタンパク質アミノ酸置換D1118H、及びORF8のタンパク質生成物における未成熟終止コドン突然変異(Q27終止)を含む複数のスパイクタンパク質変化によって定義されるVUI 202012/01(Variant Under Investigation、2020年12月、変異体01)(B.1.1.7系統及び20B/501Y.V1としても知られる)である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ウイルスがヒト細胞により容易に付着することを可能にする、スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)における幾つかの突然変異:N501Y、K417N及びE484K、並びにスパイクタンパク質におけるアミノ酸置換D80A、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換D215G、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A701V、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換L18F、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換R246I、並びにスパイクタンパク質のアミノ酸242~244でのアミノ酸欠失を含むB.1.351系統変異体(501.V2、20C/501Y.V2としても知られる)である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、同様にスパイクタンパク質突然変異N501Y、K417N及びE484Kを含む501Y.V2系統変異体(501Y.V2、20C/20H/501Y.V2としても知られる)である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、N501Y及びE484Kを含むスパイクタンパク質突然変異の10個の突然変異を含むP.1系統変異体(ブラジル(brazil(ian))変異体としても知られる)である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質におけるP681H突然変異を含むB.1.1.207系統変異体である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質におけるH69及びV70のアミノ酸欠失、並びにスパイクタンパク質におけるアミノ酸置換Y453Fを含むデンマークミンク変異体である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質におけるH69及びV70のアミノ酸欠失、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換Y453F、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換I692V、並びにスパイクタンパク質におけるアミノ酸置換M1229Iを含むデンマークミンクcluster 5変異体である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質におけるH69及びV70のアミノ酸欠失、並びにスパイクタンパク質におけるアミノ酸置換N439Kを含む。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A222Vを含むNexstrain cluster 20A.EU1変異体である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換S477N及びヌクレオカプシドタンパク質におけるアミノ酸置換A376Tを含むNexstrain cluster 20A.EU2変異体である。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、以下から選択される突然変異の1つ以上を含む:ORF1abのタンパク質生成物におけるアミノ酸置換T1001I、ORF1aのタンパク質生成物におけるアミノ酸置換A1708D、ORF1abのタンパク質生成物におけるアミノ酸置換I2230T、ORF1abのタンパク質生成物における3675~3677でのアミノ酸SGFの欠失、ORF3aのタンパク質生成物におけるアミノ酸置換G251V、ORF8のタンパク質生成物におけるアミノ酸置換S24L、ORF8のタンパク質生成物におけるアミノ酸置換R52I、ORF8のタンパク質生成物におけるアミノ酸置換Y73C、ORF8のタンパク質生成物におけるアミノ酸置換L84S、nsp12ドメインにおけるアミノ酸置換P323L、nsp12ドメインにおけるアミノ酸置換Y455I、ORF3aのタンパク質生成物におけるアミノ酸置換Q57H、nsp2におけるアミノ酸置換R27C、nsp2におけるアミノ酸置換V198I、nsp2におけるアミノ酸置換T85I、nsp2におけるアミノ酸置換P585S、nsp2におけるアミノ酸置換I559V、nsp4におけるアミノ酸置換M33I、nsp5におけるアミノ酸置換G15S、nsp6におけるアミノ酸置換L37F、nsp13におけるアミノ酸置換Y541C、nsp13におけるアミノ酸置換P504L、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換S477N、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換N439K、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換N501Y、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換Y453F、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換K417N、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換E484K、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A222V、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換S98F、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換D80Y、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A626S、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換V1122L、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A570D、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換P681H、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換V1122L、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換T716I、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換S982A、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換D1118H、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換E583D、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換V483A、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換Q675R、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A344S、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換T345S、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換R346K、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A348S、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A348T、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換N354K、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換S359N、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換V367F、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換V382L、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換P384L、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換P384S、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換T385S、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換V395I、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換R403K、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換D405V、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換Q414P、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換Q414E、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換I418V、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換L441I、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換R457K、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換K458Q、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換P463S、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A475V、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換G476S、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換T478A、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換P479L、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換V483A、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換F490L、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換Q493L、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A520S、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換L5F、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換P521R、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A522S、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換A831V、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換D839Y、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換D839N、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換D839E、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換L8V、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換L8W、スパイクタンパク質におけるアミノ酸置換H49Y、スパイクタンパク質におけるアミノ酸H69の欠失、スパイクタンパク質におけるアミノ酸V70の欠失、スパイクタンパク質におけるアミノ酸Y144の欠失、ヌクレオカプシドタンパク質におけるアミノ酸置換D3L、ヌクレオカプシドタンパク質におけるアミノ酸置換S253F、ヌクレオカプシドタンパク質におけるアミノ酸置換RG203KR、ヌクレオカプシドタンパク質におけるアミノ酸置換G214C、ヌクレオカプシドタンパク質におけるアミノ酸置換S194L、nsp14タンパク質におけるアミノ酸置換F377L、nsp3におけるアミノ酸置換K1186R、又はnsp3におけるアミノ酸置換A58T。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、エンベロープ(E)タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:S68F;L73F;P71L;S55F;R69I;T9I;V24M;D72H;T30I;S68C;V75L;V58F;V75F;又はL21F;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、膜(M)タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:T175M;D3G;V23L;W31C;A2V;V70F;W75L;M109I;I52T;L46F;V70I;D3Y;K162N;H125Y;K15R;D209Y;R146H;R158C;L87F;A2S;A69S;S214I;T208I;L124F;又はS4F;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ヌクレオカプシド(N)タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:RG203KR;S194L;S197L;P13L;D103Y;S193I;S188L;I292T;S202N;D401Y;S190I;D22G;A208G;T205I;S183Y;S33I;D81Y;T393I;A119S;D377Y;S37P;T247I;A156S;D128Y;P199L;R195I;P207L;E62V;R209T;T362I;G18C;T24N;R185C;S180I;M234I;Q9H;P383L;A35S;P383S;D348H;K374N;R32H;S327L;G179C;G238C;A55S;S190G;H300Y;A119V;D144Y;L139F;P199S;P344S;P6L;R203K;P364L;R209I;S188P;A35V;K387N;P122L;R191C;R195K;T391I;A252S;Q418L;T271I;T325I;G18V;L161F;Q289H;R203S;P162L;D340N;K373N;P168Q;A211V;D3L;G212V;K370N;P151L;T334I;A359S;G34W;P67T;R203M;D144N;R191L;S232I;D402Y;P168S;S187L;T366I;A152S;A381T;N140T;T198I;A251V;A398V;A90S;D348Y;D377G;G204R;G243C;G34E;Q229H;R185L;T24I;T379I;A134V;N196I;P365S;Q384H;R276I;S235F;D216A;M210I;M322I;P20S;Q389H;R209欠失;又はV246I;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp1タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:M85;D75E;G82欠失;V84欠失;P80欠失;H83欠失;V86欠失;H81欠失;E87欠失;L88欠失;K141欠失;A79欠失;V89欠失;V56I;R124C;D75G;A90欠失;Y118C;D139N;Y136欠失;G30D;R24C;D139Y;E37K;H45Y;H110Y;G52S;I71V;D156欠失;A76T;E37D;S135欠失;S166G;A138T;F157欠失;G49C;M85I;又はD144A;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp10タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:D64E;P136S;A104V;A32V;T12I;T111I;P84S;T51I;I55V;T102I;又はT51A;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV2変異体は、nsp12タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:P323L;T141I;A449V;S434F;M666I;H613Y;S647I;M380I;E922D;M629I;G774S;M601I;E436G;N491S;Q822H;A443V;T85I;A423V;M463I;T26I;A656T;M668I;T806I;T276M;T801N;V588L;K267N;V880I;K718R;L514F;F415S;T252N;Y38H;E744D;H752Q;I171V;S913L;A526V;A382V;G228C;P94L;E84K;K59N;P830S;T908I;P21S;D879Y;G108D;K780N;R279S;D258Y;T259I;K263N;D284Y;Q292H;T293I;N297S;V299F;D304Y;T319I;F321L;P328S;V330E;I333T;G337C;T344I;Y346H;L351P;V354L;Q357H;E370G;L372F;A400S;T402I;V405F;V410I;D418N;K426N;K430N;V435F;Q444H;D445G;A448V;R457C;P461T;C464F;I466V;V473F;K478N;D481G;D517G;D523N;A529V;P537S;S549N;A555V;C563F;M566I;A581T;G584V;A585T;G596S;T604I;S607I;D608G;V609I;M615V;W617L;M629V;I632V;L636F;L638F;A639V;T643I;T644M;L648F;V667I;A699S;N713S;H725;N734T;D736N;V737F;T739I;V742M;N743S;M756I;L758I;A771V;L775V;A777T;K780T;F793L;T801I;T803A;H810Y;G823C;D825Y;V827A;Y828H;V848L;T870I;K871R;N874D;Q875R;E876D;H882Y;H892Y;D901Y;M906I;N909D;T912N;P918S;E919D;A923T;F480V;V557L;D484Y;又はS433G;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp13タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:Y541C;P504L;A18V;R392C;P47L;S485L;L297P;H290Y;T127I;L176F;V193I;V570L;D260Y;V49I;Q518H;S468L;A598V;D204Y;S74L;T588I;G206C;V226L;V348L;M576I;A302D;P53S;T481M;K524N;A338V;P419S;V479F;P77L;V169F;N124S;P78S;S80G;V496L;A4V;T413I;A296S;A368S;K460R;L297F;P172S;A302S;P402S;T530I;L428F;P504S;A368V;D458Y;P364S;S74P;T416A;A568V;M474I;S166L;S350L;D344N;E341D;I432T;L581F;S38L;T250I;Y253H;A509V;E244D;H164Y;S74A;T141I;V356F;E319D;E365D;G170S;L526F;R155C;又はY396C;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp14タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:A320V;F233L;T250I;V182L;A225V;R289C;A274S;P24L;I150T;S374A;H26Y;L177F;L157F;T16I;A482V;P297S;V120A;S255I;P203L;A23欠失;K311N;M72I;V290F;F431L;K349N;M58I;P140S;R205C;T193A;L409F;P443S;Y260C;D345G;E204D;R163C;R81K;T524I;T113I;T31I;L493F;A119V;D345Y;M501I;A360V;A371V;T206I;V287F;A360S;I74T;M315I;P142L;又はQ343K;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp15タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:V320L;A217V;V22L;V172L;D219N;P205S;V127F;Q19H;M218欠失;A92V;D282G;I252V;T33I;G129S;L331F;A81V;V69L;S312F;T325I;A171V;R206S;D272Y;D87N;S288F;K109R;P270S;P65S;D267Y;D128Y;E215I;T144I;S261L;S287L;T112I;E260K;P205L;S161I;V66L;D39Y;又はT114A;又はこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp16タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:S33R;K160R;P134S;Q28K;T195I;V78G;T35I;G265V;K249N;A204S;K182N;R287I;A188S;A116V;T140I;L111F;M270T;R216N;A188V;A34V;D108N;L163F;L163H;M17I;T91M;A226S;G77R;L126F;N298L;R216S;T48I;Q238H;又はR279K;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp2タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:T85I;P585S;I559V;D268;G212D;V198I;H237R;F10L;G339S;T166I;R27C;L271F;S211F;P91S;G199E;T371I;A336V;I120F;S122F;A476V;S138L;V480A;T388I;T634I;P129S;R218C;I188T;T170I;P568L;E574A;I367V;H208Y;S99F;T429I;A306V;M405V;P129L;R222C;T44I;Q275H;R380C;A360V;A361V;G115C;L353F;H237Y;L462F;E261G;R4C;S263F;T573I;A318V;G262V;P624L;S430L;T422I;A357S;I100V;E272G;L400F;A192V;D464A;E172D;G262S;L501F;S369F;E172K;G465S;K219R;A411V;A522V;H194Y;S32L;F437L;P181S;P446L;G115V;H532Y;N92H;P13S;A159V;A184S;A306S;I273T;L274F;P13L;R370H;T223I;T590I;E453D;H145Y;K618N;S301F;T153M;V244I;V530I;A127V;L24F;P191L;Q182L;S196L;S248G;S378F;T139I;T434I;A205V;A375V;A411S;C51Y;F300L;M135T;P568S;Q496H;S348P;T412I;T528I;T547I;V447F;又はV577I;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp3タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:A58T;T1198K;T428I;P153L;S1197R;D218E;S1424F;A1431V;S1285F;P74L;Q1884H;P1326L;L1221F;P141S;P1103S;S126L;Y916H;L557F;E391D;A1311V;S650F;P1103L;Y952H;P340S;A534V;P1787S;L1791F;N1587S;S371N;K1693N;G282V;P278S;T1335I;A1711V;K19R;A994D;K1325R;P822L;K412N;A465V;T1004I;T808I;G489D;S1699F;M1436V;S1265R;V1768G;A231V;M951I;K384N;T1288I;Q966H;R1614K;T1036I;T1306I;A1179V;P395L;N1785D;P679L;S166G;A1769V;T181I;L1718F;P822S;T1022I;A1381V;A602T;I1720V;K837N;T73I;A1033V;S1204;C1223Y;P389L;T398A;M1441I;M494I;T1303I;T181A;P1228L;R1135K;V267F;A1883V;A655V;S1296F;T686I;L198I;P1403S;L781F;T1046A;A1215V;E374D;I205欠失;V477F;E324K;I707V;P109L;P1558L;P74S;S1212L;S1807F;T819I;T864I;H1000Y;P340L;S697F;T1189I;A480V;D729Y;K1771R;S1717L;T749I;M829I;Q172R;T1482I;A1395V;I385T;M560I;S1206L;S1699P;T1269I;T779I;V1315I;V1795F;V325F;A1892V;A579V;E493G;H1274Y;S1467F;T1063I;T350I;V61F;A1736V;K1804N;R646W;T583I;T611I;V1243I;V190I;A41V;H290Y;H295Y;H342Y;L1244F;Q128H;V1673I;A1305V;A1526S;E948K;L72F;P125S;P402T;A1766V;D1214N;E1271D;G1440D;G283D;K1211N;K902N;K945N;L1839S;L312F;N1263S;P1292S;S1670F;S743A;T771I;V1936I;A1262V;A1321V;A358V;A41T;C55Y;G1273S;K463E;K497Q;P1044S;R30K;S1375F;S1682F;T133I;T1348I;465I;T1830I;T237I;V1248L;A225V;A496V;G1217R;I1816T;L956I;N1369T;N506S;P153S;P2L;T1275I;T1459I;V1234M;E595D;F90L;G1585S;H1307Y;I1409V;L1034V;L1328F;L292F;N1264;P1326T;S1197G;T1456I;T64I;T703I;T720I;T820I;V1229F;V234I;A1279V;A333V;A54S;D1121G;D1761N;E731D;I1672T;I789V;K1037R;K487N;L142F;N1177H;P1228S;P723S;Q180H;Q474R;Q940L;S370L;T1180I;T275I;T422I;T526I;T724I;V1434G;又はV207L;又はこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp4タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:F308Y;T295I;M33I;A307V;A457V;G309C;L360F;A231V;H313Y;K399E;V20F;S137L;S34F;A380V;H470Y;T204I;S336L;L264F;L438F;M33L;S209F;C296S;L475I;G79V;T327N;T350I;L206F;M324I;E230G;L436欠失;T237I;T492I;A260V;A446V;M458I;S395G;S481L;H36Y;T73I;L323F;L349F;S59F;T214I;又はT60I;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp5タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:G15S;D248E;K90R;L89F;A266V;P108S;A70T;A129V;T45I;G71S;L75F;A191V;L220F;N274D;L67F;P241L;K236R;V157L;K61R;P184S;S62Y;T21I;L50F;P108L;S254F;T93I;A255V;A94V;P132S;A234V;A260V;R60C;P96L;V247F;又はT199I;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp6タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:L37F;G277S;A46V;L75F;F37欠失;T10I;V149F;L260F;Q208H;M83I;A136V;V145I;N156D;M86I;Y153C;G188V;L230I;F34欠失;I189V;R233H;V114A;L33F;A287V;H11Y;A287T;A51V;G188S;I162T;M126V;M183I;N40Y;S104;F35L;M58L;又はV84F;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp7タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:S25L;S26F;L71F;S15T;M75I;又はN78S;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp8タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:M129I;I156V;T145I;R51C;T123I;L95F;T89I;P133S;S41F;K37N;T141M;V34F;R51L;A14T;A74V;I107V;A16V;P10S;A194V;D30G;A152V;又はT187I;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、nsp9タンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:T77I;T109I;L42F;T34I;T19I;M101V;T62I;又はT19K;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF10のタンパク質生成物において以下の突然変異の1つ以上を含有する:L17P;A28V;P10S;I4L;S23F;R24C;*39Q;Q29終止;Y14C;R20I;又はA8V;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF3aのタンパク質生成物において以下の突然変異の1つ以上を含有する:Q57H;G251V;V13L;G196V;A54S;A99V;H93Y;T14I;L46F;Q185H;T175I;Q213K;L108F;K61N;Y264C;A72S;T151I;A23S;G224C;K67N;S171L;W69L;H78Y;K136E;L86F;W131C;L147F;S58N;Y91H;I63T;D155Y;G172C;P240L;Y189C;W131R;KN136NY;T223I;G100C;S195Y;V112F;W131L;G44V;D27H;G174C;K21N;S165F;L65F;T229I;T89I;S74F;A99S;G254R;H204N;K75N;F43L;L53F;Q38P;S26L;S40L;M260I;V256欠失;K16N;Q218R;S253P;V163L;W69C;A23V;L41F;L106F;V55F;V88A;A99D;E239D;L52F;T24I;A31T;D27Y;I186V;L73F;P104L;D22Y;F114V;L95F;P240S;P42L;T268M;又はT32I;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF6のタンパク質生成物において以下の突然変異の1つ以上を含有する:I33T;W27L;D53G;F22欠失;P57L;D61Y;D61L;K42N;D53Y;H3Y;I32T;又はR20S;又はこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF7aのタンパク質生成物において以下の突然変異の1つ以上を含有する:S81L;A8T;L96F;A50V;V104F;Q62終止;S83L;E16D;T14I;T28I;V93F;G38V;H47Y;T39I;T120S;Q62欠失;Q62L;S37T;V104;P34S;P99L;T120I;V108L;H73Y;V24F;V29L;A13T;又はL5F;又はこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF7bのタンパク質生成物において以下の突然変異の1つ以上を含有する:C41F;T40I;A43V;L11F;S31L;C41欠失;H42;H42L;S5L;L20F;L32F;E33終止;A15S;又はF13欠失;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、ORF8のタンパク質生成物において以下の突然変異の1つ以上を含有する:E110終止;G66欠失;S69L;T11I;F104L;F120L;G8R;P38S;D119E;I10S;又はI39V;及びこれらの組合せ。
幾つかの実施形態では、SARS-CoV-2変異体は、スパイクタンパク質において以下の突然変異の1つ以上を含有する:D614G;D936Y;P1263L;L5F;N439K;R21I;D839Y;L54F;A879S;L18F;F1121L;R847K;T478I;A829T;Q675H;S477N;H49Y;T29I;G769V;G1124V;V1176F;K1073N;P479S;S1252P;Y145欠失;E583D;R214L;A1020V;Q1208H;D215G;H146Y;S98F;T95I;G1219C;A846V;I197V;R102I;V367F;T572I;A1078S;A831V;P1162L;T73I;A845S;G1219V;H245Y;L8V;Q675R;S254F;V483A;Q677H;D138H;D80Y;M1237T;D1146H;E654D;H655Y;S50L;S939F;S943P;G485R;Q613H;T76I;V341I;M153I;S221L;T859I;W258L;L242F;P681L;V289I;A520S;V1104L;V1228L;L176F;M1237I;T307I;T716I;L141;M1229I;A1087S;P26S;P330S;P384L;R765L;S940F;T323I;V826L;E1202Q;L1203F;L611F;V615I;A262S;A522V;A688V;A706V;A892S;E554D;Q836H;T1027I;T22I;A222V;A27S;A626V;C1247F;K1191N;M731I;P26L;S1147L;S1252F;S255F;V1264L;V308L;D80A;I670L;P251L;P631S;*1274Q;A344S;A771S;A879T;D1084Y;D253G;H1101Y;L1200F;Q14H;Q239K;A623V;D215Y;E1150D;G476S;K77M;M177I;P812S;S704L;T51I;T547I;T791I;V1122L;Y145H;D574Y;G142D;G181V;I834T;N370S;P812L;S12F;T791P;V90F;W152L;A292S;A570V;A647S;A845V;D1163Y;G181R;L84I;L938F;P1143L;P809S;R78M;T1160I;V1133F;V213L;V615F;A831V;D839Y;D839N;D839E;S943P;P1263L;又はV622F;及びこれらの組合せ。
医薬組成物及び剤形
式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩は、それを必要とする宿主、通例ヒトにおいてSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるコロナウイルス疾患2019(COVID-19)の治療のために有効量で投与することができる。一実施形態では、上記化合物は、化合物1A若しくは化合物3A、又はその薬学的に許容可能な塩、例えば、化合物2A若しくは化合物4Aである。一実施形態では、上記化合物は、化合物1B若しくは化合物3B、又はその薬学的に許容可能な塩、例えば、化合物2B若しくは化合物4Bである。
化合物又はその塩は、純粋な(neat)化学物質として提供してもよいが、より一般には、COVID-19の治療を必要とする宿主、通例ヒトにとって有効な量を含む医薬組成物として投与される。このため、一実施形態では、本開示は、COVID-19の治療のための有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩と少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を唯一の活性剤として、又は代替的な実施形態では、少なくとも1つの付加的な活性剤と組み合わせて含有し得る。
式Iの化合物(化合物1、1A又は1Bを含むが、これらに限定されない)、式II(化合物3、3A又は3Bを含むが、これらに限定されない)、式III(式IIIa、式IIIb、式IIIc、式IIId、式IIIe又は式IIIfを含む)、式IV(式IVa、式IVb、式IVc、式IVd、式IVe又は式IVfを含む)、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIII、又はその薬学的に許容可能な塩は、1つ以上の薬学的に許容可能な担体と共に配合することができる。経口剤形が、場合によっては投与の容易さ及び有利な患者コンプライアンスの見込みのために選択される。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩は、当該技術分野で既知であり、下で更に説明する錠剤又は丸薬等の固体剤形で提供される。腸溶性経口錠剤を、経口投与経路での化合物の生物学的利用能を高めるために使用することもできる。医薬組成物(製剤)は経口、非経口、静脈内、吸入、筋肉内、局所、経皮、口腔(buccal:バッカル)、皮下、坐剤経路、又は鼻内噴霧送達経路を含む他の経路によって投与することができる。
一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を静脈内投与する。非限定的な一実施形態では、本発明の化合物を550mg/日の負荷用量及び275mg/日の維持用量で静脈内投与する。一実施形態では、負荷用量を1回投与し、維持用量を少なくとも3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間又は12日間にわたって1日2回投与する。非限定的な一実施形態では、静脈内負荷用量は550mg/日の化合物1(すなわち、600mg/日の化合物1のヘミ硫酸塩)であり、維持用量は275mg/日(すなわち、300mg/日のヘミ硫酸塩)である。
効果的な剤形は、選ばれる特定の作用物質の生物学的利用能/薬物動態及び患者における疾患の重症度によって決まる。式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩は、例えば1つ以上の錠剤、カプセル剤、注射剤、静脈内製剤、懸濁剤、液剤、エマルジョン剤、インプラント、粒子、スフェア(spheres:球体)、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、吸入形、経皮形、バッカル形、舌下形、局所形、ゲル形、粘膜形等で投与することができる。
静脈内及び筋肉内製剤は、滅菌生理食塩水中で投与されることが多い。当業者は、製剤を水又は別のビヒクルにより可溶性にするために変更することができ、例えば、これは若干の変更(塩製剤、エステル化等)によって容易に達成することができる。
ここで企図される医薬組成物は、下で更に説明する担体を任意に含む。担体は、治療される患者への投与に適しているように十分に高い純度及び十分に低い毒性を有する必要がある。担体は不活性であっても、又は独自の薬効を有していてもよい。化合物と共に用いられる担体の量は、化合物の単位用量当たり実用的な量の投与される物質を提供するのに十分である。代表的な担体としては、溶媒、希釈剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、懸濁化剤、湿潤剤、粘性剤、等張化剤、安定剤及びそれらの組合せが挙げられる。幾つかの実施形態では、担体は水性担体である。
1つ以上の粘性剤を、所望に応じて組成物の粘度を増大させるために医薬組成物に添加することができる。有用な粘性剤の例としては、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、カルボマー、ポリアクリル酸、セルロース誘導体、ポリカルボフィル、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デキストリン、多糖、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール(部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルを含む)、ポリ酢酸ビニル、それらの誘導体及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
投与のための液剤、懸濁剤又はエマルジョン剤は、選択された投与に適したpHを維持するのに必要とされる有効量の緩衝剤で緩衝化してもよい。好適な緩衝剤は当業者に既知である。有用な緩衝剤の幾つかの例は、酢酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、クエン酸塩及びリン酸塩緩衝剤である。
本発明による医薬組成物を調製するために、治療有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、従来の製薬配合技術によって薬学的に許容可能な担体と混ぜ、1回量を得ることができる。担体は、例えば、経口又は非経口の投与に望ましい調剤形態に応じて多様な形態をとってもよい。
経口剤形への医薬組成物の調製において、通常の薬学的媒質のいずれを使用してもよい。したがって、懸濁液、エリキシル剤及び溶液等の液体経口調剤に対し、水、グリコール、油、アルコール、香料、防腐剤、着色剤等を含む好適な担体及び添加物を使用してもよい。散剤、錠剤、カプセル剤等の固体経口調剤、及び坐剤等の固形調剤に対し、デンプン、デキストロース等の糖担体、マンニトール、ラクトース、及び関連する担体、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を含む、好適な担体及び添加剤を使用してもよい。所望に応じて、錠剤又はカプセル剤は、標準的な技術によって腸溶性であってもよく、徐放性であってもよい。これらの剤形の使用は、患者における化合物の生物学的利用能を著しく増強し得る。
非経口製剤について、担体は、通常、無菌の水又は塩化ナトリウム水溶液を含むが、分散液を補助するものを含む他の成分を含んでもよい。滅菌水が無菌として使用され維持されることになっている場合、当然に、組成物及び担体も滅菌されなければならない。また、注射用懸濁液を調製してもよく、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤等を利用してもよい。
また、薬学的に許容可能な担体を産生するため、リポソーム懸濁液(ウイルス性抗原に標的化されたリポソームを含む)を従来の方法によって作製してもよい。これは、本発明によるヌクレオシド化合物の遊離ヌクレオシド、アシル/アルキルヌクレオシド又はリン酸エステルプロドラッグの形態の送達に適切な場合がある。
本開示で挙げられる量及び重量は、典型的には、遊離形(すなわち、非塩形、水和物形、又は溶媒和物形)を指す。本明細書に記載される典型的な値は、遊離形の同等物、すなわち、遊離形が投与される場合と同様の量を表す。塩が投与される場合に、塩と遊離形との間の分子量比に対して量を計算する必要がある。
本発明による薬学的に許容可能な製剤中の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の量は、COVID-19の治療、COVID-19の可能性の低下、又はCOVID-19、若しくはウイルスのために二次的に生じる病態、病状及び/又は合併症を含むその二次的影響の抑制、軽減及び/又は解消の所望の結果を達成するのに有効な量である。非限定的な実施形態では、医薬剤形中の本化合物の治療有効量は、例えば1日当たり約0.001mg/kg~約100mg/kg又はそれ以上の範囲であり得る。式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩は、例えば非限定的な実施形態では、患者における作用物質の薬物動態に応じて1日当たり約0.1mg/kg(患者)~約15mg/kg(患者)の範囲の量で投与することができる。
本明細書に記載される剤形中の活性化合物の重量は、他に特に指定のない限り、化合物の遊離形態又は塩形態のいずれかに関するものである。例えば、およそ600mgの化合物2は、およそ550mgの化合物1に相当する。
或る特定の実施形態では、医薬組成物は、単位剤形に約1mg~約2000mg、約10mg~約1000mg、約100mg~約800mg、約200mg~約600mg、約300mg~約500mg又は約400mg~約450mgの式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する剤形である。
或る特定の実施形態では、医薬組成物は、単位剤形に最大約10mg、約50mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約500mg、約525mg、約550mg、約575mg、約600mg、約625mg、約650mg、約675mg、約700mg、約725mg、約750mg、約775mg、約800mg、約825mg、約850mg、約875mg、約900mg、約925mg、約950mg、約975mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg、約1550mg、約1600mg、約1650mg、約1700mg又はそれ以上の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する剤形、例えば固体剤形である。
或る特定の実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、例えば化合物1又は化合物2は、初期用量(すなわち負荷用量)に続く、少なくとも約300mg、少なくとも約350mg、少なくとも約400mg、少なくとも約450mg、少なくとも約500mg、少なくとも約550mg、少なくとも約650mg又は少なくとも約750mgの維持用量で投与され、この用量は1日1回又は2回与えられる。一実施形態では、負荷用量は、維持用量よりも約1.5倍高く、約2倍高く、約2.5倍高く又は3倍高い。一実施形態では、初回維持用量の前に負荷用量を1回、2回、3回、4回又はそれ以上投与する。
一実施形態では、医薬組成物は、単位剤形に少なくとも500mg、少なくとも550mg、600mg、少なくとも700mg、少なくとも800mg、少なくとも900mg、少なくとも1000mg、少なくとも1100mg、少なくとも1200mg、少なくとも1300mg、少なくとも1400mg又は少なくとも1500mgの式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する剤形、例えば固体剤形である。
或る特定の実施形態では、医薬組成物、例えば固体剤形は、少なくとも約450mg、550mg、650mg、750mg又は850mgの化合物1又は化合物3を含有する。一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約500mg、少なくとも約550mg又は少なくとも約600mgの化合物1又は化合物3を含有し、組成物を1日2回投与する。一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約550mgの化合物1を含有し、医薬組成物を1日2回投与する。一実施形態では、医薬組成物を少なくとも約900mg、1000mg、1100mg、1100mg又は1200mgの化合物1の初期用量(すなわち負荷用量)に続く、少なくとも約400mg、少なくとも約450mg、少なくとも約500mg、少なくとも約550mg、少なくとも約600mg又は少なくとも約650mgの化合物1の用量で1日2回投与する。一実施形態では、医薬組成物を少なくとも約1100mgの化合物1の初期用量(すなわち負荷用量)に続く、少なくとも約450mg、550mg、650mg、750mg又は850mgの化合物1の用量で1日2回投与する。一実施形態では、医薬組成物を少なくとも約1100mgの化合物1の初期用量(すなわち負荷用量)に続く、少なくとも約550mgの化合物1の用量で1日2回投与する。一実施形態では、維持用量を約4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間又はそれ以上にわたって投与する。一実施形態では、化合物1は化合物1Aである。一実施形態では、化合物1は化合物1Bである。
一実施形態では、任意に薬学的に許容可能な担体中の、有効量の式I:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を、治療を必要とするヒトにおけるSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるコロナウイルス疾患2019(COVID-19)の治療のために投与し、化合物を以下のスケジュールに従って投与する:
(i)1日での1100mgの遊離塩基の単回負荷用量に続く、
(ii)1日当たり550mgの遊離塩基の維持用量。
一実施形態では、任意に薬学的に許容可能な担体中の、有効量の式:
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を、治療を必要とするヒトにおけるSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるコロナウイルス疾患2019(COVID-19)の治療のために投与し、化合物を以下のスケジュールに従って投与する:
(i)1日での1100mgの遊離塩基の単回負荷用量に続く、
(ii)1日当たり550mgの遊離塩基の維持用量。
一実施形態では、任意に薬学的に許容可能な担体中の、有効量の式:
の化合物を、治療を必要とするヒトにおけるSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるコロナウイルス疾患2019(COVID-19)の治療のために投与し、化合物を以下のスケジュールに従って投与する:
(i)1日での1200mgの塩の単回負荷用量に続く、
(ii)1日当たり600mgの塩の維持用量。
或る特定の実施形態では、医薬組成物、例えば固体剤形は、少なくとも約400mg、少なくとも約500mg、600mg、700mg又は800mgの化合物2又は化合物4を含有する。一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約500mg、少なくとも約600mg又は少なくとも約700mgの化合物2又は化合物4を含有し、組成物を1日2回投与する。一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約600mgの化合物2を含有し、医薬組成物を1日2回投与する。一実施形態では、医薬組成物を少なくとも約900mg、1000mg、1100mg、1200mg又は1300mgの化合物2の初期用量(すなわち負荷用量)に続く、少なくとも約400mg、500mg、600mg、700mg又は800mgの化合物2の用量で1日1回、2回又は3回投与する。一実施形態では、医薬組成物を少なくとも約1000mg、1200mg又は1400mgの化合物2の初期用量(すなわち負荷用量)に続く、少なくとも約600mgの化合物2の用量で1日2回投与する。一実施形態では、医薬組成物を少なくとも約1200mgの化合物2の初期用量(すなわち負荷用量)に続く、少なくとも約400mg、500mg、600mg、700mg又は800mgの化合物2の用量で1日2回投与する。一実施形態では、医薬組成物を少なくとも約1200mgの化合物2の初期用量(すなわち負荷用量)に続く、少なくとも約600mgの化合物2の用量で1日2回投与する。一実施形態では、維持用量を約4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間又はそれ以上にわたって投与する。一実施形態では、化合物2は化合物2Aである。一実施形態では、化合物2は化合物1Bである。
或る特定の実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を少なくとも5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、2週間、3週間、1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月又はそれ以上にわたって投与する。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を1日1回、2回、3回又はそれ以上投与する。一実施形態では、これを1日2回経口投与する。
本発明の目的について、本発明による組成物の予防的又は阻止的な有効量は、概して上記の範囲に含まれ、医療供給者の最良の判断で決定され得る。一実施形態では、本発明の化合物は、感染を防ぐためにウイルスのリスクが増大する季節に限って投与されるか、又は例えば旅行若しくは曝露の前、最中及び/又は後に投与することができる。
治療有効量が、治療すべき感染又は病状、その重症度、用いられる治療計画、用いられる作用物質の薬物動態、及び治療される患者又は被験体(動物又はヒト)によって異なり、かかる治療量が主治医又は専門家によって決定され得ることが当業者には認識される。
固体剤形
本発明の一態様は、任意に薬学的に許容可能な担体中の、有効量の式I(化合物1、1A、1B、2、2A又は2Bを含むが、これらに限定されない)、式II(化合物3を含むが、これに限定されない)、式III(式IIIa、式IIIb、式IIIc、式IIId、式IIIe又は式IIIfを含む)、式IV(式IVa、式IVb、式IVc、式IVd、式IVe又は式IVfを含む)、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を含む固体剤形である。
一実施形態では、固体剤形は式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の噴霧乾燥固体分散体を含み、組成物は経口送達に適している。別の実施形態では、固体剤形は式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の顆粒積層(granulo layered)固体分散体であり、組成物は経口送達に適している。
また、他の実施形態では、固体分散体は、コポビドン、ポロキサマー、及びHPMC-ASから選択される少なくとも1つの賦形剤を含む。一実施形態では、ポロキサマーはポロキサマー407であるか、又はポロキサマー407を含み得るポロキサマーの混合物である。一実施形態では、HPMC-ASはHPMC-AS-Lである。
また、他の実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩から作製された固体剤形は、以下の1以上の賦形剤を含む:ホスホグリセリド;ホスファチジルコリン;ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC);ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE);ジオレイルオキシプロピルトリエチルアンモニウム(DOTMA);ジオレオイルホスファチジルコリン;コレステロール;コレステロールエステル;ジアシルグリセロール;ジアシルグリセロールスクシネート;ジホスファチジルグリセロール(DPPG);ヘキサンデカノール;ポリエチレングリコール(PEG)等の脂肪アルコール;ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル;パルミチン酸又はオレイン酸等の界面活性脂肪酸;脂肪酸;脂肪酸モノグリセリド;脂肪酸ジグリセリド;脂肪酸アミド;ソルビタントリオレエート(Span(商標)85)グリココレート;ソルビタンモノラウレート(Span(商標)20);ポリソルベート20(Tween(商標)20);ポリソルベート60(Tween(商標)60);ポリソルベート65(Tween(商標)65);ポリソルベート80(Tween(商標)80);ポリソルベート85(Tween(商標)85);ポリオキシエチレンモノステアレート;サーファクチン;ポロキサマー;ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル;レシチン;リゾレシチン;ホスファチジルセリン;ホスファチジルイノシトール;スフィンゴミエリン;ホスファチジルエタノールアミン(セファリン);カルディオリピン;ホスファチジン酸;セレブロシド;ジセチルホスフェート;ジパルミトイルホスファチジルグリセロール;ステアリルアミン;ドデシルアミン;ヘキサデシル-アミン;アセチルパルミテート;グリセロールリシノレエート;ヘキサデシルステアレート;イソプロピルミリステート;チロキサポール;ポリ(エチレングリコール)5000-ホスファチジルエタノールアミン;ポリ(エチレングリコール)400-モノステアレート;リン脂質;高い界面活性剤特性を有する合成及び/又は天然の洗浄剤;デオキシコレート;シクロデキストリン;カオトロピック塩(chaotropic salt);イオンペアリング剤;グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース、ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース、セロビオース、マンノース、キシロース、アラビノース、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、及びノイラミン酸;プルラン、セルロース、微結晶性セルロース、ケイ酸化微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシセルロース(HC)、メチルセルロース(MC)、デキストラン、シクロデキストラン、グリコーゲン、ヒドロキシエチルデンプン、カラギーナン、グリコン、アミロース、キトサン、N,O-カルボキシメチルキトサン、アルギン及びアルギン酸、デンプン、キチン、イヌリン、コンニャク、グルコマンナン、パスツラン(pustulan)、ヘパリン、ヒアルロン酸、カードラン、及びキサンタン、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、及びラクチトール、プルロニックポリマー、ポリエチレン、ポリカーボネート(例えばポリ(1,3-ジオキサン-2オン))、ポリ無水物(例えばポリ(セバシン酸無水物))、フマル酸ポリプロピル、ポリアミド(例えばポリカプロラクタム)、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル(例えばポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチド-co-グリコリド)、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酸(例えばポリ((β-ヒドロキシアルカノエート)))、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレア、ポリスチレン、及びポリアミン、ポリリジン、ポリリジン-PEG共重合体、及びポリ(エチレンイミン)、ポリ(エチレンイミン)-PEG共重合体、グリセロールモノカプリロカプレート、プロピレングリコール、ビタミンE TPGS(d-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネートとしても知られる)、ゼラチン、二酸化チタン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体(PEO/PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(NaCMC)、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)。
また、他の実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩から作製された固体剤形は、次の1以上の界面活性剤を含む:ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノール、Triton X-100、グリセロールアルキルエステル、グリセリルラウレート、コカミドMEA、コカミドDEA、ドデシルジメチルアミンオキシド、及びポロキサマー。ポロキサマーの例としては、ポロキサマーの188、237、338及び407が挙げられる。これらのポロキサマーは、商品名Pluronic(商標)(ニュージャージー州マウントオリーブのBASFから入手可能)で入手可能であり、Pluronic(商標)F-68、F-87、F-108及びF-127にそれぞれ対応する。ポロキサマー188(Pluronic(商標)F-68に対応する)は、約7000Da~約10000Da、又は約8000Da~約9000Da、又は約8400Daの平均分子量を有するブロック共重合体である。ポロキサマー237(Pluronic(商標)F-87に対応する)は、約6000Da~約9000Da、又は約6500Da~約8000Da、又は約7700Daの平均分子量を有するブロック共重合体である。ポロキサマー338(Pluronic(商標)F-108に対応する)は、約12000Da~約18000Da、又は約13000Da~約15000Da、又は約14600Daの平均分子量を有するブロック共重合体である。ポロキサマー407(Pluronic(商標)F-127に対応する)は、約E101 P56 E101~約E106 P70 E106、又は約E101 P56E101、又は約E106 P70 E106の比率にて、約10000Da~約15000Da、又は約12000Da~約14000Da、又は約12000Da~約13000Da、又は約12600Daの平均分子量を有する、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレントリブロック共重合体である。
また、更に他の実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩から作製される固体剤形は、以下の1以上の界面活性剤を含む:ポリ酢酸ビニル、コール酸ナトリウム塩、ジオクチルスルホスクシネートナトリウム、ヘキサデシルトリメチル臭化アンモニウム、サポニン、糖エステル、Triton Xシリーズ、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、オレイルポリオキシエチレン(2)エーテル、ステアリルポリオキシエチレン(2)エーテル、ラウリルポリオキシエチレン(4)エーテル、オキシエチレンとオキシプロピレンのブロック共重合体、ジエチレングリコールジオレエート、テトラヒドロフルフリルオレエート、エチルオレエート、イソプロピルミリステート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノリシノレート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、オリーブオイル、グリセリルモノラウレート、トウモロコシ油、綿実油及びヒマワリ種子油。
代替的な実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩から作製される固体剤形は、溶媒又は乾式造粒法を含み、その後、任意に、圧縮又は圧密、噴霧乾燥、ナノ懸濁液処理、ホットメルト押し出し、押し出し/球形化(spheronization)、成形、球形化、積層(例えば噴霧積層懸濁液又は溶液)等が続くプロセスによって作製される。かかる技術の例としては、適切なパンチ及び金型を使用する直接圧縮(例えば、ここで、パンチ及び金型は好適な打錠機に適合される);顆粒へと乾燥される湿った粒子を形成する、高剪断造粒機等の好適な造粒設備を使用する湿式造粒法;造粒に続いて適切なパンチ及び金型を使用する圧縮(ここでパンチ及び金型は好適な打錠機に適合される);所望の長さに切断される、又は重力及び摩滅の下で長さに分断される、円筒状の押出物を形成する湿った塊の押し出し;押出/球形化(ここでは押出物が球状粒子へと丸められ、球形化によって密度が高められる);コンベンションパン(convention pan)又はウースター(Wurster)カラム等の技術を使用する、不活性コアに対する懸濁液又は溶液の噴霧積層;圧縮ユニットに適合された好適な型を使用する射出成形又は圧縮成形等が挙げられる。
例示的な崩壊剤としては、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ナトリウムクロスカルメロース)、粉末セルロース、キトサン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(sodium starch glycolate)、部分アルファ化デンプン、アルファ化デンプン、デンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム(sodium carboxymethyl starch)等、又はそれらの組合せが挙げられる。
例示的な滑沢剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、軽油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、シリカで処理したジメチルジクロロシラン、タルク、又はそれらの組合せが挙げられる。
本明細書に記載される剤形コアは、被覆されて被覆錠剤をもたらしてもよい。剤形コアは、機能性若しくは非機能性のコーティング、又は機能性コーティングと非機能性コーティングとの組合せで被覆されてもよい。「機能性コーティング」としては、全組成物の放出特性を変更する錠剤コーティング、例えば徐放性又は遅延放出性のコーティングが挙げられる。「非機能性コーティング」としては、機能性コーティングでないコーティング、例えば化粧用コーティングが挙げられる。非機能性コーティングは、初期溶解、水和、コーティングの穿孔等により、活性剤の放出に対して幾らか影響を及ぼす可能性があるが、非被覆組成物からの大きなずれとは見なされない。また、非機能性コーティングは、薬学的有効成分を含む被覆されていない組成物の味をマスキングすることができる。コーティングは、遮光物質、光吸収物質、又は遮光物質と光吸収物質とを含んでもよい。
例示的なポリメタクリレートとしては、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの共重合体、例えば、a.ポリ(ブチルメタクリレート、(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート、メチルメタクリレート)1:2:1(例えばEUDRAGIT E 100、EUDRAGIT EPO及びEUDRAGIT E 12.5;CAS番号24938-16-7)等のアミノメタクリレート共重合体USP/NF;b.ポリ(メタクリル酸、エチルアクリレート)1:1(例えばEUDRAGIT L30 D-55、EUDRAGIT L100-55、EASTACRYL 30D、KOLLICOAT MAE 30D AND 30DP;CAS番号25212-88-8);c.ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)1:1(例えばEUDRAGIT L 100、EUDRAGIT L 12.5及び12.5P;メタクリル酸共重合体としても知られる、タイプA NF;CAS番号25806-15-1);d.ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)1:2(例えばEUDRAGIT S 100、EUDRAGIT S 12.5及び12.5P;CAS番号25086-15-1);e.ポリ(メチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸)7:3:1(例えばEudragit FS 30 D;CAS番号26936-24-3);f.ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.2又は1:2:0.1(例えばEUDRAGITS RL 100、RL PO、RL 30 D、RL 12.5、RS 100、RS PO、RS 30 D又はRS 12.5;CAS番号33434-24-1);g.ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート)2:1(例えばEUDRAGIT NE 30 D、Eudragit NE 40D、Eudragit NM 30D;CAS番号9010-88-2)等、又はそれらの組合せが挙げられる。
好適なアルキルセルロースとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等、又はそれらの組合せが挙げられる。例示的な水系エチルセルロースコーティング剤としては、ペンシルベニア州フィラデルフィアのFMCから入手可能な、ラウリル硫酸ナトリウム及びセチルアルコールを更に含む30%分散体であるAQUACOAT;ペンシルベニア州ウェストポイントのColorconから入手可能な、安定化剤又は他の被覆成分(例えばオレイン酸アンモニウム、セバシン酸ジブチル、コロイド状無水シリカ、中鎖トリグリセリド等)を更に含む25%分散体であるSURELEASE;ミシガン州ミッドランドのAqualon又はDow Chemical Coから入手可能なエチルセルロース(Ethocel)が挙げられる。当業者は、他のアルキルセルロースポリマーを含む他のセルロースポリマーが、エチルセルロースの一部又は全てを代替し得ることを十分に理解する。
機能性コーティングを作製するのに使用され得る他の好適な材料としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS);酢酸フタル酸セルロース(CAP);ポリ酢酸ビニルフタレート;中性又は合成のワックス、脂肪アルコール(ラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチル等、又は具体的にはセトステアリルアルコール)、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノ-、ジ-、及びトリ-グリセリド)を含む脂肪酸、硬化油脂、炭化水素、通常のワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、炭化水素骨格を有する疎水性及び親水性の材料、又はそれらの組合せが挙げられる。好適なワックスとしては、ミツロウ、グリコワックス(glycowax)、キャスターワックス(castor wax)、カルナウバロウ、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリア、及びワックス様物質、例えば、室温で通常固体であり約30℃~約100℃の融点を有する材料、又はそれらの組合せが挙げられる。
他の実施形態では、機能性コーティングは、消化可能な長鎖(例えばC8~C50、具体的にはC12~C40)の置換又は非置換の炭化水素、例えば脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸のグリセリルエステル、鉱物油及び植物油、ワックス、又はそれらの組合せを含んでもよい。約25℃~約90℃の融点を有する炭化水素を使用してもよい。具体的には、長鎖炭化水素材料である脂肪(脂肪族)アルコールを使用することができる。
コーティングは、任意に、可塑剤、安定化剤、水溶性成分(例えば孔形成剤)、抗タッキング剤(例えばタルク)、界面活性剤等、又はそれらの組合せ等の追加の薬学的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。
機能性コーティングは、機能性コーティングの放出特性に影響する放出改変剤を含む場合がある。放出改変剤は、例えば、孔形成剤又はマトリクス崩壊剤として機能し得る。放出改変剤は、有機又は無機であってもよく、使用される環境においてコーティングから溶解、抽出、又は浸出され得る材料を含む。放出改変剤は、セルロースエーテル、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート等の他のセルロース化合物;ポビドン;ポリビニルアルコール;胃溶性のEudragit FS 30D、pH感受性のEudragit L30D 55、L 100、S 100、若しくはL 100-55等のアクリルポリマー;又はそれらの組合せを含む、1以上の親水性ポリマーを含んでもよい。他の例示的な放出改変剤としては、ポビドン;サッカリド(例えばラクトース等);ステアリン酸金属;無機塩(例えば第二リン酸カルシウム、塩化ナトリウム等);ポリエチレングリコール(例えばポリエチレングリコール(PEG)1450等);糖アルコール(例えばソルビトール、マンニトール等);アルカリアルキル硫酸塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えばポリソルベート);又はそれらの組合せが挙げられる。例示的なマトリクス崩壊剤としては、不水溶性の有機材料又は無機材料が挙げられる。セルロース、エチルセルロース等のセルロースエーテル、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース及び酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロースエステル、並びにデンプンを含むがこれらに限定されない有機ポリマーは、マトリクス崩壊剤として機能し得る。無機崩壊剤の例としては、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム、及びリン酸三カルシウム等の多くのカルシウム塩、シリカ、及びタルクが挙げられる。
上記コーティング剤は、コーティングの物理的性質を改善するため、任意に可塑剤を含んでもよい。例えば、エチルセルロースは比較的高いガラス転移温度を有し、通常の被覆条件下で可撓性フィルムを形成しないことから、コーティング材料として使用する前にエチルセルロースに可塑剤を添加することが有利な場合がある。一般に、コーティング溶液に含まれる可塑剤の量はポリマーの濃度に基づき、例えば、ポリマーに応じて約1%~約200%であってもよいが、多くの場合、ポリマーの約1重量%~約100重量%である。しかしながら、可塑剤の濃度を日常的な実験によって決定することができる。
エチルセルロース及び他のセルロースに対する可塑剤の例としては、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン等の可塑剤、又はそれらの組合せが挙げられるが、他の不水溶性可塑剤(アセチル化モノグリセリド、フタル酸エステル、ヒマシ油等)を使用することができる。
アクリルポリマーに対する可塑剤の例としては、クエン酸トリエチルNF、クエン酸トリブチル等のクエン酸エステル、フタル酸ジブチル、1,2-プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、ヒマシ油、トリアセチン、又はそれらの組合せが挙げられるが、他の可塑剤(アセチル化モノグリセリド、フタル酸エステル、ヒマシ油等)を使用することができる。
好適な方法を使用して、剤形コアの表面にコーティング材料を塗布することができる。単純コアセルベーション若しくは複合コアセルベーション、界面重合法、液中乾燥法、熱ゲル化法及びイオンゲル化法、噴霧乾燥、噴霧冷却(spray chilling:スプレーチリング)、流動床式コーティング、パンコーティング、又は静電成膜等のプロセスを使用してもよい。
或る特定の実施形態では、任意の中間コーティングを剤形コアと外部コーティングの間に使用する。かかる中間コーティングを使用して、外部コーティングに使用される材料から活性剤若しくはコアサブユニットの他の成分を保護するか、又は他の特性を提供することができる。例示的な中間コーティングとしては、典型的には水溶性成膜ポリマーが挙げられる。かかる中間コーティングは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド等、又はそれらの組合せ等の成膜ポリマーと、可塑剤とを含んでもよい。可塑剤を使用して脆性を減少させ、引張強さ及び弾性を高めることができる。例示的な可塑剤としては、ポリエチレングリコールプロピレングリコール及びグリセリンが挙げられる。
併用療法及び交互療法(Alternation Therapy)
本明細書に記載される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩は、COVID患者に対する最新の標準治療に加えて、又は医療提供者が患者に有益であるとみなす任意の他の化合物若しくは療法と組み合わせて若しくは交互に投与することができる。併用療法及び/又は交互療法は治療的、補助的又は姑息的であり得る。
COVID患者が疾患の様々なステージを経る可能性があり、患者が呈する又は進む疾患ステージに基づいて標準治療が異なり得ることが認められている。COVIDは、免疫系と凝固系との「クロストーク」の発生に関して注目すべきものである。疾患が進行するにつれ、患者が免疫系による過剰反応を開始する場合があり、これがサイトカインストームを含む多数の深刻な影響を引き起こす恐れがある。免疫系と凝固系とのクロストークにより、患者の呼吸器系、脳、心臓及び他の器官を含む身体の様々な部位に凝固が生じる可能性がある。多数の血塊がCOVID患者の全身に観察され、抗凝固剤療法が必要とされた。これらの血塊は、治療されず、疾患が軽減されなければ長期的又は更には永久的な損傷を引き起こす恐れがあると考えられる。
より具体的には、COVID-19は、一般的な3つの疾患ステージ:ステージ1(初期感染)、ステージ2(肺段階)及びステージ3(過剰炎症段階/サイトカインストーム)を経て進行すると記載されている。
ステージ1は、非特異的な、軽度であることが多い症状を特徴とする。ウイルス複製が起こり、本明細書に記載される化合物を、おそらくは別の抗ウイルス療法と組み合わせて又は交互に用いた即時の治療を開始することが適切である。ウイルスに対する先天性免疫応答を増強させるためにインターフェロン-βを投与してもよい。したがって、一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、インターフェロン-β及び/又は付加的な抗ウイルス薬と組み合わせて又は交互に有効量で使用する。亜鉛補給物及び/又はビタミンCが、このステージで又は疾患が進行してから投与される場合もある。
COVID-19のステージ2は、患者に急性低酸素性呼吸不全が生じ得る肺段階である。実際に、COVID-19の主な臓器不全は、低酸素性呼吸不全である。ステロイド、例えばデキサメタゾンによる適度な免疫抑制が、急性低酸素性呼吸不全の患者及び/又は機械換気下の患者に対して有益であり得ることが示されている。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、グルココルチコイドであり得るコルチコステロイドと組み合わせて有効量で使用する。非限定的な例は、ブデソニド(Entocort EC)、ベタメタゾン(Celestone)、プレドニゾン(Prednisone Intensol)、プレドニゾロン(Orapred、Prelone)、トリアムシノロン(Aristospan Intra-Articular、Aristospan Intralesional、Kenalog)、メチルプレドニゾロン(Medrol、Depo-Medrol、Solu-Medrol)、ヒドロコルチゾン、又はデキサメタゾン(Dexamethasone Intensol、DexPak 10 Day、DexPak 13 Day、DexPak 6 Day)である。
NS5B阻害剤レムデシビルは、COVID-19患者に与えた場合に種々の結果をもたらした。レムデシビルは、通例1日3回、病院内で静脈注射によってしか投与することができないため、軽度ないし中等度のCOVID-19患者には不適切である。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、全体的な抗ウイルス効果を増幅するためにレムデシビルと組み合わせて又は交互に投与する。
疾患の最終ステージであるステージ3は、小さな血栓が血流中に発生する病状である進行性の播種性血管内凝固症候群(DIC)を特徴とする。このステージは、多臓器不全(例えば血管拡張性ショック、心筋炎)を含む場合もある。多くの患者がCOVID-19感染のこの重篤なステージに対して「サイトカインストーム」という形で反応することも認められている。DICとサイトカインストームとの間には双方向の相乗関係があるようである。DICに対処するために、例えば間接トロンビン阻害剤又は直接経口抗凝固薬(「DOAC」)であり得る抗凝固薬を患者に投与することが多い。非限定的な例は、低分子量ヘパリン、ワルファリン、ビバリルジン(Angiomax)、リバーロキサバン(Xarelto)、ダビガトラン(Pradaxa)、アピキサバン(Eliquis)又はエドキサバン(Lixiana)である。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を抗凝固療法と組み合わせて又は交互に投与する。COVID患者における一部の凝固の重症例では、TPA(組織プラスミノーゲン活性化因子)を投与することができる。
サイトカインであるインターロイキン-6(IL-6)の高いレベルがCOVID-19患者における呼吸不全及び死亡の前触れであることが認められている。サイトカインストームを引き起こし得る、この免疫応答の急上昇を治療するために、IL-6を標的とするモノクローナル抗体、医薬阻害剤、又はIL-6と分解を媒介するタンパク質との両方に結合する二重特異性化合物等のタンパク質分解誘導薬(protein degrader)を患者に投与することができる。抗体の例としては、トシリズマブ、サリルマブ、シルツキシマブ、オロキズマブ及びクラザキズマブが挙げられる。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、トシリズマブ又はサリルマブと組み合わせて又は交互に投与する。過剰反応している免疫系の治療に使用される免疫抑制薬の付加的な非限定的な例としては、ヤヌスキナーゼ阻害剤(トファシチニブ(Xeljanz))、カルシニューリン阻害剤(シクロスポリン(Neoral、Sandimmune、SangCya))、タクロリムス(Astagraf XL、Envarsus XR、Prograf)、mTOR阻害剤(シロリムス(Rapamune)、エベロリムス(Afinitor、Zortress))、及びIMDH阻害剤(アザチオプリン(Azasan、Imuran)、レフルノミド(Arava)、ミコフェノール酸(CellCept、Myfortic))が挙げられる。追加の抗体及びバイオ医薬品としては、アバタセプト(Orencia)、アダリムマブ(Humira)、アナキンラ(Kineret)、セルトリズマブ(Cimzia)、エタネルセプト(Enbrel)、ゴリムマブ(Simponi)、インフリキシマブ(Remicade)、イキセキズマブ(Taltz)、ナタリズマブ(Tysabri)、リツキシマブ(Rituxan)、セクキヌマブ(Cosentyx)、トシリズマブ(Actemra)、ウステキヌマブ(Stelara)、ベドリズマブ(Entyvio)、バシリキシマブ(Simulect)、及びダクリズマブ(Zinbryta)が挙げられる。
IL-1は、IL-6及び他の炎症性サイトカインの産生を妨げる。COVID患者が過剰炎症応答を低減するために抗IL-1療法、例えばアナキンラの静脈内投与によって治療される場合もある。抗IL-1療法は概して、例えば標的化モノクローナル抗体、医薬阻害剤、又はIL-1と分解を媒介するタンパク質との両方に結合する二重特異性化合物等のタンパク質分解誘導薬であり得る。
COVIDの患者は、細菌性肺炎を引き起こし得るウイルス性肺炎を発症することが多い。重度のCOVID-19の患者は、敗血症又は「敗血性ショック」を患う場合もある。COVIDに続発する細菌性肺炎又は敗血症の治療としては、抗生物質、例えばアジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン又はロキシスロマイシンを含むマクロライド抗生物質の投与が挙げられる。付加的な抗生物質としては、アモキシシリン、ドキシサイクリン、セファレキシン、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、メトロニダゾール、スルファメトキサゾール、トリメトプリム、アモキシシリン、クラブラン酸又はレボフロキサシンが挙げられる。このため、一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を抗生物質、例えばアジスロマイシンと組み合わせて又は交互に投与する。これらの抗生物質の一部、例えばアジスロマイシンは、独立した抗炎症特性を有する。かかる薬物は、COVID患者に対する抗炎症剤として使用することができ、二次的細菌感染に対する治療効果を有する場合もある。
COVID-19に感染した患者の治療における特有の課題は、患者が最長で5日間、10日間若しくは更には14日間、又はそれ以上にわたって機械換気を必要とする場合の比較的長期間にわたる鎮静の必要性である。この治療時の持続的な疼痛に対して鎮痛薬を連続的に追加することができ、持続的な不安に対して鎮静剤を連続的に追加することができる。鎮痛薬の非限定的な例としては、アセトアミノフェン、ケタミン、及びPRNオピオイド(ヒドロモルホン、フェンタニル、及びモルヒネ)が挙げられる。鎮静剤の非限定的な例としては、メラトニン、鎮静作用が優勢な特性を有する非定型抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン)、プロポフォール又はデクスメデトミジン、ハロペリドール、及びフェノバルビタールが挙げられる。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩をアセトアミノフェン、ケタミン、ヒドロモルホン、フェンタニル又はモルヒネ等の鎮痛剤と組み合わせて又は交互に投与する。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩をメラトニン、オランザピン、クエチアピン、プロポフォール、デクスメデトミジン、ハロペリドール又はフェノバルビタール等の鎮静剤と組み合わせて又は交互に投与する。
COVID-19に対する被験薬としては、クロロキン及びヒドロキシクロロキンが挙げられる。一実施形態では、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X若しくは式XIIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、クロロキン又はヒドロキシクロロキンと組み合わせて又は交互に投与する。
以前にHIVに対して認可されたロピナビル又はリトナビル等のプロテアーゼ阻害剤を投与することもできる。
COVID患者の治療に使用することができる付加的な薬物としては、ファビピラビル、フィンゴリモド(Gilenya)、メチルプレドニゾロン、ベバシズマブ(Avastin)、アクテムラ(トシリズマブ)、ウミフェノビル、ロサルタン、並びにREGN3048及びREGN3051のモノクローナル抗体の組合せ、又はリバビリンが挙げられるが、これらに限定されない。これらの薬物又はワクチンはいずれも、本明細書に提示される活性化合物と組み合わせて又は交互に、かかる化合物の影響を受けやすいウイルス感染の治療に使用することができる。
一実施形態では、本発明の化合物は、mRNA-1273(Moderna, Inc.)、AZD-1222(AstraZeneca及びオックスフォード大学)、BNT162(Pfizer及びBioNTech)、CoronaVac(Sinovac)、NVX-CoV 2372(NovoVax)、SCB-2019(Sanofi及びGSK)、ZyCoV-D(Zydus Cadila)及びCoVaxin(Bharat Biotech)を含むが、これらに限定されない抗コロナウイルスワクチン療法と組み合わせて有効量で使用される。別の実施形態では、本発明の化合物は、受動的抗体療法又は回復期血漿療法と組み合わせて有効量で使用される。
SARS-CoV-2は絶えず突然変異しているため、毒性及び伝播速度が増大する可能性がある。ウイルスの薬物耐性変異株が長期にわたる抗ウイルス剤での治療後に出現する恐れがある。薬物耐性は、ウイルス複製に使用される酵素をコードする遺伝子の突然変異によって生じ得る。RNAウイルス感染に対する薬物の有効性は、或る特定の場合では、化合物を、基本の薬物とは異なる突然変異を誘導するか、又は異なる経路によって作用する別の、場合により更に2つ又は3つの他の抗ウイルス化合物と組み合わせて又は交互に投与することによって延長、増強又は回復させることができる。
代替的には、薬物の薬物動態、生体内分布、半減期又は他のパラメーターを、かかる併用療法(協調するとみなされる場合に交互療法を含み得る)によって変化させることができる。開示のプリンヌクレオチドはポリメラーゼ阻害剤であるため、化合物を、例えば、
(1)プロテアーゼ阻害剤、
(2)別のポリメラーゼ阻害剤、
(3)アロステリックポリメラーゼ阻害剤、
(4)ペグ化されていても若しくは他の形で修飾されていてもよいインターフェロンα-2a、及び/又はリバビリン、
(5)非基質ベース阻害剤、
(6)ヘリカーゼ阻害剤、
(7)アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(S-ODN)、
(8)アプタマー、
(9)ヌクレアーゼ抵抗性リボザイム、
(10)マイクロRNA及びSiRNAを含むiRNA、
(11)ウイルスに対する抗体、部分抗体若しくはドメイン抗体、又は、
(12)宿主抗体応答を誘導するウイルス抗原若しくは部分抗原、
と組み合わせて宿主に投与することが有用であり得る。
一般的な方法
1H、19F及び31P NMRスペクトルを、400MHz フーリエ変換ブルカー分光計で記録した。別段の規定がない限り、スペクトルを、DMSO-d6で得た。スピン多重度は、記号s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、m(多重項)及びbr(ブロード)によって示される。結合定数(J)は、Hzの単位で報告される。上記反応を、通常、Sigma-Aldrich社の無水溶媒を使用する、乾燥窒素雰囲気下で行った。全ての一般的な化学薬品を商用の供給元から購入した。
以下の略語を実施例で使用する。
BID:1日2回
DCM:ジクロロメタン
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
GT:遺伝子型
HPLC:高圧液体クロマトグラフィー
LD:負荷用量
NaOH:水酸化ナトリウム
Na2SO4:硫酸ナトリウム(無水)
MeOH:メタノール
Na2SO4:硫酸ナトリウム
NH4Cl:塩化アンモニウム
PE:石油エーテル
シリカゲル(230~400メッシュ、Sorbent)
t-BuMgCl:t-ブチルマグネシウムクロリド
THF:テトラヒドロフラン(THF)、無水
TP:トリホスフェート
実施例1. 化合物1A及び化合物2Aの合成
パートA:(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-メチルテトラヒドロフラン-3-オール(1-7)の合成
工程1では、化合物1-1をDCMに溶解し、反応物を10℃に冷却した後、クロロギ酸ベンジル、続いてNEt
3を添加する。反応物を室温に冷却し、12時間~14時間撹拌する。適切なワークアップ及び精製条件に従い、化合物1-2を単離する。工程2では、化合物1-2をアセトニトリルに溶解し、-15℃~5℃に冷却した後、Morpho DASTを添加する。反応物を6時間撹拌する。適切なワークアップ及び精製条件に従い、化合物1-3を単離する。工程3では、化合物1-3をトルエンに溶解し、反応物を0℃~10℃に冷却した後、Red Alを添加する。適切なワークアップ及び精製条件に従い、化合物1-4を、ヒドロキシル位で(R)-立体化学を有するジアステレオマーとして単離する。工程4では、化合物1-4をアセトニトリルに溶解し、-15℃~5℃に冷却した後、CBr
4及びPPh
3を添加する。適切なワークアップ及び精製条件に従い、化合物1-5を単離する。工程5では、化合物1-5をアセトニトリル及びt-BuOHに溶解し、t-BuOK及び6-クロロ-9H-プリン-2-アミンを添加する。反応物を40℃~50℃に加熱する。適切なワークアップ及び精製条件に従い、化合物1-6を単離する。工程6では、化合物1-6をMeOHに溶解し、MeNH
2を添加する。反応物を20℃~30℃に加熱する。適切なワークアップ及び精製条件に従い、化合物1-7を単離する。
パートB:イソプロピル(ヒドロキシ(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートのジヒドロキニン塩(1-12)の合成
フェニルジクロロホスフェート(1-8、150g、1.0当量)を1300mLの酢酸イソプロピルに添加した。溶液を-10℃±5℃に冷却した後、ベンジルアルコール(1-9、80.6g、1.05当量)及びEt
3N(86.3g、1.2当量)の溶液を添加した。混合物を-10±5℃で3時間撹拌した。反応の終点をTLCによってモニタリングした。
L-アラニンイソプロピルエステル塩酸塩(1-10、125g、1.05当量)及びEt3N(152g、2.1当量)を-10℃±5℃で添加した。反応混合物を-10±5℃で2時間撹拌した。反応の終点をTLCによってモニタリングした。
反応混合物を濾過し、濾過ケーキを20mLの酢酸イソプロピルで洗浄した。濾液を1N HCl、水及び重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥させた後、真空下にて40℃~50℃で濃縮乾固し、240gの粗生成物1-11をジアステレオマー混合物(およそ1:1)として得た(淡黄色の油;収率:89.6%(mol/mol);HPLC純度:83.4面積%;HPLCアッセイ:86.2%(w/w))。生成物は、約6%~7%の残留ベンジルアルコールを含有していた。粗1-4を直接次の工程に使用した。
化合物1-11(135g、1.0当量、86.2%アッセイ)及びキニーネ(100g、1.0当量)を650mLのi-PrOHに添加した。5%Pd/C(19.2g、KFによる水60%)を添加した後、閉鎖系において水素バッグを用いた水素化を20℃~25℃で8時間行った。反応の完了後に、混合物をブフナー漏斗に通して濾過した。濾液を真空下で濃縮して溶媒を除去した。
上記の残渣に300mLのTBMEを添加した。混合物を真空下にて40℃~45℃で濃縮して溶媒を除去した後、この工程を更に300mLのMTBEを用いて繰り返した。上記のものに600mLのMTBEを添加し、混合物を40℃~45℃で1時間撹拌した後、0℃~5℃で更に1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキを100mLのMTBEで洗浄した。ケーキを45℃で16時間、真空を用いずに乾燥させ、152gのイソプロピル(ヒドロキシ(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートのジヒドロキニン塩(1-12、白色の固体;収率:69.5%(mol/mol);HPLC純度:97.91%)を得た。
パートC:化合物1Aの合成
イソプロピル(ヒドロキシ(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートのジヒドロキニン塩(1-12、5.9g、1.5当量)、化合物1-7(2.0g、1.0当量)、DIPEA(0.83g、1.0当量)及びHATU(3.65g、1.5当量)を100mLのジクロロメタンに添加した。混合物を40℃に加熱し、18時間撹拌した。反応をTLC及びHPLCによってモニタリングした。
反応が完了した後、反応混合物を室温に冷却し、1N塩酸(100mL×2)、水(100mL×2)及び5%重炭酸ナトリウム水溶液(15mL×1)で洗浄した。分離した有機相を2gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、40℃~45℃にて真空下で濃縮して黄色の油を得た。
酢酸イソプロピル(10mL)を添加した。撹拌した後、混合物を真空下で濃縮した。次いで、25mLの酢酸イソプロピルを添加した。混合物を45℃に加熱し、透明な溶液を得た。室温で2時間撹拌した後、固体沈殿物を濾過し、真空を用いずに45℃で15時間乾燥させて、2.0gの粗化合物1A(収率:53.8%(mol/mol);HPLC純度:93.1面積%(3.7%のRp-化合物1Bを含有する))を得た。
粗化合物1A(2.0g)と15mLの酢酸イソプロピルとの混合物を80℃~85℃に加熱し、溶液を得た。溶液を20℃~25℃に冷却し、1時間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、酢酸イソプロピル(1mL)で洗浄し、真空を用いずに50℃で16時間乾燥させて、1.7gの化合物1A(収率:45.7%(mol/mol);HPLC純度:98.99%)を得た。1H NMR、19F NMR及び31P NMRスペクトルにより化合物1Aの構造を確認した。
パートD. 化合物2Aのヘミ硫酸塩の合成
250mLのフラスコに、MeOH(151mL)を入れて、溶液を0℃~5℃に冷却した。濃H
2SO
4溶液を、10分かけて滴加した。別のフラスコに化合物1A(151g)及びアセトン(910mL)を入れて、H
2SO
4/MeOH溶液を、25℃~30℃で2.5時間かけて滴加した。大量の固体が沈殿した。溶液を25℃~30℃で12時間~15時間撹拌した後、混合物を濾過して、MeOH/アセトン(25mL/150mL)で洗浄して、55℃~60℃で、真空中で乾燥させて、化合物2A(121g、74%)を得た。
1HNMR: (400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.41 (br, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.36 (t, J=8.0 Hz, 2H), 7.22 (d, J=8.0 Hz, 2H ), 7.17 (t, J=8.0 Hz, 1H), 6.73 (s, 2H), 6.07 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.00 (dd, J=12.0, 8.0 Hz, 1H), 5.81(br, 1H), 4.84-4.73 (m, 1H), 4.44-4.28 (m, 3H), 4.10 (t, J=8.0 Hz, 2H), 3.85-3.74 (m, 1H), 2.95 (s, 3H), 1.21 (s, J=4.0 Hz, 3H), 1.15-1.10 (m, 9H)。
実施例2. 本発明の選択化合物の合成
NMRスペクトルを、400MHzのフーリエ変換ブルカー分光計に記録した。CDCl3、CD3OD又はDMSO-d6中、直径5mmのチューブに作製された試料からスペクトルを得た。スピン多重度は、記号s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、m(多重項)、及びbr(ブロード)によって示される。結合定数(J)は、Hzの単位で報告される。MSのスペクトルを、Agilent Technologiesの6120四極子MS装置上のエレクトロスプレイイオン化(ESI)を使用して得た。上記反応を、通常、Sigma-Aldrichの無水溶媒を使用する、乾燥窒素雰囲気下で行った。全ての一般的な化学薬品を商用の供給元から購入した。
合成2. イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(化合物5)
工程1:N-(6-クロロ-9-((6aR,8R,9R,9aR)-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-((トリメチルシリル)オキシ)テトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-9H-プリン-2-イル)アセトアミド:DCM(500mL)及びピリジン(75ml)中の中間体2-1(50.2g、92.25mmol)の溶液にTMSCl(30.1g、276.74mmol)を0℃で添加し、0℃で0.5時間撹拌した。溶液に無水酢酸(28.2g、276.74mmol)を添加し、反応物を0℃で0.5時間の後、室温で1時間撹拌した。反応混合物にH
2O及びEtOAcを添加した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA/PE=0→10%)によって精製し、中間体2-2(53g、51%)を黄色の固体として得た。
工程2:N-(6-クロロ-9-((6aR,8R,9R,9aS)-9-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-9H-プリン-2-イル)アセトアミド:THF(530mL)中の中間体2-2(53g、82.25mmol)の溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(5.9g、36.67mmol)を室温で添加した。溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、TEA(8.3g、82.25mmol)を添加し、反応混合物を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA/PE=10%→20%)によって精製し、中間体2-3(47g、99.5%)を白色の固体として得た。
工程3:N-(6-クロロ-9-((6aR,8R,9aR)-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-オキソテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-9H-プリン-2-イル)アセトアミド:三酸化クロム(18.9g、189.36mmol)をDCM(280mL)中に分散させ、ピリジン(15.0g、189.36mmol)及び無水酢酸(19.3g、189.36mmol)を滴加した。反応混合物は黒色に変化した。DCM(380ml)中の中間体2-3(37g、63.12mmol)を室温で添加し、反応物を0.5時間撹拌した。EtOAc(1200mL)を添加した。反応混合物を濾過し、トルエン(200mL)と共沸濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA/PE=33%→100%)によって精製し、中間体2-4(34.8g、94%)を白色の固体として得た。
工程4:N-(6-クロロ-9-((6aR,8R,9S,9aR)-9-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-メチルテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-9H-プリン-2-イル)アセトアミド:マグネシウムチップ(6.7g、278.66mmol)を無水エーテル(380mL)中に分散させ、重水素化ヨウ化メチル(9.2g、63.33mmol)を添加し、反応物を室温で0.5時間撹拌した後、室温にした。重水素化ヨウ化メチル(27.5g、190.00mmol)を滴加し、反応物を1時間撹拌した後、10℃未満にし、DCM(380ml)中の中間体2-4(37g、63.33mmol)を添加した。反応物を1時間撹拌した後、飽和NaHCO3によってクエンチし、EtOAcで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA/PE=33%→50%)によって精製し、中間体2-5(22g、57.9%)を固体として得た。
工程5:N-(6-クロロ-9-((2R,3S,4R,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)-9H-プリン-2-イル)アセトアミド:THF(150mL)中の中間体2-5(22g、36.65mmol)の溶液に、THF(70ml)中のフッ化テトラブチルアンモニウム(23.12g、73.30mmol)を添加した。溶液を室温で1時間撹拌し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM=2%→5%)によって精製し、中間体2-6(20g、100%超)を固体として得た。
工程6:(2R,3R,4S,5R)-5-(2-アセトアミド-6-クロロ-9H-プリン-9-イル)-2-(アセトキシメチル)-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルアセテート:乾燥DCM(400mL)及びピリジン(8ml)中の中間体2-6(20g、55.90mmol)の溶液に無水酢酸(22.8g、223.62mmol)を添加した。溶液を0℃で一晩撹拌した。次いで、EtOAcを添加し、懸濁液を濾過した。溶液をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体2-7(8.4g、3工程にわたる収率29.8%)を固体として得た。
工程7:(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アセトアミド-6-クロロ-9H-プリン-9-イル)-2-(アセトキシメチル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルアセテート:DCM(220mL)中の中間体2-7(5.4g、12.22mmol)の溶液に、DAST(5.9g、36.67mmol)を-65℃で滴加し、反応物を0.5時間撹拌した。反応物を室温まで温め、1時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO3によってクエンチし、分離した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA/PE=50%→100%)によって精製し、中間体2-8(1.54g、30%)を固体として得た。
工程8:(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-メチルテトラヒドロフラン-3-オール:メチルアミン(EtOH中18%)(36mL)中の中間体2-8(890mg、2.01mmol)の溶液を密閉容器にて室温で一晩撹拌し、濃縮した。次いで、追加のナトリウムメトキシド(325.0mg、6.02mmol)を添加した後、溶液を室温で更に1時間撹拌した。酢酸を添加してpHを7に調整し、溶液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM=0→2%)によって精製し、中間体2-9(400mg、64.5%)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ8.057(s, 1H), 6.103(d, J=18.4 Hz, 1H), 4.047-4.015(m, 2H), 3.878-3.845(m, 1H), 3.030(s, 3H). 19F NMR (400 MHz, CD3OD) δ 164.351(s)。C12H14D3FN6O3 [M+H]+についてのMS (ESI) m/z算出値316.13、実測値316.4。
工程9:イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート:THF(4ml)中の中間体2-9(230mg、0.736mmol)及びイソプロピル((R)-(パーフルオロフェノキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(334mg、0.736mmol)の溶液に、t-BuMgCl(THF中1.7N)(912μL、1.55mmol)を-5℃で滴加した。溶液を0℃で0.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NH4Cl水溶液によってクエンチした。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM=0→3.3%)によって精製し、化合物5(130mg、30.5%)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.81 (s, 1H), 7.32-7.16 (m, 5H),6.13-6.08(d, J=18.8, 8.0 Hz, 1H), 4.87 (s, 1H),4.50(m, 3H),4.19(m, 1H), 3.89(m, 1H), 3.02(s, 1H), 1.30-1.27 (m, 3H), 1.17-1.13(m, 9H). 19F NMR (400 MHz, DMSO) δ -163.42(s)。C24H30D3FN7O7P [M+H]+についてのMS (ESI) m/z算出値585.22、実測値585.5。
合成3. イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-4-(フルオロメチル)-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(化合物6)
工程1:(6aR,8R,9R,9aS)-8-(2-アミノ-6-クロロ-9H-プリン-9-イル)-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-9-オール:ピリジン(330mL)中の中間体3-1(81.8g、0.27mol)の溶液に、TPDSCl
2(102.6g、0.32mol)を0±5℃で滴加した。溶液を0℃で2時間撹拌し、水によってクエンチした。次いで、EtOAcを添加し、相を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。溶液をトルエンと3回共沸濃縮して、ピリジンを除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→100:1)によって精製し、中間体3-2(123.3g、収率83.6%)を油として得た。
工程2:N-(6-クロロ-9-((6aR,8R,9R,9aR)-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-((トリメチルシリル)オキシ)テトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-9H-プリン-2-イル)イソブチルアミド:DCM(1300mL)及びピリジン(184mL)中の中間体3-2(122.6g、0.225mol)の溶液に、TMSCl(48.7g、0.45mol)を0℃~5℃で滴加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。次いで、塩化イソブチリル(36g、0.337mol)を添加し、反応物を0℃で更に10分間撹拌した。水を添加し、相を分離し、CuSO4水溶液で洗浄した。有機相をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、粗中間体3-3(151.7g)を得た。
工程3:N-(6-クロロ-9-((6aR,8R,9R,9aS)-9-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-9H-プリン-2-イル)イソブチルアミド:THF(1500mL)中の中間体3-3(151.7g、0.22mol)の溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(29g、0.155mol)を添加した。混合物を室温で10分間撹拌した後、トリエチルアミン(35ml)の添加によってクエンチした。溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→100:1)によって精製して、中間体3-4(81g、2工程にわたる収率58.5%)を得た。
工程4:N-(6-クロロ-9-((6aR,8R,9aR)-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-オキソテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-9H-プリン-2-イル)イソブチルアミド:DCM(300mL)中の中間体3-4(40g、0.065mol)の溶液に、DMP(56g、0.13mol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、エーテル(2000mL)を添加し、懸濁液を濾過した。溶液を飽和NaHCO3水溶液、飽和Na2S2O3水溶液及びブラインで続けて洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、トルエンと共沸濃縮し、中間体3-5を得て、これを直接次の工程に使用した。
工程5:N-(6-クロロ-9-((6aR,8R,9S,9aR)-9-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-((トリメチルシリル)エチニル)テトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-9H-プリン-2-イル)イソブチルアミド:乾燥THF(350ml)中のトリメチルシリルアセチレン(52g、0.529mol)の溶液に、n-ブチルリチウム(204ml、0.51mol)を-15℃~-20℃で滴加した。溶液を-15℃~-20℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を-70℃まで冷却し、乾燥DMF(200mL)中の中間体3-5(54g、0.088mol)の溶液を滴加した。溶液を-70℃で20分間撹拌した。得られた溶液を0℃までゆっくりと温め、飽和NH4Cl水溶液の添加によってクエンチした。EtOAcを添加し、有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→100:1)によって精製し、中間体3-6(35.1g、2工程にわたる収率56%)を黄色の固体として得た。
工程6:N-(6-クロロ-9-((6aR,8R,9R,9aR)-9-フルオロ-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-((トリメチルシリル)エチニル)テトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-9H-プリン-2-イル)イソブチルアミド:DCM(20mL)及びピリジン(0.703g、8.85mmol)中の中間体3-6(2g、2.81mmol)の溶液に、DAST(2.27g、14.05mmol)を-70℃で添加した。反応混合物を-30℃までゆっくりと温め、-30℃で5分間撹拌した。次いで、溶液を飽和NaHCO3水溶液にゆっくりと添加し、DCMを添加した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→100:1)によって精製し、中間体3-7(1.257g、収率62.85%)を白色の固体として得た。
工程7:N-(9-((6aR,8R,9R,9aR)-9-エチニル-9-フルオロ-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-2-イル)イソブチルアミド:メタノール(30mL)中の中間体3-7(14g、19.65mmol)の溶液に、30%メチルアミンメタノール溶液(30ml)を0℃で添加し、反応物を室温で5分間撹拌した。次いで、溶液を室温で濃縮してメチルアミンを除去した。次いで、得られた溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→100:1)によって精製し、中間体3-8(8.8g、収率70.4%)を白色の固体として得た。
工程8:N-(9-((6aR,8R,9R,9aR)-9-フルオロ-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-ビニルテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-2-イル)イソブチルアミド。EtOAc(88mL)中の中間体3-8(8.8g、13.86mmol)の溶液にリンドラー触媒(3.52g)を添加した。次いで、溶液を水素雰囲気(0.8MPa)下にて室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過して触媒を除去し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→100:1)によって精製し、中間体3-9(7.5g、収率85.2%)を固体として得た。
工程9:N-(9-((2R,3R,4R,5R)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-ビニルテトラヒドロフラン-2-イル)-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-2-イル)イソブチルアミド。THF(40ml)中の中間体3-9(7.5g、11.77mmol)の溶液に、THF(35ml)中のTBAF(5.56g、17.65mmol)の溶液を0℃で添加した。TLCによって出発物質の完全な変換が示された時点で、溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→10:1)によって精製し、中間体3-10(3.8g、収率82.6%)を固体として得た。
工程10:((2R,3R,4R,5R)-3-(ベンゾイルオキシ)-4-フルオロ-5-(2-イソブチルアミド-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-ビニルテトラヒドロフラン-2-イル)メチルベンゾエート。ピリジン(19ml)中の化合物中間体3-10(3.7g、9.38mmol)の溶液に、BzCl(2.9g、20.64mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応混合物をメタノールによってクエンチし、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→100:1)によって精製し、中間体3-11(4.68g、収率82.8%)を白色の固体として得た。
工程11:((2R,3R,4R,5R)-3-(ベンゾイルオキシ)-4-((S)-1,2-ジヒドロキシエチル)-4-フルオロ-5-(2-イソブチルアミド-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルベンゾエート。THF(46.8ml)及びH2O(9.36ml)中の中間体3-11(4.68g、7.77mmol)の溶液に、NMO(1.82g、15.53mmol)及びOsO4(0.65g、2.56mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応混合物を飽和Na2S2O3水溶液によってクエンチし、EtOAcを添加した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→50:1)によって精製し、中間体3-12(4g、収率82%)を白色の固体として得た。
工程12:((2R,3R,4R,5R)-3-(ベンゾイルオキシ)-4-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)-5-(2-イソブチルアミド-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルベンゾエート。中間体3-12(4g、6.28mmol)をメタノール(40ml)、THF(11.7ml)及び水(7ml)に溶解した。次いで、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(2g、9.42mmol)を溶液に添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、メタノール及びTHFで洗浄した。NaBH4(0.382g、10.05mmol)を得られた溶液に少量ずつ添加し、反応物を10分間撹拌した。反応混合物を氷水によってクエンチし、EtOAcを添加した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→50:1)によって精製し、中間体3-13(3.17g、収率83.2%)を白色の固体として得た。
工程13:((2R,3R,4R,5R)-3-(ベンゾイルオキシ)-4-フルオロ-4-(フルオロメチル)-5-(2-イソブチルアミド-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルベンゾエート。DCM(10ml)及びピリジン(650mg、8.24mmol)中の中間体3-13(1000mg、1.65mmol)の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(838mg、2.97mmol)を-15℃~-20℃で添加した。反応混合物を-15℃~-20℃で10分間撹拌した。溶液を飽和NaHCO3水溶液によってクエンチし、CuSO4水溶液で洗浄した。次いで、有機相をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をアセトニトリル(10ml)に溶解し、THF中のTBAF(1M、8.25ml)を得られた溶液に添加した。反応混合物を5分間撹拌し、TLCによってモニタリングした。次いで、反応物をEtOAc及び水で希釈した。相を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→100:1)によって精製し、中間体3-14(113mg、収率37.7%)を白色の固体として得た。
工程14:(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-4-(フルオロメチル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール。中間体3-14(0.51g、0.84mmol)を20%メチルアミンメタノール溶液に溶解し、密閉鋼製反応器にて100℃で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→10:1)によって精製し、中間体3-15(241mg、収率87.6%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.94 (s, 1H), 6.28 (d, J=20.0 Hz, 1H), 4.84-4.56 (m, 1H), 4.46 (t, J=24.0Hz, 1H),4.35-3.89 (m, 1H),3.86 (m, 2H),3.30(d, J=20.0 Hz, 1H),3.03(s, 3H). 19F NMR (400 MHz, CD3OD) δ 179.67(s),80.15 (s).
工程15:イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-4-(フルオロメチル)-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート。中間体3-15(150mg、0.45mmol)をアセトニトリル(6mL)に溶解し、NMI(895.6mg、10.80mmol)を室温で添加した。溶液を0℃まで冷却し、アセトニトリル(2mL)中のイソプロピル(クロロ(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(1247.7mg、4.05mmol)の溶液を滴加した。反応混合物を0℃で5分間撹拌し、TLCによってモニタリングした。次いで、得られた溶液を水によってクエンチし、EtOAcで希釈した。相を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1→30:1)によって精製し、化合物6(111mg、収率40.8%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.78 (s, 1H), 7.31-7.16 (m, 5H),6.27(dd, J=20.0, 8.0 Hz, 1H), 4.91-4.84 (m, 1H),4.56(m, 1H),4.51(m, 4H), 4.50(m, 1H), 3.87(dd, J=20.0, 8.0 Hz, 1H), 3.03 (s, 3H), 1.27-1.13(m, 9H). 19F NMR (400 MHz, CD3OD) δ 179.09(s). 31P NMR (400 MHz, CD3OD) δ 3.86, 3.79 (d)。C24H32F2N7O7P [M+H]+についてのMS (ESI) m/z算出値600.2、実測値600.2。
合成4. イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-エチニル-4-フルオロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(化合物7)
工程1:乾燥THF(2mL)中の中間体4-1(30mg、0.09mmol)の溶液に、tert-ブチルマグネシウムクロリド(THF中1M)(112μL、0.11mmol)を0℃で滴加した。溶液を0℃で15分間、室温で45分間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、乾燥THF(1mL)中のイソプロピル((R,S)-(ペンタフルオロフェノキシ)-フェノキシ-ホスホリル)-L-アラニネート(51mg、0.11mmol)の溶液を滴加した。得られた溶液を室温までゆっくりと温め、15時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(10mL)及び飽和NH
4Cl水溶液(8mL)で希釈した。相を分離し、水層をEtOAc(2×5mL)で逆抽出した。合わせた有機物を飽和NH
4Cl水溶液(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→10%)及び逆相カラムクロマトグラフィー(C-18シリカ、H
2O/MeOH 0→100%)によって精製した。化合物7(9mg、16%)が白色の固体として得られた。
1H NMR (300 MHz, CD
3OD) δ 7.81, 7.79 (s+s, 1H), 7.36-7.14 (m, 5H), 6.26 (d, J=17.4 Hz, 0.1H), 6.24 (d, J=17.4 Hz, 0.9H), 4.93-4.89 (H
2Oと重複, m, 1H), 4.80-4.78 (m, 1H), 4.53-4.49 (m, 2H), 4.21-4.18 (m, 1H), 3.95-3.84 (m, 1H), 3.23-3.20 (m, 1H), 3.04 (bs, 1H), 1.31-1.14 (m, 9H).
31P NMR (121 MHz, CD
3OD) δ 4.06 (s), 3.97 (s)。C
25H
32FN
7O
7P [M+H]
+についてのMS (ESI) m/z算出値592.2、実測値592.2。
合成5. イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-ビニルテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(化合物8)
工程1:(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-ビニルテトラヒドロフラン-3-オール(3)。EtOH(4mL)中の中間体4-1(255mg、0.79mmol)の溶液に、パラジウム(BaSO
4上5%)(60mg)及びキノリン(2滴)を添加した。溶液をH
2雰囲気下に置き、室温で1時間撹拌した。次いで、混合物をセライト上で濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→10%)によって精製した。中間体5-1(177mg、70%)が白色の固体として得られた。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.98 (s, 1H), 6.12 (d, J=18.6 Hz, 1H), 5.52-5.35 (m, 2H), 5.25-5.19 (m, 1H), 4.86-4.70 (m, 1H, H
2Oと重複), 4.13-3.86 (m, 3H), 3.03 (br. s, 3H)。C
13H
18FN
6O
3[M+H]
+についてのMS (ESI) m/z算出値325.1、実測値325.2。
工程2:(2S)-イソプロピル2-(((((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-ビニル-4-フルオロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート。乾燥THF(10mL)中の中間体5-1(150mg、0.47mmol)の溶液に、tert-ブチルマグネシウムクロリド(THF中1M)(560μL、0.55mmol)を0℃で滴加した。溶液を0℃で15分間、室温で45分間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、乾燥THF(5mL)中のイソプロピル((R,S)-(ペンタフルオロフェノキシ)-フェノキシ-ホスホリル)-L-アラニネート(250mg、0.55mmol)の溶液を滴加した。得られた溶液を室温までゆっくりと温め、15時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(50mL)及び飽和NH4Cl水溶液(40mL)で希釈した。相を分離し、水層をEtOAc(2×25mL)で逆抽出した。合わせた有機物を飽和NH4Cl水溶液(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→10%)及び逆相カラムクロマトグラフィー(C-18シリカ、H2O/MeOH 0→100%)によって精製した。化合物8(45mg、16%)が白色の固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.81 (s, 1H), 7.36-7.14 (m, 5H), 6.12 (d, J=19.1 Hz, 1H), 5.54-5.547 (m, 2H), 5.28-5.23 (m, 1H), 4.91-4.81 (m, 1H, H2Oと重複), 4.58-4.47 (m, 2 H), 4.28-4.22 (m, 1H), 3.95-3.85 (m, 1H), 3.05 (br. s, 3H), 1.32-1.13 (m, 9H). 31P NMR (162 MHz, CD3OD) δ 3.86 (s)。C25H34FN7O7P [M+H]+についてのMS (ESI) m/z算出値594.2、実測値594.2。
合成6. イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(化合物9)
工程1:(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-フルオロ-4-ビニルテトラヒドロフラン-3-オール(5)。乾燥DMF(7mL)中の中間体5-1(185mg、0.57mmol)の溶液に、イミダゾール(232mg、3.40mmol)及びTDPSCl(445μL、1.70mmol)を0℃で添加した。溶液を0℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(50mL)及び飽和NH
4Cl水溶液(40mL)で希釈した。相を分離し、有機層を飽和NH
4Cl水溶液(4×30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→5%)によって精製し、中間体6-1(352mg、84%)を白色の固体として得た。
工程2:(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(6)。ジオキサン(5mL)中の中間体6-1(200mg、0.36mmol)の溶液に、N-メチルモルホリン-N-オキシド(220mg、1.87mmol)及びOsO4(H2O中4%)(210μL)を添加した。溶液を暗所にて室温で15時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(25mL)で希釈し、セライト上で濾過した。溶液をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をDCM(5mL)に溶解し、NaIO4(シリカに吸着させた)(2.3g)に添加した。得られたスラリーを室温で15時間トリチュレートした(triturated)。次いで、シリカを濾過し、DCMで十分に洗浄した。合わせた濾液を濃縮した。残渣をEtOH(5mL)に溶解し、NaBH4(225mg、6.0mmol)を0℃で添加した。溶液を0℃で3時間撹拌した後、飽和NH4Cl水溶液(15mL)でクエンチした。混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→5%)によって精製し、中間体6-2(143mg、70%)を白色の固体として得た。
工程3:9-((2R,3R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-3-フルオロ-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3-(((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N6-メチル-9H-プリン-2,6-ジアミン(7)。乾燥DCM(10mL)中の中間体6-2(130mg、0.23mmol)の溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(360μL、4.0mmol)及びカンファースルホン酸(100mg、0.43mmol)を添加した。溶液を室温で2時間撹拌し、DCM(20mL)で希釈した。飽和NaHCO3水溶液(20mL)を添加し、相を分離した。有機物をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EtOAc 0→40%)によって精製し、中間体6-3(137mg、81%)を白色の固体として得た。
工程4:((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4-(((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(8)。乾燥THF(5mL)中の中間体6-3(130mg、0.18mmol)の溶液にTBAF(THF中1M)(360μL、0.36mmol)を添加した。溶液を室温で1時間撹拌し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→5%)によって精製し、中間体6-4(81mg、92%)を白色の固体として得た。
工程5:(2S)-イソプロピル2-(((((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート(9)。乾燥THF(3mL)中の中間体6-4(50mg、0.10mmol)の溶液に、tert-ブチルマグネシウムクロリド(THF中1M)(130μL、0.13mmol)を0℃で滴加した。溶液を0℃で15分間、室温で45分間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、乾燥THF(1mL)中のイソプロピル((R,S)-(ペンタフルオロフェノキシ)-フェノキシ-ホスホリル)-L-アラニネート(52mg、0.11mmol)の溶液を滴加した。得られた溶液を室温までゆっくりと温め、15時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(10mL)及び飽和NH4Cl水溶液(8mL)で希釈した。相を分離し、水層をEtOAc(2×5mL)で逆抽出した。合わせた有機物を飽和NH4Cl水溶液(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をHCl(i-PrOH中1.25M)(2mL)に溶解した。溶液を室温で2時間撹拌し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→10%)及び逆相カラムクロマトグラフィー(C-18シリカ、H2O/MeOH 0→100%)によって精製した。化合物9(29mg、49%)が白色の固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.80 (s, 1H), 7.36-7.13 (m, 5H), 6.17 (d, J=18.3 Hz, 1H), 4.92-4.73 (m, 2H, H2Oと重複), 4.55-4.49 (m, 2 H), 4.26-4.18 (m, 1H), 3.93-3.80 (m, 2H), 3.57-3.43 (m, 1H), 3.03 (br. s, 3H), 1.28 (d, J=7.3 Hz, 3H), 1.15 (t, J=6.6 Hz, 6H). 31P NMR (162 MHz, CD3OD) δ 3.90 (s)。C24H34FN7O8P [M+H]+についてのMS (ESI) m/z算出値598.2、実測値598.2。
合成7. イソプロピル((((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(化合物10)
工程1:(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-ビニルテトラヒドロフラン-3-オール(11)。EtOH(4mL)中の中間体7-1(232mg、0.67mmol)の溶液に、パラジウム(BaSO
4上5%)(50mg)及びキノリン(2滴)を添加した。溶液をH
2雰囲気下に置き、室温で1時間撹拌した。次いで、混合物をセライト上で濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→10%)によって精製し、中間体7-2(170mg、73%)を白色の固体として得た。
工程2:(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-フルオロ-4-ビニルテトラヒドロフラン-3-オール(12)。乾燥DMF(5mL)中の中間体7-2(168mg、0.48mmol)の溶液に、イミダゾール(200mg、2.91mmol)及びTDPSCl(375μL、1.46mmol)を0℃で添加した。溶液を0℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(40mL)及び飽和NH4Cl水溶液(30mL)で希釈した。相を分離し、有機層を飽和NH4Cl水溶液(4×20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→5%)によって精製し、中間体7-3(254mg、89%)を白色の固体として得た。
工程3:(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(13)。ジオキサン(6mL)中の中間体7-3(250mg、0.42mmol)の溶液に、N-メチルモルホリン-N-オキシド(257mg、2.19mmol)及びOsO4(H2O中4%)(245μL)を添加した。溶液を暗所にて室温で15時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、セライト上で濾過した。溶液をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をDCM(6mL)に溶解し、NaIO4(シリカに吸着させた)(2.7g)に添加した。得られたスラリーを室温で15時間トリチュレートした。次いで、シリカを濾過し、DCMで十分に洗浄した。合わせた濾液を濃縮した。残渣をEtOH(6mL)に溶解し、NaBH4(263mg、7.0mmol)を0℃で添加した。溶液を0℃で3時間撹拌した後、飽和NH4Cl水溶液(20mL)でクエンチした。混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→5%)によって精製し、中間体7-4(159mg、64%)を白色の固体として得た。
工程4:9-((2R,3R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-3-フルオロ-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3-(((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N6-シクロプロピル-9H-プリン-2,6-ジアミン(14)。乾燥DCM(10mL)中の中間体7-4(150mg、0.25mmol)の溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(360μL、4.0mmol)及びカンファースルホン酸(100mg、0.43mmol)を添加した。溶液を室温で2時間撹拌し、DCM(20mL)で希釈した。飽和NaHCO3水溶液(20mL)を添加し、相を分離した。有機物をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EtOAc 0→40%)によって精製し、中間体7-5(146mg、76%)を白色の固体として得た。
工程5:((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4-(((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(15)。乾燥THF(5mL)中の中間体7-5(140mg、0.18mmol)の溶液にTBAF(THF中1M)(360μL、0.36mmol)を添加した。溶液を室温で1時間撹拌し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→5%)によって精製し、中間体7-6(86mg、90%)を白色の固体として得た。
工程6:(2S)-イソプロピル2-(((((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート(16)。乾燥THF(3mL)中の中間体7-6(51mg、0.10mmol)の溶液に、tert-ブチルマグネシウムクロリド(THF中1M)(130μL、0.13mmol)を0℃で滴加した。溶液を0℃で15分間、室温で45分間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、乾燥THF(1mL)中のイソプロピル((R,S)-(ペンタフルオロフェノキシ)-フェノキシ-ホスホリル)-L-アラニネート(52mg、0.11mmol)の溶液を滴加した。得られた溶液を室温までゆっくりと温め、15時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(10mL)及び飽和NH4Cl水溶液(8mL)で希釈した。相を分離し、水層をEtOAc(2×5mL)で逆抽出した。合わせた有機物を飽和NH4Cl水溶液(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をHCl(i-PrOH中1.25M)(2mL)に溶解した。溶液を室温で2時間撹拌し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 0→10%)及び逆相カラムクロマトグラフィー(C-18シリカ、H2O/MeOH 0→100%)によって精製した。化合物10(25mg、41%)が白色の固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.81 (s, 1H), 7.33-7.14 (m, 5H), 6.19 (d, J=18.3 Hz, 1H), 4.93-4.81 (m, 2H, H2Oと重複), 4.53-4.50 (m, 2 H), 4.24-4.20 (m, 1H), 3.92-3.80 (m, 2H), 3.55-3.44 (m, 1H), 2.91-2.88 (br. m, 1H), 1.27 (d, J=7.2 Hz, 3H), 1.15 (t, J=7.0 Hz, 6H), 0.86-0.81 (m, 2H), 0.61-0.57 (m, 2H). 31P NMR (162 MHz, CD3OD) δ 3.85 (s)。C26H36FN7O8P [M+H]+についてのMS (ESI) m/z算出値624.2、実測値624.3。
合成8. イソプロピル((R)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(化合物11B)
工程1:三つ口丸底フラスコに無水テトラヒドロフラン(100mL)及びLDA(25mL、50mmol)を投入した。混合物を撹拌し、-75℃に冷却した。次いで、この混合物に、バッチ温度を-74℃未満に維持しながら中間体8-1(8.7g、50mmol)をゆっくりと添加した。混合物を-76℃で60分間撹拌し、バッチ温度を-74℃未満に維持しながら、無水THF(20mL)中の新たに蒸留したD-グリセルアルデヒド(6.5g、50mmol)の溶液をゆっくりと添加した。添加後に混合物をおよそ60分間撹拌し、100gの20%NH
4Cl溶液を添加した。混合物をゆっくりと常温に温め、分液漏斗に移した。水相を分離し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗中間体8-2を得て、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物を黄色の油(7.3g、収率50%)として得た。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 1.33-1.43 (m, 9H), 4.06-4.42 (m, 6H);
19F NMR (CDCl
3, 376.5 MHz) δ (ppm) -73.83 (s, 1F),-73.00(t, 3F)。
工程2:中間体8-2(3.0g、10mmol)、20gのEtOH及び2gの12%硫酸の混合物を78℃で5時間還流させた。混合物を常温に冷却し、1gのトリエチルアミンを添加して酸を中和した。混合物を濃縮乾固した。残渣を20gのトルエンと混合し、混合物を再び濃縮乾固した。残渣を15gのアセトニトリルに溶解した。溶液に触媒量の4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)及び4-クロロベンゾイルクロリド(5g、36mmol)を室温で添加した。混合物を氷水浴内で冷却した後、トリエチルアミン(7.3g、72mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を水(60mL)の添加によってクエンチし、得られた溶液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水及びブライン(各々2×50mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体8-3を淡黄色の固体(2.5g、収率50%)として得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm) 4.60-4.68 (m, 1H), 4.75-4.84 (m, 1H), 4.92-5.00(m, 1H), 6,06-6.16(m, 1H),7.40-7.53(m, 4H),7.91-7.98(m, 4H); 19F NMR (CDCl3, 376.5 MHz) δ (ppm) -78.63 (s, 1F),-74.74(t,3F)。
工程3:乾燥させた丸底フラスコに中間体8-3(5g、10mmol)を投入し、固体を無水THF(50mL)に溶解した。溶液を-20℃に冷却した。次いで、リチウムトリ-tert-ブトキシアルミニウム溶液(THF中1.0M)(17mL、17mmol)を添加漏斗(addition funnel)によって20分かけて添加し、得られた混合物を-20℃で1時間撹拌した。酢酸エチル(12mL)を添加し、混合物をゆっくりと0℃に温めた。次いで、塩化アンモニウムの飽和水溶液(4.5mL)を添加し、混合物を真空で濃縮し、EtOAc(100mL)で希釈した。HCl水溶液(3N、30mL)を添加して固体を溶解した。相分離後に、有機層をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して固体を得た。残留固体をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体8-4を白色の固体(3.5g、収率70%)として得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm) 4.65-4.74 (m, 3H), 5.57-6.17 (m, 2H), 7.31-7.47(m, 4H),7.91-8.01(m, 4H); 19F NMR (CDCl3, 376.5 MHz) δ (ppm) -79.25 (d, 1F),-75.14(d,1F),-74.88(d,1F),-72.20(d,1F)。
工程4:窒素下で、中間体8-4(1.5g、3mmol)をジクロロメタン(18ml)に-20℃で溶解し、PPh3(1.5g、4.5mmol)を添加した。反応混合物を15分間撹拌し、CBr4(2.4g、4.5mmol)を少しずつ添加した。反応物を-20℃~-15℃で1.5時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムでのクロマトグラフィーによって精製し(ワークアップ及び濃縮は行わない)、中間体8-5(1.18g、収率70%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm) 4.58-4.85 (m, 3H), 5.75-5.78(m, 0.5H),6.41-6.70(m, 1.4 H), 7.38-7.47(m, 4H),7.94-8.04(m, 4H); 19F NMR (CDCl3, 376.5 MHz) δ (ppm) -79.27 (d, 1F),-75.23(d,1F),-72.81(d,1F),-70.46(d,1F)。
工程5:三つ口丸底フラスコに6-クロロ-2-アミノプリン(1.1g、6.5mmol)、続いて無水tBuOH(45mL)を撹拌しながら投入した。上記の撹拌溶液にカリウムtert-ブトキシド(1.5g、7mmol)を室温で少しずつ添加した。30分後に、無水アセトニトリル(4mL)中の中間体8-5(1.1g、2mol)の溶液を室温で添加した。混合物をゆっくりと50℃に加熱し、22時間撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(4.5mL)を添加し、溶液を酢酸エチル(60mL)で希釈し、水及びブライン(各々2×30mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体8-6(0.5g、収率40%)を得た。
工程6:5mLフラスコにメタンアミン(3mL、メタノール中30%)を投入し、10±5℃で撹拌した。中間体6(325mg、0.5mmol)を20±5℃で数回に分けて添加し、反応物を1時間撹拌して透明な溶液を得た。反応物を更に6時間~8時間撹拌し、その時点で中間体が溶液の1%未満であることがTLCによって示された。反応器に固体NaOH(0.2g)を投入し、30分間撹拌し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1→20:1)によって精製し、中間体7(120mg、収率65%)を得た。
工程7:中間体8-7(110mg、0.3mmol)及び(S)-2-[((S)-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェノキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-アミノ]プロピオン酸イソプロピルエステル(150mg、0.33mmol)の溶液をTHF(2mL)に懸濁し、窒素下で撹拌した。次いで、懸濁液を-15℃未満の温度に冷却し、-15℃~-10℃の温度を維持しながら、t-BuMgCl溶液(0.5mL、0.85mol)の1.7M溶液をゆっくりと添加した。反応物を更に16時間撹拌し、その時点で中間体が溶液の5%未満であることがTLCによって示された。塩化アンモニウムの飽和水溶液(4.5mL)を室温で懸濁液に添加し、溶液を酢酸エチル(60mL)で希釈し、水及びブライン(各々2×30mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=150:1→50:1)によって精製して、化合物11B(100mg、収率53%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm) 1.71-1.18 (m,6H), 1.29-1.32(m,3H), 3.05(s,3H), 3.87-3.91(m,1H), 4.11-4.12 (bs,1H), 4.37-4.40 (m,2H), 4.70-4.77 (m, 1H), 4.87-4.95(m,1H),6.45-6.49(d,1H), 7.20-7.38(m, 5H), 7.73(d, 1H); 19F NMR (CDCl3, 376.5 MHz) δ (ppm) -178.22 (s, 1F),-76.37(d,3F)。
合成9. イソプロピル((S)-(((2R,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート
イソプロピル((S)-(((2R,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートは、Hertel et al. J. Org. Chem. 1988, 53, 2406及び実施例1に記載されるように合成することができる。非限定的な例を下に記載する:
レフォルマトスキー条件を用いて、活性化亜鉛の存在下でエチル2-ブロモ-2,2-ジフルオロアセテートを(R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-カルバルデヒドにカップリングし、エチル(3R)-3-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-2,2-ジフルオロ-3-ヒドロキシプロパノエートを得て、これを続いてHertel et alに記載されるようなイソプロピリジン基の加水分解除去及びラクトン閉環(closure)に供する。CBz基による保護に続いて、(2R,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4,4-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オールを、実施例1のパートAの工程3~6に記載されるのと同じ手順を用いて合成することができる。
次いで、(2R,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4,4-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オールを、実施例1のパートCに記載されるようにイソプロピル(ヒドロキシ(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートのジヒドロキニン塩(1-12)にカップリングし、イソプロピル((S)-(((2R,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートを得た:
合成10. イソプロピル((S)-(((2R,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4,4-ジクロロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート
イソプロピル((S)-(((2R,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4,4-ジクロロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートは、Pinho et al. J. Org. Chem. 2017, 27, 3468及び実施例1に記載されるように合成することができる。非限定的な例を下に記載する:
イソプロピル2,2,2-トリクロロアセテートを、ターボグリニャールの存在下で(R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-カルバルデヒドにカップリングし、エチル(3R)-3-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-2,2-ジクロロ-3-ヒドロキシプロパノエートを得て、これを続いてPinho et alに記載されるような酢酸条件(acetic conditions)及びラクトン閉環に供する。CBz基による保護に続いて、(2R,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4,4-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オールを、実施例1のパートAの工程3~6に記載されるのと同じ手順を用いて合成することができる。
次いで、(2R,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4,4-ジクロロ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オールを、実施例1のパートCに記載されるようにイソプロピル(ヒドロキシ(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートのジヒドロキニン塩(1-12)にカップリングし、イソプロピル((S)-(((2R,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4,4-ジクロロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートを得た:
合成11. イソプロピル((S)-(((2R,3R,4S,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-クロロ-4-フルオロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート
(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-クロロ-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オールは、米国特許出願公開第20150175648号及び実施例1に記載されるように合成することができる。非限定的な例を下に記載する:
米国特許出願公開第20150175648号に記載されるように、(3S,4R)-3-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)シクロペンタン-1-オンを初めにCBz保護し、ベンジル(((1R,2S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-4-オキソシクロペンチル)メチル)カーボネートを得た後、NFSI(N-フルオロベンゼンスルホンイミド)に供し、ベンジル(((1R,2R,3S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-3-フルオロ-4-オキソシクロペンチル)メチル)カーボネートを得て、この中間体を続いてNCS(N-クロロスクシンイミド)に供し、ベンジル(((1R,2R,3S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-3-フルオロ-4-オキソシクロペンチル)メチル)カーボネートを得る。
次いで、(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-クロロ-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オールを、実施例1のパートCに記載されるようにイソプロピル(ヒドロキシ(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートのジヒドロキニン塩(1-12)にカップリングし、イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-クロロ-4-フルオロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネートを得た:
一実施形態では、フッ素化反応によって「α-フルオロ」及び「β-フルオロ」ラクトン誘導体の混合物が得られ、化合物を当業者に既知の従来の方法、例えばカラムクロマトグラフィー又は結晶化によって分離して、2つのジアステレオマーを単離する。この実施形態では、両方のジアステレオマーを繰り越し、「α-フルオロ」及び「β-フルオロ」最終生成物を得る:
代替的な実施形態では、N-フルオロ-o-ベンゼンジスルホンイミド(NFOBS)又はSelectfluorを用いてフッ素化反応を行う。
実施例3. Huh7細胞におけるコロナウイルスに対する化合物1Aの活性
化合物1Aの活性を、Huh7細胞においてヒトコロナウイルスアルファ-229E及びベータ-OC43に対して試験した。
Huh7細胞を、一晩のインキュベーション後に各ウェルにおいて80%~100%コンフルエントな単層をもたらす濃度で96ウェルプレートに播種した。化合物1AをDMSOに10mg/mLまで溶解し、試験培地(5%ウシ胎仔血清及び50μLのゲンタマイシンを含有する改変イーグル培地)中での8つの半対数(half-log)段階希釈物を50μg/mLの最高濃度で調製した。各濃度の100μLを96ウェルプレートの5つの試験ウェルに添加し、3つのウェルを試験培地中の試験ウイルスに感染させた(1ウェル当たり100CCID50以下)。非感染細胞に対する毒性を評定するために同量の試験培地を残りの試験ウェルに添加した。6つのウェルを感染させ、非処理ウイルス対照とした。培地のみを6つのウェルに添加し、細胞対照とした。細胞変性効果(CPE)が顕微鏡によって観察されるまで、プレートを加湿5%CO2雰囲気にて37℃でインキュベートした。
CPEエンドポイントを得るために、ウェルを0.011%ニュートラルレッド色素でおよそ2時間染色した。色素を吸い取り、ウェルをリン酸緩衝生理食塩水で1回すすぎ、取り込まれなかった残留色素を除去した。200μLの50:50ゼーレンセン(Sorensen)クエン酸緩衝液/エタノールを30分超にわたって撹拌しながら添加した後、540nmでの吸光度を分光光度計で測定した。
ウイルス量減少(VYR)エンドポイントを得るために、各化合物濃度の3つの反復試験ウェルからの上清液をプールし、標準エンドポイント希釈CCID50アッセイ及びリードミュンヒの式(1948年)(Reed, LJ and Muench, H. Am. J. Hygiene 27:493-497 (1948))を用いる力価計算を用いてウイルス力価を測定した。ウイルス量を1log10減少させるのに必要とされる化合物の濃度(EC90)を、回帰分析を用いて決定した。
表1に示されるように、化合物1Aは、アルファ-229Eコロナウイルス及びベータ-OC43コロナウイルスの両方に対して強力である。化合物1Aは、ウイルス量減少アッセイにおいてアルファ-229Eに対して0.71μMのEC90値及びベータ-OC43に対して0.29μMのEC90値を示す。さらに、化合物1Aは、アルファ及びベータコロナウイルスの両方に対して高いCC50値及び選択指数(SI)を示す。例えば、ベータコロナウイルスに対しては、化合物1Aは、ウイルス量減少アッセイを用いて測定した場合に170超の選択指数及びニュートラルレッドアッセイにおいて測定した場合に50μM超のCC50値を示す。
実施例4. BHK-21及びMES-21細胞におけるコロナウイルスに対する化合物1A及び1Bの活性
化合物1A及び化合物1Bを、BHK-21細胞(表2A及び表2B)及びMES-1細胞(表3A及び表3B)においてヒトコロナウイルスに対する活性について試験した。EC50及びCC50を決定し、ソホスブビルと比較した。
コロナウイルスに対する化合物活性は、0.01の感染多重度(m.o.i.)で急性感染させたウイルスによって誘導される細胞病原性の阻害に基づくものであった。37℃で3日間のインキュベーション後に、Pauwels et al. (J. Virol. Methods 1988, 20, 309-321)に記載されるように細胞生存性をMTT法によって決定した。
細胞毒性を決定するために、10%ウシ胎仔血清を添加した、アール塩、L-グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム及び25mg/Lカナマイシンを含む最小必須培地(MEM-E)を含有する96ウェルプレートに1×106細胞/mLの初期密度で細胞を播種した。次いで、細胞培養物を試験化合物の段階希釈物の非存在下又は存在下で加湿5%CO2雰囲気にて37℃でインキュベートした。細胞生存性をMTT法によって決定した。
実施例5. SARS-CoV及びSARS-CoV-2に対する化合物1Aの活性
化合物1Aを、Huh7細胞においてSARS-CoVに対して、また分化正常ヒト気管支上皮(dNHBE、HAE(ヒト気道上皮)とも称される)細胞においてSARS-CoV-2に対して試験した。結果を表4に提示する。ニュートラルレッドアッセイを用いてCC50を決定し、ウイルス量減少アッセイを用いてEC90及びSIを決定した。EC90はμg/mL及びμMで示す。化合物1Aは、SARS-CoVに対して0.34μMのEC90及びSARS-CoV-2に対して0.64μMのEC90を示す。
化合物1Aの活性を、SARS-CoV(ウルバーニ)に感染させたHuh-7細胞において、細胞毒性を評定するニュートラルレッド(NR)アッセイで評価し、続いて抗ウイルス活性を評定するウイルス量減少(VYR)アッセイを用いて試験した。
ニュートラルレッドアッセイ:化合物1Aを100%DMSOに10mg/mLの濃度で溶解し、試験培地(5%FBS及び50μg/mLゲンタマイシンを添加した最小必須培地)中での8回の半対数希釈を用いて段階希釈した。開始(高い)試験濃度は50μg/mLであった。各希釈物を、80%~100%コンフルエントなHuh7又はRD細胞(hCoVベータOC43のみ)を含む96ウェルプレートの5つのウェルに添加した。各希釈物の3つのウェルにウイルスを感染させ、2つのウェルを毒性対照として非感染のままにした。6つの非処理ウェルをウイルス対照として感染させ、6つの非処理ウェルを、細胞対照として用いるために非感染のままにした。ウイルスを、5日~7日以内に80%を超える毒性をもたらす、可能な限り低い感染多重度(MOI)を達成する、特定の50%細胞培養感染用量(CCID50)/mLまで希釈した。MOIは0.03CCID50/細胞であった。プレートを37±2℃、5%CO2でインキュベートした。
感染後(p.i.)7日目に、プレートをニュートラルレッド色素でおよそ2時間(±15分間)染色した。上清色素を除去し、ウェルをPBSですすぎ、組み込まれた色素を50:50ゼーレンセンクエン酸緩衝液/エタノールで30分超にわたって抽出し、光学密度を分光光度計にて540nmで読み取った。光学密度を細胞対照に対するパーセントに変換し、ウイルスの非存在下で50%の細胞死を引き起こすのに必要とされる化合物1Aの濃度を算出した(CC50)。選択指数(SI)は、EC50で除算したCC50である。
ウイルス量減少アッセイ:Vero76細胞を96ウェルプレートに播種し、80%コンフルエンシーまで一晩(37℃)成長させた。各化合物濃度の上清液のサンプルを感染後3日目に採取し(3つのウェルをプールした)、標準エンドポイント希釈CCID50アッセイ及びリード-ミュンヒの式(1948年)(Reed, LJ and Muench, H. Am. J. Hygiene 27:493-497 (1948))を用いる力価計算を用いてウイルス力価について試験した。ウイルス量を1log10減少させるのに必要とされる化合物の濃度(EC90)を、回帰分析によって算出した。
次に、化合物1Aの抗ウイルス活性を、MatTek Corporation(マサチューセッツ州アッシュランド)によるオーダーメードの分化正常ヒト気管支上皮(dNHBE;HAE(ヒト気道上皮))細胞を用いてSARS-CoV-2(WA1)に対して評価した。
細胞培養:dNHBE細胞は、6mmメッシュディスク上で培養され、12ウェル又は24ウェルのいずれかのトランズウェル(transwell)インサートを含むキットで到着した。輸送時に、組織はアガロースシート上に固定され、これは受け取り後に除去された。1つのインサートがおよそ1.2×106細胞からなると推定された。細胞インサートのキット(EpiAirway(商標) AIR-100、AIR-112)は、23歳の健常な非喫煙白人男性である単一ドナー#9831から得られたものである。この細胞は、層の形成について独特な性質を有し、その頂端側のみが空気に曝露され、ムチン層を作り出す。到着後に、細胞トランズウェルインサートを製造業者の指示に従って即座に6ウェルプレートの個々のウェルに移し、1mLのMatTek独自の培養培地(AIR-100-MM)を基底外側に添加し、頂端側を加湿5%CO2環境に曝露した。実験開始前に1日、細胞を37℃で培養した。24時間の平衡期間後に、細胞の頂端側から分泌されたムチン層を、400μLの予め温めた30mM HEPES緩衝生理食塩溶液で3回洗浄することによって除去した。洗浄工程後に培養培地を補充した。
ウイルス:ウイルスを感染前にAIR-100-MM培地で希釈し、およそ0.0015CCID50/細胞の感染多重度(MOI)を得た。
実験設計:各化合物処理(120μL)及びウイルス(120μL)を頂端側に適用した。同時に、化合物処理(1mL)を2時間のインキュベーションにわたって基底側に適用した。ウイルス対照として、細胞の一部をプラシーボ(細胞培養培地のみ)で処理した。2時間の感染後に頂端培地を除去し、基底側を新たな化合物又は培地(1mL)と交換した。細胞を気液界面で維持した。5日目に、プラシーボ処理インサートにおける細胞毒性(CC50値)を目視検査によって推定し、全てのインサートから培地を除去し、基底側から捨てた。dNHBE細胞の頂端コンパートメントに放出されたウイルスを、37℃で予め温めた400μLの培養培地の添加によって採集した。内容物を30分間インキュベートし、よく混合し、回収し、十分にボルテックスし、VYR滴定のためにVero76細胞上にプレーティングした。二連ウェルをウイルス対照及び細胞対照に用いた。
各処理細胞培養物のウイルス力価の決定:Vero76細胞を96ウェルプレートに播種し、コンフルエンスまで一晩(37℃)成長させた。ウイルスを含有するサンプルを10倍の増分にて感染培地で希釈し、200μLの各希釈物を96ウェルマイクロタイタープレートのそれぞれのウェルに移した。各希釈物について4つのマイクロウェルを50%ウイルスエンドポイントの決定に用いた。5日間のインキュベーション後に、非感染対照と比較して任意の細胞変性効果(CPE)が観察された場合に各ウェルをウイルスに対して陽性とスコア付けし、6日目及び7日目にエンドポイントについてカウントを確認した。細胞培養物の50%を感染させることが可能なウイルス用量(0.1mL当たりのCCID50)を、リード-ミュンヒの方法(1948年)(Reed, LJ and Muench, H. Am. J. Hygiene 27:493-497 (1948))によって算出し、90%有効濃度(EC90;ウイルス量を1log10減少させる濃度)を回帰分析によって決定した。5日目の値を報告した。非処理の非感染細胞を細胞対照として用いた。
実施例6. 様々なヒトコロナウイルスに対する化合物1A及び他の経口抗ウイルス薬のin vitro活性
化合物1A及び他の経口抗ウイルス薬を、様々な細胞株において様々なヒトコロナウイルス(表5)に対して試験した。データから幾つかのCoVに対する化合物1Aの強力なin vitro活性が実証され、HCoV-229E、HCoV-OC43、SARS-CoV-1及びSARS-CoV-2に対する0.34μM~1.2μMの範囲の個々のEC90値、並びにMERS-CoVに対するより低い活性(平均EC90=36μM)が見られた。
初期スクリーニングでは、季節性ヒトアルファコロナウイルスであるHCoV-229Eに急性感染させたBHK-21細胞を化合物1Aの段階希釈物に曝露した。3日間のインキュベーション後に、2回の独立実験によるウイルス誘導細胞変性効果(CPE)の50%の阻害を達成するのに必要とされる化合物1Aの有効濃度(EC50)は、平均して1.8μMとなった。対照的に、2’-フルオロ-2’-メチルウリジンヌクレオチドプロドラッグであるソホスブビルは、100μMと高い濃度でもHCoV-229Eの複製を阻害しなかった(表5)。いずれの薬物についても毒性は検出されなかった。
次いで、HCoV-229E、HCoV-OC43(別の季節性ヒトコロナウイルス株)、MERS-CoV及びSARS-CoV-1に対する化合物1Aのin vitro効力をHuh-7細胞ベースのアッセイにおいて評価した。このヒト肝細胞癌細胞株は、Good, S.S. et al. PLoS One 15(1), e0227104 (2020)に報告されるように、化合物1AがHCoV-229Eに対する活性を欠いていた(EC50>100μM)、MRC-5細胞とは異なり、化合物1Aを細胞内でそのトリホスフェート代謝産物へと活性化するその能力に基づいて選択された。抗ウイルス活性を、ウイルス及び試験化合物の段階希釈物へのHuh-7細胞の曝露後に、1)5日間(229E及びOC43)又は7日間(MERS及びSARS)のインキュベーション後のニュートラルレッド色素染色によるウイルス誘導CPEのEC50の決定、及び2)ウイルス量減少(VYR)を決定する標準エンドポイント希釈CCID50アッセイを用いた、3日間のインキュベーション後の培養培地への感染性ウイルスの分泌を90%減少させるのに必要とされる有効濃度(EC90)の決定による2つの異なる方法によって評定した。半数(Half-maximal)細胞毒性(CC50)を、ウイルスの非存在下での化合物処理複製物のニュートラルレッド染色によって測定した。強いVYRエンドポイントがHCoV-OC43又はSARS-CoV-1に感染させたHuh-7細胞において得られたが、CPEは観察されず、ニュートラルレッド染色を用いたEC50値は、これらのウイルスでは得られなかった。HCoV-229E、HCoV-OC43及びSARS-CoV-1に対する化合物1AのEC90値の個々の決定値は、0.34μM~1.2μMの範囲であり、MERS-CoVに対する値は、平均して37μMとなった(表5)。化合物1Aによる細胞毒性は、試験した最高濃度である86μMまで検出されなかった。
クロロキン及びヒドロキシクロロキンは、VYR測定を用いて得られる0.05μM未満のそれらのEC90値に基づくと、HCoV-229E及びHCoV-OC43に対して極めて強力であるようであった(表5)。ニュートラルレッドアッセイを用いて得られた、これら2つの薬物のそれぞれのEC50値(8.1μM及び7.4μM)は、相当に高く、対応するCC50値の2.6倍~3.6倍の低さしかなく、大幅に低い効力及び低い選択指数が示された。これらの違いにより、VYRの測定のみを用いた細胞毒性化合物の抗ウイルス活性の評定における固有誤差が説明される。細胞が有毒な薬物の毒性を受け、死に至る場合、それら自身の健康に加えてウイルスの複製及び増殖を支持するそれらの能力は、大幅に減少するようである。細胞死が染色によって検出された時点で、ウイルス量減少測定は、抗ウイルス活性と細胞毒性との組合せを反映するため、抗ウイルス効力が過大評価されるようである。
Wang, M. et al. (Cell Research 2020, 30, 269)で公開されたデータとは対照的に、Huh-7細胞は、SARS-CoV-2の複製を許容しなかった。SARS-CoV-2複製のための細胞株よりも代表的な系として確立された、肺の極めて適切なin vitroモデルであるヒト気道上皮(HAE)細胞調製物を用いたアッセイを開発した(Jomsdottir, H.R., Virol. J. 13, 24 (2016))。これらの初代細胞は、ヒト気道の生理と一致して極性化単層を形成し、その頂端側が空気に曝露され、ムチン層を生じる(Jomsdottir, H.R., Virol. J. 13, 24 (2016))。2つの異なるHAEアッセイによるSARS-CoV-2に対する化合物1Aの平均EC90及びCC50値(それぞれ0.5μM及び86μM超)は、HCoV-OC43及びSARS-CoV-1について得られた値と同じ範囲であった(表5)。
第2のHAEアッセイでは、化合物1Aの活性を、SARS-CoV-2に対するin vitro及びin vivo活性が近年報告されたN4-ヒドロキシシチジンと並行して試験した(Sheahan, T.P. et al. Sci. Transl. Med. 12, eabb5883 (2020))。SARS-CoV-2に対するN4-ヒドロキシシチジンの効力(EC90=3.9μM)は、同じ実験において化合物1Aよりも8倍低かった。
MERS-CoVと他のCoVとで化合物1A活性の30倍の差が観察された。ヌクレオチド及びヌクレオチドアナログの選択は、CoV RdRp活性部位で達成され、nsp12遺伝子産物は、プロセッシビティ(processivity)補因子であるnsp7及びnsp8によって活性化される(Subissi, L., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 111 (37) 3900-9 (2014))。保存されたアミノ酸モチーフA及びCは、ホスホジエステル結合形成に関わり、モチーフF及びBは、ヌクレオチドチャネリング及び活性部位での結合にそれぞれ関与する。これらの必須モチーフでのMERS-CoVと他のCoVとの顕著な構造差は見られない。化合物1Aとソホスブビルとで同様のリボース修飾が見られることから、ソホスブビルの活性の選択的な欠如は、nsp14が保有するCoVエキソヌクレアーゼによる除去のためである可能性は低い(Ferron, F., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 115 (2) 162-171 (2018))。
細胞、抗ウイルス薬及びウイルス
BHK-21(ベビーハムスター腎臓)細胞、Huh-7(ヒト肝細胞癌)細胞、RD(ヒト横紋筋肉腫)細胞及び季節性ヒトコロナウイルス(HCoV-229E及びHCoV-OC43)は、American Type Culture Collection(バージニア州マナサス)から入手した。MERS-CoV(EMC)、SARS-CoV-1(ウルバーニ)及びSARS-CoV-2(USA-WA1/2020)は、米国疾病予防管理センター(ジョージア州アトランタ)によって提供された。HAE細胞調製物(EpiAirway(商標) AIR-100又はAIR-112)は、MatTek Corporation(マサチューセッツ州アッシュランド)から購入した。化合物1A及びN4-ヒドロキシシチジンは、Atea Pharmaceuticalsに対し、それぞれTopharman Shanghai Co., Ltd.(中国上海)及びOxeltis(フランス国モンペリエ)によって調製された。クロロキン及びヒドロキシクロロキンは、Mason-Chem(カリフォルニア州パロアルト)から購入し、ソホスブビルはPharma Sys, Inc.(ノースカロライナ州ケーリー)から購入した。
抗ウイルスアッセイ
BHK-21細胞:試験化合物をDMSOに100mMで溶解した後、1mMピルビン酸ナトリウム及び25μg/mLカナマイシンを含有し、10%FBSを添加した、アール塩を含む最小必須培地(MEM-E)(成長培地)で100μM、20μM、4μM及び0.8μMの最終濃度まで希釈した(それぞれ2つの24ウェル複製プレート)。BHK-21細胞を96ウェルプレートにおいてコンフルエンシーまで成長させた後、成長培地を、段階希釈した試験化合物及び0.01の感染多重度(MOI)でのHCoV-229Eを含有する新たな維持培地(10%FBSの代わりに1%不活性化FBSを含む成長培地)と交換した。段階希釈した化合物の存在下の非感染細胞を、化合物の細胞毒性を評定するために用いた。加湿5%CO2雰囲気にて37℃で3日間のインキュベーション後に、細胞生存性をMTT法によって決定した(Pauwels, R et al. J. Virol. Methods 20(4):309-321 (1988))。ウイルス誘導細胞変性効果(CPE)を50%防ぐのに必要とされる試験化合物の有効濃度(EC50)、及びウイルスの非存在下で50%の細胞死を引き起こすのに必要とされる試験化合物の有効濃度(CC50)を回帰分析によって算出した。
Huh-7及びRD細胞:試験化合物の抗ウイルス活性を、ウイルス誘導CPE及び化合物誘導CPEの阻害を決定するニュートラルレッドアッセイを用い、ウイルス誘導CPEの阻害の第2の独立測定としてウイルス量減少(VYR)アッセイを用いてヒトコロナウイルスアルファ(229E)、ベータ(OC43)、MERS(EMC)及びSARS(ウルバーニ)に対して評価した。
ニュートラルレッドアッセイ:試験化合物をDMSOに10mg/mLの濃度で溶解し、最高の試験濃度が50μg/mLとなるように試験培地(5%FBS及び50μg/mLゲンタマイシンを添加した最小必須培地)中での8回の半対数希釈を用いて段階希釈した。各希釈物を、80%~100%コンフルエントなHuh-7又はRD細胞(OC43のみ)を含む96ウェルプレートの5つのウェルに添加した。各希釈物の3つのウェルにウイルスを感染させ、2つのウェルを毒性対照として非感染のままにした。6つの非処理ウェルをウイルス対照として感染させ、6つの非処理ウェルを、ウイルス対照として用いるために非感染のままにした。ウイルスを229E、OC43、MERS及びSARSに対して、それぞれ0.003CCID50/細胞、0.002CCID50/細胞、0.001CCID50/細胞及び0.03CCID50/細胞のMOIが達成されるように希釈した。プレートを、5%CO2を含有する加湿雰囲気にて37±2℃でインキュベートした。
非処理ウイルス対照ウェルが最大CPEに達した、感染後5日目(229E及びOC43)又は7日目(MERS及びSARS)に、プレートをニュートラルレッド色素でおよそ2時間(±15分間)染色した。上清色素を除去し、ウェルをPBSですすぎ、組み込まれた色素を50:50ゼーレンセンクエン酸緩衝液/エタノールで30分超にわたって抽出し、光学密度を分光光度計にて540nmで読み取った。光学密度を細胞対照に対するパーセントに変換し、ウイルス誘導CPEを50%防ぐのに必要とされる試験化合物の濃度(EC50)、及びウイルスの非存在下で50%の細胞死を引き起こすのに必要とされる試験化合物の濃度(CC50)を算出した。
ウイルス量減少アッセイ:Vero76細胞を96ウェルプレートに播種し、コンフルエンスまで一晩(37℃)成長させた。各化合物濃度の上清液のサンプルを感染後3日目に採取し(3つのウェルをプールした)、標準エンドポイント希釈CCID50アッセイ及びリード-ミュンヒの式(1948年)(Reed, LJ and Muench, H. Am. J. Hygiene 27:493-497 (1948))を用いる力価計算を用いてウイルス力価について試験し、ウイルス量を90%減少させるのに必要とされる化合物の濃度(EC90)を回帰分析によって算出した。
HAE細胞調製物
試験化合物の抗ウイルス活性を、オーダーメードのヒト気道上皮(HAE)細胞を用いてSARS-CoV-2(USA-WA1/2020)に対して評価した。
細胞培養:HAE細胞は、6mmメッシュディスク上で培養され、12ウェル又は24ウェルのいずれかのトランズウェルインサートを含むキットで到着した。輸送時に、組織はアガロースシート上に固定され、これは受け取り後に除去された。1つのインサートがおよそ1.2×106細胞からなると推定された。細胞インサートのキット(EpiAirway(商標) AIR-100又はAIR-112)は、23歳の健常な非喫煙白人男性である単一ドナー#9831から得られたものである。この細胞は、極性化単層を形成し、その頂端側が空気に曝露され、ムチン層を作り出す。到着後に、細胞トランズウェルインサートを製造業者の指示に従って即座に6ウェルプレートの個々のウェルに移し、1mLのMatTek独自の培養培地(AIR-100-MM)を基底外側に添加し、頂端側を加湿5%CO2環境に曝露した。実験開始前に1日、5%CO2を含有する加湿雰囲気にて37℃で細胞を培養した。24時間の平衡期間後に、細胞の頂端側から分泌されたムチン層を、400μLの予め温めた30mM HEPES緩衝生理食塩溶液で3回洗浄することによって除去した。洗浄工程後に培養培地を補充した。
ウイルス:ウイルスを感染前にAIR-100-MM培地で希釈し、およそ0.0015CCID50/細胞の培養物に添加した場合のMOIを得た。
実験設計:各化合物処理(120μL)及びウイルス(120μL)を頂端側に適用し、化合物処理(1mL)を基底側に適用した。ウイルス対照として、細胞の一部を細胞培養培地のみで処理した。2時間の感染インキュベーション後に頂端培地を除去し、基底培地を新たな化合物又は培地(1mL)と交換した。細胞を気液界面で維持した。5日目に、非感染化合物処理インサートにおける細胞毒性(CC50値)を目視検査によって推定し、全てのインサートから基底培地を除去し、捨てた。HAE細胞の頂端コンパートメントに放出されたウイルスを、37℃で予め温めた400μLの培養培地の添加によって採集した。内容物を30分間インキュベートし、よく混合し、回収し、十分にボルテックスし、VYR滴定のためにVero76細胞上にプレーティングした。別個のウェルをウイルス対照に用い、二連ウェルを非処理細胞対照に用いた。各処理培養物のウイルス力価を上記のように決定した。
実施例7. ヒト鼻及び気管支細胞における化合物1Aトリホスフェートレベル
化合物1A(10μM)をヒト鼻及び気管支上皮細胞と共に8時間にわたって三連でインキュベートした。個々の試験物への8時間の曝露の終了時に、インキュベーション培地を除去し、細胞層をHepes緩衝生理食塩溶液(HBSS)で洗浄した。HBSSを除去し、続いて試験物を含まない新たな細胞培養培地を添加した。試験物の除去の0時間後、15時間後、24時間後、48時間後及び72時間後に、細胞外培地を除去し、細胞層をHBSSですすいだ。細胞をプレートから掻き取り、内部標準AT 9005を含有する水中の冷60%メタノールに懸濁し、約-20℃で保管し、続いて対応する化合物1Aのトリホスフェート代謝産物である化合物1-6(スキーム1)の形成のLC/MS/MS分析のために遠心分離した。表6に各時点でのトリホスフェート代謝産物である化合物1-6の平均細胞内濃度を提示する。図1は、気管支細胞及び鼻細胞における曝露後の各時点での化合物1-6の濃度のグラフである。半減期(t1/2)は、鼻細胞では38時間、気管支細胞では39時間であった。気管支細胞におけるトリホスフェートレベルは、鼻細胞よりも高かったが、相当なレベルのトリホスフェートが両方で形成された。半減期はどちらの細胞においても1.5日を超え、100μMまで毒性は観察されなかった。
図2及び図3は、それぞれ気管支及び鼻細胞における各時点でのトリホスフェートレベルの棒グラフである。図2及び図3では、化合物1Aから形成されるトリホスフェートのレベルと、ALS-8112(下に示す)及び4’-Me置換プロドラッグ(イソプロピル((S)-(((2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-2,4-ジメチルテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート、左下に示す)から形成されるトリホスフェートのレベルとを比較する。ALS-8112は、RSVに対して臨床的に有効な薬物であり、RSV感染HAE細胞におけるin vitro EC
90は1.3μM~2.7μMである(Deval, J. et al. 2015 PLoS Pathog 11(6): e1004995)。
図2及び図3に示されるように、ヒト気管支及び鼻細胞の両方でALS-8112又は4’-Me置換プロドラッグと比較して相当に多くのトリホスフェートが化合物1Aから形成される。10μMの濃度の各薬物との8時間のインキュベーションの終了時に、ALS-8112及び4’-Me置換プロドラッグに対する化合物1Aに由来するトリホスフェートの比率は、それぞれ気管支細胞では2及び84、鼻細胞では1及び14であった。ウォッシュアウトの15時間後に、ALS-8112及び4’-Me置換プロドラッグに対する化合物1Aに由来するトリホスフェートの比率は、それぞれ気管支細胞では5及び54、鼻細胞では3及び8であった。
実施例8. 化合物2Aの経口投与後の非ヒト霊長類の組織におけるトリホスフェートレベル
非ヒト霊長類に、定常状態レベルを達成する化合物2Aの3日間の経口投与計画を行った。霊長類に、1回の60mg/kg用量に続いて12時間毎の5回の30mg/kg用量を与えた(用量は、100mgの負荷用量+550mgの1日2回(BID)の臨床投与計画から非比例的に(allometrically)スケーリングした)。
代謝産物である化合物1A、化合物1-2及びトリホスフェートサロゲートである化合物1-7の血漿PKを決定した。最後から2番目の投与の直前、並びにその0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後及び12時間後(最終投与の直前)に、血液サンプルを3匹のサルから得て、EDTAと混合した。次いで、血漿を遠心分離によって調製し、LC-MS/MSによって化合物1A、化合物1-2及び化合物1-7の濃度について分析した。(トリホスフェート化合物1-6は、細胞内で産生され、遊離しない。したがって、血漿中では測定可能でない。しかしながら、5’-OH代謝産物である化合物1-7(スキーム1を参照されたい)は、細胞から排出されるため、血漿中で測定可能であり、細胞内活性代謝産物である化合物1-6のサロゲートとなることができる。)代謝産物の血漿PKデータを表7に示す。
図4、図5及び図6は、経口用量の化合物2A(3日間の30mg/kg BID)の投与後の非ヒト霊長類における化合物1A、化合物1-2及び化合物1-7それぞれの平均血漿プロファイルのグラフである。化合物1-2(中間体プロドラッグ)及び化合物1-7(細胞内TPレベルのサロゲート)の血漿トラフ濃度(0時間及び12時間の時点の平均)は、それぞれ0.20μM及び0.11μMである。プロファイルにより化合物1Aから化合物1-2及び化合物1-7(トリホスフェート化合物1-6のサロゲート)への急速な変換が示される。
図7A及び図7Bに示されるように、トリホスフェート化合物1-6、化合物1A及び他の代謝産物について肺、腎臓及び肝臓組織レベルを最終投与の12時間後、24時間後及び48時間後(1時点当たり3匹の雄)に決定した。上記のように、3匹の雄性被投与(non-naive)カニクイザルに、60mg/kg負荷用量に続いて12時間毎の5回の30mg/kg用量の化合物2Aを投与した。最終投与の12時間後、24時間後及び48時間後に、血漿、肺、腎臓及び肝臓組織のサンプルを各時点で3匹の麻酔動物から採取し、即座に液体窒素中で急速冷凍した。組織の各サンプルおよそ0.5gを、ドライアイス:エタノール浴に浸したチューブにおいてpH7.8に調整し、適切な内部標準を含有する5体積(5mL/g)の70%メタノール:30%268mM EDTA中でポリトロン(Polytron)を用いてホモジナイズした。ホモジネートを化合物1A、化合物1-2、化合物1-6及び化合物1-7の濃度についてLC-MS/MSによって分析した。
非ヒト霊長類の肺、腎臓及び肝臓組織における活性代謝産物トリホスフェート化合物1-6のトラフ(12時間)レベルは、それぞれ0.14μM、0.13μM及び0.09μMであった。肺におけるトリホスフェート種濃度は、12時間の定常状態トラフレベルで肝臓と比較して1.6倍高かった。表8に、各時点での肺、腎臓及び肝臓組織におけるトリホスフェート代謝産物である化合物1-6の平均細胞内濃度を提示する。図7Aに示されるように、肺、腎臓及び肝臓における化合物1-6の半減期は、それぞれ9.4時間、8.0時間及び4.3時間であった。化合物1-6の半減期は、線形回帰分析後の時間に対するln(組織濃度)のプロットの傾きから得られる化合物1-6濃度の減少についての速度定数kでln(2)を除算することによって決定された。
実施例9. 非ヒト霊長類における化合物1-6の組織レベルに基づくトリホスフェート化合物1-6のヒト肺及び腎臓濃度の予測
(Good, S.S. et al. 2020 PLoS ONE 15(1):e0227104)に記載されるように、10μMの化合物1Aとインキュベートしたヒト及びサル肝細胞におけるトリホスフェート化合物1-6のレベルを決定した。図8は、2つの種におけるレベルを比較したグラフであり、図に示されるように、AUC0~24値によって評定されるヒト肝細胞におけるトリホスフェート化合物1-6の濃度は、非ヒト霊長類(サル)肝細胞よりも7倍高い。データを表9にも提示する。細胞内濃度を算出するために3.4×10-9mL(14)の肝細胞体積を用いると、化合物1-6は、ヒト肝細胞では8時間の時点で26±1μMのピークに達し、サル肝細胞における最高濃度は、4時間の時点で3.1±0.1μMであった。
初代肝細胞における化合物のin vitro形成によって評定される、ヒト対サルのトリホスフェート化合物1-6の濃度の比率(7.0)に基づき、予測ヒト組織レベルを決定した。サルにおけるトリホスフェート化合物1-6の実際の組織レベル及びヒトにおける予測組織レベルを表10に示す。1100mg LD(負荷用量)+550mg BID(1日2回)の臨床投与計画は、HAE細胞培養物におけるSARS-CoV-2複製に対する化合物2Aのin vitro EC90を超えるトリホスフェート化合物1-6の肺細胞内レベルをトラフ(12時間)で達成すると予測される。この投与計画中のトリホスフェートレベルは、SARS-CoV-2に対する化合物2Aのin vitro EC90を一貫して上回ったままであると予測される。予測は、非ヒト霊長類の肺組織(9.4時間)と比較したヒト気管支/鼻細胞における肺トリホスフェート半減期(38時間)によって、BID投与を受けたヒトにおいてより高い定常状態レベルが予測されることから(少なくとも肺について)控えめなものであるが、このことは予測には組み入れなかった。
実施例10. ヒト肺組織におけるトリホスフェート化合物1-6の細胞内濃度のシミュレーション
化合物1-7(化合物1-6を血漿中で測定することができないため、トリホスフェート化合物1-6のサロゲート)の血漿濃度-時間プロファイルを、AT-01B-001研究(Berliba, e. et al. 2019 Antimicrob. Agents Chemother. 63(12):e01201-19の図1及び表3に記載される)の一環として600mg QD用量の化合物2A(553mgの遊離塩基化合物1Aに相当する)を7日間にわたって与えた被験体(N=18)から得た。プロファイルを、Monolix Suite 2019 Suite 2019(Lixosoft、フランス国アントニー)を用いた母集団薬物動態(PPK)分析に供した。次いで、得られたPPKパラメーターを関連の分散共分散行列と共に用い、Monolix SuiteのSimulxモジュールを用いて、様々な投与計画についての化合物1-7の血漿PKプロファイルをシミュレートした。
1)化合物1-7の肺トリホスフェートレベルが、サルにおいて得られる化合物1-6の肺対肝臓の濃度の比率に基づき、そのヌクレオシド代謝産物である化合物1-7の血漿レベルの1.6倍であり、2)SARS-CoV-2に対する化合物1Aの平均in vitro EC90がHAE細胞調製物において約0.55μMであると仮定した。これらの仮定の下で、シミュレートされる肺化合物1-6レベルは、1100mgの負荷用量の投与の直後にin vitro EC90を超え、550 BID維持用量で残りの日数にわたってEC90を上回ったままである。5日間にわたるシミュレートされた肺化合物1-6濃度を図9に示す。
付加的なシミュレーションも行った。ヒト肺化合物1-6レベルの動態を、サルにおいて観察された肺対肝臓の化合物1-6の濃度比がヒトにも当てはまるという仮定に基づき1.6倍に増幅した、毎日550mg用量の化合物2Aを与えた被験体からの公開された血漿化合物1-7データ(Berliba, e. et al. 2019 Antimicrob. Agents Chemother. 63(12):e01201-19に記載される)を用い、5日間にわたる化合物2Aの550mg BID投与計画についてシミュレートした(図10)。この投与計画についてのヒト肺における活性トリホスフェート化合物1-6の得られる予測定常状態ピーク及びトラフレベルは、それぞれ1.5μM及び0.9μMである。ヒト肺化合物1-6濃度を予測する第2のアプローチには、シミュレートされた同じ血漿化合物1-7データを用いたが、血漿値を、血漿中の化合物1-7に対するサルにおける平均定常状態(12時間)肺化合物1-6濃度の比率である1.2倍に補正した。この予測により、ピーク及びトラフヒト肺トリホスフェート濃度について1.1μM及び0.7μMのそれぞれの推定値が得られた。
両方の方法によると、化合物1-6の予測ヒト肺レベルは、初回投与の数時間後から投与期間の終わりまで、HAE細胞においてSARS-CoV-2複製に対して観察されるEC90値を超える。
図10に、両方のアプローチを用いたヒト肺におけるシミュレートされた化合物1-6濃度を示す。実線の曲線は、1.6という化合物1-6の肺対肝臓の濃度比に対して補正した後の活性トリホスフェート化合物1-6代謝産物の予測肺濃度を表す。点線の曲線は、1.2という肺の化合物1-6対血漿の化合物1-7の比に対して補正した後の活性トリホスフェート化合物1-6代謝産物の予測肺濃度を表す。横線は、in vitroでのHAE細胞におけるSARS-CoV-2に対する化合物1AのEC90を表す(0.47μM)。
実施例11. SARS-CoV-2に対する選択化合物のin vitro活性
本発明の選択化合物をSARS-CoV-2アッセイにおいて試験した。アッセイは、実施例6に記載されるようにヒト気道上皮(HAE;dNHBE)細胞を用いて行った。レムデシビルを陽性対照とし、化合物をソホスブビルと比較した。化合物は、各化合物の4回の段階希釈(10μg/mL、2.5μg/mL、0.625μg/mL及び0.156μg/mL)を用いて一連で(in singlet)試験した。ソホスブビルのみを10μg/mLにて二連で試験し、化合物1Aは1μg/mL及び0.1μg/mLにて一連で、レムデシビルは最高濃度1μg/mLの4回の段階対数希釈にて一連で試験した。結果を表11に示す。2’位に重水素置換を有する化合物5は、0.31μMのEC90を示し、2’-CH2F置換を有する化合物6は、1.8μMのEC90を示した。いずれの化合物も目に見える毒性を示さなかった。
実施例12. 化合物2Aの処方の説明及び製造
化合物2Aの錠剤(50mg及び100mg)の代表的な非限定的なバッチ処方を表12に提示する。錠剤は、共通ブレンドから直接打錠プロセスを用いて作製した。医薬品有効成分(API)は、無条件(as-is)アッセイに基づいて調整し、微結晶性セルロースのパーセンテージに調整を加えた。API及び賦形剤(微結晶性セルロース、ラクトース一水和物及びクロスカルメロースナトリウム)を篩にかけ、Vブレンダー(PK Blendmaster、0.5Lボウル)内に入れ、25rpmで5分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウムを篩にかけ、添加し、ブレンドを更に2分間混合した。共通ブレンドを分割し、50mg錠及び100mg錠の作製に使用した。次いで、滑沢剤を加えたブレンドを、単発式研究用打錠機(Korsch XP1)及び重力式粉末供給装置を用いて10錠/分の速度で打錠した。50mg錠は、円形標準凹状6mm工具及び3.5kNの力を用いて作製した。100mg錠は、8mm円形標準凹状工具及び3.9kN~4.2kNの力を用いて作製した。
化合物2Aは、無条件アッセイに基づいて調整し、微結晶性セルロースのパーセンテージに調整を加えた。化合物2A及び賦形剤(微結晶性セルロース、ラクトース一水和物及びクロスカルメロースナトリウム)を篩にかけ、Vブレンダー(PK Blendmaster、0.5Lボウル)内に入れ、25rpmで5分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウムを篩にかけ、添加し、ブレンドを更に2分間混合した。共通ブレンドを分割し、50mg錠及び100mg錠の作製に使用した。次いで、滑沢剤を加えたブレンドを、単発式研究用打錠機(Korsch XP1)及び重力式粉末供給装置を用いて10錠/分の速度で打錠した。50mg錠は、円形標準凹状6mm工具及び3.5kNの力を用いて作製した。100mg錠は、8mm円形標準凹状工具及び3.9kN~4.2kNの力を用いて作製した。50mg錠及び100mg錠の詳細を表13に示す。
上記のように作製した50mg錠及び100mg錠を、5℃(冷蔵)、25℃/60%RH(周囲)及び40℃/75%RH(加速)の3つの条件下で6ヶ月の安定性研究に供した。50mg錠及び100mg錠の両方が、試験した3つ全ての条件下で化学的に安定していた。
冷蔵条件(5℃)下では、50mg錠及び100mg錠の両方が白色固体のままであり、外観はT=0ヶ月からT=6ヶ月まで変化しなかった。6ヶ月の研究全体を通して、50mg錠又は100mg錠のいずれについても0.05%を超える不純物は報告されなかった。6ヶ月後の含水量も両方の錠剤について3.0%(w/w)未満であった。錠剤を周囲条件(25℃/60%RH)に供した場合に同様の結果が報告された。両方の錠剤について6ヶ月にわたって0.05%を超える不純物は報告されず、含水量は6ヶ月の時点で3.0%(w/w)を超えなかった。錠剤を加速条件(40℃/75%RH)に供した場合、50mg錠及び100mg錠の外観は、白色の円形錠剤から変化しなかった。或る不純物が3ヶ月後に報告されたが、不純物は僅か0.09%であった。第2の不純物が6ヶ月後に報告されたが、不純物の全パーセンテージは、50mg錠及び100mg錠の両方で僅か0.21%であった。含水量は、6ヶ月の時点で50mg錠では3.4%(w/w)、100mg錠では3.2%(w/w)であった。
別の研究において、周囲条件(25℃/60%RH)での化合物2Aの50mg錠及び100mg錠の安定性を9ヶ月にわたって測定した。50mg錠及び100mg錠の外観は、9ヶ月の間に白色の円形錠剤から変化しなかった。50mg錠中の不純物は、9ヶ月後に0.10%未満であり、100mg錠中の不純物は0.05%未満であった。9ヶ月後の50mg錠及び100mg錠の含水量は、それぞれ僅か2.7%(w/w)及び2.6%(w/w)であった。
本明細書は、本発明の実施形態を参照して記載される。本明細書における教示により、当業者は、所望の目的に対して本発明を修正することができ、かかる変形は本発明の範囲に含まれるものとされる。