JP7006710B2 - セラミックグリーンシート製造用離型フィルム - Google Patents
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Description
離型フィルムからセラミックグリーンシートを剥離する時にかかる力を低く、かつ均一にすることで、厚みが1μm以下の超薄層品でも剥離時にセラミックグリーンシートにダメージを与えるおそれのないセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを提供しようとするものである。
1. 無機粒子を実質的に含有していない表面層Aを有するポリエステルフィルムの前記表面層A上に離型層を設けた離型フィルムであって、前記離型層がカチオン硬化性物質を含むバインダーaおよび1種類以上の離型剤bを含む組成物が硬化されてなるセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
2. 離型層表面のジヨードメタン接触角θ1とトルエン浸漬後の離型層表面のジヨードメタン接触角θ2の差が絶対値として3.0°以下である上記第1に記載セラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
3. 少なくとも1種類の離型剤bが、シリコーン骨格を含む化合物である上記第1または第2に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
4. カチオン硬化性物質を含むバインダーaが離型層の全固形分中80質量%以上含む上記第1~第3のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
5. カチオン硬化性物質を含むバインダーaが、分子内に脂環式エポキシ基を有する化合物及びオキセタン環を有する化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する上記第1~第4のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
6. 離型剤bの少なくとも1種類が、脂環式エポキシ基を含有するシリコーンである上記第1~第5のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
7. 離型層表面の領域表面平均粗さ(Sa)が7nm以下であり、かつ最大突起高さ(P)が100nm以下である上記第1~第6のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
8. 0.2μm~1.0μmの厚みを有するセラミックグリーンシートの製造方法であって、請求項1~7のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを用いるセラミックグリーンシートの製造方法。
9. 上記第8に記載のセラミックグリーンシートの製造方法を採用するセラミックコンデンサの製造方法。
本発明において基材として用いるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、特に限定されず、離型フィルム用基材として通常一般に使用されているポリエステルをフィルム形成したものを使用することが出来るが、好ましくは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分からなる結晶性の線状飽和ポリエステルであるのが良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート又はこれらの樹脂の構成成分を主成分とする共重合体がさらに好適であり、とりわけポリエチレンテレフタレートから形成されたポリエステルフィルムが特に好適である。ポリエチレンテレフタレートは、エチレンテレフタレートの繰り返し単位が好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、他のジカルボン酸成分、ジオール成分が少量共重合されていてもよいが、コストの点から、テレフタル酸とエチレングリコールのみから製造されたものが好ましい。また、本発明の離型フィルムの効果を阻害しない範囲内で、公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶化剤などを添加してもよい。ポリエステルフィルムは双方向の弾性率の高さ等の理由から二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましい。
本発明における離型層には、少なくともカチオン硬化性物質を含有するバインダーaと1種類以上の離型剤b(剥離性を付与させるための添加剤)を含有する組成物が硬化されてなることが好ましい。カチオン硬化性物質を含有するバインダーaは、架橋し高弾性率な塗膜を形成することができる。離型層の弾性率を高めることで、剥離する際に離型層が変形し追随することがなくなり、セラミックグリーンシートにダメージを与えるおそれがないため好ましい。
本発明における離型層にはカチオン重合反応を進行させるために、酸発生剤を用いることが好ましい。用いる酸発生剤としては、特に限定されず一般的なものが使われるが、活性エネルギー線照射下で酸が発生する光酸発生剤を用いることで、加工時の熱量を抑えることができるため好ましい。スルホン酸系やカルボン酸系のような一般的な酸を用いることでも、有機溶剤の浸食を抑えられる架橋密度の高い離型層を得ることができるが、高い加工温度が必要になるために、原反の熱収縮や平滑性の低下によって、離型層表面が荒れてしまうおそれがある。その他、金属塩系、リン酸エステル系、酸部位がブロックされたブロックタイプの酸発生剤も使用することができるが、前述の理由で光酸発生剤を用いることが、加工時の熱量の観点から最も好ましい。
本発明における離型層に用いる離型剤b(離型性を付与するための添加剤)としては、シリコーン系添加剤や、長鎖アルキル系、フッ素系などの非シリコーン系添加剤などを用いることができるが、剥離性の観点からシリコーン系添加剤を用いることが好ましい。
(離型層の特徴)
(離型層の形成方法)
JIS K 7367-5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2-テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
ミリトロン(電子マイクロインジケーター)を用い、測定すべきフィルムの任意の4箇所より5cm角サンプル4枚を切
り取り、一枚あたり各5点(計20点)測定して平均値を厚みとした。
離型フィルムを任意の大きさに切り取った時のフィルム断面を、透過電子顕微鏡で観察し算出した値を離型層厚みとした。
非接触表面形状計測システム(菱化システム社製、VertScan R550H-M100)を用いて、下記の条件で測定した値である。領域表面平均粗さ(Sa)は、5回測定の平均値を採用し、最大突起高さ(P)は7回測定し最大値と最小値を除いた5回の最大値を使用した。
(測定条件)
・測定モード:WAVEモード
・対物レンズ:10倍
・0.5×Tubeレンズ
・測定面積 936μm×702μm
(解析条件)
・面補正: 4次補正
・補間処理: 完全補間
25℃、50%RHの条件下で接触角計(協和界面科学社製、全自動接触角計 DM-701)を用いて、静置した離型フィルムの離型面上にジヨードメタン(液滴量0.9μL)の液滴を作成しその接触角を測定した。接触角は離型フィルム上に滴下後30秒後の接触角を採用し、5回測定した値の平均値を採用した。
測定に用いる離型フィルムを5cm×5cmの大きさに切り取り、液温25℃のトルエン30mLが入ったガラス製のトレーの中に、離型面を下にして5分間浸漬させた。浸漬した離型フィルムを取り出し離型面を上にして15分間風乾した後、25℃で1晩真空乾燥させた。こうして得たトルエン浸漬後の離型フィルムを前記接触角の測定方法と同様の方法にて測定した。
前記方法にて測定したトルエン浸漬前の初期の離型層表面のジヨードメタン接触角をθ1、トルエン浸漬後の離型層表面のジヨードメタン接触角をθ2とした時の、θ1-θ2の絶対値の値をトルエン浸漬前後の接触角変化の値とした。以下の基準で接触角変化の評価を行った。
◎:|θ1―θ2| < 1.0°
○:1.0°≦ |θ1―θ2| < 2.0°
△:2.0°≦ |θ1―θ2| ≦ 3.0°
×:|θ1―θ2| > 3.0°
下記、材料からなる組成物を攪拌混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを分散質とするビーズミルを用いて30分間分散し、セラミックスラリーを得た。
トルエン 76.3質量部
エタノール 76.3質量部
チタン酸バリウム(富士チタン社製 HPBT-1) 35.0質量部
ポリビニルブチラール 3.5質量部
(積水化学社製 エスレック(登録商標)BM-S)
DOP(フタル酸ジオクチル) 1.8質量部
次いで得られた離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のスラリーが0.8μmの厚みになるように塗布し90℃で1分乾燥後、離型フィルムを剥離し、セラミックグリーンシートを得た。
得られたセラミックグリーンシートのフィルム幅方向の中央領域において25cm2の範囲でセラミックスラリーの塗布面の反対面から光を当て、光が透過して見えるピンホールの発生状況を観察し、下記基準で目視判定した。測定は5回実施し、その平均値を採用した。
◎:ピンホールの発生なし
○:ピンホールの発生がほぼなし(目安:ピンホールが測定面積当たり2個以下)
△:ピンホールの発生があり(目安:ピンホールが測定面積当たり5個以下)
×:ピンホールの発生が多数あり
下記、材料からなる組成物を攪拌混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを分散質とするビーズミルを用いて60分間分散し、セラミックスラリーを得た。
トルエン 38.3質量部
エタノール 38.3質量部
チタン酸バリウム(富士チタン社製 HPBT-1) 64.8質量部
ポリビニルブチラール 6.5質量部
(積水化学社製 エスレック(登録商標)BM-S)
DOP(フタル酸ジオクチル) 3.3質量部
次いで得られた離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のスラリーが10μmの厚みになるように塗布し90℃で2分乾燥しセラミックグリーンシートを離型フィルム上に成型した。得られたセラミックグリーンシート付き離型フィルムを除電機(キーエンス社製、SJ-F020)を用いて除電した後に、高速剥離試験機(テスター産業社製、TE-701)を用いて、30mmの幅で剥離角度90度、剥離速度10m/minで剥離した。剥離はセラミックグリーンシート面を固定し、離型フィルム面を引っ張る方向で剥離した。この時の剥離時にかかる応力を測定し剥離力とした。
離型フィルムサンプルを10cm×10cmサイズにカットし、離型フィルムに張力がかからないようにして熱風オーブンで100℃15分間熱処理を行った。その後、オーブンから取り出し室温まで冷却したのち、離型面が上になるようにガラス板の上に離型フィルムサンプルを置いた。この時のガラス板から各角頂点部までの高さを測定し、以下の判断基準でカール性の評価を行った。
◎:各角部の総和が1mm以下
○:各角部の総和が1mmよりも大きく、3mm以下。
△:各角部の総和が3mmよりも大きく、10mm以下。
×:各角部の総和カールが10mmよりも大きい。
エステル化反応装置として、攪拌装置、分縮器、原料仕込口及び生成物取出口を有する3段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応装置を用いた。TPA(テレフタル酸)を2トン/時とし、EG(エチレングリコール)をTPA1モルに対して2モルとし、三酸化アンチモンを生成PETに対してSb原子が160ppmとなる量とし、これらのスラリーをエステル化反応装置の第1エステル化反応缶に連続供給し、常圧にて平均滞留時間4時間、255℃で反応させた。次いで、第1エステル化反応缶内の反応生成物を連続的に系外に取り出して第2エステル化反応缶に供給し、第2エステル化反応缶内に第1エステル化反応缶から留去されるEGを生成PETに対して8質量%供給し、さらに、生成PETに対してMg原子が65ppmとなる量の酢酸マグネシウム四水塩を含むEG溶液と、生成PETに対してP原子が40ppmとなる量のTMPA(リン酸トリメチル)を含むEG溶液を添加し、常圧にて平均滞留時間1時間、260℃で反応させた。次いで、第2エステル化反応缶の反応生成物を連続的に系外に取り出して第3エステル化反応缶に供給し、高圧分散機(日本精機社製)を用いて39MPa(400kg/cm2)の圧力で平均処理回数5パスの分散処理をした平均粒径が0.9μmの多孔質コロイダルシリカ0.2質量%と、ポリアクリル酸のアンモニウム塩を炭酸カルシウムあたり1質量%付着させた平均粒径が0.6μmの合成炭酸カルシウム0.4質量%とを、それぞれ10%のEGスラリーとして添加しながら、常圧にて平均滞留時間0.5時間、260℃で反応させた。第3エステル化反応缶内で生成したエステル化反応生成物を3段の連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合を行い、95%カット径が20μmのステンレススチール繊維を焼結したフィルターで濾過を行ってから、限外濾過を行って水中に押出し、冷却後にチップ状にカットして、固有粘度0.60dl/gのPETチップを得た(以後、PET(I)と略す)。PETチップ中の滑剤含有量は0.6質量%であった。
一方、上記PETチップの製造において、炭酸カルシウム、シリカ等の無機粒子を全く含有しない固有粘度0.62dl/gのPETチップを得た(以後、PET(II)と略す。)。
これらのPETチップを乾燥後、285℃で溶融し、別個の溶融押出し機押出機により290℃で溶融し、95%カット径が15μmのステンレススチール繊維を焼結したフィルターと、95%カット径が15μmのステンレススチール粒子を焼結したフィルターの2段の濾過を行って、フィードブロック内で合流して、PET(I)を表面層B(反離型面側層)、PET(II)を表面層A(離型面側層)となるように積層し、シート状に45m/分のスピードで押出(キャスティング)し、静電密着法により30℃のキャスティングドラム上に静電密着・冷却させ、固有粘度が0.59dl/gの未延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。層比率は各押出機の吐出量計算でPET(I)/PET(II)=60%/40%となるように調整した。次いで、この未延伸シートを赤外線ヒーターで加熱した後、ロール温度80℃でロール間のスピード差により縦方向に3.5倍延伸した。その後、テンターに導き、140℃で横方向に4.2倍の延伸を行なった。次いで、熱固定ゾーンにおいて、210℃で熱処理した。その後、横方向に170℃で2.3%の緩和処理をして、厚さ31μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムX1を得た。得られたフィルムX1の表面層AのSaは2nm、表面層BのSaは28nmであった。
積層フィルムX1と同様の層構成、延伸条件は変更せずに、キャスティング時の速度を変更することで厚みを調整し、25μmの厚みの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムX2を得た。得られたフィルムX2の表面層AのSaは3nm、表面層BのSaは29nmであった。
積層フィルムX3としては、厚み25μmのE5101(東洋紡エステル(登録商標)フィルム、東洋紡社製)を使用した。E5101は、フィルム中に無機粒子を含有した構成になっている。積層フィルムX3の表面層AのSaは24nm、表面層BのSaは24nmであった。
積層フィルムX1の表面層A上に以下組成の塗布液をワイヤーバーを用いて乾燥後の離型層膜厚が50nmになるように塗工し、90℃で15秒乾燥した後、積算光量が70mJ/cm2の紫外線を紫外線照射機(ヘレウス社製、LC6B、Hバルブ)を用いて照射することで超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。得られた離型フィルムにセラミックスラリーを塗工し、離型層表面粗さ、剥離性、トルエン浸漬後の接触角変化、ピンホール、カール、などを評価したところ、良好な評価結果が得られた。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート 0.90質量部
(製品名:セロキサイド(登録商標)2021P、ダイセル社製、固形分100質量%、2官能)
離型剤b:脂環式エポキシ基含有ポリジメチルシロキサン
0.10質量部
(製品名、UV Poly215、荒川化学工業社製、固形分100%)
酸発生剤:ホウ素系カチオン硬化UV触媒 0.26質量部
(製品名:UV CATA211、有効成分19質量%、荒川化学工業社製)
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 0.86質量部
ブタンテトラカルボン酸 テトラ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル修飾
ε-カプロラクトン 0.04質量部
(製品名:エポリード(登録商標)GT401、ダイセル社製、固形分100%、4官能)
離型剤b:UV Poly215 0.10質量部
酸発生剤:UV CATA211(有効成分19質量%)
0.26質量部
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
(塗布液3)
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 0.63質量部
エポリード(登録商標)GT401 0.27質量部
離型剤b:UV Poly215 0.10質量部
酸発生剤:UV CATA211(有効成分19質量%)
0.26質量部
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 0.45質量部
エポリード(登録商標)GT401 0.45質量部
離型剤b:UV Poly215 0.10質量部
酸発生剤:UV CATA211(有効成分19質量%)
0.26質量部
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 0.86質量部
2-エチルヘキシルオキセタン 0.04質量部
(製品名:アロンオキセタン(登録商標)OXT-221、東亜合成社製、固形分100質量%、2官能)
離型剤b:UV Poly215 0.10質量部
酸発生剤:UV CATA211(有効成分19質量%)
0.26質量部
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
エポリード(登録商標)GT401 0.90質量部
離型剤b:UV Poly215 0.10質量部
酸発生剤:UV CATA211(有効成分19質量%)
0.26質量部
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
多官能脂環式エポキシ基含有ポリマー 0.90質量部
(製品名:EHPE(登録商標)3150、ダイセル社製、固形分100質量%、多官能)
離型剤b:UV Poly215 0.10質量部
光酸発生剤:ヘキサフルオロアンチモネートトリアリールスルフォニウム塩
0.10質量部
(製品名:CPI(登録商標)101A、有効成分50質量%、サンアプロ社製)
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 0.90質量部
離型剤b:UV Poly215 0.10質量部
光酸発生剤:ヘキサフルオロアンチモネートトリアリールスルフォニウム塩
0.10質量部
(製品名:CPI(登録商標)101A、有効成分50質量%、サンアプロ社製)
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 0.90質量部
離型剤b:UV Poly215 0.05質量部
アクリロイル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン
0.05質量部
(製品名:BYK-UV3500、ビックケミー・ジャパン社製、固形分100%)
酸発生剤:UV CATA211(有効成分19質量%)
0.26質量部
実施例1の離型剤bを下記のように調製して得た長鎖アルキル基含有離型剤に変更した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
(長鎖アルキル基含有離型剤の調製方法)
ステアリルアクリレート95モル%とヒドロキシエチル(メタ)アクリレート5モル%の比になるように混合し、固形分濃度が40質量%になるようにトルエンで希釈し、窒素気流下でアゾビスイソブチロニトリルを0.5モル%添加し共重合させ、離型剤Aを得た。このとき得られたポリマーの重量平均分子量は30000であった。
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 0.90質量部
離型剤b:片末端エポキシ変性ポリジメチルシロキサン
0.10質量部
(製品名:X22-173DX、信越化学工業社製、固形分100%)
酸発生剤:UV CATA211 0.26質量部
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 0.90質量部
離型剤b:パーフルオロ系離型剤 0.10質量部
酸発生剤:UV CATA211(有効成分19質量%)
0.26質量部
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 0.95質量部
離型剤b:UV Poly215 0.05質量部
酸発生剤:UV CATA211(有効成分19質量%)
0.26質量部
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 0.80質量部
離型剤b:UV Poly215 0.20質量部
酸発生剤:UV CATA211(有効成分19質量%)
0.26質量部
実施例1のフィルム厚みが25μmの積層フィルムX2に変更した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
離型層膜厚が30nmになるように塗工した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
離型層膜厚が200nmになるように塗工した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
離型層膜厚が0.8μmになるように塗工した以外は実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 49.43質量部
トルエン 49.43質量部
カチオン硬化性物質からなるバインダーa:
セロキサイド(登録商標)2021P 1.00質量部
酸発生剤:UV CATA211(有効成分19質量%)
0.26質量部
積層フィルムX1の代わりに、積層フィルムX3(E5101-25μm、東洋紡製)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で超薄層セラミックシート製造用離型フィルムを得た。E5101は、表面層A、表面層Bともに無機粒子を含有しており、表面層A、表面層Bの両層のSaがともに24nmであった。
下記に示した組成である塗布液に変更し、離型層の膜厚が0.8μmになるように塗工した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
メチルエチルケトン 44.75質量部
トルエン 44.75質量部
光ラジカル硬化性物質からなるバインダー:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
9.90質量部
(製品名:A-DPH、新中村化学工業社製、固形分100質量%)
離型剤b:BYK-UV3500 0.10質量部
光ラジカル重合開始剤:
メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン
0.50質量部
(製品名:IRGACURE(登録商標)907、BASF社製、有効成分100質量%)
Claims (11)
- 無機粒子を実質的に含有していない表面層Aを有するポリエステルフィルムの前記表面層A上に離型層を設けた離型フィルムであって、前記離型層がカチオン硬化性物質を含むバインダーa(ただし、前記バインダーaは、シロキサン結合を有さず)、および1種類以上の離型剤bを含む組成物が硬化されてなり、
前記バインダーaにおける前記カチオン硬化性物質が、脂環式エポキシ基を有する化合物及びオキセタン環を有する化合物から選ばれる少なくとも1つのカチオン硬化性物質であり、
前記ポリエステルフィルムは、前記表面層Aの反対面に、表面層Bを有し、
前記表面層Aの領域表面平均粗さ(Sa)は7nm以下であり、
前記表面層Bの領域表面平均粗さ(Sa)は1~40nmの範囲であり、
並びに、
前記表面層Aの領域表面平均粗さ(Sa)は、表面層Bの領域表面平均粗さ(Sa)よりも低く、
離型層表面のジヨードメタン接触角θ1とトルエン浸漬後の離型層表面のジヨードメタン接触角θ2の差が絶対値として3.0°以下である、
セラミックグリーンシート製造用の離型フィルム。 - 少なくとも1種類の離型剤bが、シリコーン骨格を含む化合物である請求項1に記載の、セラミックグリーンシート製造用の離型フィルム。
- 前記離型層において、バインダーaに含まれるカチオン硬化性物質が離型層全体の固形分に対して、80質量%以上99.9質量%以下含まれる請求項1又は2に記載の、セラミックグリーンシート製造用の離型フィルム。
- 前記離型剤bの少なくとも1種類が、グリシジルエーテル基、脂環式エポキシ基、オキセタン環からなる群から選択される少なくとも1種のカチオン硬化性官能基を含有するシリコーンである、請求項1~3のいずれかに記載の、セラミックグリーンシート製造用の離型フィルム。
- 離型層表面の領域表面平均粗さ(Sa)が7nm以下であり、かつ最大突起高さ(P)が100nm以下である請求項1~4のいずれかに記載の、セラミックグリーンシート製造用の離型フィルム。
- 前記バインダーaに含まれる少なくとも1種類の前記カチオン硬化性物質は、カチオン硬化性官能基数が1個の前記カチオン硬化性物質、2個の前記カチオン硬化性物質、又は3個以上の多官能な前記カチオン硬化性物質である、請求項1~5のいずれかに記載の、セラミックグリーンシート製造用の離型フィルム。
- 前記バインダーaは、前記カチオン硬化性物質として、官能基数が異なる2種類以上のカチオン硬化性物質を含有し、
前記官能基数が異なるカチオン硬化性物質の少なくとも1種類が、分子内に脂環式エポキシ基を有する化合物である請求項1~6のいずれかに記載の、セラミックグリーンシート製造用の離型フィルム。 - 前記離型層の厚みが0.01~1.0μmである、請求項1~7のいずれかに記載の、セラミックグリーンシート製造用の離型フィルム。
- 前記ポリエステルフィルムの表面層Aの厚み比率は、前記ポリエステルフィルムの全層厚みの20%以上50%以下である、請求項1~8のいずれかに記載の、セラミックグリーンシート製造用の離型フィルム。
- 0.2μm~1.0μmの厚みを有するセラミックグリーンシートの製造方法であって、請求項1~9のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用の離型フィルムを用いるセラミックグリーンシートの製造方法。
- 請求項10に記載のセラミックグリーンシートの製造方法を採用するセラミックコンデンサの製造方法。
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