JP7180064B2 - セラミックグリーンシート製造用離型フィルム - Google Patents
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Description
セラミックシート加工や内部電極印刷時の有機溶剤による離型層の浸食が抑制され、離型フィルムからセラミックグリーンシートを剥離する時にかかる力を低く、かつ均一にすることで、厚みが1μm以下の超薄層品でも剥離時にセラミックグリーンシートにダメージを与えるおそれのないセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを提供しようとするものである。
1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型層を設けた離型フィルムであって、前記離型層表面の領域表面平均粗さ(Sa)が7nm以下であり、前記離型層が少なくとも下記に示すバインダー成分(A)と離型剤(B)を含む組成物が硬化されてなり、前記離型層表面のジヨードメタン接触角θ1と前記離型フィルムをトルエン浸漬した後の離型層表面のジヨードメタン接触角θ2の差(θ1-θ2)が絶対値として3.0°以下であるセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
・バインダー成分(A):1分子中に(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する紫外線硬化性化合物
・離型剤(B):1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を少なくとも有する紫外線硬化型アクリル共重合ポリマー、および/または、1分子内に(メタ)アクリロリル基とフッ素原子を少なくとも含む化合物
2. 前記離型剤(B)の固形分含有量が、離型層全固形分に対して、0.2~5質量%である上記第1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
3. ポリエステルフィルムが、無機粒子を実質的に含有していない表面層A及び無機粒子を含有する反対側の表面層Bを有し、表面層A上に離型層が設けられており、前記表面層Bが含有する無機粒子がシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子であり、無機粒子の合計が表面層B中に5000~15000ppm含有されている上記第1または第2のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
4. 前記離型層の膜厚が0.2~2μmである上記第1~第3のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
5. 0.2μm~1.0μmの厚みを有するセラミックグリーンシートの製造方法であって、上記第1~第4のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを用いるセラミックグリーンシートの製造方法。
6. 上記第5に記載のセラミックグリーンシートの製造方法を採用するセラミックコンデンサの製造方法。
本発明の基材として用いるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、特に限定されず、離型フィルム用基材として通常一般に使用されているポリエステルをフィルム形成したものを使用することが出来るが、好ましくは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分からなる結晶性の線状飽和ポリエステルであるのが良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート又はこれらの樹脂の構成成分を主成分とする共重合体がさらに好適であり、とりわけポリエチレンテレフタレートから形成されたポリエステルフィルムが特に好適である。ポリエチレンテレフタレートは、エチレンテレフタレートの繰り返し単位が好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、他のジカルボン酸成分、ジオール成分が少量共重合されていてもよいが、コストの点から、テレフタル酸とエチレングリコールのみから製造されたものが好ましい。また、本発明のフィルムの効果を阻害しない範囲内で、公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶化剤などを添加してもよい。ポリエステルフィルムは双方向の弾性率の高さ等の理由から二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましい。
本発明における離型層は、本発明の効果を満たす範囲であれば特に限定されないが、少なくともバインダー成分(A)と離型剤(B)を含有する組成物を硬化させてなることが好ましい。
本発明において離型層に用いるバインダー(A)は、紫外線硬化性樹脂である(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基を有する化合物は反応速度が非常に早いため、光重合開始剤の開裂と同時に瞬時にラジカル重合反応が進行し、架橋密度の高く、高弾性率な塗膜を形成することができる。離型層の弾性率を高めることで、剥離する際に離型層が変形し追随することがなくなり、セラミックグリーンシートにダメージを与えるおそれがないため好ましい。なお、ここで示す(メタ)アクリロイル基を有する化合物とは、分子内に有するメタアクリロイル基およびアクリロイル基が架橋点となってラジカル硬化反応が進行する化合物群を指す。
本発明における離型層に用いる離型剤(B)としては、一分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有する紫外線硬化型アクリル共重合ポリマー、および/または、一分子内に(メタ)アクリロイル基とフッ素原子を持つ化合物を用いることが好ましい。
本明細書中では、一分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を有する紫外線線硬化型アクリル共重合ポリマーは、以下(メタ)アクリロイル基含有共重合アクリルシリコーンとも表記することがある。
本発明における離型層は、バインダー成分(A)と離型剤(B)のラジカル重合反応を進行させるため、光重合開始剤を用いることが好ましい。具体的な例としては、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4-ジエチルチオキサンソン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β-クロールアンスラキノン、(2,4,6-トリメチルベンジルジフェニル)フォスフィンオキサイド、2-ベンゾチアゾール-N,N-ジエチルジチオカルバメート等が挙げられる。なかでも、表面硬化性に優れるとされる、α-ヒドロキシアルキルフェノンやα-アミノアルキルフェノンが、酸素阻害を抑制するために好適に用いることができる。α-ヒドロキシアルキルフェノンの例としては、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン等が挙げられる。α-アミノアルキルフェノンの例としては、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリル)フェニル]-1-ブタノン等が挙げられる。
(離型層の特徴)
(離型層の形成方法)
一般に、積層セラミックコンデンサは、直方体状のセラミック素体を有する。セラミック素体の内部には、第1の内部電極と第2の内部電極とが厚み方向に沿って交互に設けられている。第1の内部電極は、セラミック素体の第1の端面に露出している。第1の端面の上には第1の外部電極が設けられている。第1の内部電極は、第1の端面において第1の外部電極と電気的に接続されている。第2の内部電極は、セラミック素体の第2の端面に露出している。第2の端面の上には第2の外部電極が設けられている。第2の内部電極は、第2の端面において第2の外部電極と電気的に接続されている。
JIS K 7367-5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2-テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
ミリトロン(電子マイクロインジケーター)を用い、測定すべきフィルムの任意の4箇所より5cm角サンプル4枚を切り取り、一枚あたり各5点(計20点)測定して平均値を厚みとした。
離型層の厚みは、光干渉式膜厚計(F20、フィルメトリクス社製)を用いて測定した。(離型層の屈折率は1.52として算出)
非接触表面形状計測システム(菱化システム社製、VertScan R550H-M100)を用いて、下記の条件で測定した値である。領域表面平均粗さ(Sa)は、5回測定の平均値を採用し、最大突起高さ(P)は7回測定し最大値と最小値を除いた5回の最大値を使用した。
(測定条件)
・測定モード:WAVEモード
・対物レンズ:10倍
・0.5×Tubeレンズ
・測定面積 936μm×702μm
(解析条件)
・面補正: 4次補正
・補間処理: 完全補間
25℃、50%RHの条件下で接触角計(協和界面科学社製、全自動接触角計 DM-701)を用いて、静置した離型フィルムの離型面上にジヨードメタン(液滴量0.9μL)の液滴を作成しその接触角を測定した。接触角は離型フィルム上に滴下後30秒後の接触角を採用し、5回測定した値の平均値を採用した。
測定に用いる離型フィルムを5cm×5cmの大きさに切り取り、液温25℃のトルエン30mLが入ったガラス製のトレーの中に、離型面を下にして5分間浸漬させた。浸漬した離型フィルムを取り出し離型面を上にして15分間風乾した後、25℃で1晩真空乾燥させた。こうして得たトルエン浸漬後の離型フィルムを前記接触角の測定方法と同様の方法にて測定した。
前記方法にて測定したトルエン浸漬前の初期の離型層表面のジヨードメタン接触角をθ1、トルエン浸漬後の離型層表面のジヨードメタン接触角をθ2とした時の、θ1-θ2の絶対値の値をトルエン浸漬前後の接触角変化の値とした。以下の基準で接触角変化の評価を行った。
◎:|θ1―θ2| < 1.0°
○:1.0°≦ |θ1―θ2| < 2.0°
△:2.0°≦ |θ1―θ2| ≦ 3.0°
×:|θ1―θ2| > 3.0°
下記、材料からなる組成物を攪拌混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを分散質とするビーズミルを用いて30分間分散し、セラミックスラリーを得た。
トルエン 76.3質量部
エタノール 76.3質量部
チタン酸バリウム(富士チタン社製 HPBT-1) 35.0質量部
ポリビニルブチラール
(積水化学社製 エスレック(登録商標)BM-S) 3.5質量部
DOP(フタル酸ジオクチル) 1.8質量部
次いで得られた離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のスラリーが0.8μmの厚みになるように塗布し90℃で1分乾燥後、離型フィルムを剥離し、セラミックグリーンシートを得た。
得られたセラミックグリーンシートのフィルム幅方向の中央領域において25cm2の範囲でセラミックスラリーの塗布面の反対面から光を当て、光が透過して見えるピンホールの発生状況を観察し、下記基準で目視判定した。測定は5回実施し、その平均値を採用した。
◎:ピンホールの発生なし
○:ピンホールの発生がほぼなし(目安:ピンホールが測定面積当たり2個以下)
△:ピンホールの発生があり(目安:ピンホールが測定面積当たり5個以下)
×:ピンホールの発生が多数あり
下記、材料からなる組成物を攪拌混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを分散質とするビーズミルを用いて60分間分散し、セラミックスラリーを得た。
トルエン 38.3質量部
エタノール 38.3質量部
チタン酸バリウム(富士チタン社製 HPBT-1) 64.8質量部
ポリビニルブチラール
(積水化学社製 エスレック(登録商標)BM-S) 6.5質量部
DOP(フタル酸ジオクチル) 3.3質量部
次いで得られた離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のスラリーが10μmの厚みになるように塗布し90℃で2分乾燥しセラミックグリーンシートを離型フィルム上に成型した。得られたセラミックグリーンシート付き離型フィルムを除電機(キーエンス社製、SJ-F020)を用いて除電した後に、高速剥離試験機(テスター産業社製、TE-701)を用いて、30mmの幅で剥離角度90度、剥離速度10m/minで剥離した。剥離はセラミックグリーンシート面を固定し、離型フィルム面を引っ張る方向で剥離した。この時の剥離時にかかる応力を測定し剥離力とした。以下の基準でセラミックグリーンシートの剥離性の評価を行った。
◎:剥離力が2.0mN/mm2以下の非常に軽い力で剥離できた。
○:剥離力が2.0mN/mm2よりも大きく、3.0mN/mm2以下の比較的軽い力で剥離できた。
△:剥離力が3.0mN/mm2よりも大きく、4.0mN/mm2以下の軽い力で剥離できた。
×:剥離力が4.0mN/mm2よりも大きい力を必要であった。
無機粒子を実質的に含有していない表面層Aと無機粒子を含有する反対側の表面層Bを有する厚み31μmの二軸配向ポリエステルフィルムを使用した。表面層AのSaは2nm、最大突起高さ(P)は25nm、表面層BのSaは28nm、最大突起高さ(P)は750nmであった。
厚み25μmのポリエステルフィルム(東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5101、東洋紡社製)を使用した。E5101は、フィルム中に無機粒子を含有した構成になっている。表面層AのSaは24nm、最大突起高さ(P)は770nm、表面層BのSaは24nm、最大突起高さ(P)は770nmであった。
積層フィルムX1の表面層A上に以下に示す組成の塗布液をワイヤーバーを用いて乾燥後の離型層膜厚が0.8μmになるように塗工し、90℃で15秒乾燥した後、積算光量が70mJ/cm2の紫外線を紫外線照射機(ヘレウス社製、LC6B、Hバルブ)を用いて照射することでセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。得られた離型フィルムにセラミックスラリーを塗工し、離型層表面粗さ、剥離性、トルエン浸漬後の接触角変化、ピンホールなどを評価したところ、良好な評価結果が得られた。
イソプロピルアルコール 59.40質量部
メチルエチルケトン 19.80質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 19.00質量部
(製品名:A-DPH、新中村化学工業社製、固形分100質量%)
(メタ)アクリロイル基含有共重合アクリルシリコーン 1.00質量部
(製品名:GL-04R、共栄社化学社製、固形分20%)
α-アミノアルキルフェノン 0.80質量部
(製品名:IRGACURE907、BASF社製、有効成分100%)
実施例1の塗布液中のバインダー(A)を4官能アクリレート(製品名:A-TMMT、新中村化学工業社製)に変更し、離型層の厚みが2μmになるようにして、実施例1と同様にセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
実施例1の塗布液中のバインダー(A)を6官能ウレタンアクリレート(製品名:UV7600B、日本合成化学工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様にセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
実施例1の塗布液中のバインダー(A)を10官能ウレタンアクリレート(製品名:UV1700B、日本合成化学工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様にセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
実施例1の塗布液中のバインダー(A)を15官能ウレタンアクリレート(製品名:8UX-015A、大成ファインケミカル社製)に変更した以外は、実施例1と同様にセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
実施例1の塗布液中の離型剤(B)を(メタ)アクリロイル基含有パーフルオロポリエーテルに変更した以外は、実施例1と同様にセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
下記に示した組成である塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
イソプロピルアルコール 59.78質量部
メチルエチルケトン 19.92質量部
10官能ウレタンアクリレート 19.00質量部
(製品名:UV1700B、日本合成化学工業社製、固形分100質量%)
(メタ)アクリロイル基含有パーフルオロポリエーテル 0.50質量部
(固形分25%)
α-アミノアルキルフェノン 0.80質量部
(製品名:IRGACURE907、BASF社製、有効成分100%)
実施例7の塗布液中の離型剤(B)を(メタ)アクリロイル基含有フッ素系ポリマー(製品名:8FX-038EX)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
実施例7の塗布液中の離型剤(B)をアクリロイル基を有するUV硬化型フッ素樹脂(製品名:メガファック(登録商標)RS-75、DIC社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
実施例7の塗布液中の離型剤(B)を(メタ)アクリロイル基含有共重合アクリルシリコーン(製品名:8SS-723、大成ファインケミカル社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
離型層の膜厚が0.5μmになるように塗工した以外は、実施例4と同様にしてセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
離型層の膜厚が0.2μmになるように塗工した以外は、実施例4と同様にしてセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
基材フィルムを積層フィルムX2に変更した以外は実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
表1に示すように、実施例1で用いた塗布液から離型剤(B)を除いた以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
表1に示すように、離型層の膜厚が0.1μmになるように塗工した以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
表1に示すように、実施例1で用いた塗布液中の離型剤(B)をフッ素系コーティング剤(製品名:エフクリア(登録商標)KD270R、関東電化工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
表1に示すように、実施例1で用いた塗布液中の離型剤(B)を片末端エポキシ変性ポリジメチルシロキサン(製品名:X-22-173DX、信越化学工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと(メタ)アクリロイル基含有共重合シリコーンアクリルポリマーの質量割合を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
熱硬化付加反応型シリコーン(製品名:KS-847H、信越化学工業社製,固形分濃度30%)100質量部をトルエンで希釈し、これに白金触媒(信越化学工業社製,CAT-PL-50T)2質量部を混合し、固形分が5.0質量%の塗布液を調製した。得られた塗布液を、形成される離型層の乾燥後の厚さが0.3μmとなるように、実施例1と同様の方法にて積層フィルムX1の表面層A上に均一に塗布し、140℃で1分間乾燥させて剥離剤層を形成し、セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
下記に示した組成である塗布液に変更し、離型剤をアクリロイル基を有するポリジメチルシロキサンに変更した以外は、実施例1と同様にして超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。
イソプロピルアルコール 60.00質量部
メチルエチルケトン 20.00質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 19.00質量部
(製品名:A-DPH、新中村化学工業社製、固形分100質量%)
アクリロイル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン 0.20質量部
(製品名:BYK-UV3500、ビッグケミー・ジャパン社製、固形分100%)
α-アミノアルキルフェノン 0.80質量部
(製品名:IRGACURE907、BASF社製、有効成分100%)
Claims (6)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型層を設けた離型フィルムであって、前記離型層表面の領域表面平均粗さ(Sa)が7nm以下であり、前記離型層が少なくとも下記に示すバインダー成分(A)と離型剤(B)を含む組成物が硬化されてなり、
前記離型層表面のジヨードメタン接触角θ1と前記離型フィルムをトルエン浸漬した後の離型層表面のジヨードメタン接触角θ2の差(θ1-θ2)が絶対値として3.0°以下であり、
・バインダー成分(A):1分子中に(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートを含み;
・離型剤(B):1分子内に(メタ)アクリロイル基とポリオルガノシロキサン基を少なくとも有する紫外線硬化型アクリル共重合ポリマー、および/または、1分子内に(メタ)アクリロリル基とフッ素原子を少なくとも含む化合物;
前記ポリエステルフィルムは、離型層を塗布する面を形成する表面層Aを有し、
前記表面層Aの領域表面平均粗さ(Sa)は、7nm以下である、
セラミックグリーンシート製造用離型フィルム。 - 前記離型剤(B)の固形分含有量が、離型層全固形分に対して、0.2~5質量%である請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
- ポリエステルフィルムが、無機粒子を実質的に含有していない表面層A及び無機粒子を含有する反対側の表面層Bを有し、表面層A上に離型層が設けられており、
前記表面層Bが含有する無機粒子がシリカ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子であり、無機粒子の合計が表面層B中に5000~15000ppm含有されている請求項1または2のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。 - 前記離型層の膜厚が0.2~2μmである請求項1~3のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
- 0.2μm~1.0μmの厚みを有するセラミックグリーンシートの製造方法であって、請求項1~4のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを用いるセラミックグリーンシートの製造方法。
- 請求項5に記載のセラミックグリーンシートの製造方法を採用するセラミックコンデンサの製造方法。
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