JP6702520B1 - セラミックグリーンシート製造用離型フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に直接又は他の層を介して離型層が積層された離型フィルムであって、前記離型層は、エネルギー線硬化型化合物(I)、ポリエステル樹脂(II)、及び離型成分(III)を少なくとも含む塗膜が硬化されてなり、前記ポリエステル樹脂(II)が5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分由来のエステル構成単位を含有するセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
2. 離型層が、エネルギー線硬化型化合物(I)を海成分とし、ポリエステル樹脂(II)を島成分とする相分離構造を有し、表面凹凸を有する上記第1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
3. 離型層が実質的に無機粒子を含有しない上記第1又は第2に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
4. 前記エネルギー線硬化型化合物(I)が、1分子内に3以上のアクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである上記第1〜第3のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
5. 離型層の厚みが、0.2〜3.5μmである上記第1〜第4のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
6. 離型層の領域表面平均粗さ(Sa)が、5〜40nmである上記第1〜第5のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
7. 離型層表面の最大突起高さ(Rp)が、60nm以下である上記第1〜第6のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
8. 上記第1〜第7のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを用いてセラミックグリーンシートを成型するセラミックグリーンシートの製造方法であって、成型されたセラミックグリーンシートが0.2μm〜1.0μmの厚みであるセラミックグリーンシートの製造方法。
本発明の離型フィルムにおいて基材として用いるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、特に限定されず、離型フィルム基材として通常一般に使用されているポリエステルをフィルム成型したものを使用することが出来るが、好ましくは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分からなる結晶性の線状飽和ポリエステルであるのが良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート又はこれらの樹脂の構成成分を主成分とする共重合体がさらに好適であり、とりわけポリエチレンテレフタレートから形成されたポリエステルフィルムが好適である。ポリエチレンテレフタレートは、エチレンテレフタレートの繰り返し単位が好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、他のジカルボン酸成分、ジオール成分が少量共重合されていてもよいが、コストの点から、テレフタル酸とエチレングリコールのみから製造されたものが好ましい。また、本発明のフィルムの効果を阻害しない範囲内で、公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶化剤などを添加してもよい。ポリエステルフィルムは双方向の弾性率の高さ等の理由から二軸延伸されたポリエステルフィルムであることが好ましい。
前記のポリエステルフィルムについて離型層を積層しない側の表面のコート層D中には、少なくともバインダー樹脂及び粒子が含まれていることが好ましい。
易滑塗布層を構成するバインダー樹脂としては特に限定されないが、ポリマーの具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニル系樹脂(ポリビニルアルコール等)、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。これらの中でも粒子の保持、密着性の観点から、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂を使用することが好ましい。また、ポリエステルフィルムとのなじみを考慮した場合、ポリエステル樹脂が特に好ましい。溶剤への溶解性、分散性、さらには基材フィルムや他の層との接着性を達成させるため、バインダーのポリエステルは共重合ポリエステルであることが好ましい。なお、ポリエステル樹脂はポリウレタン変性されていても良い。また、ポリエステル基材フィルム上の易滑塗布層を構成する他の好ましいバインダー樹脂としてはウレタン樹脂が挙げられる。ウレタン樹脂としてはポリカーボネートポリウレタン樹脂が挙げられる。さらに、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂は併用しても良く、上記の他のバインダー樹脂を併用してもよい。
本発明において、易滑塗布層中に架橋構造を形成させるために、易滑塗布層は架橋剤が含まれて形成されていてもよい。架橋剤を含有させることにより、高温高湿下での密着性を更に向上させることが可能になる。具体的な架橋剤としては、尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系、オキサゾリン系、カルボジイミド系、アジリジン等が挙げられる。また、架橋反応を促進させるため、触媒等を必要に応じて適宜使用することができる。
易滑塗布層は、表面にすべり性を付与するために、滑剤粒子を含むことが好ましい。粒子は、無機粒子であっても、有機粒子であってもよく、特に限定されるものではないが、(1)シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム等の無機粒子、(2)アクリルあるいはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系等の有機粒子が挙げられるが、塗布層に適度な滑り性を与えるために、シリカが特に好ましく使用される。
本発明における離型層は、エネルギー線硬化型化合物(I)、ポリエステル樹脂(II)、及び離型成分(III)を少なくとも含む塗膜を硬化されてなることが好ましい。エネルギー線硬化型化合物(I)とポリエステル樹脂(II)が相分離して海島構造を形成することで、低突起による適度な高さの凹凸を簡便に形成でき、粗大突起が発生しないことから、成型されるグリーンシートにピンホールなどが発生しない。また、適度な凹凸により平面部分が少なくなるので、グリーンシートのハーフカット試験時に、カット時の応力が逃げやすく、カット端部にて点剥離(端部の自然に生じる小剥離)となるため、端部のクラックや変形などのダメージを抑制することができるとともに、次工程の剥離工程の剥離きっかけとなり剥離がスムーズに行える。
本発明で用いるエネルギー線硬化型化合物(I)としては、1分子内に3以上の反応性基を有するエネルギー線硬化型化合物を用いることができる。1分子内に3以上の反応性基を有することで、高弾性率の離型層となり、グリーンシート剥離時の離型層の変形を抑制し、重剥離化を抑制することができて好ましい。また、離型層の耐溶剤性を向上させることができるためスラリー塗工時に溶剤による離型層の浸食なども防げるため好ましい。また、1分子内に3以上の反応性基を有するエネルギー線硬化型化合物としては、エネルギー線により直接的に反応するか、または間接的に発生した活性種により反応するかは特に限定しない。エネルギー線硬化型化合物(I)の離型層形成用塗布液中の固形分中の含有量としては、60〜98質量%が好ましく、75〜97質量%が好ましい。60質量%以上添加することで架橋度を維持し、高弾性率を得ることができる。
本発明で用いるポリエステル樹脂(II)としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分由来のエステル構成単位を含有するポリエステル樹脂を使用することができる。この5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分由来のエステル構成単位とは、5−ナトリウムスルホイソフタル酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、オペンチルグリコール、1.4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールなどに代表される任意のジオール、グリコール成分とから構成されるエステル構成単位であり、このエステル構成単位がポリエステル樹脂中に含有されていることを意味している。ポリエステル樹脂中の5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分由来のエステル構成単位の含有の態様は、他のエステル構成単位やポリエステルとの混合状態でもよいし、他のエステル構成単位との共重合状態でもよく、ポリエステル樹脂(II)が5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分由来のエステル構成単位を含む共重合ポリエステルであることは特に好ましい態様である。ポリエステル樹脂(II)が5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分由来のエステル構成単位を含有することで、エネルギー線硬化型化合物(I)との相溶性が低下し離型層に適度な海島構造による表面凹凸を形成が容易となるため好ましい。ポリエステル樹脂(II)中における5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分由来のエステル構成単位の含有量としては、ポリエステル樹脂(II)を構成するの全エステル構成単位を100モル%するとき、0.5モル%以上12モル%以下であることが好ましい。0.5モル%以上であれば、エネルギー線硬化型化合物(I)との相溶性が低下し離型層に適度な海島構造による表面凹凸を形成が容易となるため好ましい。一方、12モル%以下であれば、ポリエステル樹脂(II)が溶解可能な溶媒のSP値が高くなり過ぎず、エネルギー線硬化型化合物(I)の溶媒への溶解が比較的容易であり、塗液の調製が容易なため好ましい。ポリエステル樹脂(II)中における5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分由来のエステル構成単位の含有量は、より好ましくは、1モル%以上10モル%以下である。
本発明で用いる離型成分(III)としては、ポリオルガノシロキサン、フッ素化合物、長鎖アルキル化合物、ワックス類などグリーンシートとの間で離型性を発揮できる材料であればよく特に限定はない。またこれらの材料に(メタ)アクリロイル基などを有するエネルギー線硬化型化合物(I)と反応して結合できる官能基を有する材料が好ましい。また2種以上の材料を混合して用いることもできる。離型成分(III)の離型層形成用塗布液中の固形分中の含有量としては、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。0.05質量%以上添加されていれば剥離力が軽くでき、10質量%以下であれば離型成分のセラミックグリーンシート等への移行が抑えられるため好ましい。
本発明の離型層にラジカル重合系化合物を用いる場合は、光重合開始剤を添加することが好ましい。光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、(2,4,6−トリメチルベンジルジフェニル)フォスフィンオキサイド、2−ベンゾチアゾール−N,N−ジエチルジチオカルバメート等が挙げられる。特に、表面硬化性に優れるとされる、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましく、中でも2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが特に好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
とで加工時の速度を向上させることができるため経済的に離型フィルムを作成することができ好ましい。
ミリトロン(電子マイクロインジケーター)を用い、測定すべきフィルムの任意の4箇所より5cm角サンプル4枚を切り取り、一枚あたり各5点(計20点)測定して平均値を厚みとした。
離型層の厚みは、光干渉式膜厚計(F20、フィルメトリクス社製)を用いて測定した。(離型層の屈折率は1.52として算出)
非接触表面形状計測システム(VertScan R550H−M100、菱化システム社製)を用いて、下記の条件で測定した値である。領域表面平均粗さ(Sa)は、5回測定の平均値を採用し、最大突起高さ(Rp)は7回測定し最大値と最小値を除いた5回の最大値を使用した。
(測定条件)
・測定モ−ド:WAVEモード
・対物レンズ:50倍
・0.5×Tubeレンズ
(解析条件)
・面補正: 4次補正
・補間処理: 完全補間
電子顕微鏡(VE−8800、キーエンス社製)を用いて、5000倍にて離型層表面を観察し、相分離の形成の有無を評価した。
○:相分離の形成している(相分離による凹凸構造が確認できる)
×:相分離しない(相分離による凹凸構造が見られない)
下記、材料からなる組成物を攪拌混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを分散媒とするビーズミルを用いて60分間分散し、セラミックスラリーを調製した。
トルエン 76.3質量部
エタノール 76.3質量部
チタン酸バリウム(富士チタン社製 HPBT−1) 35.0質量部
ポリビニルブチラール 3.5質量部
(積水化学工業社製 エスレック(登録商標)BM−S)
DOP(フタル酸ジオクチル) 1.8質量部
次いで離型フィルムサンプルの離型面にアプリケーターを用いて乾燥後のセラミックグリーンシートが1.0μmになるように塗工し90℃で2分乾燥した。
得られたセラミックグリーンシート付離型フィルムをロータリーダイカッター(R.D.C(FB)−A4、塚谷刄物製作所社製)を用い、セラミックグリーンシート面側から両刃50°にて16mm×32mm角、深さ3μmになるようハーフカットした。グリーンシートが剥離した部分について、フィルムの端部から剥離した部分までの距離をレーザー顕微鏡にて測定し、下記基準で判定した。測定は5回測定し平均値を採用した。
○:端部にクラック等の欠点がなく、剥離部が十分にあり(目安:剥離が達している距離が端部から4mm以上)
△:端部にクラック等の欠点がなく、剥離部が少しあり(目安:剥離が達している距離が端部から1mm以上、4mmより小さい)
×:端部にクラック等の欠点があるか、又は剥離部がない(目安:剥離が達している距離が端部から1mmより小さい)
エステル化反応装置として、攪拌装置、分縮器、原料仕込口及び生成物取出口を有する3段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応装置を用いた。TPA(テレフタル酸)を2トン/時とし、EG(エチレングリコール)をTPA1モルに対して2モルとし、三酸化アンチモンを生成PETに対してSb原子が160ppmとなる量とし、これらのスラリーをエステル化反応装置の第1エステル化反応缶に連続供給し、常圧にて平均滞留時間4時間、255℃で反応させた。次いで、第1エステル化反応缶内の反応生成物を連続的に系外に取り出して第2エステル化反応缶に供給し、第2エステル化反応缶内に第1エステル化反応缶から留去されるEGを生成PETに対して8質量%供給し、さらに、生成PETに対してMg原子が65ppmとなる量の酢酸マグネシウム四水塩を含むEG溶液と、生成PETに対してP原子が40ppmのとなる量のTMPA(リン酸トリメチル)を含むEG溶液を添加し、常圧にて平均滞留時間1時間、260℃で反応させた。次いで、第2エステル化反応缶の反応生成物を連続的に系外に取り出して第3エステル化反応缶に供給し、高圧分散機(日本精機社製)を用いて39MPa(400kg/cm2)の圧力で平均処理回数5パスの分散処理をした平均粒子径が0.9μmの多孔質コロイダルシリカ0.2質量%と、ポリアクリル酸のアンモニウム塩を炭酸カルシウムあたり1質量%付着させた平均粒子径が0.6μmの合成炭酸カルシウム0.4質量%とを、それぞれ10%のEGスラリーとして添加しながら、常圧にて平均滞留時間0.5時間、260℃で反応させた。第3エステル化反応缶内で生成したエステル化反応生成物を3段の連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合を行い、95%カット径が20μmのステンレススチール繊維を焼結したフィルターで濾過を行ってから、限外濾過を行って水中に押出し、冷却後にチップ状にカットして、固有粘度0.60dl/gのPETチップを得た(以後、PET(1)と略す)。PETチップ中の滑剤含有量は0.6質量%であった。
一方、上記PETチップの製造において、炭酸カルシウム、シリカ等の粒子を全く含有しない固有粘度0.62dl/gのPETチップを得た(以後、PET(2)と略す。)
これらのPETチップを乾燥後、285℃で溶融し、別個の溶融押出し機押出機により290℃で溶融し、95%カット径が15μmのステンレススチール繊維を焼結したフィルターと、95%カット径が15μmのステンレススチール粒子を焼結したフィルターの2段の濾過を行って、フィードブロック内で合流して、PET(1)を表面層B(反離型面側層)、PET(2)を表面層A(離型面側層)となるように積層し、シート状に45m/分のスピードで押出(キャスティング)し、静電密着法により30℃のキャスティングドラム上に静電密着・冷却させ、固有粘度が0.59dl/gの未延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。層比率は各押出機の吐出量計算でPET(1)/(2)=60%/40%となるように調整した。次いで、この未延伸シートを赤外線ヒーターで加熱した後、ロール温度80℃でロール間のスピード差により縦方向に3.5倍延伸した。その後、テンターに導き、140℃で横方向に4.2倍の延伸を行なった。次いで、熱固定ゾーンにおいて、210℃で熱処理した。その後、横方向に170℃で2.3%の緩和処理をして、厚さ31μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムX1を得た。得られたフィルムX1の表面層AのSaは2nm、表面層BのSaは29nmであった。
積層フィルムX1の表面層A上に以下組成の塗布液1をリバースグラビアを用いて乾燥後の離型層膜厚が2.5μmになるように塗工し、90℃で30秒乾燥後、高圧水銀ランプを用いて200mJ/cm2となるように紫外線を照射することで超薄層セラミックグリーンシート製造用離型フィルムを得た。得られた離型フィルムについて、離型層厚み、領域表面平均粗さSa、最大突起高さRp、相分離構造、セラミックグリーンシートのハーフカット時の剥離きっかけの評価を行った。
(塗布液1)
化合物(I)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
100.00質量部
(NKエステル(登録商標)A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレート、固形分濃度100%)
樹脂(II) ポリエステル樹脂(A) 9.45質量部
離型剤(III) 1.26質量部
(アクリロイル基を有する変性ポリジメチルシロキサン、BYK−UV3505、ビックケミージャパン社製、固形分濃度40質量%)
光重合開始剤 5.25質量部
(OMNIRAD(登録商標)907、IGM Japan GK社製、固形分濃度100質量%)
希釈溶剤(MEK/トルエン=1/1) 431.30質量部
ポリエステル樹脂(A)は下記組成で共重合したポリエステル樹脂を使用した。
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=49/48.5/2.5//50/50(mol%)
実施例1に比べ、ポリエステル樹脂(B)を変更し、下記塗布液2を使用した。塗布液2を用いた点を除いては、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムについて、離型層厚み、領域表面平均粗さSa、最大突起高さRp、相分離構造、セラミックグリーンシートのハーフカット時の剥離きっかけの評価を行った。
(塗布液2)
化合物(I)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
100.00質量部
(NKエステル(登録商標)A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレート、固形分濃度100%)
樹脂(II) ポリエステル樹脂(B) 9.45質量部
離型剤(III) 1.26質量部
(アクリロイル基を有する変性ポリジメチルシロキサン、ビックケミージャパン社製BYK−UV3505、固形分濃度40質量%)
光重合開始剤 5.25質量部
(OMNIRAD(登録商標)907、IGM Japan GK社製、固形分濃度100質量%)
希釈溶剤(MEK/トルエン=1/1) 431.30質量部
ポリエステル樹脂(B)は下記組成で共重合したポリエステル樹脂を使用した。
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/プロパンジオール/トリメチロールプロパン=97.5/2.5//20/79.2/0.8(mol%)
実施例1に比べ、ポリエステル樹脂(II)と希釈溶剤を変更し、下記塗布液3を使用した。塗布液3を用いた点を除いては、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムについて、離型層厚み、領域表面平均粗さSa、最大突起高さRp、相分離構造、セラミックグリーンシートのハーフカット時の剥離きっかけの評価を行った。
(塗布液3)
化合物(I)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
100.00質量部
(NKエステル(登録商標)A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレート、固形分濃度100%)
樹脂(II) ポリエステル樹脂(C) 9.45質量部
離型剤(III) 1.26質量部
(アクリロイル基を有する変性ポリジメチルシロキサン、BYK−UV3505、ビックケミージャパン社製、固形分濃度40質量%)
光重合開始剤 5.25質量部
(OMNIRAD(登録商標)907、IGM Japan GK社製、固形分濃度100質量%)
希釈溶剤(シクロペンタノン) 431.30質量部
ポリエステル樹脂(C)は下記組成で共重合したポリエステル樹脂を使用した。
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=48/48/4//80/20(mol%)
実施例1に比べ、ポリエステル樹脂(II)と希釈溶剤を変更し、下記塗布液4を使用した。塗布液4を用いた点を除いては、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムについて、離型層厚み、領域表面平均粗さSa、最大突起高さRp、相分離構造、セラミックグリーンシートのハーフカット時の剥離きっかけの評価を行った。
(塗布液4)
化合物(I)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
100.00質量部
(NKエステル(登録商標)A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレート、固形分濃度100%)
樹脂(II) ポリエステル樹脂(D) 9.45質量部
離型剤(III) 1.26質量部
(アクリロイル基を有する変性ポリジメチルシロキサン、BYK−UV3505、ビックケミージャパン社製、固形分濃度40質量%)
光重合開始剤 5.25質量部
(OMNIRAD(登録商標)907、IGM Japan GK社製、固形分濃度100質量%)
希釈溶剤(シクロペンタノン) 431.30質量部
ポリエステル樹脂(D)は下記組成で共重合したポリエステル樹脂を使用した。
モノマー組成:(酸成分)イソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)ジエチレングリコール=93/7//100(mol%)
実施例1に比べ、ポリエステル樹脂(II)を変更し、下記塗布液5を使用した。塗布液5を用いた点を除いては、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムについて、離型層厚み、領域表面平均粗さSa、最大突起高さRp、相分離構造、セラミックグリーンシートのハーフカット時の剥離きっかけの評価を行った。
(塗布液5)
化合物(I)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
100.00質量部
(NKエステル(登録商標)A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレート、固形分濃度100%)
樹脂(II) ポリエステル樹脂(E) 9.45質量部
離型剤(III) 1.26質量部
(アクリロイル基を有する変性ポリジメチルシロキサン、BYK−UV3505、ビックケミージャパン社製、固形分濃度40質量%)
光重合開始剤 5.25質量部
(OMNIRAD(登録商標)907、IGM Japan GK社製、固形分濃度100質量%)
希釈溶剤(MEK/トルエン=1/1) 431.30質量部
ポリエステル樹脂(E)は下記組成で共重合したポリエステル樹脂を使用した。
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/50//50/50(mol%)
実施例1に比べ、ポリエステル樹脂(II)を変更し、下記塗布液5を使用した。塗布液5を用いた点を除いては、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムについて、離型層厚み、領域表面平均粗さSa、最大突起高さRp、相分離構造、セラミックグリーンシートのハーフカット時の剥離きっかけの評価を行った。
(塗布液5)
化合物(I)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
100.00質量部
(NKエステル(登録商標)A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレート、固形分濃度100%)
樹脂(II) ポリエステル樹脂(F) 9.45質量部
離型剤(III) 1.26質量部
(アクリロイル基を有する変性ポリジメチルシロキサン、BYK−UV3505、ビックケミージャパン社製、固形分濃度40質量%)
光重合開始剤 5.25質量部
(OMNIRAD(登録商標)907、IGM Japan GK社製、固形分濃度100質量%)
希釈溶剤(MEK/トルエン=1/1) 431.30質量部
ポリエステル樹脂(F)は下記組成で共重合したポリエステル樹脂を使用した。
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=52/18/30//54/46(mol%)
実施例1に比べ、ポリエステル樹脂(II)を変更し、下記塗布液6を使用した。塗布液6を用いた点を除いては、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムについて、離型層厚み、領域表面平均粗さSa、最大突起高さRp、相分離構造、セラミックグリーンシートのハーフカット時の剥離きっかけの評価を行った。
(塗布液6)
化合物(I)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
100.00質量部
(NKエステル(登録商標)A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレート、固形分濃度100%)
樹脂(II) ポリエステル樹脂(G) 9.45質量部
離型剤(III) 1.26質量部
(アクリロイル基を有する変性ポリジメチルシロキサン、BYK−UV3505、ビックケミージャパン社製、固形分濃度40質量%)
光重合開始剤 5.25質量部
(OMNIRAD(登録商標)907、IGM Japan GK社製、固形分濃度100質量%)
希釈溶剤(MEK/トルエン=1/1) 431.30質量部
ポリエステル樹脂(G)は下記組成で共重合したポリエステル樹脂を使用した。
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸/トリメリット酸//(ジオール成分)2−メチル−1,3−プロパンジオール/ブタンジオール=40/39/20/1//60/40(mol%)
実施例1に比べ、ポリエステル樹脂(II)を変更し、下記塗布液7を使用した。塗布液7を用いた点を除いては、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムについて、離型層厚み、領域表面平均粗さSa、最大突起高さRp、相分離構造、セラミックグリーンシートのハーフカット時の剥離きっかけの評価を行った。
(塗布液7)
化合物(I)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
100.00質量部
(NKエステル(登録商標)A−DPH、新中村化学工業社製、6官能アクリレート、固形分濃度100%)
樹脂(II) ポリエステル樹脂(H) 9.45質量部
離型剤(III) 1.26質量部
(アクリロイル基を有する変性ポリジメチルシロキサン、BYK−UV3505、固形分濃度40質量%)
光重合開始剤 5.25質量部
(OMNIRAD(登録商標)907、IGM Japan GK社製、固形分濃度100質量%)
希釈溶剤(MEK/トルエン=1/1) 431.30質量部
ポリエステル樹脂(F)は下記組成で共重合したポリエステル樹脂を使用した。
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/アゼライン酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=30/20/50//65/35(mol%)
Claims (8)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に直接又は他の層を介して離型層が積層された離型フィルムであって、前記離型層は、エネルギー線硬化型化合物(I)、ポリエステル樹脂(II)、及び離型成分(III)を少なくとも含む塗膜が硬化されてなり、前記ポリエステル樹脂(II)が5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分由来のエステル構成単位を含有するセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
- 離型層が、エネルギー線硬化型化合物(I)を海成分とし、ポリエステル樹脂(II)を島成分とする相分離構造を有し、表面凹凸を有する請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
- 離型層が実質的に無機粒子を含有しない請求項1又は2に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
- 前記エネルギー線硬化型化合物(I)が、1分子内に3以上のアクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
- 離型層の厚みが、0.2〜3.5μmである請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
- 離型層の領域表面平均粗さ(Sa)が、5〜40nmである請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
- 離型層表面の最大突起高さ(Rp)が、60nm以下である請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィルムを用いてセラミックグリーンシートを成型するセラミックグリーンシートの製造方法であって、成型されたセラミックグリーンシートが0.2μm〜1.0μmの厚みであるセラミックグリーンシートの製造方法。
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